平成元年11月甲府市議会臨時会会議録第1号

                午後1時02分 開会

○議長(原田正八郎君)

 ただいまから平成元年11月甲府市議会臨時会を開会いたします。

                午後1時03分 開議

○議長(原田正八郎君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 本臨時会に提出する議案につき、市長から通知がありました。

 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますから、朗読を省略いたします。

 次に、宮島雅展君は公務のため、堀口菊雄君及び剣持庸雄君は一身上の都合により、小野経済部長、若林用地室長、鈴木百周年記念事業室長事務取扱及び丸山中央卸売市場長は、公務のため本日欠席する届け出がありました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員には、会議規則第167条の規定により、
 中西 久君
 川名正剛君
 秋山雅司君
を指名いたします。

 次に、日程第2会期決定についてを議題といたします。

 お諮りいたします。

 今期臨時会は、11月13日1日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

                (福島 勇君「議長」と呼ぶ)

○議長(原田正八郎君) 福島 勇君。

○福島 勇君 ただいま議事録署名議員の御指名があったわけでありますけれども、私の見たところでは、1名は姿が見えていないようであります。議事録署名議員でありますから、本会議場に出席していない人を指名することはいかがなものか、お尋ねをいたします。

                (「来た、来た」と呼ぶ者あり)

○議長(原田正八郎君) お答え申し上げます。

 お見えになりましたのでよろしく御理解いただきたいと思います。

                (福島 勇君「了解」と呼ぶ)

 御異議なしと認めます。

 よって、今期臨時会の会期は、1日間とすることに決しました。

 次に、日程第3 議案第110号を議題といたします。

 市長から提案理由の説明を求めます。

 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 本日の市議会臨時会に提案いたしました案件につきまして御説明申し上げます。

 議案第110号「請負契約の締結について」は、住吉汚水中継ポンプ場地上部分建築工事(建築主体)を施行するため、指名競争入札を行ったところ落札者がなかったので、この最低入札者と随意契約を締結するにつきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得、また処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を求めるものであります。

 御審議の上、御協賛を賜りますようお願い申し上げまして説明を終わります。

 なお、百周年記念事業のメーンイベントでありました甲府博とパンダ展は、いずれも入場目標数を超え、好評のうちに昨日閉幕することができました。これも議員各位の温かい御理解と御協力並びに市民の皆様から百周年事業成功への厚い思いをいただいたたまものであり、ここに心から感謝申し上げる次第でございます。

○議長(原田正八郎君) 以上で説明は終わりました。

 これより質疑に入ります。

 質疑の通告がありますので発言を許します。

 村山二永君。

○村山二永君 まず冒頭、百周年の甲府博等が成功をしたことを心からお喜びを申し上げたいと思うわけでございますが、本件について2点お伺いを申し上げます。

 今市長の提案理由の説明の中にもございましたけれども、指名競争入札を行ったところ落札者がなかったということは、少なくとも予定価格をオーバーをほとんどしてしまったんだろうと。したがって、これは当然法律的に違反じゃございませんけれども、3回にわたって入札をしたけれども、言うならば予定価格と最低限度額範囲における落札者がなかったと、こういうことで指名、随意契約を行ったことだろうと思うわけでございますけれども、今後仮に業者はそのようなことはないだろうと思うけれども、仮に今後業者が結託をして、すべて予定価格をオーバーをした方法で入札行為をし、ほとんどが言うならば失格をしたと、こういうふうな経過が出るおそれも1つはあるではないだろうかと。こういう点について総務部長で結構でございますけれども、少なくとも設計価格、予定価格それから最低制限価格を設けておる本市の契約関係法律から見ると、今後のこの問題について非常に大きな影響をもたらすではないだろうか、このように考えているわけでございます。まずこの第1点をお伺いをすると同時に、それから第1回の入札が9月30日に入札を行っておりまして、その次が10月30日、約1月間の期間があるわけでございますけれども、この間に場合によって、考え方によっては予定価格の変動等を行ったんではないだろうかと、このような危惧も生まれてくるわけでございますけれども、その辺についてどのような対処をしたかどうかを承りたいと、こう思うわけでございます。

 それから第2点としては、公共工事の単価が民間企業等の単価に比して非常に安いということを、巷間盛んに言われているわけでございます。これは民間関係の需要が多くなって、人件費が民間関係の方が非常にいい。それに比べると公共工事の方については、単価が安いと、こういうようなことが一般的には言われているようで、建設省も10月ごろには設計単価の変更をしていきたいという方針を出しているようでございますけれども、こうした物価上昇あるいは物価単価に対する1つの基準的な点についても公共工事の設計にも若干問題があるではないだろうか、この辺について下水道部長はどのように考えているのか、その辺を一つ明らかにしていただきたい。これは総務部長に対する質問と、非常に設計金額の設定にどうも非常に深いかかわり合いがあってこういう、2回目は1ヵ月間も置いて2回目の入札をせざるを得なかったという事態があったんではないだろうかと、こういうように考えますので、その辺についてもひとつ見解をお示しを願いたいと、こう思うわけです。よろしくお願いします。

○議長(原田正八郎君) 総務部長 鷹野四郎君。

○総務部長(鷹野四郎君) 2点についてお答え申し上げます。

 まず本案件の契約にかかわります経過について御説明申し上げます。

 本件は、大手市内業者2社によります共同事業体10組を指名いたしまして、9月の30日に入札を行いました。3回の入札の結果、落札者がありませんでした。したがいまして、地方自治法施行令の規定に基づきまして、最低入札者と随意契約を前提といたしまして協議を行いましたが、不調に終わったため改めて県外業者を含めまして指名競争入札を行った結果、本案件となった次第でございます。

 2点目につきましては、入札予定価格あるいは最低制限価格につきましては、設計に基づきましてそれを組み込むわけでございますが、本案件につきまして特別な取り扱いはいたしておりません。

 以上でございます。

○下水道部長(岡田 淳君) お答えをいたします。

 私どもの工事の設計につきましては、労務費、資材費の積算につきましては、山梨県土木工事標準積算基準書を利用しております。

 また歩掛り等につきましては、建設省が定めております処理場、ポンプ場あるいは建築歩掛りは、建設省の建築工事積算基準書等によって策定をされました歩掛り、あるいは諸経費の率等を定められた経費率を使用しております。御指摘の問題につきましては、資材費等の問題につきましては、山梨県がこの1年間の情勢を見まして、市場価格等から勘案をして、それぞれ毎年度4月にその基準を策定をし、その単価を使用させてもらっておりますけれども、この場合4月1日から、資材単価の変更があった、こういう通達がございます。そのことによって若干の変動が見られました。

 資材の単価につきましては、毎年4月に決定をしているのでございますけれども、その単価自体が非常に変動が激しいものもございます。それらにつきましては、その単価の更正について5%以上の増減がその市場に認められたとき、県がその県の単位でこれを更正することができる、こういうことの中からなされているものであります。

 なお、労務単価等につきましては、3省協定といいまして、建設省、農水省、運輸省の3省でそれぞれの地県ごとにこれは単価を決めておりますので、それらの全国賃金実態調査に基づいて行っておりますから、毎年度4月にそれが出てまいります。私どもはそれを利用しておりますし、今のところ10月以降の問題としても、労務単価の変動についての指導はまだありません。

 以上でございます。

○議長(原田正八郎君) 村山二永君。

○村山二永君 私が危惧をいたしておりますのは、この落札者がなかったというのは、最低基準単価を下回ったということでなくて、予定価格をほとんどの業者が上まわったために、3回の入札をやらざるを得なかったと、こういうことになるわけですね。本来であれば、当然予定価格と最低価格とのこの中のより最低価格に、制限価格により近い業者が仕事を取るというのが一般的方式でございましょうけれども、この場合には単価的な問題等も考えて、予定価格をすべて上回ってしまったということになるわけでございますから、今私がここで予定価格を示せとか、あるいは設計金額を示せとかということを申し上げるわけではないけれども、こういう方式が今後積み重なっていきますと、より予定価格に近い価格の中で随意契約をせざるを得なくなってくるではないだろうかと、こういうことを1つ危惧をしているということがあるからそのような質問を申し上げたわけでございます。

 さらに今申し上げましたように、第1回の入札から2回目までに1ヵ月間の期間が存在をするわけでございますから、この期間には下水道部長も若干認めておりますけれども、もろもろの変動等も勘案をして、その辺について総体的な幅の変更があったんだろうと、こうしなければ当然この1ヵ月間という長い期間を想定をすることができないわけでございますので、私は決して基本的にはこれが違法とかそういう問題の理解ではなくて、今後の業者の今下水道部長の説明を聞いていますと、単価的にはそれほど無理のある単価積算ではないと、若干変動も考慮したということを言っているわけでございますが、今後業者が本当に連携をして、うまく談合をしていけば、そういうふうにすべてを予定価格をオーバーをしてしまって、あと随契でより予定価格に近い金額の随意契約になる可能性が多くなる可能性があると、そうなれば、最低価格制限が生きてこないではないだろうか、こういう危惧を持ってこのような質問をしたわけでございますけれども、この間において30日間の第1回から期間があるというところが、若干疑問を感ぜざるを得ないところなんですよ。それは確かに地方自治法で当然許されているから、違法の行為でもございませんけれども、その間の変動等という点について、どのくらいの変動がどう行われたか、具体的にもし下水道部長の方から説明ができるようでしたら、していただきたいと、このように思うわけですが、よろしくお願いします。

○議長(原田正八郎君) 総務部長 鷹野四郎君。

○総務部長(鷹野四郎君) 第1回いわゆる初回の入札行為から約1ヵ月と、このような御指摘でございますが、下水道サイドにその長期の理由があるわけではございません。私どもが指名をし、さらに共同事業体という方式を取っておりますので、仮指名、それから協定書の締切、さらには本指名、机上説明、入札ということになりますと、どうしても1ヵ月前後の日数は要するわけでございますので、指名から入札までにその期間を要したと、このように御理解をいただきたいと思います。

○議長(原田正八郎君) 村山二永君。

○村山二永君 特に御要望して申し上げておきますけれども、甲府の議会議決行為の中で、言うならば落札者がなくて随契を行った議案というのは、この本件が1件だけだろうと私は理解をいたしております。議会議決されない契約案件についてはこういう事実が過去にもあったようでございますけれども、今回はこれがはじめてのケースだけに、当局も当然厳正におやりになっていることは私もよく理解をいたしておりますけれども、今後こういう問題等についてやはり業者も十分指導をしていかないと、さっき私が申し上げました設計金額、それから予定価格、最低基準価格の3つを設けて契約行為をやっておる本市の契約内容の基本が崩れるおそれもなきにしもあらずだと。

 したがって、業者にその辺の点を十分理解するような御指導をしていってほしいと、そのことを特にお願いをすると同時に、これはまた技術部門の方でも業者が請け負っては損をしてしまうような、言うなら設計金額であるとするなら、設計金額から予定金額がさらにカットをされ、さらに予定金額からさらに最低金額がカットされるわけですから、引き受けたために企業が損をすると、こういうふうな結果が出たでは、またこれも業者振興の施策をとっておる市としても好ましいやり方ではないわけでございますから、設計単価の設定等についても、やはり1つの時の流れというものなども十分配慮をしながら、これは関係官庁とも十分連携をとって、そういう方式を取っていかないと、言うならばこの請負工事の場合には最低基準価格が設定をされておりますけれども、どこかの市でありましたようにコンピューターの1円入札というふうな結果が生まれてくると、こういうふうにならざるを得ないと思うわけでございますが、本市の場合だけでなくして、工事入札制度については、最低基準価格が法律上も設定をされているわけでございますから、これにより近い金額で契約をするということが、本来正しい意味の契約方式でございますから、ぜひその辺等についても当局も意をそそいで、より一層契約等については業者に対する指導あるいは単価等に対する設計等についても時代の動き、経済情勢等も十分把握をして、その反面業者にもひどい損害を与えないというふうな配慮という点についても考慮をしてほしいと、こういう点を要請をして、あと委員会で十分、恐らく非常に扱いとしては異例な問題のところが何カ所かあるわけで、建設水道常任委員会でもかなり論議を呼ぶ点があろうかと思いまして、そちらで恐らく論議をなさるでしょうから、私としてはそれだけの2点をひとつ当局に御要請を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

○議長(原田正八郎君) ほかに質疑はありませんか。

 これをもって質疑を終結いたします。

 ただいま議題となっております日程第3 議案第110号については、建設水道委員会に付託をいたします。

 委員会審査のため暫時休憩いたします。

                午後1時23分 休 憩

                午後4時05分 再開議

○議長(原田正八郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 ただいま建設水道委員長から、委員会審査結果の報告書が議長のもとに提出されました。

 これより日程第3議案第110号を議題といたします。

 本案に関し建設水道委員長の報告を求めます。

 建設水道委員長 皆川 巖君。

                (建設水道委員長 皆川 巖君 登壇)

○建設水道委員長(皆川 巖君) 御報告申し上げます。

 先ほどの本会議において、当委員会に付託されました議案について休憩中委員会を開き、慎重に審査した経過と結果を御報告いたします。

 議案第110号請負契約の締結について(住吉汚水中継ポンプ場地上部分建築工事(建築主体))については委員から、今回提案された請負契約案件は、最初の指名競争入札が不調に終わったと聞いているが、その経過と今回の設計金額と前回の設計金額とに変更はあるのかとただしたのに対し、当局から最初の入札行為は、9月30日に市内大手業者の2社による共同企業体10組で入札を行いましたが、落札者がなく、最低入札者と随意契約を前提とした協議を行いましたが、不調に終わりましたので改めて10月30日に県外業者を含め再度入札を行い、その結果今回提案しました業者と仮請負契約を締結するに至りました。

 また今回の設計金額は10月1日に県の土木工事標準積算基準の変更があり、鉄筋単価の引き上げに伴い設計金額が変更になったとの答弁がありました。

 これに対して委員から、今後もこのような入札不調が起こり得ると考えられるが、再入札の指名のあり方の基準を明確にするよう要望する意見が出され、全員異議なく当局原案のとおり可決するものと決しました。

 以上で報告を終わります。

○議長(原田正八郎君) 以上で報告は終わりました。

 ただいまの委員長の報告に対する質疑に入ります。

 質疑はありませんか―――質疑なしと認めます。

 これより日程第3 議案第110号を採決いたします。

 本案に対する委員長の報告は可決であります。

 本案は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(原田正八郎君) 御異議なしと認めます。

 よって、本案は委員長の報告のとおり可決されました。

 以上をもって、本臨時会に付託されました議案の審議を全部終了しましたので、会議を閉じ、11月甲府市議会臨時会を閉会いたします。

                午後4時08分 閉会

 甲府市議会議長  原田正八郎
   〃 副議長  岡  伸
 会議録署名議員  中西 久
   〃      川名正剛
   〃      秋山雅司