昭和53年8月甲府市議会臨時会議事日程 (2)

      昭和53年8月31日(木)午後1時

  報  告

第1 急施事件について

第2 急施事件について

第3 甲府市政にかかわる三者会談の真相に関する調査特別委員長報告

 

 

  (出 席 議 員)

市 村 輝 男君

河 西 富 夫君

塩 野 褒 明君

市 川 正 雄君

小河原 正 平君

内 藤 源 一君

長瀬 正左衛門君

浅 川 朝治郎君

石 川 達 郎君

上 田 英 文君

清 水 清 富君

内 藤 幸 男君

森 沢   茂君

石 丸 あきじ君

内 藤 秀 治君

武 川 和 好君

三 井 五 郎君

原 田 正八郎君

小 林   匡君

早 川 光 圀君

堀 内 光 雄君

樋 口 精 一君

小 林 康 作君

堀 込 徳 一君

風 間 良 興君

込 山 貴 雄君

溝 口 一 雄君

秋 山 慎次郎君

土 屋   直君

中 西   久君

柏 原 保 幸君

小 沢 綱 雄君

早 川 武 男君

 

 

 

                          33名 

 

  (欠 席 議 員)

伊 藤 常 八君

小 林 淳 光君

山 中 繁 芳君

臼 井 茂 夫君

渡 辺 儀 市君

 

 

 

                           5名

 

職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名

事 務 局 長 輿 石   正君

総務 担当 主幹 臼 田 茂 治君

調査 担当 主査 大日方 好 一君

庶務 担当 主査 松 本 康 成君

議事 担当 主幹 平 嶋   泰君

議事 担当 主査 功 刀   尊君

記録 担当 主査 中 尾 良 次君

 

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

甲 府 市 長 河 口 親 賀君

 

助     役 吉 田 三 郎君

 

収  入  役 保 坂 昌 新君

 

市 長 室 長 深 沢 正 照君

 

企 画 部 長 荻 原 克 己君

 

総 務 部 長 新 藤 昭 良君

 

 

 

 

 

    午後4時45分 開 議

 

○議長(上田英文君)

これより本日の会議を開きます。

 

 本日の会議時間は議事の都合により予めこれを延長いたします。

 

 暫時休憩いたします。

 

     午後4時46分 休 憩

 


     午後5時39分 再開議

 

○議長(上田英文君) 

休憩前に引き続き会議を開きます。

 

 報告事項を申し上げます。

 

 柏原保幸君、外7名から急施事件の動議が提出されました。

 

 右は、議事日程記載の日程第1でありますので、朗読を省略いたします。

 

 次に、すでに石丸あきじ君、外1名から提出されております急施事件の動議については議事日程記載の日程第2でありますので朗読を省略いたします。

 

 次に伊藤常八君、小林淳光君は一身上の都合により、渡辺儀市君、白井成夫君は病気のため本日それぞれ欠席する旨の届け出がありました。

 

 以上で報告を終わります。

 

 これより日程に入ります。

 

 日程第1急施事件の動議についてを議題といたします。

 

 柏原保幸君から提案理由の説明を求めます。

 

      (柏原保幸君 登 壇)

 

○柏原保幸君 

ただいまから急施事項についての動議を提案をいたします。

 

 次の事件は急施を要するものであるからすでに設置されている「甲府市政にかかわる三者会談の真相に関する調査特別委員会」に付託して調査を行うよう、所定の賛成者をそえて動議として提出をいたします。

 

 調査事項は

 

1 三神前水道事業管理者の辞任に関する問題、特に3条件と市議等の執行権介入の問急について

 

2 臼井議員の証言にあった11項目の中市の事務に関係する部分の調査について

 

提出者は柏原保幸ほか自民党市議団であります。提出先は甲府市議会議長上田英文殿にお願いをいたします。動議を終わります。

 

○議長(上田英文君) 

以上で説明は終わりました。

 

 これより質疑に入ります。

 

 質疑はありませんか― 溝口一雄君。

 

○溝口一雄君 

急施議案の提案者にお尋ねをいたします。

 

 特に、私お尋ねをする内容は、調査項目のその2に臼井議員の証言にあった11項目のうち、市の事務に関係する紛争調査についてでありますが、すでに証人喚問の臼井証人のおりに、委員長の主尋問の中にこのことに触れてございます。

そのときに証人は、これは私に対して実名あるいは匿名による情報提供、または巷間での風聞等をもとにして調査した。こういうことを冒頭に証人は述べて11項目に入ったわけです。そこで私は、提案者にお尋ねをする内容として、匿名による情報の提供と巷間での風聞等を証人は判断の基準として、11項目すべてが疑惑としてきめつけておるのかどうか。

すなわちこの中である市の事務に関する部分の調査は、すべて完了項目であるのか、それともこの中の幾つかは、匿名による情報のまだ範囲なのか、巷間での風聞等の範囲であるという点について、発言者は証人であった臼井議員に、その点をただしたうえの急施項目としての提案であるかどうか、その点をまず第1点お伺いをします。

 

○議長(上田英文君) 

柏原保幸君

 

○柏原保幸君 

溝口議員さんにお答えを申し上げます。

 

 ただいまの2項目の調査事項11につきましては、本人といたしましては、証人としてこの調査についてはいろいろ風聞、資料等をもとにして、自主的に自分が調査をしていた、こういうことを申しております。

 

 あの委員会の中で三者会談の有無ということでありますけれども、委員会の中でこの証人からこうした事項が提出されまして審議がされなかった。そういうことにおきまして、私たち自民党といたしましては、この事務の中に疑惑がある。こういうことを断定をしてここで提案するものであることを御承知願いたいと思います。

 

○議長(上田英文君) 

溝口一雄君

 

○溝口一雄君 

私は2日目の証人喚問のおりに、河口証人にこのことをただしました。

すなわち、ただいま柏原議員のほうから発言者並びに自民党市議団は、こういうことはあるという想定のもとのいま発言もありましたので、私は、河口証人にこの調査の発言を封じられたとする具体的内容を、こういっているけれども、これに対する河口証人の考え方並びに今後どのような対応をするつもりですかと尋ねたところが、河口証人は臼井証人の発言を新聞報道などで知ったが、私の家族の名誉を傷つけるような発言があったことは、私にとっては許すことができない何らかの処置を取ってまいるというような、私どもは対抗措置に出るようなことを、河口証人から発言されているため、私ども調査特別委員会の調査活動の手を離れていると私は理解をいたします。

 

 次に、提案者にお尋ねをする点は、議員として、しかも臼井証人はこの11項目を述べたあとに「これ以外にもまだ多数ある。とりあえず以上です」というような答弁のしかたをしてございますので、私は議員として、議会の活動の場で、すなわち9月議会もま近に迫っており、また委員会等の場において、十分この点をただすこともできると理解をしておりますが、この点について再度提案者にお尋ねをいたします。

 

○議長(上田英文君)

 柏原保幸君

 

○柏原保幸君

 ただいま溝口議員さんから、いろいろ特別調査委員会の調査の内容に触れられましたわけでございますけれども、われわれ自民党といたしましては疑惑があるらしいということであって、それはこういうことがあるというような発言をした覚えはございません。

 

 次に臼井証人と河口証人のこの証言が食い違っておる。こういう面の中で特に取り上げて今後調査をすべきだ、こういうように感じて提出したもんであることを御答弁として申し上げます。

 

○議長(上田英文君)

 ほかに質疑はありませんか。

 

 これをもって質疑を終結いたします。

 

 お諮りいたします。

 

 本動議は、急施事件と認め提案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。

 

      (賛成者起立)

 

○議長(上田英文君)

 起立少数であります。

 

 よって本動議は否決されました。

 

 次に日程第2については、日程第1の一部と同趣旨でありますので、議長において処理いたします。

 

 次に日程第3を議題といたします。

 

 本件に関し、特別委員長の報告を求めます。

 

 甲府市政にかかわる三者会談の真相に関する調査特別委員長 

石川達朗君。

 

 (甲府市政にかかわる三者会談の真相に関する

調査特別委員長石川達朗君 登壇)

 

○甲府市政にかかわる三者会談の真相に関する

調査特別委員長(石川達郎君)

 去る7日の本会議において、当特別委員会に付託された、甲府市政にかかわる三者会談の真相に関する調査について、次のとおり報告いたします。

 

   特別委員会設置までの経過

 

 6月定例会開会中の7月10日、自民党市議団は、河口市長、小林善録氏、臼井市議の三者が、本年1月26日、市内中央2丁目の大森旅館において会談し、この席上市長は、臼井市議の市政に係わる疑惑の調査は中止すべきだとの申し入れを行い、たまたまこの会談に同席していた小林氏は、暴力団稲川会川上組の幹部であったため、臼井市議は無言の圧力により調査を中止し、3月定例会の代表質問を取り止めたという趣旨の発表がされ、一方、これに対し、河口市長、及び小林氏は臼井市議と自民党市議団の発表は全く事実無根であり、市長を陥れるための政治謀略であると反論し、にわかに1月26日の会談の有無と調査活動の圧力問題が論議の焦点となり、自由民主党市議団は各党派に特別委員会の設置を呼びかけたが、時期尚早であるということで定例会は閉会となりました。

 

 その後この問題が世論で大きくクローズアップされたため、7月18日三者会談の有無と圧力問題について、議員26名によって、「甲府市政に係わる三者会談の真相調査について」を付議事件として、臨時会の招集請求がされ、これが解明のための特別委員会が設置されたのであります。

 

 以上が事件の発端であり特別委員会設置までの概要であります。

 

 次に委員会審査の概安は、

 

 特別委員会は8月8日から29日までの間12日間にわたり河口、臼井、小林の3証人及び丹沢市長車運転手、大森族館の関係書2人の計3名を参考人として訊問し、また、これらの証言の裏付け資料として、大森旅館に対する支出命令書、市長の行動を証明するための運転日誌等の記録提出を求め、精力的に事実解明に取り組んだのであります。

それらに対する証言は次の通りであります。なお、委員会審査日程及び証人、記録提出等の内容は別紙の通りであります。

 

 まず、河口親賀証人の証言要旨は

 

〇1月26日の会談の有無と圧力問題について

 

1 三者会談は市長失脚のための政治謀略であり、事実無根のねつ造されたものである。

 

2 この日は4時頃から8時30分までの間、山交、江くぼ寿司、三陽温泉、三井フードで行われた各新年会に出席をしていた。

 

3 もみ消し電話はかけたことはない。

 

○小林善録氏との関係について

 

1 冠婚葬祭の席上で会う程度で、普段の交際は全くない。

 

○大手業者の市政介入について

 

1 市内の大手業者(早野組、訊問で名指し)が暴力団稲川会を背景として、市政に介入した例は数件ある。具体的には、人事問題2件、入札問題が数件ある。

 

○三神辞任問題の3条件について

 

1 三神辞任問題は、市議会議員の5期会が行ったことで、そういう事実があったと私も聞いている。その時のメモは私が5期会の代表宅で書いた。その意味は、市政全体では反省することもあるということである。

 

  臼井成夫証人の証言要旨は、

 

○1月26日の三者会談について

 

1 本年1月26日の会談は、開始から終わりまで約1時間、8時から9時までと記憶している。また、セットしたのは伝え聞くところ、市長側が最低1名、小林側が最低1名関与したと言われている。

 

2 その会談に臨んだ理由は、市長も公人、私も市議会議員であり、その両者がある第三者を介さなくても、いつでも会えるわけだが、あえて小林さんの立場を考慮せざるを得ないのが当時の私の心境であったので会談に応じた。

 

3 三者会談を証言する者は、複数の者がおります。

 

 この複数の者は、私が現在河口市長を刑法の強要罪で告訴しており、私の告訴事件にとって重大な問題であるので証人名は言明を避けたい。

  証拠については、私が7月10日以前に入手した甲府市の支出命令書がある。

 

4 7月10日朝、河口市長より「今、マスコミの記者が私の所へ来て、1月下旬に河口、臼井、小林氏の三者会談があったであろうということを追及されたので、そのような事実は全くない。市長ともあろう者がそんなことをするわけがないではないかと言ってしかって追い返した。

ついては、臼井さん、今大森旅館にも1月26日に会談がなかったようにせよと手配した。あなたもそのことを承知して会談はなかったことにしてほしい。」という電話の要請を受けた。

 

5 私が圧力を受けたと感ずれば当然圧力である。

調査していた内容については、

 福祉センター用地の買収に係わること外10項目である。

 

6 この会談について5ヶ月余り沈黙していた理由と、公表することになった理由、まず暴力団の大幹部まで自己のために利用できる河口市長及びその背景について恐怖を感じていたこと。

 

2つ目は、三者会談において市長は今後批判を受けるような行政執行及び政治的言行は厳に慎むという趣旨の約束が言明され、さらに野党の自民党市議団といえども、十分建設的プランは尊重してまいるという約束がされたことが5ヶ月伏せておいた理由である。

公表した理由は、三者会談後、これら私に対する密室の約束と言われていることがあまりにもその後守られていないこと。私自身が密室政治に云々という批判を世間から受けるため、さらには電話による隠滅工作が行われたためである。

 

〇7月に早川武男議員宅で行われた会談について

 

1 日時は7月3日月曜日、午後4時前から約30分以内、目的は小林氏が関係するA工業下請の件で早川武男議員に合わせる約束を履行したものである。

 

○小林善録証人との関係について

 

1 知り会ったのは市内の飲食店だと記憶している。確か,51年の秋頃一緒に居合わせた誰かが小林さんを紹介してくれた記憶がある。

 

2 私は少なくとも、この事件に関係したこと以外、小林さんと飲食をともにしたことはない。

 

3 過去、選挙の応援をしてもらった事実は全くない。

 

  小林善録証人の証言要旨

 

○1月26日の三者会談について

1 本年1月20日頃、河口市長から依頼されて、臼井証人に会って話したいといった電話をしたことはない。

 

2 本年1月26日に大森旅館で河口市長、臼井議員と会談したことはない。これは茶番劇である。従って臼井議員がこれ以上調査を続けると危害を加えるという態度をうかがわせたことは全くない。

 

〇7月に早川武男議員宅で行われた会談について

 

1 この会談は、7月2日に臼井証人から連絡があり、7月3日に行われた。

 

2 その内容は、仕事の話が全くなかったとは言わないが、市長を引きずり下すとか、市長の息子さんが業界を廻っているとかいう話であった。

 

3 この会談が1月26日の会談にすり替えられたものである。

 

○臼井証人との関係について

 

1 知り合ったのは3年位前、夜、ダイエーの前で市議会に立候補するからよろしく頼むということで会ったのが最初で、その時はあいさつ程度で終わった。

 

2 選挙の応援については、たいした応援はしなかったが、応援する約束はした。

 

3 臼井証人とは中央1丁目のクラブで2度、山梨大学附近のスナックで1度飲食をともにしたことがあり、その際の費用は自分が支払った。

 

○河口証人との関係について

 

1 冠婚葬祭の時に会う位で、ほかにつき合いはない。

  また、丹沢芳広参考人の回答要旨は、1月26日に大森旅館に行ったことはない。

 

 次に、大森とみ子、梅沢陽子参考人の回答要旨は、

いずれも1月26日のことについては知らない、覚えがない。とそれぞれ証言及び回答がありました。

 

 また、記録については1月26日の支出命令書、支出負担行為決定書の2通は、いずれも原本を墨汁で汚染したため、全部または一部を破棄し、復元したものであることが明らかになりましたが、臼井証人より提出された原本の写しのコピーと内容が一部異なっていることが判明し、問題となりましたので、委員会は保坂収入役、深沢市長室長等からこの間の事情説明を求めました。

 

この件については、自民党委員から文書偽造等で告発すべきだとの意見が出されましたが、議会の権限外であるので議題として取り上げるまでに至りませんでした。

 

以上が委員会調査の経過でありますが、3証人及び参考人の証言は全く相反したため、委員会は正副委員長を警察当局、及び臼井議員宅に派遣して、確実な目撃証人の明示を求める等、事実解明に全精力を傾注したのでありますが、警察署長からは、証人については発表したことはない。

また臼井議員からは複数の証人がいるが、告訴中であるので明言は避けたいとの回答があったため、これ以上の調査は議会の調査権の範囲では、事実上困難な状態に立ち至ったのであります。

 

 またこの間武川委員より県警本部長及び前甲府署長を証人喚問すべきだとの提案がありましたが、多数をもって否決されたのであります。委員会としては、これらの事情を踏まえ、各委員に総括的な意見の集約を求めたところそれぞれ次のとおり意思の表明がありました。

 

  まず内藤幸男委員(市政クラブ) からは、

 

1 調査項目について鋭意その解明に努力してきたが、河口証人、小林証人、臼井証人の証言は全く平行線であり、臼井証人からの事実行為を証明する証言、証拠が民事訴訟法280条を理由に明解な答えがなかった。このような状況の中では当委員会の調査権限では解明できないので、従ってその解明は捜査当局に任せるべきである。

 

2 調査中派生的に出た問題については調査項目に関しての原因、背景の中に触れることはできてもその事実関係の白黒をつける調査は法的にできないという理由で、今後、議会活動の中でこの解明に努力すべきである。以上の理由から、会期は8月31日までとする。

 

3 人的証拠の他については、臼井証人からの聞き取りである程度事実関係が解明されたが、22日の証言と比較して変化をしていない。支出命令書の入手経路については、民訴法第280条の疎明理由は了とするもこの点が解明されなかったことは残念である。

 

  秋山慎次郎委員(自由民主党)からは、

 

1月26日の三者会談の究明については、目撃者の存在について、2人の警察官がいたという極めて信憑性の高い新聞報道もあることから、これが解明を主張し、動議を提出したが否決され、なお、別途解明途中明らかにされた公文書偽造、同行使、同毀棄の罪については、各党、各会派の賛成を得られず、やむなくわが党が告発したものであるが、十分なる審議をなぜしなかったという謗りは当然起こるべきものである。本件に関しては、その責任につき各党、各会派が当然甘受すべきものと思考される。

 

 次に臼井証人より明らかに証言せられた発言を封じられたとする11件についても、審議未了であり、当然当委員会の審議事項であるべきはずである。

しかしながら、当初わが党は期間として調査終了までを主張したが、容れられなかった。

このような経過の中で、当初より出現した市政の恥部については徹底的に解明すべきことを主張し、その全貌を市民の、前に露呈する姿勢と努力を傾けたが、その主張はことごとく退けられた。

したがって、わが党は本日急施案件を最出し、継続審議を主張します。

 

  風間良興委員(日本社会党) からは、

1 1月26日の三者会談によって圧力をかけられたとする訴えの問題については、これを肯定し得る客観的な要素を見出すことはできなかった。

 

  その第1の理由は、暴力団幹部を仲介として圧力をかけられたとするその相手方である小林氏とは、数年前から親しい仲であった。(選挙の応援その他を含めて。)

 

  第2はそのことを決定的に裏づけるものは、7月3日早川武男議員宅での第2次三者会談であり、このことはまぎれもなく圧力をかけられたと告訴までしたことに対する自分自身からの事実上否定であると断ぜざるを得ない。

 

  第3の理由は暴力団幹部と同席したとして河口市長を批難した臼井議員並びに自民党甲府市議団幹事長の早川武男議員自身自ら小林氏とかかわり合いがあったことを実証するものであり、これら議員の行動こそ批難されなければならない。

 

2 市長失脚のためのねつ造工作について

 

  7月3日の第2次三者会談の存在、7月10日以前に支出命令書コピーを秘密警察的に入手している事実、この2つの事実について、臼井議員自身から納得し得る何らかの説明がなし得なかったことはまぎれもなく、市長失脚のためのねつ造工作があったことを示すものである。

更に又、目撃したといわれる2人の幻の現職警察官の問題、大手建設業者からの不当介入の問題などについては、市長失脚工作と何らかの関係があったものと推測される。これらの問題の解明は9月議会で解明したい。

 

3 公文書変造等の問題について

 

  適切さを欠いたと思われるこれらの問題については、市民に不審の念を抱かせたことは事実であり、今後当局の責任において納得のいく説明を市民にすべきであり、保管されている公文書が外部に流出したことなどについてはそれらの該当職員に対する必要な行政措置をすべきである。

 

4 結論

 

1月26日の三者会談については、それを立証し得る何らの具体的な証拠、証人を見出すことが出来ず、訴えた臼井議員も明確に納得し得る説明をされなかったことは、誠に遺憾であり、訴えたこと自体、誠に不自然であり、不可解であったと言わざるを得ない。従ってこの問題についての最終決着については、警察当局の捜査の結果を待ちたい。

しかしながら、このことを訴えた臼井議員並びにバックアップしてきた自民党甲府市議団は、このように不確定な問題を公表し、世間をさわがせてきた責任は誠に重大であると言わなければならない。市長もまた、これらの問題を厳しく受けとめ、今後の市政執行に当っては厳正公平毅然とした態度で市政の執行を行うべきである。

 

  溝口一雄委員(公明党)からは

 

1 今回の調査は三者会談の有無と、それにより議員の調査活動に圧力が加えられたと言われるものの真相を明らかにすることであり、審議は十分今日までで出し尽くされたと思われる。これがため、議会よりわれわれが付託された調査は、ほぼ完了したと思われる。

 

2 三者会談における臼井君の実在するという証人も確証として明らかにならず、議会の調査活動も限界となった。これの解明は捜査当局で捜査中であるため、司直に任せる。よって、会期内に終わる。調査事項以外の件については、今後議会で審査する。

 

3 完全に、今後の問題を究明し、市民要望に応えたかったけれど、告訴までしているので、証人が明らかにならなかったのは残念である。更にこれ以上調査を続けても政争の具にされる恐れがあり、また、政治謀略があると思われるので議会活動の中で究明する。臼井議員が人手したコピーの経路についても、当局において調査し明らかにすべきである。

 

  武川和好委員(日本共産党)からは、

 

  三者会談は全く平行線でその有無は本特別委員会では判定は出来ないと考える。

 

  また、議員の調査活動への圧力の問題も証人喚問の中でも明らかになったように小林、臼井両氏から、かなり以前から相当の付き合いがあり、強要など立件出来る要素は全くないと考える。3人の証人による証言、2人の参考人による答弁、甲府警察署長からの事情聴取にかかわらず、三者会談の有無については、問題提起の臼井市議からなんらこれを実証する証人、証拠は出ずに終った。

特に29日の臼井市議に対する委員長質問で明確に「三者会談が行われた事実を警察関係者も知っていたという確証は私も持っています」と発言をしている。これは証人を知っているという事である。告訴人である臼井市議が、三者会談の証人、証拠を本特別委員会に提出及び証言を拒んだ事は重大である。

また、証拠物、コピーの入手経路も何んの理由もなく証言を拒否している。よって、民事訴訟法第280条に基づく証言拒否は、なんら正当な理由が存在しなく地方自治法第100条第9項に基づき告発することを冒頭に提案する。

 

 尚、特別委員会を通じての意見は次のとおりである。

1 河口市政が臼井市議を含め、密室政治に毒されていた。

 

2 早野組及び一部議員の執行権への介入が明らかになった。

 

3 より民主的な情潔な市政の確立には、これら密室政治、市政への介入については、当局は断固たる態度で臨むべきである。

 

4 三神元水道事業管理者辞任問題、土木建築請負契約問題で幾多の疑惑が出されたので、よって新たに調査項目を加え、会期を延長して十分論議を尽くし市民の前に明らかにする事が本議会の責務であると考える。

 

  以上が各党各派の委員の意思表明でありますが、委員会は武川委員より提出された臼井証人の証言拒否についての告発は多数をもって否決し、また、秋山委員及び武川委員から提出された会期延長を議長に申し入れる件についても、多数をもって否決、臨時会の付議事件である「甲府市政にかかわる三者会談の真相調査について」の調査は問題提起者である臼井議員から確実な証拠、証人の明示がなくこれ以上の調査は市政をいたずらに停滞させる恐れがあるため、事実上調査を終了するのやむなきに至ったのであります。

 

  以上報告を終わります。

 

 以上で報告を終わるわけでございますが、別紙等につきましては朗読を省略させていただきます。

 

 報告、終わります。

 

○議長(上田英文君)

 以上で報告は終わりました。

 

 ただいまの特別委員長の報告に対する質疑に入ります。

 

 質疑はありませんか − 柏原保幸君。

 

○柏原保幸君

 ただいま委員長の報告をお聞きをいたしまして、この三者会談の有無につきましては、もう連日の委員の御苦労には感謝を申し上げますけれども、市民といたしましては、大きな関心を持っておる問題点であるわけであります。委員会といたしましても、また議会といたしましても、この問題が解明できなかったということに対して、市民の不信感は強まっておるというようなことを報道もされております。

 

 私は、4、5点お聞きをしたいと思うわけでございますけれども、この最初に提案をいたしました、自民党から出された支出負担行為決定書、支出命令書等につきまして、何か原本が汚染をされて、そうしてあとつくり変えた。そうした原本を破棄し、そしてまた偽造とか変造だとかというようなことが、はっきりされたというようなことを聞いております。

そのことにつきまして、臼井証人が入手した問題だけに審議が集中いたしまして、この問題につきましては三者会談の有無の件についての大きな証拠になる問題であったろうと思うわけでございますけれども、このことについてどこまで委員会としては突っ込んだ審議をしたか、その経過を報告をお願いをしたいと思います。

 

 次の問題は、臼井証人が最後に証言をした三者会談の有無については、私としては警察当局が知っているということを確証をしておりますと、こういうことを申しております。

このことにつきまして、委員会といたしまして、自民党がこのことについて、臼井の証言はほんとうに重大な発言である。このことについて捜査2課、県警本部長に正副委員長が行って、その真相をただすべきだという動議を出したわけであります。

このことにつきましては、私は風聞するところによりますと、県警本部長も、捜査2課長も、大体の真相ははっきり説明をする用意があるということを、私は聞いておりました。このことについて、私ははっきりある程度のものはつかめるという期待を持っていたわけでありますけれども、このことの提案について委員長はいかに取り上げ、何のためにそれを否決されたのか、2点についてお答えを願いたいと思います。

 

○三者会談特別委員長(石川達朗君) 

当局におきまして提出されました証拠の扱いにつきましては、先ほど報告いたしましたように、それぞれ担当の深沢市長、及び生山主幹を呼びまして、その経緯を質したわけでございます。

一応調査したわけでございますが、それ以上決め手となる御判断は質問された柏原議員の御判断であるわけでございまして、委員会といたしましては、一応汚染されたという経緯を聞いたわけでございますが、いずれにいたしましても原点が違っておると、やったか、やらないかという初歩的な違いであると、それをまず解明しなければならないというような考えのもとに、委員会は協力を、その原点解明のために傾注したというような経過でございまして、一応先ほど御報告のとおり支出負担行為決定書とか、支出命令書とについては一応報告したとおりでございます。

 

 それから臼井議員が訊問のときに、証人は警察官であるということは、警察当局も知っておるということを最後の訊問のときにおっしゃったと、それをなぜ委員長取り上げなかったという質問でございますが、この問題につきましては当然委員会では取り上げまして論議したわけでございますが、その前に私ども甲府警察署長と面談いたしまして、窓口はとにかく甲府警察署長になっておる、臼井証人が新しい証人名とか、そういうような新しい事態を言うならば、それを根拠として警察は調査をするというようなことは、警察署長は再々言われたわけでございます。

臼井証人が言われました発言内容につきましては新しい発言は何らなかったというような関点のもとに委員会では自民党議員のおっしゃる県警本部長の方へはいかなかったと、以上の経過であったわけでございます。

 

○議長(上田英文君) 

柏原保幸君

 

○柏原保幸君

 ただいまの答弁をお聞きをいたしましたが、何がゆえに偽造をしなければならなかったのか。そうしたことはある程度突っ込んだ審議をする必要があったというように強く感じておるものであります。

特にまた、まだ会期がきのう、きょうと残っているにもかかわらず、あくまでも徹底的に追及するということであるならば、県警本部長、または捜査2課長等会って、そしてそうした真相を聞く必要があった。それをあえて審議を打ち切ったというところに幾分私としては疑惑が残るこういうことで質問したわけでございます。

 

 次に、大体委員会の内容の中で質問をしたいと思いますけれども、市長の証言の中で、特に早野さんが暴力団の力を借りて指名介入に圧力を加えたと、こういう重大な発言があったわけであります。

このことにつきましても調査特別委員会といたしましてもそれがはっきりしたわけでありますので、私といたしましては、また自民党としては、この問題は早野さんを証人かまたは参考人として呼んで、真実を私は明らかにすべきだったと、このことについてどういう審議をしたか。

 

 なお2点といたしましては、特に河口市長証言によりますと、3条件の問題について、その問題はある程度の答弁はいたしましたけれども、内容については5期会の代表者の方がよく知っている。だから5期会の代表にその真相を聞いてくれと、そういうことを何回か申しております。

そうした証人の答弁の中で、それを取り上げて5期会代表から、特にまた早野さんが関係したひとつの3条件の問題について私は解明すべきだったと。何がゆえにそうしたことをしなかったのか、その点2点。

 

 そうしてあと1点といたしましては、一度に申し上げます。この調査特別委員会が、委員が決定をして開催中にある委員3人が市長のうちへ行って話し合ったということが報道されております。市民といたしましては大きな疑惑を持っております。

特にまたきょうの新聞を見ますると、何か自民党が検事であとは弁護士だというようなことまで書かれておる。この問題について私たちといたしましては、3人の委員がそうした厳正中立の立場でそういう関係の人たちのところに行くということは、特に疑惑を生む、委員としての見識を疑うと感ずるが、委委員長はこのことに対してどのような態度をとったか。

 

 あと最後に、きょうあたりお聞きをいたしますと、県議会が始まると、県議会議員から質問があって本部長が質問を受けるであろう、そしてその問題に対して答えなければならないようなことが起きてくるではなかろうか、そのときに3人のうちでだれかが偽証しているということがはっきりするではなかろうか。

そうした場合に委員会としては偽証罪として委員会が訴える意思あるのかどうか。いままで申し上げた点についてお聞きをいたしたいと思います。

 

     (風間良興君議事進行と呼ぶ)

 

○議長(上田英文君)

 風間良興君

 

○風間良興君

 ただいまの自民党の柏原議員の発言の中で、支出命令書について関連をして公文書について質問であったわけでありますけれども、その中で何がゆえに偽造をしたんだと、こういうことを言っているわけでありますが、何がゆえに偽造をしたという断定がついたわけです。

少なくとも調査特別委員会としては偽造だという断定はしてはおらぬはずでありまして、後ほど委員長が答えるでありましょうけれども、議事進行の意見では、少なくとも何がゆえに偽造をしたんだという断定については容赦ない発言だと思いますから、その断定については柏原議員から取り消しをしていただきたい。

以上議事進行の意見を申し上げます。

 

○議長(上田英文君)

 柏原保幸君

 

○柏原保幸君

 私は自民党の調査特別委員3人あります。経過の報告の中で、委員と議会としては、一応これは本当にもう原本とは違うと、こういうことをほとんど認めたと、こういう報告を受けた中で発言をしておったことを御了承願いたいと思います。

 

○議長(上田英文君)

 風間良興君

 

○風間良興君

 私の方は柏原議員の発言を取り消してもらいたいという、そういう議事進行の意見を申し上げておりますから、議長の方でお取り計らい願いたいと思います。

 

 理由としては、公文書の問題については、特別委員会としてはその調査の権限外であるから、事務当局の方にその辺の扱いはやってもらうということで終わっているわけであります。

ですからこの偽造の点については、自民党の議員団がすでに甲府警察署に告発をしているようでありますので、それは自民党の議員さんがやっていることでありまして、特別委員会としては偽造だという断定をしておらぬわけでありますから、偽造だという断定をするとすればこれは容赦ないことだと私は考えますから重大な発言です。

偽造だという断定の発言について取り消しをすべきだと、こういうことを申し上げております。議長の方でその辺の扱いをお願いをしたい、こういうことであります。

 

○柏原保幸君

 私の発言につきましては、偽造という疑いで一応自民党としては告発をしたということでありまして、一応委員長に質問をしております。委員長に答弁を願います。

 

○議長(上田英文君)

 柏原保幸君に申し上げますが、偽造ということばは取り消さない、こういうことでございますね。

 

○柏原保幸君

 はい。

 

〇三者会談特別委員長(石川達朗君)

 答弁でいいですか。

 

 公文書扱いにつきましては、先ほどお答えしたとおりでございまして、自民党といたしましては、告訴されたわけでございますが、委員会といたしましては、これは告訴する必要がない。権限外のことであるということで、先ほど御報告のとおりの扱いでございますので御了承いただきたいと思います。

 

 また、委員長見解ということをだいぶお尋ねのようでございますので、委員長見解ということになりますと個人のことでございますので、なるべく私避けたいと思いますが、その点も御了承いただきたいと思います。

 

 早野さんをなぜ招喚しなかったのかという質問に対しましては、これは調査項目には入らないというように私ども見解取っておりました。

ということで、とにかく先ほどもちょっと申し上げましたですが、直接的にやったかやらないか、あったかないかということを解明しよう。それさえ解明すればすぐに解決するんじゃないかということで、限られた短い期間、委員会は総力を傾注して、この問題解明に取り組んだわけでございます。そのように御理解いただきたいと思います。

したがって、第3問でございます3人の議員さんが、市長さんのお宅へ行ったとかどうかという問題につきましては、委員長見解をここで申し上げるまでもないことだと思いますので、委員長見解は失礼さしていただきます。

(柏原保幸君「あと1点答弁漏れ、だから臼井を含めて3人の方々の偽証罪がはっきりした場合は、委員会としてはどうするかと)

 

〇三者会談特別委員長(石川達朗君)

 もちろん委員会は、きょうに終わって解散するわけでございますが、偽証は、これは刑事上の犯罪でございますので、委員会でなくとも議会人といたしまして、当然この犯罪が解明された時点におきまして、議会として告発しなければならないという、こういう考え方を持っております。委員会としてじゃなく、議会人としてそういうような考え方を持つべきであるという考えであります。

 

○議長(上田英文君)

 ほかに質疑ありませんか。

 

 これをもって質疑を終結いたします。

 

 これより本件を採決いたします。

 

 本件は特別委員長の報告のとおり承認することに御異議ありませんか。

      (「異議なし」 と呼ぶ者あり)

 

○議長(上田英文君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって日程第3は特別委員長の報告のとおり承認されました。

 

 以上をもって本臨時会に提出されました議案の調査を全部終了しましたので、会議を閉じ8月臨時会を閉会いたします。

 

      午後6時34分 閉会