ホーム > 教育・文化・スポーツ > 文化 > 【結果報告】第18回方代の里なかみち短歌大会

更新日:2019年6月12日

ここから本文です。

【結果報告】第18回方代の里なかみち短歌大会

「方代の里なかみち短歌大会」は、甲府市出身の歌人「山崎方代(やまざきほうだい)<1914-1985>」を顕彰する短歌大会です。
昨年11月より本年1月にかけて、全国から「一般の部」に708名、1,346首、「ジュニアの部」に2,786首の、今までの大会を大きく上回る作品が寄せられました。たくさんのご投稿ありがとうございました。
厳正なる審査の結果、「一般の部」は文部科学大臣賞、山梨県知事賞、甲府市長賞のほか特選21首、入選49首、「ジュニアの部」は文部科学大臣賞、山梨県教育長賞、甲府市教育長賞のほか特選20首、入選76首が入賞されました。
令和元年5月25日に甲府市中道交流センター(中道公民館)において表彰式典を開催し、出席した64人の入賞者1人ひとりに賞状の授与と、こうふ開府500年記念品などが贈呈されました。おめでとうございました。

短歌写真2なかみち短歌写真2

選者

<一般の部>大下一真・今野寿美・三枝浩樹(五十音順)
<ジュニアの部>窪川美代子・河野小百合・土屋喜雄(五十音順)

大会大賞作品

文部科学大臣賞一般の部

埼玉県坂戸市 小松とし子

英語劇の照明係の孫がいま主役にあてるスポットライト

《評》照明の仕事は舞台効果に関わる重要な役回りだけれど、あくまで裏での活躍で、舞台にその姿を見るわけではない。この一首では、「いま」と瞬間をとらえ、見事に最大限に〈孫〉の貢献度を中心に据えた。わが子が、孫が一番というほほえましさはさることながら、包み込むように影の力を認め、称えるやさしさに感服した。【評 今野寿美】

 

文部科学大臣賞ジュニアの部

長野県穂高商業高等学校 中山千裕

放課後に行き場見つからぬ溜息がグランドの砂巻き上げていた

《評》多感な高校時代は、人間関係や勉強のことクラブ活動など、多くの悩みを抱えることになる。そうした内面の苦しさや閉塞感と真摯に向き合たったことがいい。作者は自分が居るべき「行き場」が見つからないという、不安定な心持ちに苛まれている。それを「溜息がグランドの砂巻き上げていた」と暗喩にしたことが見所である。ざらざらとした砂が巻き上がって、たちまちグランド一面を灰色にしてしまったのであろう。内包する荒涼とした世界のようであったに違いなく、その様を情景が浮かび上がるように表現したことが効果的。砂を巻き上げたのは無論風の仕業なのだが、「溜息」としたことで詩に昇華した。【評 河野小百合】

 

山梨県知事賞 

茨城県筑西市 岩岡正子

あらそひしことを忘れて夫の背にキンカンをぬるのの字を書いて

《評》味わい深い一首です。夫婦だからけんかしよう、というコマーシャルが話題になりましたが、確かに仲が良いからぶつかる。それは兄弟姉妹でも夫婦でも同じです。ひとときぶつかった後、何もなかったように、夫の背にキンカンを塗っている私。塗りながら、口では言わなくても、ごめんと心の中でつぶやいているのかもしれません。「キンカンをぬるのの字を書いて」という下の句に、そんな思いが読みとれます。余韻たっぷりの歌です。読者はそれぞれの思いを引き寄せながらこの歌を味わうことができます。こう読んでくださいよ、というような限定のないのが、この歌のよさ。とりわけ下の句が秀逸。私の受けとった余韻の思い。夫婦和合の秘訣は雨のち晴れの天気のようにぐずぐずと引きずらないことなのだと、この歌から教えられました。もう一つは、親しみて狎れず、初々しい気持を保つことでしょうか。【評 三枝浩樹】

 

山梨県教育長賞

山梨県甲府市立玉諸小学校 宇野 瑠晟

                                 (現甲府市立東中学校)           

きっと来る練習せいか出せるときそう願いつつサッカーする日々

《評》クラブ活動あるいは地域のサッカークラブに入って練習しているのでしょうか。有名なサッカー選手のだれかにあこがれて、将来はプロの選手になる夢をもっているのかもしれません。日々の練習は楽しいことばかりではなく、つらいことや思い通りにからだが動かなくて泣きたくなる日もあるかもしれませんね。でも一生けん命やっていればきっと成果があらわれて、サッカーがうまくなる、試合にも勝てる、それを心にえがいて毎日励んでいる姿が浮かびあがります。負けないぞという強い気持が上の句によく表現されていると思います。【評 窪川美代子】

 

甲府市長賞

山梨県北杜市 清水さき江

霜枯れし玉葱畑にボウリング投げ込むように追肥を蒔きぬ

《評》霜枯れの玉葱畑に出て、追肥を蒔く。収穫時と違って地味で楽しみのない仕事に加え、寒いことだろう。そこで作者は、ボウリングの球を投げ込むように、追肥を蒔くのだという。そうでもしないとやってられない。というのではなく、そのような工夫をすることで作者は、仕事を楽しいものにしている。想像をめぐらせば、ボウリングブームの時代が、作者の青春の日々と重なるのだろうか。そうだとすれば、かわらぬ若さを持ち続けている作者ということになる。明るい農村詠を評価した。【評 大下 一真】

 

甲府市教育長賞

山梨県北杜市立甲陵中学校 秦野友伽

病んだ子を気遣う母の赤耳の窓を激しく木枯叩く

《評》子どもへの親の慈愛心は、何にし優るものです。ましてや風邪か何かの病気に臥すかたわらにいて看護する状況は切実なものです。「気遣う」「赤耳」「叩く」と強意の調べは下の句の“窓をうつ木枯”の景により一層重厚さを増しています。しかし、作者の立ち位置が明白でないのと、時代性の詠法と少し違うところが弱さかもしれません。作品の内容も表記もよく出来ていて成人並みの実力も見逃せません。窪田空穂は、子を思う歌を詠んでいます。

負へる子に水飲ませむとする女手のわななくにみなこぼしたり

時代によって物質への興味は変っても、決して人間への愛は永久に変っていけないのです。入賞歌は、自分に向き合い、冬の夜の一場面を巧みに捉えていて佳い歌となりました。【評 土屋喜雄】

 

よくある質問

「特によくある質問」にお探しの情報はございましたか?
上記以外のよくある質問が掲載されている「よくある質問コンテンツ」をご活用ください。
ご不明な点は、よくある質問内のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

よくある質問入り口

お問い合わせ

生涯学習室生涯学習課芸術係

〒400-8585 甲府市丸の内一丁目18番1号(本庁舎9階)

電話番号:055-223-7323

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?
このページの情報はわかりやすかったですか?

ページの先頭へ戻る