昭和54年3月甲府市議会定例会議事日程(6)

       昭和54年3月26日 (月) 午後1時

  報  告

第1  議案第12号  議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一

            部を改正する条例制定について

第2  議案第11号  甲府市職員定数条例の一部を改正する条例制定

            について

第3  議案第14号  甲府市公民館設置及び管理条例及び甲府市公民館使

            用料条例の一部を改正する条例制定について

第4  議案第15号  甲府市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する

            条例の一部を改正する条例制定について

第5  議案第16号  甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定

            について

第6  議案第17号  甲府市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正

            する条例制定について

第7  議案第18号  甲府市市営住宅条例の一部を改正する条例制定

            について

第8  議案第19号  青年学級の開設について

                        以上条例特別委員長報告

 

第9  議案第1 号  昭和54年度甲府市一般会計予算

第10 議案第2 号  昭和54年度甲府市公益質屋事業特別会計予算

第11 議案第3 号  昭和54度甲府市国民健康保険事業特別会計予算

第12 議案第4 号  昭和54年度甲府市下水道事業特別会計予算

第13 議案第5 号  昭和54年度甲府市交通災害共済事業特別会計予算

第14 議案第6 号  昭和54年度甲府市刑務所跡地開発事業特別会計予算

第15 議案第7 号  昭和54年度甲府市中央卸売市場事業会計予算

第16 議案第8 号  昭和54年度甲府市農業共済事業会計予算

第17 議案第9 号  昭和54年度甲府市病院事業会計予算

第18 議案第10号  昭和54年度甲府市水道事業会計予算

                       以上予算特別委員長報告

 

第19 議案第33号  固定資産評価審査委員全委員の選任について

第20 議案第34号  監査委員の選任について

第21 諮問第1号   人権擁護委員候補者の推薦について

 

 

    (出 席 議 員)

市 村 輝 男君

河 西 富 夫君

塩 野 褒 明君

市 川 正 雄君

伊 藤 常 八君

小河原 正 平君

内 藤 源 一君

長瀬 正左衛門君

浅 川 朝治郎君

石 川 達 朗君

上 田 英 文君

小 林 淳 光君

清 水 清 富君

内 藤 幸 男君

武 川 和 好君

石 丸 あきじ君

内 藤 秀 治君

森 沢   茂君

山 中 繁 芳君

三 井 五 郎君

原 田 正八郎君

小 林   匡君

早 川 光 圀君

堀 内 光 雄君

樋 口 精 一君

小 林 康 作君

堀 込 徳 一君

風 間 良 興君

込 山 貴 雄君

溝 口 一 雄君

秋 山 慎次郎君

臼 井 成 夫君

柏 原 保 幸君

小 沢 綱 雄君

早 川 武 男君

 

                           35名 

 

   (欠 席 議 員)

土 屋   直君

中 西   久君

渡 辺 儀 市君

 

                            3名

 

                                                                              

職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名

事 務 局 長 輿 石   正君

総務 担当 主幹 臼 田 茂 治君

庶務 担当 主査 松 本 康 成君

調査 担当 主査 大日方 好 一君

議事 担当 主幹 平 嶋   泰君

議事 担当 主査 功 刀   尊君

記録 担当 主査 中 尾 良 次君

 

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

甲 府 市 長 河 口 親 賀君

中央卸売市場長 小 林 一 彦君

助     役 吉 田 三 郎君

市立甲府病院事務局長 内 藤   恒君

参     事 河 村 利 男君

教 育 委 員 長 小 池 幸 蔵君

企 画 部 長 荻 原 克 己君

教  育  長 岩 波 秀 文君

総 務 部 長 新 藤 昭 良君

教 育 次 長 山 本 義 那君

福 祉 部 長 篠 原 憲 造君

水道局業務部長 塩 見 善 之君

社 会 部 長 岡 田 政 治君

 〃 工務部長 三 沢 国 義君

環 境 部 長 中 村 悦 三君

選挙管理委員長 関   和 夫君

経 済 部 長 古 屋   昭君

農業委員会会長 土 屋 活 郎君

建 設 部 長 一 瀬   勇君

公 平委 員長 堀 内 亀太郎君

都市 開発 部長 丸 山   忍君

代表 監査委員 飯 野 守 平君

下 水 道 部 長 志 村 泰 介君

固定資産評価員 広 瀬 順 作君

 

 

 

 

 

       午後1時23分 開議

 

○議長(上田英文君)

 これより本日の会議を開きます。

 

 報告事項を申し上げます。

 

 市長から追加議案の提出について通知がありました。

 

 右は議事日程記載の日程第19、議案第33号から日程第21、諮問第1号の3案でありますので朗読を省略いたします。

 

 次に土屋直君は一身上の都合により、柿崎市立甲府病院長は医療従事のため本日それぞれ欠席する旨の通知がありました。以上で報告を終わります。

 

 これより日程に入ります。

 

 日程第1から日程第8まで8案を一括議題といたします。8案に閲し条例特別委員長の報告を求めます。条例特別委員長長瀬正左衛門君。

 

    (条例特別委員長 長瀬正左衛門君登壇)

 

○長瀬正左衝門君

 4年の歳月も流れまして、最後の私が条例特別委員長を仰せつかりまして、条例委員各員が特別の御協力得まして報告ができることを心から喜びにたえません。

 

 それでは報告書を読み上げて報告にかえたいと思いま

す。

 去る14日の本会議において当委員会に付託された議案について19日委員会を開会、慎重に審査した結果について報告いたします。

 

 まず、委員会は冒頭3者会談問題に関連する公文書毀棄、虚偽公文書作成等の容疑で逮捕された職員の扱いについて質したところ、当局は現在司直で捜査中の事件でもあり、市としては、具体的な内容については把握をしていない。

捜査の終了を待って関係者の処分は検討したい旨の回答がありましたが委員中より、上司の命にしたがい、公文書毀棄等が行われたと思われるので、処分にあたっては慎重に対処すべきだとの意見もありました。

 

 条例案についてはまず、議案第11号甲府市職員定数条例の一部を改正する条例制定については、当局原案のとおり異議なく可決するものと決しました。

 

 次に、議案第12号議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例制定については、議会の議員に対し、本会議等に出席した際1日につき2,000円の費用弁償を支給するための改正案でありますが、当局はその理由として、従来は報酬審議会の中で費用の弁

 

 

 

償を加味して議員の報酬が答申をされてきたが、今後はこれを切り離し、明確化を図るための改正である、との説明がありましたが、一部委員より、趣旨には賛同できるが、改正時期が好ましくないとの意見があり、採決の結果賛成多数で原案のとおり可決するものと決しました。

 

 次に、議案第14号甲府市公民館設置及び管理条例及び甲府市公民館使用条例の一部を改正する条例制定について

 

 議案第15号甲府市消防団負の定員、任免、給与、服務等に関する条例の1部を改正する条例制定について

 

 議案第16号甲府市国民軽康保険条例の1部を改正する条例制定について

 

 議案第17号甲府市病院事業の設置等に関する条例の1部を改正する条例制定について

 

 議案第18号甲府市市営住宅条例の1部を改正する条例制定について

 

 議案第19号青年学級開設についての6案は、いずれも当局原案のとおり異議なく可決するものと可決するものと決しました。

 

○議長 (上田英文君)

 以上で報告は終わりました。

 

 ただいまの特別委員長の報告に対する質疑に入ります。

 

 質疑はありませんか――質疑なしと認めます。

 

 これより日程第1議案第12号を採決いたします。

 

 本案に対する特別委員長の報告は可決であります。本案は特別委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。

 

    (賛成者起立)

 

○議長(上田英文君)

 起立多数であります。

 

 よって本案は特別委員長の報告のとおり可決されました。

 

 次に日程第2から日程第8まで7案を一括採決いたします。

 

 7案に対する特別委員長の報告は可決であります。7案は特別委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。

 

      (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって7案は特別委員長の報告のとおり可決されました。

 

 次に日程第9から日程第18まで10案を一括議題といたします。

 10案に閲し予算特別委員長の報告を求めます。予算特別委員長風間良興君。

 

    (予算特別委員長風間良興君 登壇)

 

○風間良興君

 予算特別委負長の報告を申し上げたいと存じます。

 

 去る3月14日の本会議において当委員会に付託されました議案第1号から議案第10号までの昭和54年度甲府一般会計予算をはじめとする各特別会計予算10議案について、3月17日から24日までの間5日間にわたり、特別委員会を開き慎重に審査いたしました経過と結果を御報告いたします。

 

 まず、昭和54年度予算の総額は

 

 一般会計 223億1,746万8,000円

 

 特別会計 219億8,820万3,000円

 

 合計443億567万2千円であり、昭和53年度当初予算と比較して、一般会計では21億1,606万5,000円の増で、10.5パーセントの伸び、特別会計では34億2,119万3,000円の増で、18.4パーセントの伸びとなり、合計では55億3,725万8,000円の増で、14.3パーセントの伸びを示しております。

 

 なお、新年度予算は本年が地方統一選挙の年に当るため、新規事業で特に政策判断が求められる施策については、その決定が改選後に留保されており、骨格的な性格をもった予算となっております。

 

 これらに関する河口市長の内容説明と所信については、すでに本定例会冒頭の本会議で明らかにされているところであります。

 

 委員会では、最初に予算全般にわたった総括質問を行いました。以下その大要について申し上げます。

 

 まず、昭和54年度の予算執行に当っての基本的な問題として、公文書の問題について、市長の考え方を質したのに対して、市長から、公文書の取扱いは慎重に、間違いのないように対処しなければならないことは当然である。

従って、十分な反省の上にたって対応し、今後はこうした問題が起きないようにする。

続いて、市政への不当介入と暴力団に係わる問題、密室政治等に関して、市長の政治姿勢を質したのに対しては、市長から、そのようなことはあってはならないことであり、当然それらは排除し、今後はなお一層そうした基本的な姿勢で市政を執行することが必要であると痛感している、との答弁がありました。

 

 次に、商工行政に、より力点を置くことを要望する中で、現状の大型スーパーの進出、更にはスーパー同士の大きな生存競争の谷間であえいでいる中小企業、零細業者への対策と、それら業者が協業化等をする場合の援助について、また中央卸売市場は、一応初所期の目的を達成する方向に進んでいるが、今後なお円滑に運営していくためには、関係業者による協議会的な組織を結成していく必要があるとして、それに対する助成措置について市長の考え方を質したのに対して市長から、商工行政に力点を置き、本市の中小零細業者の育成を図らねばならないことは十分理解をしている。従って、商工課を独立させ市の体制を強化した経過もある。

また、大型店進出に伴うそれら既存業者への影響を考え、指導要綱を作成し調整的機能を出来るだけ発揮して、悪影響を最小限に防ぐ努力をしてきたが、今後とも、より積極的に対処するとともに融資制度も強力に進める必要を痛感しているので、新年度もその主旨を踏まえて、適切な対応をしていく考えである。

 

 また、それら業者の協業化、協同化については、積極的に進めていこうという構えはもっており、集団的にやることについては出来るだけ援助するということを前提にして検討し、期待に添うよう努力していきたい。

 

 中央卸売市場については、開設以来、業界の発展と消費者に新鮮なものを供給するという基本的な考え方で、出来る限りの努力をしてきている。卸・中卸・小売のそれぞれの業者が一体となって、業界の発展と運営を図ることには賛成であり、協議会的な組織を設置すること、またそれに協力する考えはもっている。

 

 次に、河口市長が過去8年間努力されてきた、住民参加市政あるいは対話市政を厳粛に振り返ってみて、十分その目的が達成されたかどうか、更に対話を進めるためには、住民への民主主義の徹底と市政の理解が必要であり、住民相互の対話の場も必要であると思うが、地域の公会堂建設についての補助のみでなく、用地取得についても補助する考えはないか、また、県と市が緊密な連携をとっていくことが明らかにされているが、それに対する考え方に対しては市長から、過去8年間、少なくとも誠心誠意市民とともに努力してきたことは事実である。

しかし、市民需要が増高、多様化している時であるので、必ずしも要望や不満を完全に満たすということは、出来得なかったとは思うが、調査では、67.8%は満足度をもっているという結果が出ている。

残されたものについては、年次的に対処していく考えである。

また、市民の意向を出来るだけ市政に反映するという姿勢で、今日まで色々の形で対話を行ってきたが、やはり地域エゴ、個人エゴというものがあり、完全にその成果をあげ得たとは理解していない。従って、現在公聴担当をはじめとして関係部課に、市民参加の市政を執行するための対話の方式を検討させているところである。

 

 また、民主主義を市民に徹底させること、行政を十分理解してもらうことには積極的に取組まなければならないと思う。

今回の総合計画の実施に当っても、その内容を市民が理解していないと、これを推進することは不可能であるので、常に市民の理解を得ることに努めるとともに、新しい総合計画推進に当っての市民参加の方法としては、市民委員会の設置を図るなど、的確な対処をしていきたい。

 

 公会堂建設用地取得に対する補助については、今後の検討の対象にさせてほしい、との答弁がありました。

 

 次に、教育行政について、教育費の構成比の増と今年から1学級40名となることへの対処、未熟児網膜症児の教育問題に対する市長及び教育委員会の見解を質したのに対しては、市長から、教育は、本市の重点施策であるので、いままで傾斜的に予算を投入し、その増高を図ってきた。

特に教材教具の整備は5ヵ年計画で実施してきたが、更に積極的な努力をする考えであり、今度新たに設備、備品等の整備計画をたて、これも5ヵ年で進めることになっている。従って、教育内容の充実とともに設備など教育環境の整備については、今後とも出来る限りの努力を払っていく姿勢で、なお一層教育の拡充をはかっていきたい。

 

 また、1学級40名になることについては、好ましいことではあるが、これに伴う経費が非常に増高してくる。

従って、県の方針であるから市単ということではなく、当然県が負担すべきであるとは思うが、現状直ちに補助というわけにはいかないので、今後当局と教育委員会が一体となって、県に対する努力を払っていきたいと考えている。

 

 未熟児網膜症児に対する考え方については、教育長から、今回の問題の発端となった岡崎ひろみさんは、父兄の了解が得られて、昨年9月に盲学校へ入学した。

学校長からは非常に朗らかに楽しく勉強しているという連絡があった、との報告があり、なおこの問題については、昨年設置された、心身障害児教育研究会から先般中間答申が出されたが、その主な内容は、法改正がされない限り一方的に行うことは難しいこと。

点字の専門教師が必要であること等であり、このことについては統合教育を推し進めることがよいではないかということである。

今後なお言語障害児、情緒障害児、精神薄弱児、病虚弱児など一般障害児教育問題と併せて検討しており、本答申が出された段階で、それに基づいて教育委員会として対応していきたい、との答弁がありました。

 

 次に、現在、最もおくれていると言われる都市計画街路事業の推進、荒川及び相川の橋梁不足と交通緩和策、昇仙峡、千代田湖など北部の観光開発と、公民館あるいは福祉センター設置について質したのに対しては、本市の都市計画街路事業が思うように進行しない原因は国の予算配分と関連がある。

勿論そのことだけに責任があるとはいわないが、そうした財政的な実態があるので、その反省の上にたって、今後は県とタイアップして前提要件である国の予算増加のための努力をしていく考えである。

また、そうした実態の中での交通渋滞があることは事実であるので、県と建設省に要請して、現在荒川橋の拡幅をしているが、それのみでは交通緩和を図ることは出来得ないため、県施行ではあるが寿町側の区画整理事業に市も協力して早期実現を図って行く考えであり、なおまた、西高校と中央高校の間に歩道橋を建設するということで、今回予算に計上してある。

更に今後は、千秋橋の下に新しい橋の建設が必要だということで目下検討中である。出来れば総合計画の実施計画の中に折り込んでいきたい。

北部の観光開発を積極的に進める姿勢は、強くもっており、現在観光も含めた北部の整備計画を検討している。

基本的には、武田史跡、湯村温泉、千代田湖、グリーンライン、荒川ダム建設に伴う奥御岳までの観光ルートをつくっていきたいと考えている。

千代田湖については、水利権の問題があり難しさはあるが、観光開発の必要性はあると痛感している。それに通じる道路については、和田峠の道路は狭隘であり、また白山峠の道路改良は困難であるため、新たに千代田湖へ通じる道路を現在調査している段階である。これについても、実施計画の中で年次的な計画策定をしたいと考えている、との答弁がありました。

 

 北部への公民館建設については、54年度に用地を取得し、55年度には建設したい考えで、現在用地の折衝中である。なお、それに電送システムなどによって諸証明等が発行できる行政センターを併設して、市民の利便を図っていくべく目下検討中である。北部の福祉センターについては、総合計画に盛込まれているが、財政上の問題もあるので、これについても、6月の実施計画策定の時点で、年次的な計画を決定したいと考えている、とそれぞれ答弁がありました。

 

 これに対して、委員から特に次の点を要望する意見が出されました。

 

 まず、地力財政をめぐる厳しい情勢の中で、市民のいのちとくらしを如何に守るかということが、本年度にかけられた課題だと思うので、より以上に市民に民主主義の徹底と市政を理解させる具体的な方途を十分講じるべきである。

 

 また、長い間の県市の関係が、この度幹部職員の交流まで行われることになったことに対応する本市の姿勢を明確にすべきであるとして、具体的には荒川ダムの負担金の問題、大きな予算を必要とする下水道事業への県の行政的配慮、更には都市計画事業のおくれ等いままでの問題点を総括する中で強く県と折衝していく必要がある。

 

 特に、これからの甲府市の都市計画事業は61年国体に焦点を合せて行わなければならない。しかし本市がメイン会場となること、またそのことによる本市将来のメリット、デメリットも未だ明確にされていない状況である。このことは当然急を要する問題であるので、早急に細部にわたる問題点を煮つめて県との折衝を深めていくべきである。

 

 以上が、総括質問の概要であります。

 

 次に、各議案について、順次その審査経過について報告いたします。

 

 まず、一般会計予算について歳出から申し上げます。

 

 議会費については、新たに本会議等に出席した場合の費用弁償制度を導入した経過と根拠について質したのに対し、当局から、従来本市の場合、報酬を検討の際、費用弁償を加味して考慮した経過があったが、今回報酬等の見直しの時期を契機として、検討を進めた中で報酬と費用弁償は異質のものであり、その性格を明確にして区別する必要があるので費用弁償を独立させたもので、類似都市等との均衡上も妥当なものであるとの答弁がありました。

 

 総務費については委員会は、特に市長室関係の食糧費について、昨年来からの食糧費の執行に対する問題を踏まえ、今後その執行に当たっては慎重かつ適切に対処するよう強く要望しました。

民生費については、53年度予定れていた西部地域の公立保育所建設について、その経過を質したのに対し、用地取得が難航して54年度に持ち越しになったが、極力、地主の了解を得るよう努力すると共に、市内全般にわたる保育所の新増設については、入所希望児の動向をみながら検討をしていく旨の答弁がありました。

また、無認可保育所に対する行政指導は、法の規制が及ばないため、保育内容、衛生面、交通安全の指導がなされておらず種々問題があるので公立保育所を整備充実するという姿勢で、この間題の解決を図るよう要望しました。

 

 衛生費については、寄生虫予防対策として施行されている地方病溝渠建設事業の進捗状況と、火葬場の整備状況について質したのに対し、地方病溝渠の国の基本計画は、53年度に打ち切りになるが、基本計画に対し96.8パーセント実施済みとなっており、今後は予算措置でさらに事業を推進し、54年、55年度で完成させたい。また、火葬場の整備は総合計画の中で施設の増設を計画しているが、増設・改修に当たっては、地元に迷惑をかけないよう地元住民のコンセンサスを得る中で実施していくとの答弁がありました。

 

 農林水産業費については、水田利用再編対策による転換作物について、特に大豆は思うような収量が挙っていない点を指摘し、今後の指導のあり方を質したのに対し、今年度は各地域に1か所ずつ展示圃をつくり、2品種位を普及していきたいとの答弁があり、また減反については、市全体では100パーセントを達成したが、一部では50パーセントないし80パーセントに止まったところもあるが、それらについてどのような措置をとるのかと質したのに対しては、国の方針が近く打ち出されるので、正直者が損をすることのないよう対策協議会に諮って対処したいとの答弁がありました。

さらに、農道整備、土地改良事業についても、水田利用再編対策とからめて、国の補助を導入し、緊急度の高いものから実施していくとの見が示されました。

 

 商工費については、まず大店法、商調法等の改正の中で、本市の商業活動の調整は今後どのように行っていくかについて質したところ、法の改正、適用によって本市とすれば、いきおい300平方メートルから499平方メートルまでの規模の店舗等の商業活動の調整を行うことになるが、この面において本市指導要綱は生かしていく。

あわせて従来からの商業活動調整懇話会の幾能も引き続き活用していきたい旨の答弁がありました。

 

 また、旧連雀の間屋街の商店が県の流通センターに移転しているが、税収とも関連してくるので、残っている業者に対する具体的な商工振興策を地元の自治会、商工会とも十分協議するうえで、真剣かつ前向きに検討すべきである、との要望が出されました。

 

 更に、信玄公まつりについて、当初のスタート時点からみると主催団体等の性格が変化してきているが、公共的なものとして位置づけながら取り組むべきである。との指摘に対しては、当初本市が中心となって県、企業等の援助を受けながら実施してきたが、現在は県が主体となって市町村の協力を得て実施されており、この意味合いから甲府市の祭から全県民が参加する祭に変ってきたことはたしかである。

 

 なお、甲府市が開催市ということも含めて若干の問題点が実行委員会内部でも指摘されている状況であるので、これからの甲州軍団出陣を含めた祭のあり方そのものについて再検討を行うよう、実行委負会に提起していきたい、旨の答弁がありました。

 

 また、山梨県中小企業団体中央会、観光協会等に対する補助金の増額を要望する意見も出されました。

 

 土木費については、市営住宅払い下げ後における住宅団地内の道路、側溝の管理について補修を要する箇所が相当あるので管理の所管を明確にし、順次手立てを講ずること。

また、住宅内の道路で市道としての形態が整っているものについては市道に編入し、管理を明確にすべきだとする要望がありました。

 

 また、丸中地区再開発事業の見通しについて当局から

 

 権利者の意識の高揚を図り、積極的に組合設立のための努力を重ねていく旨の姿勢が示されました。

 

 身障者住宅については、すでに市内3か所に建設がされているが、いずれも交通事情等の問題で市内在住者の入居が困難な状況にあるので、今後においては交通事情等を勘案する中で既存の住宅を改良し、身障者が使用出来るような施設にすることを早急に検討し、市民需要にこたえるよう要望が出されました。

 

 学習冠水地帯の解除、増水時の危険箇所の改善のための河川の改修について、雨期を迎えるまでには積極的に取り組む必要がある。従って、そのための担当職員は十分確保し、また関連部課とも連携を保つなかで内部体制の確立を図り、住民の生活環境の整備、安全の確保のために万全の措置を講ずるべきである、との要望もありました。

 

 消防費については、主に次のような要望意見が出されました。

 

1、非常備消防団の被服購入については、市費で全てを負担するよう検討すること。

1、非常口、避難口等の整っていない既存の高層ビル等に対する防災対策の監督、指導並びに一般市民に対する防災意識の周知徹底に、なお一層の努力を払うこと。

1、新たな小学校通学区域への消防分団の組織化を早急に検討すること。

 

 教育費については、幼稚園就園奨励費について、国の基準に比べ、甲府市の奨励費の支給額が低い点を指摘し、当局の方針を質したのに対し、国の基準と本市の支給額にはたしかにギャップはあるが、これは財政的な問題が大きな要因となっている。従って、教育委員会としては積極的に取り阻み、54年度から57年度迄の4か年計画で、現在の国の基準まで引き上げていくとの答弁がありました。

 

 これに対して委員から、対象者に対し財政的な問題を含めた就園奨励費の本市の実態を知らせる方途を講じ、市民の理解を得るとともに、国に向けては、国が決めている財政負担を確保すべく積極的に取り組むべきであるとの要望意見がありました。

 

 また、高校の進路指導にあたっては、中学浪人の出ないよう万全を期すること。また万が一にも中学浪人が出た場合には、事後措置を適切に指導すること。

また、要保護、準要保護家庭の児童生徒に対する就学援助費については市民税均等割以下の所得水準の家庭が対象とされてきたが、生活困窺者の救済制度の効率的活用のために、この基準をさらに引き上げるよう要望が出されました。

 

 歳入については、税に対する市民の認識を高揚し、的確な課税客体の把握のために、青色申告宣言都市の宣言を行うよう前向きに検討すべきである、との要望が出されました。

 

 次に、各特別会計予算について申し上げます。

 

 まず、国民健康保険事業特別会計予算については当局から、新規事業として人間ドックを実施し、初年度は600人を予定している。これは総費用の2割を被保険者が負担することによって検査を受けることができるもので、5月中旬頃には希望者の受付をはじめるとの説明がありました。

 

 下水道事業特別会計予算については、まず、本市下水道事業の進捗状況を質したところ、当局から大津終末処理場の運転開始は55年8月を目途とし、目下これに邁進している。現在、大津終末処理場一系列の建築、土木工事は計画どおりほぼ終了し、電気機械設備工事等を行っている段階である。

また、幹線管渠についても6、100メートルのうち53年度末に4、600メートルが発注済みとなり、残り1、500メートルを54年度内に終了したい、との答弁がありました。

 

 これに対して委員から、下水道事業は快適な市民生活を保障するうえで早急に進めなければならないものであり、かつ市民の要望の極めて強い事業であるので、これが促進に一層前向きの姿勢で取り組むよう要望が出されました。

 

 水道事業会計予算については、荒川ダム建設及び関連工事を進めるにあたって、地元住民に不便を強いることのないよう、また理解とコンセンサスを十分得たうえで行うよう要望が出されました。

 

 なお、公益質屋事業特別会計、交通災害共済事業特別会計、刑務所跡地開発事業特別会計、中央卸売市場事業会計、農業共済事業会計、病院事業会計の6特別会計予算については、当局の説明を了承し、特に質疑はありませんでした。

 

 以上が、昭和54年度の一般会計予算並びに各特別会計予算の審査経過の大要でありますが、採決の結果、

 

 議案第1号昭和54年度甲府市一般会計予算

 

 議案第2号昭和54年度甲府市公益質屋事業特別会計予算

 

 議案第3号昭和54年度甲府市国民健康保険事業特別会計予算

 

 議案第4号昭和54年度甲府市下水道事業特別会計予算

 

 議案第5号昭和54年度甲府市交通災害共済事業特別会計予算

 

 議案第6号昭和54年度甲府市刑務所跡地開発事業特別会計予算

 

 議案第7号昭和54年度甲府市中央卸売市場事業会計予算

 

 議案第8号昭和54年度甲府市農業共済事業会計予算

 

 議案第9号昭和54年度甲府市病院事業会計予算

 

 議案第10号昭和54年度甲府市水道事業会計予算

の各会計予算10案は、いずれも全員異議なく原案のとおり可決するものと決しました。

 

 おわりに臨み、本予算は骨格的性格の強いものであるとは言いながらも、5日間にわたる慎重な審議の過程において委員から提起された要望、意見は、いずれも市民生活にとって緊要かつ切実な課題といえます。

 

 従って、当局におかれては、この内容、趣旨等を十二分に斟酌する中で適切かつ効率的な予算執行を行い、甲府市政発展、向上のためなお一層ご尽力されんことを強く希望して報告を終わります。

 

○議長(上田英文君)

 以上で報告は終わりました。

 

 ただいまの特別委員長の報告に対する質疑に入ります。

 

 質疑はありませんか――質疑なしと認めます。

 

 これより日程第9議案第1号を採決いたします。

 

 本案に対する特別委員長の報告は可決であります。本案は特別委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。

 

    (賛成者起立)

 

○議長(上田英文君)

 起立多数であります。

 

 よって本案は特別委員長の報告のとおり可決されました。

 

 次に日程第10から日程第18まで9案を一括採決いたします。

 

 9案に対する特別委員長の報告は可決であります。9案は特別委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。

 

    (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって9案は特別委員長の報告のとおり可決されました。

 

 次に日程第9議案第33号から日程第21諮問第1号の3案を一括議題といたします。

 

 市長から提案理由の説明を求めます。河口市長。

 

    (市長河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 本日追加の提案をいたしました8案件につきましてこの大要を御説明申し上げます。

 

 議案第33号「固定資産評価審査委員会委員の選任について」は、固定資産評価審査委員会委員のうち、昭和54年3月28日をもって任期が満了する田村義雄の後世として中村六堆を選任するにつきまして地方税法の規定により議会の同意を求めるものであります。

 

 次に、議案第34号「監査委員の選任について」は、本市監査委員のうち、知識経験を有する者のうちから選任した飯野守平の退職を昭和54年3月26日付をもって承認したので、これが後任として山本義邦を選任するについて議会の同意を求めるものであります。

 

 次に、諮問第1号「人権擁護委員候補者の推薦について」は、人権擁護委員のうち昭和54年2月14日をもって任期が満了した富士平の後任及び昭和54年3月7日死亡した山本宗治の後任として、それぞれ富士平、森澤幸夫を推薦するについて議会の意見を求めるものであります。

 

 以上が本日追加提案致しました案件の大要であります。

 

 御審査のうえ、御協賛賜わりますようお願い致しましまして説明を終わります。

 

○議長(上田英文君)

 以上で説明は終わりました。

 

 これより質疑に入ります。

 

 質疑はありませんか――質疑なしと認めます。

 

 ただいま議題となっております日程第19議案第33号から日程第21諮問第1号の3案は総務委員会に付託いたします。

 

 総務委員会審査のため暫時休憩いたします。

 

   午後2時02分   休 憩

 

   午後3時22分 再開議

 

○議長(上田英文君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。

 

報告事項を申し上げます。

 

 ただいま議員河西富夫君から議員の辞職願いが提出されました。御了承願います。以上で報告は終わります。

 

 ただいま総務委員長から委員会審査の結果がありました。よって議案第33号から諮問第1号まで3案を一括議題といたします。

 

 3案に関し総務委員長の報告を求めます。総務委員長内藤源一君。

 

    (総務委員長 内藤源一君登壇)

 

○内藤源一君

 先の本会議において当委員会に付託されました議案について、休憩中委員会を開き審査した結果について報告いたします。

 

 まず議案第33号「固定資産評価審査委員会委員の選任について」、議案第34号「監査委員の選任について」の2案については、当局原案のとおり全員異議なく同意することに決しました。

 

 次に諮問第1号「人権擁護委員候補者の推薦について」は当局諮問のとおり全員異議なく決定するものと決しました。以上で報告を終わります。

 

○議長(上田英文君)

 以上で報告は終わりました。

 

 ただいまの委員長の報告に対する質疑に入ります。

 

 質疑はありませんか一質疑なしと認めます。

 

 これより日程第19議案第33号及び日程第20議案第34号の2案について採決いたします。

 

 2案に対する委員長の報告は同意であります。2案は委員長の報告のとおり同意することに御異義ありませんか。

 

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって2案は委員長の報告のとおり同意することに決しました。

次に日程第21諮問第1号 人権擁護委員候補者の推薦についてを採決いたします。

日程第21諮問第1号 人権擁護委員候補者推薦についての委員長の報告は諮問のとおり決定であります。

本件は委員長の報告のとおり決することに御異議あませんか。

 

    (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって本件は委員長の報告のとおり決しました。

 

 ただいま同意を得られた諸君からごあいさつをしたい旨の申し出がありますので順次発言を許します。

 

 最初に固定資産評価審査委員会委員 中村六雄君。

 

 (固定資産評価審査委員会委員 中村六雄君 登壇)

 

○中村六雄君

 私が御紹介にあずかりました中村六雄でございます。

 

 本日は御同意をいただきましてまことにありがとうございます。もともと浅学非才なことでございますので、お引き受けした以上は誠心誠意、公正の指針をもちまして職務を完全に全うする所存でございます。

 

 先生方には何かと御多忙なことと存じますが、今後ともよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いいたします。

 

 簡単でございますがごあいさつにかえさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

 

○議長(上田英文君)

 次に監査委員山本義邦君。

 

    (監査委員 山本義邦君 登壇)

 

○山本義邦君

 私の監査委員の選任について御同意をいただきまして、この上ない名誉なことと深く御礼申し上げます。

 

 監査委員選任につきましては、その職務遂行に今後万全を期すため、誠心誠意がんばってまいりたいと思います。

 

 ぜひ今後とも御指導、御鞭撻をいただきますように心からお願いいたしまして、ごあいさつにかえる次第でございます。よろしくお願いいたします。

 

○議長(上田英文君)

 次に河西富夫君から議員の辞職願いが提出されております。

 

 お諮りいたします。

 

 この際河西富夫君の議員辞職についてを日程に追加し、議題とすることに御異義ありませんか。

 

    (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よってこの際河西富夫君の議員辞職についてを日程に追加し議題といたします。

 

 河西富夫君の除斥を求めます。

 

    (河西富夫君 除斥)

 

 まずその辞職願いを朗読いたさせます。

 

    (辞職願い朗読)

 

○臼田茂治君

 辞職願い

 

 私は今般一身上の都合により市議会議員を辞職したいので、地方自治法第126条の規定により許可くださるようお願いします。

 

  昭和54年3月26日

 

        甲府市議会議員 河 西 富 夫

 

 甲府市議会議長 上 田 英 文 殿

 

○議長(上田英文君)

 お諮りいたします。

 

 河西富夫君の議員の辞職を許可することに御異議ありませんか。

 

    (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって河西富夫君の議員の辞職を許可することに決しました。

ただいま議員辞職を許可されました河西富夫君から、ごあいさつをしたい旨の申し出がありますので発言を許します。

 

    (河西富夫君 登増)

 

○河西富夫君

 先ほど議長のもとに提出をいたしました一身上の理由による辞職願いを、議員各位の万場の同意を得て認めていただきまして、本当にありがとうございます。

 

 思えば50年の統一地方選挙で、40分の1議席の一つに加えさせていただきまして、甲府市政の発展のために微力ではございますけれども、同僚並びに先輩皆さん方の多大な御支援をいただきながら、地方自治の何であるかということを勉強さしていただく幾会を与えていただきました。

その間御承知のように非常にわがまま者の私でございましたけれども、各常任委員会並びに議会全体を通じて、非常に先輩の皆さん、同僚の皆さんから多大の御協力と御支援をいただいて、大過なく甲府市議会議員としての活動を終了することができました。

 

 思えばいろいろなでき事がございましたけれども、自分ながら微力を尽くして甲府市政の一つに参画をしてきたつもりでございますけれども、今回一身上の都合によりまして辞職をするような運びになりました。

 

 今後、議員各位の皆さんがむかえる地方統一選挙で全員そろって当選をされ、甲府市政発展のために再び尽力されることをお願いするとともに、長い間御迷惑をおかけしてまいりました当局の皆さん方にも心から厚く御礼を申し上げ、なお毎回議会のたびに取材にあたりました取材陣の御活躍並びに多くの市民の要望を受けて傍聴に参られました皆さん方にも、心から甲府市議会を見守っていただきましたことについて、厚く御礼を申し上げます。

 

 ますます甲府市と甲府市議会が発展されますように心から念じまして、一身上の理由によります辞職願いを許可されていただきましたお礼のお吉菓にかえさしていただきたいと思います。長い間ありがとうございました。

 

○議長(上田英文君)

 次に総務、民生、建設経済の各常任委員長から、目下委員会において審査中の事件につき、会議規則第87条の規定により、お手元に配付いたしました申し出のとおり、閉会中の継続審査の申し出がありました。

 

 お諮りいたします。

 

 各常任委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに御異義ありませんか。

 

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって各常任委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査に付すことに決しました。

 

 ただいま河口市長からごあいさつをしたい旨の申し出がありますので、この際発言を許します。河口市長。

 

   (市長河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 3月定例市議会に御提案を申し上げました案件につきましては、非常に御多用の時期でありましたけれども、長期にわたって慎重な御審議を賜わり、御議決をいただきましたことに厚く御礼を申し上げる次第であります。

 

 市民需要の増高あるいは多用化の中で、議員各位におかれましては任期4年の市政進展のために非常な4年間の御苦労を、御尽力をいただき、市政がますます発展、向上をいたしておりますことは、ひとえに議員各位の御協力、御指導のたまものであります。

4月は地方統一選挙が執になりますけれども、議員各位はそれぞれ立候補される由を承っております。

御健闘の上御当選を心からお祈りを申し上げます。

 

 なお、立候補をされない議員におかれましては、長年にわたりまして市政に対し御尽力をされたその御功績に対し、衷心から敬意を表し感謝を申し上げる次第でございます。

退任後におかれましても過去の御経験を生かされ、何分の市政に対する御指導と御協力を賜わりますようお願いを申し上げます。

議員各位の御健勝と御健闘をお祈り申し上げる次第であります。

 

 なお、この幾会に私の方から報告と所信の一端を申し上げますことをお許しをいただきたいと存じます。

 

 3月定例市議会会期中の中で、いわゆる三者会談に関連をいたしました強要罪、あるいは文書関係の告訴、告発事件については、甲府警察署から書類送検をされ目下その取り調べ、厳正の立場に立って進められておるところでございますので、捜査当局の最終の結論が出されました時点で私から市民の皆さんに本件の内容について報告を申し上げる所存でございます。

 

 昨年7月より今月まで8ヵ月間にわたって、市民並びに市議会の皆さん方に御迷惑と市政不信を招いたことはまことに申しわけなく、深くおわびを申し上げる次第であります。とりわけ職員と家族の皆さんに与えた精神的、道義的な責任は、はかりようのない痛恨事として私の人生の上に重くのしかかって、毎夜職員と家族のことを思い涙を浮かべない日とてありません。私の受けた精神的重荷は生涯にわたり良心の苛責として大きな比重を占め、職員と家族に与えた精神的、行政的な責任は公人、私人にかかわらず私の一身をささげても守り抜いて、その傷痕をいやすため一層の精進に努める所存でございます。

 

 なお、本件の本質が革新市政、民主市政を転覆、失脚をさせようとする長期的かつ戦略的な政治謀略でありますことは、数々の事例からすでに明らかでございます。

しかし、このような事件を招来をせしめ、市民に疑惑と不信を増大をさせましたことにつきましては、まことに遺憾でございます。今後市政の不当な介入、執行上の秘密を排除をして、市民によります市民のための市政を毅然たる態度で執行をしてまいらなければならないと決意をいたしておるところでございます。

本件発生以来、私は私の責任において市政に殉死しようと考えたことも事実でありますけれども、12月の市議会において速やかに告訴事件と関連し、政治責任をとることを要求されましたことにより、私の決意を逡巡をさせたこともまた事実でございます。

私は過去8年間、人間尊重、生活優先を基調として市民の命と暮しを守ることを施策の中心として、誠心誠意努力をささげてまいりましたが、この革新市政、この民主市政をさらに前進、発展をさせ、一歩も私は後退をしてはならない、こう思っております。

私の政治的、道義的責任につきましては、市民の厳しい叱正を甘んじて受け、政治家河口としてではなく人間河口の泥まみれの姿を改めて問い直していただき、政治の原点であります初心にかえって市政を市民の信頼感の確立に私心を捨ててまいる覚悟でございます。甲府市の発展は市民の理解と協力と、市議会の御指導、御協力なくしてはあり得ません。

市議会議員各位に対しまして、市政の混乱をこのように招いたことについては、重ねておわびを申し上げ、深くこうべを下げまして所信の私の一端を披瀝を申し上げた次第でございます。

 

○議長(上田英文君)

 以上をもって本定例会に提出されました議案及び請願、陳情の審査を全部終了いたしましたので、会議を閉じ3月定例会を閉会いたします。

 

     午後3時40分 閉会

 

甲府市議会議長  上 田 英 文

会議録署名議員  市 川 正 雄    

  〃     市 村 輝 男

〃     溝 口 一 雄