ホーム > 女性活躍 > 各分野で活躍している女性の紹介 > NPO法人bond place 理事 加藤香さん
更新日:2024年4月25日
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人とのつながりや対話を通して 一人ひとりが輝ける社会に
「一人ひとりが輝ける社会にしていきたいです」と気取らない言葉でまっすぐに想いを語る加藤香さんは、強い意志と行動力を持つバイタリティあふれる人。女性や若者の起業のきっかけづくりや子どもの貧困対策をしていきたいと、2011年から無償のコワーキングスペースを運営しています。
2015年には同じ思いを持つ仲間とともに、企業支援や人材育成、組織開発などに取り組むNPO法人「bond place」を設立。人と人をつなげ、対話の場をつくり、社会問題の解決などに向けて活動しています。
私が本格的に活動を始めたのは、東日本大震災の後でした。それまで子どもの貧困やホームレスの支援などはたびたび行っていましたが、震災を機に自分がやりたいことを本格的にやっていこうと思ったんです。
(写真右:息子さんは今、加藤様と同じNPOで活動中。その息子さんと東京に出かけているときに震災にあわれたとのこと。)
まず考えたのが子どものこと。どの子も社会に出ていく時のスタートラインは揃えてあげたいと思い、子どもの居場所づくりや学習支援に取り組むことにしました。
またその頃山梨では、女性の起業支援があまりなく、学歴があっても就職できなかったり、ブラック企業で苦しんでいる若者も多くいたり、女性や若者の「働く」きっかけや時間、場をつくりたいと思い、コワーキングスペースをオープンしました。
コワーキングスペースは立寄る場とするだけでなく、セミナーやワークショップの開催など、さまざまな人が自由に利用することで、人と人がつながり、そこから起業などのチャンスが生まれる場になっています。
そんな活動に取り組む中で、貧困や格差の広がり、地方の衰退など社会課題を解決していきたいという同じ思いを持った仲間と出会いました。その仲間と一緒に起ち上げたのが、NPO法人「bond place」です。(写真:取材には仲間を連れてきてくださいました)
bondは接着剤の意味で、「bond place」は人と人をつなぎ、対話の場となるところ。立場も価値観も違うメンバーが対話をしながら意見を出し合い、女性の起業支援や子どもの貧困問題対策、セミナーやイベントの開催など、さまざまな活動をしています。
行政や企業だけでは難しい取り組みをコーディネーター的に行う「bond place」の活動は、県や市町村など行政からの事業委託を受けることも多く、最近は女性の活躍を支援するニーズも高まっています。
女性活躍の支援活動に取り組む中で感じるのは、起業についての支援や制度は増えているけれど、起ち上げた事業の継続支援は少なく、行き詰まる人が多いということです。
女性は起業すると、必ず一度壁にぶつかります。家族の反対があったり、子どもとの時間が減ることを悩んだり、葛藤が出てくるんです。そこで私たちはマンツーマンの支援でその人とじっくりと対話し、なぜ起業したのか、問題の根本はどこにあるのかを気付かせ、解決することを大事にしています。
自分で事業を始めれば、確かに子どもとの時間は減りますが、物事には正の面も負の面もあります。そこに気づき、プラスに考えることでいろんな相乗効果が生まれてくるんです。
何かをやりたいと思った時にどれだけ行動に移せるか、それが大事だと思います。行動することでさらにやりたいことが見つかり、仲間もできます。
私もはじめは一人でしたが、動き出したことで活動が広がり、今では「bond place」の仲間がいます。さまざまな価値観を持っている仲間が集まっているからこそ、多様な意見が飛び交い、大きなプロジェクトやこれまでにない活動にも取り組むことができています。
今は女性の働き方もさまざまな選択肢があります。だからあきらめないで欲しいです。子どもに一番近いのはやっぱりお母さんで、子どもはお母さんを見て育ちます。一歩を踏み出してください。そしてペースは遅くてもいいので、その足を止めないでください。
女性のあきらめを何とかできるように、一人ひとりが輝けるように、これからも力強く支援していきたいと思います。
公式サイト https://www.bondplace.org/(別サイトへリンク)
Facebook https://www.facebook.com/npo.bondplace/(別サイトへリンク)