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更新日:2013年3月21日

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放送大学で学ぶシルバー世代

このインタビューは、市民レポーターの浅野徹さんが取材した内容を抜粋し掲載しています。

高齢者の知的好奇心の出会い

近年、体力や知力がしっかりしたお年寄りがとても増えていると言われています。そうした皆さんは更に自らを磨くために、いろいろな方面に目を向けて、活発な学習意欲をもっていらっしゃいます。

今回、山梨大学のキャンパス内にある「放送大学・山梨学習センター」で勉強する方々を取材しました。放送大学は、学士、修士といった学位がとれる教育機関で、学習科目の単位を修得し、最終的には「卒業する」といった具体的な学習目標を設定できます。ここでは多くのシルバー世代の方々が学んでいるということです。

学習室での一コマ

広い学習室は個人の学習コーナーに区分けされ、パソコンや視聴覚教材などを使って自由に学べるようになっています。そこで学習しているお一人の方にお話を伺いました。


有井さん画像

Q「お名前とお年を聞かせてください」
A「有井といいます、69歳です」
Q「今は何の科目を学ばれていますか?」
A「今は英語をやっています。もう4年通っています。」
Q「ここの学習センターをどのように利用していますか?」
A「朝から晩までここでやっていますよ。今は英語ですけど、放送大学の卒業をねらっていますので、全教科をここでやります。」
Q「え~!全教科ですか?」
A「はい、来月卒業が決まっています。」
Q「勉強は大変ですか?」
A「ここで集中できますから案外楽ですね。やればやるほど好きになれますよ。好きになることが継続できるポイントですね。」
Q「以前から仕事で英語に親しんでいたのですか?」
A「現役時代は仕事一本やりできましたので、勉強には縁がなかったですね。定年後は好きなことに集中したいと思いましたし、ここではそれができる環境でした。2、3教科用意してきて、飽きたら教科を変えるんです。一日はすぐ終わってしまいます。」
Q「ということは家族のご協力も?」
A「行ったら一日帰ってこないとあきらめていますよ。弁当持ちですからやはり協力してくれているのでしょうね」
Q「両脇に資料や辞書を積み上げていますね?」
A「ここには資料はいくらでもあるので飽きませんよ。疲れたらこの周辺を散歩します。このまわりは良い環境なので歩くところはたくさんありますよ。」
Q「趣味は何ですか?」
A「学ぶことが趣味になりました。学ぶことで夢が広がります。朝、明るくなれば起きますね。起きれば活動したくなります。ですから学び始めます。学び始めると楽しいですね。生活が楽しい、人生が楽しい、長生きしたい、健康でいたい、という流れが実感できるんですよ。」

有井さんの表情を見ていると、明るさ、楽しさ、やる気が満面に感じられます。シルバー世代であってもここまで明るくなれるという貴重な体験でした。そして元気をいただきました。

学びの輪

シルバー世代の学習環境に大切なのは人の輪です。学生同士の交流の場として、放送大学にもサークル活動があります。ここでもシルバー世代の方々が大活躍。例えば「あるこう甲斐」「ローマの休日(英会話サークル)」「心理学研究会」「太極拳サークル」「P&C活用研究サークル」「山梨名作映画研究会」といったサークルがあります。どのサークルも若者からシルバー世代の方々まで、年齢の壁を越えて活動していらっしゃいます。
今回、英会話・太極拳等のサークルで活躍している皆様にお話しを伺いました。

サークルのみなさん

Q「英会話グループができたいきさつは?」
A「もともと『あるこう甲斐』という郊外ウォーキングのグループがあって、その新年会で英会話もやりたいねという話がでて、2009年3月に6人で立ち上げました」
Q「英会話グループの「ローマの休日」というネーミングのいきさつは?」
A「教材の名前が『ローマの休日』だったんですよ」
A「しゃれた名前だなと思って、俺も入ろうかなって!何かしゃれたことをやっていそうでワクワク気分で入ってみました」


サークルの案内

Q「グループ活動が続くヒケツは?」
A「平日の金曜日にやっているのが続くヒケツかも・・・」
A「お互いに刺激しあっているんですよ。グループでの仲間同士が、科目の学習仲間でもあって刺激しあっています」
Q「グループ活動の仲間同士の刺激って?」
A「同じグループのあの人は○○科目の単位をとった!自分も頑張らなくては!といった刺激は意外と頑張る原動力になります」

Q「最後に、放送大学の良い点は?」
A「放送大学は一度卒業しても、また3年次に編入する人が多くいます。これを何回か繰り返すとたくさんの科目を長期間、学ぶことが出来ますし、交流の輪である『面接授業』、『研修旅行』、『グループ活動』に継続的に参加できます。そして『グループ活動』は卒業しても出入り自由ですからとても良い輪が出来ています」

ここでも元気で、明るいシルバー世代の方々にお会いしました。しっかりとした目標や動機をもった人は姿勢が違います。学ぶことの力強さを改めて知った感じですし、10代、20代の学生の方々と本質的に異なった学問への取組み姿勢を見せていただきました。

山梨学習センターの学生の年齢構成

放送大学は、TVやインターネット等を通じて自宅で学習できるシステムですが、学習者の支援、人的交流等を目的に各地に学習センターが設けられています。山梨学習センターは今から30年ほど前に設立されて以来、多くの卒業生を輩出しています。在学生は平成24年度の2学期生で601名いらっしゃいます。そのうち60歳代以上のシルバー世代の方が144名、全体の24%で、年齢別にみて一番多くの比率となっています。
年齢的にみると10代から60代以上まで万遍なく在学しているということに驚きました。年代にこれだけの大きな幅があると、いろいろな学習ニーズや学習パターンが求められると思いますが、在学生全員に「学ぶ」という一致した目標があるので、学習内容や学習方法は全在学生向けに同一でOKとのことでした。シルバー世代の方も未成年者も同じ内容で、同じ方法で学習している、世代を超えた世界がここにあるのでした。

シルバー世代の学習動機!

シルバー世代の方々がなぜここで学ぶのか、その動機を訊ねました。
一番多いのは「もう一度勉強しなおすため」というものです。その代表的な声は、「私が育った頃は働かない者は食うなという時代。せめて定年後は働かずに勉強や遊びをしたいと思い、今やっと好きなことができています」という声。何とも素晴らしい向学心を見ることが出来ます。
こんな声もあります。「1日5時間ぐらい勉強しています。私たちの年代だと、資格とかより認知症にならない予防が大きいです。今が一番楽しいですよ。」頭脳の中に新しい思考回路を作る作業は確かに認知症予防に良いように思います。

学習の目的

▲全国の学生さんアンケートより

面接授業・機関紙「おいでなって」・公開講座

各学習センターには独自の「面接授業」があり、魅力的な科目には他の学習センターの学生も参加できます。山梨学習センターでは、「活断層と内陸地震」で実施した県内の断層実況見分や、身延山久遠寺の宿坊を利用しての「仏教思想と現代生活」といった面接授業は大変好評だったそうです。
また、山梨学習センター発行の機関紙『おいでなって』があります。センターからの事務連絡や、学生相互のコミュニケーションをとるための大切な機関紙です。このような細かいサポートがあってこそ、学生が通信教育というシステムであっても安心して学べるのだと感心しました。
 

そのほか、山梨学習センターは大学としての教育機関であるため、地元への教育的な貢献という意味で公開講座も開いています。例えば、今年の1・2月の講座は「震災後のエネルギーを考える」「誤りから学ぶ心理学」「太陽電池の効率はどこまで向上可能か」といった、どれも今大いなる関心を集めている話題に特化した内容でした。公開講座は誰でも無料で参加することができます。
放送大学は、シルバー世代の知的好奇心を満たしてくれる内容が盛りたくさんですね。

放送大学を取材して

今回の取材を通して、次の2点に強い印象を持ちました。

  1. 生涯学習の一つのスタイルがここにあるということ。普通の大学と違って、放送大学は卒業したらすぐに3年次に編入、異なる専門科目に挑戦するという方がいます。これを卒業するとまた編入、といった繰り返しができて、まさに生涯にわたって学習ができます。
  2. 年代の壁を超えた学習システム、学習仲間の場であること。10代の若者と60代の高齢者が同じ学習内容に挑戦したり、同じサークルで活動したり、そんなスタイルがここにあります。

このようなスタイルの大学は、欧米で良く見ることができます。欧米の大学は、社会で豊富な経験を積んだ人たちが大学に戻って勉強し、また社会に帰っていく人がたくさんいます。そのような人的な厚みのなかで若者も多くのことを学んでいきます。日本の大学もきっとそのようなスタイルになっていくのだろうと思いますが、放送大学にそのスタイルの実績を見ることができました。

お問い合わせ

都市戦略室シティプロモーション課広報係

〒400-8585 甲府市丸の内一丁目18番1号(本庁舎5階)

電話番号:055-237-5314

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