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更新日:2021年2月2日

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【結果報告】第19回方代の里なかみち短歌大会

 「方代の里なかみち短歌大会」は、甲府市出身の歌人「山崎方代(やまざきほうだい)<1914-1985>」を顕彰する短歌大会です。
この大会も本年度で第19回目を数え毎回多くの皆様から応募をいただいており、今大会は、ジュニアと一般の部を合わせ、2,911首(一般の部は703名・1,324首、ジュニアの部は1,587首)の優れた作品をお寄せいただきました。
たくさんのご投稿ありがとうございました。
これも方代さんの温かく味わいのある歌が、多くの方々に愛され親しまれているからではないかと思っております。
「一般の部」は文部科学大臣賞、山梨県知事賞、甲府市長賞のほか特選21首、入選50首、「ジュニアの部」は文部科学大臣賞、山梨県教育長賞、甲府市教育長賞のほか特選20首、入選77首が入賞されました。
おめでとうございました。

 山崎方代写真【写真提供:湯川晃敏氏(日本写真家協会)】

選者

<一般の部>大下一真・今野寿美・三枝浩樹(五十音順)
<ジュニアの部>窪川美代子・河野小百合・土屋喜雄(五十音順)

大会大賞作品

文部科学大臣賞一般の部

 山梨県中央市 堀口明枝さん 

玉葱を縄に結びて太陽系の惑星のごと軒に干したり 

≪評≫収穫した玉葱を縄に結んで軒に干すこと自体は、珍しくない。ただそこで、結んで軒に干した玉葱のたたずまいを太陽系の惑星と見たところで面白い一首となった。日常のありふれた景色が、文字通りにわかに宇宙的な広がりを持ち始めたのだ。一読して、「軒に干したり」ではなく、干した結果が太陽系の惑星のようだと歌ったほうが良いのではないかと思ったが、そうではなく、やはり「太陽系の惑星のごと・・・・・・軒に干したり」に作者の意志が感じられて良いのだと、了解した。玉葱から宇宙へと広がった発想に感心し、大らかな心で日常を送っているだろう作者まで想像した。【評:大下一真】 

文部科学大臣賞ジュニアの部 

山梨県北杜市立甲陵高等学校 中野湧大さん

いつもより小さな夏の青いビン溢れるほどに記憶を詰める 

≪評≫今年はコロナウイルスの感染拡大によって、学校生活もこれまでとは全く違ったものであっただろう。オンライン授業などで、家で過ごした時間が多かっただろうし、夏休みに入ってからも、様々な制約があったと思われる。そうしたいつもとは違う夏を「小さな夏の青いビン」に詰めようという発想に詩情がある。青いビンからは繊細さや清々しさ、憂いなどが感じられよう。この青いビンは、私の心の中の比喩であるから他の人が見ることは出来ない。そこにたくさんの記憶を詰め込んでおく。あと何十年かしたら、その小さな夏のビンの蓋を開けてみる。その時、新たな感慨が沸き上がるに違いない。【評:河野小百合】 

山梨県知事賞 

千葉県流山市 吉岡昭さん

散り際に激しく匂うカトレアを挿して苦情の客を待ちおり

 ≪評≫「待つ」の一語から、事業所内の苦情受け付け窓口担当者の作といった想定で読みました。散り際に香りが強くなるのは、百合なども思い合わせますが、怒りもあらわな相手の心情を和らげつつ、できるだけ穏便に事を運ばねばならないこちらの気構えも意識するにはカトレアの華麗さ、高級感がたしかにものをいいそうです。それも押しつけがましくなく当たり前でもなく、作者の気遣いのこまやかさと受け止めました。攻撃的になりがちな昨今の社会や世相を感じさせながら、作品として心の対応でまとめたところ、過不足ない語りも優れていると思いました。【評:今野寿美】 

山梨県教育長賞

山梨県甲府市立東中学校 小林倖典さん  

海恋し今年は聞けぬ波の音明日に向かって一歩踏み出す 

≪評≫今年は、コロナ禍で学校のイベントも家族の外出も出来ず海を見ることも叶いませんでした。作品は、初句で海のあこがれを詠い、続けて海の魅力を“恋し”と云い波音を想像させています。下の句では、その光景を基にしてポジティブに学業に挑戦する心情を表現しています。いわば青春の門出に立って人生への道程を宣言しているかのごとくです。作品は、韻律も良く、詩歌を学んだ軌跡が随所に散見されます。「恋し」「明日」「踏み出す」のフレーズも適切で、明るく意欲に富んでいると云えようか。山国に住む私たちは、遠くの果てを見たい、海を眺めたい、の願望が強いのです。お祝いに現代有名歌人の短歌を贈ります。〔海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり〕寺山修司『空には本』【評:土屋喜雄】

甲府市長賞

神奈川県横浜市 山田裕樹さん

ドーナツの穴から父を見ていたら自分と似ててちょっと驚く 

≪評≫ドーナツの穴から父を覗いてみたというのである。このアングル、対象の切りとり方がとても面白い。或る枠組み、例えば一枚の窓から眺める風景は肉眼で眺める風景とは違う。同じものを眺めても違って見える新鮮な発見がそこにはある。よく知っているはずの父がドーナツの穴ごしに思わぬ一面を覗かせていたのである。父の思わぬ一面とは、似ているとは思っていなかった子である自分が、父とよく似ていると実感できたことである。親子が似ていることに聡く気付くのは他人で、本人たちはなかなか気付かないもの。その驚くような気付きをドーナツの穴が与えてくれたのである。「ふるさとを捜しているとトンネルの穴の向うにちゃんとありたり」、方代の歌を思い浮かべた。【評:三枝浩樹】

甲府市教育長賞 

山梨県甲府市立中道北小学校 沼田愛加さん

夏休みお墓まいりで祖父祖母に感謝の気持ち伝えに行くよ 

≪評≫家族団らんの席でお父さんやお母さんと「明日お墓まいりに行こうね」と話したのでしょうか。おじいちゃん、おばあちゃんに「感謝の気持ちを伝える」と詠い、ふたりが元気だった頃共に過ごした思い出がよみがえったことがうかがえます。小さい時遊んでもらったこと、いっしょに旅行したこと、悲しいときなぐさめてもらったこと、勉強や部活動の成績をほめてもらったこと・・・。何物にも替えがたい大切な存在だったおじいちゃんとおばあちゃんに「ありがとう」を言いたいという作者のこころが、ほほえましく読む者に伝わってきます。【評:窪川美代子】

そのほかの受賞作品は、次のとおりです

◆一般の部

●特選(21作品)  

作品

氏名(居住地)

学生の身分を担保の月賦よしと言われ求めしわが広辞苑 輿石 恵美子(山梨県甲府市)
コロナから豪雨猛暑と続きいて令和二年はささらほうさら 丸山 恒雄(山梨県甲斐市)
鳴く虫をさぐると差し足忍び足男の孫今日はファーブルになる 仲澤 治江(山梨県山梨市)
老梅に昨日一輪今日二輪妻亡き庭に春巡り来る 早川 博文(山梨県山梨市)
捨てきれぬことをポッケに握りしめのっぺらぼうの雑沓をゆく 渡辺 恵子(山梨県西八代郡市川三郷町)
アジサイの花など生けて待っている吾娘もらいに来る人のいて 小林 真由美(山梨県中央市)
末孫の京都みやげのお線香優しいかおりとどいてますか 川原 ちづる(山梨県都留市)
Zoomから蝉の鳴き声響くとき一人の部屋に風が吹きたり 松澤 海飛(山梨県都留市)
野辺山の青空の青なお高く地球の中心に居る心地する 山口 明美(山梨県北杜市)
氷屋は未だ尺貫法使いのこぎり使い昭和そのまま 斉藤 浩美(愛知県東海市)
軒下の蜘蛛の巣払う翌日に怒らず騒がず糸を張る蜘蛛 堤 善宏(愛媛県松山市)
真っ白なテント張られしキャンプ場これから描かれる夏の絵日記 吉野 佳子(熊本県八代市)
水たまりは地球のえくぼ長靴の子らキラキラと遊ばせている 忽滑谷 三枝子(群馬県渋川市)
着古したドテラ引っかけその人は田んぼの隅に晩夏から立つ 松本 進(山口県光市)
お日さまをみれば元気がわいてくるアオゲバトウトシってことだな 弾正 佼一(新潟県佐渡市)
人生はセミが出てきた穴みたい何かあるよな何もないよな 山田 裕樹(神奈川県横浜市)
いちいちを「捨てる?捨てない?」聞きながら写真の母と片付けてゆく 和井田 勢津(青森県八戸市)
ピカドンはポケモンの名や怪獣の名前じゃないと孫に言う祖母 青井 春樹(静岡県静岡市)
こっそりと飲ませてあげればよかったと缶コーヒーを供えて詫びる 永田 幸美(千葉県市川市)
梅の実のほかりほかりと壜のなか悲観楽観いったりきたり 信國 まり子(福岡県福岡市)
信号を待つ間に仰ぐ秋の雲母住む町の形しており 鯵本 ミツ子(京都府舞鶴市)
   
〇入選(50作品)  

作品

氏名(居住地)

日向ぼこは極楽だけんど年寄りと見られちゃやあで人目忍ぶさ 名取 稔(山梨県甲府市)
お母さんちょっと聞いてと寄ってくる十四の息子それはいつまで 木下 久美子(山梨県甲府市)
綺麗だねと花をほめてる女生徒等どの花よりもずっと明るい 小野 卓(山梨県甲府市)
終戦のひと月前の生まれだが「愛国行進曲」今も歌える 吉岡 典子(山梨県甲府市)
こんなにも若い私を見もせずに一心不乱にボール追う、ばか。 今村 祐太(山梨県甲府市)
方代に倣って歌詠む生徒らの瞳に里の明日を思へり 田村 由紀(山梨県甲府市)
戦争で東京を追われて来たのです今では住み良い町と言われて 坂口 京子(山梨県北杜市)
かすかなる高原列車のレール音ひびきくる夜はものをこそ思え 浅川 清(山梨県北杜市)
郭公の声四十回青空にさえぎるものの何もない昼 輿石 加代子(山梨県北杜市)
この春の祈りのごとく農鳥はアマビエの形をしばらく保つ 梶原 十三子(山梨県南都留郡富士河口湖町)
山小屋の灯なけれどこの夏の富士ゆるぎなく夜空に浮かぶ 梶原 十三子(山梨県南都留郡富士河口湖町)
消毒の手を擦りつつ透析と告げられし夫に添いて歩めリ 鈴木 若子(山梨県南都留郡富士河口湖町)
「北あかり」畑より坂を運び上げ梅雨の晴れ間の一万二千歩 秋山 美紀子(山梨県南巨摩郡富士川町)
風の道さがして干し柿つるし終え仰ぐ櫛形山に雪雲かかる 駒井 春美(山梨県南アルプス市)
暗黒の宇宙に浮かぶ青い星人種差別もコロナも乗せて 沢登 清一郎(山梨県笛吹市)
坂道は苦手だけれど楽なんだ越しもしないし越されもしない 福田 和秀(山梨県笛吹市)
ときめきて人待つ心いまだありほあんと嬉しい間違い電話 堀口 明枝(山梨県中央市)
水溜り乾きて残る花びらの輪となりてをりさあケンケンパ 秋山 かね子(山梨県西八代郡市川三郷町)
海底の古書店めぐり君の取る本ばかり目で追う貝になり 佐々木 信一(山梨県上野原市)
道端の友との会話に割り込める秋の夕日も話好きらし 雨宮 つぎ子(山梨県山梨市)
絨緞に見つけし薬一粒を妻の遺影にそっと供える 早川 博文(山梨県山梨市)
わたしとてサイボーグではありません肩もこります涙も出ます 白倉 洋子(山梨県山梨市)
フライパン小さな赤いフライパン求めて今日から小さく暮らそ 萩原 清子(山梨県甲州市)
また一軒空き家のふえた我が里に広くまっすぐ新しき道 鈴木 栄子(山梨県甲州市)
何処かで軋轢分断けふもまた回転ドアはなめらかなれど 堺 久子(北海道札幌市)
夏空にサインカーブを書くようにはらりひらふら黒揚羽飛ぶ 中尾 勇人(福岡県豊前市)
掌(て)の上でみそ汁の具の「絹」を切れば方代さんを思い出したり 室田 芳郎(奈良県生駒市)
ユーミンのあのアルバムのあの曲を探す春の日「卒業写真」 木下 博文(大阪府富田林市)
動くたび梅に似た香が広がった君の挙動が気になったころ 小西 正孟(大阪府大阪市)
口付けの前戯のように涼やかに愛を囁く炭酸の声 三浦 優(大阪府大阪市)
授粉するカボチャの花のあざやかさまだセシウムを知らない黄色 中村 和雄(千葉県市川市)
送り火を教えた祖母の擦る燐寸聞こえた気がしたもう帰るのね 石川 裕加(千葉県浦安市)
子燕の巣立ちのように補助輪を外しわが手を離れゆく子は 久保田 聡(神奈川県川崎市)
ワンピース白地に青の水玉が夏の飲み物みたいに笑う 藤田 留実子(秋田県能代市)
胴上げのごとく落葉をもち上げて水仙の芽は青く並びぬ 井田 あさみ(滋賀県東近江市)
早苗田へ注ぐ谷水生き生きと光を乗せて広ごりゆけり 藤井 重行(山口県宇部市)
そこに汽車!汽車!とじいちゃん指さした先には光膨らむ中庭 堀 眞希(広島県広島市)
衿足に剃刃当てられ身がまえる従順だけでは生きてゆけない 高野 和子(広島県広島市)
新じゃがを笊いっぱいに蒸かし上げ貧乏などと知らずに育ち 千島 宏明(群馬県藤岡市)
迎え火のワラに手紙を隠しいれ新盆の火はひときわ高し 金子 歩美(群馬県吾妻郡東吾妻町)
もうひとりの自分と会話するように髪束ねたりゆるめたり娘は 畠山 みな子(宮城県仙台市)
湾跨ぎ自動車道の橋架かる復興途上の過客となりぬ 畠山 恵(宮城県気仙沼市)
ひとり身で死にたるおばの年金は月4万と通帳で知る 黒木 直行(宮崎県日向市)
教室の空気を入れ替え準備する子らをむかえる夏の日の午後 香田 明彦(岐阜県損斐郡損斐川町)
父を生み籍入れぬまま世を去りし墓石に残る二十七才 宮川 礼子(茨城県筑西市)
我のみに廻りつづける扇風機たった一つの従順なもの 吉澤 光代(茨城県鹿嶋市)
玻璃に着くオオカミキリはいと青く妖しきまでに月影にみゆ 小山 幸子(茨城県古河市)
散歩中いろんなことが湧いてきて最後の方は怒って歩く 園部 淳(愛媛県松山市)
いつもより五分だけ早い通勤は少し嬉しくて風を跨いだ 堤 善宏(愛媛県松山市)
密を避けとった君との距離だけど意識した分近づいたかも 志村 紀昭(愛知県名古屋市)

 

◆ジュニアの部(高校生)

●特選(4作品)  

作品

氏名(学校名)

紐結び踏み出す準備整ったさあまだ見ぬ私へエンターキー叩け 福田 千宝(山梨県甲府市立甲府商業高校)
駅まではプレイリストが三つぶん片耳流れる蝉のコーラス 天野 玖音(秋田県立秋田西高等学校)
天空に届けとばかり鳴いていた蝉一匹を大地に拾う 加藤 結衣花(茨城県立結城第二高等学校)
転がって本気の喧嘩してくれる君はわたしのセリヌンティウス 渡邉 美愛(愛知県立旭丘高等学校)
   
●入選(16作品)  

作品

 氏名(学校名)

見たかった一球に湧く甲子園早く収まれコロナウイルス 飯高 啓人(山梨県甲府市立甲府商業高校)
夏休み友と走った山の道あの日誓った五年後の夢 橘田 宙(山梨県甲府市立甲府商業高校)
気がつけば目で追っている授業中手元にあるのは白紙のノート 松田 珠奈(山梨県甲府市立甲府商業高校)
ペン持って始めたはずの宿題は気づけばいつも机のすみに 二宮 綾香(山梨県甲府市立甲府商業高校)
ひまわりのその横通り部活行く温度と共に心も燃える 石井 美鈴(山梨県甲府市立甲府商業高校)
さようなら次会う時は成長してると共に誓おう藤棚の下 佐藤 拓廣(山梨県立笛吹高等学校)
カワセミの歌声響く山の中木々の葉たちも一緒に揺れる 原田 里桜(山梨県立笛吹高等学校)
風に乗る風鈴の音のすき間から弟すする冷麦の音 藤橋 夏海(山梨県立笛吹高等学校)
夏休み今年の夜は静かだな空に花火の種を植えよう 天川 斐月(山梨県立笛吹高等学校)
ひぐらしが終わりを告げる夏の夜ベランダ一人たばこを吸った 古屋 佑羽(山梨県立笛吹高等学校)
雨上がり晴ればれとしたあの空は僕の心も知らず輝く 蒔田 麻人(山梨県立中央高等学校)
一針に願いを込めて縫うマスク会えぬ祖父母よ元気であれと 米山 美南実(山梨英和高等学校)
夕方の空を見ながら深呼吸明日はどんな日になるだろう 仙洞田 沙月(甲斐清和高等学校)
「明日から」繰り返すのはもうやめた自分に喝入れ机に向かう 田口 心寧(岐阜県立吉城高等学校)
校庭の風に吹かれるコスモスのゆれる花びら我らにエール 小萱 陽琉(岐阜県立吉城高等学校)
似てるから天気雨が嫌いなの作り笑いがうまいわたしに 深田 優花(福岡県立城南高等学校)

 

 ◆ジュニアの部(中学生)

●特選(13作品)  

作品

氏名(学校名)

懐かしいゆらりゆられたブランコのもう戻らないあの日の思い出 一志 咲良(山梨県甲府市立東中学校)
橋の上線路ながめる水曜日じいじと僕は手をつないで待つ 山田 璃音(山梨県甲府市立東中学校)
さくらんぼテカテカかがやく赤い実を家族の分も一人ほうばる 山本 美咲(山梨県甲府市立東中学校)
繭の値が中国産の糸に負けそしてうまれた中道果実 吉弘 真奈美(山梨県甲府市立笛南中学校)
異国から来た子の髪とよく似てる金の稲穂が風にたなびく 井上 文乃(山梨県駿台甲府中学校)
毎日を特別な日にしたいから前髪を切って今日を始める 藤岡 さち(山梨県駿台甲府中学校)
山の中熊とそうぐう寝たふりを暗い夜道のとっさな行動 深井 優花(山梨県駿台甲府中学校)
生きてれば満点だよと母が言うすかさずテストの点数問う父 和光 優心(山梨県山梨英和中学校)
北岳で大きく息を吸い込んで朝日に染まる大地と私 横森 穂夏(山梨県北杜市立甲陵中学校)
的中がすべてじゃないのは知ってるけどやっぱり懸けたいこの一本の矢に 中村 葉子(山梨県北杜市立甲陵中学校)
夏の空あたれよあたれその的に僕らの夢を背負いし一射 雨宮 巧真(山梨県北杜市立甲陵中学校)
竹刀持ち気持ちで負けず先攻し相手をひきだし面一本 三井 悠久(山梨県甲斐市立竜王中学校)
〈ありがとう〉たった五文字の一言でわたしの心は明るく弾む 針生 紗奈(宮城県岩沼市立岩沼西中学校)
   
●入選(51作品)  

作品

氏名(学校名)

秋の風センチメンタル涙落ち君の笑顔にまだ恋しくて 平塚 真埜(山梨県甲府市立東中学校)
ベースボール夏の修羅場を絶えぬいてつかんでみせるぜナンバーワン 一瀬 崚(山梨県甲府市立東中学校)
手をつなぐ私と母の影ふたつ桜の国の入学式の日 永井 佑奈(山梨県甲府市立東中学校)
夏祭りうちわ片手に見た花火夜空にさいた夏の思い出 新澤 詩(山梨県甲府市立東中学校)
コロナ君あなたのせいで夏マスク私の顔にマスクの日焼け 小宮山 理央(山梨県甲府市立東中学校)
道ばたの朝顔二輪「おはよう」と明日はいくつあいさつするの 藤原 ひな子(山梨県甲府市立東中学校)
笹の葉に見つけたあの子の願い事叶えておくれ織姫彦星 髙野 智子(山梨県甲府市立東中学校)
空襲のみんなの思い考えて湧きでる思い平和週間 浅川 明輝(山梨県甲府市立東中学校)
風ふけばくしゃみをはなつもう一枚両腕くんで坂をころがる 渡邊 悠晴(山梨県甲府市立東中学校)
えんぴつを走らせ描く仏さま頭にうかぶ祖父母の笑顔 小野 晴斗(山梨県甲府市立東中学校)
梅雨になり心がしずむ天気でも光の帯で心が踊る 清水 莉子(山梨県甲府市立東中学校)
石だたみ海のめぐみを運ぶ道中道往還魚のみち 中村 尚樹(山梨県甲府市立笛南中学校)
まな板に真っ赤なすいかが割れている目を輝かせはしゃいでる姉 五味 和香奈(山梨県山梨英和中学校)
日常はあっという間に過ぎていく「あたりまえ」でも「あたりまえ」でない 宮川 雛乃(山梨県山梨英和中学校)
木の下にかれ葉が落ちる秋になり風が私をとおりすぎてく 石原 百花(山梨県山梨英和中学校)
春だよと告げてるように花開く朝の日差しにかがやくチューリップ 太田 優衣(山梨県山梨英和中学校)
下がらないしんぱくすうが下がらないあなたをじっと見つめてるだけで バーニング 愛梨沙(山梨県山梨英和中学校)
甘いのに鋭った言葉アイロニーこれこそまるで金平糖 熊谷 菜月(山梨県山梨英和中学校)
くしゃみしてスカートのチャックあいたからダイエットしようと決めました 堀内 はな(山梨県山梨英和中学校)
青いそら部屋に差しこむ光の矢ペン先の線光かがやく 後藤 有咲(山梨県駿台甲府中学校)
くじけても立ち止まっても世の中は変わることなく回り続ける 土谷 沙来(山梨県駿台甲府中学校)
亡き祖父に会いに行きます画面越し県を越えずに思い届ける 藤巻 莉子(山梨県駿台甲府中学校)
水たまり暖かい日が差し込んで宝石みたいに光輝く 池田 茉央(山梨県北杜市立甲陵中学校)
こっちみて光合成をしたいんだ僕は向日葵君は太陽 髙山 大志(山梨県北杜市立甲陵中学校)
プロフィール将来の夢は何ですか書いては消して書いては消して 小松 日菜(山梨県北杜市立甲陵中学校)
合唱を夕日と僕で吟味するアルトからすとソプラノすずめ 酒井 崇太(山梨県北杜市立甲陵中学校)
あじさいの落ちる雫は梅雨の雨泣いてる君に傘をさす 齋藤 はるひ(山梨県北杜市立甲陵中学校)
ちりちりと真っ赤な日射しを髪に受け夏の匂いが鼻をくすぐる 大塚 空遼(山梨県北杜市立甲陵中学校)
羽ばたきが草木を生かせる国蝶は夏風と共に空を飛び交う 小俣 拓也(山梨県北杜市立甲陵中学校)
あつすぎて人工芝がやけているその上に立ちボールける 橋戸 明人(山梨県中央市立田富中学校)
過ぎし日にただ一度みた曽祖父の姿懐かし墓参りけり 宮川 友希(山梨県中央市立田富中学校)
風鈴の音色にみとれて時流れ普通の日々に幸せ感じる 有泉 妃菜(山梨県中央市立田富中学校)
身をまかせ流れるプールで思いつく逆流したいいたずら心 宮澤 華苑(山梨県中央市立田富中学校)
福島で卓球やったなあじいちゃんと接戦だったねまた勝負しよ 石原 壮一郎(山梨県中央市立田富中学校)
早い朝祖母が水まく夏の庭心温まる涼しい水音 北原 奈美(山梨県中央市立田富中学校)
学校や家でも勉強勉強とロボットのように過ごす毎日 大森 結斗(山梨県甲斐市立竜王中学校)
太陽にてらされ後ろに長い影昔はあんなに小さかったが 望月 祐哉(山梨県甲斐市立竜王中学校)
来たる冬目指して向かう問題集入道雲にエールもらって 小宮山 巴那(山梨県大月市立大月東中学校)
時止めてよーく考え整頓し新しい自分で明日を生きよう 山口 真歩(山梨県大月市立大月東中学校)
換気する窓から風がすべりこみ雨の匂いが教室満たす 橋本 真季(山梨県昭和町立押原中学校)
この夏はコロナ禍なので出掛けれずいつも通りの日常恋し 窪田 星那(山梨県立甲府支援学校 中学部)
恋をして本当の想い届かぬとも待ち続けよう輪廻の刻を 安部 里音(東京都江戸川区立篠崎中学校)
金木犀甘い香りに連れられて遠回りした学校帰り 柳田 晴南(東京都江戸川区立篠崎中学校)
舞台上ふるえながらも手を置いて「成功しろ」と願い弾く曲 藤﨑 唯香(東京都江戸川区立篠崎中学校)
汗かいてコップに冷水注いだらなぜかコップも汗をかきだす 浄德 ちから(東京都江戸川区立篠崎中学校)
コロナ禍壊れて気が付く日常と普通に暮らせる事の幸せ 山口 洋輝(東京都江戸川区立篠崎中学校)
ああ次だそう次走るこの私ピストルとともに走り駆け出し 加藤 南帆(宮城県岩沼市立岩沼西中学校)
大人まであとどれくらい少しかなもう少しだけ大人になろう 景山 給(宮城県岩沼市立岩沼西中学校)
パンと鳴り人が夢へと向かってく一人ひとりの聞こえる足音 中村 彰吾(宮城県岩沼市立岩沼西中学校)
軽快なリズムにのってマスクぬうミシンなつかし母の思い出 田村 凜(青森県三沢市立堀口中学校)
テーブルでピアノのごとく踊る指つってた足もビートを刻む 池田 玲亜(滋賀県大津市立青山中学校)

 

 ◆ジュニアの部(小学生)

●特選(3作品)  

作品

氏名(学校名)

のらねこがトラック荷台にのっている名もないねこの気に入りの場所 小林 大悟(山梨県甲府市立中道南小学校)
空に咲く一輪の花の幻影に過去の幸せ重ね合わせる 中 弥博(山梨県甲府市立貢川小学校)
れんしゅうでならったことをじっせんすてきをぬくたびかぜになりきる 横谷 遥(山梨県甲府市立中道北小学校)
   
●入選(10作品)  

作品

氏名(学校名)

1ねんせいぞうきんつかいはつそうじバケツのなかでギュッとしぼって 河村 美結(山梨県甲府市立中道南小学校)
赤ちゃんがいっぱい生まれたわたしの水そう元気にそだてめだかのきょうだい 飯塚 凪咲(山梨県甲府市立中道南小学校)
フラフープこしをふりふりがんばったわたしのきろく百十九回 渡邊 苺花(山梨県甲府市立中道南小学校)
けんばんをおしてあふれるメロディーはゆめへの一歩さっきょく家のみち 出月 十誠(山梨県甲府市立中道南小学校)
けん玉でもしもしかめよができたんだカンカンカンと良い音がでる 伊能 愛加(山梨県甲府市立中道南小学校)
タタタタとうでからかたにじゃれてくるしましまもようトカゲのアルよ 荻原 武琉(山梨県甲府市立中道北小学校)
はきはきとあいさつかわす友達とすてきな一日始まる予感 川島 泰乙(山梨県甲府市立中道北小学校)
赤い糸導く先に源氏の君やさしい目線にあふれる笑顔 野澤 梨穂(山梨県甲府市立湯田小学校)
マスクして三みつひかえ会話する心のきょりは変えないままで 堀之内 颯(山梨大学教育学部付属小学校)
前にならえしてない列としてる列とうもろこしの粒の朝礼 横道 玄(山口県光市立光井小学校)

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