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更新日:2021年3月10日
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能三番は昭和35年に山梨県無形民俗文化財に指定されている。能三番の由来伝承はムラの起源伝承と関わっていて小田内道久の「黒平の能三番」によれば、由来は以下のように記述されている。
能三番は、古來この部落の人達によって傳承せられて來たのであるが、その由來については何等文献の徴すべきものがない。たゞ、傳承の傳ふる所によれば、足利の末期頃に、信州佐久郡川上村地方から傳來したものといひ、又、その昔、藤原某の朝臣が都落ちして此處に來住し給うたのが縁故となつて傳へられたともいふ。古老の話しによると、現在村人に藤原姓を名乘る者の多いのはそのためで、上黒平の舊家には系圖書さへ殘つてゐるといふことである
藤原氏と関係づけて語られている由来譚では、文治元年(1185)1月、藤原房秀が一行を連れて都から落ちのびて黒平に来て、能三番を伝えたというかなり具体的な伝承がある。
房秀は輿に乗ってやって来たともいわれ、絹の着物を着ていたところから「ちりめんさん」と呼ばれた。クボノイエという屋号のイエがその末裔で、代々「ちりめんさん」と呼ばれていた。クボノイエの墓を「クボの墓」と言い、鉄柵で囲われていて特別だった。
能三番において、地謡を行う者をショウホンヒキという。これは地謡の他に、拍子木も打ち、また、プロンプター役にもなる。もっとも重要な役であり、この芸能に詳しい者がやる。
舞手は、翁・黒木の尉・千歳である。翁は九十九歳の老人で、白面をつける。黒木は男性で、黒面をつける。千歳は姫で、面はつけないが、鼻の先に白粉を塗る。
鳴り物は大鼓・小鼓・笛である。大鼓は一人で、小鼓は中鼓一人、脇鼓二人の合計三人である。中鼓は能三番をよく知っている人がなった。笛は最低一人いればよく、能三番を行うには最低九人いればよい。上黒平と下黒平とでは、翁舞に少しの違いがあるそうだが、全体的にはほぼ同じであるという。
現在、黒平では過疎化が進み、能三番の継承者がいない状態である。上黒平町では、荒川ダムの竣工の年(昭和59年)が、黒平で行われた最後の年である。現在では全員が黒平に住んでいるわけではないので、集まって稽古をすることが、なかなか難しいが、黒平町の出身者が黒平の「能三番」の伝承活動を行っている。
下黒平では、現在でも、年に2回ほど、「寒晒しそば講」と「ほうとう祭り」のときに、能三番の上演を行っている。
(参考文献 甲府市黒平町総合民俗調査報告書「黒平の民俗」より)
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