昭和58年6月甲府市議会定例会議事日程(1)  

      昭和58年6月30日(木) 午後1時

報  告

第 1  会議録署名議員指名について

第 2  会期決定について

第 3  議案第58号  昭和58年度甲府市一般会計補正予算(第1号)

第 4  議案第59号  昭和58年度甲府市下水道事業特別会計補正予算(第

             1号)

第 5  議案第60号  昭和58年度甲府市住宅新築資金等貸付事業特別会計

             補正予算(第1号)

第 6  議案第61号  昭和58年度甲府市農業共済事業会計補正予算(第1

             号)

第 7  議案第62号  専決処分について(交通事故の示談締結及び損害賠償

             の額の決定について)

第 8  議案第63号  市道路線の認定について(朝気官舎跡地4号線ほか3

             路線)

第 9  議案第64号  市道路線の認定について(朝気官舎跡地8号線ほか1

             路線)

第10  議案第65号  市道路線の認定について(万才橋東線)

第11  議案第66号  農作物共済、蚕繭共済及び園芸施設共済の無事戻しに

             ついて

第12  議案第67号  甲府市市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科

             医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部

             を改正する条例制定について

第13  議案第68号  甲府市福祉センター条例の一部を改正する条例制定に

             ついて

第14  議案第69号  甲府市同和対策住宅新築資金等貸付条例の一部を改正

             する条例制定について

第15  議案第70号  甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定に

             ついて

第16  議案第71号  甲府市城東体育館条例制定について

第17  議案第72号  請負契約の締結について(市立琢美小学校屋内運動場

             新築(建築主体)工事)

第18  議案第73号  請負契約の締結について(市立東小学校改築(建築主

             体)工事)

第19  議案第74号  請負契約の締結について(市立春日小学校改築(建築

             主体)工事)

第20  議案第75号  請負契約の締結について(市立相生小学校改築(建築

             主体)工事)

第21  議案第76号  請負契約の締結について(市立北中学校改築(建築主

             体)工事)

第22  議案第77号  請負契約の締結について(昭和58年度公共下水道管

             布設工事第3工区)

第23  議案第78号  請負契約の締結について(大津終末処理場汚泥コンポ

             スト施設機会設備工事)

第24  議案第79号  請負契約の締結について(南西第4幹線下水道管布設

             工事(シールド工))

第25  議案第80号  請負契約の締結について(市立東中学枚改築(建築主

             体)工事)

 

(出 席 議 員)

川 名 正 剛君

清 水 節 子君

飯 沼   忠君

武 川 和 好君

依 田 敏 夫君

剣 持 庸 雄君

森 沢 幸 夫君

岡 田   修君

福 島   勇君

宮 島 雅 展君

村 山 二 永君

秋 山 雅 司君

内 藤 幸 男君

塩 野 褒 明君

早 川 光 圀君

堀 内 征 治君

内 藤 秀 治君

上 田 英 文君

小 林 康 作君

堀 内 光 雄君

牛 奥 公 貴君

斉 藤 憲 二君

野 村 義 信君

長 田 昭 哉君

渡 辺 静 男君

中 込 孝 文君

岡     伸君

堀 口 菊 雄君

千 野   哮君

鈴 木 豊 後君

原 田 正八郎君

長瀬 正左衛門君

富 永 政 男君

飯 島   勇君

早 川 武 男君

中 西   久君

小 沢 政 春君

小 林   匡君

三 井 五 郎君

小 沢 綱 雄君

                                 40名

 

(欠 席 議 員)

                                 な し

 

職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名

   長 臼 田 茂 治君

総務 担当 主幹 山 下   久君

庶務 担当 主査 樋 口 一 雄君

調査 担当 主査 功 刀 敏 夫君

議事 担当 主幹 都 筑   登君

議事 担当 主査 功 刀   尊君

議事 担当 主査 今 福 栄 一君

記録 担当 主査 天 野 忠 幸君

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

市     長 原   忠 三君

国体 準備 室長 飯 尾   和君

助     役 新 藤 昭 良君

中央卸売市場長 田 中 忠 夫君

収  入  役 荻 原 克 巳君

市立甲府病院長 石 井 次 男

市 長 室 長 窪 田   。君

〃 事務 局長 坂 本 吉 哉

調査 管理 部長 河 村 利 男君

教 育 委 員 長 飯 室 甫 邦

企 画 部 長 神宮寺 英 雄君

教  育  長 楠   恵 明君

総 務 部 長 植 田 太 六君

教 育 次  長 近 山 滋 郎

市 民 部 長 入 倉 芳 幸君

水道事業管理者 志 村 泰 介君

社 会 部 長 吉 岡   典

水道局業務部長 中 込 忠 雄君

福 祉 部 長 高 野   肇君

 〃 工務部長 羽 田   規君

環 境 部 長 中 込   勉

選挙管理委員長 関   和 夫

経 済 部 長 中 島 省 三君

代表 監査 委員 保 坂   一君

建 設 部 長 赤 池 昭 之君

公 平 委 員 長 清 水 一 郎君

都市 開発 部長 丸 山   忍

農業委員会々長 土 屋 活 郎君

下 水 道 部 長 高 橋 信 靖君

固定資産評価員 上 杉   要

技術 管理 室長 小 松   要

 

 

 

     午後1時03分 開会

 

〇議長(長瀬正左衛門君)

 ただいまから昭和58年6月甲府市議会定例会を開会いたします。

 

     午後1時04分 開議

 

〇議長(長瀬正左衛門君)

 これより本日の会議を開きます。

 

 報告事項を申し上げます。

 

 本定例会に提出する議案につき、市長から通知がありました。

 

 提出議案は議事日程記載のとおりでありますから、朗読を省略いたします。

 

 次に市長から議会に報告すべき事項である報第2号昭和57年度甲府市一般会計予算繰越しについてから報第6号 財団法人甲府市学校給食会の経営状況の報告についてまでの5件が提出されました。

 

 右はそれぞれお手元に配付いたしてありますので御了承願います。

 

 次に、監査委員から昭和58年2月末、3月末及び4月末の例月出納検査報告書が提出されました。

 

 右はお手元に配付いたしてありますので御了承願います。

 

 次に、昭和58年5月26日から6月8日までの間5回にわたり、関東及び県下の各市議会議長会関係の会議が開催され、随員とともに出張いたしました。

 

 それぞれの会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 

 以上で報告は終わります。

 

 これより日程に入ります。

 

 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。

 

 会議録署名議員には、会議規則第167条の規定により

   内藤 幸男君

   三井 五郎君

   中込 孝文君

を指名いたします。

 

 次に、日程第2 会期決定についてを議題といたします。

 お諮りいたします。

 

 今期定例会の会期は、紹集の日から7月11日まで12日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

 

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

〇議長(長瀬正左衛門君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって、今期定例会の会期は12日間とすることに決しました。

 

 次に、市長から所信表明をいたしたい旨の申し出がありますので、この際発言を許します。

 

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 本日、ここに6月市議会定例会が開会されるにあたり、私の市政に対する所信の一端を申し上げる機会をいただきましたことに厚くお礼申し上げます。

 

 このたび私は、市民のみなさんの御支持を得て、第31代甲府市長に就任させていただきました。いま私は、ひしひしと市長としての責任の重さを痛感しておりますとともに、県都甲府市の洋々たる未来にも夢を馳せているところであります。

 

 ここに議員各位と共に20万市民の福祉のために市政を担当することを心から光栄とするものであります。

 

 市政の運営は、執行機関と議決機関とが車の両輪となってこそ円滑なる推進が行い得るわけでありまして、市議会議員各位の御理解、御協賛をいただくための努力を、私は誠心誠意行ってまいる所存であります。

 

 各位の絶大なる御協力を衷心よりお願い申し上げる次第であります。

 

 私は市政執行にあたってその基本姿勢を「甲府市は甲府市民のためにあり、甲府市政は甲府市民とともに歩むべきものである」との政治理念に基づき、市民党的立場を堅持し、市民本意の市政を貫き通すこと、市民との心のかよった対話の中から信頼と協調の輪を広げ、市民の積極的参画を求める市政を進めることを基本に、公正、清潔、誠実の姿勢をモットーに市政を執行してまいる所存であります。

 

 さて、これからの市政執行にあたりまして、地方自治体を取りまく環境と課題についてふれてみたいと思います。

 

 今、我が国は、国際社会の一員として諸外国との協調を推進し、世界経済に貢献することが強く求められております。

 

 一方、世界各国の同時不況による輸出の減少、内需の不振などにより景気の低迷が続くなかで、日本経済と国家財政は、行財政改革の推進によってその活路を見出そうとしており、又、我が国人口の年齢構成の中での高齢化社会への対応など、深刻な課題に直面しております。

 

 高齢化社会の到来は、単に老人の問題としてとらえるだけでなく、各世代の人びとが自分自身の問題として受けとめ、国民、市民が一体となって真剣に取りくむべき重要な課題であります。

 

 次は地方の時代の問題であります。

 

 80年代は地方の時代であるといわれております。中央集権から地方分権へ、画一的行政から多様、多面的行政へと時代の潮流は大きく変化しつつあり、また、行政のみならず住民生活の各面におきましても、それぞれの地域の独自性、地域に根ざした個性が重視されようとしております。すなわち、住民の創意工夫と行政への積極的な参加のなかで、個性豊かな身近なまちづくりの創造が強く求められております。

 

 次に行財政改革の問題であります。

 

 私は、行政はできるだけ住民の身近なところで、しかも簡素にして、かつ効率的に実施されるべきものであり、また社会経済情勢の変化に即応し得るものでなければならないと考えます。いわゆる地方分権の確立であります。

 

 国の今回の行政改革への取りくみの中で、真の地方自治の充実強化への方策に深い関心を持つものであります。国においては国家財政の危機を打開するため、財政再建を至上命令とした昭和58年度予算は前年度を実質下回る極めて厳しい超緊縮型としたところであり、さらに来年度の予算編成に向けましてもその指向を一層強めようとしております。

 

 本市におきましては、すでに国にさきがけて昭和40年代から抜本的な組織改革を実施し行財政運営の健全化効率化に積極的に取りくんでまいり、一定の成果をあげてきたところであります。しかし国の行政改革に伴う財政再建の影響や経済情勢の推移等、諸般の状況を判断しますと地方行財政の環境は極めて厳しい局面を迎えております。

このようななかで本市懸案の大型事業への対応には、今後多額の財政需要が見込まれ、将来にわたって厳しい行財政状況下におかれるものと考えられその活路を見出す努力が必要であると存じます。いかに行財政状況が厳しくとも市民生活の向上に必要な施策は、勇気と英断をもって推進していかなければなりません。

 

 今この時こそ、職員の英知を結集し、新たな発想と、創意工夫を凝らした徹底した行政の近代化、効率化への対応が重要な課題であります。以上申し上げましたような課題を深く認識するとともに、これら課題に積極的に対応してまいる所存であります。

 

 次に、私の市政執行の基本的方針について申し上げます。

 

 第1は、昭和53年度を初年度とする甲府市新総合計画は、人間尊重、市民生活優先の市政を基本とし、市民参加のもと、市議会の議決を得て策定されたものであり、10カ年計画前期5カ年を経過し、昭和58年度を初年度とする後期5カ年を展望する中で実施計画が策定されておりますので、この経緯を尊重し、甲府市新総合計画の推進を第1の基調におくものであります。

 

 第2は、現在本市の最大の行政課題であり、さらにタイムリミットのある、61年かいじ国体、甲府駅近代化、地震対策、公共施設建設に伴う周辺環境整備事業の、大型プロジェクトにつきましては、これら事業の完成と成功とが、当面、私に課せられた最大の責務であると考え、全精魂を傾注してまいる所存であります。

 

 第3は、私がこのたびの選挙を通じまして市民のみなさんに幾つかの政策を掲げてまいりましたが、その基調は、良好な都市環境のもとで活力のあるまちにするため産業の活性化をはかり、同時に明日の文化の創造に歓びを感ずる都市の理想を目指し、行政の中に文化性を総体的にとり入れながら、すべての市民の心身の健康を、あらゆる施策展開の基本理念として位置づけた「活力のある健康都市甲府」の実現をめざす市政の推進であります。

 

 主要な施策といたしましては、

 

 第1に、調和のとれたいのちとくらしのための施策であり、

 

 第2には、活力とゆとりある都市づくりのための施策であります。

 

 第3は、市民による市民参加市政の推進であり、

 

 第4は、新時代に対応する行政執行体制の確立であります。

 

 以上の市政執行の基本的方針に基づき、今後の市政を執行してまいりますが、ますます多様化する市民ニーズに対応しながらも、健康で文化的な市民生活の環境づくりのための施策を推進しようとするものであります。

 

 次に主要な施策につきまして御説明申し上げます。

 

 まず第1の「調和のとれたいのちとくらしのための施策」であります。

 

 調和のとれた都市づくりのためには、健康都市の基盤ともいうべき快適な生活環境を確保するための諸施策をはじめ、教育の振興並びに社会福祉の充実を重点施策とするなかで、積極的に健康を増進するためのスポーツの振興、さらに総合的な保健医療体制の整備等の施策を進めてまいらなければなりません。

 

 生活環境の確保といたしましては、上・下水道、河川生活水路、住宅、生活道路、都市公園等の整備を計画的に着実に進めてまいります。環境衛生といたしましては、ごみ・し尿処理施設の整備と将来計画への対応を図り、ごみの減量化と廃棄物の再利用運動の推進、廃棄物最終処分場の建設及び火葬場の建設と周辺整備事業を推進してまいります。

 

 憩の町、心にゆとりをもたらす町、すなわち緑あふれる都市の創造を積極的に進めるため緑を倍増する緑化事業の拡大推進をはかり、新たに杜(もり)をつくる市民運動の施策をも展開してまいります。

 

 清潔で美しい町づくりのため、河川、道路清掃を重点に市民1日総参加の日を設定し、市民の連帯と協詞のなかでわが街甲府を愛する気風の育成を図り、美化運動を推進してまいります。公害防止の施策につきましてもさらに意を用い、充実整備を進めてまいります。

 

 次に社会福祉の充実につきましては、老人総合福祉対策の確立を目指し、老人福祉施設としての特別養護老人ホームの建設、痴ほう症老人対策として短期保護制度並びに施設建設を積極的に促進し、保健医療対策、寝たきりやひとり暮し対策、また、生きがい対策などの施策を強力に推進してまいります。さらに、進展の著しい高齢化社会への対応といたしまして、この問題を20万市民全体の課題として共に考える施策をも推進してまいります。

 

 また、社会的弱者である心身障害者の住みよい街づくりと児童福祉、母子、父子の福祉対策にも思いやりのある施策を進め、勤労者のための福祉事業にもなお一層の充実を期してまいります。

 

 次に市民の健康と安全、防災のための施策といたしましては、市民の健康対策として市民総合保健計画を樹立し、20万市民の総合的保健医療体制の確立を図り、市民総合健康福祉施設の整備充実をおし進めてまいりたいと考えております。また、市立甲府病院の医療体制の整備充実と経営の健全化への積極的な対応を進め、健康づくり市民運動の展開など、市民の健康づくりのための施策を推進してまいります。さらに北部地域の飲料水の確保対策にも積極的に取りくんでまいります。

 

 消費者保護対策といたしまして中央卸売市場の健全な運営に一層の経営努力をはらい、省資源、省エネルギー対策につきましても、さらに推進してまいります。

 

 現在の市民生活環境の中で社会的に大きな課題であります交通事故から市民を守る施策といたしまして、交通安全対策を強力に推進してまいらなければなりません。歩道、自転車道等交通安全施設の整備、交通安全思想の普及啓発のための施策を強力に展開してまいります。

 

 次に防災対策といたしまして、地震等不時の災害に備えての施設と内容の整備充実を進め、市民による防災体制の確立、住宅地等のがけ崩れなどの防災対策の整備、常備、非常備消防体制の充実をも推進してまいります。

 

 次は教育の振興についてであります。未来の甲府市を担う市民の人づくりの場としての学校教育は1日たりともゆるがせにできない最も重要な行政の課題であります。教育内容の充実、教育施設の整備充実を図る諸施策の推進に最大限の努力をはらってまいる所存であります。

 

 教育内容の充実の面に新たな視点からの施策といたしまして、教師の自主的研究、研修の場の充実、教師と生徒のセミナーハウス建設構想の推進、留守家庭児童会を中心とした学童保育の充実、さらに本市唯一の伝統ある市立高校、甲府商業高等学校の特色ある学校づくりを推進してまいります。

 

 教育施設といたしまして、小・中学校校舎の不燃耐震化と屋体等の整備につきましては、着実にこれを推進し、さらに施設内容にゆとりと特色のある発想を付加してまいりたいと考えております。小・中学校の適正配置と学校規模の適正化をより強力に進めてまいりますが、特に西南部方面のマンモス校解消のための新設中学校の建設を重点的に推進してまいります。

 

 市民の健康づくりのための体育施設の整備、スポーツの機会の拡大による健康づくり運動の促進、ならびに「61年かいじ国体を成功させる市民運動」の展開と市民総合スポーツ公園の確保を積極的に推めてまいります。

 

 また、心の健康のための社会教育の推進につきましては、生涯教育としての内容の充実、さらに公民館等、施設の一層の充実を図り、婦人の地位向上のための婦人行動計画等の諸施策を推進してまいります。

 

 青少年の育成につきましては、今日大きな社会問題となっております。青少年犯罪と非行は、社会全体の課題であります。青少年の健全な育成と非行防止対策を全市民的課題として受けとめ市民総ぐるみの運動として、これを推進してまいる所存であります。また、教育の場、一般行政の場での組織施策体系を、全庁的に取りくむ総合的に体系化し、より効率的な実効ある施策を展開してまいります。

 

 また、子供に夢を、子供の喜ぶ施策といたしまして、児童館構想を推進し、音楽の場、スポーツの場、工作の場、遊ぎの場の施設整備とリーダー養成教室の開設をも推進してまいります。

 

 次に第2は「活力とゆとりある都市づくりのための施策」であります。

 

 社会経済の発展に伴い、本市も山梨県の中枢都市として今日の隆盛をみるにいたっておりますが、中でも交通体系の進展は著しく、さらに昨年、中央道全線開通に伴う首都圏をはじめ関西等遠隔地との流通の増加、市外の大型資本の流入など、本市の地域経済構造は大きく変革しようとしており、また、現在の地方都市の行政活動、経済活動は、その圏域が広域化の傾向を一層強く指向しております。

 

 このような経済社会環境の現況とさらに将来への変化にも対応できる都市づくりのためには、本市がおかれている社会的・経済的条件の中で、甲府市を国中地域における広域圏的中核都市として位置づけ、圏域内の社会的諸活動の関連を保持し、都市基盤の整備、地場産業を中心とした産地振興、並びに商業都市、観光都市としての活性化と、都市近郊農業との調和をはかりながら、地方文化の香り高い、個性とうるおいある都市の実現をめざす施策を進めていかなければなりません。

 

 活力ある都市づくりの第1は、都市基盤の整備による都市活性化へ向けての方策であります。

 

 都市の基幹となる都市計画街路事業の整備推進、市街地再開発のための土地区画整理事業の推進、甲府駅近代化事業の推進と南北広場の整備の促進、都市施設としての国体主会場周辺整備事業の推進、中部横断自動車道の建設促進等とさらに駐車場・駐輪場対策をも積極的に推進してまいる所存であります。

 

 次は産業の活力ある方策についてであります。本市の活力ある産業の発展は、時代にふさわしい商工業の高度化、近代化と観光を推進し、農林業につきましても情勢の変化に対応した施策を推進していかなければなりません。

 

 商業振興の重点といたしまして、商業近代化実施計画策定事業、商店街近代化再開発事業の推進、商業振興トータルビジョンによる商業基盤の整備等を図り、おくゆきのある商店街づくりを推進してまいります。

 

 工業の振興につきましては、地場産業を中心とした産地産業の振興策の推進と拠点施設として地場産業振興センターの建設を促進し、地域工業振興ビジョンによる工業の集団化、協業化、共同化等、高度化事業を進め、小規模工業団地の建設をも推進してまいります。さらに、誘致企業の下請など中小企業の育成と、中小企業経営相談その他情報機能を整備した中小企業の総合的施設の建設を促進してまいります。

 

 観光の振興につきましては、観光基本計画に基づく観光立地基盤整備事業を積極的に推進し、本市のもつ観光資源を活用した多面的施策の展開を図ってまいります。

 

 さらに農業の振興につきましては、農業基盤の整備、農業経営の近代化を促進する施策等の推進を図り、林業振興の面につきましても水源涵養林としての公有林の整備、治山事業等を推進してまいります。

 

 次は北部山岳地域の振興対策についてであります。本市の行政面積の2分の1を占める北部山岳地域は、自然環境にもっとも恵まれた甲府市民の大きな財産であります。この北部地域の、自然のもつ魅力ある資源を、地域に定住する市民の生活基盤を確保するための手段として活用し地域の振興を図りながら、さらに観光資源としての活用、市民の憩の場、ふれあいの場としての活用等、本市のおかれている自然的条件を都市の恵まれた特色として、自然と都市化との調和のとれた「山の都」の特性ある諸施策を展開していくための実施計画の策定と振興対策を推進してまいります。

 

 次はゆとりある都市づくりの方策についてであります。80年代は地方の時代、文化の時代といわれ、行政全般にわたって「物・施設」から「人間・心・精神的豊かさ」など文化の面からの見直しが大きな課題といえます。今日までの文化行政は、ともすれば限られた行政の分野において個別的に行われてきましたが、これからはあらゆる分野において文化的視点に立った新しい行政課題に的確に対応していくことが求められております。すなわち行政の文化化の推進であります。

 

 都市にゆとり、うるおいなど人間味豊かな都市づくりとして、福祉、教育、都市計画、土木、建築等の行政の分野に、人間性、景観性、創造性の要素を積極的に導入し、分化を創る1%システムを推進してまいります。

 

 市民の心を通して健康都市の精神を高め、まちも健康市民も健康をモットーに、大きく心の問題を取りあげ、郷土愛、隣人愛、世代を超えた市民同志の心の触れ合いの中から、生活に根ざした文化の振興を図るとともに、生活にゆとりと、うるおいをもたらし、豊かな心を育む市民文化の創造にも積極的な施策を推進してまいります。

 

 さらに「ふるさとわが街甲府」を愛する市民気風の中から「市民の文化のかおるまちづくり運動」「緑豊かな都市環境のまちづくり運動」を推進してまいります。

 

 又、昨年7月2日、全国に先がけて市議会全員の賛同を得て「核兵器廃絶平和都市宣言」が行われましたが、この精神を活かしたより実効ある施策及び国際親善につきましてもより一層推進してまいる所存であります。

 

第3は「市民による市民参加市政の推進」についてであります。この市民参加につきましては、既に本市をはじめ都市行政の中で推進されてきたものでありますが、最近における行政の複雑多岐、住民意識の高度化、多様化により、新たな視点で取りあげなければならないと考えております。

私はこうした情勢を深く認識いたしまして、市民の参画による開かれた市政を推進するため、市政に対する市民の認識と信頼を深めるべく、公聴広報活動のより一層の充実と、あらためて市民憲章の実践と推進を図ることの必要性を痛感し、全市民的運動の展開、市民各界各層との明日の甲府を語り合う会の開催等の施策を進めてまいります。

又、市政に係る情報をできる限り市民に提供するため、行政情報公開制度の導入につきましても積極的に準備を推進してまいりたいと存じます。

 

 さらに地域社会は、市民の最も身近な生活の場であり、社会生活を営むうえでの根幹をなすものであります。新たな地域社会づくりと自らの生活環境づくりのための地域的連帯意識の助長と、コミュニティ活動の育成を積極的に進めるため、地域市民センター、市民会館、地域集会所施設の整備充実と住民組織の育成強化にも一層の充実を図る施策を進め、市民の英知を結集した市民参加の市政を推進してまいります。

 

 次に、市民憲章を実践推進する当面の方策といたしまして、甲府市の都市づくり、まちづくりの中で、全市民的な共通の課題であると位置づけることができます次の運動、

 

1、青少年の健全な育成と非行防止を推進する運動

 

2、老人と社会的に弱い立場におかれている市民へのいたわりの心

 を育む運動

 

3、市民文化のかおるまちづくり運動

 

4、緑豊かな都市環境のまちづくり運動

 

5、61年かいじ国体を成功させる市民運動

 

を市民のみなさんに提唱し、市民の行政への積極的参加をもとに、自らの町づくり、連帯と協調、郷土愛、思いやりの心、ボランティア精神の高揚など、市民の盛りあがる英知を結集し、市民と行政とが一体となって、20万市民がともに参加し実践推進する市民総ぐるみの運動を推進してまいりたいと考えております。

 

 第4には「新時代に対応する行政執行体制の確立」であります。

 

 新しい時代に対応していくため、行財政制度の抜本的な見直しと危機的な財政の再建を目指す行財政改革は、今日国・地方を通ずる最も重要な課題であります。

 

 本市を取りまく行財政環境の厳しさを認識し、さらに地方自治体を取りまく諸環境の状況の変化にも的確に対応しながら、市民の福祉の向上に真に必要な施策を一層推進していくためには、今こそ市民の負託に応える行政執行体制の在り方に職員と一丸となって、より効率的な体制の確立を図らなければなりません。

 

 現行の事務事業と組織の見直しを行い、徹底した行政の近代化と行財政運営の効率化のための本市独自の自主改革を進めてまいります。

 

 また、新しい行政に対応できる職員の能力開発、市民サービスに徹底する職員意識と職員像の確立、職員の資質向上のための職員研修もさらに充実してまいります。さらに、近代的都市経営を進めるため、政策決定への職員参加の方途を一層充実し、又、学識経験者、行政経験者等、有識者の英知をも集めてまいりたいと考えております。

 

 以上、私の市政執行にあたっての所信の一端でありますが、歴代の市長、市議会議員並びに市民のみなさんの、たゆまぬ努力の結晶によって発展してまいりましたこの甲府市をさらに発展させ、20万市民の福祉の向上の任にあたるものであります。

 

 本市を取りまく行財政の環境と市政の課題を直視いたしましたとき、今後の市政のいかに厳しく前途多難の感をおぼえますが、私は市議会議員各位の温かい御支援、御指導を賜り、全職員の参加と協力のもと、さらには県の積極的協力をも得る中で所期の目的を達成してまいる考えであります。

 

 なにとぞ絶大な御協賛を賜りますよう、お願い申し上げる次第であります。

 

〇議長(長瀬正左衛門君)

 以上で所信表明は終わりました。

 

 次に、日程第3 議案第58号から日程第25議案第80号まで23案を一括議題といたします。

 

 市長から提案理由の説明を求めます。

 

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 本日の市議会定例会に提案致しました案件につきまして、その大要を御説明申し上げます。

 

 議案第58号「昭和58年度甲府市一般会計補正予算(第1号)」につきましては、歳出において、第8款土木費は、住宅新築資金等貸付事業特別会計繰出金を追加し、第11款災害復旧費は、昭和57年度災害に伴う道路橋りょう災害復旧費に係る所要額を追加補正するものであります。

 

 歳入につきましては、第13款繰越金の一般財源及び第8款国庫支出金の特定財源をそれぞれ追加補正するものであります。

 

 次に、議案第59号「昭和58年度甲府市下水道事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、継続費の下水道建設事業に係る南西第4幹線下水道管布設工事費を設定するものであります。

 

 次に、議案第60号「昭和58年度甲府市住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、住宅新築資金等貸付限度額の改定に伴う所要額を追加補正するものであります。

 

 歳入につきましては、国庫支出金、繰入金、諸収入及び市債をそれぞれ追加補正するものであります。

 

次に、議案第61号「昭和58年度甲府市農業共済事業会計補正予算(第1号)」につきましては、農作物共済、蚕繭共済、園芸施設共済の過去3か年の無被害農家等に無事戻金の支払経費の追加補正であります。

 

 次に、議案第62号「専決処分について」は、本市職員の公務中の交通事故に関し、示談を締結し、損害賠償の額を決定するについては、議会の議決を必要とするが、示談の履行に急を要し、市議会を招集する暇がありませんでしたので、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分したもので、同条第3項の規定により承認を求めるものであります。

 

 次に、議案第63号から議案第65号までの「市道路線の認定について」の3案件につきましては、それぞれの路線を市道に認定し、維持管理を行うについては、道路法第8条第2項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第66号「農作物共済、蚕繭共済及び園芸施設共済の無事戻しについて」は、農作物共済、蚕繭共済及び園芸施設共済の無被害農家への無事戻しを行うにつきましては、甲府市農業共済条例第36条、第53条及び第83条の68の規定により議会の議決を求めるものであります。

 

 次に、議案第67号「甲府市市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、市立高等学校及び幼稚園の学校医等の公務災害補償について、葬祭補償額の改定を行うものであります。

 

 次に、議案第68号「甲府市福祉センター条例の一部を改正する条例制定について」は、山宮福祉センターにゲートボールコートを設置し、管理するについては、地方自治法第244条の2第1項の規定により一部改正を行うものであります。

 次に、議案第69号「甲府市同和対策住宅新築資金等貸付条例の一部を改正する条例制定について」は、同和対策事業として、対象者の住宅事情の改善を促進するため、住宅新築資金等の貸付金の額を引き上げるためのものであります。

 

 次に、議案第70号「甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定について」は、保険料の賦課限度額を改定するとともに、地方税法及び同法施行令の一部改正に準じ、保険料を軽減する基準額について4割軽減の基準額の引き上げ並びに規定の整備を行うものであります。

 次に、議案第71号「甲府市城東体育館条例制定について」は、市民の体育の振興を図るため、城東体育館を設置し、この管理を行うにつきましては、地方自治法第244条の2第1項の規定により条例を制定するものであります。

 

 次に、「請負契約の締結について」の案件につきまして御説明申し上げます。

 

 議案第72号「市立琢美小学校屋内運動場新築(建築主体)工

        事」

 

 議案第73号「市立東小学校改築(建築主体)工事」

 

 議案第74号「市立春日小学校改築(建築主体)工事」

 

 議案第75号「市立相生小学校改築(建築主体)工事」

 

 議案第76号「市立北中学校改築(建築主体)工事」

 

 議案第77号「昭和58年度公共下水道管布設工事第3工区」

 

 議案第78号「大津終末処理場汚泥コンポスト施設機械設備工

        事」

 

 議案第79号「南西第4幹線下水道管布設工事(シールド工)」

 議案第80号「市立東中学校改築(建築主体)工事」

 

 以上9案件につきましては、それぞれ工事を施行するため、請負契約を締結するにつきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を求めるものであります。

 

 以上が本日堤案致しました案件の大要であります。御審議のうえ御協賛賜りますようお願い申し上げまして説明を終わります。

 

〇議長(長瀬正左衛門君)

 以上で説明は終わりました。

 

 お諮りいたします。

 

 7月1日及び7月2日は議案調査のため休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

 

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

〇議長(長瀬正左衛門君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって7月1日及び7月2日は休会することに決しました。

 

 7月3日は日曜日のため、休会明け本会議は7月4日午後1時から開会、提出議案に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 

 本日はこれをもって散会いたします。

 

     午後1時51分 散会