昭和61年3月甲府市議会定例会議事日程(1) 昭和61年3月5日(水)午後1時 報 告 第 1 会議録署名議員指名について 第 2 会期決定について 第 3 議案第 3号 昭和61年度甲府市一般会計予算 第 4 議案第 4号 昭和61年甲府市国民健康保険事業特別会計予算 第 5 議案第 5号 昭和61年度甲府市下水道事業特別会計予算 第 6 議案第 6号 昭和61年度甲府市交通災害共済事業特別会計予算 第 7 議案第 7号 昭和61年度甲府市住宅新築資金等貸付事業特別会計予 算 第 8 議案第 8号 昭和61年度甲府市老人保健事業特別会計予算 第 9 議案第 9号 昭和61年度甲府市土地区画整理事業用地先行取得事業 特別会計予算 第10 議案第10号 昭和61年度甲府市中央卸売市場事業会計予算 第11 議案第11号 昭和61年度甲府市農業共済事業会計予算 第12 議案第12号 昭和61年度甲府市病院事業会計予算 第13 議案第13号 昭和61年度甲府市水道事業会計予算 第14 議案第14号 昭和60年度甲府市一般会計補正予算(第6号) 第15 議案第15号 昭和60年度甲府市国民健康保険事業特別会計補正予算 (第4号) 第16 議案第16号 昭和60年度甲府市下水道事業特別会計補正予算 (第4号) 第17 議案第17号 昭和60年度甲府市水道事業会計補正予算(第2号) 第18 議案第18号 青年学級の開設について 第19 議案第19号 財産の無償譲渡について 第20 議案第20号 請負契約の変更契約締結について(南西第1・貢川北第 1幹線下水道管布設工事) 第21 議案第21号 請負契約の変更契約締結について(貢川北第1幹線下水 道管布設工事) 第22 議案第22号 請負契約の変更契約締結について(朝気立体交差高架橋 上部工架設工事) 第23 議案第23号 市道路線の認定について(荒川ダム1号線ほか1路線) 第24 議案第24号 市道路線の認定について(山宮2号線ほか1路線) 第25 議案第25号 市道路線の認定について(北西中学校東線) 第26 議案第26号 市道路線の認定について(池田3丁目2号線) 第27 議案第27号 市道路線の認定について(上阿原和戸線) 第28 議案第28号 市道路線の認定について(上阿原3号線) 第29 議案第29号 市道路線の認定について(国母4丁目1号線) 第30 議案第30号 市道路線の認定について(彩火橋西線) 第31 議案第31号 市道路線の認定について(大里東耕地団地1号線ほか8 路線) 第32 議案第32号 市道路線の認定について(大里宮原線) 第33 議案第33号 緑化推進都市宣言について 第34 議案第34号 甲府市市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科医 及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改 正する条例制定について 第35 議案第35号 甲府市文化財保護条例の一部を改正する条例制定につい て 第36 議案第36号 甲府市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例制定 について 第37 議案第37号 甲府市農業共済条例の一部を改正する条例制定について 第38 議案第38号 甲府市保育所条例の一部を改正する条例制定について 第39 議案第39号 甲府市簡易水道等条例の一部を改正する条例制定につい て 第40 議案第40号 市立甲府病院使用料等徴収条例の一部を改正する条例制 定について 第41 議案第41号 専決処分について(交通事故の示談締結及び損害賠償の 額の決定について) (出 席 議 員)
37名 (欠 席 議 員)
1名 職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
説明のため議場に出席した者の職氏名
|
午後1時02分 開会 ○議長(小林康作君) ただいまから昭和61年2月甲府市議会定例会を開会いたします。 午後1時03分 開議 ○議長(小林康作君) これより本日の会議を開きます。 報告事項を申し上げます。 本定例会に提出する議案につき市長から通知がありました。 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますから、朗読を省略いたします。 次に、市長から議会に報告すべき事項であります報第1号 専決処分についてが提出されました。 右は、すでに配付いたしてありますので御了承願います。 次に、議長のもとに請願2件、陳情1件が提出されました。 右は、お手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表により御了承願います。 次に、市長から昭和60年9月及び12月定例会において採択された請願及び陳情の処理経過及び結果報告がありました。 右は、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。 次に監査委員から昭和60年度定期監査報告書並びに昭和60年11月末、12月末及び昭和61年1月末の各例月出納検査報告書が提出されました。 右は、お手元にそれぞれ配付いたしてありますので御了承願います。 次に、昭和61年1月21日及び2月5日に県下及び関東の各市議会議長会関係の会議が開催され、随員とともに出張いたしました。 それぞれの会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。 以上で報告を終わります。 これより日程に入ります。 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員には会議規則167条の規定により 三 井 五 郎 君 宮 島 雅 展 君 斉 藤 憲 二 君 を指名いたします。 次に、日程第2 会期決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。 今期定例会の会期は招集の日から3月25日まで21日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小林康作君) 御異議なしと認めます。 よって、今期定例会の会期は21日間とすることに決しました。 次に、日程第3 議案第3号から日程第41 議案第41号まで39案を一括議題といたします。 市長から提案理由の説明を求めます。 市長 原 忠三君。 (市長 原 忠三君 登壇) ○市長(原 忠三君) 本日ここに、3月市議会定例会が開会されるにあたり、昭和61年度予算案並びに提出いたしました議案について御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べさせていただきます。 私が市民の皆様の御支持をいただき、市政を担当いたしましてから早くも3年が経過し、任期最終年次を迎えようとしています。 この間、私は「甲府市は市民のためにあり、甲府市政は甲府市民とともに歩むべきものである。」との政治理念のもと市民党的立場を堅持し、公正、清潔、誠実の姿勢をモットーに市民の積極的な参画を求める中で、市民本位の市政の執行にあたってきたところでありますが、残された任期につきまして、誠心誠意努力し、その責務を全うしていく覚悟であります。 幸い、議会を初め市民のみなさんの御理解と御協力により、甲府市新総合計画については、総体的には成果をあげつつあるところであり、かいじ国体、甲府駅近代化と駅前広場の整備、大規模地震対策、斎場などの大型事業も完成あるいは着々と進行していることに対しまして深く感謝申し上げる次第であります。 さて、我が国の経済は着実な成長を続け、昭和59年度の経済成長率も5.7パーセントと第1次石油危機以来、最も高い数値を示しましたが、米国を初めとして世界経済の抱える問題は依然として大きくかつ複雑化しており、各国間との経済摩擦も深刻化しています。 従って今後も内需を中心とした経済の持続的な成長が望まれているところであります。国の財政は、財政再建を軸とした厳しい予算編成にも拘わらず、依然として危機的状況にあり、昭和61年度末の国債残高は140兆円を準えることが予測され、一段と厳しいものになっております。 一方地方財政においても、国庫補助負担率の引き下げが2年連続で行われ、これによる地方財政への影響額は1兆1,700億円となり、国はその補填策として、地方たばこ消費税の引き上げ、臨時財政特例債の増発等で対応することとしております。 しかし、これは国の財政負担を前年度より増して地方へ負担転嫁させるものと厳しく受けとめております。加えて、円高等による景気の下降頼向により地方税の自然増収が見込めないことなど厳しい状況におかれています。 一方、21世紀に向けての地方自治体の役割は、人口の高齢化、高度情報化、成熟化が急速に進展するなかで、人間性豊かな、快適な都市づくりの要請が益々高まり、しかも、そのニーズが一層多様化していくなど、大きな変動期を迎えています。 こうした社会情勢の認識の上にたって、人口を定着させ、都市の活性化が図られるような、産業、教育、文化等の政策を強化して、より一層地域住民の福祉の向上を図っていくためには、国と地方の役割分担の明確化と財源の再配分による地方分権の確立が必要であります。 同時に地方においても、行政効果を高めるための自主的行革を推進し財政の健全化を図ることが緊急の課題となっています。 こうした環境下ではありますが、昭和61年度は、新総合計画第7次実施計画を基調とした施策の推進並びに市民も健康、まちも健康を基本理念とした「活力ある健康都市甲府」の実現を目指す施策については引き続き積極的に推進してまいります。 特に本年は、かいじ国体の開催年であります。この半世紀に一度といわれる全市民的事業を成功させることが何といっても最大の課題であるといえます。 すでに、小瀬スポーツ公園の主会場を初めとして関係施設はほぼ完成し、昨年は市民を初め関係者の御協力によりまして、つつがなくリハーサル大会も終了し、大会の準備は急速に整いつつあります。 国体は、総合優勝することも大きな目標ではありますが、本市各種スポーツレベルの向上を初め「61年かいじ国体を成功させる市民運動」の実践を通じて、市民自らのまちづくり、郷土を愛する心など市民の連帯と協調の輪を広げ、これを機会にスポーツを通じて市民の健康づくりの気運を高めるとともに定着発展させ、なおかつ甲府市が一段と飛躍する基盤としたいと考えております。 また市民総ガイドによる観光の振興にもつなげ、姉妹都市等の市長も招待するなかで国際密書にも貢献できるのではないかと多面的な期待をもっているところであります。 次は、新総合計画の推進であります。 その第1は、調和のとれたいのちとくらしのための施策についてであります。 社会福祉の目標は、市民1人ひとりが、健康で文化的な生きがいのある生活をおくることであります。福祉行政は、いままで各種給付対策や施設面での充実に力が注がれてきましたが、急速に訪れる人口の高齢化は、社会、経済、文化の構造に大きな影響を与えることが予測されております。 高齢化の課題と対応は、単に高齢者だけの問題ではなく、壮年層、青少年層などあらゆる年齢階層に共学する問題であり、高齢者自身や家庭、地域社会、企業、行政など社会全体の課題として、心の面も含めて取り組まなければなれません。 本年は、すでに策定されています高齢者総合福祉計画及び総合保健計画に基づいて、長期的展望と総合的な視点にたって積極的にこれを推進してまいります。 また、心身障害者等に対する施策は継続してまいりますが、本年度は第22回全国身体障害者スポーツ大会が開催されますので、この大会を契機に、身障者の自立、積極的な社会参加の意欲の増進を図るとともに、市民の啓蒙、啓発にも手厚く意を注いでいくことが重要な課題であります。 将来の甲府市を担う人づくりの基本は教育であります。本年度は、富竹中学校が開校いたしますが、引き続いて各小中学校の教育施設の整備に努めるとともに、大規模校解消のための用地確保にも努力してまいります。 特に市立甲府商業高校の特色づくり等を図り、社会情勢の変化に対応した人材の養成に努めてまいります。また、教職員の研修の場づくり、教育内容の質的向上を図るための施策とともに、いま大きな社会問題化している「いじめ」についても、人格形成のうえで重要な年齢期への慎重な対応も常に念頭におきながら対処していかなければなりません。 また、青少年の健全な育成を図るための施設整備にも取り組んでいかなければなりません。 市民文化の振興につきましては、先人が培った文化遺産を後世に伝えるための事業とともに、市民の身近な生活の中で文化に触れ、親しんでいただくことをめざし、四季折々の自然と文化の素晴らしさを楽しめる道の整備や、彫刻や芸術を観賞できる場の整備も図り、市民文化の向上に資することも必要であります。 次に快適な市民生活をおくるための生活環境の整備でありますが、環境衛生事業につきましては地域の皆様方の御理解と御協力をいただくなかで進めております各種施設の整備を図るとともに、施設周辺の整備についても引き続き誠意をもって実施してまいります。 上・下水道事業につきましては、それぞれ年次計画で実施しております拡張事業を推進し、河川整備事業ともあわせ都市基盤の整備を進めてまいります。 なお、汚泥コンポスト「甲州有機」につきましては、議会を初め関係機関の御理解、御協力によりまして順調に進んでおりますが、これに甘んずることなくより良い製品づくりと安定した販売先の確保に努めてまいる所存であります。 また、公営住宅建設事業につきましては、新総合計画の目標値を達成すべく引き続き努力してまいります。 都市にうるおいとやすらぎを与える緑化の推進につきましては、各自治会等を中心にして盛り上がりつつあります市民運動の実践の輪をひろげながら、緑化推進都市の宣言を行い「緑と花と太陽のあふれる街に」をスロ−ガンに新たな市民の杜構想の具体化等、後世に継承していく事業に取り組んでまいります。 第2に、活力とゆとりのある都市づくりのための施策であります。 本市の活力ある産業の発展のため、商業の振興につきましては、甲府地域商業近代化実施計画に基づき、商店街の高度化、近代化を促進するとともに、都市的整備にも繋がる魅力ある商店街づくりにも、積極的に対応してまいります。 本市の工業は、その大半が地場産業を中心にした中小企業であり経営力、技術力に弱い面があります。集団化、協同化による体質改善の促進とともに、急激な円高による経営難の対策も図る必要から本年2月その融資制度の充実を図ったところであります。 市内の住・工混在の解消に資すべき工業団地の造成については、テクノポリス構想によります先端技術産業誘致とも合わせ引き続き努力いたします。 豊かな自然を資源とした観光の振興には、国体に合わせたPRと施設の整備を行い、都市近郊農業としての役割をもつ農業についても、先端技術開発施設を充実しその発展に資してまいります。林業につきましても、林業振興地域整備計画を策定し、国の認可を受ける中で総合的な整備を進めその振興を図ってまいります。 次に都市活性化のための都市基盤の整備については、土地区画整理事業、市街地再開発事業を進めるため、該当地内の住民の御理解と、事業実施のための気運づくりに努力してまいりたいと存じます。なお、街路事業につきましては、引き続き積極的に推進し南北駅前広場の整備ともあわせ、広域的なひろがりの中で拠点都市としての機能を充実させてまいります。 第3に、市民との心のかよった市民参加市政の推進であります。 市民の参画による開かれた市政を推進していくためには、市政に対する市民の認識と信頼を深めることが何より大切であります。 これが市民の自らによる豊かな人づくり、まちづくりにつながるものと確信し市政を進めてまいりました。今後も、住民意識の高度化、多様化の中で行政に対する複雑多岐にわたる住民ニーズに応えるため、公聴・広報活動のより一層の充実を図ってまいります。 また、地域コミュニティ活動やかいじ国体を成功させる市民運動、青少年の健全育成と非行防止を推進する運動、緑豊かな都市づくりの運動等、全市民的な共通の課題である市民運動を推進し、連帯と協調、郷土愛、思いやりの心、ボランティア精神の高揚など、市民の英知を結集し、市民と行政が一体となって都市づくりを行う市民参加の市政を推進してまいります。 第4に、新時代に対応する行政執行体制の確立を図ることであります。 本市は、昭和41年以来、経済、社会環境の変化にも弾力的に対応し、住民福祉と市民サービスの向上を継統的に維持するため、財源の確保と行政運営の効率化に努力してまいりました。 しかし、地方を取り巻く経済環境の変化は、予想を上回る厳しいものであり、更に、高齢化社会、情報化社会等新しい時代に向けての住民負託に応えていく市政を推進するには、確固たる信念と決意を持って、行財政運営の効率化、近代化を進める必要があると痛感しております。 このため、市議会特別委員会の調査報告と甲府市行財政効率化推進委員会の答申を尊重しつつ、職員の自覚と責任を喚起し、簡素で効率的な行財政運営をはかるための自主的行政改革を進めてまいる所存であります。 次に、昭和61年度において進めなければならない、21世紀を展望した本市将来の発展の礎となります施策の推進であります。 具体的事業は、60年度から準備を進めています第3次の総合計画策定の中に包含される課題でもありますが、いまから検討、準備を進めていく必要があります。 まず市政100周年記念事業でありますが、昭和59年度に市民懇話会を設置し、このたびその集約した御提言をいただきました。更に議会においても特別委員会を設置していただきましたので「きのうも、きょうも、あしたも甲府大好き」の基本理念を具体化し後世に誇り得る有意義な事業を、市民の総参加のもとに推進していく準備を進めているところであります。 シティホール構想につきましては、現在、「シティホール研究委員会」を設置して、基礎的な調査を行っておりますので、本年度は、100周年記念事業として位置づける方向で、その建設構想について市民の十分なコンセンサスを得るとともに、議会の特別委員会の御意見等を積極的にいただきながら進めていく考えでありますので、御協力をお願いいたします。 更に、現在県で進めています甲府地域テクノポリス建設計画への対応については、母都市としての高次の都市機能の整備をはかるとともに「産」「学」「住」が有機的に結びついた、緑豊かな自然や歴史と伝統に支えられた文化等、本市の特色や個性を生かした中で地域産業の振興と先端技術産業を築き上げていく都市づくりを、推進協議会の御意見をも踏まえて県とも協議する中でその実現に向けて努力してまいります。 次に、高度情報化時代にかかわる事項につきましては、お手元の説明書の内容とは、現段階では変化が生じてまいりましたので、御了承をいただきたいと思います。 実は甲府市がテレトピアモデル都市として地域指定されることが確実となってまいりました。正式には、本日発表されるとのことであります。このことにつきましては、議会を初め山梨県、その他、多くの関係者には絶大な御指導と御協力をいただき感謝を申し上げる次第であります。 この指定を受けますと、基本計画をもとにして実施計画の策定など、実現に向けて努力していかなければなりません。したがって、61年度早期に県の御協力もいただく中で、関係機関の代表者などによって構成する推進協議会を設置して対応してまいりますので、今後とも議会を初め関係者の御協力をお願い申し上げます。 リニアモーターカーによる中央新幹線の実現も夢ではなくなりました。地方の時代といわれる今日、地方都市の形成、発展を図るために、地域格差を是正し、大都市経済圏との距離と時間を短縮していくためには、是非これの実現に向けての努力が必要であります。 昨年発足した促進協議会を中心に県とも協調する中で対応してまいります。また、中部日本横断自動車道及び国中環状線についても引き続き促進してまいります。 次に、本市の60パーセントを占める緑豊かな自然と林道を活かした八ヶ岳から御岳林道、昇仙峡等につなぐ北部山岳ルートの整備であります。これにより、自然との調和の中で観光を中心とする地域の活性化を図るとともに、林業振興をも充分配慮しながら、関係市町村と緊密な連携を図り促進してまいります。 次に、広域的視野にたった都市圏構想でありますが、昭和29年に市町村の大合併が行われ、近代的な地方自治行政の実施にふさわしい体制が整えられてきました。 しかし、その後の社会経済環境の変化に伴って広域行政の需要は拡大し、現在広域市町村圏等を中心とする協力方式による広域行政組織によって対応しているのが実態であります。 本市においても、甲府地区広域行政事務組合で、消防、視聴覚ライブラリー等のほか、教育行政、上・下水道など広域的な対応をすでに行っているところであります。 今後、都市化、情報化が一段と進み、更にテクノポリス構想ともあいまって、広域的視野にたった都市機能の整備と行政執行が望まれているところであります。 従って周辺地域との一体的効率的な行政執行を図るため、議会の特別委員会の御意見もいただきながら、関係市町村とも協議を進めるなかで、積極的に推進し広域行政を充実してまいりたいと思います。 以上申し述べました基本方向及び課題を踏まえて、執行方針を次のとおりといたしました。 1 新総合計画第7次実施計画を基調とした施策の推進並びに市民も健康、まちも健康を基本理念とした「活力ある健康都市甲府」の実現を目指す施策については、引き続き積極的に推進する。 (1)本年度は、かいじ国体の開催年次であるため、市民の連帯と協調のもと職員と一体となって、その成功を目指した市政の推進を図る。 (2)21世紀を展望した、第3次総合計画への対応、市制100周年記念事業の計画推進、甲府地域テクノポリス母都市としての都市機能の整備充実等への行政対応を図る。 2 健全財政を基調とした財政の効率的かつ重点的な運用を図るとともに財源の確保につとめ、市民生活に直結した真に必要な施策はこれを強力に推進する。また組織機構の整備、事務事業の見直し、民間活力の導入等自主的な行政改革を推進する。 3 広域的視野にたった都市機能の整備を促進するなかで、周辺地域と一体的な発展を図るために広域的な施策を積極的に推進する。 これら市政執行方針に基づき、昭和61年度予算を編成致しました結果は、 一般会計が 400億8,550万円 特別会計が 392億3,198万円 合 計 793億1,748万円 となり、 昭和60年度当初予算と比較いたしまして、一般会計が16億770万円の増で、4.2%の伸び、特別会計では、11億8,924万円の増で、3.1%の伸びとなり、合計では、27億9,694万円の増で、3.7%の伸びとなっております。 以下、順次重点施策の概要を御説明申し上げます。 まず、「福祉の向上」について申し上げます。 最近、住民の福祉に対する要求は多様化され、高齢化など多くの問題を抱えながら今日に至っておりますが、国は福祉に対する補助金を年々引き下げ、地方負担への転嫁を強めている昨今ではありますが、私は、今日まで常に福祉を施策の柱に取り上げその推進を図ってまいりました。 厳しい財政状況下ではありますが、福祉については後退することはできません。あらゆる努力を傾注して、福祉の向上を図ってまいります。 まず、老人福祉につきましては、総合福祉センターを61年度から2年次の継続事業で建設し、生きがい対策の助長を図るとともに、老人の健康維持のため、健康診断の充実、医療費助成の継続、更には、寝たきり老人看護手当及び新たに在宅寝たきり老人訪問歯科健康診査を実施するなど、在宅福祉を充実し、健康で豊かな福祉のまちづくりの推進を図ってまいります。 次に児童福祉につきましては、民間保育所の施設の整備充実を図るための補助を行うとともに、引き続き保育料保護者負担の軽減に努め、また、母子世帯の児童手当の支給等手厚い施策を実施してまいります。なお、カギッ子対策として、子供の健康と安全確保のため留守家庭児童館を新たに設置してまいります。 身体障害者福祉につきましては、障害者の住みよい環境づくりを主眼に、家庭訪問指導員の積極的な派遣、点字ブロック、声の広報等、身障者ガイドブックの作成を行うとともに、障害児通園事業及び授産施設等への助成を行い、思いやりの心を育む運動とあわせ積極的に施策の推進を図ってまいります。 また、61年かいじ国体に引き続いて開催されます全国身体障害者スポーツ大会の運営にあたっても、その対応に万全を期してまいります。 保健衛生につきましては、市民の基幹病院としての市立甲府病院は、国立医大附属病院の影響が懸念されましたが、幸い、外来、入院患者の増加と内部体制の確立、経費の節減等により、運営面においても弾力性を帯びてきたのであります。 これもひとえに、議会を初めとする関係者のひたむきな努力と市民の皆様が市立病院に託す信頼感と期待感とがあいまってよい結果となったものと感謝いたしております。 しかし、今後なお一層、医療体制の充実と、医療サービスの向上に努め、総合病院としての位置づけを確立してまいります。また、救急医療体制につきましては、医師会と協調してこれを推進し、一般保健活動についても、各種検診と予防接種を実施するとともに、新たに腎バンク設立に伴う出資も行い、健康づくり推進事業として健康相談、健康診査、訪問看護等の各種保健事業の充実も図ってまいります。 次に国民健康保険事業につきましては、非常に厳しい状況下ではありますが、被保険者の健康管理に重点を置き、人間ドック等の保健サービス事業を推進するとともに、医療給付費等の抑制を図る施策と保険料の収納率向上対策を引き続き積極的に進めてまいります。 消費者保護対策といたしましては、消費者団体の育成、消費者啓蒙事業の推進と不用品活用情報センターの充実とともに市民の消費者意識の高揚に努めてまいります。交通安全対策といたしまして、全市にわたっての交通安全意識の普及、啓発を図る施策のほか、施設整備事業としてガードレール及びカーブミラーを設置し、交通安全対策を図ってまいります。 また、放置自転車対策として通行及び都市美観等の障害を無くし、快適で安全なまちづくりに対応すべく取り組んでまいりたいと考えております。 防災対策といたしましては、防災行政無線の整備は60年度をもって完了し、今後はその管理に万全を期し、災害時における活用に備えてまいります。 自主防災組織の強化と各地域の消化栓器具の取りつけ等、防災対策を行ってまいります。また、上積翠寺町の急傾斜地防災事業とあわせて、防火水槽、小型動力ポンプ等消防施設の整備充実と消防体制の強化など、市民の生命財産を守るための施策を積極的に推進してまいります。 次に「教育、文化の振興」について申し上げます。 極めて厳しい社会環境のなかで、教育文化活動の果たす役割ははかり知れない重要なものと痛感しております。このため、小中学校の施設整備につきましては、地震対策緊急整備事業計画に伴う市内小中学校校舎の鉄筋化が終結したことにより、今後は、学校規模の適正化のための教育環境整備に万全を期し、児童、生徒の質的向上を図ってまいります。 小学校では、校舎増築として、大里小学校、屋内増改築では、里垣、貢川小学校、給食室改築では、池田、北新、羽黒小学校、校庭の整備としては、富士川小学校の施設整備をそれぞれ図ってまいります。 中学校では、60年度富竹中学校の校舎の建設に引き続き、屋体、プール、格技場等の整備を行い、更には、大規模校解消のための、新設中学校用地取得とともにその造成を行ってまいります。 また、小中学校の教育内容の充実を図るため、甲府市標準教材8か年計画と、学校一般備品標準整備4か年計画の2年次並びに学枚需要費標準5か年計画の2年次の基づく予算を計上するとともに、学校給食関係諸経費の公費負担、小中学校図書館職員に対する補助金の増額等保護者負担の軽減に努めてまいります。 現在大きな社会問題となっております、児童、生徒のいじめ問題については深刻に受けとめ、本年度はその対応としていじめ対策費を計上し、いじめに対する調査、研究、指導等の万全を期してまいります。 また、教職員の資質と指導力の向上を目指した研修の場としての、教育研修所を新設し教育の振興を図ってまいります。 いよいよ、かいじ国体も開催年度となり、市内小中学校の児童、生徒、教職員の果たす役割は極めて大きいものがあります。 しかし、輸送、連絡、救急などの円滑化を図るための細かな配慮が必要でありますので、山城小学校に対策本部を設置し万全を期してまいります。 市立甲府商業高校については、全国高等学校野球の春の選抜大会への出場が決定されましたことは、19年ぶりの快挙であり非常に喜ばしいことであります。これも選手及び関係者のひたむきな努力の賜ものであり、全校生徒の励みになるものと深く感謝を申し上げる次第であります。 また、本年度は、教育の面においても、最新式パソコン導入により情報処理科を充実し、社会経済情勢の変化に対応出来る人材の養成に努めることによって、伝統ある市立甲府商業高校の位置づけがより一層高まるものと思っております。 幼稚園教育につきましては、私立幼稚園児に対する就園奨励補助金の増額改定を行うとともに、幼稚園教職員研修研究費についても助成を行ってまいります。 社会教育につきましては、各ブロック公民館建設構想を推進するとともに、教養文化、情操教育の拠点として生涯教育活動に寄与してまいります。また、新たに北部に児童センターを建設し、施設の充実を図ってまいります。 文化活動としましては、市民が芸術文化に親しむ機会を増大し、文化水準の向上を図るうえから御岳文芸座の充実と、文化と健康の道の施設整備を進めるとともに、新たに遊亀公園に彫刻の森を設定し、市民が芸術に親しむ想いの場として、市民文化の向上に寄与してまいります。 また、文化財保護につきましても、昨年に引き続き武田氏館跡の発掘調査を初め、第2次本郷遺跡、宮ノ脇遺跡、積石塚遺跡等それぞれ発掘調査を行い歴史的文化遺跡の保存に努めてまいります。 さて、59年度に締結調印された、中国四川省成都市との友好関係も各セクションでの交流が盛んになり、本年度も物産展、農業考察団の相互訪問等種々の分野における、善隣、協調の中から両国の永遠の平和に寄与することに努めてまいります。 更に、本市は、全国に先がけて「核兵器廃絶平和都市宣言」を行っており、本年度も広島の平和記念行事への参加を初め県内の平和都市宣言市町村の連格協議会の結成等、永遠の平和を願う幅広い運動の展開を強力に進めてまいります。 社会体育の振興につきましては、かいじ国体の開催を契機に地区体育協会を中心に市民へのスポーツ意識の啓発と体力の増強をかねた施策推進に取りくみ、市民の健康で明るい社会づくりの源として、地域スポーツをより活発なものにしていきたいと考えております。また、学校開放事業として、新たに小学校1校に夜間証明施設を設置するとともに、既存の照明施設の改善を2校実施するほか、屋外トイレ、クラブハウス等の施設を充実完備してまいります。 青沼、青葉スポーツ広場を初め、池田、和田公園についても幅広く市民のスポーツ場とするため、施設の整備充実を図ってまいります。 次に、「生活環境の整備」について申し上げます。 住民重要の高度化、複雑多様化するなかで、地域連帯の共同意識向上のためには行政と住民とが一体となった地域社会の建設が必要と考えています。 従って、住民のコミュニティー意識の高揚と住民組織の育成強化を図るための地域集会施設の建設費助成を初め、新たに防犯街路灯設置への補助を行うとともに、電気代の助成を引き続き行ってまいります。 公営住宅建設につきましては、東部地区に60年度及び61年度の継続事業で第1種30戸、第2種30戸を完成させ、更に61年度及び62年度の継続事業で第1種40戸を建設してまいります。 また、62年度建設のための用地確保にも努めます。 道路、橋梁整備事業につきましては、市道舗装新設、生活関連道路舗装、道路新設改良事業などの市単独事業も積極的に進めてまいります。 また、不動橋、鶴巻二之橋等の橋梁改良事業を行うとともに、河川、水路整備事業といたしましては、日影西藤川及び高成町内水路等の整備改良を行ってまいります。 上水道事業といたしましては、第5期拡張事業も残すところあと1年次となり、荒川ダムの完成による増量取水にそなえて、給水区域に均等に給水ができるよう、主要配水幹線の布設工事を施行してまいります。 なお、高台地区等の出水不良を解消するため、配水池の増設、及び配水管の増径等の整備を行ってまいります。また、地震対策、漏水多発路線及び赤水対策等のため配水管布設替に努め生活用水の確保に万全を期してまいります。 60年度に着手いたしました千代田地区の上水道築造工事につきましては、計画どおりに完成させ、62年3月上旬には、全戸に給水ができるよう努力してまいります。 更に、新たに下黒平地域に小規模簡易水道を建設し、市民皆水道にむけて一層の努力をしてまいります。 下水道事業につきましては、汚水幹線整備事業として引き続き南西第1、第2幹線と新たに湯川第1、第7幹線等の本管布設を行うとともに、市内の浸水地帯の解消のため各地域にわたって雨水渠の整備を行ってまいります。 汚泥処理につきましては、本年度は「甲州有機」の本格的な生産に伴い、各農協を初め、販売ルートの確立を図り、有効かつ安全な製品の生産を図ってまいります。 清掃及び環境衛生につきましては、引き続きごみの減量と有価物の有効利用を図るための分別収集を徹底し、収集体制を充実するための車両の更新、施設整備を行ってまいります。また、一般廃棄物最終処分場は本年度完成する運びとなっております。 なお、西下条し尿処理場関係につきましては、地域のみなさんの御協力によりまして現在に至った訳でありますが、今後とも、悪臭等公害のない施設に万全を期すべく努力いたしますので、地域の皆様方の御協力を節にお願い申し上げる次第であります。 公害対策といたしましては、市内主要河川の水質汚濁調査を実施する一方、公害防止施設等設備資金の貸付け、利子補給も行ってまいります。 都市公園の整備事業につきましては、池田公園、荒川河川敷緑地、朝気ふれあい公園等の整備、更には、つつじが崎霊園等についても引き続き整備充実を図ってまいります。 緑化事業につきましては、市民に安らぎをもたらす緑豊かな都市づくりをするための幹線道路沿いの公有地や私有地を活用した新たな市民の杜構想を初め、公共緑化及び地域緑化等、全市民的緑化啓発事業を推進してまいります。 なお、本年は、かいじ国体の開催年次でもありますので、小瀬スポーツ公園の周辺及び市内主要通り等へのフラワーポットの設置を行い、街を緑と花で飾り明るい街づくりを実施してまいります。 次に「産業の振興と都市基盤の整備」について申し上げます。 現在の経済情勢は、貿易摩擦に端を発し、円高傾向が続くなかで、本市における商工業を取り巻く環境は非常に厳しいものがあるものと思われます。このような状況下にある時こそ、行政と業界が一体となって、めまぐるしく変貌する時代に即応できる商工業基盤づくりを強力に推進しなければならないと存じます。 商工業対策としては、商業近代化実施計画に基づき春日通り、桜通りの商店街高度化事業、再開発事業等によるショッピングモール化事業等を推進するとともに、円高融資制度を初め各種融資制度の充実に努め商工業の活性化を図ってまいります。 また、工業振興につきましては、地場産業育成のための地場産業センターの施設整備と小規模工業団地計画の推進、また、県のテクノポリス構想とあわせた先端産業の立地を進め、本市の工業の振興発展を図ってまいります。観光対策といたしましては、かいじ国体を契機に観光客受け入れ体制の確立を図り、中央自動車道等交通網の高速化時代を活用した、京浜、名古屋方面への観光宣伝に努めてまいります。 観光基本計画に基づき、昇仙峡を中心とした観光施設の整備を行うとともに、観光案内所を充実し観光客の利便とサービスの向上に努力してまいります。 農業振興対策につきましては、農業に、より高度な技術の活用を図るため農業先端技術を導入し、果樹及び花き栽培の振興を図ってまいります。また、野菜集団産地育成事業、営農計画転換促進事業及び農業振興資金貸付等の事業を行うとともに、農道整備事業も引き続き実施してまいります。 林業振興につきましては、市有林整備事業を推進し、林道改良舗装事業、小規模治山事業を実施するとともに、民有林整備事業及び松くい虫防除対策、森林浴普及事業、市の鳥保護についても引き続いて実施してまいります。 中央卸売市場事業につきましては、第4次整備計画に基づいた施設の整備改善を図るとともに、管理体制の強化に努め、生鮮食料品の取り引きの適正化を図り、市民の食生活の安定に努めてまいります。 都市基盤の整備につきましては、街路事業として引き続き善光寺町敷島線、上阿原町寿町線、高畑町昇仙峡線、愛宕町下条線の各幹線街路事業を施行いたしますが、国体関連事業であります上河原町寿町線の朝気立体交差部分は本年度完成いたしますので、この方面の交通渋滞は緩和されるものと思います。 また、甲府駅南北広場等の整備を進めるとともに、塩部町開国橋線等、県施行街路事業にも積極的に協力してまいります。 土地区画整理事業につきましては、寿、宝地区も住民の御理解のもとに現在土地先行買収を行い、計画どおり推進が図られております。 また、城東地区や組合施行による住吉地区につづき、新たに古府中地区の区画整理についても、地区の方々の御理解を得るための努力を傾注してまいります。 なお、本年度は、国土基本図作成に始まり、都市計画基盤整備調査等、一連の都市計画事業を実施し都市基盤の整備充実を図ってまいります。 これらの施策の推進にあたりましては、効率的かつ重点的な財政運営と市税を初めとする財源確保により一層努力して対応してまいりますが、本年度も国体及びその関連事業につきましては、年度間調整財源として留保してあります財政調整基金の運用をはかり予算編成を行ったところであります。 また、市民総参加によります地方自治の確立が都市づくりの主要課題であることを基本に、広報、公聴活動の充実と、行政情報公開制度に向けての準備を進め、あわせて、自主的行政改革を進めるなかで、事務システム効率化の推進に努めるとともに、市民サービス向上のため職員研修の一層の充実を図ってまいる所存であります。 以上が、私の市政執行にあたっての所信の一端と昭和61年度予算の概要であります。 昭和61年度の市政執行にあたりましては、国体という大きな事業が中心となりますが、その成功に向けて最大の努力をすることはもとより、他の市民生活に直結した真に必要な施策についても、全職員が一丸となって推進してまいります。 また、議会等から御指摘いただきました御意見、御提言をも十分踏まえ、所信を忘れず公正、清潔、誠実の姿勢をもって、21世紀を展望した明るく、住みよい活力のある健康都市甲府の実現を目指して邁進する覚悟であります。 なにとぞ、十分御審議いただきまして、御協賛賜りますよう心からお願い申し上げまして、所信の表明及び説明といたします。 〇議長(小林康作君) 以上で説明は終わりました。 お諮りいたします。 3月6日は議案調査のため本会議を休会したいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小林康作君) 御異議なしと認めます。 よって、3月6日は本会議を休会することに決しました。 休会明け本会議は3月7日午後1時から開会、提出議案に対する質疑及び市政一般質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。 午後2時09分 散会 |