平成2年9月甲府市議会定例会会議録第1号

                午後1時03分 開会

○議長(堀口菊雄君) ただいまから平成2年9月甲府市議会定例会を開会いたします。

 これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 本定例会に提出する議案につき、市長から通知がありました。

 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますので朗読を省略いたします。

 次に、市長から議会に報告すべき事項であります報第13号 甲府市一般会計継続費精算報告についてから報第16号 専決処分についてまでの4件が提出されました。

 右は、それぞれ既にお手元に配付いたしてありますので、御了承願います。

 次に、平成2年7月4日提出の請願第2−9号について、提出者からお手元に配付の別紙のとおり、撤回したい旨の申し出がありました。

 右は、議事日程記載の日程第3でありますので御了承願います。

 次に、議長のもとに陳情1件が提出されました。

 右は、お手元に配付いたしてあります陳情文書表により御了承願います。

 次に、監査委員から、平成2年5月末、6月末及び7月末の例月出納検査報告書が提出されました。

 右は、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 次に、平成2年7月14日から8月6日までの間、3回にわたり関東、県下及び道府県庁所在都市議長会関係の会議が開催され、随員とともに出席いたしました。

 それぞれの会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 次に、小林康作君は病気療養中のため今定例会会期中、村山二永君及び中込孝文君は一身上の都合により本日、欠席する旨の届け出がありました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員には会議規則第167条の規定により、
 小沢綱雄君
 依田敏夫君
 加藤 裕君
を指名いたします。

 次に、日程第2 会期決定についてを議題といたします。

 お諮りいたします。

 今期定例会の会期は、招集の日から10月1日までの11日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(堀口菊雄君) 御異議なしと認めます。

 よって今期定例会の会期は、11日間とすることに決しました。

 次に、日程第3 請願書の撒回についてを議題といたします。

 本件は、平成2年7月4日提出されました請願第2−9号 現南公民館の継続使用についての請願について、提出者からお手元に配付の別紙のとおり撤回する旨の申し出がありました。

 お諮りいたします。

 本件は、会議規則第19条第1項の規定により、申し出のとおりこれを承認することに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(堀口菊雄君) 御異議なしと認めます。

 よって、請願第2−9号については、撤回を承認することに決しました。

 次に、日程第4 議案第79号から日程第20 議案第95号まで17案を一括議題といたします。

 市長から提案理由の説明を求めます。

 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 提案説明に先立ち、2点について報告させていただきます。

 去る6月定例会におきまして、ここ数年来の戸籍原本紛失について遺憾の意を申し上げるとともに、以後紛失事故がないよう適切な対応に心掛けてまいったところ、7月に実施いたしました新保管庫への戸籍原本移行作業中、新たな紛失事故が発見されましたこと、誠に残念であります。

 今回の件につきましては、その紛失不明の状況から、故意の持ち出しの可能性を否定できないため、庁内に調査委員会を設置し、真相究明に当たりましたが、行為者を特定することはできませんでした。

 しかし、国民の身分関係を公証する戸籍原本の紛失事故は、本市の戸籍事務に対する市民の不安と不信を招き、また、職員の疑心暗鬼を生じ、職場の志気減退が懸念されることから1日も早い紛失原因の解明が必要であります。

 したがいまして、去る9月4日甲府警察署に対し、今回の戸籍原本紛失事故を窃盗容疑があるとして、容疑者不詳のまま、告訴いたしました。

 この措置は、極めて異例であり、日頃信頼している職員の心情を思うとき、誠に忍び難いものがあります。

 今後におきましては、戸籍管掌者である私をはじめ、職員一同姿勢を正し、2度とこのようなことのないよう最善の努力を行ってまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 次に、私は、9月9日から18日までの10日間にわたり堀口市議会議長、浅川教育長ら7名とアメリカの姉妹・友好都市 デ・モイン市及びロダイ市を訪問して参りました。

 今回の訪米は、デ・モイン市におきましては、次代を担う青少年の国際化社会への関心を高めるとともに、本市中学・高校生の英語教育の向上を図るため、英語教師2名を本市に派遣していただいている御礼と明年からの増員を要請し、また、本市からの短期留学生の派遣増員などの協議を行い、それぞれ一定の成果を収めることができました。

 ロダイ市におきましては、イタリアのロディ市及び甲府市との2都市の紹介をテーマに2年前から計画をされました「国際グレープ・フェスティバル」に出席し、人物・文化・教育面での交流と親善を深め合うことができました。

 市議会並びに市民の皆様の御理解と御協力に感謝申し上げ、このたびの訪米の報告といたします。

 本日の市議会定例会に提案いたしました案件につきまして、その大要を御説明申し上げます。

 まず、議案第79号 「平成2年度甲府市一般会計補正予算(第2号)」につきましては、歳出において、第2款総務費は、財政調整基金等運用利子積立金並びに市税等還付金所要額をそれぞれ追加するための補正であり、第3款民生費は、拠出制国民年金特別対策費、心身障害者通所授産施設助成事業費、老人福祉費として、老人いきがい対策事業費、多世代同居用住宅建築資金等融資事業費に係る追加所要額及び緊急通報システム設置事業費の計上並びに生活保護臨時安定運営対策費、光風寮施設整備事業費をそれぞれ追加するための補正であります。

 第4款衛生費は、斎場管理費及び清掃事業のごみ減量化対策費を追加するための補正であり、第6款農林水産業費は、農村振興総合土地利用計画推進事業等に係る農業振興費、農道等改良事業費及び農業センター管理費の追加所要額並びに山村林業構造改善事業費、帯那山林道舗装事業費をそれぞれ追加するための補正であります。

 第7款商工費は、北部山岳地域振興事業費を追加するための補正であり、第8款土木費は、国庫補助対象事業としての道路整備事業、街路事業、河川改修事業費の追加更正と、道路新設改良事業、橋りょう改良事業及び河川水路事業等の単独事業費をそれぞれ追加するための補正であります。

 第9款消防費は、消防団員等公務災害遺族補償年金の基準額改定に伴う所要額を追加するための補正であり、第10款教育費は、中学校校舎改築事業に係る追加所要額及び商業高等学校営繕費並びに御岳文芸座整備費、文化財発掘調査費をそれぞれ追加するための補正であります。

 第13款諸支出金は、土地開発基金の運用利子積立金を追加するための補正であります。

 歳入については、第7款分担金及び負担金、第10款国庫支出金、第11款県支出金、第12款財産収入、第16款諸収入、第17款市債の特定財源をそれぞれ追加更正し、一般財源として、第15款繰越金を追加するための補正であります。

 地方債の補正は、起債充当事業費の補正による借入限度額の変更をするものであります。

 次に、議案第80号 「平成2年度甲府市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、歳出において、第1款総務費は、保険給付費等支払基金積立金所要額を追加するための補正であり、第3款老人保健拠出金は、老人保健医療費及び事務費拠出金を追加更正するための補正であります。

 第6款諸支出金は、一般被保険者保険料還付金、過年度支出金及び療養給付費交付金の返還金所要額を追加するための補正であります。

 歳入については、第1款国民健康保険料を更正し、第4款国庫支出金、第8款財産収入、第10款繰越金をそれぞれ追加するための補正であります。

 次に、議案第81号 「平成2年度甲府市下水道事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、歳出において、第1款下水道費は、下水道建設及びポンプ場建設に係る事業費を追加更正するための補正であります。

 歳入については、第3款国庫支出金及び第8款市債をそれぞれ追加更正するための補正であります。

 地方債の補正は、起債充当事業費の補正による借入限度額の変更をするものであります。

 次に、議案第82号 「平成2年度甲府市老人保健事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、歳出において、老人保健医療給付費交付金等の精算に伴う返還金所要額を計上するための補正であり、歳入については、第5款繰越金及び第6款諸収入をそれぞれ計上するための補正であります。

 次に、議案第83号 「甲府市職員定数条例の一部を改正する条例制定について」は、総合市民会館、商科専門学校の開設に伴い、教育委員会の一般職員及び教員の増員を図り、市長事務部局の一般職員及び水道局職員の減員を行うとともに、甲府地区広域行政事務組合消防本部への派遣職員の退職に伴う当該職員数の整理を行うための一部改正であります。

 次に、議案第84号 「甲府市市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、市立の高等学校及び幼稚園の学校医等の公務災害補償について、補償基礎額及び葬祭補償額の改定を行うための一部改正であります。

 次に、議案第85号 「甲府市遊亀会館条例の一部を改正する条例制定について」は、南公民館の移設に伴い、遊亀会館施設の整理を行うための一部改正であります。

 次に、議案第86号 「甲府市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例制定について」は、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、非常勤消防団員等の公務災害補償について、補償基礎額及び葬祭補償額の改定を行うための一部改正であります。

 次に、議案第87号 「和解及び損害賠償の額の決定について」は、昭和61年9月24日、甲府市住吉5丁目10番18号前路上において発生した本市職員の公務中の交通事故に関し、円満解決を図るため和解及び損害賠償の額を決定するについては、地方自治法第96条第1項第12号及び第13号の規定により議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第88号 「市町の境界変更について」は、土地区画整理法に基づく、甲府市昭和町清水新居沖田土地区画整理事業の施行に伴い、甲府市と昭和町との行政区域を変更するため、地方自治法第7条第1項の規定により、山梨県知事に申請するについては、同条第5項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第89号から議案第91号までの「市道路線の認定について」の3案件につきましては、それぞれの路線を市道に認定し、維持管理を行うため道路法第8条第2項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第92号 「市道路線の変更認定について」は、市道上条新居村中(3)線の廃道に伴い、この市道の一部を上条新居水上線として認定することにより、国道20号(甲府バイパス)に接続されるので、これを変更認定し、維持管理を行うため、道路法第10条第3項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第93号及び議案第94号 「市道路線の廃止について」は、上小河原村中(1)線外1路線及び小曲本通り線を廃止するについては、道路法第10条第3項の規定により議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第95号 「工事請負契約の締結について」は、「平成2年度公営住宅(里吉団地)建設(建築主体)工事」を施行するため指名競争入札を行ったので、その落札者と請負契約を締結するにつきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を求めるものであります。

 以上が、本日提案いたしました案件の大要であります。

 御審議のうえ、御協賛を賜りますようお願い申し上げまして説明を終わります。

 ここで、この機会をお借りし、明年4月に行われます本市の市長選挙について、私の所信の一端を述べさせていただきたいと存じます。

 私は、昭和58年4月市長に就任以来、市政を執行するに当たり、常に「甲府市は市民のためにあり、甲府市政は市民とともに歩むべきものである」との政治理念の下に、1党1派に偏することなく市民党的立場を堅持し、市民本位の市政、市民との信頼と協調、市民の参画を求める市政を進めるとともに、「公正、清潔、誠実」をモットーとしたさわやかな市政の推進を政治姿勢とし、20万市民の福祉の向上と甲府市の更なる発展のために、渾身の努力を傾けてまいったところであります。

 このような私の政治姿勢に対し、多くの市民の皆様から暖かい評価をいただき、市内各地域をはじめ、各界各層の方々から、引き続き市政を担当せよとの数々の御要請を賜っておりますことに、深甚なる感謝を申し上げる次第であります。

 市長就任7年有余を顧みますと、新総合計画後期計画の集大成、第3次総合計画の策定と推進を基本的課題として市政執行の任に当たり、21世紀の新しい時代に適応できる都市づくりに懸命に取り組んでまいりました。

 市民の快適な生活環境を確保するための都市施設整備と緑化の推進、きめ細かい福祉対策と保健医療活動による市民生活の安定向上、調和とゆとりの人間形成を目指す教育の充実、青少年の健全育成・婦人の社会参加促進のための施策の強化、芸術・文化・スポーツの振興による情操の涵養と健康の増進、地場産業の振興と産業活性化のための基盤づくり、秩序と魅力ある都市形成のための都市計画・土地利用計画・リゾート計画や甲府都市圏構想の推進、海外の姉妹友好都市との交流促進を軸にした国際親善の高揚、地球社会の恒久平和を願っての平和事業の展開、そして高度技術社会を見据えた甲府地域テクノポリス計画・テレトピア計画及びインテリジェント・シティ計画の具体化、リニア新幹線・中部横断自動車道等の高速交通体系の促進、さらに、本市の未来への夢を具現するためのファッション都市甲府構想への積極的対応など、着実に一定の成果を挙げ得たと認識しているところであります。

 これもひとえに、市議会並びに市民各位の力強い御協力によるものと厚く御礼申し上げます。

 なかでも、かいじ国体・身障者スポーツ大会・市制百周年記念事業に結集され、その成功の原動力となった市民エネルギーのたくましさに深い感激を覚えた次第ですが、市民各位も大きな感動のうちに愛市の念を心に刻んでいただいたと存じています。

 この市民に支えられた、本市の将来の輝かしい飛躍は約束されたと信ずるものですが、変容目まぐるしい社会経済情勢の中での高齢化・国際化・都市化の進展、成長著しい技術革新と情報化社会の到来とこれらに伴う行政需要の一層の複雑・多様化に備えるため、より豊かな政策ビジョンと実行力が要求されているのが今日であると痛感しております。

 また、これに対処するためには、「明日をひらく健康都市・甲府」を都市像とする第3次総合計画の適切な遂行を図るとともに、時代の推移に敏感に対応できるダイナミックな市政を樹立していくことが何よりも肝要であると存ずる次第です。

 このように考えますとき、私は、これまで積み重ねた経験をこれからの市政に生かし、未来への展望を失うことなく、また、滞ることなく、誤りのない市政の舵とりをすることが私に課せられた尊い使命であり、責務であるとの思いが胸にこみあげてまいります。

 そして、私が生まれ、学び、育ってまいりました愛する甲府市の将来に思いを馳せ、熟慮を重ねたうえ、市民の先頭に立って、活力にあふれ、うるおい・安らぎ・ゆとりに満ち、幸せと健康のみなぎる甲府のまちづくりのために、引き続いて市政を担当する決意を新たにいたしたところであります。

 何とぞ、市議会はじめ、市民各位の絶大なる御理解、御支援を賜りますよう心からお願い申し上げまして、次期市長選挙への出馬表明とさせていただきます。

 ありがとうございました。

○議長(堀口菊雄君) 以上で説明は終わりました。

 9月22日、9月23日及び24日は休日のため、休会明け本会議は9月25日午後1時から開会、提出議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 本日はこれをもって散会いたします。

                午後1時31分 散会