平成2年6月甲府市議会定例会会議録第4号

                午後1時18分 開議

○議長(原田正八郎君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 議長のもとに請願9件、陳情1件が提出されました。

 右はお手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表により御了承願います。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1から日程第40まで40案及び日程第41 市政一般についてを一括議題といたします。

 これより昨日に引き続き、上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 本日は、平成クラブ 依田敏夫君。

 依田敏夫君。

                (依田敏夫君 登壇)

○依田敏夫君 平成クラブを代表して今定例会の議案並びに市政一般について質問をいたします。

 質問も最終であり、どなたも現時点で本市が抱える重要課題につきまして質問を展開をされております。私の質問につきましても、多少重複する箇所もありますが、私なりに角度を変えて質問をしたいと思います。簡明率直なる当局の御答弁をお願いを申し上げます。

 まず最初に、大型プロジェクトの財政計画についてお伺いをいたします。

 我が国の経済は、今年に入って円安、株安、債権安と推移をしましたが、経済企画庁の発表によりますと、1月から3月期の実質経済成長率は、年率換算で10.4%を記録し、この結果89年度までの3年間連続して実質5%台の成長率を達成しております。景気拡大の長期化の中で、先行き不安感とは裏腹に、これまで景気を引っ張ってきました個人消費や設備投資などいまだに好調を持続しております。これは個人所得の伸びであり、企業自身も自力で設備投資のできる力を高め、中小企業も資金手当の力を蓄えていると判断をされます。このような経済状況を背景にした地方自治体の財政構造も、持続的な景気の拡大等に支えられ、地方税収入等順調に伸びていると思われますが、本市におきましても大型プロジェクトの山積の中で、公債費負担率も高く、今後の国と地方自治体との財政負担割合の見直し等、財政状況は引き読き厳しい状況にあります。

 このような中で、21世紀を展望した都市づくりの視点を高齢化、技術革新等情報化社会、国際化、都市化及び個性化、多様化の進展におき、「明日をひらく健康都市・甲府」を都市像とした本市の第3次総合計画は、主要施策の柱を人間都市、文化都市、安全都市、快適都市、産業都市を目指して、とし、さらに重要課題として位置づけた5大プロジェクトすなわち市制百周年記念事業、北部山岳地域の振興、新都市拠点整備事業の推進、南部工業団地建設事業、高速交通体系の確立の実現に向け、いずれも着実な成果を上げつつあることは、高く評価するところであります。そこで次の2点についてお伺いいたします。

 1つとして、第3次計画期間においての社会資本の充実に、増加する事業費を主とする財政規模と、財政計画の内容を改めて明らかにしていただきたいと思います。

 2番目として、第3次計画も、前期計画の中間年次となり、大型プロジェクトが山積している中で、前期計画の集大成と中期計画及び財政計画策定への基本的な考え方をお示しください。

 急速に進行する高齢化社会や、市民福祉の向上等、増大する行政需要に対応するためには、市財政の基盤強化のための市民の定住意識を高めるとともに、長期的な市民所得の向上を目指すことを基本とした都市経営の長期展望が必要であります。

 ここでさらに年次的に計画をされております大型事業である当面の新清掃工場建設、市庁舎建設、市立病院建設、保健センター建設、図書館建設、新都市拠点整備事業、寿宝地区土地区画整理事業などメジロ押しの大型事業と、それらに加えてリニア新実験線建設に伴う施策など、本市の21世紀を展望した都市づくりの課題である財政計画についてもお示しをいただきたいと思います。

 次に、議案第39号 平成元年度甲府市一般会計補正予算(第10号)についてお伺いをいたします。

 歳入予算のうちで第5款地方交付税の復活について、第13款繰入金及び第16款市債についての御説明をお願いをいたします。

 次に、土地利用の課題についてお伺いをいたします。

 本市におきましては、これまでも国土利用計画を基本とし、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律等各種法令の適性な運用を図りながら土地利用に努めてきたところであります。しかしながら近年の地価の高騰、特にリニア新実験線の建設ルート決定後は、将来に向かっての大きな発展要因を抱えて相当の率で上昇を続けております。今年1月の地価公示で、住宅地平均上昇率が20.3%と全国でも上位になっております。4月1日の地価動向調査では、年率換算35.3%と著しい上昇を続けております。

 このような中で、限りある土地を有効に活用し、秩序ある開発や公共用地として計画的な土地利用を図るとともに投機的な土地取引は抑制し、取引の適正化を図る必要性から、県でも昨年12月、土地利用計画の見直し案を決定しております。都市計画区域の拡大と、用途地域の指定と見直しが骨子であります。

 現在都市計画区域は、甲府市など11区域34市町村であり、リニア新実験線のルート決定に伴い、東85町村が追加され、また甲府都市計画区域の用途地域の見直しであります。それとともに地価監視区域の拡大、土地取引の届け出面積の見直しと土地取引の適正化を図ることを重点としております。

 政府でも税制調査会の報告案では、主に法人の土地保有税の強化、市街化区域内農地の固定資産税の評価替えの評価の引き上げなど、土地税制の見直しから地価高騰の抑止を図り、土地の有効利用を促進する方策としております。本市におきましても、国土利用計画甲府市計画が、策定され、第3次総合計画との整合性を図る中で、魅力ある快適都市形成を目指しての土地利用対策こそ必要不可欠な施策であります。特に、本市の土地利用上のネックになっております集団残存農地の解消は急務であります。5ヘクタール以上の指定箇所16カ所、約220ヘクタールの農家に対しての説明指導がなされております。これからの国の土地政策の中では、当然線引きの見直しも想定されるところでありますが、その後の指導面での経過と進捗状況についてお伺いをいたします。

 次に、関連をいたしまして、市街化区域内農用地の計画的利用と地域活性化対策として山梨県農村振興総合土地利用計画推進事業が取り入れられようとしております。その事業は、県の事業ですが、市街化調整区域農家の都市計画見直しの願いの中で進んでおるわけでして、まさに苦肉の策であります。遊休農地の集団化やその高度利用とともに、公有地拡大への対応など利点はありますが、将来に向かっての本市の土地利用上の問題等を踏まえて、進捗状況についてお考えをお示しください。

 次に、ごみ減量化と新清掃工場建設についてお伺いをいたします。

 ごみの減量化対策は、「捨てればごみ、生かせば資源」の理念に基づき、ふえ続けるごみ問題の解決への市民運動の喚起でもあります。現行の有価物回収事業とあわせて4月より試行実施してきた結果に基づき、新たに資源ごみ回収に踏み切られておりますが、そこで平成クラブでは、過日先進都市であります沼津市の行政視察を行いました。当然当局でも参考にされておることと思いますが、私どももうなずける点が多々ありましたので、取り上げてみたいと思います。

 沼津市は、人口規模の類似都市でありますが、環境的には本県と大分違っております。しかしながらごみの減量化対策のために、やむにやまれずに資源化、分別収集を実施し始めたのは本市と同じであります。スタートの時点では政治的背景も絡み、紆余曲折もあった様子ですが、種々の難問を解決し、現在市民総参加で分別収集の実効を上げている都市であります。内容につきましては、本市の有価物回収と同じでありますが、実施方法が大分異なっております。収集は月1回で、ステーション方式により、各自治会と市で協議の上設定をしており、各ステーション当たりの世帯数は、最大で600世帯、最小で50世帯、平均的には150世帯です。

 排出は午前6時より8時の2時間で、市民1人1人の責任で、自主管理しておりますが、細部にわたっては町単位で役員会、老人会、当番等により管理されております。分別は必ず自分自身で行いますので、スムーズに選別されております。なお、各ステーションにつきましては、よその人にはわからないような仕組みにしており、収集が終わると跡形もない状況でございます。

 収集は市の直営で行っており、資源化による売り上げにつきましては、缶類は市の処理場でプレス処理し、原料回収費売り上げは全額市の歳入とし、空き缶以外の有価物については、すべて排出量に応じて自治会単位で還元しております。そしてテレビなど電化製品につきましては、市内の電気製品販売業者の協力で、処理場内で当番で解体され、資源化がされております。

 さて、私たちが月々実施している有価物回収状況と比較して見ますと、大きな開きがあります。モラルの相違であるのか、回収場所には、前日に広報車が回ると、どこから持ち込むのか有価物といえないものまで持ち込まれ、自治会役員の仕分けが大変であります。回収業者の協力もありますが、いまだにごみの観念の中で続けられている状態であります。

 それに比較して沼津市の分別収集は、やっかいものとして片隅に追いやられるごみを、みずからの手で分け、管理することから、みずからの生活や、広くは社会全般の仕組みまで問題意識を持って見るようになり、着実に市民の輪の中でごみ減量化の意識が高まっております。ごみから始まってあらゆる面での行政への関心、市民同士のコミュニティー意識の向上と派生的な効果も出ておるようでございます。実施以来資源ごみ66%、埋め立てごみ34%の実績を上げており、分別収集による減量化のモデル的な都市であります。

 さてしかし、資源化、分別での問題点を上げてみると、高度経済成長の中で次から次へ宣伝されて売り出される商品が、便利さだけを追求し、廃棄されることを考えていないこと。例えば各メーカのビール瓶や酒の瓶でさえ、容器の多様化、流通の合理化とともに使われなくなっている現状、使い捨て商品や再利用のきかない容器のはんらんが、必要以上にごみの増加をもたらしております。電化製品などの耐久消費財も大型化や複合素材の使用により処理や再資源化が難しくなり、今後のごみ問題は、商品の製造段階からの再資源化などで、事業者側にある程度の責任分担を図り、素材の開発、回収原料込みで商品を売るデポジット制度の推進など大きく取り上げられております。

 しかし、現時点ではこの問題意識を常に持ち、分別作業に参加するような市民意識、みずからの環境はみずからが守るという原則で、確実な方法を市民と行政とで確立することにあると思います。しかしながら沼津市の方法のように、市民1人1人が資源を分別しているという実態を見ますと、本市の資源ごみの日は、方法として減量化に果たしてつながるのか、現在までの経過を踏まえてお考えをお示しください。

 次に、新清掃工場建設についてお伺いいたします。

 新清掃工場の建設につきましては、近代的で効率のよい無公書の施設の早期着工が望まれております。建設計画では本年10月までに基本計画、基本設計整備計画を終えて、補助申請手続の予定と伺っております。諸条件を全部クリアしての建設計画でなければならないはずであります。そこで、現時点で懸念されております問題についてお伺いをいたします。

 誰しもがいやがる迷惑施設であり、現工場につきましても紆余曲折、特に地元関係地域の御理解をいただく中で稼働しております。また地元地域整備事業にも意を尽くされておりますところであります。さて、新清掃工場建設計画以来、建設地の決定、地元対策委員会との折衝を重ね、覚書の締結をされました。建設用地につきましては、現工場北側に決定をされて用地取得のために県と現在折衝中ですが、その後の進捗状況はどのようになっておりますかお伺いをいたします。

 次に、基本的に解決しなければならない問題として、石和町との共同処理についてであります。全国的にごみ処理問題は広域化の傾向にあり、一自治体の処理より、複数自治体での業務委託や一部事務組合方式での対応であります。当然国の指導も広域的な考えに基づいての指導であるはずであります。当然計画段階での他町のごみの持ち込みにつきましては、それ相当の有利性を勘案しての発想でなければならないはずであります。それと同時に他町のごみの持ち込みとなりますと、現在ごみの減量化で市民に御協力をいただき、苦心しております最終処分場の問題であります。現在の小曲町の処分場も、どのような延命策を講じても余命は幾ばくもないはずであります。

 全国的に見ても、廃棄物処分につきましては、深刻な問題であります。本市でも下水道汚泥や不燃ごみ等を県外に搬出をしております。不燃ごみなどは、県外といっても秋田県の能代あるいは福井県の敦賀にまで運搬しておりまして、その距離の点からしても莫大な経費であることは自明であります。またそれらの地域におきましても、抱えている事情は本市と同じである。早晩受け入れがストップになることは、時代の趨勢として予想される問題であります。広域的であれ、単一自治体であれ、みずからのごみはみずからの地内で処分する、この姿勢こそ今後のごみ行政にとりまして必要不可欠な考え方といえましょう。

 そこでお伺いいたしますが、共同処理を甲府市において受け入れた場合に、石和町が最終処分場の確保、隣接の恵比須地区の建設合意の取りつけ等を約束しておるやに伺っておりますが、それらについて現時点での動きについて御説明を賜りたいと存じます。

 いずれにしましても、無公害の施設で、中で働く職員にとりましても、快適な職場環境でなくてはならないはずであります。施設の完成が1日も早く望まれておるところでありますが、現処理工場の場合、外見はもちろん内部の環境も好ましいものではなく、焼却炉に至っては、毎年毎年多額の補修費を投入しておりますが、そこで1としまして、ここ3年間の年次別補修費の額とその内容について。2としまして、新工場完成は、平成7年といわれているが、それまでにかかると予想される補修費の総額とその内容。3としまして、仮に建設にかかわる諸条件が調わずに、完成が1年おくれたとして考えた場合の出費増についてお答えをお願いをいたします。

 いずれにいたしましても、もはやごみ問題は、ごみ戦争と化しております。20万市民の1人1人が自覚し、行動しなければ、戦争には勝てません。戦術、戦略、政略の駆使が必要であります。市民の先頭に立つ市長の覚悟のほどをお伺いをいたします。

 次に、農業施策についてお伺いいたします。

 本市農業の現況は、都市化の振興の中で、農業就業者の高齢化、農村の混住化、営農条件の悪化、集落機能の低下などにより、農業就業者の経営意識の低下が著しく、農業の脆弱化の中で推移しております。特に都市農業と市街化区域内農地に対するさまざまな批判の高まりや締めつけとともに、農用地の荒廃が深刻化し、国土保全機能の低下が危惧されております。しかし、国民の価値観はアメニティー志向、ふるさと自然志向、健康志向へと大きく変化しつつあり、農業や農村に対するニーズも自然享受、余暇、創造性、安らぎの場と多様化し、都市と農村の交流が増すとともに、交流による多様な地域振興へと変化をしております。

 農用地は生産手段であるとともに、人間性、創造性、安らぎの場の提供や、国土保全等の高度で多様な機能を有しており、こうした貴重な公益的機能を維持、向上させていくことは、国民的課題であります。都市とその周辺においては、市街化区域内農地の新鮮な農産物の提供、都市内緑地、オープンスペース、情操教育等の公益的機能を適正に評価し、農地を都市計画の中に積極的に位置づけていく必要があるのではないでしょうか。そして口を開けば残存農地の宅地化論議では、行政施策の貧困さを宣伝しているようなものであります。その辺の考え方と今後の取り組みについてお聞かせください。

 次に、食糧供給の安定化と食管制度につきましては、国際化の中においても食糧の安定供給は国が責任を持つことは当然でありますが、特に主食である米につきましては、国内生産によって安定供給を図っていく必要があります。食管制度は、昭和40年代半ば以降、米需給の過剰基調への変化と、晶質別ニーズの強まりを背景として流通弾力化の方向に進んできましたが、今後さらに品質別ニーズに柔軟に対応できる流通体制へと制度運営改善が進められると考えられます。

 このことを通じて、大幅な米需給ギャップのもとで、食管制度は、需給均衡化への取り組みなしでは機能しなくなっており、転作の定着化等による米の中長期的需給均衡を目指した取り組みが必要であり、変革の時の到来とともに行政サイドでの指導面での取り組みも不可欠であります。

 さて、そのような日本の農業の背景の中で、米の輸入自由化は、貿易不均衡の大きな争点にもなっておりますが、これは日本の政治情勢を左右する問題であり、アメリカのヒルズ通商代表も柔軟な考えを打ち出しておりますが、国際化の中でこれからの新しい農業体系を確立しなければならないと思いますが、お考えをお示しください。

 さて、米価につきましては、昨晩の政府の協議の中で1.5%の引き下げが決定されました。米価審議会等でも答申されると思いますが、本市の稲作につきましては、都市農業の中で魅力は薄れ、農用地保有と労働力配分の手段としてなされておるのみであります。そのような中で水田農業確立対策が進められ、各農家もやむなく実施して協力している状況です。昨年度の実績を踏まえて、その実施状況とことしの達成の見通しについてお示しください。

 最後に、甲府市北部山村地域の振興対策についてお伺いをいたします。

 本市面積の63%を占める甲府市北部山岳地域は、荒川流域を中心に、そのほとんどが水源涵養林と、秩父多摩国立公園に指定されており、水資源をはじめ、甲府市民のいのちと暮らしを守るために極めて重要な地域であります。しかしこの山村地域は、過疎化と高齢化が進み、その地域の適切な森林の整備をはじめ、一部には集落の存続すら難しい状況になりつつあることは、とりもなおさず甲府20万市民の水資源確保にも大きな反映を投げかけている状況の中で、その対策が急務であると考えられますが、具体的な振興策についてお示しください。

 また近年、この地域が総合保養地域整備法、つまりリゾート法に基づく重点整備地区に指定を受けるため、準備を進めていると聞いておりますが、これに基づいて施設整備計画の概要と、既存公共施設及び民間施設等との位置づけについてお聞かせください。

 次に、昨年市制百周年を記念し、植樹した桜の郷づくりについてお伺いいたします。

 平成2年度につきましても、既に実施し、北部山村地域振興策の1つとして大いに期待をしているところでありますが、その状況と今後の計画をお伺いいたします。

 また今秋、本県において開催が決定しております第14回全国育樹祭は、南都留郡鳴沢村を中心に行われ、本市でも山宮町片山地内の昭和天皇お手植えの御幸の森の育樹作業を、皇太子殿下をお迎えして挙行すると聞いておりますが、その概要についてお聞かせをいただきたいと思います。

 以上で第一弾の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

○議長(原田正八郎君) 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 依田議員の質問にお答えをいたします。

 まず、第3次総合計画の推進と、財政計画についてのお尋ねでございますが、21世紀を展望いたしまして、活力と魅力ある都市づくり、これを推進するために第3次総合計画の63年度から平成12年度を見通した財政規模は、7,784億円を予定をいたしております。このうち都市基盤の整備や地域プロジェクトの推進を中心とした投資的事業費は2,242億円でございます。歳出に占める構成比は28.8%となります。歳入の財源構成は、国、県の補助金1,121億円、14.5%、市債834億円、10.7%等の特定財源を見込みまして、一般財源の大宗をなしますところの市税収入、これは5,209億円、構成比といたしましては66.9%、平均伸長率5.2%を充当をいたしまして、事業の推進を図っていく計画であります。平成3年度は63年度から平成3年度までの前期計画の実績を踏まえまして、平成4年度から始まる中期計画の策定を後期計画をも展望する年度となりますので、新たなる時代に対応するところの事業の選択と長期計画の見直しを行ってまいります。

 御指摘にありました本市の財政状況は、現在の経済見通しを前提にいたしますと、税制改正の影響を考慮しましても、税収はある程度の伸びが期待できるものと国庫補助負担率の引き下げ、地方交付税の不交付の見通し等によりまして、楽観できない状況にあると認識をいたしております。財政計画の策定にあたりましては、財政収支の均衡と財政構造の弾力性の確保に意を注ぎまして、将来展望に立った実効ある計画を策定をいたしまして、財政運営に万全を期してまいる所存でございます。

 ただ、つけ加えさせていただきますと、先般、日米間で妥結をいたしました日米構造協議、これで公共事業が430兆円、NTT分が25兆円、合計455兆円というこの非常に膨大な金額でこれが妥結をいたしました。現在の日本の公共事業に投資をしておる金額というのが、年割で申しますと26兆円でございます。それがNTT分を除きましても43兆円、約倍に近いその金額になるわけでございますので、当然このような問題が全国的な地方自治体にもこれは当然関連をしてまいります。このときには、その総合計画の見直し等も余儀なくされることだと思うわけでございます。この点もつけ加えてお答えをしておきたいと思います。

 次に、甲府市の土地利用対策につきましてのお尋ねでございますが、御指摘のように本市におきましても平成2年に国土利用計画及び県計画に基づきまして、甲府市第3次総合計画との整合を図りながら国土利用計画甲府市計画が策定をされたところでございます。国土は、現在及び将来における市民のための限られた貴重な資源でございますし、共通の基盤であるわけでございます。昨今の地価高騰は、土地利用にも大きな影響をもたらしておりまして、有効適正な土地対策といたしまして進めている区画整理事業、宅地供給対策、調整区域内の大規模開発、公共施設用地の取得など困難となってきておるわけでございます。土地利用の対策といたしましては、都市的基盤整備の充実を図ることはもちろんのことでございますけれども、住宅地、工業地、商業地、農業地等の用途に応じまして地域性にあった地域計画の確立、甲府地域テクノポリス開発計画やリニア、中部日本横断道への対応等を含めまして、総合的な土地利用を図ってまいりたいと考えております。

 このために用途地域の見直しによるところの高度利用や、土地取引の届け出面積の引き下げなど、連動する形で適切な土地対策を図っていく必要があるものと考えておるわけでございます。御理解をいただきたいと思います。

 次に、ごみ行政に対する市長の考え方はどうかと、このようなお尋ねでございますけれども、ごみの処理処分問題は、今日全国的に見て大きな行政課題と受けとめておるところでございます。したがいまして、年々増高するごみ量に対しまして、市民や事業所を含めた広範囲なごみ減量化対策を講じますとともに、長期安定的な処理施設及び埋め立て処分場の確保を図りまして、積極的にごみ問題と取り組んでまいる考え方でございますので、ぜひひとつ御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。

 次に、国際化の中での新しい農業体系の確立についてのお尋ねでございますが、御指摘のように国際化が進む中での農業、農政の方向づけは、まず国の基本農政の位置づけにあるわけでございますけれども、食糧の安定的供給は言を待たないものでございます。多様化する食生活にこたえるとともに、国際競争力に打ち勝つ農業を推進していかなければならないと考えております。そのためには、農地の流動化によるところの規模拡大と経営の合理化によるところのコストの引き下げ等を行いまして、収益性の高い農業体系を確立しなければならないと思っております。本市の農業におきましても、これらの問題を踏まえて策定をされた甲府市農業振興地域整備計画を基本にいたしまして、立地条件を生かした都市近郊農業を振興をいたしまして、特色ある農業の確立を図ってまいりたいと、このように考えております。御協力をお願い申し上げます。

 次に北部山岳地域の過疎対策と山梨ハーベストリゾート構想との関連についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり近年、森林、林業を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。御指摘のとおりでございます。したがいまして、本市といたしましてはこの山村地域のほとんどが荒川流域という特質性から、第3次総合計画の中で、具体的施策といたしまして、住民の定住化を目的といたしましたところの山村林業構造改善事業、森林総合整備事業及び桜の郷づくりなどを中心に、その地域に順応したところの諸施策の展開を積極的に進めているところでございます。

 また、県のハーベストリゾート構想に伴いますところの本市の施設整備計画及び他の施設計画との位置づけといたしましては、山の理想郷、マウントピア計画を中心に帯那山高原牧場の整備を始め、能泉湖周辺の四季の森、黒平町地内の森林総合利用施設、民活によるところのリゾート計画等の整合性を図りながら総合的に山村地域の振興のために積極的に取り組んでいるところでございます。御理解を賜りたいと存じます。

 次に、桜の郷づくり事業、また第14回の全国育樹祭につきましてのお尋ねでございますけれども、まず桜の郷づくりでございますが、市制百周年を記念いたしまして、北部振興策の一環として進めている事業でございます。昨年は、能泉湖周辺に千5百本、また本年は御岳町、黒平町1帯へ3,800本の桜を市民、市議会並びに市職員、多数の参加をいただきまして記念植樹を行ったところでございます。既に2ヵ年で5,300本の植樹を完了をいたしました。今後も全国から優良品種を選びまして、将来は1万本桜を目指してまいりたいと考えておるところでございます。この桜の郷づくりは、市民みずからの手によってつくり上げたものでございまして、十分な管理を行い、桜の郷にふさわしい地域づくりと、市民のいこいの里として広く活用されますよう考えておるところでございます。

 次に、第14回の全国育樹祭でありますが、今秋10月14日、国土緑化機構と山梨県の主催によりまして、皇太子殿下の御臨席をいただきまして、県内外より7千人の参加を得て、南都留郡鳴沢村富士桜地区を主会場に育樹行事が開催することになっておるわけでございます。

 また同日、甲府市におきましても、山宮町御幸の森に皇太子殿下をお迎えして、昭和天皇、皇太后陛下お手植えの檜林のお手入れ作業も行います。この育樹祭は、植樹祭同様、国土緑化と愛林思想の高揚を目的として極めて意義のある行事でありますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 他の質問につきましては担当の部長からお答え申し上げます。

○企画部長(澤田良太郎君) 企画部関係の2点について御答弁を申し上げます。

 第1点目の大型事業にかかわる財政計画についてでございますけれども、御質問にもございます新清掃工場の建設と大型主要事業計画につきましては、現時点におきまして第3次総合計画の63年度から平成4年度までの前期計画、平成5年度から8年度までの中期計画9ヵ年に23の主要事業を計画しておりまして、その事業費は967億1千5百万円であります。第3次計画策定時の前、中期計画期間の投資的事業費は125事業、1,440億4千万円でありますから、大型主要事業が占めている割合は、67%になるわけでございます。ちなみにその財源構成比は、国、県支出金18%、起債36%、一般財源31%等となっておる状況でございます。

 この大型事業の推進につきましては、平成3年度を初年度とする第4次実施計画、並びに4年度を初年度とする中期5ヵ年計画の中で、事業の緊急度、優先度の選択、さらには事業費の年度間調整等々、財政計画に裏づけされた着実な事業推進の計画を策定してまいる考えでございます。

 2点目は、平成元年度甲府市一般会計補正予算第10号についての御質問でございますけれども、歳入第5款の地方交付税につきましては、このうち普通交付税につきましては、8月当初算定段階におきましては、交付基準額が3億8,400余万円のマイナス額でございまして、財政力指数1.019でありましたので、不交付となる見込みでありましたけれども、再算定におきまして国税の増収によるところの国の補正措置によりまして、基準財政需要額中の財源対策債償還基金費地域振興基金費が3億7千万円余と、それ以外の追加財政需要額が追加加算された結果、財政力指数が0.994となりまして、1億3,700万円余が交付されることになったところでございます。

 また特別会計につきましては、救急医療対策等の特殊財政事情が認められまして、5億2,305万6千円が交付決定となりまして、総額6億6,018万8千円の補正を行ったものでございます。

 第13款の繰入金につきましては、予算編成時におきまして、百周年記念事業を中心とした総合市民会館、博覧会等の事業に総額30億5,250万円の基金繰入を予定しておりましたが、地方交付税等国庫支出金と総合市民会館建設等の投資的事業に対する地方債が増額確定をいたしましたので、財政調整基金及び百周年記念事業基金を更正減額するものでございます。

 第16款市債につきましては、総合市民会館の建設事業や都市基盤整備事業等投資的事業への起債許可額の決定に伴いまして、総額3億4,910万6千円の補正を行うものであります。ちなみにこの補正後の地方債の総額は、歳入総額に対しまして、10.3%の構成比となっております。

 以上、専決処分いたしました補正予算は、国庫支出金交付額及び起債許可額の決定に伴う財源構成でございます。御理解をいただきたいと思います。

○環境部長(中山 進君) 環境部関係4点についてお答え申し上げます。

 第1点の資源ごみの日の設定による減量化でございますけれども、昨年12月から有価物回収未実施の115自治会に資源ごみの日を設定し、さらに本年4月から有価物回収実施の12自治会を加えまして、試行実施を行ってまいってきたところでございます。これらの実績を踏まえまして自治会連合会の理解を得ましたので、7月から全市的に実施をすることにいたしたわけでございます。

 資源ごみの収集につきましては、年間不燃物収集量1万1千トンのうち、46%、約5千トンの有価に、さらに可燃物の中に含まれております紙類等3千トンを加えた合計8千トンの減量化、資源化を図るものでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、2点目の新ごみ処理施設建設に伴う用地取得でございますけれども、隣接する旧濁川の廃河川敷約2万5千平米でございますけれども、県との協議の過程で、基本的には県から河川占用を受けた後に、払い下げが行われる予定でございます。現在この手続につきまして調整中でございますけれども、できるだけ早く完了するようにさらに協議を行いまして、平成3年度の着工までには支障のないよう万全を期してまいりたいと考えております。

 次に、第3点目の石和町との共同処理に関することでございますけれども、一昨日の鈴木議員の御質問にも御答弁を申し上げたところでございますが、甲府市、石和町双方における一連の課題であります地域住民の合意、さらには埋め立て処分場用地の確保が建設に向けての必要不可欠なことだと受けとめておるところでございます。したがいまして、石和町と協議を行ったところ、行政間といたしましては、誠意ある方向が見い出せつつありますので、平成3年度着工に向けて共同処理の実施に努力してまいりたいと考えておるところでございます。御理解をいただきたいと思います。

 第4点目の現在の工場の補修費関係でございますけれども、老朽化している現工場の維持管理につきましては、施設の保守点検に力を注いでおるところでございます。工場の補修費につきましては、昭和62年度に1億2,400万円、63年度には9,700万円、また平成元年度には2億3,900万円を投入したわけでございます。主な修理内容といたしましては、基幹工事でございます洗煙室の改修、さらに排ガス処理設備の改修、クレーン改修工事等でございます。

 また新清掃工場が稼働するまでの間といたしまして、平成2年度から6年度までの5年間でございますけれども、補修費の総額はおおよそ5億1千万ぐらいになろうかと思います。この主な補修は炉外レンガの積み替えをはじめといたしまして、各種煙道改修工事等でございます。今後はごみ焼却に支障を来さないよう年次計画に基づきまして定期的な整備を図り、万全を期してまいる考えでございます。

 なお、仮に清掃工場の建設が1年おくれたという場合の建設費の増でございますけれども、そのときの経済状況の趨勢等により定まるものでありますので、具体的には現在お答えはいたしかねるわけでございます。ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○経済部長(小池文男君) 農政関係3点につきましてお答え申し上げます。

 第1点目の農村振興総合土地利用計画推進事業の進捗状況でございますけれども、農村振興総合土地利用計画につきましては、昨年県の指定を受けまして、山城地域の一部をモデル地域といたしまして、この計画を推進することになりました。本事業は、地域の意向を踏まえまして、進めるものでありまして、生産性の高い優良農地を集団化し、また高収益的農業を営む、将来とも農地として利用することが困難な遊休農地等につきましても、これを集団化をいたしまして、非農用地として有効的な土地利用を進め、地域の活性化を図ろうと、こういうねらいが本事業の目的でございます。

 本事業の推進につきましては、過日、各町の代表者及び各関係機関の代表者によりまして、推進協議会の設置が了解をされました。6月29日には第1回の協議会を開催をいたしまして、今後この推進協議会を軸にいたしまして、各町の事業説明会、それから住民の意向調査、土地利用の構想等を地域住民の意向を十分踏まえまして、今後進めてまいりたい、このように考えておりますので、どうか御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 第2点目といたしまして、市街化区域内にあります農地の取り組みについてでございますけれども、市街化区域内の農地につきましては、本来都市計画に定められた土地利用を図っていくというのが基本的な問題でございますけれども、しかし住環境の保全や生産緑地の確保、自然との調和、そういうふうなものに果たす役割も非常に大切であります。本来この目的が損なわれない範囲の中で有効活用が図られるよう御提言の趣旨等も十分踏まえまして、対応してまいりたいというふうに考えております。しかしながら有効活用への道が開けないというふうな場合につきましては、他の方法等も検討してまいらなければならないというふうに考えております。

 3点目でございますが、水田農業確立対策事業の推進状況でございますけれども、米の需給均衡化を前提といたしました水田農業確立対策事業は、水田農業の生産構造を転換いたしまして、その体質強化を主眼として進められております。

 本市の状況を申し上げますと、平成元年度は目標面積293ヘクタールに対しまして、関係者の御理解と御協力を得まして達成面積は302.3ヘクタール、達成率103%となり、一応目標を達成をいたしたわけでございます。

 なお平成2年度につきましては、目標面積は290.6ヘクタールでありまして、昨年度と比較いたしますと、実面積では2.4ヘクタールの減となっているわけでございますが、しかしながら総水田面積での対比をいたしてみますと、昨年度は40.7%、本年度は43.9%。昨年度より3.2ポイントの強化となるわけでございます。そういう関係で非常に今年度につきましては厳しく受けとめているところでございます。

 各地域への配分は既に完了をしておりますけれども、今後の計画といたしましては、目標達成のために8月を目途にいたしまして、各農業団体、それから農協、水田農家等の一層の御理解と御協力をいただきまして、この目標が達成できますよう努力に努める所存でございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○都市開発部長(風間嘉吉君) 残存農地対策の進捗状況についてお答えいたします。

 昭和63年度初めより関係の住民に対しまして啓蒙と啓発を続行しております。経過の中では、実態といたしまして、地価の高騰やあるいは思惑等も絡みまして、関係住民の御理解が薄いことも事実でございます。このことを踏まえまして、対象地域の開発状況を現在調査中でございまして、この結果により開発手法を検討し、住民の理解を得るべく努力をしてまいりますので、御理解をお願いいたします。

○議長(原田正八郎君) 依田敏夫君。

○依田敏夫君 一定の誠意ある御答弁をいただいたわけでございますが、財政計画につきましては、非常に厳しい状況の中で本当に本市にとりましてはこの事業すべてが重大な事業でございますので、長期計画の中で効率的な推進をいただくよう重ねてお願いを申し上げたいと思うわけでございます。

 なおごみの共同処理につきましては、一定の実施する方向というような御答弁をいただきましたが、その実施方法について環境部長はどのように考えておりますか、お聞かせをいただきたいと思うわけでございます。

 また土地利用計画につきましては、基本的には本市の土地利用につきましては、都市開発の面と農業振興の面の両極の中で進められておるわけでして、これは整合性を保つことは大変なことだと思うわけでございますが、現時点ではこれは避けて通れない問題ではなかろうかと思うわけでございます。本市の未来像を見きわめ、行政のみでは解決ができないのは当然でありますが、農家等も含めましての抜本的な施策を講じることが必要ではなかろうかと思うわけでございます。この点につきましては答弁は要りませんが、石和町との共同処理についての問題にのみ御答弁をお願いをいたします。

○議長(原田正八郎君) 環境部長 中山 進君。

○環境部長(中山 進君) 実は、共同処理につきましては、それぞれの自治体の自主性を保持すること。さらにはその運営の能率化を図る意味で、地方自治法上9つの方式が規定化されておるわけでございます。今回のごみ処理につきましては、これらのうちの幾つかが採用される方式として想定をされるわけでございますけれども、この方式の採用につきましては、やはりそれぞれの自治体の将来的なこともございまして、非常に重要な課題であるわけでございます。そのようなことから現在環境部内の検討委員会、また庁内の関係部の課長で構成しております事務レベルの検討委員会によりまして、いろいろの角度から調査、研究をしている段階でございますので、ぜひ御理解をいただきたい、このように思います。

○議長(原田正八郎君) 依田敏夫君。

○依田敏夫君 できるだけ効率のよい方法でお願いをしたいわけでございます。それとともに最終処分場の確保につきましても、現在協議をされて前進の方向へ向かっておられるというようなことでございますが、極力この面につきましては、石和町に分担をしていただくというような形の中で進めていただきたいことを心から要望をいたしまして、私の質問を終わります。

○議長(原田正八郎君) 関連質問はありませんか。

 以上で各会派による質疑及び質問を全部終了いたしました。

 これより割り当て時間に余裕がありますので会派別でなく関連質問を許します。

 関連質問はありませんか。

 これをもって質疑及び市政一般質問を終結いたします。

 ただいま議題となっております日程第1から日程第40まで40案については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

 次に、請願9件、陳情2件については請願・陳情文書表記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。

 7月5日は委員会審査のため、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(原田正八郎君) 御異議なしと認めます。

 よって、7月5日は本会議を休会することに決しました。

 休会明け本会議は、7月6日午後1時より開会いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。

                午後2時22分 散会