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更新日:2013年2月16日

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獲得したメダルは400個以上!89歳の現役陸上アスリート 田中重冶さん

マスターズ陸上殿堂入り!数々の世界記録・日本記録を樹立!

マスターズ陸上で、数々の世界記録・日本記録を樹立してきた田中重冶さん(89歳)。
2011年3月に創設された「マスターズ陸上殿堂」では、全国の受賞者5名の中の1人に選ばれ、見事殿堂入りとなりました。
これまで世界マスターズ大会とアジアマスターズ大会に10回連続で出場し(年1回交互に開催)、全日本マスターズ大会と山梨マスターズ大会にも31回連続で出場してきました。その他にも、近県で開催される陸上競技大会に毎年10回ほど参加しています。
40歳から出場し始めたマスターズ陸上で獲得したメダルは400個以上。そのうち金メダルは世界大会で10個、アジア大会で34個、全日本大会で52個にもなります。
また、約50年間の競技人生で、7個の世界新記録、25個の日本新記録を樹立しました。

 

多くの種目をこなす万能選手

マスターズ陸上は5歳毎の年齢別クラスで競います。
田中さんは現在85~89歳クラスで、毎回、走高跳び・走巾跳び・三段跳び・100m走・80mハードル・棒高跳び・十種競技など多くの種目に出場します。55歳のときから現在に至るまで、多くの種目の世界新記録・日本新記録を更新してきました。
85歳のときに出場した2008年大会では、十種競技で世界新、棒高跳び・80mハードル・棒高跳びの3種目で日本新記録を更新するなど、クラスが上がってすぐ、年齢の若いときが記録を狙いやすいそうです。

田中さんの好きな種目は、技術力の高さで勝負が決まり、練習した分だけ上達できる「棒高跳び」と「ハードル」。
「これらの種目は、設備など練習できる環境が整っている人はあまり多くいないため、世界大会や全日本大会でもわりと良い成績を納められます。」と話します。


第29回全日本マスターズ陸上競技 宮崎大会(平成20年)

病を克服して陸上と歩み続けた50年

子どものころから走ることが得意で、学生時代は体育教師を目指し、東京高等体育専門学校に通って陸上をしていたそうです。しかし、胸の病を患い、教師への道を断念して地元の会社に就職。体調を見ながら実業団で陸上を続けていました。その後、医療の進歩により病が回復して38歳のとき本格的に練習を再開し、89歳となった現在まで陸上を続けています。


高校時代の田中さん

日々の練習と、年齢に合わせた自己管理

練習は学生と一緒に山梨大学グラウンドで

練習は山梨大学のグラウンドを借り、週2回、2時間半から3時間行っています。
「38歳のときに山梨大学グラウンドの近くに引っ越してから、ずっと使わせていただいています。今も山梨大学陸上競技部の皆さんにご協力いただいて、仲間に入れてもらいながら練習しています。」
“なるべく記録を落とさずに長期間陸上競技を続けたい”という想いから、グラウンドに行かないときも筋トレに励むなど、日々何かしら体を動かすよう努力しているそうです。

“体調を崩さない、無理をしない”を心がけて

食事は、何でもバランス良く食べるようにしていること以外、特別気をつけていることはないそうです。また、体に不調を感じることもありません。
「風邪を引いたりお腹を壊したりということは、気をつけていれば予防できます。体調を崩したことは、ここ何十年もありません。病気になれば陸上ができなくなりますから、絶対に体調を崩さないようにしています。具合が悪くなれば練習できなくなり、練習できなければ体力が衰えてしまい、元に戻すのは大変です。ですから、いつでもグラウンドに行ける身体の状態にしておきたいといつも思っています。」

練習中も、疲れたと少しでも感じたら、無理をせずそこで中止するといいます。
「技術・能力の向上はもちろんですが、疲労を蓄積させないことが大切です。無理をせず、休憩をとりながら体調に合わせて行います。」と、常に自分の体と相談しながら練習量を調整します。
「無理をして続けると、怪我や病気の元になったり、いろいろな事故に繋がったりします。若い時と違うのは、疲れたなと感じたらすぐやめて、疲れが取れたら練習を再開することです。」と年齢に合わせた自己管理もしっかり行っています。

「だんだん低下していく体力や能力を、いかに最小に留めるかということが、マスターズ陸上で良い成績をとるための秘訣です。そのためには“無理せずに続けること”が一番大事だと思い、心がけています。」

新たな目標を目指して

高齢であるため、急に体力がガクンと衰えることも考えられますが、なるべく長い間陸上に挑戦し続けたいと、気持ちはいつも前向きです。
「大会では、自分が出場する種目の日本記録や世界記録の数字がいつも頭に入っています。それが目標です。今年はいよいよ90歳になります。早く90歳になって、良い記録を作りたい」と笑顔で話します。
「93~4歳になれば、早く95歳になりたいと思うのでしょうね。」とその表情はいきいきとしています。

現在は、今年行われる世界大会に向けて日々練習に励んでいます。
また、競技生活を続けながら、日本マスターズ陸上競技連合の参与、山梨マスターズ陸上競技連盟の会長を勤め、一日の生活の半分以上、陸上のことに関わっているそうです。
今年4月に90歳となる田中さん。とても優しく朗らかな笑顔で陸上について語ってくれました。
さらなる世界記録の更新を目指して、これからも挑戦は続きます。

 

プロフィール

大正12年生まれ。昭和21年、現在の筑波大学である東京高等体育専門学校を卒業したが、胸の病のため体育の道を断念し、会社員となる。病が治癒したため、仕事のかたわら38歳より陸上競技を本格的に再開し、現在に至る。
世界大会をはじめ、アジア・全日本・山梨マスターズ陸上競技選手権大会などに出場し続け、これまでに獲得したメダルは400個以上(金メダル:世界大会10個、アジア大会34個、全日本大会52個)。マスターズ陸上の世界新記録8、日本新記録25を樹立。2011年3月「マスターズ陸上殿堂」が創設され、「競技者表彰」として殿堂入りを果たした。

大会の記録が綴られた「同行記」

田中さんの活躍を影で支えていらっしゃるのが、奥様のきく江さん。ご主人が出場する大会は、毎回一緒に行って応援をしたり、生活の世話をしたりしています。競技中は、いつも怪我がないことを祈りながら見守っていると言います。
きく江さんは、ご主人が参加した大会の記録を「同行記」としてまとめ、応援してくださった方に少しでも御恩返しになればと配られているそうです。
ご主人の素晴らしい記録が綴られた「同行記」。田中さんの活躍とともに、これからも増え続けていくことでしょう。


冊子の編集・製本はご主人がされているそうです。

お問い合わせ

市長室情報発信課広報係

〒400-8585 甲府市丸の内一丁目18番1号(本庁舎5階)

電話番号:055-237-5314

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