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甲府の食

甲府鳥もつ煮

とりの砂肝(すなぎも)、ハツ、レバー、きんかん(産まれる前の卵)などを甘辛く濃厚(のうこう)なしょう油ダレで照り煮した甲府独自の料理です。

昭和25年ごろ、市内のそば店で考えられたといわれ、現在では、そば店をはじめ、市内各地の飲食店で味わうことができます。そばの付け合わせ、お酒のおつまみ、また、ごはんにのせて「鳥もつ丼」など楽しみ方はいろいろです。

ほうとう

甲州の代表的な郷土料理で、小麦粉のうどん状のめんと季節の野菜のみそ煮込みです。

ほうとうは、平安時代の貴族の日記などにもたびたび登場し、古代は身分の高い人たちが特別な日に食べていたようです。戦国時代は、武士や僧侶などの一部の人たちが食べるようになり、武田信玄の「陣中食」ともいわれています。
江戸時代には、日常食として広くいきわたり、他国から甲斐の地を訪れた旅人にとって、ほうとうは甲斐の名物として意識されていたようです。現在のように、郷土料理や観光食として強く意識されるようになったのは、最近になってからのことです。

あわびの煮貝

甲州名物あわびの煮貝は、あわびをしょう油で煮たものです。

江戸時代、伊豆沖でとれた新鮮なあわびを甲州に送るため、しょう油で加工し、たる詰にして運んだのが初めといわれています。道中、馬の背に揺られ日を重ねるうちに、あわび本来の味にしょう油と木のたるから出る香りがなじみ、ちょうど甲府に着くころが最高の食べごろになったそうです。甲府勤番の武士や文人が「江戸にない味覚」とほめたたえ、甲府土産として江戸へもたらしたことから甲州名物となったと言われています。

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