昭和60年3月甲府市議会定例会議事日程(1)

昭和60年3月8日(金)午後1時

報 告

第 1 会議録署名議員指名について

第 2 会期決定について

第 3 請願書一部訂正について

第 4 議案第 1号 昭和60年度甲府市一般会計予算

第 5 議案第 2号 昭和60年度甲府市国民健康保険事業特別会計予算

第 6 議案第 3号 昭和60年度甲府市下水道事業特別会計予算

第 7 議案第 4号 昭和60年度甲府市交通災害共済事業特別会計予算

第 8 議案第 5号 昭和60年度甲府市住宅新築資金等貸付事業特別会計

予算

第 9 議案第 6号 昭和60年度甲府市老人保健事業特別会計予算

第10 議案第 7号 昭和60年度甲府市中央卸売市場事業会計予算

第11 議案第 8号 昭和60年度甲府市農業共済事業会計予算

第12 議案第 9号 昭和60年度甲府市病院事業会計予算

第13 議案第10号 昭和60年度甲府市水道事業会計予算

第14 議案第11号 専決処分について

          (昭和59年度甲府市一般会計補正予算(第5号)

第15 議案第12号 昭和59年度甲府市一般会計補正予算(第6号)

第16 議案第13号 昭和59年度甲府市下水道事業特別会計補正予算(第4

号)

第17 議案第14号 昭和59年度甲府市交通災害共済事業特別会計予算(第

2号)

第18 議案第15号 昭和59年度甲府市老人保健事業特別会計補正予算(第

2号)

第19 議案第16号 昭和59年度甲府市病院事業会計補正予算(第2号)

第20 議案第17号 昭和59年度甲府市水道事業会計補正予算(第1号)

第21 議案第18号 甲府市事務分掌条例の一部を改正する条例制定について

第22 議案第19号 昭和48年度における期末手当の割合等の特例に関する

条例を廃止する条例を廃止する条例制定について

第23 議案第20号 甲府市税条例の一部を改正する条例制定について

第24 議案第21号 甲府市立学校寮条例の一部を改正する条例制定について

第25 議案第22号 甲府市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科医及

び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正

する条例制定について

第26 議案第23号 甲府市公民館設置及び管理条例及び甲府市公民館使用料

条例の一部を改正する条例制定について

第27 議案第24号 甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定に

ついて

第28 議案第25号 甲府市簡易水道等条例の一部を改正する条例制定ついて

第29 議案第26号 甲府市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する

条例制定について

第30 議案第27号 甲府都市計画泉町土地区画整理事業施工規定を廃止する

条例制定について

第31 議案第28号 甲府市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する

条例の一部を改正する条例制定について

第32 議案第29号 甲府市制施工100周年記念事業基金条例制定について

第33 議案第30号 甲府市森林等の火入れに関する条例制定について

第34 議案第31号 青年学級の開設について

第35 議案第32号 土地改良事業の施工について

第36 議案第33号 市道路線の認定について(荒川西通り線)

第37 議案第34号 市道路線の認定について(新田小学校東通り線)

第38 議案第35号 市道路線の認定について(石田小学校線)

第39 議案第36号 市道路線の認定について(上今井1号線)

第40 議案第37号 請負契約の締結について

(朝気立体交差高架橋下部工事(東側))

第41 議案第38号 請負契約の締結について

(朝気立体交差高架橋下部工事(西側))

第42 議案第39号 請負契約の締結について

(南西第1幹線下水道管布設工事第4工区)

第43 議案第40号 甲府市水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する

条例制定について

第44 議案第41号 甲府市・玉穂村中学校組合規約の変更に関する協議に

ついて

第45 議案第42号 甲府地区広域行政事務組合規約の変更に関する協議に

ついて

第46 議案第43号 甲府地区開発推進協議会規約の変更に関する協議につ

いて

 

(出 席 議 員)

森 沢 幸 夫君

武 川 和 好君

依 田 敏 夫君

飯 沼   忠君

剣 持 庸 雄君

岡 田   修君

村 山 二 永君

宮 島 雅 展君

内 藤 幸 男君

秋 山 雅 司君

福 島   勇君

塩 野 褒 明君

早 川 光 圀君

堀 内 征 冶君

内 藤 秀 治君

上 田 英 文君

小 林 康 作君

堀 内 光 雄君

斉 藤 憲 二君

川 名 正 剛君

牛 奥 公 貴君

清 水 節 子君

岡     伸君

野 村 義 信君

長 田 昭 哉君

渡 辺 静 男君

中 込 孝 文君

鈴 木 豊 後君

千 野   哮君

堀 口 菊 雄君

飯 島   勇君

原 田 正八郎君

小 沢 政 春君

中 西   久君

小 林   匡君

早 川 武 男君

三 井 五 郎君

小 沢 綱 雄君

 

 

                                38名

 

(欠 席 議 員)

                                な し

 

職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名

事 務 局 長  臼 田 茂 治君

総務 担当 主幹 山 下   久君

庶務 担当 主査  樋 口 一 雄君

調査 担当 主査 功 刀 敏 男君

議事 担当 主幹  都 筑   登君

議事 担当 主査 天 野 忠 幸君

議事 担当 主査  高 橋 勝 巳君

記録 担当 主査 今 福 栄 一君

議事 担当 主任  萩 原 三 男君

庶務 担当 主任 五 味 一 重君

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

市     長  原   忠 三君

国体 事務 局長  鷹 野 四 郎君

助     役  新 藤 昭 良君

中央卸売市場長  田 中 忠 夫君

収  入  役  河 村 利 男君

市立甲府病院長  石 井 次 男君

市 長 室 長  窪 田   。君

 〃 事務 局長  石 井 司 郎君

調整 管理 部長  近 山 滋 郎君

教 育 委 員 長  小 林 一 彦君

企 画 部 長  神宮寺 英 雄君

教  育  長  楠   恵 明君

総 務 部 長  中 込 忠 雄君

教 育 次 長  生 山 正 仁君

市 民 部 長  入 倉 芳 幸君

水道事業管理者  植 田 太 六君

社 会 部 長  吉 岡   典君

水道局業務部長  倉 田 吾 郎君

福 祉 部 長  高 野   肇君

 〃 工務部長  鈴 木 元 芳君

環 境 部 長  中 込   勉君

選挙管理委員長

内 田 紀 道君

経 済 部 長  中 島 省 三君

職 務 代 表 者

建 設 部 長  赤 池 昭 之君

代表 監査 委員  佐 藤 保 房君

都市 開発 部長  小 松   要君

公 平 委 員 長  横 内 敏 治君

下 水 道 部 長  高 橋 信 靖君

農業委員会々長  荻 野 克 巳君

技術 管理 室長  丸 山   忍君

固定資産評価員  斉 藤 孝 房君

 

 

 

 

 

 

          午後1時03分 開会

 

○議長(小沢政春君)

 ただいまから昭和60年3月甲府市議会定例会を開会いたします。

 

          午後1時04分 開議

 

○議長(小沢政春君)

 これより本日の会議を開きます。

 

 報告事項を申し上げます。

 

 本定例会に提出する議案につき、市長から通知がありました。

 

 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますから、朗読を省略いたします。

 

 次に、市長から議会に報告すべき事項であります報第1号から報第3号までの専決処分について、3件が提出されました。

 

 右は、すでにお手元に配付いたしてありますので御了承を願います。

 

 次に、議長のもとに請願1件が提出されました。

 

 右は、お手元に配付いたしてあります請願文書表により御了承願います。

 

 次に、市長から昭和59年9月及び12月定例会において採択された請願及び陳情の処理経過、及び結果報告がありました。

 

 右は、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 

 次に、議長のもとに請願第27号について、提出者からお手元に配付のとおり訂正願いが提出されました。

 

 右は、議事日程記載の日程第3でありますので御了承願います。

 

 次に、監査委員から昭和59年度定期監査報告書並びに昭和59年11月末、12月末及び昭和60年1月末の各例月出納検査報告書が提出されました。

 

 右は、お手元にそれぞれ配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 

 次に、昭和60年1月17日及び2月6日に県下及び関東の各市議会議長会関係の会議が開催され、随員とともに出張いたしました。それぞれの会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 

 以上で報告を終わります。

 

 これより日程に入ります。

 

 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。

 

 会議録署名議員には、会議規則第167条の規定により

上 田 英 文君

鈴 木 豊 後君

武 川 和 好君

を指名いたします。

 

 次に、日程第2 会期決定についてを議題といたします。

 

 お諮りいたします。

 

 今期定例会の会期は、招集の日から3月28日まで21日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

 

       (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(小沢政春君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって、今期定例会の会期は21日間とすることに決しました。

 

 次に、日程第3 請願書一部訂正についてを議題といたします。

 

 本件は、提出者から別紙のとおり請願書の一部を訂正願いたい旨の申し出があったため、承認を求めるものであります。

 

 お諮りいたします。

 

 本件は、申し出のとおり訂正を承認することに御異議ありませんか。

 

       (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(小沢政春君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって請願書一部訂正については、申し出のとおりこれを承認することに決しました。

 

 次に、日程第4 議案第1号から日程第46 議案第43号まで43案を一括議題といたします。

 

 市長から提案理由の説明を求めます。

 

 市長 原 忠三君。

 

       (市長 原 忠三君 登壇)

 

○市長(原 忠三君)

 本日、ここに3月市議会定例会が開会されるにあたり、昭和60年度予算案並びに提出致しました議案について御説明申し上げるとともに、私の所信の一端を述べさせていただき、議員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 

 いま我が国経済は、米国を初めとした世界経済の景気回復による輸出の増加と民間設備投資の盛り上がりにより、昭和58年以来順次回復軌道をたどってはいるものの、依然として輸出依存体質を続けており、今後内需中心の調和のとれた経済成長が望まれるところであります。

 

一方地方財政は、昭和50年度以降長期にわたり大幅な財源不足による収支不均衡の財政構造から脱却できず、これまで地方債の増発と地方交付税特別会計の借り入れによって対処してきたところであり、昭和59年度末におけるこれら借入金残高54兆円を超える巨額なものとなり、その債還が地方財政の大きな負担となっております。

 

 昭和60年度も公債費等の義務的経費が増加する一方、一般財源の大きな伸びは期待できない状態であります。

このような中にあって、国は昭和60年度予算において増税なき財政再建のもと、臨時行政改革推進審議会からの意見書に基づいた政府の基本方針による補助金の1割削減、社会保障関係費と公立学校施設整備費等の国庫補助負担率の一律引き下げを行ったところであります。

これは国と地方間の機能分担を見直すことなく、国の財政負担を地方へ負担転嫁させるものとして厳しく受けとめております。

 

更に、高齢化の進展、価値観の多様化など社会構造の変容に伴い行政需要も質的な変化をみせ、住民福祉や都市基盤施設等の行政対応は増加の一途をたどり、市民生活に直結する地方自治体の役割は、ますます重要性を高めております。

これに対処するためには、国と地方及び地方相互間における抜本的な権限の見直しと財源の再配分による地方分権の確立を図るとともに、地方においても行政効率を高めるための自主的行政改革を積極的に推進し、行政経費の節減合理化、受益者負担の適正化、行政の役割の見直し等、構造的な財政の健全化を図り、併せて将来にわたり地方財源の長期的、安定的な充実確保をすることが緊急の課題となっています。

 

 このような中で昭和59年度は議員各位を初め市民の協力により、本市懸案の事業が幾つか完成を見たところであります。即ち、甲府駅近代化については橋上駅舎、南北自由通路、身障者スロープが使用開始となり、地震対策としての学校校舎不燃耐震化についても市内全小中学校の鉄筋化が完了し、更には甲府市斎場の竣工、荒川ダムの湛水開始などが行われたところであります。

 

 さて、昭和60年度市政執行の基本方向及び課題について申し上げます。

 

 新年度は、昭和60年代の初年度でありまして、まさに新時代への幕開けであります。

 

来年に迫ったかいじ国体につきましては、小瀬町の主会場施設建設は仕上げの段階に入っており、また市民の間にも5大市民運動の推進と相侯って、国体の意義を理解し自主的に協力しようとする気運が高まり、国体の成功に向かって着実に進展しております。

これを契機に市民全体が連帯と協調のもと、明るく住みよい街づくりのため自発的な市民運動を展開されていくことが、明日の甲府市にとって最も重要なことであると思います。

 

 また、新時代においては広域都市圏の充実が求められております。本市の面積は171.1平方キロ、全国の県庁所在都市における平均行政面積345平方キロに比して約半分にすぎません。

 

また人口にしても20万人を低迷している状況であります。勿論地方行政にとって単に面積が広くなり人口が増加することのみによって、その都市の発展の度合を計るものでないことは言うまでもありません。

しかし21世紀に向けて都市は、教育、医療、利便性など文化の享受を中心として発展し、道路の整備、交通手段の発達に伴い生活圏、経済圏は行政区界を超えて拡大しております。

 

甲府地区広域行政事務組合も昭和48年設立以来、消防、視聴覚ライブラリー、国母公園の運営を行っておりますが、これ以外に水道、教育行政など広域的に対応してまいったところであります。

また、周辺町村の企業も甲府工場の名称を冠しており、情報化時代に向けて、また県のテクノポリス構想とも関連しながら、中枢管理機能をもつ県都としての歴史がある本市の現状をふまえ、周辺町村と協力しあい効率的な行政執行を図るべきであると考えておりますので、関係者と十分話し合う中で広域行政を充実してまいりたいと思います。

 

通産省の高度技術工業集積都市構想、即らテクノポリス構想につきましては、山梨県が指定に向けて準備を進めているところでありますが、この構想は、産業、学術、住居を組み合わせて自然と現代工業文明が調和した都市を建設しようとするものであります。

これの母都市としては、県内には本市しかないためその役割を担っていかなければならないものでありますから、目下県と協議中でありますが、今後、雇用、上・下水道、農地問題、社会資本投資など考慮する中で、本市の産業基盤が充実されることを基本に推進してまいりたいと考えております。

 

また、現在急速な情報化の進展に伴い、高度情報社会に向けての取り組みが大きな課題となっておりますが、特に地方において活力のある地域経済社会の形成を図るためニューメディアの普及、新しい社会情報システムの開発など地域における情報通信機能の高度化が重要視され、本市においても昨年、郵政省の未来型コミュニケーションモデル都市構想、即らテレトピア構想に立侯補したところであります。

本市の基本構想としましては、市民情報システム、市民カルチャーシステムによるコミュニティタウン型、在宅健康管理システムの構築の中で総合保健センターとの整合性を図る福祉・医療型、産業情報システムによる伝統・地域産業型の複合タイプによる導入を考えております。

今後も引き続いて関係機関の協力と市民ニーズをふまえる中で調査研究し、計画の推進を行ってまいります。 

 

甲府市新しい街づくり構想につきましては、地域における生活環境や都市基盤の計画的整備と農林業、商工業等産業の振興による活力のある街づくり、地域の特性をふまえに文化と風格のある街づくりのために推進協議会を設置し、計画策定に向けて取り組んでまいります。

 

 また21世紀を思考した新しい総合計画策定のための基盤づくりも大きな課題であります。

 

 なおまた、本市は、4年後の昭和64年に市制100周年を迎えます。甲府市の新世紀が始まるこの記念すべき年に向けて、市民の皆様から寄せられた御提案を素に後世に誇りうる有意義な記念事業を企画したいと考え、現在市民懇話会で構想案が検討されているところであります。

 

この記念事業の一環としての新庁舎建設につきましては、多くの市民からの御提起もあり、また自治会連合会等からの要請、更に議会におきましても幾度かの御質問をいただいたところであります。御指摘のとおり分散された現庁舎は市役所としての機能を十分果たしているとは言えません。

そこで将来の甲府市行政に対応し得る効率のよい、しかも市民に広く親しまれるコミニティの核として社会教育の場、文化交流の場、憩の場等、諸機能を有した市のシンボルとしての甲府シティホール構想を含めた新庁舎の建設が必要でありますので、過日、庁内に研究委員会を設置し、その規模、市民参加の方途、財政対応等、種々の観点から調査、研究に取り組んでまいりたいと考えております。

 

 次に、「活力のある健康都市甲府」の実現について申し上げます。

 

この「活力のある健康都市甲府」の実現を目指す市政の推進は、市民すべてが身も心も健康であることを基本として、調和のとれたいのちとくらしのための施策、活力とゆとりある都市づくりのための施策、市民との心のかよった対話の中から、信頼と協調の輪を広げていくことを基本にした市民参加市政の推進、新時代に対応する行政執行体制の確立、の諸施策であり、まちも健康、市民も健康を目標に着実に進展せしめるとともに、今後更に充実発展させてまいらなければならないと考えておるところであります。

この健康都市甲府実現の目指すところの都市活性化の行政の文化化について申し述べます。

 

 まず、都市活性化は産業の振興と都市基盤の整備であります。

 

商業の振興につきましては、本市における商業の未来像を目指した甲府地域商業近代化実施計画に基づく商業近代化事業を推進するとともに、奥行きのある街づくり、駐事場空き情報システムの開発など商店街近代化再開発を図る中で商業基盤の整備を行ってまいりたいと考えております。

地場産業振興センターにつきましては、国、県及び国中地域の各市町村、業界との協力のもと、地場産業振興の拠点施設として東光寺町地内に建設中でありますが、本年6月には完成、9月にオープンの予定であります。

長い伝統と風土に育まれた優れた地場産業を、この施設を拠点として活性化するとともに、観光の拠点施設としても集客力をつけ運用してまいります。

 

本市の地域工業は、約75%が零細企業であり、技術力も低く町工場的なものから脱皮し得ない企業が数多くあります。このため受注においても進出企業、親企業の発注に対応できない状況にあります。

こうした現状をふまえ企業の技術力向上と近代化に資することを目的に、企業の集団化と都市型知識集約的産業の集積を図るため、本市独自の工業振興施策でありますテクノロジーコーポラス構想を展開してまいります。

 

また、市内の住・工混在の解消と工業の市外転出に歯止めをかけ近代化を推進するため、市内南部の適地に地域工業集団化団地を造成していきたいと考えております。

 

調整区域であるため開発許可、農地転用等難しい問題がありますが、県及び地域の協力を得る中で積極的に事業の推進を図ってまいります。

 

 次に近年、市街地中心部において人口密度の低下が目立ち、農山村では遠隔地の過疎化が進み、その結果、都市周辺地域で人口が急増しております。このような中で、これからの農村は生産緑地の場とゆとりある居住の場の混在する形態で進展していくものと思われますので、21世紀へ向けて、都市と農村の融合の中での近郊農業の推進を図ってまいりたいと考えております。

 

農業先端技術開発につきましては、本市の基幹作物であり生産額の約50%を占める葡萄が、昭和40年頃からウイルス病に侵され、その対策として10か年計画で約600ヘクタール24万本の改植を進めていますが、他産地より一歩先んずるためにこの事業の中へバイオテクノロジー技術を導入し、より生産性と効率牲を高めようとするものであります。

本年度は組織培養などの研究棟を建設し葡萄、いちごを初め洋らん、菊など花きにも導入、農作物の品質向上、収量増加、新品種の開発等による優秀個体の作出を行い、地域農業のレベルアップを図っていきたいと考えています。

 

 また、都市計画街路事業、土地区画整理事業等市街地再開発、上・下水道など都市基盤の整備も引き続き積極的に推進し、特に現在進行中の駅ビルの建設、駅前南口・北口広場の整備とこれを拠点とした周辺開発を進めてまいります。

 

 行政の文化化につきましては、既に教育面でのゆとりと特色ある施設づくりを初め、公井施設建設に際しての文化を創る1%システムの導入など、その地域の特性を考慮した個性あるものを、と心懸けてまいったところでありますが、今後も更に配意してまいります。また行政の文化化を推進するための一環として、職員が自分自身を見つめ自己を再発見し、自己啓発を持続しながら全体の奉仕者の原点に返り、市役所全体で市民サービスのより一層の向上を図るマイセルフ運動を推進してまいります。

 

次に、本市は、60%以上が山岳森林地帯であり、この恵まれた資源をどのように守り活用していくか、また都市環境の整備といかに調和させていくかが、明日の甲府市を考えるとき大きな課程であります。そのため各種長期計画策定の基本指標の1つとして自然環境アセスメント調査を実施致します。

また、緑豊かな都市環境のもとで、活力があり同時に文化の香り高い個性とうるおいのある甲府市の実現は、市民の連帯感と創造性にその源泉があるものと考えております。市民の杜都市緑化総合計画の推進と併せ、国体開催をふまえて緑化の拡大推進を図ってまいります。

 

 続きまして、緑化総合計画とともに本市の2大プロジェクトであります市民総合福祉計画について申し上げます。

 

 高齢化社会に対応する老人福祉を確立するための高齢者総合福祉計画については、計画策定懇話会で仕上げの段階に入っておりますが、これは昭和60年から69年の10年計画で、項目としては、1つ、社会参加計画、自立した高齢者が主体的な参加により創り上げる福祉社会、2つ、地域福祉計画、地域のさまざまな主体の参加と連携に支えられる福祉社会、3つ、保健・医療計画、いきいきと生活できるための健康づくりと安心して生活できる保健医療体制、4つ、福祉サービス供給システム整備計画、高齢者福祉施策の新たな展開をめざして、となっており、これを基本として実施計画を策定してまいります。

また、市民が心身ともに健やかな生活を確保するための市民総合保健計画については、健康づくり推進協議会で目下意見の集約中でありますが、零歳からお年寄までの市民すべての保健計画であります。これらに基づきまして総合福祉センター、総合保健センターの建設に着手してまいります。

 

次に教育につきましては、59年度を以って終了しました校舎不燃耐震化事業に続きまして、60年度から大規模校解消のための新設校建設事業を進めてまいります。南西部の市街地周辺地域は、人口の増加に伴い児童生徒が急増し、現状の教育施設では対応できない状態となっております。

このため本年度は中学校2佼、小学校1佼の用地取得を図るとともに、西部に中学校1佼を建設してまいります。その他教育施設設備につきましても万全を期してまいりますが、福祉と教育については後退させないという固い信念のもと、更に積極的に努力してまいりたいと存じます。

 

 次に行政の自主改革と行財政の効率化について申し上げます。

 

 現下の厳しい行財政環境のもと、活力のある個性豊かな地域社会の実現を目指すための当面の最大課題は、国、地方を通じる行政改革の推進と地方財政の健全化に努めることであります。

 

本市では、既に昭和41年以降、市民サービスのあるべき姿を基本とした行政改革を行い、行財政運営の効率化、健全化に努めてきたところであり、更に56年9月、国の行政改革への対応と新総合計画の推進を目的とした行財政対策委員会を設置し、自主的行政改革に向けて行財政運営全般にわたる見直しを進めておりますが、本年度も引き続いて積極的に取り組んでまいります。

また本市の財政運営については、これまで努力を重ねて健全財政を堅持してきたところでありますが、今後の見通しとしては、市税収入の大幅な伸びは期待できない中、地方交付税も56年度以来減額が続いており、これら一般財源の伸び率の鈍化と国庫補助金、負担金の削減による依存財源の減少、更には公債費の増加が予測されるなど本市を取り巻く財政環境はかってない厳しい局面を迎えております。

 

 このような状況下において、多額の財政需要を伴う諸問題に対処していくには、市民の皆様を初め、議員各位の御理解、御協力のもと、職員の英知と努力を結集して市政を執行していかねはならないと痛感する次第であります。

 

 以上申し述べました基本方向及び課題をふまえて、執行方針を次のとおりと致しました。

 

1、人間尊重、生活優先の市政を基本とした新総合計画とすべての市民の心身の健康を理念とした活力のある健康都市甲府の実現を目指す施策については、引き続いて積極的に推進する。

 

2、変貌する社会経済情勢の中で地域経済活性化対策を強化し、地域社会の均衡ある発展と市民の連帯感に支えられた個性とうるおいのある地域社会の形成を図る。

 

3、人口の高齢化、都市の成熟化、情報社会の到来、高度技術の展開など、地方自治体を取り巻く諸情勢の変化に対応して、将来の甲府市を展望する施策について積極的な取り組みを行う。

 

4、時代的背景と市民的要請をうけとめた視点から、行財政施策全般にわたって抜本的な見直しを行い、徹底した行政経費の節減に努めるとともに、組織機構の整備、事務事業の見直し、民間活力の導入等、自主的行政改革を推進する。

 

5、公平課税、収納率の向上等、地方税財源の充実強化と各種補助金、使用科、手数料の見直しを初め受益者負担の適正化、公営企業の経営健全化など行財政運営の効率化に努める。

 

これら市政執行方針に基づき、昭和60年度予算を編成致しました結果、

 

 一般会計が 384億7,780万円

 特別会計が 375億4,304万円

  合 計  760億2,084万円  となり、

昭和59年度当初予算と比較致しまして、一般会計が16億7,630万円の増で、4.55%の伸び、特別会計では24億4,626万円の増で6.97%の増、合計では41億2,256万円の増で5.73%の伸びとなっております。

 

 以下、順次重点施策の概要を御説明申し上げます。

 

 まず、「福祉の向上」について申し上げます。

 

老人福祉につきましては、生きがい対策として引き続き各地区へのゲートボール場整備費及び老人憩の家整備の助成を行い、ねたきり老人、ひとり暮らし老人対策として愛のベル、福祉電話の設置、巡回入浴サービス並びに友愛訪問事業を推進するとともに、痴呆性老人の一時保護の円滑化のため、運営費の助成、更には老人健康福祉手当の支給を行うとともに、ねたきり老人介護手当につきましては、これを増額してまいります。

また併せて、思いやりの心を育む市民運動を強力に推進し、きめ細かな老人福祉の増進に努めてまいります。更に、59年度末に策定されます高齢者総合福祉計画に基づいた総合福祉センター用地の取得を行ってまいります。

 

 児童福祉につきましては、民間保育所施設整備のための助成措置並びに施設整備費の貸付けを行うとともに、引き続き保育科保護者負担の軽減を図ってまいります。

 

 身体障害者福祉につきましては、障害者の住みよいまちづくり事業の推進を図るため、家庭訪問指導員の派遣、身障者ガイドブックの作成、手話奉仕員の養成、点字ブロックの整備とともに、新たに心身障害者の授産施設に対し事業助成を致してまいります。また、61年かいじ国体に引き続いて本市で開催される全国身体障害者スポーツ大会の準備費を計上し、その対応に万全を期してまいりたいと考えております。

 

保健衛生につきましては、市民の基幹病院としての市立甲府病院は、国立医大附属病院の影響を少なからず受け、運営面で非常に厳しい状況下におかれておりますが、病院問題研究会の提言をふまえる中で市民のための公共医療施設としての責務を果たすべく、組織内部の医療体制を確立し、効率的運用と医療サービスの向上に努め、経営的にも全職員一体となって健全性確保のため、なお一層の努力を傾注してまいります。

また、救急医療体制につきましては、引き続き医師会の御協力をいただき、これを推進してまいります。

 

 保健活動につきましては、各種検診と予防接種を実施するとともに、健康づくり推進事業として健康相談、健康診査、訪問看護等の各種保健事業の充実を図ってまいります。また、59年度末に策定される総合保健計画に基づく保健センター構想を明確化し、用地を確保してまいりたいと考えております。

 

 次に国民健康保険事業につきましては、被保険者の健康管理を重点に推進し、併せて療養給付費等の抑制を図る施策と、保険料の収納率向上対策を積極的に進めてまいりますが、60年度は特に、国庫支出金等の増高のため、財源として国保基金の取り崩し、更には一般会計からの繰入金により対応してまいりますが、被保険者の方々の若干の負担増をお願いしたいと考えております。

 

勤労者福祉につきましては、引き続き勤労者のための生活安定協調融資と労働金庫への貸付けを行うとともに、新たに勤労者山の家を設置してまいります。

また、高齢者雇用促進のためシルバー人材センターに対して事業費の増額助成及び運転資金の貸付けを行うとともに、引き続き高齢者職業相談室を設置し、高齢者の雇用促進を図ってまいります。

 

 消費者保護対策といたしましては、消費者の啓発・育成と、消費生活相談、不用品活用情報センターの充実とともに、新たに消費者デーを設定し市民の消費者意識の高揚に努めてまいります。

 

交通安全対策といたしましては、全市にわたって交通安全意識の普及・啓発を図るほか、施設整備事業としてガードレール及びカーブミラーを設置するとともに、国母、高畑地域を第10次都市総合交通規制地域として指定を受け交通環境の整備充実を図ってまいります。

また、自転車駐車場対策として、駅南口広場への駐輪場設置と併せて、平和通りに自転車駐車帯を設置し、放置自転車の防止に努めてまいります。

 

防災対策といたしましては、防災行政無線の整備、自主防災組織の資機材等整備のための助成を年次計画により推進してまいりましたが、防災行政無線につきましては、一部難聴地域がございますのでこれの解消のための整備を、また、自主防災の組識化についても、59年度末で組織率93%でありますが、100%を目標になお一層の努力をいたしてまいります。

また上積翠寺町の急傾斜地防災事業への助成と全市民に防災マップの配布を行い災害時への対応を呼びかけてまいります。併せて防火水槽、小型動力ポンプ等、消防諸施設の整備充実を図るほか、消防体制の充実強化など、市民の生命財産を守るための施策を積極的に推進してまいります。

 

 次に「教育・文化振興」について申し上げます。

 

 教育は人間形成の場として大切であることは論をまちませんが、併せて社会環境に適応できる能力と個性を育む場であることが重要であると痛感しております。このため特に教育施設の整備充実に意を注ぐとともに、文化の振興、体育の向上のための施策など、教育環境の質的、量的な整備強化を図ってまいります。

 

小学校の施設整備につきましては、春日小の屋内運動の増築、貢川、玉諸、甲運小の給食室の増改築及び各小学校校庭整備を初め、相生小に植栽、遊歩道等の環境整備を行ってまいります。また、南部地区の大規模校解消のための仮称南部小新設用地取得についても努力をいたします。

 

中学校では、西中、南西中の大規模校解消のため、61年4月開校を目途に、仮称西部中のゆとりを生かした校舎を新築し、また城南中等の大規模校解消のための仮称南部中の用地取得にも努力をいたします。南中、車中の屋内運動場の増改築とグランドの整備を行い、新たに、東中に格技場を新築してまいります。

また、小中学校の教育内容の充実を図るため、甲府市標準教材整備8か年計画と学校一般備品標準整備5か年計画の初年度並びに学校需要費標準5か年計画の初年度に基づく予算を計上するとともに、学校給食関係諸経費の公費負担、小中学校図書館職員に対する補助金の増額など、保護者負担の軽減に努めてまいります。更に、教職員の資質向上を目的とした教育センター構想についても対応してまいりたいと考えております。

また本年度は新たに61年かいじ国体の開閉会式及び各競技の開始、終了式等の際のファンファーレなどの演奏に対応するため、市内小中学校、商業高校に楽器の整備をいたしてまいります。

 

なお、現在大きな社会的問題となっております児童、生徒の非行防止への対応については、教育指導センターの活用を図り、教育相談、指導などの体制を強化するとともに、非行防止のための市民総ぐるみ運動を強力に推進してまいります。

また、本年は御承知のように国際連合で提唱する「国際青年年」でありまして、「参加、開発、平和」がテーマとされております。したがいましてその趣旨とするところをふまえ事業を積極的に推進してまいります。

 

 幼児教育につきましては、私立幼推園児に、対する就園奨励補助金の増額改定を行うとともに、幼稚園教職員研修研究費についても助成を行ってまいります。

 

 社会教育につきましては、各ブロック公民館においてそれぞれの地域における教養文化、情操教育の拠点としての役割を担い各種学級活動に、より寄与することを願うものであります。

 

 また、新たに朝気ふれあい公園の隣地に児童館を建設し、児童の情操教育の拠点施認としてまいります。更に婦人行動計画に基づく諸事業の推進に努め、市史編さん事業についても刊行に向けて継続、推進を図ってまいります。

 

更に、市民が芸術文化に親しむ機会を増大し、文化水準の向上に資するため御岳文芸座の活用を図るとともに、文化祭奨励賞及び新たに甲運から山宮に至る約25kmの「文化と健康の道」を設定して市民文化の向上に寄与してまいります。

また、文化財保護につきましては、引き続き武田氏館跡の発掘調査、朝気遺跡第5次発掘調査及び横根・桜井積石塚発掘調査を進め、歴史的文化遺産の保存に努めてまいります。

 

さて、昨年9月27日に本議会全員の賛同を得て、中国四川省成都市と友好都市の締結調印を行い、両市市民の友好往来を促進し産業、経済、教育文化、観光等多分野における善隣、協調の中から両国の永遠の平和に寄与することになりました。

本年は、日中友好甲府市民訪中団を結成し4月18日から28日にかけて成都市を訪問する予定であり、両市の友好が一衣帯水となることを念願するものであります。

更に本市は、昭和57年7月2日に「核兵器廃絶平和都市宣言」を全国に先がけて行い、その後この日的に沿った諸事業を行ってまいりましたが、本年は、わが国が平和国家として再生以来40年の節目の年であります。これを記念した平和教育の推進と併せて、各種市民参加のもとでの行事と「戦争犠牲者合同慰霊祭」を行い平和運動の強力な展開を図ってまいる所存であります。

 

 社会体育の振興につきましては、61年かいじ国体を1年後に控え、地区体育協会を中心に市民へのスポーツ意識の啓発と国体啓蒙を図るとともに、体育指導員の養成と種目別優秀選手の競技力向上を図ってまいります。

 

また、地域体育振興のため地域要望に応え、新たに春日小に夜間照明施設、クラブハウス、防球ネットの設置と、商業高校のテニスコートに照明施設を設置してまいります。

更には穴切小の夜間照明柱の移設と屋外トイレ、防球、バックネットの設置、その他小学校2校にクラブハウスの設置、小学校3校に防球用高尺ネットの設置を行い学校開放を積極的に進めてまいります。

また、青沼・青葉スポーツ広場、池田公園自由広場、和田堀公園城東体育館を広く市民のスポーツの場とするため施設の整備充実を図ってまいります。

 

 次に「生活環境の整備」について申し上げます。

 

 厳しい行財政環境のもとで、市民生活の高度化、多様化に対応していくには、地域の連帯、共同意識の助長が必要と考えられます。このため市民のコミュニティ意識の高揚と市民組織の育成強化を図るため、地域集会施設の建設費助成、地域婦人の家整備費助成及び防犯街路灯電気科の増額助成をも行ってまいります。

 

 また本年は、北部山岳地域振興計画の一環として、奥御岳地域の拠点とすべく、奥御岳コミュニティセンターとして宮本連絡所及び国保宮本直営診療所を併用した施設の建設とともに、昇仙峡通り地域に小規模水道を建設してまいります。

 

 公営住宅建設事業につきましては、59年度に継続費を設定した仮称大里北団地建設事業は本年度完成予定であります。また本年度分60戸も引き続き継続費を設定し東部地区に建設してまいります。

 

道路橋りょう整備事業につきましては、国体関連周辺整備事業を主体に市道舗装新設、生活関連道路舗装、道路新設改良事業など市単独事業として積極的に進めるとともに、大鎌田二川線、下鍛冶屋西油川繚、和戸竜王線、宮原円満寺線につきましては国補事業として対応してまいります。

更に交通安全施設整備事業を初め不動橋、十郎川歩道橋等の揺りょう工事を施工してまいる一方で、地域に親しめる道路の愛称名を市民参加の中で制定し、より地域の連帯感の向上に努めるなど道路環境の整備充実を図ってまいります。

また、河川・水路整備事業といたしましては、桜井川、十郎川支流及び西藤川など延長4,000m余の整備改良を行ってまいります。

 

上水道事業におきましては、第5期拡張事業の年次計画に沿って、継続工事である荒川ダム建設事業と湯村、中区送水管布設工事、高台地区施設改良工事等を施工するとともに、これに併行して主要幹線配水管布設工事を施工し、新規工事としては、帯那地区無水源水道施設工事を施工してまいります。

なお、第5期拡張事業に予定しております荒川ダム建設事業を初め送水施設、浄水施設等大型施設建設事業が59年度中に概ね完成の運びとなりましたので、全体事業の見直しを行い出水不良地区、新興住宅区域、老朽管地震対策等に対応するための配水管布設事業に重点をおいて管網の整備に努め、需要者の生活用水の確保に万全を期してまいります。

 

下水道事業につきましては、汚水幹線整備事業として引き続き南西第1、第3と新たに菖川北第1幹線の本管布設と南西処理区、大津二川、後屋地区等の枝管整備を実施するほか、雨水渠幹線事業として蛭沢川第1、沼川第3、貢川第3、渡川の各幹線を整備するとともに、市内の浸水の面整備を図るため、各地域にわたって施工延長10,000m余の雨水渠の整備を行ってまいります。

汚泥処理につきましては、コンポストの防臭設備も完成しましたので、4月より製品化の稼動に入りますが、作物別の施用基準設定研究に努めながら、販売方法等について効率的な運用を図るための法人化をも検討を進めてまいります。

 

清掃及び環境衛生事業につきましては、特に南部地域住民の皆さんの深い御理解と御協力をいただきまして進めておりますが、これらに関連いたします周辺整備事業につきましては引き続き誠意をもって推進してまいります。塵芥収集については各地区自治会を通じ、市民各位の積極的な御協力をいただきながら、全市的に効率的な分別収集を行い、ごみの減量と有価物の有効利用を図ってまいります。なお一般廃棄物最終処分場の建設も行ってまいります。次に河川、都市美化事業についても、各自治会等の御協力を得ましてこれを推進しておりますが、更に本年より施行されます条例に基づきまして空き缶の散乱防止に努め、住みよい健康のまらづくりに努力してまいります。

公害対策といたしましては、市内主要河川の水質汚濁調査を実施する一方、公害防止施設等設備資金の貸付け、利子補給も行ってまいります。

 

 都市公園の整備事業につきましては、池田公園、荒川河川敷緑地、堀之内南公園の安全柵、園路等の施設整備、更に市立動物園、つつじが崎霊園についての整備も行ってまいります。また甲府市斎場は昨年オープンいたしましたが、周辺環境整備に努めてまいります。

 

 緑化事業については、国体に向けて緑化倍増をおしすすめることを基本に、全市民的緑化啓発事業として花いっぱい運動を推進するとともに、市民の杜づくり事業、地域緑化事業と併せて、平和通りと小中学校の緑化推進を積極的に行ってまいります。

 

 次に「産業の振興と都市基盤の整備」について申し上げます。

 

日常生活圏の拡大に伴い商圏域は大きく変りつつあり、行政と業界が一体となって変化の時代に対応できる基盤づくりを強力に推進しなければならないと存じます。

商業振興対策では、商業振興指針に沿って奥行きのあるまちづくり構想の推進、更には駐車場車両誘導システムの周知、商店街の近代化再開発等、都市基盤整備とも関連して商業の活性化を図ってまいります。

 

工業振興対策については、冒頭にも申し上げましたように地域工業活性化として工業団地造成調査費の計上、またきめ細かな地場産業振興対策の推進と併せて、県のテクノポリス構想への対応と、本市独自のテクノロジーコーポラス構想を、県の協力も得る中で推進してまいります。

また、第3セクター方式による甲府・国中地域地場産業振興センターにつきましても県と協調し、運営費等の助成を行ってまいります。また商工業関係団体の組織活動に対しても援助を行うとともに、中小企業金融対策の充実に努め、原資の確保、利子補給など積極的対応を図ってまいります。

 

観光対策といたしましては、京浜、名古屋方面を重点に観光宣伝に努めるとともに、市内に観光案内標識の設置や国体に向けて市民ガイドテキストの作成を行い、更に御岳昇仙峡、武田氏館跡と信玄公まつりを中心に、甲府、湯村温泉郷への観光客の誘致に努力してまいります。

また、観光基本計画に基づき昇仙峡を中心とした観光施設の整備を行うとともに、観光案内所の運営費の助成など観光客受入れ体制づくりに努めてまいります。

 

農業振興対策につきましては、葡萄を初めとする果樹栽培及びそ菜、花きなどの近郊園芸の促進を図るとともに、デラウェア、サビ果防止試験事業の推進に努めてまいります。特に新規事業として、バイオテクノロジー導入による農業先端技術開発事業に取り組んでまいります。

また、水田利用再編対策事業、営農計画転換促進事業及び米消費拡大推進事業を進めるとともに、台風など天災に対する農地、農業用施設災害復旧事業の施工と融資資金の利子補給を行ってまいります。

林業振興対策につきましては、市有林整備事業を推進し、林道改良舗装事業、小規模治山事業を実施するとともに、民有林対策として民有林振興事業及び民有林小規模治山事業、間伐林道開設事業と新たに森林浴普及事業、松くい虫防除対策事業を推進してまいります。

 

中央卸売市場事業につきましては、管理体制の強化に努め、生鮮食料品の取り引きの適正化を図り市民の食生活の安定に努力してまいります。

 

都市基盤の整備につきましては、引き続き善光寺町敷島線、上阿原町寿町線、高畑町昇仙峡線、愛宕町下条線の各幹線街路事業を施工するとともに、特に本年は、国体関連により市単独事業として、上阿原町寿町線の朝気立体交差部分と新たに甲府駅北口広場等の整備を進めてまいります。

また、県施工の3街路事業で、特に駅南口広場に関連する事業については、積極的に協力してまいります。更に駅前広場整備とも関連した市街地再開発事業についても指導を強めてまいります。

土地区画整理事業寿・宝地区につきましては、すでに本年1月22日、県の認可を得ておりますので、懸案でありました本事業もいよいよ開始ということになります。従いまして、事業の円滑な推進を図るため鋭意努力してまいる所存ですので御協力をお願い申し上げる次第であります。

また城東地区につきましては、引き続き地区の方々の御理解を得るための努力をしてまいります。更にその他の地域についても事業推進のための調査を行ってまいります。

 

 以上、重点施策の大要について申し上げましたが、これらの施策の推進にあたりましては、市民総参加によります地方自治の確立が都市づくりの主要課題であることを基本に、広報、公聴活動の充実と行政情報公開制度に向けての準備を進め、併せて、自主的行政改革を進める中で、事務システム効率化の推進に努めるとともに、市民サービスの向上のため職員研修の一層の充実を図ってまいる所存であります。

 

 昭和60年度予算の大要を申し述べましたが、この予算を賄うべき財源につきましては、福祉関係の国庫支出金の一律1割カットなど非常に厳しい財政環境の下ではありますが、市税を初め一般財源の確保のため努力を傾注してまいる所存でございます。

 

 また、特に実施計画主要事業の国体及び国体関連事業の推進のためには、前年度と同様、年度間調整財源として留保してまいりました財政調整基金を取りくずして予算を編成致しました。

 

 以上、私の市政執行にあたっての所信の一端と昭和60年度予算の概要について申し上げましたが、いかに厳しい行財政環境下ではあっても、市政は市民とともに歩むべきものであるとの政治理念に基づき、真に市民のために必要な施策につきましては、勇断をもって推進してまいります。

 

 また、市政執行にあたりましては、公正、清潔、誠実の姿勢を堅持し、初心を忘れず、21世紀を見据えたロマンあふれる街、甲府市の発展と甲府市民の幸福のために邁進する所存であります。

 

 議員各位の温かい御支援、御指導を賜り、市民の皆様の深い御理解、御協力を切にお願いするとともに、県の積極的な御助力のもと、全職員と一丸となって市政を推進してまいりたいと念願しております。

 

 なにとぞ、十分御審議のうえ、御協賛賜りますよう心からお願い申し上げまして説明と致します。

 

 引き続きまして、新年度予算以外の案件につきまして、その大要を御説明申し上げます。

 

 まず、議案第11号「専決処分について」は、中華人民共和国成都市からレッサーパンダが寄贈されるのに伴い、受け入れ獣舎を直ちに建設するための事業費等について、甲府市一般会計予算の補正を必要とするが、市議会を招集する暇がありませんでしたので、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分したものであります。

 

 次に、議案第12号「昭和59年度甲府市一般会計補正予算(第6号)」につきましては、歳出、第2款総務費は、財政調整基金等の積立金及び市制100周年記念事業基金設定に伴う積立金並びに老人保護措置費等国庫補助金の返還金を追加するための補正であります。

 

 第3款民生費は、身体障害者保護措置費、老人保護措置費、児童措置費及び生活扶助費等を追加、更正し、老人保健事業特別会計繰出金を追加するための補正であります。

 

 第4款衛生費や小規模水道整備事業費及び地方病予防施設事業費を減額更正し、病院事業会計繰出金を追加するための補正であります。

 

 第6款農林水産業費は、果樹団地総合整備事業費、県単土地改良事業費及び森林総合整備事業費等を追加、更正するための補正であり、第7款商工費は、地場産業センター建設事業補助金等を追加、更正するための補正であります。

 

 第8款土木費は、都市計画施設整備事業等基金積立金、国体施設整備事業負担金、甲府駅駅舎改良等事業負担金、道路及び公共用地費の債務負担行為償還金並びに街路事業費等を追加、更正するための補正であります。

 

 第9款消防費は、甲府地区広域行政事務組合消防費負担金及び急傾斜地崩壊防止指定事業費等を追加、更正するための補正であり、第10款教育費は、国体式典楽器整備事業費及び埋蔵文化財発掘調査費等を追加、更正するための補正であります。

 

 第12款公債費は、地方債償還金等を追加するための補正であります。

 

 歳入につきましては、第1款市税、第10款財産収入の一般財源を追加し、第6款分担金及び負担金、第7款使用科及び手数料、第8款国庫支出金、第9款県支出金、第10款財産収入、第11款寄附金、第14款諸収入、第15款市債の特定財源をそれぞれ追加、更正するための補正であります。

 

 繰越明許費は、国体関連橋りょう改良整備事業費を設定するものであり、債務負担行為の補正は、山梨県が施行する甲府駅前線街路整備事業負担金を追加するものであります。

 

 地方債の補正は、起債充当事業費の追加及び更正に伴う借入限度額の変更をするものであります。

 

 次に、議案第13号「昭和59年度甲府市下水道事業特別会計補正予算(第4号)」につきましては、歳出・第1款下水道費は、水洗便所改造資金貸付金、共同排水設備設置費補助金、終末処理場管理費及び公共下水道管布設工事費等を追加、更正するための補正であります。

 

 歳入につきましては、第5款繰越金、第7款市債、第8款県支出金をそれぞれ追加、更正するための補正であり、債務負担行為は、公共下水道管布設工事費を設定するものであります。

 

 地方債の補正は、起債充当事業費の減額更正に伴う借入限度額の変更をするものであります。

 

 次に、議案第14号「昭和59年度甲府市交通災害共済事業特別会計補正予算(第2号)」につきましては、歳出第2款諸支出金は、見舞金支払準備基金積立金を追加するための補正であります。

 

歳入につきましては第3款財産収入を追加するための補正であります。

 

次に、議案第15号「昭和59年度甲府市老人保健事業特別会計補正予算(第2号)」につきましては、歳出第1款医療諸費は、医療給付費を追加するための補正であり、歳入につきましては、第1款支払基金交付金、第2款国庫支出金、第3款県支出金、第4款繰入金、第6款諸収入をそれぞれ追加するための補正であります。

 

 次に、議案第16号「昭和59年度甲府市病院事業会計補正予算(第2号)」につきましては、収益的支出は、医業費用を追加、更正するものであり、収益的収入につきましては、医業収益を減額し、医業外収益を追加補正するものであります。また、資本的収入は、出資金を減額補正するものであります。

 

次に、議案第17号「昭和59年度甲府市水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入は、水道料金及び預金利息を増額補正し、支出においては、職員給与費(退職手当)を増額し、支払い利息の不要額を減額補正するものであります。

また、第5期拡張事業費では、荒川ダム負担金及び千代田地区無水源道施設事業費の増額による継続費の総額及び年割額を補正するものであります。

 

次に議案第18号「甲府市事務分掌条例の一部を改正する条例制定について」は、新しい時代に対応し、効率的な行政執行体制の確立を図るための組繊整備を行うものであります。

 

 次に、議案第19号「昭和48年度における期末手当の、割合等の特例に関する条例を廃止する条例制定について」は、昭和48年度に制定された特例条例を廃止するものであります。

 

 次に、議案第20号「甲府市市税条例の一部を改正する条例制定について」は、たばこ事業法に基づき地方税法の一部が改正されたことに伴い、市たばこ消費税の関係規定を改正するものであります。 

 

次に、議案第21号「甲府市市立学校寮条例の一部を改正する条例制定について」は、宮本学校寮を廃止するとともに、規定の整備を行うものであります。

 

 次に、議案第22号「甲府市市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、市立高等学校及び幼稚園の学校医等の公務災害補償について、補償基礎額の改定を行うものであります。

 

 次に、議案第23号「甲府市公民館設置及び管理条例及び甲府市公民館使用料条例の一部を改正する条例制定について」は、能泉公民館を廃止するとともに、関係条例の整備を行うものであります。

 

次に、議案第24号「甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定について」は、国民健康保険法の一部改正に伴い、一般被保険者と退職被保険者等の保険料に係る規定の改正を行うとともに、保険料の限度額を改定するものであります。

 

 次に、議案第25号「甲府市簡易水道等条例の一部を改正する条例制定について」は、上水道給水区域に編入されることとなる平瀬町の簡易水道の名称等の変更及び黒平町上黒平に新たに小規模水道を設置し、この管理を行うものであります。

 

 次に、議案第26号「甲府市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、市立甲府病院に形成外科を設置するものであります。

 

 次に、議案第27号「甲府都市計画泉町土地区画整理事業施工規程を廃止する条例制定について」は、甲府都市計画泉町土地区画整理事業の終了に伴い、施行規程を廃止するものであります。

 

 次に、議案第28号「甲府消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、非常勤の消防団員に支給する報酬及び費用弁償の額を改定するものであります。

 

 次に、議案第29号「甲府市制施行100周年記念事業基金条例制定について」は、甲府市制施行100周年記念事業に充てる資金を積み立てるための基金を設けるため、この条例を制定するものであります。

 

 次に、議案第30号「甲府市森林等の火入れに関する条例制定について」は、地方自治法及び森林法の一部改正に伴い森林等における火入れの許可事務を処理するため、この条例を制定するものであります。

 

 次に、議案第31号「青年学級の開設について」は、勤労青年に対し、実生活に必要な職業及び家事等に関する知識、技能を修得させ、また、一般教養を向上し、明るく豊かな市民生活を営むため、青年学級を開設するにつきましては、青年学級振興法第5条第2項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 

 次に、議案第32号「土地改良事業の施行について」は、団体営土地改良事業を施行するにつきましては、土地改良法第96条の2第2項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 

 次に、議案第33号から議案第36号までの「市道路線の認定について」の4案件につきましては、それぞれの路線を市道に認定し、維持管理を行うため、道路法第8条第2項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 

 次に、議案第37号、議案第38号及び議案第39号の「請負契約の締結について」の3案件につきましては、朝気立体交差高架橋下部工事(東側)及び同工事(西側)並びに南西第1幹線下水道管布設工事第4工区をそれぞれ施行するため指名競争入札を行ったので、その落札者と請負契約を締結するにつきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を求めるものであります。

 

 次に、議案第40号「甲府市水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、甲府市水道事業における給水区域及び計画給水人口等の変更並びに玉穂村が玉穂町になることに伴い、規定の整備を行うものであります。

 

次に、議案第41号「甲府市・玉穂村中学校組合規約の変更に関する協議について」、議案第42号「甲府地区広域行政事務組合規約の変更に関する協議について」及び議案第43号「甲府地区開発推進協議会規約の変更に関する協議について」の3案件につきましては、4月1日をもって玉穂村が玉穂町になることに伴い、それぞれの規約の一部を変更するため協議を行うについて議会の議決を求めるものであります。

 

 以上が、本日提案いたしました案件の大要であります。

 

 御審議のうえ、御協賛賜りますようお願い申し上げまして説明を終わります。

 

○議長(小沢春君)

 以上で説明は終わりました。

 

 お諮りいたします。

 

 3月9日は議案調査のため、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

 

       (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(小沢政春君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって、3月9日は本会議を休会することに決しました。

 

 3月10日は日曜日のため、休会明け本会議は3月11日午後2時から開会、提出議案に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 

 本日は、これをもって散会いたします。

 

          午後2時24分 散会