昭和59年9月甲府市議会定例会議事日程(2)

昭和59年9月19日(水)午後1時

報  告

第 1 議案第82号 昭和59年度甲府市一般会計補正予算(第2号)

第 2 議案第83号 昭和59年度甲府市国民健康保険事業特別会計

補正予算(第1号)

第 3 議案第84号 昭和59年度甲府市下水道事業特別会計補正予算

(第1号)

第 4 議案第85号 市道路線の認定について(下飯田7号線)

第 5 議案第86号 市道路線の認定について(池田3丁目1号線)

第 6 議案第87号 市道路線の認定について(大里6号線)

第 7 議案第88号 市道路線の認定について(西高橋七沢2号線)

第 8 議案第89号 市道路線の認定について(甲運19号線)

第 9 議案第90号 市道路線の認定について(中小河原6号線)

第10 議案第91号 市道路線の認定について(和田3号線)

第11 議案第92号 市道路線の認定について(向町2号線)

第12 議案第93号 請負契約の締結について

           (南西第1幹線下水道管布設工事 第一工区)

第13 議案第94号 請負契約の締結について

           (南西第1幹線下水道管布設工事 第2工区)

第14 議案第95号 請負契約の締結について

           (南西第1幹線下水道管布設工事 第3工区)

第15 議案第96号 甲府市事務分掌条例の一部を改正する条例制定について

第16 議案第97号 甲府市市税条例の一部を改正する条例制定について

第17 議案第98号 甲府市市営住宅条例の一部を改正する条例制定について

第18 議案第99号 甲府市土地区画整理事業助成条例の一部を改正する

条例制定について

第19 議案第100号 甲府市消防団員等公務災害補償条例の一部を

改正する条例制定について

第20 市政一般について

 

(出 席 議 員)

飯 沼   忠君

武 川 和 好君

依 田 敏 夫君

剣 持 庸 雄君

森 沢 幸 夫君

岡 田   修君

福 島   勇君

宮 島 雅 展君

秋 山 雅 司君

内 藤 幸 男君

塩 野 褒 明君

早 川 光 圀君

堀 内 征 冶君

内 藤 秀 治君

上 田 英 文君

小 林 康 作君

堀 内 光 男君

斉 藤 憲 二君

川 名 正 剛君

牛 奥 公 貴君

清 水 節 子君

岡     伸君

野 村 義 信君

長 田 昭 哉君

渡 辺 静 男君

中 込 孝 文君

鈴 木 豊 後君

千 野   哮君

堀 口 菊 雄君

飯 島   勇君

原 田 正八郎君

小 沢 政 春君

中 西   久君

小 林   匡君

早 川 武 男君

三 井 五 郎君

小 沢 綱 雄君

 

 

 

                          37名

 

(欠 席 議 員)

村 山 二 永君

 

 

 

                           1名

 

職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名

事 務 局 長 臼 田 茂 治君

総務 担当 主幹 山 下   久君

庶務 担当 主査 樋 口 一 雄君

調査 担当 主査 功 刀 敏 男君

議事 担当 主幹 都 筑   登君

議事 担当 主査 天 野 忠 幸君

議事 担当 主査 高 橋 勝 巳君

記録 担当 主査 今 福 栄 一君

議事 担当 主任 萩 原 三 男君

庶務 担当 主任 五 味 一 重君

 

説明のため議場に出席した者の職氏名

市     長 原   忠 三君

中央卸売市場長 田 中 忠 夫君

助     役 新 藤 昭 良君

市立甲府病院長 石 井 次 男君

収  入  役 河 村 利 男君

 〃 事務局長 石 井 司 郎君

市 長 室 長 窪 田   奟君

教 育 委員長 大 木 敏 夫君

調整 管理 部長 近 山 滋 郎君

教  育  長 楠   恵 明君

企 画 部 長 神宮寺 英 雄君

教 育 次 長 生 山 正 仁君

総 務 部 長 中 込 忠 雄君

水道事業管理者 植 田 太 六君

市 民 部 長 入 倉 芳 幸君

水道局業務部長 倉 田 吾 郎君

社 会 部 長 吉 岡   典君

 〃 工務部長 鈴 木 元 芳君

福 祉 部 長 高 野   肇君

選挙管理委員長 関   和 夫君

環 境 部 長 中 込   勉君

代表 監査 委員 佐 藤 保 房君

経 済 部 長 中 島 省 三君

公 平 長 横 内 敏 治君

建 設 部 長 赤 池 昭 之君

農業委員会々長 荻 野 克 巳君

都市 開発 部長 小 松   要君

固定資産評価員 斉 藤 孝 房君

下 水 道 部 長 高 橋 信 靖君

 

技術 管理 室長 丸 山   忍君

 

国体 準備 室長 鷹 野 四 郎

 

 

     午後1時02分 開議

 

○議長(小沢政春君)

 これより本日の会議を開きます。

 

 報告事項を申し上げます。

 

 村山二永君は一身上の都合により本日欠席する旨の届け出がありました。

 

 以上で報告を終わります。

 

 これより日程に入ります。

 

 日程第1から日程第19まで19案及び日程第20市政一般についてを一括議題といたします。

 

 これより上程議案全部に対する資疑及び市政一般質問を行います。

 

 この際念のため申し上げます。

 

 質疑質問については申し合わせ事項を遵守され、重複を避け簡明に願います。

 

 なお、当局の答弁もその趣旨を十分把握され簡明率直にされまして議事進行に御協力をお願いをいたします。

 

 発言通告者は7名であります。各会派の発言順序は、今期は政友同志会からであります。

 

 お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。

 

 最初に政友同志会 千野 哮君。

 

千野 哮君。

 

     (千野 哮君 登壇)

 

○千野 哮君

9月定例議会に当たり政友同志会を代表して、最初に質問の機会にめぐまれましたことに対し先輩議員、同僚議員の皆さん方に心から感謝を申し上げ質問に入らせていただきます。当局におかれましても質問の要旨を十分に理解をしていただきまして、簡単率直な御答弁をお願いいたしたいと思います。

 

 まず最初に、1年半になる原市政の基本姿勢である「甲府市は甲府市民のためにあり、市政は市民とともに歩むべきものである」との政治理念を高く評価し、原市長のモットーである公正、清潔、誠実の市政に対し、甲府市民とともに深く共鳴するものであることを改めて強調をいたします。

 

 さて、質問の第1点は、日中友好に基づく甲府市と成都市の友好都市締結に関連するものであります。御案内のごとく、胡 懋州成都市長が来県をし、27日には両市の友好都市締結の調印式が行われる予定ですが、これは市長の過去20回近くに及ぶ中国訪問と、さらには昨年10月甲府市・成都市友好訪中団の団長として訪中した原市長の日中友好にかけるすさまじいまでの熱意の結果であると評価するものであり、その努力には心から敬意を表わす1人であります。ついては、この機会に、2、3御質問を申し上げたいと思います。

 

 第1は、最近甲府市と成都市の友好都市締結を記念して訪中団を編成して成都市を訪問する運動が行われていると聞いていますが、この計面は甲府市または甲府市国際親交委員会とのかかわりがあるのかどうかお伺いをいたしたいと存じます。もしないとするならば、甲府市はいつ答礼訪中団を派遣する考えでおられるかお伺いをいたします。

 

 さらに関連して、成都市への答礼訪中団の構成が20名と聞いていますが、青年代表、婦人代表、商工業代表、農業代表等、各界各層の代表の大型友好使節団を派遣し、これを機会に1人でも多くの甲府市民が、1人でも多くの成都市民との心からの手を握り合うことがせっかくの友好都市締結の真の意義ではなかろうかと思いますが、いかがでございましょうか。

 

 第2は、友好都市締結後の具体的な交流事業について両市の間で協議することが必要と考えますが、このことについて市はどのように進めようとしているのか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。

 

 次は、甲府市の長い間の懸案でありました県都甲府市を象徴する表玄関である甲府駅近代化整備計画も、61年かいじ国体前の完成を目指して、先ほどは橋上駅舎、南北自由通路のめでたい完成を見、いよいよ駅ビルの着工と駅前の整備が焦点になっていますが、私は特に駅前南口の整備計画についてお尋ねをいたしたいと思います。

 

 順調に進んでまいりました駅近代化事業も、こと駅前南口広場の整備計面については、県が示したレイアウトについて本市の都市計画審議会でも審議され、意見付きの答申となったと賜っております。その後関係諸団体からそれぞれの立場から要望が相次いで出されておりますことは周知のとおりでありますが、私は特に申し上げたいのは、特定の企業の利益、すなわち企業の側面からのみの整備計画をとらえるのではなく、多くの市民のコンセンサスが得られる、真に県都甲府市にふさわしい玄関前広場を創造する文化化が必要ではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いいたしたいと思います。

 

 なお、駅前広場の件に関しましては、後ほど同僚議員の川名議員より関連質問がありますので申し添えておきます。

 

 次は、行財政改革問題の具体的な方針についてであります。

 

 ここ数年、国における臨調最終答申に基づく行財政改革の推進が地方へ地方へと大きなうねりとなって押し寄せていることは周知のごとくであります。わが甲府市においてもかなり以前からさまざまな行財政改革が論議されている事実はよく承知をしております。

既存の制度や組織、施策などを見直し、無駄を省き、より効果的な市民サービスを追求する必要があると考え、具体的に次の事項についてお尋ねをいたします。

 

 その前に全国の議会で見ますと、本年1月1日の調査によると、全国651市のうち528市、実に81%の都市が議員の実数の削減条例を制定しており、1万8,800名の議員のうち3,269名、まさに17.4%議員の削減を行っております。

本市、前議会を見てみると、1名は国政選挙に出馬のために辞職をいたし、3名は不幸にも他界をいたしております。その他欠席の議員が数名おりましたけれども何の支障もなく、議会の機能が果たされてきました。

行政改革はまず隗より始めよであり、当市議会の議員定数削減のために私は今後とも努力をいたしていきたいことを表明をいたします。

 そこでお尋ねするわけですが、学校、病院等の給食、ごみ収集、補修センター、土地開発公社などの組織及び業務をこの際思い切って縮小または廃止をいたし、これらの一切を民間に委託したらどうかと考えますが、いかがでしょうか。

何でもかんでも市の行政が引き受けるという考え方は、もはや古い時代の産物であります。組織及び業務内容いかんによっては民間の活力を大いに利用した方が結果的により大きな市民サービスになることもまた明白であります。

もちろん現在の職員の地位と身分保障を侵さないこと。新規採用を抑制することなどの諸条件は当然だが、これらの組織及び業務を民間に委託をいたし、職員の定数の適正化に努力した場合の財政的効果はかなりなものになると考えられます。ここ5年間で100名を目標に職員定数の削減を図るべきだと思います。

給食関係、ごみ収集業務、補修センターさらにはかいじ国体の用地取得という大事業を終了した土地開発公社などの組織の縮小ないし廃止、そして民間への委託によって確実に職員定数の適正化が実現をし、しかも財政的効果が得られると思うが具体的に御所見をお伺いいたします。

 

 質問の第3は、商工業の活性化についてであります。ここで私はかなり思い切った発言をしますが、これも甲府市の将来を展望した上での発言でありますのでお許しをいただきたいと思います。

 

 甲府市の現状を見る限り、甲府市の今後の発展は商工業の活性化以外に方法はありません。しかしながら、工業関係を見ましても、昭和37年の家具工業団地から42年の鋳物工業団地、45年の国母工業団地、47年の機械金属工業団地、52年の宝石工業団地まで市内における工業団地建設はストップし、その後は甲府市周辺の町村に工業団地建設が移行されております。

その理由は簡単であります。市内の土地が同周辺町村に比較して高いからであることと、残念ながら市当局の職員の配置に大きな問題があると思うわけでございます。私の調査によりますと、市内の専業農家5,200人に対し農業関係職員数は64人になります。これに対して工業従事者は1万9,761人にのぼる。

商業関係者は2万8,313人であり、合計をいたしますと4万7,074人になりますが、担当職員はたったの11名であります。これでは全く話にならないと思います。

最初に申し上げましたように、甲府市の今後の発展は商工業の活性化以外にないとみる見地に立ちますとこの数字の対比は、甲府市の将来は真っ暗であると語っているように私は思われますが、いかがでございましょうか。何事もバランスが必要であります。余りにも農業優先の職員配置主義ではないでしょうかお尋ねをいたします。

 

 また、参考までに申し添えますと、昭和59年度市民税当初調定の状況を見ますと、商工業関係者の納税額は全体の85%を占め、農業所得者のそれは0.008%であります。いずれにしても職員の配置を現状と将来をよく考えた上で早急に対応すべきであると考えますが、いかがでございましょうか、お尋ねをいたしたいと思います。

 

次に、大きな問題になっておりますミニスーパーの出店についてお伺いをいたします。

 

 商業活動の原則は、個々の企業の努力によりマーケットを開拓し店舗の拡大を図り、活力を蓄積をしていくことであることは十分承知をいたしております。しかし、これには既存の店舗を新規出店する店舗との調和が何よりも必要なことであります。61年秋にオープンが予定をされている甲府駅ビルを契機に、既存の大型店が申請をしている増床計画は、まさに既存売り場面積を上回るというまことに普天なものであります。

特出すべきことは、このことを引き金に県内外の資本が指導要綱による規制以下の売り場面積を持つ、いわゆる、ミニスーパーをもってこの甲府市に殺到するのは明らかであり、まさに甲府は商業の修羅場となすと大変憂慮するものであります。

既存の一般小売店舗は、先祖代々に永々として築かれ、わが甲府市の繁栄を支えてきた中小店舗の打撃ははかりしれません。後継者は育たず転廃業を余儀なくされる店舗は日増しに増加の一途をたどっております。この際緊急の課題として、300平米以下の店舗についても強力な出店規制が必要と思うが、積極的な御所見をお伺いしたいと思います。

 

 次に、区画整理事業についてお尋ねをいたします。14.5ヘクタール、戸数600戸を対象としての寿・宝地区の区画整理事業も、反対の人たちの完全な了解を得ないままにいよいよ見切り発車をし、寿・宝地区土地区画整理事業計画の縦覧がいよいよ17日から始まっており、地区の人々の関心も非常に高いのは至極当然のことだと思います。

新しい整然とした町づくりには面的整備しかないことも理解できますが、無償提供の土地の減歩率と移転に伴う補償費、また過小宅地の人たちの清算金の件等々非常に難問題が山積していると思いますが、現状の認識と今後の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。

 

 次に、甲府市民まつりについて御質問をいたします。

 

 第1回は昭和48年、10月13、14日に市制施行を記念し市民憲章を市民に徹底することと、市民の連帯の和を広げるために甲府市、青年会議所、甲府市自治連合会を中心に市内各種各団体の協力のもとに市民みんなが参加できるよう市民まつりを実施することにより、住みよい町づくりに寄与することを目的に開催されており、本年第12回目を迎えております。

なお、56年度の9回より8月下旬に実施をいたしておるそうでございますが、私は時期の再検討が必要ではなかろうかと思うわけでございます。当初のように市政祭に合わせて実施して、名実ともに市民の一大祭典にすべきであると思いますがいかがでしょうかお尋ねをいたします。

 

 次に、このほど甲府市婦人団体連絡協議会が61年かいじ国体の主会場として、また5年後には100周年を迎えるわが甲府市を舞台に、市民の杜をつくる運動を開始をいたしました。1円募金運動から出発し、緑豊かな木の苗を求め婦人の杜をつくるというもので、さらには若い人や自治会にも呼びかけ、青年の杜、自治会の杜などを創造し、総体的に市民の杜づくり運動を実践するわけでありますが、市側の対応をお伺いしたいと思います。

 

 市提唱の甲府市の新しい町づくり運動にも呼応しているようですので、現況の活動を全面的にバックアップし盛り上げていただきたいと思いますがいかがでございましょうか。

 

 次に、かいじ国体についてお伺いをいたします。

 

 ちょうど2年後に迫まった国体に向け行政、市民が一丸となり、県都甲府市の栄光と発展のために邁進している様子を見るにつけまことに心強い限りであります。特に市長がこのかいじ国体を甲府市活性化のエネルギー源としてとらえ、国体後の展望に強い熱意を向けていることに敬意を表すものであります。

 

 私はこの国体もただ単に一過性の祭典に終わらせてはならず、未来に向かって繁栄をもたらし、コミュニティーの躍動を促す市民運動の下地にしなければならないと思いを深くいたす1人として、まず市民運動推進協議会の結成状況とその役割りについてお尋ねをしたいと思います。

 

 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。

 

 御静聴ありがとうございました。

 

○議長(小沢政春君)

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

○市長(原 忠三君)

 千野議員の御質問にお答えをいたします。

 

まず、成都市友好親善訪中団の訪中についてのことについてのお尋ねでございますけれども、これは成都市と甲府市の友好都市締結は去る8月の9日、市議会全員協議会の正式の承認をいただきまして、来たる9月27日に午後2時より友好締結の運びとなりました。議員各位の御協力に深く感謝を申し上げる次第でございます。

 

 まず御指摘の友好親善訪中団についてでございますけれども、本市が派遣する訪中団ではありませんので御理解をいただきたいと思います。

 

 次に、本市の答礼団の訪中についてでございますけれども、本市が派遣した先遣団の打ち合わせの中で、成都市から答礼団につきましては11月の6日成都入りをしていただきたい旨の要望がございました。その後成都市側から受け入れについて、できることならば来年度にしていただきたいという意向がございまして、本市といたしましても本年度は取りやめて来年度早い時期に派遣することにいたしたいと考えておるところでございます。

 

 次に、答礼印の構成についてのお尋ねでございますが、お説のとおり今後皆様の御意見、他都市の状況等十分調査をいたしまして、各界各層の代表も加えてまいる考え方でございます。

 

 また、今後交流計画につきましては原則的には両市で協議をいたしますけれども、具体的には交流事業の計画立案行事の開催等につきましては、甲府市国際親交委員会で行っていただくことにいたしたいと思いますので御理解をお願いをいたします。

 

 次に、駅前広場についてのお尋ねでございますが、甲府駅は甲府市の表玄関でありますので、将来展望に立って計画をすることは当然であるわけでございまして、現状の広場より広くするために貨物ヤード部分は拡大を図ったわけであります。

事業主体は県で行いますが、市といたしましてもこれらの変更を甲府市計画審議会に諮問をいたしまして答申を受けております。この答申を尊重いたしまして市の意見を付して県に修正をするように強く要請をしていく考え方でございます。御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、行政改革に関連をしての御質問でございますけれども、特にこの御質問の中で市の業務の民間委託によるものがございましたが、組織の縮小化、職員数の適正化、財政の効率化を求める御意見につきましてお答えをいたしたいと思います。

 

 現在、本市といたしましては行政対策委員会で組織定数問題を初め民間委託の件につきましても、検討課題ごとに実態調査や内容の研究を進めておりますので、その状況に合わせながら組合とも協議をしてまいる考え方でございます。御提言に対しましては、一つの考え方として受けとめてまいりたいと思っておるところでございます。

 

 なお、商業活性化に関連をしての御指摘でございますが、商工課の職員、この配置についてでありますけれども昨年来商工業振興への対策といたしまして、職員の増配置を図ってきておるところでございます。御提言の趣旨等も踏まえまして今後の検討課題としてまいりたいと思います。

 

 次に、本市のミニスーパーの関係でございますが、本市の指導要綱以下の面積でございますので法的の措置を行っておりませんが、地域によっては問題も発生しております。現在この対応について検討をしておるところでございます。

 

 しかしながら、本市だけで要綱によりまして規制をいたしますと、近隣町村への出店が増加するというような傾向も予想されますので、これらの対応につきましては全県的な調整が必要であると考えております。現在、県とも協議しながら検討を進めておるところでございますので御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、寿・宝地区の区画整理事業についてのお尋ねでございますが、このことにつきましては地域の実情からこの事業そのものには理解をしておることは過去の話し合いの中から判断をするわけでございます。問題はその計画の方法にあるようでございますので、今後一層反対をされておる方々等の意見を十分に踏まえながら、事業に対しまして理解を得るような努力をしてまいる所存でございます。御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、婦人団体連絡協議会の1円募金運動に対する市の考え方、この対応の仕方、これらにつきましてのお尋ねでございますが、本市では緑豊かな町づくりを実現を図るべく杜構想の具体化に取り組んでおるところでございます。

こうした時期に行政の緑化に呼応いたしまして、婦人団体連絡協議会が自主的に1円募金運動を展開されましたことは、市民が緑化に対して深い御理解と関心を示されたものといたしまして受けとめておるところでございます。

 

 また、御指摘のありました婦人の杜、青年の杜等具体的な杜づくりに対しましては、杜構想の中で検討してまいりたいとこのように考えておるところでございます。

 

 次に、国体に関連をいたしましての市民運動推進協議会、このことについてのお尋ねでございますが、実は本来の形でいうならば各全体の市民運動推進委員を御委嘱申し上げて、その上で市の推進協議会、これを結成するのが筋だと思うわけでございますが、やはり非常に大きな数、そして数多い団体でございます。したがいまして6月21日に300余団体の責任者の方々にお集まりをいただきまして、甲府市は甲府市の市民運動推進協議会を発足したところでございます。

この運動が啓蒙、啓発のいわゆる一過性のものとならないように、地域に根ざすために27の学校地区にいま地区市民運動推進協議会の発足を要請しておりまして、おかげをもちまして結成状況につきましても順調でございます。9月の17日現在で17地区結成が終わり発足をいたしました。今月中にはおそらく全地区発足ができる、このような見通しでございます。

 

 運動でございますけれども、このことにつきましては地域及び団体の推進委員がリーダーとなりまして、この基本目標であるところの体をみずから鍛えていく、心を養っていく、環境をそれぞれ美しく整備していただく、このような3部門にそれぞれ運動に入っていただくわけでございますけれども、この市民運動につきまして、行政といたしましては32名の部課長をもちまして構成しておりますところの市民運動庁内推進協議会を母体に、相互に調整を図りながら各部がそれぞれの運動を助長をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

 

 御指摘のとおり、この市民運動推進協議会が一過性のものでなくして、もう国体が終わったから終わりだということでなく、このお互いに協力、協調をし合う、そして触れ合いの和をもっと広げていく、こういうような形の中から甲府市にその運動と心がほんとにもう定着することを願って推進をしておりますので御理解を賜りたいと思います。

 

 あとのそれぞれ問題につきましては、担当の方から、部長からお答えをいたします。

 

○社会部長(吉岡 典君)

 市民祭りの実施時期の見直しについてお答えを申し上げたいと思います。

 

 市民祭りにつきましては、市民憲章を中心に住みよいまちづくりを目的に、関係団体の御協力をいただきながら開催をされてまいりましたことは、御質問の中にあったとおりでございます。御質問の現在の8月実施について見直しをしたらどうかと、こういう御意見でございますが、市民祭りそのものが、いわゆるすべての市民が気軽に参加できることが一番望ましいわけでございますので、この実施時期等につきまして、56年に一応市民祭り実行委員会が、市民のいわゆるアンケート調査を実施をした経過がございます。

そういう経過の中で市民の多くの方が希望いたしてまいりましたのは、8月の夏祭りとして実施することが一番いいんだと、こんなふうな意向が多かったわけでございまして、それらを踏まえまして8月実施と、こういうことにいたしまして現在まで3回の実施をいたしておる、こういう経過がございます。

しかしながら、御質問にもございましたとおり、8月では時期的には非常に暑い、というような御意見ももちろんございます。したがいまして、御質問の趣旨を十分踏まえまして、市民祭り実行委員会あるいは関係団体とも十分協議をして対応してまいりたい、こんなふうに考えておりますので御理解をいただきたいと思います。

 

 以上でございます。

 

○議長(小沢政春君)

 再質問ありませんか。 (千野 哮君「了解」と呼ぶ)

 

○議長(小沢政春君)

 次は野村義信君。

 

     (野村義信君 登壇)

 

○野村義信君

 私は、政友同志会を代表して市政一般について質問をいたします。当局の明快なる御答弁をお願いいたします。

 

 原市長は、名市長として多種多様な思想、信条を持たれる市民に対して、厳正、中庸を旨とした行政を日々行っておりますことに、心から敬意をあらわすものであります。したがって、政治的には何らの傾きを持たず、一人一人の意見が行政の上に効果をあらわすような立場をとられて行政を執行されるよう、望むものでありますが市長の所信をお伺いいたします。

 

 さて、甲府市は、本州中央部、山岳地帯の中央部に位置する中核都市として、背後にある東京都の強大な政治力、文化力など経済力の強い影響により、無限に近い可能性を秘めております。中央道西宮線の貫通という強大なインパクト並びに昨今にわかに政治の日程に上ってまいりました甲府〜清水高速自動車道建設機運を、本格的なインパクトとしてさらに日本が世界に誇る半導体産業が、最近本県の清明な空気を求めて進出してきつつある。

エレクトロニクス産業の展開を内的なインパクトとしての状況下にあって、原市長の政治文化に対する努力を求める声は、市民の心耳を揺るがして天のときを知らしているようであります。このような大きな底流に対して、どうお考えになるか、また、市勢の拡大に応じてどのような甲府市づくりを図られるか、お伺いいたします。

 

 なお、御承知のとおり山梨大学では早くもこの機運を受けて、大学に一科新設に意欲を示しております。行政の原則は、市民の経済活動の自由に対し、金は出しても口は出すなということがあります。まことに経済は本人の技量と時の流れによるものでありましょう。もちろん行政は、その指導に遺憾のないようにすることは言うまでもありませんが、最近は、商工業の盛衰が著しくなってまいりましたが、この指導について市長はどのようにお考えになりますか、お伺いいたします。

 

 次に南部地域について。

 

 南甲府駅前西に広がる南部地域一帯は、甲府バイパス及び中央道を抱えて、商工業発展の南部中心地帯と考えられます。まして61年かいじ国体において、その地域がメイン会場となることは、願ってもない機会でありましょう。市長はこの地域に対して教育、文化、商工業の発展策など、また青葉スポーツ広場に小学校の建設の計画についてその状況、お考えをお伺いいたします。

 

 次に農業について。

 

 農地の確保、農業の振興は社会の進歩、科学の発展により大変革を受けており、農家は、一体農業はいかになっていくのかと、迷いと不安の中にあります。もちろん農業は事の重大性にかんがみ、国の直接的な施策が多いのでありますが、特に甲府市及びその周辺は、商工業の発展により農地の変貌が激しく、農業は低迷しております。このときに当たり、市長は、農業生産及び農地についていかなる方策によるべきかを勘案して、もって市民の心を国や県に対して要望すべきだと思いますが、その考え方についてお伺いいたします。

 

     (議長「小沢政春君」退席、副議長「小林

      匡君」着席) 

 

 次に福祉行政についてお伺いいたします。

 

一歩踏み込んで質問いたしますので、前向きな答弁をお願いいたします。

 

 御承知のとおり、福祉行政は市民生活と密接な関係があり、福祉の充実は一人一人が心から願っていることは申すまでもありません。これに対して市当局におかれては、昨今の厳しい社会情勢、財政状況の中にもかかわらず、老人、障害者など各般にわたり幅広い施策を実地し、市民福祉の向上に努められ、数多くの実績を残されてきたわけでありまして、このことについては深く感銘をいたす次第であります。

しかし、この福祉に関する問題はきわめて重要な問題であるがゆえに、今後、社会情勢の変化に応じ、市民の生の声をできるだけ多く聞き、市民本位の福祉行政を真剣に取り組まなければならないと思います。

 

 そこで私の申し上げたいのは、今日、市民の行政に対する思考はと考えますときに、老人や障害者の方が可能な限り家庭や地域の中で生活できるようにするための福祉サービスが重視されるべきだと考えるのであります。

なぜならば、人間にとって基本的な生活の場は家庭であり、住みなれた地域の中で家族や友人たちとの温かい触れ合いをもって生活することが望ましく、福祉の対象となる人々自身もこのことを希望していると考えるわけであります。

 

 御存じのように日本はますます高齢化社会を迎えようとしております。昭和60年には老齢人口は11.6%、それが昭和80年には23.3%になると予測されております。老人問題は、まさにわれわれ自身の問題であると思います。

老人福祉の究極の目的は、老人の健康を維持し、老化を防止し、豊かな老後の生活を送らせること、また行政の未開拓の分野として老人福祉等々、本当の老人問題の解決はないと思います。さらに一人ぼっちの老人が年々ふえる一方、何日も人に知られず死んでいる例が少なくなく、これを防止するために在宅老人に対する専門家による家庭訪問、看護制度を実施し、老人や家族に対し助言や会合、負担の軽減を図るコミュニティー・ケアの実施が大切だと思います。敬老の日を1日だけの行事に終わらせることなく、市民全体の老人政策を考えるという意味で、これからの施策の実施を目指していっていただきたいと思います。

人間である限り皆この問題は無視することはできません。老後の孤独は外的な国や地域社会のサービスだけでは解決し得ないものがあると思います。したがって、いかに生きるか、という課題はいまも、今後も古くて常に新しい課題として、現在の老人だけでなく、若い世代にも問いかけられてくるでしょう。

 

 そういう意味では老人対策というのは、若い世代に対して行われるべきであり、将来の自分の姿を考える、そこに真の老人対策、老人福祉の発想があると考えます。できる限り世代間の垣根をはずし、役割り分担は異なるとしてもともに働き、ともに助け、ともに楽しむ地域社会を建設していくという内側からの努力が大切です。

 

これは、とりもなおさず生きがいを生む基盤となり、孤独感、疎外感を解消することにつながるものだと考えます。そこで以上老人問題を述べてきましたけれども、それらを踏まえて市長はどのような展望で、どのような考えを持っているか、お伺いしたいと思います。

 

 現実に、ほとんどの老人や障害者が施設でなく、家庭において生活をされており、そしてその人々の中にはいろいろな問題を抱えているケースが多く、各種の福祉サービスを願望しており、現在実施されている施策の強化、充実を図っていく必要があると思います。

 

 また、施設入所者に対するサービスにつきましても、入所者の生活の場としての機能を十分発揮できるよう、充実に努める必要はもちろんのことでありますが、これらの社会福祉の充実は、地域社会に根ざしたものとして在宅福祉対策強化の方向に進むべきものと考えるのでありますが、在宅福祉対策は大変幅が広く、また非常にむずかしい問題もあることは事実であります。そこで私は、以上述べました観点から、今回寝たきり老人、ひとり暮らし老人、重度障害者、いわゆる社会的弱者に焦点をしぼって、この方たちの在宅福祉対策について述べさせていただきます。

 

社会的弱者といわれます方の実態でございますけれども、現在甲府市におきましては、寝たきり老人は440名、ひとり暮らし老人1,671名、重度障害者850名でございます。この実態把握でこざいますけれども、寝たきり老人は手当の支給にも取り扱っております関係上、現況調査を実施しており、その調査に際して家族の 

方から健康状態などにつきまして実情を聞いておるわけでございますが、またひとり暮らし老人につきましては、民生委員の方々に御協力をいただきまして、基礎調査を実施いたしまして、その実態の把握に努めております。

 

 しかし、重度障害者につきましては、手帳の交付に際しての把握ということでございまして、潜在者を含めましての実態の調査でございますけれども、この問題に大きく及びますのでどのようにしているか。

 

 現在の実施事業と今後の取り組みについてですが、主な実施事業といたしましては、家庭奉仕員派遣事業、訪問入浴事業等々実施いたしておりますけれども、在宅福祉対策は、老人障害者の方が長年なれ親しんできました家庭や地域社会の中で、健常者の方とともに安定した生活ができるような条件づくりをしていく、ということは大変大切なことだと思います。

特に寝たきり老人、ひとり暮らし老人、重度障害者に対する福祉対策は、大変重要な課題であると従来から思っております。この基本姿勢に立っての各種の在宅福祉を進めてきたと思いますが、今後におきましても福祉サービスができるよう進めていくようお願いいたします。

 

 この社会的弱者について今後の取り組み扱いについてお尋ねします。

 

今後の取り組みについてでございますが、家庭奉仕員派遣事業を初めとして、各種の在宅福祉対策を実施している状況は、十分理解をするわけでありますが、たとえば寝たきり老人について申し上げますと、寝たきりのお年寄り御本人の心の問題、または周りの御家庭の問題だとか、さらにはこれを取り巻く生活環境など、さまざまな問題があるかと思うわけであります。

これらは、今後高齢化社会が進むにつれて本当に多様化し、また年々増加をしてくることは予想されるわけでありますが、そこでその充実策の一環として申し上げたいのでありますが、友愛訪問事業がございます。

これは大変よい事業でもございますし、また市内の老人クラブの皆さんの御協力を得て、寝たきりのお年寄りたちと話をされるには、やはりこの老人クラブの方たちのお力添えをいただき、そしてお互いの立場を相互に理解しあい、いたわりあえるような福祉の最も根幹である相互扶助精神を、もう少し育てていただきたいと思います。また、こういう友愛事業については、今後一層この充実策を取っていただきたいと思うわけでございます。

 

また、在宅福祉にかかる福祉の拠点づくりを私は必要だと思うわけでありますが、関連性のある施設はなるベく1ヵ所に集めた方が、管理また運営面で何かと効率的ではないかと思うわけであります。

 

 そこで改めてお伺いしたいのは、一福祉の拠点づくりの一環として老人の生きがい、働くことの喜び等を考えあわせて、授産施設を設けて老人にできる仕事を指導し、与えたらどうでしょう。また、そのつくる製品等は当局で考えるといたしまして、そのような授産施設を設ける考えはございませんか、お伺いいたします。

 

 次に、老人福祉医療についてお伺いいたします。

 

 今後の老人医療は、老年者疾病の特性を前提として組み立てるべきである。その第1の課題は従来の医師対患者、個人対個人の医療を、集団対集団の医療に転換することであり、治療医学から包括医療への転換が必要である。第2の課題は、福祉医療の理念の確立である。寝たきり患者の言葉で表現される老年者慢性疾患は、明らかに福祉対象者である。

 

 老健法の基盤となった包括医療にリハビリテーションをつけ加えて、福祉医療の概念としたい、このような医療は多くのスタッフがチームを組んで初めて可能である。高齢化社会にいかに対応するかについては、健やかな老年期を実現させるため、壮年期以降からは健康の増進を図り、各年代ごとに発生しやすい疾病を予防する、健康の自主管理と定期的健康検診を励行すべきである。

そして、そのためには各年代層の住民を対象とした教育が不可欠である。社会、行政、医療機関の対応について、それぞれ発想の転換が求められるが、特に医療機関の対応として1、一定間隔で短期入院を繰り返して症状のチェックを行うとともに、病態の固定調節を行う定期的短期入院方式の導入。

2、診療所はホームドクターとして患者の日常生活を指導しつつ病態の調節を分担し、病院は施設的、組織的チーム医療の特色を生かし、定期的総合検診、リハビリを行うという機能分担を図るとともに、デイホスピタルシステムの制度化とその施設整備。

3、在宅患者に対する訪問看護、訪問指導制度については、保健婦と病院看護婦相互の共同体制の確立が不可欠であり、制度面で整備されるべきである。

 

 最後に、ヘルス事業の統合化の一つとして医師、PT、OT、保健婦、栄養士が専従して老年者の生活指導、健康診断、健康相談、リハビリを行う総合的福祉センターも今後検討されるべき施策の一つである。1、医療施設と福祉施設の中間にある施設。2、病院と家庭との中間にある施設。

3、病院から家庭を援護し、在宅療養を維持するための中間施設。4、医療施設と福祉施設のかけ橋となるものでなけれはならず、現在の縦割り行政の枠組みを超越して勇断な姿勢が必要であると思います。

 

 そこでお伺いいたします。短期入院をして健康診断、相談、リハビリ等が気軽にできる総合福祉センターを新設する考えはありませんか。

 

 次に、青少年の健全育成のための環境づくりについて

 

 教育基本法第1条により教育の目的は「人格の完成をめざし、平和な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない」と、あります。それによってりっぱな国民が教育されているはずであります。

 

 由来、「国乱れ忠心現われ家貧しくて孝子出ず」とのことわざがあります。日本の国は大正、昭和にかけて貧困の極に達してから、数度の戦争の困難を克服して、いまや経済も自由も世界一の座にあります。

これはひとえに日本が貧乏だったからこのような健全な国民が、そのころは養成されていたのであります。しかるに最近ささやかれますことは、若者の健全性ついていささか迷いが生じているようであります。これは、いまの日本が余りにも経済が豊かになったことと、国民生活の自由さに行き過ぎの一時のひずみであろうと思います。

 

 次代を担う青少年に対する教育の使命は重要であるのに、現状は親のエゴイズム、受験競争、教育に情熱を失った教師、無責任な教育行政等々の要因を背景として、子供たちの人間性は大きくゆがめられ、自殺や校内校外暴力等の非行者が著しく増加しており、まことに憂えべき現状を是正するためには、しつけ、情熱と意欲に満ちた教師による自立を促し、個性を伸ばす学校教育、また社会においては青少年の健全育成のための環境づくり、家庭学校、社会のすべてが子供の教育に責任を持ち、真剣に取り組むべきだと思いますが、この時流に対し市長はいかなる方策をもって対応するがよいと考えているか、申し上げたとおり諸悪の根源は行き過ぎた豊かさと自由にあります。こうした状況に対し、市長はどうしたらこれが改善できると思いますか。あわせてお伺いいたします。

 

次に、児童の健全育成とチビッコ広場についてお伺いいたします。 

 

 将来を担う子供たちが、元気に健やかに育つために学校、家庭はもちろん、地域としてもクラブや子供会等を結成して活動し、子供の健全育成のため尽力されていることは評価されるものでありますが、子供たらの日常生活に欠かせない遊び場である児童公園やチビッコ広場についてお伺いをいたします。

 

 私たちの子供のころは、自然の中に遊びを見つけ、自分で遊びを工夫し、つくり出しながら育ってまいりました。その遊びの中に縦のつながりも横のつながりも自然とでき、だれが教えなくてもがき大将を中心にして遊びを展開させ、終日楽しく遊び回ったものであります。

その中で社会性も他人との協調性も、忍耐力も知らず知らずのうちに身につけてきたものであります。それがこの数10年来、道路は交通戦争、空き地は駐車場となり、子供たらから遊び場を奪ってしまったことは言うまでもないことであります。

家の中に閉じこまざるを得ないし、塾通いをしてその時間を費やしているのが現状であり、頭でっかちの子供ができても当然といわざるを得ないと思うのであります。

 

 以上のことを考えるとき、子供たちが自由に伸び伸びと安心して遊ぶことのできるところを、せめて確保してやらなくてはならないと思うのであり、何の手も入れず荒れほうだいになっているところもあれば、きれいに地ならしをしてゲートボール場になっているところもあります。

京都府では、がき大将の養成を目指すということで、教育委員会では小中学生の異年齢集団による仲間づくり運動に乗り出しました。フレンドリー活動と名づけられたこの運動は、子供たちが自発的につくった規律に基づき、集団活動をすることによって社会ルールを学んだり、集団リーダーを生み出すのがねらいであります。子供にいたずらはつきものだが、最近の子供のいたずらは悪質な弱い者いじめが急増しているといわれております。

仲間同士の連帯感が薄いものに変容しつつあるという危機感が、この運動の企面となり、当市としてもがき大将とまでは行かないにしても、子供心を尊重し、21世紀を担う子供たらを大事に育てるという気持ちの中から、せめて自由に安心して遊ぶことのできる時間と場所を与えてやるべきではないか、と痛感するものであります。まず大きく分けまして、学校教育サイドでこういうことについてどのように、どういう指導をしているかという現況もございます。

それは学校教育の中で行っていることでございますので、学校が終わった後の問題、それから休みの問題というか、そういうときには子供はどうあるべきか、という指導を学校教育の分野でも、特別活動の中でも、安全指導あるいは余暇の遊びの問題はこうだというような指導をいたしているのが、学校教育サイドでございます。

 

 それからもう一つは、社会教育サイドでやはり一定の指導をしておりますが、ただ社会教育サイドで行います。場合は、やはり組織的な形で行っておる、ということでございます。スポーツを主とした組織それから子供クラブ指導協というものがございます。ボーイスカウト、ガールスカウトなどもございます。

そういう団体いわゆる組織を一つの単位として一定の遊びというんでしょうか、鍛練というんでしょうか、そういう活動をしているのが現状でございます。ただそのほかに、そういうものにも入っておらない子供などもあるわけでして、そういう子供たちについては、やはり自主的な遊びをするということになるわけで、そこで実は、その場合に住宅が密集しているところだとか、あるいは交通安全上危険が比較的多い、というようなところだとか、あるいは恵まれた遊び場が近くにない、というようなことだとか、そう、いうようなところを一つは位置づけをいたしまして、しかも民有地で遊休活用ということを前提にして、このチビッコ広場というものはいわゆる児童遊園だとか、公園サイドのものがございますけれども、そういうものの補完的な役割りをするというような形でございますので、その辺も若干つけ加えて説明させていただきます。

 

 そこでお伺いをいたします。小中学校の学童、生徒の学校生活以外の子供の生活指導、遊びの指導をどのようにされているのか。現状はどのような実態か。法的に遊園地または広場は十分か。基本計画があるか、あるとするならばどのようなものか。また、チビッコ広場を設ける考えはないか、お伺いいたします。

 

 次に、保健活動についてお伺いいたします。

 

 保険者の中には、あるいは保健活動は保健所の仕事であるから、そららに任せておけばよい、という考えがあるかもしれない。しかし、医療というものは診療活動と保健活動が相まって初めて十分に成果を発揮できるものであり、したがって、両者は一体として理解されなければならないものであります。

療養の給付を行う国保は民生局が、保健活動を行う保健所は衛生局が管轄するという縦割り行政の下で、どうして両者を連帯させ、一体として活動させることができましょうか。また実際にそれが行われているといえましょうか。都市行政の全体的視野に立って国体と保健所の一体活動が、実際上困難ならば、国保の中で診療と保健所の統合的活動が行われる必要がある。

 

 医療とは本来包括医療であって、予防、診療、後療、リハビリテーション、健康管理などを一体として実施しなければ医療効果は十分上がらず、医療経済に大変なむだが生ずることを、早くから指摘されてきているのであるけれども、それがいまだに、特に大都市において実現しない最大の理由は、住民や被保険者の間にそれに対するニードが大いに不足していた、ということにある。

というのは、山間僻地では近くに医療機関がないから、どうしても病気にならないように予防や健康増進や健康管理に努めざるを得ない、という事情がある。ところが都市では手近に医療機関が幾らでもあり、病気になれば容易に駆け込んで診てもらえる。健康診断をしてもらわなくても、どこかぐあいが悪いといって医者に行けば、いつでも診断してもらえ、病気になってもすぐ治してもらえるという安心感があります。

予防に時間と労力と金をかけるより、病気になればわずかな金一部負担金を払って治療してもらう方が、手間暇かからずかえって安上がりで合理的であるという安易な考えがあったからではないだろうか。

 

 また、健康相談や栄養指導などについてニードがあらわれない、ということも、それが行われていないのではなく、診療主義の保険制度の下では、ニードの持ち主は患者として医療機関を訪れ、医師から診療の中で、あるいは診療の形で相談にあずかられ、または指導が与えられているのであります。

ところが相談や指導だけでは相応の報酬には結びつかないので、その場合、多くは必ずしも検査や薬剤の投与や注射が行われる。それが医療費増高の一因ともなるのである。ところが近年になって事情が変わってきました。それは成人病とか老人病が注目されるようになったからであります。

というのは、老人病といわれるものの多くは、一度かかれば完全にはもとの状態に復さない。このように治らない疾病に対して診療という方法で立ち向かうのは医療効果が上がらないし、はなはだ不経済でもある。老人病はたとえば脳出血にしても心筋硬塞にしても、起こってから治療するのでは遅いのであって、起こらないようにするのが最良の方法である。

そのために予防こそ最善の治療策であるとさえ言われております。老人病の多くは内因性のもので、突然に発病する場合はまれで、脳卒中などの一見突発的に起こるように見えるものでも、注意していると、それよりはるか前からいろいろの兆候があらわれているものであります。潜在する期間が相当長いので十分用心していれは相当程度防げるという。そこで健康管理ということが非常に重要性を持つのであります。

また、不幸にしてかかった後でも一定の段階を過ぎると投薬をしたり、手術をしたりという方法での診療の効果には限界があり、むしろ長期にわたる疾病管理、療養指導、リハビリテーションの方の効果が大きい。そこで医師による治療よりも保健婦による保健活動やセラピストの機能訓練が必要となる。

 

 さらに保健活動はもう一つの面からその緊要性を増している。周知のように国の老人医療無料化制度が実現している。その結果、老人医療費として莫大な金額が消費され、その影響をまともに受けた国保財政が窮地に陥って、それを積極的に推進してきた保険者も、いまさらながらあわてて対策に頭を悩まさなければならない羽目にある。

危機に瀕しているというようなことが、諸方の保険者から叫ばれるように至って、診療だけで老人医療に立ら向かうやり方が、明らかに誤りであることに気づいたのである。保険財政防衛という、いわば伝統的観点からも保健活動の不可欠なことが、改めて痛感するものでございます。当市においてもそのような計画及び対応する必要があると思いますが、お伺いいたします。

 

 また、現在保健婦さんが何名いて、どのような活動をしていますか、あわせてお伺いいたします。

 

 次に、学校施設の整備についてお伺いいたします。

 

 日本の教育制度は、明治5年の学制発布以来110年間、幾多の変化を繰り返しながら着実に教育の近代化が進められてきたことは、御承知のとおりでございます。特に、第2次大戦後は教育の民主化、義務教育の拡大による国民の教育レベルを向上させるために、6・3・3・4制の学校教育制度が確立され、現在に至っております。

戦後において経済また社会情勢の変化に応じて、教育全体につきましてもいろいろな論議がなされ、教育の国、日本の真価を発揮してまいりました。また社会教育、職場教育、家庭教育など、教育の場が学校以外の場へも拡大をされ、幅広い教育機能が強く求められるようになり、多様化社会に応じて生涯教育の必要性が強く叫はれるようにもなってまいりました。

しかし、何といっても教育の基本は小学校、中学校におきます義務教育のあり方にかかっていることは申すまでもありません。中央教育審議会は、これら学校教育のあり方について、個性的で多様な人材の養成と自己開発ができる環境づくりが必要との立場から、児童生徒の適性、能力、興味、関心に応じ柔軟な教育、すなわち学校教育の弾力化と義務教育の確立性の改善を求める報告をしております。

教育は人なりといわれるように、当然教職員の資質の向上も重要な問題でありますが、人間は環境によってつくられるといわれるように、教育における環境づくりの重要性は申すまでもありません。

 

 そこで日本における学校建築の歴史をひもといてみますと、建築技術の近代化が少しずつ図られてきました大正時代において、すでに動と静の分離、動静の機能面の配慮がなされるようになっております。また実業教育の発展から理科室、音楽室の必要性を、さらに人間性の個性、自発性を伸ばすため図書室、図画工作室、自習室などを設置する方向が示されております。また関東大震災の経験から耐火性、耐震性を考え、鉄筋コンクリート構造がどんどん取り入れられるようになってまいりました。

昭和期に入ってから学校の校舎配置に一定の指定の指針が示され、南東方向に運動場を配置し、日当たりを考えて北側に教室と、西側に管理棟というL字型の校舎の形式が.多く取り入れられるようになり、戦後は戦災の復興と6・3制義務教育の拡大に対応するため、昭和30年代半ばまで、早く安く建設する必要性に迫られ、またその後もベビーブームによる児童生徒数増に対応する不足教室が、木造校舎の鉄筋化の対応に迫られ、50年代に入って、ようやく学校建築に文化のかおりを取り入れる、文化のための1%事業の考え方ができたのであります。

教育の多様化、弾力化も大変重要でありますが、学校施設についても教師の創意工夫や十分な指導が展開できる場、児童生徒の自主活動や触れ合いを助長するための場の確保が強く求められる時期に入っております。また、教育の機会均等、格差是正、教育効果の向上、行き届いた生徒の指導など、学校教育の管理、運営面についてもろもろの問題点が指摘されてもおります。このようにゆとりある教育の理念を実現するため、学校教育施設のあり方に関連して質問をいたします。

 

1つは、環境が人をつくるといわれておるとおり、心豊かでたくましい子供を育てるためには、教師の指導力の向上は当然でありますが、学校施設の果たす役割りを見逃すことはできません。最近、教育の場としてだけでなく、子供たらの学習の場あるいは生活の場として、たとえば廊下の幅を広くしてワーク・スペースとして活用するとか、多目的室を設けて児童生徒の触れ合いの場とするとか、学校施設に対する要望も変化しております。

 

 本市における学校施設の今後のあり方についてお考えをお伺いいたします。

 

 2つには、体育館、プールなど学校規模別に設置基準を設け、対応されておりますが、特にことしの暑さは例年を上回り、毎日30度を超す暑さで、学校におきましても子供たちがプールで泳ぐのが楽しみだったと思います。そこで使用のシーズンの短いプールにおける水泳指導は、大規模校において児童生徒1人当たりのプール使用回数に差が生じていると思われます。この点についてお考えをお伺いいたします。

 

 それから、市内の小中学校10校の水道の漏水量を調べたところ、3カ月検針で10校の合計更正金額が約400万円ぐらいになり、年間2,400万円ぐらいになります。その他市の施設、学校等もありますので、この際調査、点検し対策等を立てる必要があると思いますが、当局のお考えをお伺いいたします。

 

 次に、乳幼児の健康診査と受診状況についてお伺いいたします。

 

 わが国の医学の進歩は目覚しく、乳児死亡率の低下は世界のトップレベルまで達しているといわれております。しかしその反面、小児特有の先天性内臓疾患、代謝異常児、小児ガン、小児ネフローゼ、小児ゼンソク、心身障害、言語障害、情緒のおくれを持った子供の生存率が高まっているといわれております。

そこで、こうした疾病の発生を防止し、あるいは障害を早期に発見し、効果的な治療と療育を、早期に行うことがきわめて重要なことであると思います。一貫した療育体制がぜひとも必要であり、これは社会的責務であると考えるものであります。

 

先進都市松山市の児童相談室の内容を見ますと、1歳6ヶ月健診で言葉や運動機能、情緒面での発達がおくれていることか明らかになった幼児を、専門的な立場から早急に障害の原因を究明、療育する施設であります。指導の内容は1つ、専門医による診断と所見。2つ、心理判定による心理所見。3つ目、行動観察と発達検査所見。4つ、母親に対する育児の助言や相談等々で、スタッフは小児科の医者、教育治療士、精神医学の専門医、保健婦、保母などでそれぞれ専門的な見地から原因を究明、事後指導が行われる体制をとっているということであります。

指導のねらいには身辺の自立、感情の表現や要求、表現を豊かにさせるとともに、一人遊びから集団遊びができるように仕向けることであります。特に相談室の大きな特徴は、健診の結果何らかの障害が発見されても、障害児と決めつけないこと。たとえば話すことができない幼児に対しては、その原因が聴覚に異常があるのか。また母親が話しかけなかったためそうなったのか。専門的に分析し母親が話しかけなかったことに原因があれば、この場で何らかの刺激を与え、脳の発達をよくしてあげるなどの早期に原因を発見し、症状の固定化を防ぐことに努めているということであります。

これまで運動機能や視聴覚障害、精神発達のおくれた幼児は、1歳6ケ月の健診で明らかになっていたが、その後適切な措置がとられなかったため、障害が固定化するケースが見られただけに、障害児を持つ父母や関係者の間で大きな期待が寄せられております。本市においてもこれらの乳幼児対策の一環として抜本的な対応が急務と考えます。そこで次の諸点についてお尋ねしたいと思います。

 

 毎年市で実施している1歳6ケ月児の健康診査の受診状況と診査結果の内容について、健康診査の結果、疾病の疑いのある幼児についてどのような事後措置をしているか、お伺いをいたします。

 

 また、これに対して関連として清水議員が後ほど質問いたしますので、よろしくお願いいたします。

 

 次に、国民健康保険事業にかかわる質問をさせていただきます。

 

 国保は、国民皆保険制度を支える中核として、地域住民の医療の確保と健康の増進に極めて重要な役割りを果たしてきております。現在わが国は諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進んでおり、一方では経済の低成長、国の財政事情等から、医療保険制度を取り巻く環境は相当厳しいものと思われます。

特に、国保は医療費の増高、経済成長の低滞等の影響は、ほかの保険利権と比べた場合最も大きく、さらに被用者保険からの定年退職者の流入等により医療費の重圧によって昨年前からの老人保健法の実施後においても、他制度との負担との格差は拡大の一途をたどっているといえます。

 

 ここでお伺いしたい第1点として、退職者医療保険制度についてであります。

 

 国保の財政状況が年々悪化しているのは、被用者保険からの定年退職者の流入により、高齢者の割合が増大することによって医療費が高まり、またその反面保険料の負担能力の低いことが主要の原因とされております。このような状況は、わが国の医療保険制度が分立しているところから生ずる現象であり、この不合理を是正し、制度間の負担の不均衡の拡大を阻止するため、退職者医療保険制度についてであります。

骨子といたしましては、医療保険制度間の財政調整を行うものであり、退職者にかかる医療費は、主として被用者保険からの拠出金で賄うこととされ、これに伴い国保財政が改善されることから、国保に対する国庫補助率の引き下げを行うものとされております。この制度については、長年国保関係者が念願していたものでありますが、こうした最近の状況等から果たして国保に有利になるのか、私は非常に疑問をもっておるところであります。

 

 そこで、退職者医療保健制度が本市の国保にあってどのような影響を予想しておるのか。また、10月1日施行を前にして財源など取扱方法、事務経費等はどのようになっておりますかお伺いいたします。

 

 また、この国保に関して、後ほど川名議員から関連といたしまして質問がございますのでよろしくお願いいたします。

 

 次に、水道局についてお尋ねいたします。

 

 今年の暑さは毎日30度を超す酷暑で水道の需要もうなぎ上りだと思います。水道局の職員の方々の努力にて断水は免れたようです。感謝を申し上げます。行政改革の折で無駄を必要最小限にしなくてはなりません。

 

 そこで、昨年6月議会でもお尋ねしました水道の有収率の件ですが、59年度は何パーセントくらいに抑えられますか。また、来年には荒川ダムが供用開始になりますと有収率は必然的に下がりますが、そのあたりの対応はどのようにするつもりかお聞かせください。 

 

 最後に下水道について市長にお伺いいたします。

 

 原市政は市長のためにあるのではなく、市民のためにあり、また甲府市に日当たりの良いところ、日陰のところのないよう市長自身も努力されてきたと思います。

 

 そこでお伺いいたします。

 

 下水道の普及は市民の文化的生活、また衛生的で快適な暮らしのできるよう不可欠のものでございます。それには市民全員が平等に受益者負担をして下水道を整備し、また平等に下水道の恩典を受けなければなりません。

現在、高畑・国母地区の1部が9月1日より供用開始区域になりました。旧市内と違って私道で行きどまりのところも多くあり、表通りの下水道本管が入っているところまで30メートル、50メートルあり、また家屋も密集しているわけでもありません。そういう家で下水施設を完備するには共同排水管を敷設して表の道路まで出す以外にないのです。

 

 そこでお伺いしたいのは、その共同排水管の工事費の負担を1軒2万円出す規定になっているようですが、受益者負担金を表の道路端の家でも1平米当たり264円38銭、先ほど述べました裏の共同排水管を敷設しなければ下水道が使えない家でも、1平米264円38銭で平等に受益者負担をしております。

そうすると奥まった家では負担金のほかに2万円余計にかかる計算になります。公平、平等の原則に反すると思います。また、工事をするには受益者負担金、国庫金、市税等で賄われているようです。

 

 そこでお伺いいたしますが、現在ある共同排水管使用規定を見直す必要があると思いますが、当局のお考えをお示しください。

 

 また、受益者負担の基準といたしまして、私の考えでありますが、固定資産の評価額に比例して、受益者負担金を計算し、負担していただいたらどうでしょうか、あわせてお伺いいたします。

 

 以上をもって私の質問を終らせていただきます。

 

 御静聴ありがとうございました。

 

○副議長(小林 匡君)

 当局の答弁を求めます。

 

 市長 原 忠三君。

 

     (市長 原 忠三君 登壇)

 

○市長(原 忠三君)

 野村議員の御質問にお答えいたします。

 

 まず、私の所信についての御質問でございますけれども、私は就任当初から市政執行に当たっての政治理念を「甲府市は市民のためにあり、市政は市民とともに歩むべきものである」このように考えまして、市民党的立場を堅持いたしまして市民本位の市政を貫き通すことと、市民との心の通った対話を進めまして信頼と協調の和を広げまして、市民の積極的な参画を求める市政の推進とそれから公正、清潔、誠実をモットーにしてまいったところでございます。

したがいまして、御意見のように政治的には何らの傾きもなく一人一人の意見が行政の上に効果をあらわしますような立場をとって執行すべきであるとの指摘につきましては、基本的にはそのことを信条として行政執行の目標としてまいる所存でございますので、今後とも御指導、御協力をお願いを申し上げる次第でこざいます。

 

 次に、中央道の完成と相まっての先瑞産業の進出に対応する甲府市づくりについてのお尋ねでございますけれども、本市は内陸部の中心といたしまして、また首都圏都市開発区域の指定も受け、静岡のヒンターランドとしての位置づけがあります。さらに本県の行政、経済、文化の中枢的機能をもつ歴史ある都市として発展をしてまいりました。

今後は国際化成熱化時代の背景を受けまして先瑞技術産業の集積のための県のテクノポリス構想の母都市として活性化を図ります。同時にその底流には身も心も町も健康な文化都市を目指していくべきであると考えているところでございます。

 

 次に、商工業の活性化への対応につきましてのお尋ねでございますが、私は就任以来都市の活力は何といっても商工業の活性化に負うところが多いと、このように考えまして、昨年度においても商工業ともそれぞれ長期的な振興指針を策定をいたしましたところであります。

現在この方向に沿いまして市街地、商店街の再開発、区画整理、その他都市計面事業の推進による町づくり等商工業の振興事業に取り組んでいるところでありますけれども、本年度は特にハード事業として地場産業振興センターの建設、ソフト事業といたしまして工業展を行うほか、潤いと奥行きのある町づくりにより一層商工業の発展を図るべく努力をしてまいりたい、このように考えておりますので御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、南部地域の商店街の振興策についてのお尋ねでございますが、南甲府駅前を含めました南部地域の商工業の発展につきましては、都市化の発展と道路整備等、環境の変化の中で新たな対応を必要とする地域であると考えておるところでございます。

したがいまして消費者ニーズの変化を見極めながら近隣型商店街としての特性を生かしまして、最寄品志向の店づくりによりまして、親しみと買いやすさをアピールするような商店街として指導をしていきたい、このように考えておるところでございます。

 

 次に、高齢化社会に向かっての老人福祉対策の展望についてのお尋ねでございますが、わが国の人口の高齢化は世界を上回るスピードでございますし、本市のそれもすでに全国平均を上回っておるわけでございます。したがいまして、高齢者に対します施策は単に医療介護等援護対策のみならず、より積極的に健康増進、余暇利用、都市環境整備などの施策の実現を求められておると考えております。

 

 御承知のとおり、本市ではこのような状況を踏まえまして本年度を目途に老人総合福祉計画の策定に取り組んでおるところでございます。本計画では市議会を初め各界の代表者で組織をいたします市民懇話会を設置をいたしまして、市民の意見、要望を求める一方、庁内プロジェクトによるところの職員参加を得ております。

 

 また、寝たきり老人や一人暮らし老人に対するところの面接調査、一般老人や一般成人に対するアンケート調査等もすでに実施をいたしましたので、今後それらの意見、要望、他都市の状況等について他方面から調査研究をいたしまして、全国的な課題となっております高齢化社会への対応として、総合的、体系的な施策を打ち出せるようにしていきたいと思います。

 

 また、授産施設等の具体的な御提言につきましては、お説を踏まえまして今後検討をしてまいりたいと考えておりますので御理解をお願いをいたしたいと思います。

 

 次に、重度心身障害者に対する実態の把握と今後の取り組みについてのお尋ねでございますが、在宅の重度心身障害者に対しましては、現在専門の家庭訪問指導員2名を計画的に派遣をいたしまして、家庭の状況把握、厚生相談、援護、これらにつきましての生活上の諸問題について指導、助言を行いますとともに、医療機関との連携を密にいたしまして障害者の早期発見に努めております。

 

一方、各地区の心身障害者相談員23名も地元の民生委員と協力をいたしまして、常時その実態の把握に努力をしているところでございます。

 

 また、今後の取り組みにつきましては、障害者に対する正しい理解と福祉の向上を目指しまして、障害者施策に関する長期計画を本年度中に作成いたしまして、これに基づき諸制度の見直しを行い、多様化するニーズに対応できる制度、体制づくりに努力をいたしまして、障害者の住みよい町づくり運動というものを推進をしてまいる考え方でございます。

 

 次に、高齢化に対する保健対策についてのお尋ねでございますが、高齢化に対する保健対策につきましては老人保健法によりまして40歳以上を対象とした健康相談、健康教育、健康診査等を6項目にわたる保健事業を実施することになっておりますけれども、本市ではすでに老健法の施行以前にこれらの保健事業を実施をいたしまして、高齢化の保健対策を推進しているところでございます。

 

 なお、今後の高齢化保健対策につきましても、総合保健センター等の基盤整備等も含めまして、今年度策定をいたしてまいります市民総合保健計画の中で取り組みを図ってまいりますので御了承をお願いいたします。

 

 次に、青少年の健全育成のための環境づくりに対してのお尋ねでございますが、青少年の健全育成のためには子供を取り巻くすべてのものが相提携してともに育てる体制づくりをしていくことが重要であります。

 

 したがいまして、その家庭、学校、地域が一体となりまして育成のためのよい環境をつくるため、青少年対策本部が連絡調整を図りながら悪書追放等の環境浄化活動、補導活動、地域の子供クラブ育成活動、教育相談活動等を展開しておるところでございます。今後におきましても家庭、学校、地域等それぞれの育成機能を高めるとともに連携をして育てる活動を強めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

 

 次に、遊園地またはチビッコ広場等についてのお尋ねでございますが、現在市内には児童公園が13カ所、チビッコ広場が111ヵ所あります。地域の御協力をいただく中で活用を図っておるわけでこざいますが、全体的には十分であるとは考えておりません。今後増設等につきましては地元の御協力もいただく中から前向きに取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いをいたします。

 

 次に、青少年の非行の原因についてのお尋ねでございますが、青少年非行の原因、背景には家庭、学校、地域社会のあらゆる分野における各種の要因が複雑に重なりあっているものと考えられます。

 

 御質問の豊かさ、自由という点につきましては、現在の青少年は恵まれた環境のもとで生活をしておりますので、物事に対しましてあるいはがまんの心が欠けているようにも感じられます。前にも申し上げましたように、それぞれの育成機能の高揚を図りながら対処をしてまいりたいと考えておりますので御協力をお願いを申し上げます。

 

 次に、保健活動の実態と今後の計面についてはどうかと、このようなお尋ねでこざいますが、近年の病気構造の多様化は御説のとおりでこざいます。したがいまして、現在11名の保健婦さんによりまして市民全搬にわたる保健活動とあわせまして、成人病対策、老人保健対策、母子保健対策、成人保健対策、これに加えまして市民の一人一人の健康づくり対策に取り組んでおるところでございます。

 

 また、国保事業におきましても医療費増高を抑え、適切な診療活動を指導するために単身世帯への生活指導、人間ドックへの進め等自己管理に努めておるところでございます。御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、退職者の医療制度についてのお尋ねでございますが、退職者医療制度につきましてはまだ国から示されていないものもございまして、詳細には不明ではございますけれども、この制度は国保の財政負担軽減のため市町村から要望で創設されたものでございますけれども、結果的には国保財政が好転するということで国庫負担率が引き下げられたため、保険料にしますと被保険者一人当たり年間4,000円程度の負担増になるのではないかと予想がされておるところでございます。59年度につきましては予想される財源の不足分は前年度剰余金等によって処置をしてまいりたいと考えております。

 

 また、事務的な対応は短期間でございますので電算、職員の流動、臨時職員の採用等によりまして万全を期してまいります。事務経費につきましては国の負担は被保険者一人当たり標準といたしまして700円と定めていますので、この範囲内で補正予算を計上しているところでございます。いずれにいたしましても国保被保険者に著しい負担増にならないような財政面で工夫をしてまいりますので御理解を賜りたいと存じます。

 

 最後に共同排水管の補助金の制度の見直しについてのお尋ねでこざいますが、宅地内の排水設備につきましてはそれぞれ個人で設置することになっておるわけでございます。しかし、私有地であってもそこに数世帯が現に通路等として使用しているところで、共同で排水設備を行っている場合には補助金を交付をいたしまして下水道の普及促進を図っているところでございます。

この通路につきましてはお説の2万円負担の問題も含めまして、他都市の実施の状況調査等を行っているところでございますけれども、これらを参考とする中で検討を進めてまいりたいと思います。

 

 また、下水道の受益者負担金に対する御提言でございますけれども、下水道受益者負担金は都市計画法第75条を根拠といたしまして市の条例で負担金の徴収を受けるものの範囲及び徴収方法等を定めておるところでございます。

負担金の目的が事業に要する費用の一部にあてるためのものであり、建設費を算定基準として建設に先き立ちまして賦課徴収をするものでこざいます。それゆえに固定資産税などのように毎年賦課額を決めて納めていただくものでなく、一定期をとらえて一定区域に賦課するものでございますので、本市といたしましてはその区域の負担金の基準として負担の公平と均衡を保つものとして、面積値によって実施をいたしているところでございますけれども、全都市計画区域に対しまして計画当初の建築費をもって負担金算出基準にしているために現実に損なわない状況もありますので、公正なる適正なる負担の原則に立って検討をしてまいりたい、このように考えているところでございます。

 

 後の御質問につきましてはそれぞれ担当の部長からお答えを申し上げます。

 

○福祉部長(高野 肇君)

 乳児健診のうち1歳6ヵ月児の受診状況と診査結果とその事後処置についてお答えを申し上げます。

 

 母子保健対策事業の一環といたしまして、現在3ヵ月児、6ヵ月児、1歳6ヵ月児、3歳児の健診を実施をいたしておるところでございますが、このうち御質問の1歳6ヵ月児の健診については、現状の受診率は約70%になっております。

調査結果につきましてはおおむね80%が健康児でございまして、9%が追跡観察児でまた2%が要精密検査児となっておりまして、さらに4%が要治療児となっている状況でございます。

 

 なお、これらの事後処置といたしましては、専門医によります診療やまた私どもの保健婦によります訪問指導を行いながら次の3歳児健診へ引き継ぎまして、より高い効果が得られるような処置を講じておるところでございます。

 

 以上でございます。

 

○経済部長(中島省三君)

 農業生産及び農地問題について、どのような方策により対応していくのか。また、これらの問題につきまして県等に要望すべきと思うがどうかという御質問でございますが、お答え申し上げたいと思います。

 

 御指摘のように甲府市初めその周辺には他の産業の進展によりまして都市化が顕著でございます。土地利用の計画的活用を図るために農業振興地域につきましては農業振興整備計画を基本にいたしまして、農地の利用方向や土地改良などの基盤整備、また中核的農家への農地流動化等によりまして、都市環境との調和を保ちながら需要の動向に応じた生産性の高い農業の実現に意を注いでいるところでございます。

 

 しかし、御承知のように米の減反政策あるいは生糸の減産などのいわゆる自給調整による農家への厳しい対応にも迫られておりまして、さらに加えまして産地間競争の激化など、これら多くの課題がこざいます。したがいまして、本市農業がこれらの諸条件を克服をいたしまして、都市農業の立地を生かした振興が図られますようこれからも努力をしてまいる所存でございますが、同時にこの方策が効果的に進行できますよう必要に応じまして国や県に対しても積極的に要望してまいりたいというふに考えております。よろしく御理解をいただきたいと思います。以上でございます。

 

○教育長(楠 恵明君)

 教育委員会関係のことにつきましてお答えを申し上げたいと思います。

 

 まず、遊びの指導のことでございますが、お説のとおりでございまして、戦前の子供たらはそれぞれ近隣の子供が集まりまして異年齢集団を形成いたしまして、そして自分たちのルールで遊びを実施をいたしております。そういう遊びの中から子供たらの社会性や協調性が育てられてきたわけであります。

このことについては御指摘のとおりだというふうに思います。現在の子供たちの遊びを見てまいりますと、交通事情とかあるいは都市化の現象等重なりまして遊び場が十分確保されないという事情もございますし、また一方テレビ等の極瑞な普及によりましてテレビ視聴にとらわれているというような状況もお説のとおりでございます。

したがいまして、これらの状況を十分勘案する中で今後遊び自体を復活させていくような指導を十分にしていきたい、こんなふうに考えているところでございます。

 

 なおまた、遊びのそういう指導を学校外におけます指導は、御承知のように学級指導の時間あるいは児童会、生徒会の時間、あるいは甲府には各学校の少年議員が集まりまして甲府市少年議会というのをつくっております。

こういう甲府市少年議会の申し合わせ等の機会を使いまして子供たらの遊びの指導がいまのような状態の中で十分に行われるような方策を今後十分に検討してまいりたいというふうに考えております。

 

 次に、学校の施設の今後のあり方の問題でございますが、これらの点につきましては今後の学校教育が何を重んじていかなければならないかという方向を十分に見据えてまいりたい。現時点で挙げられますのは子供たち自身の自己教育力の養成であるとか、あるいは基礎、基本的事項の徹底であるとか、あるいは文化とか伝統の重視であるとかというようなことが今後の教育の重点にますます挙げられていくんではないかと思うわけでございます。

したがいまして、そういうものを踏まえて学校施設というようなものがそれに対応できるような施設の工夫をお願いをしてまいりたいというふうに考えております。ぜひまた御協力を賜わりたいというふうに思います。

 

 最後にプールの使用の問題でございますが、御承知のようにプールを使用いたします場合には、普通の学校があります場合には体育の教科の中で学級単位に利用をいたします。

 

 それから、夏休み等あるいは放課後等になりますと、これは希望の生徒を地域割りとか学年割りにいたしまして使用をさせている。こういう2本立てのプールの使用をいたしております。したがいまして、大規模校あるいは小規模校による学校規模によるプールの使用の差というものよりも、子供たらの自己意思によるプールの使用の差という方がいま問題になっているわけでございます。

 

 これらのことも踏まえましてプールの使用が大規模校、小規模校あるいは地域の差等にかかわらず十分に子供たちに活用されるよう指導を重ねてまいりたいというふうに考えております。

 

 その他の項目につきましては次長の方からお答えを申し上げます。

 

〇教育次長(生山正仁君)

 青葉グラウンドへの小学校建設計画についてお答えいたします。

 

 御案内のとおり市全体における学齢人口は減少の傾向にあります。また、青葉グラウンドの東南部周辺地域は土地利用制限区域でありますので、現状人口の急増は考えられないと判断いたしております。

こうした状況の中から総合計画の中には建設計画はございません。しかし今後地域一帯の市街化調整区域区分の変更等が行われ、人口急増等の変化が生じてきた場合におきましては、青葉グラウンドを初めその周辺地を含めまして検討してまいりますので御理解をいただきたいと思います。

 

 次に、小中学校等の水道の漏水問題についてお答えをいたします。 

 

 各小中学校の水道配管につきましては、校舎等の改築などの際に極力改良を加えてまいりましたが、未改良個所の配管に一部老朽化しているところが残されておる現状でございます。その改修につきましては現在も努力いたしておるところでございますが、今後とも引き続き施設の見直しとともに漏水調査を行い改修をしてまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。以上でございます。

 

○水道事業管理者(植田太六君)

 水道関係2点につきましてお答え申し上げます。

 

 まず、有収率でございますけれども、昨年の6月議会でも御答弁申し上げましたように操業70年経過の本市水道事業でございますので、潜在漏水量もありまして目下有収率向上対策につきましては積極的に取り組んでおるところでございますが、今後さらに有収率の向上に努める所存でございますので御理解を賜りたいと思います。

 

 なお、荒川ダム完成後の有収率についてでございますが、全国的な傾向といたしまして新たな水源が確保されますと、水圧の関係等によりまして有収率が下がることが通例のようでございますが、管綱整備あるいは配水調整等によりまして最小限度にとどめるよう努力をしてまいる所存でございますので御理解を賜りたいと思います。

 

○副議長(小林 匡君)

 再質問はありませんか。

野村義信君。

 

○野村義信君

 当局の前向きな答弁でこれからもなお一層充実した行政をお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。

 

○副議長(小林 匡君)

 関連質問あるようですから暫時休憩いたします。

 

    午後2時55分 休憩

 ――――――――――――――――――

    午後2時16分 再開議

 

○副議長(小林 匡君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。

 

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 

 関連質問を許します。

 

 川名正剛君。

 

○川名正剛君

 千野、野村両議員の代表質問に引き続きまして2点の関連質問をさせていただきたいと存じます。

 

 まず第1点は財政質問に関連し、市税並びに国民健康保険料等の収納方法及び収納取り扱い金融機関について質問及び提言を申し上げ、市長並びに担当部局の御見解をお伺いをいたします。

 

 本市財政につきましては、これまでもいろいろな角度から指摘をされてきており、地方交付税の伸び率の鈍化など、国の財政状況等も勘案する中でますます厳しさを増すことは、十分予測されるところであります。これにかんがみ、行財政改革として当局においては甲府市行財政対策委員会において、また議会においては地方行財政に関する調査特別委員会において、調査研究がなされておるところであります。

 

 歳出に関する見直しについては、もちろん検討されるところでありますが、歳入つまり財源確保についても同様に、あらゆる角度から研究していかなければなりません。そこで財源拡大の方途の一つとして、市税及び国民健康保険料などの課税対象の正確な把握と、高い徴収率の確保は、必要不可欠な問題であります。

ちなみに最近5ヵ年間の収納率を見ますと、市税については53年度97.7%、54年度97.8%、55年度97.4%、56年度97.6%、57年度97.3%、58年度3月末現在で94.2%とほぼ固定的収納率であり、若干低下している状況であります。また保険料についてみますと53年度が95.59%、54年度が95.52%、55年度94.77%、56年度94.4%、57年度が93.01%、58年度が同じく3月末で92.56%であり、やはり低下傾向を示し、金額的に見ますと、58年度において2億6,400万円で、59年7月現在におきましては、3万6,950件で3億5,700万円の滞納の状況であります。これらの実態に対し、当局は今後どのような対策を講じていかれるのか、お考えをまずお尋ねをいたしたいと存じます。

 

 また、国民健康保険料の収納率向上のために徴収員嘱託員制度の導入により、相当の効果を上げていることは結構なこととは考えますが、しかし、これとて現在5名の嘱託員に対し人件費及び嘱託員のためのバイク購入等で昨年度1,100万円の費用を費やしており、財政の効率化からもこの制度についてむやみに拡大するわけにはまいらないと考えます。

現在の収納取り扱い方法の状況をみますと、直接納入が24%、銀行振替が17%、保険員への委託が59%であります。ちなみに保険委員に対する費用は、430名の保険委員に対し、徴収手数料として1件につき100円で2,300万円、委託事務費として456万円で年間約2,800万円を支出しております。

 

 つまり国保の保険料の収納のための外部依存の費用は、年間で約4,000万円をかけているのが実態であります。これらの実態に対し、私は次のことを提言いたし、市長並びに関係部局の御見解を賜りたいと存じます。

 

 第1に、納入方法として銀行振替の積極的推進を図ることについてであります。

 

 現代社会において振替制度の利用は、公共料金の支払いを初めとして、日常生活における諸経費の支払いは半ば常識となっております。この利用は、費用もかからない上に確実性が高く、さらに手数も簡便であり大きなメリットがあります。

この利用が収納取り扱いとしては最も低い17%であり、金融機関利用の積極的推進と、さらにそのための市民への啓蒙を図るべきであります。外部依存によって集金をすることが当然化され、それに対する手数料を支払うという発想は前近代的なことであり、財政の効率化からも健全財政のための弾力性を失うことでもあります。金融機関の活用推進についてどのように考えておられるか、お伺いをいたします。

 

 第2に、収納取り扱い金融機関の窓口についてであります。

 

 現在、収納取り扱い金融機関は、市中の銀行関係が主でありますが、第1に申し述べました金融機関の利用推進の一環として、郵便局の収納取り扱いの指定であります。市中の銀行関係は、どうしても市内中心地域に集中されており、そのために周辺地域在住の市民の方々は、大変不便を来していることも事実であります。

それに比して郵便局は、市内に40の窓口があり、各地域にほとんどくまなく設置されております。このような環境があるにもかかわらず、これまで郵便局の利用ができないのは何ゆえか、市民サービス、収納率向上などからして全く疑問を感ずるものであります。

当局として種々問題はあろうかと思いますが、あくまでも市長の基本的施策である市民サービス向上の観点から、また財源確保のために収納率向上は不可欠であることなどからして、郵便局の取り扱い指定を可能なさせるべく早急に検討し、実現させることを強く要望し、提言いたすものであります。

 

 市長並びに関係部局の御見解をお伺いいたします。

 

 次に、甲府駅南口駅前広場の整備事業についてであります。この点については千野議員より質問がありましたが、私なりの角度から質問をさせていただきます。

 

 去る8月21日には、甲府駅の橋上駅舎と南北自由通路が完成し、供用が開始されましたことは、県都甲府市の新しい時代への幕あけとも言うべきことであり、まことに喜びにたえないところであります。この間御尽力をくださいました諸機関に対し、駅周辺にかかわる立場ともあわせ、深く感謝と敬意を表するものであります。

これに伴い甲府駅南口広場の整備原案が県から提示され、駅周辺の住民、商工会議所及び各種団体関係等に、また議会関係として建設経済常任委員会懇談会において説明がなされ、さらに甲府市都市計画審議会において懇談会を開催し、検討がなされてまいりました。

内容の概要は、全体面積1万2,200平米となり、バス・バースが7カ所、バス・プールが8台分、タクシー・プール24台分、自家用車バース6カ所と区分されておるものであります。私はこの内容に対し、各機関から多くの問題点の指摘を受けておりますが、率直に感じられることは一部の車両シズムであって、甲府市都市計画審議会の委員懇談会においても、8項目にわたる強い要望が出されるなど、民意の反映の少ない計画原案といわざるを得ません。

たとえば中心部分はすべてバス関係で独占されていること。またタクシーバースは南北自由通路から100メートル近く離れたところに位置する等は、タクシー利用者対策、乗降客の利用、歩行者対策、さらには老人、子供、身体障害対策などに大きな問題を投げかけているものであります。

 

 さらには甲府市中心部の交通対策の一環として近年、また将来にかけて問題となっている駐車場、駐輪場施設が全く盛られておらない点であります。

 

 交通体系の見直しとして、駅前広場は本市のみならず100年の大計として県との交通体系との整合性からも重要な施設であります。これらの観点から、このたびの計画原案に対し、市長はどのように受けとめておられるのか、まずその御見解と都市計画委員会懇談会を初めとする強い要望に対し、県、国鉄等に対する対応の決意のほどを、改めてお聞かせいただきたいと存じます。

 

 さらに総合都市交通施設計画と、このたびの駅広計画との関連性に対し、甲府市都市計画の重要な施設の一環として、特に駐車場、駐輪場対策、またタクシー、自家用車の進入のための甲府敷島韮崎線に対するこのための計画の御見解と対応についてお伺いをいたします。

 

以上、2点について関連質問をさせていただきます。

 

よろしく御答弁のほどをお願いいたします。

 

○副議長(小林 匡君)

 市長 原 忠三君。

 

(市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君)

 川名議員の御質問にお答えいたします。

 

 市税、国保の保険料等の徴収の問題についてのお尋ねでございますけれども、現在の収納金の取り扱いは、金融機関は102店舗ございます。このうち竜王町と隣接する町村に所在をする店舗は15店舗でございます。

さらに郵便局を加えるかどうかという問題につきましては、手数料等の問題点もありますので、これらの問題点を含めまして現在検討をいたしておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。

 

 次に、駅前広場におけるところの御質問でございますが、県の示された原案に対しましての問題が第1点であると思うわけでございますが、駅前広場の交通問題と広場的要素の2つを持つものと考えております。

 

 交通問題につきましては歩行者の安全を図り、バス、タクシー、自家用車の混雑を避け、利用者の利便を図ることが必要と考えております。広場的には駅の乗降客と駅前を利用する人たちの憩いの場としての休憩広場も必要と考えておるところでございます。

市民の各層から県の原案に対する修正要望がたくさん出されましたので、県にこれらを十分に検討していただき、市民要望が満たされるよう、市としても強く県に要請をしてまいりたいと思います。よろしく御理解を願いたいと思います。

 

 なお、建設経済委員会の開かれる際にもいろいろ御意見が出されると私ども予測しておりますので、これらの議会の御意見としてこれらも十分お聞かせ願って、県への要望する際にはこれらも当然考えていかなければならないと、このように考えておりますのでよろしくひとつ御協力を賜りたいと思います。

 

 駅前広場における駐車場、駐輪場につきましての問題でございますが、総合都市交通施策整備計画は、58年度において実態調査を行い、本年度から2ヵ年で整備計画の策定を実施をいたしました。駅前広場における駐車場、駐輪場につきましては、先ほど申し上げましたように市民の間からこの広場新設案が、整備をするに伴って御意見も出ておりますので、これらの御意見というものを踏まえまして、県の方にこの際その市民の声というものを要望してまいりたい、このように考えておりますので御協力を賜りたいと思います。

 

 以上でございます。

 

○市民部長(入倉芳幸君)

 市税等の収納率の向上対策でございますが、御承知のとおり昭和41年に従来臨戸現金徴収をやっておったわけでございますが、それを取りやめまして自主的納付制度に切りかえたわけでこざいます。

そういうことで確かに御指摘のとおり滞納分については、現在やっているのは文書及び電話催促が主体でございまして、滞納額が年々ふえているということは事実でございます。今後はやはり納期内納付ということを重点におきまして、納税貯蓄組合の育成強化、それから口座振替制度をより一層進展させていきたい、そんなふうに考えておりますが、何といっても現状の体制の中では長期な滞納者、悪質な滞納者、そういったものに対する対応が非常に甘い、というような点が見られます。

そういうことで現在組織体制の整備ということを、行財政対策の中で組織のプロジェクトチームの中でも検討をさせておりますが、そういう中で徴収体制をもう少し充実しようではないか、というような論議も交わされております。そういうことで今後臨戸徴収ができるような体制というものを十分考えてまいりたい、そんなふうに考えております。

 

 昨年までに具体的に実施した収納率向上対策につきましては、市民部の職員を流動体制をとりまして、全職員によります一斉訪問指導、それから3月、4月、5月の年度の終わり、また年度の初めにつきましては、特別の滞納整理月間というようなものを設けて、実施しておるわけでございます。そのほか市税外収入につきましては担当部局に要請をいたしまして、そういうものについての督促を担当部からも強力にやっていただく、そんなふうな形でやっております。

 

 なお保険料につきましては、御承知のとおり59年本年からは、5人の徴収嘱託員制度を設けまして、現在滞納の整理についてやっております。ただし私どもここで1番問題になるのは、こういうことで臨戸徴収することが果たしていいかどうかということも、やはり考えていかなければならない、臨戸徴収をしなければ税なり、保険料なりを納めない、というようなことになっては、またもとに返ってしまうということも心配しながら今後対応してまいりたい、そんなふうに考えております。

 

○副議長(小林 匡君)

 川名正剛君。

 

○川名正剛君

 駅広のことにつきましては、総体的なことといたしまして、市長も十分御理解をしていただいておると思いますし、また今後いろんな要望、意見等が出てまいると思いますので、どうかただいまの御答弁のとおりの姿勢でぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 

 それから郵便局のことにつきまして、現在銀行との手数料ということが出たわけでございますけれども、これは金額的にどのぐらいの実態になっておられるのか、また現在検討していただいているとするならば、この辺についての考え方がございましたならばお聞かせをいただきたい。

 

 それと、私があえてこの問題を提言をいたしましたことは、先ほどの滞納状況もいろんな状況の中からが基本であり、また市民サービスへの観点から申し上げたわけでございますけれども、いずれにいたしましても狭い範囲かもしれませんが、市民のいわゆる周辺の方々からおかしいじゃないか。

こうやって目の前にありながら利用できない、あくまでも行政自体も市民サービスということを言う以上は、この辺の身近な問題をぜひ採択すべきだということも指摘を受けております。その辺のことも十分御理解を賜りまして、積極的に御検討賜りたい。

できることであれは次回の定例の議会までに、何らかの御答弁を提示いただけるかどうか、その辺の見通しも含めて追加的に御答弁いただければ、大変幸いでございます。よろしくお願いいたします。

 

○副議長(小林 匡君)

 入倉市民部長。

 

○市民部長(入倉芳幸君)

 手数料につきましては、現在1件につき20円、金額に対して1,000分の3ということになっているわけでございます。これは、県の場合がそんなふうになっているようでございます。

 

 それからどのような検討がなされているかということでございますが、問題点としては、郵便局は地方自治法で定める公金取扱金融機関ではない、ということであります。それから郵便の振替方による公金の取り扱いをするということで、できないことはない、そういうことが第1点。

 

 それから手数料の問題。それから利用が本市の場合、金融機関が先ほども申し上げましたように102件ございますので、この近隣の銀行等も入っておりますので、そういう意味では非常に範囲は広くなっているわけでございます。そういうことで利用の状況、そういったものの調査もしていったらどうだろうかと考えておりますし、そんなふうな問題を検討しながらやってまいりたい。

 

 もう一つは、全国の収入役会の中でもこの問題は検討されておりまして、他都市との状況等も十分見る中で実施してまいりたい。でき得る限り早い期間にそのお答えを出したい、そんなふうに考えております。

 

 以上です。(川名正剛君「終わります」と呼ぶ)

 

○副議長(小林 匡君)

 次は清水節子君。

 

○清水節子君

 引き続いて関連質問をさせていただきます。

 

 幼保一元化問題についてであります。

 

 子供の出生率の低下によりまして私立幼推園、保育所において、それぞれ定員割れを生じており、お互いに経営不振に陥り、生活危機を訴えていることは、市長さんも御存じのとおりであります。そのような状態の中からいま私立幼稚園団体から幼保一元化構想が提起をされております。

とりわけ「保育に欠ける」といった条件のもとで、入所児を受け入れている保育所と異なり、幼推園は利用施設であり、一園あたり多くの児童を抱え、財政上効率的運営がなされてきましたが、近年に至り、園児の減少による経営の危機が生じていることを重視して、その解決策を検討しているといわれております。

 

 このような状況を背景に、私立幼稚園団体は、個人立幼稚園に対する経営費補助の期限が切れる昭和60年3月までに幼保問題を整理し、制度的に一元化したいと積極的に働きかけを繰り出してきております。

 

 幼稚園団体から現在提案されている一元化構想の内容の一つは、3歳児未満は保育所へ、3歳児以上は幼稚園へと、子供の年齢で幼稚園と保育所を区分けしあおうというものであります。

 

 2つ目は、現在児童福祉施設の保育所であるために支出されている保育所の措置費国庫負担金を何らかの形で幼稚園、保育所の両方に適用させていこうというものであります。

 

 私立幼稚園団体は組織を一本化して、この幼保一元化構想実現のために、従来分かれていた3つの団体を、昭和59年4月1日を目途に一本化して、組織強化し、かつ結束を固めて幼保問題の決着を図ろうとしているものであります。

 

 このような働きかけに対して保育団体社会福祉協議会、全国保育協議会、社会福祉法人、日本保育協会、社団法人全国私立保育園連盟は、保育所と幼稚園はその目的、機能が明らかに異なり、それぞれの機能を充実整備することが重要であるとの立場から、一体となって次のように主張して、幼稚園団体の提案する幼保一元化構想に反対してきております。

すなわち、保育所と幼稚園とは立法の根拠が異なるだけでなく、保育の歴史の中で果たしてきた役割りがそれぞれ異なり、保育所は保育の理論と実践を長年にわたり積み上げ、社会のニーズにこたえてきました。

最近の社会状況の変化の中で子供の育つ家庭、地域の育児機能が特に低下してきており、今日ほど保育所の機能や役割りが強く求められていることはないとして、一元化反対の理由の一つとして保育所は「保育に欠ける」乳幼児を保育する措置施設である。保育所は、児童育成の責任を果たす福祉施設として、保護者の就労、疾病等の理由で保育に欠ける状況の乳幼児を保育する措置施設であり、家庭にかわる生活の場である。

 

 2つとして、保育所は乳幼児の発達を保障するために積極的な役割りを持ち、福祉を基本に養護と教育を一体とした保育を実践し、豊かな人間性を持つ子供を育成していく場である。

 

 3つとして、子供の入所措置権は市町村長にあり、入所の措置決定は市町村長が行い、保育所の設定については市町村が窓口となり、要措置児童の分布状況等を勘案しながら都道府県知事が認可している。

 

 また保育所の運営については、住民に公正、的確なサービスが行われるよう常に行政指導、監査が行われており、保育所はきわめて公共性の高いものである。

 

 4つ目として、保育所は常に社会状況の変化によって生じた保育需要制度の有無は別として、敏速に対応することが求められているとしており、戦後の復興期には、放置されている子供たちを保育し、経済成長期には働く母親の増加に伴い、保育時間の拡大、産休明けからの乳児保育、障害児保育、また最近の就労形態の多様化によって、延長保育や夜間保育などの対応が求められ、さらに家庭や地域社会の変化に伴い、育児相談などが必要となり対応しているところであります。

 

 5つ目として、幼推園と保育所の財政格差について、保育所に対する国庫補助金は多額で幼稚園と財政格差があるといわれているが、保育所と幼稚園は開園日数、保育時間、入所児童年齢、職員配置等に相違があり、さらに保育所の役割りとして夜間保育、延長保育、障害児保育、乳児保育、育児相談など広い分野で機能を果たしており、この点を考慮しないままで財政格差論は余りにも短絡的すぎる。

 

 また幼稚園は、幼児に対して学校教育を施すことを目的として、保育所は保育に欠ける乳幼児の保育を行うことを目的として、その保育は福祉を基本に養護と教育で成り立ら、両者は明らかに目的、機能を別にし、独自性を尊重しながら役割りを果たしてきているのが実態であることは、言うまでもありません。

幼稚園と保育所があたかも地域の事情を無視して偏在している、との指摘がなされることが多いが、両者の配置には、その地域の子供が置かれている状況に対する地方自治体当局の選択された政策としてつくられてきた、という長い歴史があり、必ずしも偏在とは言いがたいものが多いといえます。

保育所にとって教育面から考えても、幼保一元化を想定した相互乗り入れの必要性はなく、両者がおのおのの目的のもと、ますます充実することが好ましいことであるとしております。これに対して厚生省、文部省等のいままでの見解は、昭和38年10月26日、文部省初等中等教育局長、厚生省児童局長の連名で「幼稚園と保育所の関係について」通達が出された関連部分を抜粋すると、次のとおりであります。

 

 『1つ、文部、厚生両省において幼稚園と保育所との関係について協議を進めた結果、両者は明らかに目的、機能を異にしているので、それぞれ十分その機能を果たし得るよう充実整備する必要があること。(「質問は何だ、質問は」と呼ぶ者あり)

 2つとして、幼稚園においては今後5歳児及び4歳児に重点を置いて一層充実を図ること』

 

 また中央児童福祉審議会の意見具申の昭和46年10月5日、「保育所における幼児教育のあり方について」を厚生大臣に対し意見具申した関連部分を抜粋すると

 『1つとして、保育所と幼推園は、本来その目的と機能を異にするものである。現段階においては、保育所と幼稚園を形式的に1元化することよりも、むしろ両者を併存させ、両者が社会的に混同される事態となったような欠陥を是正しながら、それらの目的及び役割りの違いに応じて、それぞれの機能を十分に発揮させる方途を考えることが、真に健全な育成に役立つ道というべきであろう。

 

 2として、保育所と幼稚園の一元化が論ぜられるようになった主要な原因の一つには、保育所と幼稚園が実態的に類似してきたことと関連をして、両者の配置が地域的に不適切であることが挙げられる。したがって、それぞれの施設の配置に適正を期すべく、一層の行政指導が必要であろう。』

 

 3として、幼椎園及び保育所に関する懇談会の報告は、昭和56年6月22日懇談会報告がなされた。

 

 昭和52年10月から文部、厚生両省から推薦された委員15人で約3年8カ月をかけて幼保問題を審議したもので、その報告の中でいわゆる幼保一元化について述べているものを抜粋すると、「幼稚園は学校教育施設であり、保育所は児童福祉施設であって、目的、機能を異にして、それぞれ必要な役割りを果たしている以上簡単に一元化ができるような状況ではない」としております。

 

 今回の一元化反対の発端は、本年3月1日から長崎県雲仙で開催された第3回保育を高める研究集会の開会式直前に出された緊急動議が採択され、「保育危機突破大会」に切りかえ、関係方面に強く要望することとし、その後県内においても県知事、県議会議長、保育関係部課長、甲府市長、甲府市議会議長等に陳情、請願をし、その他市町村へも関係者が陳情、請願を繰り返してきております。(「議長、議事進行」と呼ぶ者あり)

 

 なお、甲府市においても7月16日、保育所危機突破山梨大会、7月23日教育臨調、幼保一元化問題学習会、8月10日市長との対話集会等を開催する中で、全国から集まった署名も8月1日現在で132万名と集約をされてきております。

 

 このようにいま提起されている幼保一元化構想は、まさに国会においても2月14日、3月3日の衆議員予算委員会での3議員の質問に対しても、文部大臣、厚生大臣の答弁はやや異なる見解を出しております。厚生大臣の答弁を抜粋すると、

 『私は幼保一元化という意見は、言葉としては飛びつきやすいが、どのような内容を意味しているのかよくわからない点があります。中身をよく吟味する必要があるように思います。

保育所は両親が働きに出ていたり、片親、家族の病気等、さまざまな理由で家庭では十分に保育を受けられない子供さんをお預かりする児童福祉施設であり、幼児期の集団教育を目的とする幼推園とは、設置の趣旨も機能も異にしております。

お預かりする子供さんも生後間もない乳飲み子から(「議長、しっかりしろ」と呼ぶ者あり)小学校直前までと幅があり、お預かりをする時間も1日8時間、年間約300日と、幼推園とは比較にならないほど濃密なサービスを提供をしております』と述べ、『教育面で見るならば保育所が実質的に幼稚園の役割りを果たせるようになってきたため、両者を同じように見る向きもありますが、幼稚園に保育所の機能を要請するのは無理があります。

どうしても一本化する考え方も考えないことはありませんが、それは自由で独創的に富んだ私学による幼児教育のよさを殺すことにもなりかねません。

 

 この間題には、まだまだ多面的に検討すべきむずかしい検討課題である』としております。

 

○副議長(小林 匡君)

 清水節子君に申し上げますが、ただいま関連質問中でございますし、要旨を簡潔に御質問していただきます。

 

○清水節子君

(続) はい、わかりました。

 

 このようにいま提起されている幼保一元化構想は、まさに乳児から就学までの保育に欠ける子供たちを守りたい。働いている親たちや病人を抱えた家族を助けて、子供たちを健全に育てたいと願って努力してきた保育所、保育の実績が根こそぎ崩されようとしている、といわざるを得ません。

 

 甲府市においても、いま働く母親が90%になろうとしている折、母親のもとを離れて過ごす乳幼児が、情緒的に安定して毎日を過ごせるような温かい配慮がある保育内容、乳児から幼児並びに保護者との家庭的な交流を深め、真の男女雇用平等法に基づいて安心して仕事に打ら込める保育体制を確立していかねばならない、と考えております。

人口の減少に伴う定員割れ問題、ベビーホテル等無認可保育施設問題、幼保問題、行政改革間問題、さらには教育臨調の「幼推園と保育所の関係の検討」を含め、昭和22年に制度化された児童福祉法に基づく幼児教育の見直しの時期にも来ているように考えられます。

 

 私たちの幼児期のように、自然の中で川に入りメダカをとり、泥んこの中で遊び戯れたり、おはじき、まりつきと無心に遊び、友達づくりをしてきた幼いころの情緒ある思い出を、人生の歴史として残すことのできる教育改革をしなければならない最大の時期と考えます。

とにかく厚生大臣もおっしゃっておりますように、いまここでの幼保一元化は、働く婦人を戸惑わせ、それぞれが家庭においても、家庭の危機を招く危険性も出てきております。

 

 甲府市民の意識調査で「男女の平等実現のために、あなたは、行政に何を望むか」に対して、男女とも1位50%に挙げたのが、保育の条件を改善することでありました。女性が働きたいとしたときに、まず問題になるのが子供にかかわることであります。

育児環境は、その子供の一生を左右するといわれるように、乳幼児期の子育ては重要な仕事であります。現在わが国は、世界に例のないスピードで人口の老齢化が進行しており、本格的な高齢化社会に向けて、社会全体が大きな転換期に差しかかっているといえましょう。

高齢化社会の問題は、ともすれば老人福祉や年金制度に目を奪われがちですが、その社会を支える若き働き手を、さらには次代の担い手となる児童の健全育成を忘れてはなりません。その意味で児童福祉施策は、今後ますます重要なものとなっていくと考えます。

 

 以上述べました幼保一元化に対しまして、市長の見解と今後甲府市としてどのように対処していかれるのか、そのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

 

 次に、「婦人1日議会」についての要望をいたします。

 

 昭和58年〜昭和67年度を、甲府市婦人行動計画10年とし、婦人の社会参加と行政への理解を深めていくことを目的として、一般婦人市民を対象として昨年より計画された婦人1日議会は、昨年好評を得たことにより、一般市民に周知徹底をされたことは喜ばしいことと思います。

それによって締め切り日までに本年は68名という応募があったと聞いております。締め切り後にも2、3日のうちに申し込みに来た婦人が断られた、ということも聞いております。このように婦人1日議会を通じて、市政に関心を持った婦人が多くなってきたことは、喜ばしいことと思っておりますが、この婦人1日議員として学習をした婦人たちを、甲府市の貴重な財産として研さんを積まれ、提言をいただける婦人組織として拡大発展できるような御指導をいただけるよう、要望をいたします。

 

 以上です。

 

○副議長(小林 匡君) 市長 原 忠三君

 

(市長 原 忠三君)

 

○市長(原 忠三君)

 清水議員の御質問にお答えいたします。

 

幼稚園と保育所の一元化問題につきましては、教育改革に関連して現在全国的な問題として取り上げられております。これが最近の地域的な偏在、児童数の減少等から両者の機能を十分に生かす考えはないかという観点からの論から出たものと思われます。

 

 なお、幼保については現在共通の面もございますけれども、御指摘のように保育所は児童の保育が家庭でできない人のための児童施設であり、また幼稚園は学校教育法による施設という異なった面もあります。

さらに両者とも長い間の歴史的な問題等もございますので、これらを踏まえまして、また今議会には請願も提出されておりますので、議会の意向も十分拝聴する中で対応してまいりたいと存じます。御了承をお願いいたします。

 

○副議長(小林 匡君)

 再質問ありませんか。

 

 清水節子君。

 

○清水節子君

 市長のお答えでよくわかりました。福祉の後退のないように市政の執行に当たられることを強く望みまして質問を終わります。

 

○副議長(小林 匡君)

 ほかに関連質問はありませんか。

 

お諮りいたします。

 

本日の会議はこの程度にとどめ廷会いたしたいと思います。

 

これに御異議ありませんか。

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

○副議長(小林 匡君)

 御異議なしと認めます。

 

 よって本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 

 本日はこれをもって廷会いたします。

 

     午後3時五59分 延会