更新日:2013年1月21日

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一蓮寺過去帳

芥川龍之介の晩年作に「僕の母は狂人だった」で始まる「点鬼簿」という小説があります。
点鬼簿とは、供養のため死者の法名(法号・戒名)や死亡年月日などを記した帳簿のことですが、一般的には「過去帳」といい、霊名簿、霊簿などともいわれます。

過去帳は、江戸時代以降に作成されたものが多く、それ以前のものは数が少なく、極めて稀(まれ)です。
一蓮寺に残る過去帳は、鎌倉時代から江戸時代まで書き継がれてきた稀(け)有な記録といえます。

一蓮寺過去帳1
画像:約600年間にわたって記録されている一蓮寺過去帳

一蓮寺は、正和元(1312)年に創建され、当時は一条小山(現在の甲府城跡の地)にありましたが、甲府城築造に伴い、現在地(太田町)に移転されました。
現在、「僧帳」「尼帳」「新帳」と呼ばれる3冊の過去帳が残され、武田家歴代当主や一族・家臣をはじめ、塩買、鍛冶
などの商職人、さらには芸能者や他宗派の人びとなども記載されています。
過去帳の記述はいたって簡単で、いつ(年月日)・どこの(居住地)・誰が(俗名)死亡し、何という法名を付けたか記載されている程度です。
なかには、合戦名とともに「打死」の記載がある人物も記録され、甲斐国内における戦国動乱期の世情を今に伝えています。歴代住職により連綿と書き継がれてきたとても貴重な史料です。

一蓮寺過去帳2
画像:一蓮寺過去帳の記述。中世の甲斐の歴史解明につながる手がかりを豊富に含んでいます。

  • 区分…県指定文化財(書跡)
  • 指定年月日…昭和58年12月26日
  • 場所…太田町5-16

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