昭和57年12月甲府市議会定例会議事日程 (2)

昭和57年12月13日 (月) 午後1時

  報  告

第1  議案第109号 昭和57年度甲府市一般会計補正予算(第5号)

第2  議案第110号 昭和57年度甲府市公益質屋事業特別会計補正予算

            (第1号)

第3  議案第111号 昭和57年度甲府市国民健康保険事業特別会計補正

            予算(第1号)

第4  議案第112号 昭和57年度甲府市下水道事業特別会計補正予算

            (第2号)

第5  議案第113号 昭和57年度甲府市交通災害共済事業特別会計補正

            予算(第1号)

第6  議案第114号 昭和57年度甲府市老人保健事業特別会計予算

第7  議案第115号 昭和57年度甲府市農業共済事業会計補正予算

            (第3号)

第8  議案第116号 町の区域の変更について

第9  議案第117号 甲府市特別会計条例の一部を改正する条例制定に

            ついて

第10 議案第118号 甲府市市立学校設置条例の一部を改正する条例制定に

            ついて

第11 議案第119号 甲府市老令者療費助成金支給条例の一部を改正する

            条例制定いついて

第12 議案第120号 甲府市重度心身障害者医療費助成金支給条例の一部を

            改正する条例制定について

第13 議案第121号 甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定に

            ついて

第14 議案第122号 甲府市家庭奉仕員派遣手数料条例制定について

第15 市政一般質問について

 

(出席議員)

早 川 光 圀君

中 込 孝 文君

岡     伸君

堀 内 光 雄君

堀 口 菊 雄君

鈴 木 豊 後君

飯 島   勇君

小 林 康 作君

原 田 正八郎君

小 林   匡君

堀 込 徳 一君

中 西   久君

長 瀬正左衛門君

樋 口 精 一君

三 井 五 郎君

込 山 貴 雄君

福 島   勇君

宮 島 雅 展君

千 野   哮君

富 永 政 男君

塩 野 褒 明君

武 川 和 好君

岡 田   修君

臼 井 成 夫君

伊 藤 常 八君

内 藤 源 一君

小 沢 政 春君

土 屋   直君

小河原 正 平君

山 中 繁 芳君

秋 山 慎次郎君

内 藤 秀 治君

早 川 武 男君

小 沢 綱 雄君

 

 

                                 34名

 

(欠席議員)

市 村 輝 男君

市 川 正 雄君

上 田 英 文君

 

                                  3名

 

職務のため議場に出席した事務局職員の氏名

事 務  局 長  臼 田 茂 治君

総務担当主幹  山 下   久君

庶務担当主査  渡 辺 杭 二君

調査担当主査  神 沢 文 雄君

議事担当主幹  平 嶋   泰君

議事担当主査  功 刀   尊君

議事担当主査  今 福 栄 一君

記録担当主査  天 野 忠 幸君

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

市     長  河 口 親 賀君

国体準備室 長  飯 尾   和君

助     役  三 神 俊一郎君

中央卸売市場長  中 込   勉君

収  入  役  古 屋   昭君

市立甲府病院長  石 井 次 男君

市 長 室 長  入 倉 芳 幸君

 〃 事務局長  保 坂   一君

調整管理部 長  河 村 利 男君

教 育 委員長  飯 室 甫 邦君

企 画 部 長  神宮寺 英 雄君

教  育  長  楠   恵 明君

総 務 部 長  植 田 太 六君

教 育 次 長  近 山 滋 郎君

市 民 部 長  中 島 省 三君

水道事業管理者  新 藤 昭 良君

社 会 部 長  吉 岡   典君

水道局業務部長  中 込 忠 雄君

福 祉 部 長  高 野   肇君

 〃 工務部長  三 沢 国 義君

環 境 部 長  山 本   貢君

選挙管理委員長  二 木 康 孝君

経 済 部 長  荻 原 克 己君

代表監査委 員  小 林 一 彦君

建 設 部 長  赤 池 昭 之君

公 平 委員長  清 水 一 郎君

都市開発部 長  丸 山   忍君

農業委員会々長  土 屋 活 郎君

下水道 部 長  高 橋 信 靖君

 

技術管理室 長  志 村 泰 介君

 

 

     午後1時04分 開議

 

○議長(中西 久君)

これより本日の会議を開きます。

 

 報告事項を申し上げます。

 

 固定資産評価委員上杉 要君は、一身上の都合により本日欠席する旨の届け出がありました。

 

 以上で報告を終わります。

 

 これより日程に入ります。

 

 日程第1から日程第14まで14案及び日程第15市政一般についてを一括議題といたします。

 

 これより上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 

 この際念のため申し上げます。

 

 質疑質問については申し合わせ事項を遵守され、重複を避け、簡明に願います。

なお当局答弁もその趣旨を十分把握され、簡明率直にされまして、議事進行に御協力を願います。

 

 発言通告者は8名であります。

 

 各会派別の発言順序は、今期は日本共産党からであります。

 

 お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。

 

 最初は日本共産党の岡田 修君。

 

 岡田 修君。

 

      (岡田 修君 登壇)

 

○岡田 修君

12月定例会にあたりまして、日本共産党を代表して提出議案並びに市政一般について御質問いたします。

時間の関係上、質問を簡潔に行いますので、市長におかれましても簡潔、明瞭な御答弁をお願いいたします。

 

 まず、市長の政治姿勢についてお伺いいたします。

 

 「政治倫理の確立」と「増税なき財政再建」を掲げて登場した鈴木前首相は、国民の不信の高まりの中、安定勢力を持ちながらもみずから政権を投げ出すという、意外な結末に終わりました。

かわって登場した田中、失礼中曽根首相は、すでに破綻した鈴木政治の継承を、全く無反省に唱えております。

新内閣に対する国民の支持は、発足当初から大変低い支持率となり、国民にとって戦後最悪の内閣となりました。

支持率の低い大きな原因としては、1、ロッキード裁判に備えた組閣であったこと、2、憲法改悪の準備を進めるといってきたこと、3、軍拡と福祉切り捨てを断行する臨調答申を、最大限に尊重するとしていることなどにあると思われます。

 

 地方自治との関係で言えば、すでに鈴木内閣が具体化した老人医療費の一部有料化と人事院勧告の凍結があります。

12月県議会の動向を見ますと、望月知事はこれらの問題について、全体として国の方針に従う方向で答弁をしております

新内閣の方針から見ますと、今後一層露骨なやり方で地方自治への干渉があると思われますが、市長は20万市民とともにつくり上げた甲府市の福祉を、どのようにして守っていくのか、その所信をお伺いいたします。

 

 今議会には「甲府市の老人医療無料制度を守る会」「新日本婦人の会甲府支部」の2団体から、1万853名の署名を添えて、老人医療費無料制度の存続を求める請願が出されております。

請願の趣旨は、甲府市の65歳以上の医療無料制度を継続、維持して老人に自己負担をさせないように進めてもらいたいとするものであります。

市長は、今議会に「医療費助成条例の一部を改正する条例」を提案し、市独自の老人と障害者への福祉を守る一定の努力を示されております。

これは、老人や自覚的民主勢力の医療費無料化存続運動の反映、市長の革新性として一定の評価を与えられるべきものでありますが、国会での政府答弁にもありますように、市が独自に医療費の肩がわりをしても、それに対する制裁措置はとらない、とされていることから見て、今回、老人医療費の一部負担の肩がわりを全部市が行うことができるのではないかと思いますが、なぜそうしなかったのか。

 

 すでに名古屋市では、現行の無料制度の存続と70歳以上の方には、1ヵ月4千円の健康管理手当を支給することが決定されております。

甲府市は、全国の自治体に先がけて、この名古屋市よりも進んだ福祉を確立していたわけですから、なおさらこの時期にがんばることが必要だったと思います。

市の財政規模から考えても十分やれるのではないかと思われますが、この点重ねてお伺いいたします。

 

 老人保健法の成立により、一方で保健事業が重視されたことはよいことです。

すでに本市は先どり行政でやってきた部分があるわけですが、改めて評価をされたものであります。

ところでこの保健事業は5年間の経過措置があり、医療費の有料化はどんどん進むが、保健事業は手抜き状態が続くおそれもあります。

当面、市は健康手帳の交付、保健婦の増員や訪問看護あるいは老人性痴呆症対策など、具体的にどのような対策を考えておられるのか、お伺いいたします。

 

 人事院勧告の完全実施については、本市職員組合の皆様からたくさんの手紙を受け取りました。

いずれも生活費の値上がりから、生活で苦労している実態が訴えられております。

また同時に、人勧は本来国が完全実施すべきものだという主張が貫かれております。

甲府市議会は9月定例会で政府と国会に対し、人勧の完全実施を要求する意見書を提出しました。

その後10月には、県人事委員会が地方公務員の給与改善の勧告を出しております。

いつもの年ですと、本市もこれに準じて給与改善をしているわけです。

本市の当初予算でも、このことについて一定の予算措置が講じられているわけですから、市長がやろうと思えば今回できるわけです。

今議会に対する市長の提案説明の中では、この人勧のことについて何も触れられていないのは一体どういうことなのか、年の瀬を迎え、一刻も早く差額の支給を待ちわびている職員の皆様にかわりましてお伺いいたします。

 

 次に、区画整理事業についてお伺いいたします。

 

 朝気地区の区画整理事業の凍結に続いて、隣接する城東地区、寿、宝地区の区画整理事業に反対する住民の動きが活発になりました。また区画整理事業推進派の動きも活発になり、双方から市長、議会への陳情と請願が相次いでおります。

私は、区画整理のような公共事業、地域の環境整備に対して、住民の間で対立が生まれるということの中に、何か割り切れないものを感じるものです。

反対している人々の第一の理由は、言うまでもなく減歩です。

公共用地である幹線街路――これは主として地元の人のためのものではありませんが、また公園などをつくるために個人の土地を無償で提供する、あるいは精算金を支払うということ、このことが憲法に保障する財産権の否定につながるというものであります。

 

 この考え方の中には、幹線道路の建設などは本来、国が責任を持って行うべきで、住民負担をさせるべきでないという近代的な権利意識があると思います。

城東、寿・宝両地区とも無秩序な状態で人家が密集し、劣悪な住環

境となっていることは事実です。

本市は、大規模地震対策の指定地域でもあり、一たん災害が発生すれば大変な事態を招くおそれがあります。

いずれ、甲府市の市街化区域全域について、区画整理事業は遅かれ早かれ必要なものであります。

問題は、公共施設の整備を住民への押しつけでなく、住民本位の町づくりとして実施するかどうかです。

 

 したがって、事業計画の中には、公共施設としての道路や公園のほかに、地域来客用の駐車場、公共下水、都市ガスなどの同時施工、準公共施設としての地域商店街の振興計画、地域集会場、地域医療計画等が含まれることが必要です。

また住民の権利擁護のためにはノー減歩、ノー精算金にできるだけ接近しなければなりません。

換地については住民の生活実態にあわせるとか縄延び対策、私道対策など住民の諸権利の擁護、移転、補償についても曳家、解体移築、一部除去、特別移築など十分な補償が必要と思います。

 

 先般、名古屋、北九州などに次いで区画整理事業の進んでいる群馬県前橋市の実態を調査してまいりました。

ここでは「付保留地買戻し方式」という前橋方式をとり、過少宅地は200平方メートル60坪、建設省への届け出の公称の減歩は25%ですが、市民の実質減歩は0%、市民に十分な説明がよく行われており、どの地区でも好評のうちに事業化をされています。

人口26万ですが、都市の形態やまた独自財源などで同じように事業化するのは無理かとも思います。

住民本位の町づくりという点に、市当局が立脚しているという点で、大変参考になるものだと思います。

市長はこの間の状況等にかんがみ、区画整理の甲府方式を考えるおつもりはありませんか、お伺いいたします。

 

 次に、大型店の出店規制についてお尋ねいたします。

 

 最近の新聞報道によると、甲府市内への大型店の出店拡張計画が相次ぎ、これがそのまま認可されれば既存の小売商店の生存権が脅かされようとしています。

計画の主なものは、岡島の売場面積2倍化、山交の4倍化、出店計画では、ひうが下飯田店7,000千平米、オギノ中小河原店6,000平米、ダイタビルオギノ23,000平米、甲府駅ビルの商業施設、西武やダイエーの増床等々であります。

 

 通産省は1月、全国的な大型店出店ラッシュに対する中小業者の強力な反対運動を反映して、1、イトーヨーカドーやジャスコなど特定大型店の出店届け出、2、すでに大型店が相当水準に達している地域への出店届け出―これは甲府が当たります。

3、小規模市町村への出店届け出、これらについては特に抑制する指導を強めております。

この結果、全国的な大型店の出店申請は大幅に昨年よりも減少しております。

ところが、市内を見ると大型店戦国時代突入といわれるほどの出店届け出ラッシュです。

先ほどの市内の大型店進出、増床計画によれば甲府市の小売店舗に占める大型店のシェアは、全国的にもまれな90%台と試算をされています。

市長は、市内小売商店の生存権を守るためにも、核兵器廃絶平和都市宣言に次いで大型店の出店増床の凍結宣言をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

 また、大型店の同一資本系列であるいわゆるチェーン店、コンビニエンスストアについては、300平米未満であっても規制の対象にすべきだと思いますが、この点についてもお伺いいたします。

 

 次に教育行政について若干の質問を行います。

 

 就学援助金の支給について、銀行振り込みを来年度から実施することを検討していると、これまでの御答弁がされておりますが、どの程度進んでいるかお尋ねいたします。

 

 これは、ある中学校の例ですが、富士吉田へのスケート教室に行ったわけですけれども、お金が2,500円1人当たりかかったわけです。

ある就学援助を受けている家産の子供が、先生から「あなたは50円だけ持っていらっしゃい」といわれて大変なショックを受けて、お母さんに「皆が2,500円持っていくのに、自分だけ50円というのでは行きたくない」といっているわけです。

また、同じ中学校の教頭先生は、ある場所で「就学援助を受けている家庭は堕落する」といっています。

これらは、就学援助そのものを正しく理解していないことのあらわれですが、この点教育委員会ではどのような指導をしているのか、お尋ねいたします。

 

 また、クラブ活動への就学援助への適用を検討中とのことですが、具体的に現在どのような検討をなされているのか、お尋ねいたします。

 

 本市の中学校の大部分と幾つかの小学校は、いわゆる学校の適正規模をはるかに越えたマンモス校となっています。

教育委員会では、適正規模を800人程度と考えられているようですが、これは多くても1,000人ぐらいでとどめるべきであります。

現在、市立南西中学校は1,706人、同じく国母小学校は1,218人で増加の一途をたどっている状況です。

急いで具体的な対応をしなければなりません。

そしてどの子にも行き届いた教育をする必要があります。このことについて、教育委員会はどのように考え、対応しようとしているのか、お尋ねいたします。

 

 次に、本市の誘致工業団地である国母工業団地への新日本グラスウール甲府工場の問題について御見解を求めます。

 

 国母工業団地は、昭和40年4月甲府市昭和町玉穂村の甲府地区開発計画の根幹事業として十有余年の歳月を経て、必ずや豊かな地域社会づくりに貢献し、秩序ある地域の発展が期せられておりました。

また、企業も実り大きなものをもたらすものとして事業は完成を見ました。

しかし、現在団地形成に協力した周辺地域住民に大変重大な事態が生まれて、住民は大変な不安と恐怖におののいております。

それは、新日本グラスウール甲府工場から発生する公害であります。

 

 この会社はガラスを原料としてガラス繊維をつくり、住宅及び設備用のグラスウール、断熱、吸音、保温材等を生産しております。

わが党の調査によりますと、この会社は労働基準法、大気汚染防止法等は全く無視し、ガラスの粉じんを付近に大量にまき散らし、地元との当初の約束は全く無視しております。

事態は重大です。

付近の通路、野菜、その他の農作物の表面は、ガラスの粉じんでキラキラ光っております。

空気中のガラスの粉じんが体内に吸収されれば、一体どういうことになりますか、病院長にお伺いしたいと思います。

この粉じんまき散らしの環境汚染基準は、一体どうなっているのか、地域住民の不安を一刻も早く解消するため、可及的速やかにその対応をすべく強く当局に求めるものであります。

 

 最後に「ふるさとをよくする会」の性格と運動についてお尋ねいたします。

 

 去る9月8日「甲府市ふるさとをよくする会」が結成されました。発起人は河口市長を筆頭に各界の名士31人が名を連ねております。

趣旨は、県都甲府市の発展を希求するためには、県の提唱するふるさとづくり県民運動と連動しつつ全市民が力を合わせてふるさと意識の高揚を図るとともに、県市一体化の実を上げるため、とされています。

 

 御承知のように望月知事の後援会「明山会」は、ことしの4月の総会で知事再選方途として県段階の「ふるさとをよくする会」を結成し、政治団体として選管に届け出るとともに、各市町村に「ふるさとをよくする会」をつくることを決定いたしました。

最初につくられた三珠町では「知事選再選方途」を揚げ、町長、議長を先頭にこの運動がとり組まれ、6月県議会で批判を受けると、今度はその後の市町村のすべての設立趣旨には「ふるさとづくり県民運動との整合」を揚げて、当初あった「再選の方途」を削除するやり方に変わりました。

境川村では、ついに公費を使って村の事業として行われたため、ついに村民から告発されるに至りました。

 

 以上のことから「ふるさとをよくする会」の運動が、単なる任意団体の設立運動ではなく、明山会による望月知事再選擁立の組織固めの事前運動である疑いが強いわけです。

この点、市長はどのように考えてこの運動を進めているのか、お伺いをいたします。

 

 12月15日、あさって結成が予定される「ふるさと政治連盟」は、県民批判の中で明山会、ふるさとをよくする会と、二転三転の衣がえの末つくり出された、望月知事の後援組織であります。

これは、相次ぐ汚職と腐敗事件による明山会のイメージダウン、告訴にまで発展したふるさとをよくする会に対する県民の批判の高まりの中で、新たな装いの必要に迫られているからにほかなりません。

わが党は、地方自治を破壊する県政私物化の策動を、厳しく糾弾するとともに、市長がかかる不正な選挙準備に参加しないよう要求するものであります。

 

 以上で第一弾の質問とさせていただきます。

 

○市長(中西 久君)

 市長 河口親賀君。

 

      (市長 河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 お答えします。

 

 行政改革に対する私の基本的な姿勢というお問いでありますけれども、国の行政改革に対します私の考え方については、かねてから私の所信として申し上げておるところでありますが、来年の3月には臨調の最終的な答申を受けて、一体国がどのような具体策を打ち出すかということについては、現状では予測はでき得ませんけれども、地方自治体にとっては大きな影響力があるではなかろうか、ということを心配をいたしておるところであります。

したがって、本市におきましては将来の展望に立ちまして、健全の財政運営の方向を確立しておく必要を感じておりますから、みずからの改革を進めておるところであります。

この基本的な考え方というのは、地方自治体の本旨に沿いました都市自治が確立されることを目指しておるのでございます。

したがいまして、国の方針に追従をするという考え方は毛頭持っておりません。

本市の独自性あるいは地域性というものを尊重をしたものでなければならないと、こう考えておりますので、そのように御理解をいただきたいと存じます。

 

 次に、老人保健法に伴います一部負担の導入の問題であります。あたかも後退をしたような御質問でありますけれども、御承知のように昭和49年に65歳以上の医療の無料化を実施をいたしておりまして、お年寄りの皆さん等には、あるいは市民の皆さんには非常に賛同をいただき、または共感を得ておるところであると私も考えておりますけれども、現段階におきましては新たな情勢、あるいは将来に向けましての社会的な負担の変化あるいは長期財政事情等見直す中で、これらに適合した総合福祉対策というものを、推進を図っていかなければならない、というのが考え方であるわけであります。

したがって、法律に基づきますことにつきましては、やはり一部負担の導入を行いながら、現在の65歳以上の助成制度というものは堅持をしていきたいと、こう考えておるところであります。

したがって、私はいま申し上げたように、そのこと自体は後退をしていないと考えておるわけであります。

 

 しかし、それだけをもってしたんでは、老人福祉はなお向上をするんだという私のかねてからの考え方もございましたので、寝たきり老人に対しましては助成をし、さらには医療費の一部負担が困難な老人、いわゆる弱い立場にある老人の皆さんには、できるだけ助成をしようということで制度を設けたわけであります。

その他独自の政策の中で老人の福祉の向上を行っていくわけでありますが、保健事業につきましても今後5ヵ年間の計画の中で痴呆症の問題、あるいは友愛制度の問題等々を、積極的に進めてまいりたいと、こう考えておるところであります。

 

 なおこのことにつきましては、今議会に御提案を申し上げてございますけれども、民主団体、その他の多くの団体の皆さんから御要望がございましたので、提案をする事前に各種団体の皆さんには御了解をいただいて、私が決断をし、市民委員会の意見もお聞きをいたしまして決定をいたしたわけでありますので、それぞれの皆さんもその点につきましては御了解をいただいた上だということを、御理解をいただきたいと存じます。

 

 人事院の勧告の問題でございますが、私は、基本的には人事委員会勧告制度というのは、最大限に尊重さるべきものだということを、私自体は考えております。

また9月の市議会におきましても、満場一致で人事院の勧告を完全に実施をせよという意見書が出されたことも、十分私も理解をしながら今後どのようになっていくかという情勢を見つつ、国、県あるいはほかの都市の動向を考慮する中で対応をいたしてまいりたい、こう考えております。

御理解をいただきたいと存じます。

 

 それから区画整理事業の問題でございますが、一番問題点になりますのは、やはり減歩の問題であることはお説のとおりでございます。

したがって、私は今後減歩の問題あるいは過少宅地の問題、あるいは家屋の移転の補償の取り扱い等々、十分勘案をしながらお説にありました甲府方式ということになるかどうかはともかくとして、独自のものを考えながら地域の皆さんの御理解と御協力をいただくような努力をいたしてまいりたいと思います。

何といっても賛成反対という御意見があるわけでありますから、地域の皆さんのコンセンサスを得ることが必要だということを前提にしながら、今後努力をいたしてまいりたいと思います。

前橋等の例もお示しをいただきましたので、そのことについても十分参考にさせていただくつもりであります。

 

 ただ私が率直にここで申し上げたいのは、県の文化ホールが完成をいたしました。

2,000人ないし700人というホールがあるわけでありますが、あすこに大ぜいの皆さんがいらっしゃる、そしてそれが終わったときのあの交通の状況、こういうことを考えましたときに、あすこも悪環境にあると私は思います。

したがって、交通を含めた災害の問題等を考えたときに、やはり区画整理事業はやるべきだというように私は考えておりますが、このことにつきましても、いま申し上げたように地域の住民の皆さんとのコンセンサスを得ることが前提であるということを念頭に置きながら、今後職員とともに努力をいたしてまいりたい、このように考えておるわけであります。

 

 なお城東地区につきましても、いま言ったような環境であります。甲府の刑務所を移転をいたした前提というのは、単に刑務所を移転をすることが目的であったはずではなかったはずです。

やはりあすこを核にして、あるいは琢美小学校を刑務所跡地に移転をすることによって、琢美小学校の跡地を核にして、あの地域の住環境をよくしていきたい、というのが念願であるわけであります。

これもまた寿、宝と同じように地域の住民の皆さんとのコンセンサスの必要は、十分承知をいたしておるわけであります。

今後ともそういう点については十分さっき言ったような3点を重点に考えながら、区画整理事業は進めるべきだというのが私の考え方であります。

どうぞその点そのように御理解をいただきまして、御協力のほどをお願いを申し上げたいと存ずるわけであります。

 

 次に大型店の問題でございますが、本年2月から当分の間、大規模小売店舗法を抑制的に運用することといたしまして、厳しい出店の自粛指導が続けられておったところでありますが、このたびお説にありましたように、出店概要報告書が提出をされたわけであります。

このことは通産省の届け出になっておりますけれども、このことが既存の中小商店に大きな影響を与えることは、お説のとおりであります。

一方地域の商店街の活性化に関連することでもありますので、本市商業の調和ある発展や都市の行政においても重要な問題でございますが、小売商業の生活の安定、あるいは消費者の利益の確保を考慮しながら、今後とも大中型店問題協議会の意見を十分聞きながら、慎重に対応をいたしてまいりたい、こう考えておるところであります。

 

 次に国母工業団地の新日本グラスウールの問題、このことについては私も十分承知をいたしておりまして、環境部と現地の詞査をいたしたこともございますが、いま質問をお伺いして「再びそんなことになったのかな」という感じを持っておるわけであります。

そういうことがあってはならないわけでありますから、今後ともその公害の問題等につきましては、環境部を中心にして十分グラスウールとの連携を取りながら、そのことのないような配慮をいたしてまいりたい、こう考えております。

 

 次に「甲府市ふるさとをよくする会」このことでございますが、この会は、県の提唱いたします「ふるさとづくり県民運動」と連動いたしまして、より甲府市の発展を図る、これが目的でございまして、一党一派に偏せず真に甲府の発展を願う各界、各層の市民の協賛を得てつくられたものでございまして、このことについては知事選には一切閑係がないと、私は認識をいたしております。

御承知のように望月県政に対しましては、私個人といたしましてい、まその業績というものを高く評価をいたしておりますし、また、現状県市一体化の質も上がっておると考えておりますので、そのように私が理解をいたしておりますので、そのように岡田議員も御理解をしていただきたいと思います。

 

 以上で私の答弁を終わります。

 

○教育長(楠 恵明君)

 教育関係のことについてお答えを申し上げたいと思います。

 

 まず第一点の就学援助の銀行払い込みのことでございますが、このことにつきましては、6月の市議会におきまして採択されました請願の趣旨を踏まえまして、この実施に当たりましてただいま保護者の意向、それから教育委員会と学校当局とにおきます事務の分担化、あるいは学校徴収金の未納が生じました場合の手続上の問題、

これらの問題等をただいま詰めている段階でございます。

これらについて十分な詰めを行いまして、その結果によりまして新年度から何らかの方法で銀行の払い込み方式をとってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

 

 それから第2点のこの就学援助費の支給につきまして、学校教師の対応につきましては、就学援助費の趣旨というものを十分に理解をいたしまして、その上に立って教育的な配慮がなされて、就学援助の円滑な運営ができるというふうに存じます。

したがいまして、お説にございましたような事例につきましては、十分にこれらの趣旨が円滑に実施できますように、今後強く指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておりますので御了解をいただきたいと思います。

 

 それから第3点でございますクラブ活動の援助費の支給でございますが、これにつきましては、国で定めてございます基準は御承知のとおりでございますので、それらの基準にのっとりまして、定められた種目に対して該当者に支給をしてまいるということで、新年度から実施をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

 

 第4点の南西部に位置します小中学校の大規模校の解消につきましては、それぞれ大規模校をできるだけ早く解消をしてまいりたい、という方向で用地の取得等につきまして大変な御協力をいただいておりましたり、また協議を重ねたりしている段階でございますから、これらの用地が取得できました段階において計画的に実施をしてまいりたいというふうに考えております。

今後それらの計画を進めてまいる所存でございますので、御理解をいただきたいと思います。

 

〇市立甲府病院長(石井次男君)

 ガラスの粉じんがまき散らされておって、その影響ということでございますが、長期にわたって呼吸器糸から体内に進入した場合には、いわゆる灰じん症を発生する可能性があると思うわけです。

したがって、量によりましては健康を障害することがあるというふうに、私、専門外ではございますけれども、そういうふうに考えます。

 

〇議長(中西 久君)

 岡田 修君。

 

○岡田 修君 

時問に制約がありますので、簡単に再質問させていただきますが、これまで市長も独自の甲府市の福祉策・これは全国レベルを抜くものがあるわけです。

これについて行政改革で上乗せ福祉だというような攻撃がありまして、盛んにそういう宣伝をされているわけなんですが、これは市民の立場に立って、ぜひ独自の福祉を守って、さらに豊かに発展させるように政治姿勢を貫いていただきたい、というふうに思います。

 

 現在、老人の問題については、これは大変な状態なんです。

いま対象となっている65歳以上というのは、実は日本の国のために尽くしてきっぱなしでありまして、戦争のときはのっけから参加している。協力している。

犠牲になりました。

財産もまた子供も提供している人たちです。

戦後は日本の復興のために心血を注いだ方々でありまして、この方々が老人になっているわけであります。

その人たちが何か肩身の狭い思いをしなきゃならぬというふうな状況がつくり出されてきたし、長生きするということは、人間の本来の希望でありましていいことなんですけれども、これが何か悪いことのような感じを受けておるんですね、というふうな攻撃がいまあるわけです。

 

 わが党は、参議院の段階でしたけれども、老人保健法の成立する前に自治省あるいは厚生省の担当者、あるいは大臣とに国会でもってずっと質問していたわけなんですけれども、これは本人から一部負担を取るのを自治体が肩がわりした場合、あるいは上乗せ福祉、これを市が独自に行っている場合、国としては制裁措置を取ることはできないんだと、いわゆるペナルティを与えることはできないんだということを、確認を取っていたわけです。

中央社会保証協議会ですか、厚生省の保健局長の見解をただしておりますけれども、ここでも保健局長は、本人から一部負担を取らなかったからといって、法律違反とはならないと、制裁規定がないというだけで、ただ法律の趣旨に添うようにひたすらお願いしているんだ、というふうな言い方で、結局は地方自治体に対し国の方針に従いなさい、上乗せ福祉はやめなさい、一部負担も取りなさい、というふうな形での攻撃をしているわけなんです。

 

 それに対して名古屋市では、先ほど言いましたように当面全国の地方自治体が態度はっきりわからないので、3月から6月までの5ヵ月間は、ちょうど国が一部負担として取り上げる分、今回患者が負担する分、この分は還元させようということで、70歳以上については月4,000円の健康管理手当を新設したと、これは5ヵ月間に限って、また所得制限も200万以下の人だそうですけれども、こうやって独自の方策を守って特に68歳から69歳の全面的な無料を、いわゆる本市のように条例の改正はしなくて現行どおり実施すると、こういうことを言っているわけです。

 

 先ほども言ったように、甲府市は国が全くそんなことに関心も示さないうちに、すでに昭和43年から始めて49年ですか、完全に65歳以上になったわけですけれども、その時代からもう先進を行っていたわけです。

今回国の攻撃が出てきたときに、これへ頭下げちゃならんというふうに私は思うわけなんです。

しかし、これは委員会で細かく質問させていただきますけれども、提案された条例の改正案について、詳しく質問させていただくわけなんですけれども、当面ここで大枠だけお聞きしておきたいんですけれども、初診料の1回400円、これを窓口無料にする考えはないか、あるいは入院すると1ヶ月9,000円になるわけなんですけれども、医療費の窓口無料をやる考えはないか、こういうことなんです。

これは1人暮らしの老人とかあるいは寝たきりの老人などが対象になっているわけなんですけれども、たとえば1人暮らしというのは、働いている方もあるわけなんです。それで職場を休んで、あるいはパートをやめて市の方へ400円果たして取りに来るだろうか。

北部で言えば山宮町の方が中央病院にかかって400円取られると、じゃ山宮町から来月甲府市役所までバスを使ってくるかどうかという問題があるわけなんです。

寝たきり老人の場合は、だれかが介護しているわけです。

この介護に当たっている人も、また容易にそこを離れることはできないわけです。

でありますから、窓口で無料にしない限り制度はあっても、利用されないおそれが非常にあるんです。

ですからこの窓口無料というのは、非常に大きな意義があるわけなんですけど、たとえばいま乳児の医療費無料化しておりますけれども、赤ちゃんが病気になって現在お医者さんにかかって、それは大量の金がかかれば、お母さんかお父さんが取りに来ますけれども、窓口無料でないために経費の医療については取りに来ないという実態があるわけです。

ですからその辺は金額の問題、それから質の問題、両面にわたりますけれども、やはり血の通った本当の市長の「うるおいのある心」の市政、これは建物のようには目に見えないものですけれども、しかし、そういうところに本当に血の通った行政が行われているかどうか、というところに政治姿勢があらわれるわけなんで、ぜひこの点、窓口無料に踏み切っていただきたいというふうに思うわけです。もし踏み切れないとすれば、それはどんな抵抗があるのか、どのようにそういう市の独自政策に対して、国が圧力をかけているのか、

具体的にそういう問題があったら、ぜひこの場でどんなぐあいにやられているんだということを、言っていただきたい。これは時間の関係で簡単に申し上げますけど、以上であります。

 

○議長(中西 久君)

 岡田 修君に申し上げます。

 

 すでに割り当て時間を経過いたしておりますので、簡潔にお願いします。

 

○岡田 修君

 大型店同士の戦国時代といわれるように、大型店がまさに倒れるか生きるかの、いまのまま続いていきますと、最後はそういうことになるんですね。

もちろん中小商店はみんな淘汰される。

ゴーストタウンといわれるニューヨークのように失業者は増大して、町にはあんまり人影がなくなるという状況が生まれるわけで、これは大型店同士の競争の問題としてもゆゆしい問題なんです。

ですからこの点本当に出店の凍結をする時期にあるんじゃないかというふうなことです。

 

 幾つか申し上げたいことがありますけれども、議長さんの方でそのようなことでありますので、以上で市長の見解を再度ただしで終わりたいと思います。

 

〇議長(中西 久君)

 市長 河口親賀君。

 

     (市長 河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 老人医療の問題については、見解は私と全く同じであります。

戦前、戦中、戦後御苦労かけた皆さんに、本当に心から感謝をするという気持ちで、かねてから老人福祉の向上を図ってきたつもりであります。

今度一部導入をしたということについては、先ほどお答えを申し上げたとおりでありますが、そのことは将来の財政事情等十分勘案をしながらそうせざるを得なかったということでありますが、それに私は、そうはしていただいたけれども、弱い立場の老人はお救いをすることが必要だということで、ああいう助成制度も設けたわけでありますから、ぜひその点で御理解をしていただきます。

老人クラブの皆さんも「結構であります」と喜んでいただいておりますから、一度お聞きしていただければ、岡田議員さんもよく理解ができるんではなかろうかと思います。

非常に今日まで御陳情等御努力をいただいたことに敬意を表しております。

 

 なお窓口無料化につきましてはよくわかります。

先だっても陳情が参りまして、バスで来ればこれだけ取られて、これだけもらうんじゃどうかと、そのことはよくわかりますけれども、法律の規定もございますので、また医療機関の関係もいろいろございます。

しかし、お説は私もよく理解をさせていただきますが、現状では窓口無料化ということは困難ではありますけれども、今後58年度以降の老人福祉の総合施策を策定をするときには十分検討をいたしてまいりたいと思います。

 

 なおペナルティの問題等々でありますが、国会では言っておるではないかと、こういっておりますけれども、なかなかそうはいかないと私は思っております。

口ではそういいましても、鉛筆の先をちょっと動かすと何億と変わってまいりますことも、いままで私がそういうことを、65歳以上を無料にしたときから、ペナルティとは決して言っておりません。

ペナルティではなくても国の方針に従わんではないかということの圧力というものは、目に見えないものがあることをぜひ御理解をいただきたいと思います。

 

 出店の問題につきましては、経済力の低い中でお説のとおりだと思います。

したがって、凍結云々という御趣旨でありますけれども、やはりこのことは協議会の意見等を十分聞いて、そのとおりでありますと、経済力の低いところでそんな過当競争があっていいのかどうなのか、ということを心配をいたしておりますことと、それから中小商工業に対する悪影響というものが、そのようにあるということを十分私どもは理解をしながら、今後協議会にもいろいろとお話しを申し上げて、意見が反映できるような努力をいたしてまいりたい、このように考えております。

 

○議長(中西 久君)

 次は新政クラブの千野 哮君。

 

      (千野 哮君 登壇)

 

○千野 哮君

 新政クラブを代表いたしまして、市政一般について質問をいたします。

 

 その前に、私の最も信頼をし尊敬をいたしておりました竹下県議の昨日の葬儀並びに告別式に際しましては、非常にお忙しい中にもかかわらず、河口市長には御出席をいただき、なおかつ弔辞をいただきまことにありがとうございました。

また議員を初め関係者多数の御参列をいただきましたことに対しましても、衷心より御礼を申し上げますとともに竹下先生の御冥福を心からお祈りをいたすわけでございます。

 

 まず、区画整理事業についての質問でございます。

 

 去る9月定例議会の中でも議論されました、城東地区寿宝地区の区画整理事業について再度質問をいたします。

 

 と申しますのは、いずれの場合も現時点で最も大事で絶対的な要件であります地域住民のコンセンサスが全く得られていないにもかかわらず、市当局の手により着々と同計画が進められているからであります。

コンセンサスどころか私どもの調査によりますと、同事業に反対する運動は、現在城東地区では60%にものぼり、また寿宝地区でも50%だと承知をいたしております。

これだけの多数の反対者がいるのに、なおかつ同地区の区画整理事業を実施をしようとする市当局の姿勢には少なからず疑問を禁じ得ないのであります。

さらに同区画整理事業の原点になったと言われております、両地区住民を対象としたアンケート調査についてもお伺いをいたします。

 

 城東地区の場合、また宝地区も寿地区もそうでございますが、住居及び周辺の生活環境調査を実施をし参考にしたようでありますが、その中に土地区画整理事業が実際行われた場合のあなたの考えはとの設問があります。

これに対し、賛成者は25.3%で、反対者は10.2%でした。しかしここで問題になるのは、十分に損失を補償してくれればという45%の存在を初め、近所の人たちが賛成ならの10.9%など、いわゆる条件付き回答者の扱い。

つまり胸の奥にかくれた本当の住民意識を当初市当局が十分に理解したか杏かであります。

街路事業と違い、補償の全くない区画整理事業でありますので、これらの条件付き住民層がいずれイコール反対派になるのは明白の理であります。

そうしますと、その数字は66.5%にものぼるのでもあります。寿宝地区のアンケート調査結果もほぼ同じと考えます。

賛成は29%で反対は6.4%でしたが、十分な補償があればの条件派が54.6%でありました。

これを前に述べた理由にあてはめますと反対派は61%になります。

以上、細かい数字を述べ恐縮でしたが、ここで強く言いたいのは両地区の区画整理事業に当初からアンケート調査結果の読みの間違いが存在し、混乱の火に油を注ぐ展開になったのではなかろうかとの疑いがあるからであります。

形式だけの、事実両地区の住民からは誘導盲従型アンケート調査との声さえ出ているほどでありますが、こんな調査を原点にしかも調査結果の数字を読み違えた上での減歩負担平均18とか、減歩率15%とかを称して市民の貴重な財産を一方的に奪ってしまうのではないか。

市民サイドに立脚する市政運営の標榜倒れになってしまいます。

9月市議会定例会で、市長はこの問題につき地域住民のコンセンサスを得ることが絶対的な条件と答弁しておりますが、今日までも9分に近い、いや逆に皆無ともいえそうな推移をいかに考えているかお伺いをいたします。

そして、さらにこれまで述べてきたような反対派の多い現状を率直に認め、このような状況下での当局は、住民のコンセンサスを得る自信があるのかどうか。

なければ私はすぐに中止すべきであると思いますが、その所見をお伺いいたします。

 

 次に新生活運動の推進についてお尋ねをいたします。

 

 御承知のように、わが甲府市民が支出する祝金、お焼香代、見舞金、餞別などの贈与金いわゆる交際費の額は、ここ2年間にわたり全国一だと言われております。

これに対応する一世帯当たりの年間消費支出が、全国主要49都市の中で36位に過ぎませんから火の車の中でのやり繰り家計の中から、おつき合いだけはと食事などを切り詰めて必死にもがき苦しんだ末の全国一でありまして、余りほめられたことではありません。

こうした実態に対し、各種の消費者意向調査や過日行われた甲府市消費者協会主催の「甲府市のおつき合いを考えるつどい」などから、市民の60%以上が交際費は負担になってきたと感じ、80%以上が今後のおつき合いは見直すべくときにきていると判断しているとみてまず間違いないようであります。

 

 漏れ伺いますところでは、河口市長の決して高くはないと思われます歳費も、そのすべてが冠婚葬祭費などのおつき合いのために飛んでしまうようですが、まことにもってお気の毒であり、心から御同情申し上げます。

 

 そこで一つ提案があります。

この際市当局が率先して、つまり行政がリーダーとなっておつきあいの実態を見直し、強力に新々生活運動の推進すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

橋とか建物とか道路などのものをつくるだけが行政ではありません。

じっくりと次の世代を考慮しつつ、しかも早急に必要以上の無駄なおつき合いを自粛する方向で、市民をリードする何らかの具体策を求め、全戸配布の月刊広報紙などで長期キャンペーンを展開するぐらいの度量も行政には必要なのであります。

 

 単なる一例ですが、市営火葬場の改築が完成すれば150人の収容可能な告別ホール、それぞれ100人収容可能な洋室と和室が市民に開放され、葬儀、告別式、初七日などの議式が安価で、しかも格調高く行えるメリットがあると聞いております。

いずれにせよ前に述べましたとおり80%以上の市民がおつき合いの実態を見直す時期であると考えております。

かつて、石油ショックを契機に甲府市も新生活運動のうねりが巻き起こり、実践項目まで決定した事実があることは承知をしております。

しかし、のど元過ぎれば何とやらでまたたく間に交際費全国一となり、60%以上の市民がその負担に耐えかねています。

こうした現状をしんしゃくし、行政サイドが主体性をもって粘り強く新々生活運動を推進すべく決意があるか否か、市長を初め関係者の所見をお伺いいたします。

 

 次に教育委員会にお尋ねいたします。

 

 本日のサンケイ新聞の「悩める現代っ子」との記事の中で、私はびっくりしたわけでありますが、小学校5年生から中学校3年生までの子供たちが、3人に1人が勉強や成績のことで悩み、学校の授業が理解できるのは、小学校では3人に1人であり、中学校では5人に1人となっております。

また、心配事の相談相手としては友だちが40%であり、先生はたったの2%であります。本市の実態はどのようにとらえているのか、教育委員長の御所見をお伺いいたします。

 

 次に、来年の4月は4年に一度の選挙の年であります。

 

 昨今、選挙に対し理解に苦しむ公務員の行動がとられていることを耳にいたします。

公職選拳法第136条の2 公務員の地位利用による選挙運動の禁止及び地方公務員法36条の政治的行為の制限についての規定がされておりますが、関係者がよく条文を理解をし、市民全体の奉仕者との自覚を認識をして、間違いのないようにすべきだと思いますが、関係者の答弁をお願いをいたします。

 

 以上をもちまして質問を終わります。

 

○議長(中西 久君)

 市長 河口親賀君。

 

     (市長 河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 宝寿地区並びに城東地区の区画整理事業に対する御見解を拝聴さしていただきましたけれども、私も十分区画整理事業に対しまして反対の陳情がされておりますこと、あるいは賛成の陳情がなされておることは、十分内容を私も承知をいたしておりますけれども、残念なことにこの事業というものを十分理解をしていただけないという、そのことはやっぱり御指摘をいただいたように、その単なるアンケート調査ではだめなんだと、こういう実態ではないか。

あるいはしたがってできるだけコンセンサスを得るための努力をせよと、こういうことだと思いますので、今度一層理解を深めるため、しかも住民本位ということを基本にして事業実施を行っていきたいというのが考え方であります。

 

 そこで、いろいろ反対の陳情の中にやるのかやらぬのかと、こういうことを強く御指摘をいただいたと聞いておりますけれども、やはり多くの皆さんの理解がなければやれないということです。

やろうとしてもやれないということであります。

しかしああいうような住環境の中ではやるべきだと考えておると、こういうことでありますからやるべきであるという考え方の上に立って、果たして住民本位でありますから、地域の住民の皆さんが果たして理解をしてくれるかどうかということが問題点であると、こういう感覚で私どもがおりますことをぜひ御理解をいただきたいと思います。

その中にはやはり過少宅地の問題、減歩の問題、補償の問題等々があるでしょう。

そういう問題も先ほど岡田議員から言われたようにできるだけの配慮をするということでありますから、私はそういう観点に立って区画整理事業はやるべきだと、こう考えておるわけでありますから、そういう点この機会にぜひ千野議員さんにもぜひ御理解をいただきたいと思うわけであります。

 

 次に新生活運動でありますが、これはお説のとおりでありまして、先だってのお付き合いに関する意識調査の結果に基づきまして、生活の簡素化をやろうと。

そのためにはやはりああいう会合の中でいろいろと御意見も拝聴をいたしたわけでありますから、ぜひその点は御理解をいただき、また市政の中でもできるだけ指導的な立場に立って簡素化を推進をいたしてまいりたいと、こう思っておりますからまた御協力のほどをぜひお願いを申し上げたいと存じます。

 

 なお、火葬場の中に七日をやれ、葬議をやれと、こういうこともございましたけれども、なかなかこれまたむずかしいことで、御承知のように厚生年金会館を建設をするのにホテルがだめだめと、こう言ったと同じことでホテルがまた七日をやると言えばだめだと、こう言うでしょうし、また葬儀を向こうでやるとすれば葬儀屋さんがだめだと言うでしょうし、なかなか簡素化といいましてもやはり指導はいたしておりますものの、多くの市民の皆さんの理解を得るということについて、今後消費者協会とも十分連携をとりながら、努力をいたしてまいりたいと、こう考えております。

 

 なお、公務員の選挙活動についてはお説のとおりでありまして、職員も十分そのようなことは理解をいたしておると存じます。

その趣旨徹底につきましては今後とも努力をいたしてまいりますので、そのように御理解をいただきたいと存じます。

 

○教育委員長(飯室甫邦君)

 お答えいたします。

 

 御指摘のサンケイ新聞のアンケート結果につきましては、厳しく今後の教育に取り組む上で大きな課題であると受けとめております。

実は、昨年の7月に全国の中学校長会で、中学生の校内暴力の全国的な実態を調査した実態調査やその後の指導事例なんかを検討してみますと子供たちがなぜ校内暴力を起こしたのかという原因を尋ねてみますと、授業がさっぱりわからないとか先生方が非常に不公平であるというような意見がたくさんあったようでございます。

こんなようなことを考えますと、教師あるいは教師集団は子供たちの心をどこまでつかんでいたかということを、学校として十分考えていかなければならないというような反省が出ておりました。

このことから考えましても、教育委員会といたしましては今後学校挙げて子供の心を知る努力を重ねる中で、信頼される教師像の実現のために、学校現場と緊密なる連携を図って努力していきたいと思います。

 

 なお、教職員の選挙運動とその他の政治活動につきましては、教育の政治的中立の原則に基づきまして、公職選挙法、教育公務員特例法等によりまして、特別の定めが設けられているわけでございます。

教育委員会といたしましては、来年実施の地方統一選に当たりましては、教職員に対しまして関係法令の周知徹底を図りまして、いやしくも教職員の違法行為のないよう十分指導に努めてまいりたいと思います。以上で終わります。

 

○議長(中西 久君)

 千野 哮君。

 

○千野 哮君

 区画整理の問題でございますが、賛成者もあるということなんです。

確かに先日新聞によりますと、賛成の人たちもあれしたようなんですが、大体賛成者は90世帯から95世帯、反対派は470世帯ということでございまして、少なくとも80%から90%の人たちの賛成がなければやらないということからいっても、全然いまの状態では理解してもらいたいというようなことで説得しても私は不可能だと思うわけなんです。

そういう形で、たとえば城東地区の場合には会長さんのところへ脅迫の電話があったり、あるいはいろいろな反対の人たち、心配で眠れないということの中におきましても、あるいはまた近所どおしも口をきかないという形の中での、非常に地域住民がいがみあっておる事態がだんだんと出てきているわけでございますので、私はこう

いう数値からいっても、実際が確かに市長の言うとおり区画整理事業はいいことだけれども、不可能だということでございますので、私は少なくとも1日も早くこの結果を踏まえた中での私は今回は中止をすべきであると思うわけでございますが、いかがでしょうか。

 

○市長(河口親賀君)

 賛成、反対の皆さんのいま数のデータについては、私といささか相違をいたしております。

それはこの議場では申し上げませんが、もし詳細にお知りになりたいというなら、私と相違があることだけをひとつ御理解をいただくようにいま申し上げておきますが、私は先ほどから申し上げておるようにやはりコンセンサスを得るための努力をして、住環境をよくしたいという念願を強くもっておりますことだけで、ひとつ御理解をいただきたいと思います。

 

○議長(中西 久君)

 千野議員さんいいですか。

 

     (千野 哮君「了解」と呼ぶ)

 

○議長(中西 久君)

 関連質問はありませんか――暫時休憩いたします。

 

      午後2時08分 休憩

 

 

 


      午後2時39分 再開議

 

○副議長(伊籐常八君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。

 

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 

 次は政和会の宮島雅展君。

 

 宮島雅展君。

 

      (宮島雅展君 登壇)

 

○宮島雅展君

 政和会を代表して市長の政治姿勢及び市政一般について質疑をさせていただきます。

 

 さて、今議会は私にとりまして任期4年間のうちの最終の一般質問になりそうであります。したがって、短い経験ではありましたが、新人議員として議会に来てよりの行政執行に対する感想等も含めまして述べてみたいと存じます。

 

 さて、市長は10日の本会議において四選出馬の決意を明らかにし、今後の市政についてかいじ国体、甲府駅近代化、大規模地震対策などの大型事業の完成、人間と都市の調和を図りながら都市活性化への施策推進。

国の行財政改革の影響が本格化してくることは必至だが、市民のいのちと暮らしを守り、市民の立場に立って市民とともに歩む基本理念を堅持するとの内容の、言ってみれば立候補宣言をいたしました。またその後の記者会見で、いままで11年間「いのち・暮らし・心」を重点に施策を進めてきた、今後この基本市政は堅持し、タイムリミットのある大型事業は、厳しい財政環境の中でも必ず成功させる。また都市活性化を図るため商工業、観光など経済力を高めることに重点を置いていく。

産業振興は行政だけではだめで、民間が主導意識を持ってもらわなければできない、とも申されております。

一口で言えば、市民のいのちと暮らしを守り、人間専重、生活優先の市政を続けるため、立候補するということでありましょう。

この姿勢を高く評価し、また貫き通すことを20万市民とともに強く強く期待するものであります。

 

 さて、行政サービスの一つの例として一本の道路を考えてみます。

 

 上阿原寿町線――甲府バイパスから上阿原町を通り、国玉、里吉、朝気、青沼、若松町、相生を過ぎて、話題の県民文化ホール西側を通り、寿町を横切って国道52号線に通じる都市計画路線であります。

幅員12メートルから20メートルのこの道路は、すでに相生の光沢寺を抜け、新平和通りに出られるようになり、市民生活の利便に大いに役立っているところであります。

これが将来未完成部分であります光沢寺から国道52号線までを完成すると、市民に与える利便ははかり知れないものと予想され、完成がつとに待たれるのであります。

この道路を私は日曜日の昼間、東へ向かって自転車で走ってみました。

 

 まず光沢寺――別名東本願寺甲府別院のところから旧三吉町の交差点まで約170メートル、総幅員12メートルに2メートル半ぐらいの歩道がついている。その間20ワットの蛍光灯の街灯が2本、路上放置物が9個、次に日本電建の交差点まで150メートル、街灯14本、路上放置物39個、某商店においては、歩道上8メートルぐらいにわたり1.5メートルもせり出して商品を山と積んでいる。

日本電建から旧甲府商業跡地の西詰めまでの180メートル、まだ拡幅工事中ではありますが、街灯が7本ありまして、うち昼間なのに3つが点灯されている。

路上放置物20個。この区間で驚くのは、最近出店したというオギノキャロットの南側歩道の傾斜、一度歩いてみてほしい、140メートルにわたり傾斜の歩道が続く。

雨や雪が降ったとき、老人や子供は何にすがって歩くのだろう。

一体何のためにあれだけの傾斜をつける必要があるのだろうか。

また日本電建交差点から東100メートルまでの河川には、溝ぶたのないところが何ヵ所かある。

路側からすぐに川であり、手すりもない。

 

 次に旧甲南から県道南甲府停車場線との交差点までの約500メートル、街灯38本、うち三つが点灯されている。

路上放置物45件、そしてまるでくしのはの上うな道路幅。

あるお宅は8年前に市へ売ったのに、いまだに拡幅工事が完成しない、市は何をしているのだろうかと不満を漏らしている。

また旧甲商北側の店舗兼用連同ビルの前の敷地には、車が軒並み駐車されている。

もし、用買がすでに完了しているなら、市道の一部ではないのか。ともあれ光沢寺から東小学校の南側を通り、身延線の踏み切りまでの約2キロメートルのうちで街灯82本、うち昼間点灯しているもの12本、路上放置物約140個、これが上阿原寿町線の光沢寺から身延線踏み切りまでの日曜日の午後1時ごろの状態であります。

自転車でゆっくり走ってみてつくづく感じるのは、一体行政は道路をつくる際、そこに住む市民の生活をどのように考えているのか。

またその道路を使用するさまざまな人たちのことを、利用形態別に分類したことがあるのだろうか。

また道路に面して住居している人たちは、その道路をどんなふうにとらえているのだろうか、という疑問がわいた。

たとえば道路を通過する人々を分けてみると、事いすで通る人もあれば、また歩行者、自転車、バイク、自動二輪車、乗用車、トラックというふうになる。

上阿原寿町線の少なくとも何百メートルかは、どうも命を守ることを最も優先していないのではないだろうか、という気がする。

オギノキャロットの傾斜の歩道など、車いす及び歩行者、その中でも特に年寄りや子供に対する配慮などは余り感じられない。

自転車だってそのとおり。

普通自転車は車道部分の最も左側を走ります。

その部分にこそマンホールのふたがあり、側溝との境の段差があります。

どうしてこんなに車道部分の悪い条件の場所を、自動車に比べれば弱者であるべき自転車が通らねばならないだろうか、やり切れない思いがわき続けた1時間のサイクリングではありました。

 

 甲府市の大方の道路は、程度の差こそあれ、この上阿原寿町線の実情に似ていると私は考えます。

上阿原寿町線の現状が、すべて行政に帰すべきものだとは私は申し

ません。

路上放置物や無断道路占有など、多くはさまざまな事情があるにしても、そこに住み生活している人々の責任範囲のことでしょう。

夜通って調べてみたところ街灯82本のうち70本しか働いてはいなかったけれど、町ぐるみ清掃日などを決めて十分営繕すれば、行政の力を借りずとも、もっと町は明るくなるなずではないのか。

 

 しかし行政は、地域住民の自助努力を期待するだけではなくて、何らかの行動を起こす必要があると思うんです。

どんなに市長がいのちと暮らしを守り、弱者の福祉を優先すると叫んでも、行政サービスを実際に行う議員にまでその気持ちが行き届かねば、それは絵にかいたもちになってしまうだろうし、サービスを受ける側にしても、ただただサービスの向上だけを要求しても、それは無理というものであります。

厳しい財政事情の中ではありますが、福祉都市の実現に努力するという市長の熱意と決意、そしてその具体的に溝想をお聞かせください。

 

 次に、寿、宝地区の区画整理事業についてであります。

 

 計画が打ち出されてからすでに足かけ3年の歳月が流れました。その間替地として期待をしていた旧二高跡地には、県民の文化の殿堂として県民文化ホールが建設され、先月23日には盛大に開館行事が行ねれ、こけら落としの諸行事もこの9日で無事済んだようであります。

都市基盤の整備の済んでいない寿、宝地区の真ん中に、フル稼動すれば1万人の収容能力を持つ集客施設をつくることには、無理があるとの地域住民の意見もありましたが、一方では、町に核になるものがほしいという意見もあり、また区画整理事業との整合性を強く打ち出した県の姿勢を評価し、地元寿、宝、相生地区の住民は、その建設に対し全面的に協力をいたしました。

一方市の都市開発部においても、区画生理事業の啓蒙に努め、幾たびとなく説明会を開催し、地元の協力を要請し、区画街路の線引き、区域決定、民官有地の境の測量等、一歩一歩事業の進展を図ってきたところであります。

しかしながらこの夏ごろより、区画整理事業には反対だという一部の人たちにより、反対の署名活動が行われ、町を二分するかのごとくの様相をも帯びてまいりました。

今議会におきましても反対の請願が出されている実情であります。

 

 しかし私は町の将来を考え、すでに区画整理事業を終えた旧泉町地区の皆様の意見をも参考にした上で、寿、宝地区にとって区画整理事業が最も適した都市計画であると判断し、区画整理事業を遂行すべきであるとの立場に立ち、鋭意このことに取り組んでまいりました。

しかし前段述べましたとおり、反対の署名活動している皆様も現実に多数おられ、この方々への配慮、説得も、行政としてはいま以上に熱意を持って取り組むべきであると強く要望する中で、以下6点について市長及び都市開発部長の御見解をお聞かせください。

 

 1 最終平均減歩率を、どの程度に置こうと考えていらっしゃい

 ますか。

 

 2 1を、旧泉町並みに達成するためには、先行買収が不可欠と思われるが、いつからとりかかり、最終的にはどのくらいのスペースを買い、どのくらいの予算を充てる計画であるか。

 

 3 国の行財政改革の進行する中で、最終的に当初計画した予算の積算を全うできる自信があるかどうか。

 

 4 市長は、地元へ出かけ対話集会を開くなどして、反対派の説得に努める準備はあるかどうか。

 

 5 明るいまちづくりの会が出した意見書あるいは陳情・請願、そして寿青年経営研究会の提出した意見書――相対立した立場から出されたものであるが、市長のこれらに対しての御見解をもあわせてお伺いをいたします。

 

 6 前段述べた県民文化ホールの開館により、特に開閉演時が夕方のラッシュアワーと重なると、その混雑は目を覆うばかりであり、一例を挙げると、国道52号線はもちろんのこと、穴切新道も中銀の東から共立病院まで車が連なっておりますけれども、当面、この交通渋滞を何とか解消する手立てを考えてほしい。

 

 最後に、共産党の岡田議員も申しておりますけれども、人事院勧告の凍結を解除せよとの意見書を、甲府市議会は全会一致で採択しております。

議会の意思を尊重してほしいとのみ訴えて、私の第1弾の質問を終わります。

 

○副議長(伊藤常八君)

 市長 河口親賀君。

 

   (市長 河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 お答えします。

 

 私が10日の日に出馬の声明をいたしましたそのときに申し上げましたように、私の基本的な姿勢というのは、市民のいのちと暮らしを守って、心を大切にする施策を重点的に執行をいたしていきたいと思います。

これからは非常に厳しい行財政下におかれまして、選択と負担が求められる時代でございます。

したがいまして、行政執行に当たりましては、前にも増しまして市民の協力が必要だと考えておるところであります。

そのためにも今後ともより市民との対話というものを深め、あるいは理解を得る中で努力をいたしてまいりたいと、このように考えております。

 

 なお、当然私がそういう姿勢で行政執行をやるわけでありますから、職員自体もそのような意義に徹しながら職員と私とが一体になってそのような努力を積極的に行ってまいりたい、このように考えておるところであります。

 

 次に、寿、宝地区の区画整理の問題であります。

 

 面的整備としての区画整理事業、これは私はやるべきだというお考えについては、全く宮島議員と私とは変わっておりません。

同感であるわけでございます。

その点では今後強力に御指導や御協力をいただく中で、宝、寿地区の区画整理事業を執行をさせていただく、先ほどから申し上げておりますように、やるとは言いましても地域の皆さんとのコンセンサスが必要であることは当然でございます。

またできるだけ理解をしていただくような努力はいたさなければならないわけであります。

特に減歩の問題でありますが、18%以上が普通でございますけれども、かねてから宮島議員、早川議員からもお話があり、若い経営者の皆さんからもお話がございまして、私ども当初は15%で計画を実施しようと考えておったわけでありますが、そのようなお話もございましていろいろ検討をいたしました結果、泉町と同様に12.44%くらいに低くしてまいりたいと、このように考えております。

 

 私も個人的にいつも考えておるんですが、住環境を整備をするためには、ある程度の減歩は必要であるわけです。

私は、一つの商店を近代化経営をしていくためには、私はある程度の投資をすると思います。

その投資によって初めて商業が繁栄をしていくと、こういうことを考えたときに、区画整理事業をする中で減歩というのは、一つの資本投下だと考えていただきたいと思うんです。

七つの項目についてお話がありましたけれども、いま文化ホールの開閉時にお話がありましたように交通渋滞をする。

,000人がどっと出てきた場合に、確かに交通的な問題点がたくさんありますし、むしろ人が出てきて車がとまってしまうという逆な現象が出て、赤でも通ってしうというような現象を見逃していいでしょうか。

市民のいのちと暮らしを守る私としては、そういう状態を少なくとも解除をしなければならないと思います。

差し当たって区画整理事業が完成をするまでは、少なくとも警察当局と十分話し合いをして交通の規制といいますか、配慮は十分していただくような配慮はいたしてございますけれども、私は少なくともそういう状態をなくし、減歩というのは資本投下をするんだという考えていただければ、あの渋滞を緩和して、むしろ歩く人たちがそのお店へ寄って買い物をしてくれるでありましょうし、あるいは駐車場をもしつくったとするなら、そこの駐車場まで行く間に買い物をするとかなんとかということも、私は自分なりに想像してあるんじゃないか。

そのためにはやっぱり私は区画整理が必要だと、しかし減歩の問題に非常に関心をお寄せになっておるので、いま申し上げたように12.44%くらいに低くしたいと考えておるわけであります。

 

 なお過少宅地の取り扱いについては、当初におきましては20坪以下につきましては減歩をしない、こういう考え方でおったわけでありますが、都市開発部が努力をいたしまして、最終的な目標といたしましては、20坪以下のものにつきましては減歩を課せないという、そこまで考慮をいたしておるところであります。

 

 なお家屋移転の補償の取り扱い等につきましても、従前の機能を失わないように補償を十分考えていきたいと、こう考えておるところでございます。

なお、区域内においてできるだけ土地を先行取得をしたらどうかと、こういう御意見でありますが、このことについても積極的に考えてまいりたいと思います。

 

 なお、いろいろのところをたとえば堀之内だとか南西だとかいろいろ考えて、地域の皆さん方と話し合いをして、御希望の移転地というものをつくることが必要だということもお説のとおりでございますので、そのように私ども配慮をいたしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

 

 なお国の行政故事による影響はどうかと、こういうことでありますが、区画整理事業に対します予算だけは若干増加をいたしております。

よく区画整理に反対の皆さんが、街路事業でやったらどうだと、こういう御意見がありますけれども、街路事業でやることによる悪影響ということは、いまここで申し上げませんけれども、いろいろあるわけでありますから、私は面的整備の方が施行上やりやすく、また地域のためにも非常にいいではないか、ということを考えておるわけであります。

国もそういう考え方の上に立って、区画整理事業に対する予算だけは増加をするという方針のようでございます。

したがって、行政改革がありましても、区画整理事業に対する投資というものは、影響はないと御理解をしていただいても結構だと思います。

 

 なお今日まで90回に及ぶ説明会を開きまして、地域の皆さんとのコンセンサスを得る努力をいたしてまいったわけであります。

私も1、2度参ったことがございますけれども、私自体も御要請をいただければ、また御要請がなくてもそのときの状況に応じまして、私自体が率先して対話集会に出席をさせていただきまして、コンセンサスをいただけるような努力をいたしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

どうか宮島議員、非常に積極的に御協力をしていただいておりますけれども、それは将来展望に立って、あの町を本当に活力ある町にしたいという念願に燃えておやりになっておることに、私は心から敬意を表しておるわけであります。

どうか今後ともそのような姿勢を私も十分理解をさしていただきながら、ともども寿、宝地区の区画整理事業を理解をいただきながら努力をいたしてまいりたいと思いますので、今後とも御指導と御協力をいただきますようにお願いを申し上げて答弁にいたします。

 

○都市開発部長(丸山 忍君)

 先行買収について具体的に御質問ございましたので、お答え申し上げたいと思いますが、先ほど市長が御答弁申し上げましたように、減歩率をさらに緩和をしていく問題、さらには過少宅地の救済等を考えますと、現在大体6,000から7,000平米ぐらいの用地が先行取得せざるを得ない、こういうような状況になるわけでございまして、したがいまして、この際この地域に出て、うんと広い面積のところで暮らしていきたいというような御希望の皆さんもあるわけでございますし、また事業のためには土地を提供してもよろしい、という大地主さんも具体的にはございます。

さらにはこの地域にそぐわないような業種もございますので、こういう地権者の皆さんに積極的に働きかけをいたしまして先行買収をしていきたいと、こういうように考えているわけでございますが、その予算といたしましては来年度国に先行取得の承認をいただきまして実施をしてまいり

たい、このように考えているわけです。

いずれにいたしましてもそのようなものを取得をしてまいりますには、その代替用地というものも必要かと思いますので、現在堀之内については確保いたしましたけれども、それ以外にも積極的に代替地を求めてまいりたい。

これにつきましては、たまたま市街化区域の中の残存農地の見直しの時期に入っておりますので、これらの状況を踏まえながら代替地を積極的に確保していく所存でございますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。

 

 なお明るい町づくりの会、さらには青年研究会、こういう皆さんからのいろんな御意見、御見解がまいっております。

明るい町づくりの会の第1回の意見につきましては、各戸にそれに対しますところの私どもの見解を述べさせていただきまして、文書によって配布をしながら説明会を開催をしたところでございますけれども、青年研究会または明るい町づくりの会の方からその後意見がございましたので、今後は町の組単位ごとにもう一度説明会を開きまして、その中でこれらに対する問題点も明らかにして御説明を申し上げ、御理解を深めてまいりたい、このように考えておりますので、よろしく御協力のほどをお願いを申し上げまして答弁にいたします。

 

〇副議長(伊藤常八君)

 市長 河口親賀君。

 

     (市長 河口親賀君 登壇)

 

○市長(河口親賀君)

 人事院の勧告の問題でありますが、この勧告制度というのは、最大限に尊重をすべきであるという基本的な考え方を持っておりますし、また市議会が意見書を提出を満場一致でされております。

当然その議会の議決につきましても尊重をすべきであると考えております。

きょうの国会の様子等見ると、現政府が非常に凍結を解除をしないという強い姿勢があるようでございます。

したがって、そのことをもにらみ、あるいは国、県あるいは他都市等の状況も見ながら判断をいたしてまいりたい、こう考えております。

 

○副議長(伊藤常八君)

 宮島雅展君。

 

○宮島雅展君

 親切に御答弁をいただきまして大体了解をしたわけです。

12.44%という数字が市長の口から出たことは本当に評価をするし、私どもとしても行政に対して協力するしがいがあるというものであります。

今後その区画整理事業を進める上で注意をしなけりゃならないのは、いままで90回の説明会を延べに行ったといっても、まだまだ1人1人の市民との対話不足している面も確かにあるわけでございます。

ですから、たとえば先ほどの前橋の例なんか見ますと、ずいぶん足しげく市の職員が通っていって、一軒一軒と話をする中で話を煮詰めていく、そういう姿勢が今後ますます大切になってくるし、そのことのみが反対の人たちと賛成の人たちとそして行政と、それを一致団結させる手段にほかならない、そんなふうに考えます。

 

 ますますの行政の努力を期待し、また私どももそれに対してどんどん要求も条件も出していきますけれども、覚悟してかかっていただきたい、ということを要望して私の質問を終わります。

 

○副議長(伊藤常八君)

 関連質問はありませんか。

 

 お諮りいたします。

 

 本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思います、これに御異議ありませんか。

 

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○副議長(伊藤常八君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 

 本日はこれをもって延会いたします。

 

     午後3時06分 延会