更新日:2011年10月1日

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千代の吹上げ

(□碑伝説集より)

昇仙峡の奥に金峰山がある。この金峰山には、お砂払いという所があり、その東方に高さ二百メートルのびょうぶを立てたような絶壁がありました。これを村人達は、千代の吹上げと呼んでいます。

昔、北巨摩郡穂足村、いまの須玉町大豆生田に大工の夫婦が住んでいました。女房の名前は千代といい、夫婦ともども信仰が厚く、杜寺霊場参りが唯一の楽しみでありました。

あるとき、夫婦で金峰山の金桜神杜にもうでようとしていたところ、村人は、
「ここは古くから女人禁制の霊山、立入らぬほうが良い。」
と千代を止めた。しかし千代は、村人の注意を聞かず夫と一緒に山に登ってしまった。その途中の断崖で千代は足を踏みはずしてしまい谷底に落ちてしまった。

夫は、神の怒りだと思い、急いで山頂に登り、七日間神杜にたてこもり、絶食をして千代の罪が許されるように祈願した。

七日目、神に願いが通じたのか、一天にわかに曇り、物のあやめもわからず、時に南の谷間から一陣の突風が吹きあれて、すでに惨死したと思った妻の千代がこの風に吹き上げられ、身に傷ひとつなく、いつものように元気な姿で夫の前に現われた。

夫婦は、再会を驚き、喜びあって神に深く感謝した。

それ以来、この断崖を千代の吹上げというようになりました。

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