昭和61年9月甲府市議会定例会議事日程(3)

    昭和61年9月25日(木)午後1時   

 

報  告

第 1 議案第100号 昭和61年度甲府市一般会計補正予算(第3号)

第 2 議案第101号 昭和61年度甲府市国民健康保険事業特別会計補正予

算(第2号)

第 3 議案第102号 昭和61年度甲府市下水道事業特別会計補正予算

(第1号)

第 4 議案第103号 昭和61年度甲府市土地区画整理事業用地先行取得事

業特別会計補正予算(第1号)

第 5 議案第104号 昭和61年度甲府市中央卸売市場事業会計補正予算

(第1号)

第 6 議案第105号 議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に

関する条例等の一部を改正する条例制定について

第 7 議案第106号 甲府市市営住宅条例の一部を改正する条例制定につい

第 8 議案第107号 甲府市在宅老人短期保護手数料条例制定について

第 9 議案第108号 市町の境界変更について

第10 議案第109号 財産の取得について

第11 議案第110号 市道路線の認定について(千塚3丁目1号線)

第12 議案第111号 市道路線の認定について(下飯田4号線)

第13 議案第112号 市道路線の認定について(猪狩町中線)

第14 議案第113号 市政功労表彰者の決定について

第15 市政一般について質問

 

(出 席 議 員)

 

森 沢 幸 夫君

武 川 和 好君

依 田 敏 夫君

飯 沼   忠君

剣 持 庸 雄君

岡 田   修君

村 山 二 永君

宮 島 雅 展君

内 藤 幸 男君

秋 山 雅 司君

福 島   勇君

塩 野 褒 明君

早 川 光 圀君

堀 内 征 治君

内 藤 秀 治君

小 林 康 作君

堀 内 光 雄君

斉 藤 憲 二君

川 名 正 剛君

牛 奥 公 貴君

清 水 節 子君

岡     伸君

野 村 義 信君

長 田 昭 哉君

千 野   哮君

中 込 孝 文君

鈴 木 豊 後君

渡 辺 静 男君

小 沢 政 春君

飯 島   勇君

原 田 正八郎君

堀 口 菊 雄君

中 西   久君

小 林   匡君

早 川 武 男君

三 井 五 郎君

小 沢 綱 雄君

 

 

 

37名

 

(欠 席 議 員)

上 田 英 文君

 

 

 

                          1 名

 

職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名

事 務 局 長  入 倉 芳 幸君

総務 担当 主幹  河 西 正 克君

庶務 担当 主査  山 村   f君

調査 担当 主査  加 藤   喬君

議事 担当 主幹  都 筑   登君

議事 担当 主査  今 福 栄 一君

議事 担当 主査  高 橋 勝 巳君

記録 担当 主査  功 刀 敏 男君

庶務 担当 主任  保 坂 照 次君

 

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

市     長  原   忠 三君

国体 事務 局長  鷹 野 四 郎君

助     役  新 藤 昭 良君

中央卸売市場長  井 上   真君

収  入  役  近 山 滋 郎君

市 立 病 院 長  伊古美 文 雄君

市 長 室 長  小 野 貞 良君

 〃 事務 局長  沢 田 良太郎君

企 画 部 長  中 島 省 三君

教 育 委 員 長  小 林 一 彦君

総 務 部 長  神宮寺 英 雄君

教  育  長  楠   恵 明君

市 民 部 長  石 井 司 郎君

教 育 次 長  生 山 正 仁君

社 会 部 長  土 橋   博君

水道事業管理者  丸 山   忍君

福 祉 部 長  高 野   肇君

水道局業務部長  山 下   久君

環 境 部 長  石 原 一 雄君

 〃 工務部長  加 賀 美  猛君

経 済 部 長  窪 田   。君

選挙管理委員長  保 坂 昌 新君

建 設 部 長  小 松   要君

代表 監査 委員  倉 田 吾 郎君

都市 開発 部長  小 野 明 英君

公 平 委 員 長  横 内 敏 治君

下 水 道 部 長  高 橋 信 靖君

農業委員会々長  荻 野 克 巳君

技術 管理 室長  鈴 木 東一郎君

固定資産評価員  斉 藤 孝 房君

 

 

 

     午後1時07分 開議

 

〇議長(三井五郎君)

 これより本日の会議を開きます。

 

 直ちに日程に入ります。

 

 日程第1から日程14まで14案及び日程第15 市政一般についてを一括議題といたします。

 

 これより昨日に引き続き上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 

 本日は最初に公明党 秋山雅司君。

 

 秋山雅司君。

 

     (秋山雅司君 登壇)

 

〇秋山雅司君

 公明党を代表し、9月定例会における提出議案及び市政一般について質問をいたします。

 

 初めに、市長の政治姿勢について何点かお伺いをいたします。

 

 かいじ国体も冬季、夏季大会は本県選手団の活躍により、多くの人々に夢と希望と感動を与えました。特に夏季大会においては、職員の皆さんの努力と市民の協力により大成功に終わりました。秋季大会も昨日の上田議員の指摘を踏まえ、ふれあいの輪を大きく広げ、無事故で大きな成果をおさめられるよう願っているひとりであります。

 

 さて、ポスト国体における諸施策は、市民の生活向上と活力ある甲府市を目指す原市長の政策として、どこに力点を置いて推進しようとしているのか、具体的にお答えをお願いいたします。

 

 また、58年9月定例会において、私は小瀬スポーツ公園の見返りとして、県から緑が丘総合運動場を確保するつもりはあるか、との質問をいたしました。市長は基本的な考えは小瀬スポーツ公園に計画した運動施設に見合うものを、緑が丘運動場に求めていく。今後県と折衝を進め、国体までには結論を出していきたいと答弁をしております。

昨日の斉藤議員の質問に対し、いまだに「県と協議をして」との答弁を繰り返しております。先ほども述べましたように、国体まであと17日であります。私が質問してから3年という時間が経過した今日、何ら話し合いは進展していないのか、市長の任期中には結論が出る見通しはあるのか、お聞かせを願います。

 

 次に、各定例会ごとに、それぞれの議員が市民の声を代弁して、市長に対し数々の提案をこの議場でしております。ちなみに原市長当選後の58年6月議会から61年度の予算に組み込める60年9月議会まで、10回の定例議会が開かれました。この間主だった提案だけでも171件あります。財政面や社会状況などを考えると、すべての意見を取り上げることは、当然不可能であることは百も承知しております。

しかし、何らかの形で実行に移したのは、171件のうち約1割にしか過ぎません。しかもそのほとんどが余り予算のかからないものであります。残りの9割は「今後検討してまいります」とか、あるいは「研究いたします」との答弁で、その後どのように検討したのか、研究したのか、こちらから再度お尋ねをしなければ、回答がありません。

 

 請願・陳情については処理、経過及び結果を報告する義務があり、その都度報告しております。われわれ議員も市民の付託を受け、市政をよりよくするために議会を通じて提案をしているのであり、その結果を市民に報告する義務があります。提案して1年を経過したものについては、検討したが財政的に現状では無理だとか、各方面から研究中であるとか、それぞれの議員に経過並びに結果を報告することが、市長の責任だと思いますが、御所見をお伺いいたします。 

 

 次に、子供たちは未来からの使者であり、あすの甲府を担い、21世紀に向けて大きく羽ばたく大事な財産であります。そこで教育に対する行政援助について3点ほどお聞きいたします。

 

 昨年の9月議会で、私が提案させていただいた大学入学準備金貸付制度についてお伺いいたします。

 

 テクノポリスの母都市として、21世紀に向け大きく前進を始めた本市にとって、1番大事なことは優秀な人材の確保にあると思います。こうした時代背景を敏感にキャッチするのと同時に、社会情勢の多様化により、本県においても大学進学率は年々増加の傾向を示しております。

しかし、大学入学時に必要な資金もまた年々高額になり、最低でも100万円はかかるという時代であります。親であれば子供の将来に夢を託し、できれば大学にと思うのは当然だと思いますが、経済的な理由で大学への進学を断念せざるを得ない家庭も少なくはありません。入学金を含めた入学時の資金さえ調達できれば、後は本人のアルバイトや奨学金等の収入により、大学を卒業できる道が開かれるのであります。

 

 確かに各金融機関においても、それぞれ貸付制度を設けてはおりますが、条件も厳しく、希望者全員が対象とはならないようであります。そうした状況を踏まえ、市として一部金利負担をし、最高限度額50万円ぐらいを目安として貸し付けをしてはいかがでしょうか。市長は、高学歴化社会に対応できる施策として総合的に研究してまいりたいと昨年答弁しておりますが、この1年間研究された結果は、どのように対応するようになったのか、御答弁をお願いいたします。

 

 次に、幼児教育振興事業として、幼稚園への就園を奨励するための就園奨励費補助金についてお尋ねをいたします。

 

 現在、私立幼稚園に在園する4歳児と5歳児の保護者に対し、所得に応じて保育料等について園児1人につき補助が受けられるようになっております。国では補助に対しそれぞれの所得に応じて一定の基準額を設けておりますが、甲府市の場合、いずれもこれを大幅に下回っております。

 

 具体的に言いますと、生活保護世帯及び市民税が非課税世帯の国の基準額は年額10万4,000円の補助に対し、甲府市は6万5,000円しか支給しておらず、国の基準額の62.5%であります。市民税の所得割が非課税世帯は、国の基準額8万1,000円の補助に対し、市は5万2,000円で64%の支給であります。

市民税の所得割が10万1,000円以下の世帯では、国の基準額4万7,000円に対し、甲府市はこの階層の世帯を5段階に分けておりますが、国の基準額と最もかけ離れているところは、甲府市は1万4,000円の補助しか出しておらず、何と国の基準額に対し30%も満たない状況であります。

 

 近県の主要都市の実態を見てみますと、国の基準額を補助しているのは栃木県足利市、茨城県水戸市、日立市、埼玉県所沢市、長野県長野市、松本市、諏訪市、上田市、静岡県清水市などが100%補助をしております。

さらに国の基準額を100%補助し、なおかつ市独自の施策で補助金を支給している都市がたくさんあります。群馬県前橋市は、国の基準では所得割10万1,000円以上の世帯は、補助金の対象になっておりませんが、10万1,000円以上の高額所得世帯にも独自に支給をしております。高崎市は、国の基準額以外の高額所得世帯と3歳児全員に補助を出しております。

栃木県宇都宮市は、国の基準額以外の高額所得世帯に、埼玉県浦和市と川越市は高額所得世帯と3歳児全員に補助をしております。越谷市と草加市とそれに千葉県柏市は、国の基準以外の世帯にも支給をして、千葉県の千葉市と市原市は、国の基準額に市独自で2万円プラスして補助をしております。

 

 静岡県富士市は、高額所得世帯のほかに、生活保護世帯に国の基準額10万4,000円にプラス4万6,000円を補助しております。神奈川県横浜市は、高額所得世帯と3歳児全員に、川崎市は高額所得世帯に、平塚市は、5歳児全員に国の基準額以外に3万4,800円を補助しております。

小田原市は、所得割10万1,000円以上の世帯に、茅ヶ崎市は国の基準額にそれぞれ8,000円プラスし、10万1,000円以上の所得割世帯に1万円等と、国の基準額のほかに市独自で補助をしている都市がほとんどであります。

 

 中でも、関東各県の県庁所在地の都市においては、全都市国の基準額のほかに市独自の就園奨励費を支給しているのに対して、わが甲府市だけが、国の基準額をはるかに下回っていることは、まことに残念でなりません。

毎年2,000円から3,000円程度上乗せを甲府市としてもしているようでありますが、これでは国の基準に達するまでに20年はかかります。甲府市の保育料は、月額1万2,000円でありますので、国の基準額を支給できれば、生活保護世帯や非課税世帯の幼児は、月々少額で幼稚園に通園することができるわけです。

 

 こうした実態を踏まえ、早急に国の基準額を交付すべきと提案いたしますが、どのようにお考えかお聞かせください。

 

 2番目は、市内に私立幼稚園は現在29園ありますが、幼児教育の重要性を考え、それぞれ建学の精神に基づき、個性豊かな特色ある教育を行っております。

私立幼稚園を取り巻く環境は、今日の変動の激しい社会情勢の中にあって、年々厳しさを増しており、将来においても全く楽観を許されないものが予測されております。こうした状況下で、幼児教育の資質充実のため、各園とも苦しい財政の中、施設設備の拡充を行っております。

 

 これに対しては、県が助成を行っているので少しでも多くの助成が得られるよう、県に強力に働きかけるのと同時に、現在甲府市として1園につき平均12万2,000円程度の教育研修費に対する補助金を交付しております。

県内各市を見ますと、都留市20万、韮崎市15万、大月市40万、塩山市20万等々これもやはり甲府市をはるかに上回っております。今後他都市と比べ、恥ずかしくない交付が早急にできるかどうかお聞かせをください。

 

 次に、議案105号についてお伺いいたします。

 

 地方公共団体の普通財産である土地について、信託制度の導入を図るため、去る5月22日に閉会した第104回国会において、地方自治法の一部を改正する法律が成立し、地方自治法施行令及び地方公営企業法施行令の一部を改正する政令及び地方自治法施行規則の一部を改正する省令とともに5月30日に交付され、同日施行されました。

これを受けて今議会に議案第105号を提出しておりますので、当局の見解をお聞きしたいと思います。

 

 限られた狭い国土の中で、高密度な経済社会を形成しているわが国において土地はかけがえのない資源であります。中でも公有地は、公共利益のための国民共有の大切な財産といえるでしょう。先進国に比較して立ちおくれが指摘されている都市整備や、社会資本を充実させ、福祉サービスを向上させていく上でも、今後公有地の重要性は増す一方であります。

土地という限られた資源をどう有効に活用するのか、これは国民的課題であると考えます。公有地についても今や長期的視野に立った最有効活用が強く求められております。しかし、公有地の開発利用の促進を図るにしても、現在の地方公共団体の財政事情の中で、新たな財政支出を伴うことは非常に困難と見込まれるのであります。

 

 そこで、今回の地方自治法等の一部改正をする法律の施行に伴い、公有地への土地信託制度の導入がなされる条例の一部改正が行われることにより、本来、行政目的のために取得された公有財産を処分することは、抵抗があるが、土地信託では実質的に所有権を留保することができ、将来には行政目的に使用することが可能となること。 

また公有地の売却は、競争入札により行われることから、時として地価高騰の引き金となるおそれがあるけれども、土地信託では原則として土地の売買を伴わないので、地価を顕在化させないこと。そして土地信託により民間のノウハウ等を有効に活用することができること。内需拡大の要請が高まる中で、そのために大いに効果があると考えられております。

 

 そこで甲府市の場合、条例の一部改正に伴いすべてが開発適地ではないにしても、有効活用できる対象土地は、どのくらいの面積があるのか。また、その中で、この制度を利用して有効活用ができる予定地はあるのかどうか、お尋ねをいたします。

 

 さらに、本市を初め他都市においても、近年水道用地、浄水場、配水池等の地上部を公園、スポーツ施設等に有効利用し、市民に開放しているところが多くなってきております。行政財産と普通財産の分類上、こうした有効活用に土地信託制度を導入できるのかどうか、お伺いをいたします。

 

 もし、この制度の活用が図れない場合、これらの地上部の有効利用についてどのように考えているのか、御答弁をお願いいたします。 


 次に、南部工業団地についてお伺いいたします。

 

 南部工業団地の推進については、大津地区、西下条地区、小曲地区を対象とした54ヘクタールの面積で計画決定すべくその準備に取り組んでいると聞きますが、この54ヘクタールといえば、小瀬の国体用地よりも広大な面積であるだけに、多くの人たちの協力が必要と思われます。

大津地区は、ほぼ全町協力態勢が整ったようでありますが、西下条、小曲の両地区については、住民とのコンセンサスは得られているところまで進展しているかどうか、まずお聞きをいたします。

 

 というのも、本年3月定例会で、わが党の堀内光雄議員が、ミニ工業団地造成について質問をしたのに対し、当局は厳しい状況ではあるが、年度内には用地交渉に入れるよう積極的に交渉を進めていると答弁をしているからであります。

 

 さらに昨日の質問の答弁も同様でありました。遅くとも明年の9月ごろには用地取得をしなければ、時間的制約のある中で、南部工業団地は首都圏整備法にのっとった事業であり、認定面積は50ヘクタールを満たさないと認可対象とはならない心配もあるわけです。

大津地区と同時に西下条、小曲地区が申請不可能になった場合、甲府市としてどのような対応をしていく考えがあるのか、お伺いをいたします。

 

 また南部工業団地計画を進めていく上で、最も重要な課題は、取得した用地の処分にあると思います。54ヘクタールという広大な用地が、造成完成後直ちに処分できる体制を整えておかないと、大きなリスクを背負い、他町村に見られるような未処分用地を抱え、その対応に苦慮してはならないと思います。

こうした危険性をなくすために、用地買収と並行してその用地処分に携わる組織を庁内に設置し、積極的に対応すべき必要性を感じますが、いかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。

 

 次に、福祉関係についてお伺いいたしますが、その前に国体の陰に隠れてはおりますが、10月25、26日に開催される第22回全国身体障害者スポーツ大会の準備に対して、高野福祉部長を先頭に、全庁的な実施本部体制を引き、過日行われた身体障害者スポーツ大会を成功させる市民の大会や、炬火リレーのリハーサル等と万全を期している姿に心より感謝をし、高く評価しているものであります。

 

 そこで福祉関係の質問に入りますが、在宅介護手当についてお尋ねいたします。

 

 10月より新しく痴呆性老人の介護手当として、年額2万円支給される運びとなり、対象となる27名の痴呆性老人を抱えている家庭では、少額ではありますが、一定の評価をしていることと思います。国の方針も在宅介護に重点を置くようになり、寝たきり老人を介護する方々の御苦労は、筆舌には尽くしがたいものがあります。

新しく10月より支給する痴呆性老人の介護手当のほかに、今まで市では在宅寝たきり老人400人に対し、介護手当を痴呆性老人と同額の2万円を支給しておりました。精神的にも、肉体的にも重労働な介護者を思うと、年額2万円の介護手当は、余りにも低過ぎると思います。

こうした状況を踏まえ、介護手当を年々増加していく必要はあると思いますが、御答弁をお願いいたします。

 

 最後に、住みよいまちづくりのため、寿・宝土地区画整理事業を初め、各地で区画整理事業の動きが出ておりますし、街路事業も積極的に進められております。そこで、一番問題となるのは代替地で、住民が一番悩むところであります。甲府市内に適当な土地が見つからず、他市町村に転出していくケースが多く見られます。

また市内の事業所に勤務する勤労者が、土地を購入する場合も周辺町村に求める人が多いようであります。反面、甲府市内に希望する土地があっても、土地の所有者が税金の関係で公共用地として売るならいいが、個人には売れないという事例も多いと聞いております。したがって、代替地あるいは勤労者用分譲地確保も含め、市が公有地としてなら売りたいという希望のある土地所有者から、事前に買収をしていくことに対し、当局はどのように考えているか、お尋ねし私の第1弾の質問を終わります。

 

御清聴ありがとうございました。

 

〇議長(三井五郎君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 秋山議員の質問にお答えいたします。

 

 国体後の市政運営の問題についてのお尋ねでございますが、国体後における現時点の重点的施策につきましては、次のことが考えられております。

まず人口の高齢化、高度情報化、市民生活の多様化など、急速に進展をするところの社会環境に対応いたしまして、産業の活性化を図りますとともに、社会福祉の充実、うるおいや安らぎのある緑化事業の推進など、21世紀を展望をいたしますところの、人間性豊かなまちづくりを進めていくことであると考えております。

 

 このためには、農業、林業も含めた既存産業を振興しつつ、先端産業の積極的誘致とテクノポリス母都市としての都市機能の整備、充実、資源の活用を図る基幹道路の整備、歴史と文化の調和する都市基盤の整備、甲府都市圏構想、リニアモーターカーの誘致促進等の実現を図りますとともに、昭和64年に迎える市制100周年を、市民の夢とアイデアを結集しながら、新たな甲府まちづくりの礎になるような事業として取り組んでまいりたいと考えております。

 

 次に、緑が丘運動公園の問題についてのお尋ねでございますが、緑が丘運動公園につきましては、基本的には交換を前提といたしまして、県と協議をしてまいりましたが、特に国有地の扱いや施設の管理区分など難しい問題がありますので、引き続いて協議を重ねてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、議員の提案に対するところの対応についてのお尋ねでございますが、当局の取り組みといたしましては、厳しい御意見をいただきましたが、決して御提言をなおざりにいたしておるものではございません。

幾つかの御意見を受けまして、新規事業として対応を図ってまいりましたが、行政の性格、総合計画との関連及び財政の制約等から、その対応が難しいものもあることは事実でございます。御指摘の点を調査いたしまして、御理解がいただけるような取り組みをいたしてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、大学入学の準備金貸付制度についてのお尋ねでございますが、この問題につきましては、昨年9月議会で、秋山議員から御提言がありましたので、この制度の意義、及び先進都市の例も調査をしてきたところでございます。

民間融資が充実をしている分野でもありますので、一定の条件の中で民間制度を補完する形での制度発足に向けまして、検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、土地信託制度の導入につきましてのお尋ねでございますが、本年5月の自治法改正によりまして、公有地に対する土地信託制度が導入をされましたことは、御案内のとおりでございます。この制度の対象となりますのは、普通財産である土地について、本市では現在131筆、約24万平方メートルを所有をいたしまして、直接管理を行っておるところでございます。

しかし、その内容を見ますと、山林とか雑種地とか、及びため池等の面積が大半を占めておる状況でございまして、土地信託制度を導入し、土地の有効活用を図ることはほとんど不可能に近い状態であります。

 

 しかし、この制度の目的が、土地の有効利用にあることを考えまして、現在市が保有をいたしておりますところの普通財産について、研究してみたいと考えております。ただ土地信託制度の決め手となる条件といたしまして、収益性の高い土地であること。

優良テナントの確保と信託配当の高い企画を立てられる、優良信託銀行等の選定がかぎであるといわれております。したがいまして、本市がこの制度を導入するにあたりましては、専門組織で慎重に検討し、対処してまいりたいと、このように考えておりますので御理解を賜りたいと思います。

 

 次に南部工業団地の進捗状況につきましてのお尋ねでございますが、南部工業団地の造成事業における西下条地域の促進状況につきましては、自治会を初め、地域の開発には了解を得ておりますが、造成に伴う代替地につきましては、現在一部の地権者といまだ交渉を続けておるところでございます。今後も十分交渉を重ねまして地権者のコンセンサスが得られるよう銃意努力をしてまいります。

 

 なお、大津、西下条、小曲地区の土地の関係でございますが、この3つの地区につきましてはワンセットにいたしまして、南部工業団地として造成事業を計画をしております。6月議会には、造成にかかわる経費として債務負担行為を御承認をいただきまして、すでに県にも事前協議を進めておる状況であります。本市産業の活性化の面からいたしましても、認可がされるようあらゆる努力を積極的に重ねてまいる所存でございますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 次に、この工業団地の取得用地の処分の問題につきましてのお尋ねでございますが、南部工業団地造成事業は、都市計画事業といたしまして施行するために、公開公募によって用地の処分を行うことが原則でございます。最近の円高不況によりまして、企業の設備投資が冷えている現況の中で、処分についての危惧はございますけれども、すでにサイエンスパークを初め、特定企業の立地を前提としております用地につきましては、処分の見込みがあるわけでございます。

ただし、造成用地が末処分にならないよう、地場産業を含めまして工場誘致のための対応策と庁内組織は検討をしておく必要がございますので、今後経済の動向や企業の動きを見ながら的確に対応してまいりたいと考えております。

 

 次に、老人介護手当についてのお尋ねでございますけれども、在宅寝たきり老人の介護手当につきましては、介護者の日ごろの御苦労に報い、また敬老思想の高揚を図るために、昭和59年度から本市独自に支給開始をしたものでございます。昭和60年度には5,000円を増額し、現在年額2万円を支給いたしております。

 

 なお、痴呆性老人につきましては、59年より痴呆性老人施設として桜井寮特別介護棟の建設等に補助し、処遇の万全を図りましたが、在宅痴呆性老人に対しましても、今回介護手当を支給し、在宅で大変御苦労をいただいております介護者にお報いをいたすものでございます。

なお今後さらに在宅福祉向上の視点から、厳しい状況ではございますが、介護手当の増額につきましても検討いたしてまいりたいと存じますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に公共事業にかかわるところの代替地及び先行取得の問題につきましてのお尋ねでございますが、現在、本市におきましては、代替地及び公共団地として、制度に基づくところの買い上げを実施しておりますけれども、これと並行いたしまして、市民からの情報の提供による対応もいたしております。

 

 なお、御指摘の勤労者用分譲地としての用地確保につきましては、適正な規模、地価の問題、造成にかかわる効率性の問題など、現下の本市の土地事情では大変難しい状況にありますが、御指摘の希望の向きにつきましては、その対応について検討をしてまいりたいと考えます。

 

 他の質問はそれぞれ担当からお答えをいたします。

 

〇教育次長(生山正仁君)

 幼稚園の就園奨励費の増額についてお答え申し上げます。

 

 本市の就園奨励制度につきましては、現在国の交付要綱に基づき、その限度額の範囲内におきまして助成をいたしております。

 

 なお、限度額に近づけるべく年次的に増額を図ってまいりましたが、今後におきましてもさらに前向きに取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。

 

 次に私立幼稚園教職員に対する研修助成費についてお答えいたします。

 

 私立幼稚園教職員に対します研修助成につきましては、助成金額等をも検討する中で、より一層幼児教育の推進を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。

 

 以上であります。

 

〇水道局業務部長(山下 久君)

 水道局関係の2点の御質問についてお答え申し上げます。

 

 最初の浄水場等の地上部の有効活用につきまして、土地信託制度を導入することについての御質問でございますけれども、今度の制度で信託できる対象財産につきましては、普通財産である土地に限定をされております。水道施設のある土地につきましては、すべて行政財産に帰属をしているわけでございますので、これらの行政財産は、直接行政目的に供する財産でありますので、原則として貸付、交換、売り払いは禁止をされております。

信託する場合につきましては、該当する土地を用途廃止をして、普通財産にしなければなりません。したがいまして、御指摘の部分の有効活用に、土地信託制度を導入することにつきましては、できないものと判断をいたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 次に、第2点のこの制度が導入できない場合の地上部の有効活用についての御質問でございますけれども、御存じのとおり水道局におきましては、60年の8月より全国の水道事業体に先駆けまして、昭和、北方水源構内にスポーツ施設を開設いたしまして、直営方式で運営、管理をする中で、多くの市民が利用しているところでございます。

今後浄水場、配水池等の施設の地上部の有効利用につきましては、財政的な裏づけを見る中で、各機関の参考意見及び諸情勢を勘案しながら対応してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 以上でございます。

 

〇議長(三井五郎君)

 秋山雅司君。

 

〇秋山雅司君

 すべての質問に対しましてそれぞれ御答弁をいただきましたが、4点ほど再質問をさせていただきたいと思います。

 

 まず議会において議員がそれぞれの提案をしておりますけれども、私はすべての提案に対して取り上げろ、というふうに言っている質問ではありません。これは、質問に対して検討あるいは研究いたします、という答弁が非常に多い。

それはそれで結構なんです。ただし、その後どのように検討したのか、あるいはどのように研究をしたのか、その経過をあるいは結果を知らせてほしい、という質問をしているんでありますから、その点についてもう一度御答弁をお願いしたいと思います。

 

 それから幼稚園の就園奨励費の補助金についてですが、教育次長の方から前向きにという御答弁がありました。前向きといいますと、今まで2,000円から3,000円のペースで引き上げてきたものを、5,000円くらい引き上げていっても前向きという答弁に当てはまる可能性も出てくるので、これでは余りにも遅過ぎるわけです。

したがって、市長にこれはお伺いをいたしますが、さらに前進的なお答えをいただきたいというふうに思います。

 

 それから信託制度の導入についてですが、ただいまの御答弁で収益性が問題になるというふうなことで、これは非常に立地条件等もよいところでなければならないとも思いますけれども、100周年に向けて庁舎建設の問題も出ておりますし、そういった中においてこの現在建っているこの庁舎を、移転するかどうかも含めて検討していると思いますが、移転した場合には、ここは非常に有効的な土地になる、というふうにも判断をするわけです。

そういった面を考えて、もしこの土地が庁舎が建たなくて別のところへ移転、というふうなことになった場合を考えて、この土地を信託制度導入の対象として考えていくのかどうか、あわせてお聞きしたいと思うんです。

 

 それから南部工業団地の進展状況についてですが、6月の議会において、約37億の補正がなされました。この補正は恐らく内訳は買収費等も入っていると思うんです。これを今年度話し合いがつかなくて、使い切れなかったというふうなことも考えられるんじゃないかということも言われております。

そういった中において、タイムリミットがある中での事業でありますだけに、もう一度決意を、進めていく決意をお聞かせ願いたいと思います。

 

 以上です。

 

〇議長(三井五郎君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 お答えいたします。

 

 議会でそれぞれ提案なされたものにつきまして、先ほどお答えいたしましたとおり、施策の中にその多少の度合こそございましても、かなりいろいろな問題の中に盛り込んでおるつもりでございます。しかし、お説のとおりその結果というようなものにつきましては、今後御説明ができ得るような、こういう形に努力をしてまいらなければならないと思っております。

 

 なお、念のため申し上げますと、今度の第3次の総合計画等の中へは、それぞれの御提案というものも重要な一つの大きな素材といたしまして、検討させていただいておりますことも、つけ加えさせていただきたいと思います。

 

 就園奨励費につきましては、お説のとおりでございますので、できるだけ早期に国の限度額に達するように努力をいたしてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 3番目の土地債託の関係につきまして、ここの庁舎を移転した場合にどうかと、こういうお話でございますけれども、もしそうなった場合には、検討の対象になるかもしれませんけれども、しかし仮定の問題でここでそのことを的確にお答えするというわけにもまいりませんので、そのような具体的の問題が出たときに、これらの問題はどういたすべきか、ということを、これはそのような問題が出た時点で、また議会の方へも御相談を申し上げなければならない、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

他の問題は、担当の部長の方からお答えをいたします。

 

〇経済部長(窪田 。君)

 6月に債務保証負担行為をさせていただいた額は、37億4,671万円でございます。これは大津、西下条両方含めてでございますけれども、この中には用地買収費――大津の移築も含めました5棟の移転補償も含まれておりますけれども、これは61年度末までの用地買収費、調査設計費含めての額でございますけれども、これで、先ほど市長の方からも答弁ございましたように、現在一部の地権者との折衝を続けておりまして、何とかこの債務負担をされた額につきましては執行させていただいておりますけれども、今現在のコンセンサスを得るように努力はしていますけれども、この額が、例えば執行できなくて残った場合についてはどうかということでございますけれども、それの額につきましては、一応3月31日末で減額させていただきまして、新たに62年度に用地買収費、調査設計費等を計上させていただく、という形になろうかと思います。御理解いただきたいと思います。

 

〇議長(三井五郎君)

 秋山雅司君。

 

〇秋山雅司君

 非常に御答弁簡潔にいただきましてよくわかりました。特に議会での提案に対する再度の質問に対する回答も、そのようにしたいと、また大学入学準備金貸付制度にしても、制度発足を前提に取り組んでいくと、就園奨励費についても、早急に国の基準額に達するようにやっていく。それから在宅介護手当の値上げについても、増額を検討していく等々、実のある回答いただきました。

 

 以上で質問終わります。

 

〇議長(三井五郎君)

 関連質問はありませんか。

 

 次は政友同志会 千野 哮君。

 

 千野 哮君。

 

     (千野 哮君 登壇)

 

〇千野 哮君

 私は議員としての今任期最後の年度もすでに半期を過ぎようとしておる今日、厳粛なる本会議場において政友同志会を代表して質問できることに大変感動を覚えるものであります。

 

 顧みれば、この道を志してはや十余年、厳正なる市民の審判とその重き付託によくこたえたか否か、いささかの自負とともに、内心忸怩たる思いが交差するを禁じ得ません。私のこの思いは、原市政3年半の実績に投影することにより、一層鮮明に浮かび上がってくるのを、覚えるわけであります。

 

 社会福祉対策としての高齢者総合福祉計画、及び総合保険計画の推進、また心身障害者対策の施行、物的、人的な教育条件の整備、及び文化の振興、社会資本の充実を目指した上下水道拡張事業の推進、活力ある都市等を標榜しての産業の振興、なかんずく商業近代化計画の推進及びテクノポリス構想を基調とした工業団地の造成と地場産業の振興施策、都市基盤整備施策における区画整理事業への着手と街路事業の積極的な推進、そして国体などなど枚挙にいとまはありません。

原市長が、粛々諸施策を誠実に、またときには大胆に執行され、着々とその成果を上げたことについては、市民等しく評価するものと確信をするものであります。決して大向こう受けをねらう軽薄さでなく、指針にいささかの曇りもない重厚な市政を展開される原市長の資質は、まことに経済低成長期の厳しい環境の中での地方公共団体の首長としてこの上ない人格であると、私は深く尊敬の念を抱くものであります。

 

 しかしながら、今日の地方自治体を取り巻く環境は、未曾有の厳しさであります。昭和56年臨調以後の行革のあらし、第2次オイルショック以後の経済低成長に追い討ちをかけるかのような、1年間で40%という為替レートの暴落等、政府は、ついに今年度経済成長見通しのガイドライン4%を断念せざるを得ない状況となり、内需拡大を目指し、その大部分の原資を建設国債に依存した3兆円規模の莫大な補正予算の編成を決意したわけであります。

 

 地方は今やあらしの中にこぎ出した一そうの舟であり、一度その操舵を誤るやひとたまりもありません。当局もこのあたりの御認識は十分にお持ちのことでございましょうし、私も、この厳正な事実に身が引き締まる思いをいたしながら質問に入らせていただきます。

 

 まず質問の第1は、本市の財政状況についての見通しであります。 

 

 わが国の財政は、中央、地方の別なく昭和30年代に入ってから、いわゆる高度経済成長を背景にして比較的順調な運営を続けてきたが、昭和50年代に入ってからは、オイルショック以後の経済の低迷から、大量の公債に依存せざるを得ない状況にあり、その残高も累増を続けています。

しかも、高齢化社会への加速度的な移行など、社会経済状況の変化に対応して、財政にはより重い、新しい役割が期待されているにもかかわらず、果たして十分に期待にこたえられるか、大きな懸念が生じているわけであります。

 

 特に地方にとっては、第2臨調の第1次答申に従い、いわゆる行革特例法に基づく国庫負担金の縮減、及び負担の転嫁の問題、さらには経済低成長下における自主財源確保の問題と、2つの大きな問題が横たわっているわけであります。第1の国の補助金の縮減に関する臨時措置法に基づく国庫負担の圧縮分の地方への負担転嫁について、まず当局にお伺いをいたします。

 

 この法律のもくろみの一つに、公共事業等のかさ上げ補助率の引き上げによる国庫負担分の減額、及び諸事業に補助率の一律1割削減があります。この地方財政に対する減収分に対しては、地方債の発行と元利償還費、地方交付税の導入という保障措置がとられているとは言え、明らかな地方への負担転嫁といえるのであります。

まず本項の質問の第1点は、本市への財政的影響は過去にどのくらいあったのか。また今後予想される負担増がどのくらいになるのか、当局の見解をお示し願いたいと思います。

 

 2つ目には、国民健康保険の給付費の一部、また児童扶養手当等の一部を都道府県に肩がわりさせる点につき、直接その矢面に立つのは県であるが、その補助金等の減額は、地方交付税によって補てんされる措置がとられることになるから、そうした交付税の都道府県への配分増は、とどのつまり市町村への交付税の減額となってはね返らざるを得なくなります。

この点質問の第2点目として、本市財政への影響及び今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

 

 次に、自主財源、地方税の確保の問題であります。

 

 本市の市税収入を見ますと、新総合計画が実行に移される直前、昭和52年度96億2,000万円が、昭和60年には何と227億4,000万円と140%の伸び率を示しているわけであります。この市税収入の伸びは、この間の消費者物価が1.4倍に上昇した点を係数的に割り引いてみても、実質的に70%の伸び率となったわけで、マクロ的な考察ではあるが、経済低成長の中で本市の明らかな経済力と、市民の租税負担に対する認識、また行政の的確な対応を評価するものであります。

しかしながら、インフレ経済が鎮静化する昭和52年度から昭和56年度、及び昭和56年度から昭和60年度までのそれぞれの伸び率を比較してみると、前期が約65%、後期が約43%と、かなりの対照を見せています。

 

 特に昨今の急激な円高による経済の低迷は、今年度以後の市税の伸びに大きな期待を寄せることはできません。そこで質問の第2点として、お伺いいたしますが、新総合計画も最終段階に入り、第3次総合計画の策定に入ろうとしている今、この自主財源の確保、その見通しについて御見解をお示し願いたいと思います。

 

 財政状況についてもう1点お伺いをいたします。

 

 公債費の問題であります。本市一般会計の起債は、ここ数年およそ対前年度比10%程度の増額であります。その残高は昭和60年度末で約306億円となっております。一方公債の元利償還比の伸びは、ここ数年13%程度であり、昭和60年度公債比率12.4%という数字は、まず健全財政運営がなされていることを示していると思うわけであります。

しかしながら、新総合計画遂行年度を、あと2年度残し、当初策定したシビルミニマムの指標を充足するについては、まだまだ今後の財政投資は続くわけで、今後の市債の見通しと公債比率を適切に保つ、財政運営の基本的な戦略を質問いたすわけであります。

 

 なお、特別会計については、受益者負担の制度を市民のコンセンサスを得る中で定着させ、安易に一般会計からの繰出金に頼ることのないよう、財政運営を要望しておきたいと思います。私が、この公債費の点をただしますのは、新総合計画が主にハード面の施策を展開した余り、施策が完了した後の経常経費の当然増による財政硬直化への配慮に万全であったかどうかを憂慮するからであります。

幸い本市の財政構造は、人件費が構成比22.3%と、類似都市の25.5%に比べて低く、また公債比率も先ほど申し上げましたように、好ましい水準を保っておるわけであります。

 

 しかしながら、この義務的経費を含んだ経常経費は、油断をするとたちどころに膨らむ宿命にあります。箱物の時代は終わったと極論する者もあります。少なくとも今後の施策はハード面だけでなく、その運用に工夫が凝らされた人間性、地域性そして創造性のあるものでなくてはなりません。

このことはまた、原市長の唱える行政の文化化に合致するもので、今後策定される第3次総合計画への提言として申し上げ、この項の質問を終わらせていただきます。

 

 第2の質問は、行政改革の問題であります。

 

 組織の精神は、組織の全成員の力を最大限に発揮し、業績の向上を期するにある。激動する社会情勢の中で、地方公共団体がより住民福祉の向上を目指して活動していくためには、組織の精神を基盤として目標と指針を設定し、長期的視野と機動性を持って運営していくことが必要である云々。

これは申すまでもなく、本市の職務執行基本規則の前文の組織の基本理念のくだりであります。私は、この規則を読み直し、今さらながら本市がいつの時代の要請にもこたえ得る、立派な理念を持っているものだと意を持つものであります。この理念への認識を深めることが、まさに今地方に求められている行政改革の大合唱に呼応するものであると思うわけであります。

地方行革大綱に定められた具体的な行革指針が、ややもすると減量経営、合理化といった地方公共団体の技術的改革といった視点でのみ論じられがちでありますが、この行政改革を推進し、行財政の効率化を支えていくのは、自治体職員の思考と意識であることを忘れてはならないと思うわけであります。この意味から冒頭職員教育の本腰を入れた充実を申し上げておきたいと思います。

 

 質問の第1点は、行財政対策委員会における自主的行政改革への取り組みの進捗状況であります。原市長も今年度の重要な市政方針の一つとして、自主的行政改革を緊急の課題とすると申されております。国においてもすでにNTTが誕生し、国鉄の民営化もすでに目前にあります。並行して行財政改革も着々と具体的な施策を打ち出しております。

もはや逡巡は許されません。一つ当局の考えている具体的な行革のスケジュールをお示しいただきたいと思います。

 

 質問の第2点は、民間委託の問題であります。

 

 この問題につきましては、前議会の57年の6月議会におきましても、私は質問をいたしておるわけでございますが、また今議会におきましても、種々討論がなされておりますが、事が公共部門の特殊性に関することから、経営的、コスト的施行方法のみについては、なかなか結論ができないのはよく承知をしております。

しかし、すでに庁舎等施設の清掃、警備、電算処理事務、測量、設計等ストック部門においての委託は進行しているわけであります。そろそろ直接市民サービスに関する部門へも、目を転じるべきときに来ているのではないでしょうか。人事管理上の問題、また組織上の問題は、十分に認識しておりますが、私はあえて2つの点を御提案申し上げたいと思います。

 

1つは、ごみの収集について特定の地域を設定し、まず試行的に民間に委託したらどうか。

 

 2つ目には学校給食について、特定の学校を試行的に民間委託の対象としたらいかがか、当局の御見解を賜りたいと思います。

 

 質問の第3点は、情報公開についてであります。

 

 本市においては、情報公開に向けてすでに十分討議がなされ、制度の施行も間近いと聞いておりますが、その見通しをお尋ねしたいと思います。なお私は厳しい行財政環境の中で、情報公開制度の持つ意義というものを、十分に生かしていただきたいと念願するわけであります。

ただ単なる形式的な住民参加というだけでなく、例えば厳しい財政状況の中で、公共サービスと負担の問題、上積み行政とその財源の問題等、広く市民のコンセンサスを受ける手段として、この情報公開制度を積極的に活用する方途を探るべきだと思うものであります。

そのためにもオンブズマン制度の導入など、十分に検討に値するものと思いますが、御検討をお願いをいたしたいと思います。

 

 第3の質問は、工業の振興についてであります。

 

 甲府市地域工業対策協議会の提言を得て、本市が取り組んでいる工業振興計画に基づく、工業の振興施策については、厳しい経済情勢下で一定の成果を上げつつあることに対し、その行政努力をまず多とするものであります。

 

 国母工業団地誕生までの経過を思い起こしても、刻々と変動する社会経済情勢の中で、地方都市の実効ある工業施策の展開がいかに至難のわざであるかと思うわけであります。

しかしながら、中央道の開通、国道等既存道路網の整備、また今後予想される中央新幹線の整備及び中部日本横断自動車道の建設等、工業の発展に欠くべからざる道路交通ネットワークの整備は、本市がテクノポリス構想の母都市として、その中核に位置する点とあわせ、今後に明るい展望が開けるものといえるでありましょう。

まさにこのとき、大津、西下条工業団地の造成プロジェクトは一企業分の融資というにとどまらず、本市の活性化を誘発する起爆剤になるものと、大変期待するわけであります。

 

 そこで質問の第1点でありますが、この大津、西下条工業団地仮称南部工業団地が、本市にとってどれほどのメリットあるプロジェクトであるか、まず御見解をお示し願いたいとお願いをいたしますとともに、スケジュールについてもお伺いをいたしたいと思うわけでございます。

 

 この工業団地に関連し、甲府市南部の地域開発についてお尋ねをします。

 

 工業団地造成ともなりますと、産業道路及び河川の整備、また事業所に働く従事者の住宅を確保する上から、並行して都市環境の整備の問題が浮上してまいります。したがって、用途地域の見直し、生活関連道路の整備、また有機的に中小河原築地新居線の整備など、南部地域開発を質問の第2点としてお尋ねをいたします。

 

 第3点は、地場産業の振興についてであります。

 

 ここに2つの事実があります。1つは、昭和55年から56年にかけて、甲府市から甲西家具団地、及び釜無工業団地へ転出した製造事業所が、何と20社あるという事実。2つ目には、一般会計予算に占める商工業関係費の比率が3%程度であるという事実であります。

 

 さきの県議会におきましても、望月知事は、最近の急激な円高対策の1つとして、京浜地方の企業に対し、県内の中小企業への受注移行施策の展開を表明されました。このことも絡み合わせ、当局の地場産業に対する施策の方向をお尋ねをいたします。

 

 質問の第4点として、老人福祉対策についてお尋ねをいたします。 

 

 高齢化社会は、急ピッチで確実にやってきつつあります。本市においてもこの高齢化の波は、全国レベルを上回って押し寄せつつあります。20年前の昭和40年には、65歳以上1万39人、人口構成比5.8%が、昭和60年には2万2,612人、構成比11.2%と、何と人口にして2.3倍に、構成比は5.4ポイントも上回っておるわけであります。

75歳以上に至っては、昭和40年3,032人が昭和60年には8,582人と、実に2.8%に膨れ上がっているわけであります。着実に増加する老齢人口、それに伴う各種老人福祉対策の需要の増大に対応する財源、施設、マンパワーなどの供給体制の進捗には、一定の限界があるわけでありますから、需要供給のバランスを考慮した適切な資源の配分、施設の効率的運営が必要となってくるわけであります。

 

 そこで1つの方向として家庭主義――いわゆる家庭ケァへの高齢者福祉社会の志向の転換が望まれるわけであります。老人の生活を取り巻く各種施設が、有機的に機能し、ボランティアの格調高い諸地域の中で家族と一緒に生活することが、真の老人の幸福感を醸成することは言うまでもないことであります。

今後は、そのための在宅福祉施策を一層拡充することが急務であるわけであります。そこで質問の第1点であります。

 

現在甲府市民として養護老人ホーム、特別養護老人ホームに入所している老人は、それぞれ203人及び345人おられるわけでありますが、措置費から本人、または扶養義務者負担分及び国庫負担分を差し引いた、市の1人当たり年間の負担額は、養護老人ホームに入所者については73万2,000円、または68万4,000円となり、特別養護老人ホーム入所者については88万2,000円、または87万9,000円になるわけであります。

私は、この数字に家庭において介護を受けている老人に対する施策の成熱度を見る思いがいたすわけであります。当局の御見解、また今後の取り組みについてお聞かせを願いたいと思うわけでございます。

 

 第2点目は、受益者負担の問題であります。

 

 老人福祉対策を単なる低所得者対策から、より広い階層への対策へ移行させること、すなわち救貧対策オンリーからの脱皮ということも今日課題であります。老人の中でも低所得者に対する施策の優先度が高いことは認めなければなりませんが、所得という基準だけでは埋めることのできない老人特有のハンディキャップに対して、いかなる福祉サービスを提供すべきかという観点から、適正な受益者負担を通じての施策展開の必要が生じてくるわけであります。

 

 高度経済成長下の地方公共団体の福祉施策は、まさに国に先駆けての上積み福祉でありました。また財政的にもそれが可能であったわけであります。このことは住民自治を原点とした地方自治体の、一時代としての施策として一定の評価を受けるべきものであることは当然でありますが、今日はまさに時代は移り変わったというべきではないでしょうか。

 

 そこでお尋ねしたいのが、本市が実施をしている特に老人医療助成事業、老人健康福祉手当支給事業の市単独事業費につき、調和の取れた公費負担と受益者負担の観点での御見解をお示しいただきたいと思うわけでございます。また予想される老人保健法の改正による、個人負担増についてもお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 

 最後に本市の体育振興についてお伺いをいたします。

 

 かいじ国体の夏季大会も当局の御努力と市民の協力と声援によって、期待どおりの成果をおさめ閉会をいたしました。競技で活躍された選手の皆さんはもちろんでありますが、この大会を1人一役運動で、誠心誠意盛り上げてくれた市民の皆さんには、心から敬意をあらわすものであります。

 

 10月12日から始まる秋季大会及び25日、26日には全国身体障害者スポーツ大会、ふれあいのかいじ国体が開催をされます。私も市民の1人として精いっぱいの努力をし、協力をし、半世紀に1回山梨県で開かれる国体の甲府大会を成功させなければならないと考えている1人でもあります。

この両大会には、全国から参加をされる役員、選手は史上最高の2万3,258人となるようですが、これらの関係者とのふれあいの輪を広げることこそ、大会成功につながるものと考えているところであります。

 

 ところで私は、国体終了後の体育振興について考えてみたいと思います。甲府市には市営の体育施設は、他の類似都市に比較して非常に少ないのが現状であります。小瀬スポーツ公園内にあった多目的市営施設も、かいじ国体のメイン会場となってしまっております。県との話し合いでこの施設の見返りとして緑が丘スポーツ公園の一部が市に移管されると聞いておりますが、このことについては先ほども秋山議員、また昨日も同僚議員が質問をいたしておるわけでございますが、いつまでにその話し合いの決着がつくのか、いつから市に移管されるのか、またその施設の今後の使用計画、この施設の管理計画等、財政計画等もあわせてお願いをいたしたいと思います。 

 

 最後に、甲府市体育協会には27体育協会、28の種目団体、またスポーツ少年団は124団、指導者は564名、団員は実に4,411名が少ない施設の中で日夜運動に励んでおります。特に次代を担う少年たちのスポーツ愛好者は、年ごとに増加しつつあり、技術の向上はもとより、スポーツを通じて健康な体と心を養う場としてのスポーツ少年団活動が、多くの市民の理解と協力を得ております。

これらの少年たちがよりよい施設の中で伸び伸びと運動ができますように、諸条件を整えてやることは、行政をあずかる者の務めではないでしょうか。スポーツ少年団のあり方等については、さまざまな意見もあるようですので、実態調査をすでに実施しており、現在集約中であります。近く全国に先駆けて甲府市独自の指導者の手引を発行する予定であります。

 

 健全なスポーツ少年団活動の育成のためにも、より一層の御指導、御援助を切にお願いいたしまして私の代表質問を終わらせていただきます。

 

 的確な答弁を心からお願いをいたしまして終わります。

 

 御清聴ありがとうございました。

 

〇議長(三井五郎君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 千野議員の御質問にお答えいたします。

 

 国の補助金カットによる財政的の影響額についてのお尋ねでございますが、国の行財政改革に伴う地方財政の影響は、非常に深刻な問題と受けとめております。御承知のとおり補助率の引き下げは、現時点では60年度を初年度といたしまして63年度までに行われることになっております。60年、61年度一般会計で約13億2,200万円程度でございます。さらにこのカット事業及び率を同じとして試算をいたしますと、60年度から63年度までの本市への影響額は約34億円程度となります。

 

 なお、この問題につきましては、機会あるごとに国に対しまして働きかけをいたしておりますので、議会の御協力を賜りたいと存じます。

 

 次に、自主財源の確保についてのお尋ねでございますが、自主財源の大半を市税に依存している本市にありましては、市税の増収は非常に重要な課題でございます。公平課税の原則にのっとりましてこの確保に努めますとともに、施策を通じまして市税の増収を図ってまいらなければなりません。

そのためには、やはり経済基盤の充実が必要でございまして、市民一人一人が豊かになることであります。したがいまして、活力ある都市づくりに向かって産業の振興等として商業の近代化、高度化事業を初め、企業誘致、工業団地造成等を現在進めておるところでございます。これがひいては雇用の拡大や人口の増加につながるものでございます。

 

 また、自主財源の拡大確保も図られるものでありまして、今後一層これらの施策を推進をしてまいりたいと考えております。

 

 次に、市債の見通しと公債比率にかかわる財政運営につきましてのお尋ねでございますが、市債の借り入れは、御承知のとおり国の地方債計画及び許可方針にのっとりまして、適債事業に配布するとともに、条件のよい市債の発行に心がけておるところでございますけれども、公債費の増高は、財政の硬直化を招く要因ともなりますので、今後長期的な財政計画のもとに、将来の財政負担を考慮しながら極力押さえるべく努力をいたしまして、財政運営に万全を期してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 

 

 本市の行革の具体的スケジュールについてのお尋ねでございますが、本市の自主的行革は、臨調以前より努力を続けてきたところでございます。少数精鋭によるところの流動体制、組織の確立、事務処理の近代化等、身軽にして低コストの行政に意を用いてきたところでございます。50年度後半における財政状況と臨調路線の推進等によりまして、行財政環境は、一層厳しさを増しております。

本市といたしましても、地方行革のうねりの中で、自主的行政改革の推進のため、市民による推進委員会を設置をいたしました。精力的に検討をしてきたところでございます。推進委員会からも5項目7事業につきまして、具体的の行革推進の方策が答申をされました。現在事務の民間委託処理、OA化等効率化計画を策定をしておる段階でございます。

61年度中には委託課題事業については、一定の方向を行うとともに、事務の電算処理によるオンラインデータシステム等につきましても、推進の方策を進めてまいる考えでございます。

 

 さらに職員定数、組織機構、財政運営につきましても、具体的にして実行可能な効率化計画を策定をいたしまして、一層推進をしてまいる所存でございます。

 

 次に、ごみ収集の委託について、特定地域の試行実施についてのお尋ねでございますが、これは議会の行財政対策調査の特別委員会の報告及び市の行政効率化推進委員会の提言を受けまして、経済性、市民サービス面、公共性などについてのメリット、デメリットをあわせまして、受託能力の問題について環境部事務事業の検討委員会におきまして鋭意検討いたしております。

他都市における実態も調査を行っておるところでございまして、本市においてもごみの種別に分け、特定地域を選定し、一部試行することも含めまして、昨日の村山議員の御質問にもお答えをいたしましたように、本年度中に具体的な方向付けを検討してまいりたいと、このように考えておるところでございます。御理解と御協力をお願い申し上げます。

 

 次に、情報公開制度の施行見通しと制度の活用についてのお尋ねでございますが、情報公開の制度化につきましては、市民総参加による情報公開懇話会において、慎重に審議を重ねまして、現在既存委員会で提言の原案作成を行っております。

今後の予定といたしましては、年内には最終的に提言がまとまる予定でありますので、これを受けながら制度化に向けまして、諸準備を進めてまいります。

 

 また制度の活用につきましては、御指摘にもありましたように、本制度と表裏一体であるところの情報提供の充実を図りまして、積極的に活用を図ってまいりたいと、このように考えております。

 

 次に、南部工業団地造成のメリットと今後のスケジュールについてのお尋ねでございますけれども、南部工業団地の造成は、高度の技術に立脚をしたところの優秀な企業を誘致することによりまして、地元既存産業との連携を促進をいたし、技術、情報の交流を図りまして、将来にわたる地域産業全体の活性化を図ることにあるわけでございます。具体的には市民の就業機会の拡大、人口の定着化、税の増収等、本市経済の振興に通ずるものと考えておるところでございます。

 

 なお、今後のスケジュールにつきましては、大津地区が62年度、63年度の2カ年、西下条、小曲地区が64年度に造成工事を完了させる予定で努力をしてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、その南部地域の開発についてのお尋ねでございますが、南部工業団地造成によります周辺整備につきましては、団地への幹線道路あるいは完成後におけるところの従業員の通勤のための道路等、整備を行っていく必要がございます。そこで、南部工業団地造成による関連事業の整備は、南部地域を一つの地域として整備する必要がございます。

市街化区域の拡大あるいは民間による宅地開発等を含めまして総合的な開発計画を策定をいたしまして、効率的な都市基盤の整備を検討してまいる所存でございます。

 

 次に、地場産業の振興策についてのお尋ねでございますけれども、本市の地場産業は、本市社会経済の発展を支える上で、大きな役割を果たしていただいておるところでございます。地場産業の振興につきましては、昨年総合振興の拠点といたしまして、地場産業振興センターが建設をされておりますけれども、今後も研磨・宝飾業界を初めとする家具、ニット等の伝統産業の業界の振興につきましては、積極的に進めてまいる考え方でおります。

 

 また、既存企業の団地化、共同化、協業化を進めますとともに、先端産業の立地のための施策も推進をいたしまして、市民の就業の機会の拡大と、本市経済の活性化のために、鋭意努力をしてまいる所存でございますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 次に、老人福祉対策についてのお尋ねでございますが、まず1番といたしまして在宅福祉施策の充実についてのお尋ねでございますが、高齢化社会の進展に伴いまして、老人ホームの入所者も次第に増加をいたしております。本市の措置費の負担も年々増加する傾向にあるわけでございます。

お説のとおり、今後の福祉は施設福祉から生まれ育った家庭を中心とするところの、在宅での福祉の転換が大きな課題となっております。本市は従来より在宅福祉につきましても、重点施策として取り組んでおりまして、家庭奉仕員の派遣、デイ・サービス事業、巡回入浴車を実施をいたしておりますけれども、さらにその充実を図るために、本議会にも御提案をいたしております在宅老人短期保護制度の拡充、及び痴呆性老人の介護手当の支給を実施いたしてまいりたいと存じておるところでございます。

今後におきましても、施設福祉との均衡を図る中で、さらに在宅福祉施策の充実に努めてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、2番目としての老人保健法の改正と老人医療費助成事業等の対応についてのお尋ねでございますが、老人保健法は、国民の老後におけるところの各種保険事業の充実と適切な医療の確保、さらには国民の費用負担の公平化を目的といたしまして、昭和58年2月に施行されております。今国会で一部負担の増額等の改正が予定をされております。本市におけるこれらの対応につきましては、58年の施行の時点での国への大変厳しい指導の状況等もございましたので、今後議会等とも十分に御協議をいたす中で対応を図ってまいります。

 

 なお、65歳からの医療費助成事業につきましては、一部市負担等の老人保健法等の関連もございますけれども、福祉は後退させないという基本に立ちまして、これを継続をしてまいりたいと考えております。

 

 また健康福祉手当につきましては、老人保健法施行当時に、多くの団体や市民等からの弱者救済の要望によりまして実施をいたした制度でございますので、現行制度を存続いたしてまいりたいと考えておるところでございます。

 

 次に緑が丘の運動公園についてのお尋ねでございますが、小瀬スポーツ公園の代替としての緑が丘運動公園につきましては、交換の位置及び施設並びに等価、等積案などを含めまして、県と折衝を進めてまいったところでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、国有地及び現有施設の扱いを含めまして、さらに協議を重ねてまいらなければならないと存じております。御理解を賜りたいと思います。

 

 他の質問につきましては、担当部の方からお答えを申し上げます。 

 

〇企画部長(中島省三君)

 児童扶養手当等の一部負担を都道府県に肩がわりをさせたことによりまして、地方交付税の市町村への交付額が減額されるんではないか、というふうな御質問でございますが、この点につきましては、国の地方財政計画の中でも肩がわりに対応すべき措置が講じられておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 以上です。

 

〇教育委員長(小林一彦君)

 教育委員会にかかわります御質問についてお答えいたします。

 

 学校給食のあり方につきましては、いろいろの論議がございますが、従来からお答えいたしておりますとおり、学校給食は学校教育の一環として実施している、ということを基本的に置きまして、その経営形態は、教育委員会がその安定性、安全性に責任が持てる状態を保ってまいりたいと考えております。

 

 また特定の時間帯に業務が集中する学校給食の特殊性を考慮しながら、その効率性、経済性が生かされるよう運営してまいりたいと存じ、目下時代に即応した具体的方途を研究している段階でございます。そのようにひとつ御理解いただきたいと思います。

 

 それから次に、スポーツ少年団に関する御質問でございますが、御案内のように本市の場合は社会体育の専用施設が少ないため、小・中高等学校の体育施設を一般開放により御利用していただいておる状態でございます。これら施設の運営にあたりましては、学校施設スポーツ開放利用運営委員会の自主運営に頼っているわけでございますが、スポーツ少年団の利用につきましても、十分配慮するよう指導してまいりたいと考えております。

 

 またスポーツ少年団は、常日ごろ指導者初め体育協会関係者のボランティア活動によりまして、育成に御努力をいただいておるわけでございます。心から感謝しているところでございます。

 

 しかし、御質問の中にもございましたように、団活動がスポーツ活動のみに比重が置かれて、学習や奉仕活動等を取り入れた本来のスポーツ少年団活動に欠ける面があると、そういう欠けている団が一部にあるというふうな御指摘も耳にしておるところでございます。健全なスポーツ少年団活動の推進の基盤は、何と申しましても指導者にあると考えますので、関係機関との連携を保ちながら指導者の研修会等を充実してまいりたいと、こんなふうに考えております。

 

 知育に偏重せず、心身ともに健康で活力ある青少年の育成のために、スポーツ少年団の果たす役割は、大変重要なものがあると認識しておるわけでございます。こういうときにあたりまして、甲府市スポーツ少年団が本部事業として全国に先騒けまして、スポーツ少年団活動の指針とも言うべき手引書の作成に努力しておるという点につきまして、深く敬意を表しまして答弁といたします。

 

     (千野 哮君「了解」と呼ぶ)

 

○議長(三井五郎君)

 関連質問はありませんか――暫時休憩いたします。

 

     午後2時49分 休憩

 ――――――――――――――――――

     午後3時20分 再開議

 

〇副議長(福島 勇君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。

 

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 

 次は政新会 森沢幸夫君。

 

 森沢幸夫君。

 

     (森沢幸夫君 登壇)

 

〇森沢幸夫君

 政新会を代表し、今議会上程議案及び市政一般についての質問をいたしますので、よろしくお願いをいたします。

 

 最近地域の商会合での終了後に、夏季国体における本県選手団の活躍ぶりや、10月12日秋季国体の開幕を控え、各自が携わる役割についてや、自治会を通して配布されたフラワーポットあるいは街路沿いに立てられた国体旗のことなどが話題になっております。ということは、多くの市民がメイン国体開始を間近にして、かなり関心が盛り上がってきていることを裏づけていると思います。

おのおののセクションで苦労されている大勢の関係者の努力が花を咲かせることができるよう念じてやまないものであります。

 

 ところで、本市ではポスト国体として全市民的な課題となる100周年記念事業を柱に、新しい時代に対応すべき総合計画の具体的な策定作業を進めていくことであろうし、市長も最近甲府のビジョンや甲府地域テクノポリス建設計画、新都市拠点整備事業、北部山岳観光ルート計画、甲府テレトピア等将来の政策課題について、積極的に発言をされております。

それはそれで政治家とすれば当然のことと思いますし、特に来春の選挙を控えての立場を明確にするためにも、市民に夢を与えるための材料としても自然なことだろうとは思い上ますが、市長としての責任はアピールしたそれぞれの構想を、いかに現実にして具体化していくかにあるだろうと思います。

100周年記念事業の中枢をなすと思われる庁舎建設にしても、莫大な資金が必要とされるわけで、よく下世話に言われる、何をするにしてもまず先立つものは金といわれるように、行政とすれば財政措置がまず問題になるだろうと思います。

 

 最近の本市の財政は、国の財政再建のあおりを受けて、福祉関係、高額補助金の一律カットに代表される多くの条件が、市の台所を直撃しております。財政調整基金を大幅に費やして、何とか収支のバランスを保っている状況を見ますと、財政状況は大変厳しいとしか判断できないのであります。

そこで、本市の財政の実態といいますか、構造等につせまして、長期展望も含めて質問をいたしたいと思います。

 

 きのう村山議員の質問、きょうの千野議員の質問と多少重複する個所もありますが、全く市民サイドに立っての質問ですので、そのような答弁を御期待申しております。なお、数字のデータは一般財源がベースですので、そのように御理解をいただき、御答弁をお願いいたします。

 

 最初に61年度予算の中で、一般財源に占める市税の割合は90%を超えております。前年度対比で9.7%、今議会での補正後は前年対比で11%余りの上昇になると思います。ところで国では、ことしの経済実質成長率4%を下方修正しなければならない、という悲観的な動きもある現状です。こうした中で、果たして市税に影響はないのでしょうか。予算の確保はできるのか見通しについてお聞かせいただきたいと思います。

また、将来の財政計画の上から、これからの市税の伸び率はどの程度を考えているのかお答えをいただきたいと思います。

 

 次に地方交付税について伺いますが、本市の財政状況は、数字の上から見た限りでは年々よくなっているはずであります。財政力指数で60年度当初0.951%、61年度で0.971%と上昇しております。この指数が3年平均して一応続けますと、交付税不交付団体になると聞いております。

このままの推移でいきますと、近い将来本市も不交付団体の仲間入りをすると予測されるわけですが、財政担当者は、いつも財政状況は厳しいと説明をしております。補助金のカットや国体のような不時の莫大な出費もあり、確かに勘定あって銭足らずの状態はわかりますが、一般的には不交付団体の財政は楽ではないかと受け取られるわけであります。

0.971%という財政力指数を持ちながら、なお財政は苦しいという事情というか、絡みについて財政の専門家でない私たちにもわかるように説明をお願いいたします。

 

 また、このまま推移した場合、数年後に不交付団体になるようですが、その対応策等検討されているでしょうかされているとすれば、その内容を明らかにしていただきたいと思います。

 

 次に、市債の発行と公債費比率については、きのう村山議員も質問したし、一定の答弁がありましたので省きますが、その中でただ公債費比率が58年度9.8%でしかなかったものが、61年度予算では14.1%と上昇をしております。4ヵ年で4.3%も上昇をしておりますことは、今後よほど税収の伸びが見込まれない限り、市長の答弁の中にもありましたように、20%になると厳しい状況になるといった条件が、急速に近づく危険性が含まれていると思います。

63年から始まる総合計画も、この面からかなりの制約を受けるのではないかと推測されますので、これからの公債費比率がどのように推移していくのか、見通しについての説明だけお願いをいたします。

 

 次に、歳出関係に移ります。財政構造の弾力性を示す指標に、経常収支比率という指標があるようです。人件費とか扶助費、交際費など経常的に支出される経費が一般財源に占める割合を示す指標だと思いますが、本市は、58年度63.7%、60年度70.7%で3ヵ年で7%も上昇をしております。その主な要因は何でしょうか、御説明をお願いいたします。

 

 また、経常費の中で、大きなウエートを占める人件費について伺いますが、現在地方行革の目玉の一つとして給与退職手当などが、国庫基準を前提に強い行政指導が行われており、給与退職手当等が突出した市や町が、新聞の社会面をにぎわしたこともありましたが、最近では、定数管理基準要綱なるものが示されて、定数の削減に努力するよう迫られていることも聞いております。

幸い本市の人件費は、ここ数年不拡大方針などもあり、従来の30%を割り、29.8%となっておりますことは評価しておりますが、国体が終了しますと、それに携わった人たちと、これから徐々にふえていくであろう民間委託も絡めて、これからの定数計画及び人件費の構成比率を、どの程度にしていくのか、方針がありましたらお聞かせいただきたいと思います。

 

 次に、これからのまちづくり計画を初め、重要な施策を遂行していく上で、最も重要な投資的事業費についてお伺いいたします。投資的事業費の一般財源に占める割合は、昭和58年度18.2%、61年度当初では財政調整基金9億8,000万円を取り崩し投入しても、13%と大幅にダウンをしております。その要因は、一体何なのか。また今後の投資的事業費の見通しについても、あわせて御説明をお願いいたします。

 

 次に、繰出金についてお伺いいたします。

 

 61年度の繰出金は、当初47億6,000万円、そのうち31億円余りは下水道事業へ出ております。実に繰出金の70%に当たるわけで、昭和29年にこの事業が動き始めてはや30年、住民ニーズは非常に高く、未設置地域の住民は1日も早い設置をと願っております状況の中で、繰出金の70%が下水道事業に占められていることに反対をするものではありませんが、本年度の特別会計への繰出金は、一般会計の普通建設事業費を上回る減少が出てきております。

今後も諸般の状況から見て下水道会計への繰出金は、本年度と同様10%ぐらいづつ増加するのではないかと推測をされますが、普通建設費とのバランスが、ますます崩れる可能性もあり、財政構造の上から見て妥当とは思えませんので、当局の見解を伺っておきたいと思います。

 

 この項のまとめといたしまして、63年度以降の総合計画の財政計画を策定するに当たり、どのような点を留意して作業を進めていくのか、基本的な考え方をお話いただきたいと思います。

 

 次に、本市に商工関係専門職、技術職を設置できないものかと思いますので伺いますが、参考までに具体的数字を申し上げますと、昭和60年調査で、本市の農家戸数3,207戸、就業人口5,178人、生産額51億8,000万円。商業関係の卸、小売を含めて4,914店舗、就業者2万5,000人.販売額は8,344億円です。

工業については、事業所数が775、就業者1万4,500人、生産額2,103億9,000万円となっております。商業の販売額は流通経路によってダブル場合も考えられますので、比較することは難しいと思いますので省きますが、工業出荷額は農業生産額の実に40倍以上、就業者数は3倍となっております。商工あわせての就業者数で見ますと、農業の8倍ぐらいの人たちが商工業に携わっている勘定です。

 

 もちろん生産物の性質と価格の違いがありますので、生産額、出荷額あるいは販売額の比較は難しいと思いますが、少なくとも就業人口の8倍の数字については、単純な比較ができると思います。

 

 ところが現在の経済部内で農業関係に携わる職員は51名、商工に関係している職員は10名という編成になっております。農業立国から急激に工業立国へと変わっている現在にあって、旧態依然の行政組織がいまだ続いているとしか思えないのであります。

もちろん農業には広大な土地が使われ、それに付随する多くの仕事がありますので、農業関係職員数を云々するつもりはありませんが、本市商店、工場の70%は従業員10人以下の小規模事業所で、経営者が先頭に立って作業をしており、そのため現在の経営に欠くことのできない情報収集や、販路の開拓、設備の充実、技術の開発などが手薄になっていき、進展する社会情勢に対応し切れず、社会の枠組みからはずれていってしまうケースも珍しくはありません。

 

 本市の発展は、商工業の活性化に起因すると市長もおっしゃっておられますので、この際商工業者のために市は専門職、技術職を置き、巡回指導を行うような部門を設置して、本市商工業の活性化の一助にしたらと考えるものですが、市長の見解をお願いいたします。 

 

 次に、防災関係について伺います。

 

 9月1日、防災の日。全国では640万人の人が参加して訓練が行われたと新聞は報じております。県内でも参加総数は40万人と発表されました。県民の約半数が参加したとすれば、甲府市民の防災に対する意識は、その参加数から見てかなり低いのではないかと思われます。が、その後各地域で独自に小単位の防災訓練が行われているそうですのでそれは置きまして、いずれ起こると予測される東海沖大地震に備えて、昭和56年より60年まで総額1億7,000万円余をかけて、自主防災組織に備えた資機材や429カ所に設置した消化栓器具、及び格納箱の管理状況はどうなっているかが心配されるわけです。

 

 このごろは、東海沖地震説も市民の脳裏から大分薄らいできた感じもありますし、各地の自主防災組織にしても、発足当初の役員からかなり人がわりがしたと思いますので、地域の倉庫でどんな形で保管されているのかを、当局でも年1回ぐらい査察をしておき、忘れたころにやってくる災害に役立つ資機材であるよう、指導をする必要があると思いますが、見解をお願いいたします。

 

 以上で私の質問を終わりますが、会派の内藤議員より関連質問がありますので、お願いをいたします。

 

 御清聴ありがとうございました。

 

〇副議長(福島 勇君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 森沢議員の御質問にお答えいたします。

 

 まず今後の職員定数計画と人件費の構成比率の見通しについてのお尋ねでございますが、本市の職員定数管理につきましては、すでに御承知のとおり昭和41年度より職員の流動体制組織の確立をいたしまして、極力定数増を抑制をしてまいりました。また57年度以降は、厳しい行財政環境の中で、定数不拡大を原則といたしまして、組織のスクラップ・アンド・ビルド不要不急の事務の再配分等によりまして、事務量の増加及び新規発生事務に対応をしてまいりました。

 

 その結果、本市の職員数は類似団体並みであり、また国の指導基準についても8人下回っておる状況でございます。人件費につきましても、昭和45年度に歳出総額に占める割合が32.3%であったものが、60年度決算数値では22%となっておりました。これも類似団体から見ましても、極めて良好な状態を維持しているといえます。

今後とも厳しい行財政環境が続くことが予想される中で、事務処理のOA化や事務委託化によりまして、余剰勢力を活用いたしまして、総体的には定数不拡大を原則とする抑制基調で対処をしていく考えでございます。

 

 なお、第3次総合計画が63年度を初年度に策定されますので、この事業との整合を図る中で、長期的な定数計画を策定する予定でございます。

 

 次に、投資的事業費の一般財源比率についてのお尋ねでございますが、大型事業であります国体開催に伴います県への負担金、これが61年度は大幅に少なくなってきておりますことと、それに加えまして新設校の建設費が減額になったことなどの理由によりまして、比率がダウンをいたしております。

 

 なお、今後の投資的事業費の見通しでありますけれども、行政水準の低下がないように、十分配慮をいたしてまいりたいと考えております。現在、第3次総合計画の策定を進めておりますので、この中で市議会にもお諮りをいたしたいと考えております。

 

 次に、繰出金についてのお尋ねでございますが、特別会計の繰出金につきましては、法等に定められております基準に基づきまして、対応いたしておるところでございますけれども、特に下水道事業会計への繰出金が、その大部分を占めておりますことは、御指摘のとおりであります。

しかし、快適な生活環境確保のための事業を推進する主要な財源といたしまして、市債の発行をもって充てております。この償還金充当のための繰出金が主になっておりますので、事業量の減をしない限り減額ができないわけでございます。

しかし、1日も早い設置を望んでおります市民要望にこたえるためには、現状やむを得ない措置でございますけれども、一般会計における普通建設費の一般財源の投入額のバランスについては、おのおのローリングされた事業計画に基づきまして、慎重に対応をしてまいる考え方でございます。

 

 次に財政計画の策定についてのお尋ねでございますが、御承知のように総合的、体系的な長期計画を実現するためには、その裏づけとなる財政計画が重要であることは言うまでもございません。したがいまして、重要な財源となる市税の伸長、起債、交付税などいろいろの要件もございますけれども、本市の財政構造や財政運営をよく分析をいたしまして、その特色と問題点を把握するとともに、現行の諸制度や経済見通しなどを、でき得る限り的確に使いまして、市民生活の安定と向上を図るため、新しい総合計画の実現でき得る財政計画の策定に努めてまいりたいと考えております。

 

 商工課に商工業者巡回指導をする専門職員を配置する考え方はないか、というお尋ねでございますが、本市の商工業が大変厳しい環境に置かれていることは御指摘のとおりでございます。現在商工業とも振興指針を策定をいたしまして、諸般の事業を行っているところでございますけれども、御提言の専門職員につきましては、それぞれ事業ごとに民間の商業診断士及び経営コンサルタント等を委託をいたして、診断と指導を行っている状況でございます。

直接市職員として採用をしたらどうかとの御提言につきましては、現下の状況では採用が困難な職種でございますし、また、管理上難しい問題もありますが、職員の専門職として、また嘱託による方法等も含めまして今後検討してまいりたい、このように考えております。御理解を賜りたいと思います。

 

 自主防災組織の資機材の管理につきましてのお尋ねでございますが、防災資機材の整備につきましては、自主防災組織の基盤づくりと、その活動を促進するために、補助制度を設けまして、整備を促進しているところでございます。

本市が直接整備をしたものにつきましては、毎年定期点検等を行っておりますが、自主防災組織の資機材につきましては、その性格上各自主防がそれぞれ管理をしておりまして、市といたしましては自治会連合会及び自主防災組織の訓練等を通じて指導を行っております。

しかし御指摘のような心配もございますので、今後なお一層自治会連合会とも密接な連携を図りながら、各自主防災組織に対する訓練についての指導とあわせまして、資機材管理の徹底が図られるように指導に力を入れまして、万全を期してまいりたいと思います。

 

 他の御質問につきましては担当の部長からお答えいたします。

 

〇企画部長(中島省三君)

 財政問題3点にわたっての御質問にお答え申し上げます。

 

 まず第1点は、財政力指数と財政力との関係についての御質問でございますが、御承知のように財政力指数は、本市が標準的に収入し得る税等の一般財源と、合理的、標準的水準で行った場合に要する需要額との関係を示す数値でございます。

この数値がここ数年、基準財政需要額の中の、単位費用の大幅な見直しがされない関係等から、税等の一般財源の収入額を上回る傾向にあり、財政力指数が上昇しているわけであります。

 

 しかしながら60年度以降の補助金のカットの振り替えとなった特例債にいたしましても、その財源補てんは、地方財政計画上66年度以降に見送られ、その期間、当面一般財源で措置を余儀なくされているというふうな点もございます。そのほか、大型事業への対応等が財政環境を厳しくしておるという要因になっております。

 

 なお、今後交付税の大幅な算定基準の変更がないとするならば、近い将来交付税の不交付税団体となることが予想されますが、今後とも自主財源の確保を図ると同時に、行政経費の節減等創意工夫を起こす中で、行政水準の低下をさせないよう努力してまいりますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 第2点は、公債比率の今後の見通しについての御質問でございますが、御承知のように公債比率は市債の発行額と、それに伴う償還金との、それから税等の一般財源との動向によりまして決められますが、今後の見通しにつきましては、明確な数値は申し上げられませんが、補助金カットの振り替え、第3次総合計画の中での大型事業の推進等を考えますと、厳しい状況が予想されます。

したがいまして、施策の選択や経営努力をいたしながら、適正な公債比率に押さえて運用してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 

 第3点は、経常収支比率が高くなった要因は何かとの御質問でございますが、御承知のとおり国の財政再建に伴う財政負担を、地方自治体に転嫁を60年度より実施されておりますことにより、扶助費にかかる一般財源の増加にあわせまして、大型事業執行に伴う公債費の増等が大きな要因となっておりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 

 以上でございます。

 

〇市民部長(石井司郎君)

 経済の低成長の中で、本市の税財政の影響と税収確保の見通し、さらに将来の財政計画上、市税の伸びをどのようにとらえているか、こういう御質問に対しましてお答えを申し上げます。

 

 本年度市税の予算につきましては、お説のとおり前年対比11%の伸長になっておりますが、本年度前半における収入実蹟と、これまで歴年の経過から、後半を類推し、これら勘案する中で、現在収納率も安定しておりますので、予算額の確保につきましては、達成できるものと確信をいたしているところでございます。

 

 しかし、全国的な傾向といたしまして、低成長特に円高不況の影響につきましては、深刻な実態としてとらえております。実質的には本年度よりむしろ来年度以降に影響があらわれるものと、厳しく受けとめております。

来年度以降市税の伸長につきましては、国から示されます地方財政計画を中心とし、給与の実態調査、軽減実績、人口の推移、減税の影響等を検討する中で決定いたしますが、現時点ではお答え申し上げることができませんので、御理解をいただきたいと思います。

 

〇副議長(福島 勇君)

 森沢幸夫君。

 

〇森沢幸夫君

 1点だけ確認をさせていただきます。

 

 と申しますのは、公債費比率のきのうも村山議員から出ておりましたが、いわゆる上限限度額はどのくらいだ、というふうな質問に対しまして、市長の方から20%枠を超えると大変なことになると、市債も思うようにいかないよ、というふうな趣旨の発言があったわけなんですが、できるだけ低率で押さえていくということでありますれば、20%枠は超えないというふうなことが言えるかどうか。63年度よりかなり大型の総合計画を策定していると思いますが、それらを含めた中で20%枠以内で押さえていくのかどうか、その辺の確認をして質問を終わりたいと思います。

 

〇副議長(福島 勇君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 20%を超えるということは大変なことでございますので、それは超えてはならない、このように考えております。したがって、できるだけのこれを低率に押さえる努力をしてまいる所存でございます。

 

〇副議長(福島 勇君)

 関連質問はありませんか――内藤幸男君。

 

〇内藤幸男君

 昨日政和会の村山議員の質問がございましたが、その中で昭和58年の4月の22日の市長選の立会演説会の発言を取り上げて質した問題がございました。私はこのこと自体は到底問題にするつもりでございませんが、この答弁の中で市長は、簡単に言うと「前市長は、職員の前で人事は選挙の協力によって行うものだと」こういう発言をしていると、こういうことを言っております。許しくはここに議事録がございますから、このとおりであります。

 

 そこで私は本会議場以外のところで市長及び議員、その他の方々が良識の範囲で自分の考え方、裁量の範囲で物を言うことは一向差し支えないことだろうと理解をしておりますが、本会議場で発言をする場合は、公式の場所であり、永年保存の質問書あるいは答弁書が残るはずであります。

したがって、こういう場所において発言をする問題については、固有名詞及び事実関係についての物的証拠がないものについては発言ができないと、こう理解をしております。

私は、長い間政治生活をしておりました市長は、十二分にそのことを理解をしているはずでありますから、その上に立ってこういう発言をされたとすれば、これについての証拠があるはずであります。この証拠とは言った言わぬではなくて、少なくとも文書あるいは録音こういうような一般的にわかるような証拠というものがあってこそ、本会議で発言をしたんだろうと、こういうふうに理解をしておりますので、その文書かあるいはそれに類似するものを御提示をしていただきたい、こういうふうにまず質問をいたします。

 

〇副議長(福島 勇君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 お答えいたします。

 

 その物的証拠を提示をしてくれと、これはできません。またそれをする必要はなかろうと思います。と申しますのは、その選挙当時のいわゆる4月19日の立会演説において、このようなことがあるかどうかと、こういうようなお尋ねでございますので、当時私がその選挙中に「職員から訴えが起きた問題、こういうようなことにつきまして、率直にこういうことで私は申しました。この発言をいたしました。」こういうようにお答えをしたところでございます。

なおそれらの問題につきましては、果たしてそれが根も葉もない、こういう形のものであってはいけないということで、私は私なりにその職場なり、それぞれの聞いた人等につきまして確認をいたしてございます。

 

〇副議長(福島 勇君)

 内藤幸男君。

 

〇内藤幸男君

 私は少なくとも原市長が立会演説会でこういったとか、あるいは別のところでこういったという問題については、最初からお断りをして、全く問題にするものではありませんと。ただし本会議場で説明をする場合には、それなりの物的証拠あるいは固有名詞というものを使う場合は、それなりのものがあってしかるべきではないだろうか。

もしそれがこういうところでそういうものが提出されないものであるならば、少なくとも表現とすれば、もっと別の表現があっただろうと私はそう思うわけです。固有名詞を出して、事実行為をきちんと言うならば、私はそれなりのものを出さなきゃいけない。

したがって、私はもしここでそれをお示しをいただけないとすれば、表現が不的確であったと、こういうことでこの項を取り消しをしていただかないと、今後この項が文書として残ります。ですから、私はできるならばぜひ市長さんからそういう悪意とか、故意とかということでなくて、後へ残る文書であるから、もし表現の方法を御訂正をいただけるならば幸いだと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

 

〇副議長(福島 勇君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

〇市長(原 忠三君)

 ただいまの御指摘でございますけれども、私は村山議員からのお尋ねに、新聞掲載の記事の中からこのことについてはいかがかというお尋ねでございましたので、そのとおり率直に申し上げたわけでございます。しかし、表現上問題があると思うから別の表現にと、こういうようなことでございまして、私は一向にそのことがそのような職場で、あるいはその職員から訴えられた、そういう事実というものを、これについてはそのように受けとめておりますし、また今日もなお確認をした事項でございますので、率直に申し上げたわけでございますけれども、表現が適切でないとかなんとか、差し障りがあるということならば、この表現は先ほど申し上げました前提をおきまして、変えても一向に差し支えはございません。

ただ、お尋ねをされました村山議員さんに的確にお答えをする意味で申し上げたわけでございますので、村山議員等の御了解が得られるとするならば、私は一向に差し支えないと思っています。

 

〇副議長(福島 勇君)

 内藤幸男君。

 

〇内藤幸男君

 市長さんもここでそういう物的証拠を出して論議をしあうものではないと、こういうことで事実は事実だとこうおっしゃってはおりますが、今こうやって表現の方法については変えてもやぶさかでないと、こういう御発言をいただきましたので、その点は了解をいたしますが、議長のもとに議長の権限としてこの辺を正しく判断をされまして結論をつけていただきたいことを要望して終わります。

 

〇副議長(福島 勇君)

 そのように取り計らいをいたします。

 

 お諮りいたします。

 

 本日の会議はこの程度にとどめ延会したいと思います。これに御異議ありませんか。

 

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

〇副議長(福島 勇君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 

 本日はこれをもって延会いたします。

 

       午後4時03分 延会