ホーム > 市政情報 > 広報 > 広報オリジナルコンテンツ > いきいきライフ > 文化財めぐり甲府のお宝み~つけた! > 絹本著色釈迦三尊十八羅漢図
更新日:2019年12月11日
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文化財保護には、国・県・市の指定制度と国の登録制度がありますが、山梨県の場合、重要文化財というと、国の指定文化財を指します。
これは、県や県内の市町村の文化財保護条例において、県や市町村指定の文化財には、重要文化財という呼び方をしていないためです(ただし、長野県や群馬県では、県や市町村指定の文化財に重要文化財の呼称を用いています)。
平成22年3月、一蓮(れん)寺で所蔵している釈迦三尊十八羅漢図を重要文化財に指定するよう、国の文化審議会の答申が出され、同年6月29日に国の重要文化財として、正式に指定されました。
釈迦三尊十八羅漢図は、釈迦三尊を中心に表した中幅と9体ずつ羅漢像を描いた左右幅からなる三幅対(さんぷくつい)の作品です。
この写真の画像は中幅のもので、中央に蓮華(れんげ)座上の釈迦如来像を表し、向かって左に象に乗った普賢菩薩(ぼさつ)、右に獅子に乗った文殊菩薩を配しています。
図像的には、南宋(中国)絵画の傑作とされる建長寺(鎌倉市)の釈迦三尊像に近いことが指摘されていますが、衣服や敷物などに細密な装飾が施されていて、普賢菩薩の腹部には工芸的な趣向も見られます。
細部に至るまで精巧な描写がされていて、南宋から渡来した仏画を直接写したものと考えられています。その内容から鎌倉時代に、中国仏画が伝播(ぱ)する状況を示す初期の貴重な作品として、評価されています。
この釈迦三尊十八羅漢図は、これまで中国から直接渡来した絵画として認識されていましたが、絵画研究の進展によって、近年、正しい位置付けが確定しました。
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