平成3年9月甲府市議会定例会会議録第2号

                午後1時00分 開議

○議長(内藤幸男君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 早川武男君は、一身上の都合により本日欠席する旨の届け出がありました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 ただいま議題となっております日程第1 議案第63号から日程第24 議案第86号までの24案及び日程第25 市政一般についてを一括議題といたします。

 これより上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 この際、念のため申し上げます。

 質疑、質問については申し合わせ事項を遵守され、重複を避け、簡明に願います。

 なお、当局の答弁もその趣旨を十二分に把握され、簡明率直にされまして、議事進行に御協力をお願いいたします。

 発言通告者は11名であります。各会派の発言の順序は、今期は新社会クラブからであります。

 お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。

 本日は最初に、新社会クラブの代表質問を行います。飯島 勇君。

 飯島 勇君。

                (飯島 勇君 登壇)

○飯島 勇君 私は、新社会クラブを代表して、平成3年9月定例会において、市長以下関係各位に対し市政一般について主要な点のみを質問を行いたいと思います。

 まず、9月定例会に提案をされております議案に対する我が会派の見解について申し述べたいと思います。この定例会に提案をされております補正予算の総額23億2,919万円は、山本市長の公約の実現と、甲府市内28小学校地区で市長対話が開催をされ、約束をされた公約実現の第一歩であって、いわば緊急エコーとも言えるすばやい市長の対応に、我が新社会クラブは深い敬意を表し、レインボープランの芽出しについて解明をしてきたところであります。

 まず、30万都市構想では、想定土地利用計画や土地建物信託制度、公社機能の活用等に積極的に取り組まれた姿勢が示されており、医療福祉先進都市関係では、新病院、保健センター、北東福祉センター建設等、財政的にも地域的にも難しい大きな課題に果敢に取り組まれ、調査費の計上と市民要望の実現、老人性白内障手術にも、県下で初めていち早く行政の支援の手を差し延べられることとしています。

 また、地球環境問題や自然環境保全に世界の目が向いているとき、みどり豊かなまちづくり基金や、明るくきれいなまちづくり基金を創設をし、これからの行政の道筋を示すとともに、かけがえのない地球や、その自然環境を普遍的に守っていくこととしています。それに、ごみ減量化へも引き続いて力点を置かれるとともに、花いっばいみどりあふれるタウン構想にも調査研究費を計上をされたのであります。

 さらに、私どもの調査では、恐らく全国でも例を見なかった、新しい時代を担う人づくり基金を設置をし、21世紀を担う人材を育て上げていこうとしているのであります。その他女性に対する施策研究、新図書館や庁舎問題、ファッション都市建設、中央線南北一体化、身体障害者、高齢者にやさしい施策としての甲府駅へのエスカレーター設置の取り組み、通勤者などに対して新駅設置などに、私たちが期待をしている以上に積極的予算を編成をされているとともに、地域対話の中でも、地域の要望に打てば響く姿勢を示され、3億円を超える補正をされたことは、まさに市長の市政運営に対する情熱と使命感のあらわれであって、我が新社会クラブはこれを評価をし、賛意を表明するものであります。以下、質問に入っていきたいと思います。

 まず、第1点として、市長の今後の市政運営に対する基本姿勢であります。山本市長は、市民に対し、市民党市政実施を早急に宣言すべきであるということであります。御承知のように、甲府市は昭和30年代から平成3年まで、一時期中断はありましたが、三十有余年にわたり民主的市政を推進をして、それなりの実績と評価を20万市民から寄せられ、21世紀を展望をした長期計画を策定をしてきたところであります。この間、私どもが所属をしている新社会クラブは、一貫してこの三十有余年、この姿勢を支持し、積極的に協力を行ってきたところであります。

 この春に行われました統一地方選挙において、山本市長が市民の圧倒的な支持を得て、第33代甲府市長に就任をされ、既に6ヵ月余にわたり市政を担当してきましたが、さきの6月議会冒頭における所信表明で、今後4ヵ年の市政運営に対し、「政治とは、思いやりがあり、人のいたみがわかるものでなければならない」と、21世紀を展望し、感性豊かな、活力に満ちた市政を実現をしていくため、常に市民サイドに立って、一党一派に偏せず、公平で公正な市政を運営することを基本に、「市民による市民のためのひらかれた市政の実現が私の市政運営の基本である」と、力強く表明をされたのであります。

 そして、次の5つの具体的指針として、公正で信頼をされる市政、市民の市政参画の拡大、広聴広報活動の強化、経営発想を行政に生かし市民本位の市政、新しい時代に対応する職員の意識改革と能力開発を挙げているのであります。これは私どもはもとより、地方自治のあり方として、自治と分権、参加を基本とした20万市民一人一人に開かれた行財政執行がされ、市民の声が直接市政に反映されることが基本であり、この点から大きな相違点は見られないのであります。

 そこで、私は次の点について強く求めるものであります。市長も言っておりますように、公平で公正な市政を運営するために、一党一派に偏しないとする政治姿勢を今後4ヵ年間にわたり堅持するためにも、早い時期に全市民に対し市民党宣言を行い、不偏不党の立場に立って、清潔で公正な市政を運営することであります。特定な支持団体の介入によって行政が歪められたり、左右されることなく、市長を頂点とする執行権の主体性を一日も早く確立をし、責任ある行政対応を図ることであります。

 私は、市長が私心を捨てて、高ぶらず、おごらず、常に市民の側に立って職員を信頼をし、職員と一体となって市民に奉仕をするならば、市民の多くは限りなく共感を寄せるであろうと信じているのであります。私どもはこうした立場から、執行権に対するチェック機関としての議会であり、議員として山本市政に、是は是、非は非として対応をしていくものでありますので、市長の明快な御答弁をお願いをいたす次第でございます。

 次に、今国民の最大な関心事であります政治改革法案、とりわけ小選挙区比例代表並立制導入についてであります。私はこのことについて多くを申し上げようとは思いません。端的に言って、この選挙区制は、政府が強硬に導入をしようとする背景には、自民党の永久安定政権を維持をしようとする党利党略の最たる制度であります。我が新社会クラブは断固反対をするものであります。

 現行選挙制度の問題点として指摘されているものは、1つ、各選挙区間の人口格差は1対2未満とする。2つ、市町村の区域は分割をしない。3つ目、飛び地にはしないことでありましたが、人口格差2倍以上の選挙区が27もあります。地区の分割は13地区あります。飛び地は2選挙区もあり、依然として問題点は多く、まず定数の抜本是正を先行させるべきであり、国民の民意を正確に反映させるために、比例代表制を基本として制度の改正が望ましいと考えるのであります。

 今回の政府が導入しようとする並立制は、47.5%の得票率で77.7%の議席を獲得できる極めて不公正な制度であり、まさに少数野党を切り捨てて、主権在民、議会制民主主義を根底から否定をし、将来に大きな禍根を残すものと言えるのであります。今、政治に求められているものは、リクルート疑獄事件で示されたように、政・財・官の政治の腐敗を一掃をし、政治倫理を確立することが急務であります。4割台の得票で8割の議席を得ることのできる同法案が、本当に民意を反映できるものでないことは明白であります。我が新社会クラブは、以上の観点から同法案に反対をするものであります。

 市長は、「政治とは、思いやりがあり、人のいたみがわかるものでなければならない」と明言をしているように、まさに歴史の歯車を戦前のものの言えない言論統制に逆行させるかのような法案に対し、どのように考えているのか、御意見を伺いたいと思うのであります。

 政治姿勢について最後の質問になりますが、オンブズマン制度についてであります。

 甲府市議会は、昭和58年9月に発足をした行財政特別委員会において、甲府市の行財政の見直しと行政の合理化と効率化という視点から、38回にわたり審議をし、一定の方向づけを決定した経過があります。その一環として定数不拡大の堅持、清掃業務の民間委託、福祉、教育にかかわる受益者負担並びに議員定数の削減など、目に見える行政改革が行われ、幾つかの問題点はありましたが、それなりの成果を上げてきたところであります。その一方で、行政改革に名をかりた地方自治への国の不当な介入を排し、住民自治を守るため、住民の立場に立ったチェック機関として、市から独立をしたオンブズマン制度の導入についても議論をされ、特別委員会としては、当局に対し積極的に取り組むよう報告書を提出をした経過があります。それから今日まで、当局の内部においてこの種の討議が行われたことは聞いていないのであります。この数年、情報公開制度により、住民の知る権利と参加による行政対応に一定の前進は図られましたが、一方では、電算機の導入に伴い、個人のプライバシーが収集、管理をされているといった、私たちの知らないところで高度情報化社会の中に組み込まれて、個人の生命、財産にかかわるすべてのデータが登載されているといった危険な状況が生じている昨今であります。

 知る権利を守る権利の確立が日常生活にとって大切であり、確実に前進をされることを願うものであります。私はこうした点から、開かれた市役所づくりとして、川崎市では一定の成果を上げている監査、監視専門委員会オンブズマン制度を一日も早く導入をし、市政への苦情、行政の欠陥や制度運用の是正について意見を述べるとともに、市民の権利を守るため、市民の声を直接市政に反映でき、市長の掲げる市政運営がより積極的に推進できるよう制度導入を図るべきだと考えますが、市長の明確な御答弁をお願いをするものであります。

 次に、第三次総合計画の見直しと、「レインボー甲府21」の芽出しについてであります。御承知のように、第三次総合計画は昭和63年を初年度として策定をされ、「明日をひらく健康都市・甲府」を都市像として5つの基本目標を掲げて、今日まで推移をしてきたのであります。この数年、急激な社会変動のもとで、政治、経済のすべてにわたり中央集権化が推し進められ、教育、福祉といった市民生活に直接関係をする施策の面から停滞が許されないだけに、市民のいのちと暮らしを守る上からも一定の見直しの時期に来ていると思うのであります。市長は7月から精力的に地区対話集会を開催をして、多くの団体、市民の皆さんから、要望、改善、問題点など、あらゆる分野の意見を聴取をされたと思われます。一方では、22項目に上る設問アンケートを2,000名を対象に調査をされ、今、その集約がされていると聞いております。私は、市政執行に全身全霊を傾けて日夜努力を重ねている市長に対し、市民の1人として敬意を表するものであります。

 そこで、さきの政治姿勢の中でも触れましたが、市長の掲げるレインボープランの第1の目玉であります30万都市づくりについてお尋ねをいたしたいと思うのであります。市長も述べているように、リニア新実験線の早期着工に向けての準備が進み、中部横断自動車道、甲府熊谷線の早期貫通など、東京を中心とした京浜工業地帯と関西経済圏とを結ぶまさに日本列島の中心地として我が山梨は重要な位置にあり、21世紀を展望をした県都甲府市の将来に寄せる期待は非常に大きなものがあります。それだけに、こうした道路網の整備なり交通機関の発達が、我が甲府市にとって単なる通過基地であったり、産業、経済に何ら寄与するものがないならば、発展はおろか都市基盤は衰退をし、市民の所得水準の低下をもたらす要因ともなりかねず、真剣にかつ大胆に取り組んでいく不退転の決意が必要であろうと考えるのであります。

 現在、甲府市の昼間の人口は23万人とも言われ、夜間は20万人を割る状況であります。こうしたドーナツ現象は今後一層拍車がかかり、市長が提唱をしている30万都市構想からほど遠い中央市街地の無人化が進むのではないかと懸念をしているものであります。こうした現況を打開する方途といたしまして、私はまず、隣接町村との合併であります。このことは、長年培われた住民感情や行財政規模の上から考え、困難は予想をされますが、甲府市百年の大計の上に立って、実務者レベルではなく、市長みずからが他の市町村長に呼びかけを行い、広域行政サミット、大甲府市構想を提唱をしてみたらいかがかと考えますが、御所見を承りたいのであります。

 2点目として、土地の用途指定を抜本的に見直しをし、住工混住を解消をし、ゆとりや距離感のある住環境を整備のため、宅地の開発と供給を果敢に進めるとの方針を市長は明らかにしているのであります。そして、今議会にはその具現化の一つとして、想定土地利用計画策定費を計上をしています。その積極的な姿勢を評価をしながら、私は次のことを提言したいと思うのであります。

 現在、市街化区域内に存在をする農地は500ヘクタールにも上り、市街化区域の16%を占め、専業農地とも認めがたく、宅地開発により住宅専用地に転用することによって、一定の人口流出に歯どめができる効果もあるわけでありますから、この際思い切って調整区域の再見直しを行い、周辺地区の土地の開発事業を積極的に促進をすべきであると考えます。市民に安い土地を供給ができ、あわせて民間資本の導入も図られるだけに、広域的な波及効果も多く、勤労者が低価格で土地を購入をし、マイホーム建設、が促進をできるならば、甲府市の活性化と30万都市構想にも合致をしたものとして役立つと確信をするものであります。既に市街化区域及び市街化調整区域の区分線の見直しは、再三再四にわたって予告期限を超えて投機的な影を帯びて保有をされようとしているのが現状であります。次回の線引き見直しは平成4年と聞いておりますので、市長は今ここで英断を持って線引きを見直しを断行すべきだと考えますが、御所見を伺いたいと思います。

 3つ目として、「レインボー甲府21」の計画第6に掲げられたJR線連続立体交差の推進について、地域対話の中で大きな反響があり、その期待もまた熱烈であったと思います。しかしながら、その実現には大きな財源と長い年月を要するのではないかと推測されます。そこで、甲府駅を中心とした新都市拠点整備事業の中で、平和通りと武田通りを密接に連結し、南北一体化を図り、より短期的に取り組める事業などを計画をしていくのがベターではないかと思うのであります。市長の考え方をお伺いをいたします。また、甲府駅の南北一体化推進に早くも調査費を計上をし取り組まれたことは、北部の市民にとってまさに天の岩戸の感があるのであります。

 次に、市南部に比べ北部の市の公共事業は極めて少ない状況であります。地形的な事情やまちの発展形態等でやむを得ない面もありますが、北部の市民は今、コミュニティー活動の拠点としての多目的コミュニティー施設や、地域福祉交流施設の建設を切に望んでいます。第三次総合計画の基本計画の見直しの中ではありましょうが、これが早期実現に向けて市長の積極的なお考えをお伺いをするものであります。

 なお、これまた今議会に当該施設の調査費を計上をされましたことは、地域のまちづくりを考える集い、北部地域の集会の地域要望に対し、打てば響く積極姿勢を文字通り実行をしているものと高い評価があります。

 次に、北部山岳地域振興対策についてお伺いをいたします。

 北部山岳地域は豊かな自然環境と緑に恵まれ、森林資源の生産拠点として、また清浄で豊富な水源涵養地域として、20万市民の貴重な財産であります。環境間題が大きな社会問題となっている今日、地球温暖化や熱帯雨林の減少など、地球規模の環境破壊が論議されているときに、必ず森林や緑の持つ意味が提起をされ、国土保全、水源酒養など森林の持つ役割はますます増大をしております。一方、近年の余暇時間の増加に伴い、森林の持つ豊かな緑は、人間性回復のための絶好のエリアとして、注目をされております。森林浴や大自然の中での家族そろってのバーベキューなど、森林や緑は人々が自然との触れ合いを求める場として、また、豊かな自然環境の中でスポーツやレクリエーションを楽しむ場として重要な地域となっております。しかし、現実を見ますと、山を守る地元住民の高齢化や急速に進む地域の過疎化は、歯どめのきかない深刻なものがあり、林業従事者の減少などから、山の保全もままならない状況が続いているのであります。

 こうした中にあって、北部山岳地域の振興は、第三次総合計画においても五大プロジェクトの1つとして重要な施策であり、当局は昨年、経済部の中に北部振興対策室を設け、総合的にこの問題に取り組んできたところであります。地元の皆さんも地域の活性化のために大きな期待を寄せているのであります。各種整備の状況を見ておりますと、北部山岳ルートについては平成元年度に完成をし、補完的整備を残すものとなり、マウントピア黒平についても、去る8月1日から一部がオープンをし、市民に利用がされているところであります。さらに帯那山高原牧場についても、着々と工事が進められているものの、ロック山整備、少年自然の家や民間活力導入事業の千代田湖リゾート等は、許可や認可の手続等が難しい問題もあって、一向に進捗していない状況にあるのであります。地域の高齢化や過疎化が大変な勢いで進んでいる現在、活力とにぎわいのある地域づくりのためにも、これらの施設の一日も早い完成が望まれているのであります。もちろん急激な地域開発は自然保護に二律背反する要素がありますので、自然環境に十分配慮をする中で、緑と自然の調和を図りながら、慎重に事業を進める必要があることは言うまでもありません。

 そこで、市長は北部山岳地域の振興について、58年に策定をした北部山岳地域の振興計画と、さきに国において承認をされた山梨ハーベストリゾート構想とどのように整合をさせ、どのように地域づくりを目指していくのか、施設計画のスケジュール等も含めて改めて御所見を伺いたいと思うのであります。

 さらに、上帯那から上積翠寺町に通ずる道路の開設の問題は、住民の長い間の願望であり、この際、積翠寺温泉の開発、県の計画と関連をして、リゾート計画のアクセス道路として早急に整備をする必要があると思いますが、その計画がおありかどうか、あわせてお伺いをするものであります。

 次に、教育関係について若干の質問と提案をいたしたいと思います。

 まず、第1点として、山梨方式として既に定着をしつつあります高校総合選抜制度についてであります。これにつきましては、6月県議会でも大きく取り上げられ、県政の主要な政治課題にもなりつつありますが、高校入試の時期を迎えるたびに父兄の中で論議がされ、現場の教師を巻き込んだ熱い討論が繰り返され、多感な年齢である子供たちにも少なからず動揺を及ぼしており、古くて新しい問題としてその都度取り上げられているのであります。

 この7月には、甲府市教育研究協議会でも、この小学校区総合選抜制度をテーマに、現場の教師の中で真剣な意見交換がなされたと聞いております。メリットとデメリット両面から現行制度の功罪について出され、長所として、学校間格差の解消、受験競争の緩和。短所として、志望校に入学ができない、校内格差の拡大などが挙げられていましたが、父兄間における問題点もおおむねこの点に集約をされており、現在の高学歴偏向、有名校志望など、ますますエスカレートの一途をたどり、受験競争と言われるほど加熱しており、この傾向はさらに拍車がかかるものと思われます。

 私は、県民世論が相半ばする意見がある現在、総合選抜制度がこうした風潮に一定の歯どめをかけていることは認めるものでありますが、一方では、受験という過酷な現実の前で、将来への希望や進路に一抹の不安を感じる親も多数おるのであります。甲府市教育委員会として、現行の制度を堅持をしていく考えなのか、市連PTAなり各種団体の意見を聴取をして、一定の見直しを行う考えがあるのか、中間的報告でも結構でございますので、お聞きをいたしたいと思うのであります。

 2点目として、学校の週休2日制の問題についてであります。文部省は全国の小中高校64校を対象に、実験校として週休2日制の導入について研究を行い、一定の方向を見いだそうとしているのでありますが、過日の報道によりますと、全国の中学校長の半数が学校週休2日制導入について賛成と答え、実施方法については、9割以上が4週のうち2週を5日制か、完全週休2日制を採用すべきだとアンケートに答えているのであります。社会の趨勢として、労働省の発表した勤労者調査によっても、条件つきながらも5割を超える人が導入に賛成し、現行の週休6日制の継続を望んでいる人は3割程度との報告がなされているのであります。

 現在の授業日数は、アメリカ、フランスが180日、イギリスが200日、ソ連が210日に対し、日本は240日と飛び抜けて多く、ゆとりのない詰め込み式教育の実態がここにあるのであります。もっと伸び伸びとした本来の子供の姿を取り戻すためにも、一日も早く導入が図られるべきだと考えますが、導入に伴い、現在行っている土曜日の授業をどう取り扱うかが一番の問題点であり、授業時間数を現行のもので実施をするならば、当然月曜日から金曜日にしわ寄せがされ、教師も生徒も犠牲を強いられ、むしろ教育面から無理が生ずるのは必然であり、豊かな生き方によって明日への原動力を養うという真の意味での休日とは言いがたく、詰め込み式の教育方針を見直すよい機会でありますから、その際、授業時間を切り捨てるべきだと考えますが、教育委員長の見解を求めるものであります。

 第3点として、新図書館建設と中国成都市への本の文化使節についてであります。さきの6月議会でも、当クラブを代表をして斉藤議員からも質問がありました新図書館建設について、既に二、三の地区の自治会連合会からも誘致の陳情が出されており、生涯学習の拠点としての文化施設である図書館と、地域の活性化の強力なものにして位置づけられており、大いに喜ばしいことでもあります。既に昨年の8月には、建設懇話会から基本構想について提言が出されており、利用しやすく、親しめて、自由に、サービスのよい、高齢者、身体障害者への配慮がなされた図書館を求めており、施設の規模として4,800平米が望ましいと要望をしています。

 さらに、生涯学習推進委員会は7月に提言をまとめ、生涯学習センターの建設と生涯学習本部の設置など、今後の高齢化時代に対応をした長期的展望に立った余暇利用なり、市民の文化的創造の場を拡大をする幾つかの提案がなされ、市民の期待は大きく盛り上がっているのであります。私はこれからの図書館は、ただ単に本を貸す施設という発想では、利用者からそっぽを向かれてしまう。既存のイメージにとらわれず、余暇の増大、情報化社会の進展といった流れに順応のできる柔軟さが求められていると考えるのであります。

 例えば、館内にBGMが流れ、図書館というよりサロンといったコミュニティー型の埼玉県朝霞市の例や、太陽のもとで読書ができる図書園といった東京都東村山市の図書館なり、また、駅前ビルの1階が店舗で、2階から4階までが図書館の神奈川県厚木市の例があります。また、東京都町田市の中央図書館は、市街地再開発事業に伴い、レストラン、ホテルと同居をする駅前ビル内に図書館を建設をするなど、集客力のあるまちの活性化に役立てようとして、従来の、静かで離れていて本が読める施設から、遊び感覚で利用をする図書館へと大きく脱皮が図られているのであります。こうした新しいイメージとしての図書館を市民が求めているわけでありますから、市民が利用しやすく、ネットワーク化の中で中央館と位置づけて、建設については最適な場所を総合的に早期に実現をしていくべきだと思いますが、市長の御見解を伺いたいと思うのであります。

 さらに、今後の日中友好をより発展をさせる立場から、成都市に文化交流を促進をし、友好親善を図るため、市立図書館蔵書の一部を広く市民から寄贈を求め、日本の生活、文化、風習、自然をより深く理解ができ、将来にわたり定期的に増冊できるよう、「甲府市市民本のコーナー(仮称)」を成都市の施設に設置できるよう取り組んでみたらいかがでしょうか。お考えがございましたならば、伺いたいと思います。

 最後に、人事院勧告完全実施について質問をいたします。

 既に御承知のとおり、人事院は政府と国会に対し、8月7日、国家公務員の給与について、平均3.71%、金額にして1万1,244円の引き上げと、完全週休2日制の92年度早期の実施を勧告をしました。この勧告内容には、初任給、若年層とともに中堅層にも厚い配分がされ、医療職二表については、級の新設や一時金などの改善がなされており、一定の評価ができるものであります。しかし、完全週休2日制の実施については、「平成4年度のできるだけ早い時期に」と表現にとどまり、明示しなかったことなどは不満の要素ではありますが、公務員労働者の賃金、労働条件は多くの国民、勤労者に多大な影響を与えるものであり、市民サービスの向上の第一線に立って働く職員の給与の改善と格差解消に向けて、速やかに人事院勧告完全実施に取り組むよう、市長の英断と御意見をお伺い、私の質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

○議長(内藤幸男君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 飯島議員の質間にお答えいたします。

 まず、はじめに、市民党宣言についてのお尋ねでございますが、私の市政に対する基本姿勢は、一党一派に偏らず、清潔、公正、公平を旨とし、「市民による市民のためのひらかれた市政の実現」であります。市民党宣言をとの提言でありますが、私は市政運営にあたりまして、すべての市民とスクラムを組む市政を推進していくことを基本としておりますので、この姿勢を貫く限り、飯島議員のおっしゃる御提言の趣旨と合致しているものと考えております。

 次に、公職選挙法改正案についてのお尋ねでございますが、小選挙区比例代表並立制導入を柱とする公職選挙法改正案については、御案内のとおり、衆議院本会議において審議中でありますが、今後の審議状況について注意深く見守っているところでありますので、御理解を賜りたいと存じます。

 次に、30万都市甲府市づくりについてのお尋ねでございますが、私の提唱いたしました30万都市甲府構想は、現行の1市5町の広域行政と、さらに隣接する町村との広域行政圏の広がりに合わせた、中枢管理機能を有する中核都市として新たな行政展開を図ろうとするものであります。既に昭和38年に自治法252条の2に基づき、1市5町による甲府地区開発推進協議会が設立され、当該地区の総合的な計画を共同して作成するなど、地域住民の福祉増進を図るために、今日まで種々協議を重ねており、この中で前段申し上げましたように、本市が中核としての責務を負って力強く推進しております。御提言をいただきました件につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと考えますので、御理解を賜りたいと思います。

 続きまして、福祉センターの北東部への早期建設についてのお尋ねでございますが、玉諸、山宮、貢川に次ぐ4ヵ所目の福祉センターの建設につきましては、従来から北部地域の各自治会連合会から地域的なバランスを大きな理由に、北東部地区に建設すべしとの強い要望があります。今回、総合計画の見直しにあたり、住民ニーズを把握するために地区対話集会を開催いたしました折にも、この要望が強く提起されました。したがいまして、第三次総合計画の中期に建設を予定しておる福祉センターにつきましては、北東部地域に建設する方向で調査費を計上したところであります。建設にあたりましては、用地の確保が先決でありますので、地域の皆さんの御協力を賜りたいと思います。

 なお、ほかの質問につきましては、担当部長等からお答え申し上げます。

○市長室長(田中彦次郎君) 市長室に関する御質問にお答えをいたします。

 成都市の施設に甲府市の本コーナーを設置する考えはないか、とのお尋ねでございますが、成都市には、友好都市であります甲府市を広くPRし、理解を深めてもらえるように、甲府市史、また甲府の写真集等々の各種出版物を随時送付をしておるところでございます。また、甲府市と友好校を提携しております成都市の小中学校には、それぞれ友好校コーナーが設けられておりまして、絵画、写真、教材等の展示を通じて、甲府市の児童生徒の学校生活が広く紹介されております。御提言のありました甲府市民の本コーナーの設置につきましては、今後、成都市の意向も踏まえる中で検討をさせていただきます。よろしく御理解のほどお願いをいたします。

 以上です。

○企画部長(三浦恒則君) オンブズマン制度の導入についてのお尋ねにお答えをいたします。

 この制度は、お説のとおり、市民の権利、利益の保護を図るための市民による地方行政監視の一形態であるというふうに理解をいたしております。この制度の導入につきましては、地方自治法で規定されております市議会、あるいは監査委員の権能、並びに住民監査請求制度との法的関係等をも研究してまいる必要があるというふうに思われます。特に本年4月の自治法の一部改正によりまして、監査委員には新たに大幅な監視機能としての役割が付与されたわけでございますので、この制度との整合性をも留意いたしてまいる必要があろうかというふうに考えております。この制度の導入につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。

○総務部長(小林正司君) 人事院勧告の完全実施についてお答えいたします。

 人事院勧告に伴う給与改定につきましては、国、県、他の市町村の状況を勘案する中で、完全実施に向けて努力いたします。

 以上でございます。

○経済部長(中山進君) 経済部関係2点についてお答え申し上げます。

 まず、第1点の北部山岳地域振興対策でございますけれども、これにつきましては、昭和58年に策定いたしました北部山岳地域振興計画を基調にいたしまして、特定施設マウントトピア黒平などの公共事業、さらに山梨ハーベストリゾート構想に基づく千代田湖リゾート事業など、民間活力導入事業を加え、総合的に整備を進めているところでございます。しかし、その後の自然環境保全に対する世論の高まりなど諸情勢の変化に対応した振興計画の見直しが必要であることから、昨年9月に北部振興対策研究協議会を設置をいたしまして、新たな振興計画づくりのために、ワーキンググループによる現況実態調査等に取り組んでおるところでございます。この科学的調査の結果、さらには地元住民の御要望を踏まえ、地域の実態に即した特色ある地域づくりを目指し、計画の基本を恵まれた自然環境を生かした調和のある振興策に起き、総合性にとんだ諸施策を地域住民と一体となって推進してまいる考えでございます。

 なお、計画推進のスケジュールですが、許認可の手続及び用地取得などを考えますと、完成までにはリゾート計画期間の10年はかかるだろうと予定をしておるところでございます。

 次に、第2点目の林道開設についてでございますけれども、上積翠寺町と隣接する上帯那町を結ぶ林道開設計画につきましては、両地域自治会をはじめ多くの周辺市民の御要望を踏まえ、利便性と、さらにリゾート構想による施設を結ぶアクセス道路としても必要かつ重要な路線であると理解をしておるところでございます。したがいまして、本年度は路線決定等のための周辺環境の調査をはじめ、関係機関及び団体、さらには森林地所有者と十分協議を重ね進めてまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○都市開発部長(栗原昭明君) 都市開発部関係3点についてお答えいたします。

 まず、市街化区域内の残存農地についてお答えいたします。

 市街化区域内における5ヘクタール以上の集団残存農地区域16ヵ所、約216ヘクタールが、平成4年度に予定されている次回の線引き見直しで逆線引き対象候補地として知事より指定をされた経過があります。これは営農を希望するものは市街化調整区域に、宅地化を図る区域は市街化区域に、という都市計画の原則に沿うものであり、次回線引き見直しまでに面的開発が行われなければ、現況におきましては、市街化区域から市街化調整区域に変更することもやむを得ないとの考えであります。これを受け、当該区域の地権者の皆様に将来のまちづくりについて理解を深めていただくため、説明会を開催し、地区地権者で組織するまちづくり研究会を発足させ、将来の方向づけについて積極的に取り組んでおるところであります。また、この研究会での集約は、平成4年に線引き見直しの実施が予定されていることから、平成4年3月を目標としておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 2点目の市街化調整区域の再見直しについてお答えいたします。

 調整区域の再見直しでありますが、国、県としましては、市街化区域の残存農地の開発の促進が最大の必要条件となっており、都市計画法としても調整区域内での開発は厳しい制限が課せられているものであります。御質問の趣旨は十分理解はしておりますが、残存農地の対策、人口問題、産業問題、農業政策等を勘案する中で、21世紀に向けて甲府市の都市づくりの指針として、想定土地利用計画を策定してまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 3点目の、平和通りと武田通りを連結し、市街地の南北一体化を新都市拠点整備事業の中で計画せよ、との御質問にお答え申し上げます。甲府市の南北一体化の発展と都市機能の強化には、JR線の立体交差の実現が有効的な手法と考えております。御指摘の、平和通りと武田通りとを結ぶことは、幹線道路による市街地の南北一体化になるものと考えますので、関係機関とも十分協議し、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○教育委員長(澤田福太郎君) 飯島議員にお答えを申し上げます。

 総合選抜制度についてでありますが、総合選抜制度につきましては、6月の定例議会におきましてもお答えを申し上げたところでございます。この制度をめぐりまして、市民の関心が非常に高まっておることは御案内のとおりであります。県の教育委員会におきましても、後期中等教育問題協議会を設置をして検討されておるところではございますけれども、その動向を見ながら、さらに県、小中学校PTA協議会、あるいはまた甲府市小中学校PTA連合会、甲府市教育研究協議会等の各団体や機関も、この総合選抜問題について調査研究をされておるところでございますので、その動向にも十分な関心を寄せてまいりたいと思っておるところであります。

 総合選抜対象校が甲府市には5校ありますけれども、甲府市といたしましても、その教育委員会の中で総合選抜問題につきまして研究を始めておるところであります。今後も各機関、団体の意見を十分に参考にいたしまして、研究を深めてまいりたい、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

○教育長(浅川紫朗君) 学校5日制についてのお尋ねにお答え申し上げます。

 学校週5日制につきましては、文部省が平成元年度、全国に調査研究協力校を指定いたしまして、近くその研究結果が報告書として発表される予定であることにつきましては、御案内のとおりでございます。その結果や、また県教育委員会の学校週5日制についての庁内検討委員会の協議の動向及び県公立小中学校長会、同教頭会、さらに山梨県教職員組合、県小中学校PTA協議会の教育四者によります5日制検討委員会、これは仮称でございますが、この委員会の検討を見守りながら、社会的影響の大きい5日制の課題や、実施上の方策につきまして研究を深めていかなければならないと考えているところでございます。

 なお、5日制が実施された場合の授業時数の切り捨ての問題でございますが、現行の学習指導要領による教育課程の中では、週の時数が定められております。したがいまして、学習指導要領の改定がなされない限り、授業時数の切り捨てはできないと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○教育委員会生涯学習部長(種田源夫君) 新図書館の建設についてお答えをいたします。

 新図書館の建設につきましては、現在、総合計画の見直しの中で、事業年次、建設場所等の調整を図っているところでございます。また、施設の内容等につきましても、具体的な御提言を踏まえまして、先進都市等の状況も参考にさせていただきながら、本市にふさわしい特色ある図書館づくりに向けて努力をしてまいる所存でございます。

 なお、建設場所については、交通アクセスや主要な公共施設の配置状況、さらに甲府市の将来の施設計画等を検討させていただくとともに、市民の御意見もお聞きしながら対応いたす考えでおります。御理解をいただきたいと思います。

○議長(内藤幸男君) 飯島議員、よろしいでしょうか。

 飯島 勇君。

○飯島 勇君 私は、市長の掲げております30万都市構想について市長に再質問をいたしたいと思うわけであります。

 今月17日に、山梨の新時代を開く、県民が期待をしております記念事業、リニア新実験線の起工式が、都留の大平、九鬼隧道の東の地点で行われたのであります。県や関係町村はこの実験線着工によって、新たな視点に立って対応をしていくことが進められたわけであります。行政の執行、都市計画、それから教育や産業にとって大変な事業でございますから、この仕事は全面的に道路基盤の整備を行っていかなければならないと思うわけであります。そして、道路交通や、それから教育の問題、労働力の確保の問題を一つとってもですね、大事な問題としていくわけでございますから、私はこの問題についてはですね、各市町村が今までの市町村の区域の域を超えて、そしてやっていかなければならない。必ず広域行政を進めていくという方向でいくだろうというように考えているわけであります。

 特に甲府市の場合は、甲府駅拠点整備事業が市長就任以来、先頭に立って進められてきた結果、この9月の17日に、JR清算事業団から甲府駅の貨物駅や、それから甲府駅構内の空き地が甲府市へ交付をするという情報が入ったわけであります。私は、そういう立場に立って、甲府駅の拠点整備事業は一段と拍車がかかったと、こういうように理解をしているわけでございますから、やはり甲府市の都市区画整理や拠点整備事業が大きく伸びたというように考えているわけであります。このように、やはり私は甲府盆地の地域一帯が、甲府駅拠点整備のように進んでいく、そのことは必要ではないかと思うわけであります。

 ところが、やはりこの事業を進めていくには、どうしても県都甲府の甲府市長が、盆地内の各市町村に呼びかけを行って、この大事業を成功させていくということが一番大事であります。だから、山本市長が広域圏行政のサミットを開催をしていく、呼びかけをしていくことが一番妥当な方法だと、こう考えているわけであります。したがって、市長はそのサミットを開催をしていく決意のほどをお伺いをしたいと思います。

○議長(内藤幸男君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) ただいま飯島議員から御提言賜りました広域行政サミット開催につきましては、これからの検討課題とさせていただきたいと思いますので、よろしく御理解のほどをお願いを申し上げます。

 以上です。

○議長(内藤幸男君) 次に、新社会クラブの個人質問を行います。雨宮年江君。

 雨宮年江君。

                (雨宮年江君 登壇)

○雨宮年江君 9月定例議会にあたり、市政一般について御質問させていただきます。

 まず、合併処理浄化槽設置に対する補助金制度について御質問いたします。

 河川の汚染原因の約7割が生活排水だということから、昨年6月、4月に提出されていた水質汚濁防止法の一部改正法案が国会で成立いたしました。この中で水質保全に対する国民の責務が明確にされるとともに、国や地方公共団体は生活排水対策の実施に協力しなければならないことが、具体的には附帯決議の中で、合併処理浄化槽設置にかかる助成制度の充実などの措置を講ずべきことが明記されました。

 公共下水道は、工場排水を取り込んでしまう、建設費が巨額で建設に時間がかかり過ぎるなどの問題があります。総務庁行政監察局の調査では、処理人口1人当たりの建設費を比較すると、下水道は93万1,000円、農業集落排水施設45万6,000円、合併処理浄化槽15万円という数字が出されています。下水道の建設費の不経済性は明らかです。下水道さえできれば何を流しても構わないといった間違った意識を持たないためにも、公共下水道が普及するのを待つのではなく、自己で処理する方法、つまり合併処理浄化槽を地域の実状にあわせて普及させることが望ましいと考えます。

 県内でも、既に都留市など5市町村が補助金制度を導入しています。大月市でも近々導入を予定しているとのことです。甲府市でも、計画区域外における合併処理浄化槽に対する補助金交付制度の導入を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、ごみ問題について3点御質問いたします。

 甲府市は、過去3年間、焼却残灰と不燃性廃棄物を福井県敦賀市の民間処理場へ搬出してきましたが、地元住民の反対により、本年4月より搬出搬入契約が結べない状況だと聞いております。そこで、この焼却残灰や不燃性廃棄物が現在どのような状態にあるのか、年間1万トン近く出るこれらの廃棄物を今後どうするのか、当局のお考えをお聞かせください。

 次に、事業所から出されるごみについて質問いたします。

 ごみの減量化に対する当局の御努力には敬意を表します。しかし、生活系の廃棄物は住民の協力や努力により、減量化やリサイクルが進んでいますが、オフィスから出される大量の紙ごみなど事業系のごみは、規制がない上に、一般廃棄物として自治体の費用で処理されてしまうという問題があります。現行の廃棄物処理法では、こういった問題は避けられないわけですが、甲府市の場合、一般廃棄物に含まれる事業系のごみはどのくらいあるのか。また、ますますふえるであろうこのような事業系ごみに対する減量化はどうするのかお伺いいたします。

 3点目として、医療廃棄物などの有害廃棄物等の処理についてお伺いいたします。

 この7月、市内で注射器など医療廃棄物が不法投棄されていた問題が報道されました。医療廃棄物といっても、診療行為に伴うメスや点滴セット、入院患者の食事の残飯や紙おむつまでと幅広く、そのうちの約1割に当たる感染性廃棄物が、B型肝炎やエイズなどへの感染のおそれがある血液や体液が付着していたり、病原微生物に汚染された可能性のある試験器具などです。捨て方によっては、環境に多大な悪影響を及ぼす危険性があります。このような有害廃棄物や適正処理困難物など、排出者あるいは製造事業者、販売事業者に責任を持たせる廃棄物の処理に対するチェックはどのようになっているのでしょうか。

 現在、国会で継続審議になっています廃棄物処理法改正法案は、適正処理困難物や有害廃棄物の処理についての製造者の責任追及が大きく後退しているなどのさまざまな問題点を持っています。乾電池のように水銀を含有していても、一般廃棄物として何の規制を受けることなく、多くの自治体が分別回収してきた経過からも、地方自治体としても、廃棄物処理法の抜本的な改正を望むところではないでしょうか。当局のお考えをお聞きかせください。

 次に、教育関係について2点御質問いたします。

 まず、中学校の完全給食についてお伺いいたします。中学校の完全給食実施を望む声が父兄の間にありますが、実施した場合さまざまな問題も考えられます。

 第1に、身体の発育差や嗜好の多様化などで、多量の残滓が出ることが予想されます。このことは市が進めるごみの減量化に反することになります。

 第2に、45分という短い昼休み時間では、食後の休み時間を短縮したり、午後の時程に食い込むことが考えられます。このような状況で果たして教育効果があるのかどうか。

 第3に、1985年の文部省通達の中で、学校給食業務における合理化が示唆されており、実施した場合、財政効率上、共同調理場方式、民間委託される可能性があります。手づくり調理が制限され、冷凍食品、半製品の多用、食中毒の多発などの問題が起こり得ることは十分考えられます。

 このような問題を抱える中学校の完全給食の実施について、市長はどのように考えているのかお聞かせください。

 第2に、教職員の定数改善と35人学級の実現について質問いたします。

 市長は、公約の中で30人学級の実現を挙げていますが、まず、35人学級を実現することが先決ではないでしょうか。年度末の人事異動において退職教員44人、新採用教職員40人、期間採用者が34人になりました。甲府市の場合、他市に比べて期間採用者が多いという特徴があります。これは、学校運営に必要な教職員が不足しているからではないのでしょうか。児童生徒の相互交流や先生との触れ合いを十分に確保するためにも、教職員の定数の改善や35人学級の早期実現を目指すべきだと考えますが、いかがでしょうか。市長の見解をお聞かせください。

 最後に、いのちと暮らしを守る立場から、松枯れ防止の農薬散布についてお伺いいたします。

 今年、6月4日と25日、湯村山と健康の森に実施された農薬散布に対し、散布地域内での昆虫の薬死調査が山梨大学教育学部生物教室の池田清彦教授によって行われました。その調査結果によると、松枯れの原因であるマツノマダラセンチュウの媒介者であるマツノマダラカミキリの薬死は一匹もなく、オオムラサキの終齢幼虫の薬死をはじめアカシジミ、水色オナガシジミなど蝶の成虫の薬死が多く、農薬散布の影響が飛翔力のある昆虫類にまで及んでいることが明らかになっています。

 この調査結果からも、農薬散布は松枯れの防止には全く効果がないばかりか、森林の生態系や周辺の環境を破壊することは明白です。また、周辺住民の健康被害も考えられます。日本人の自然観や美意識を形づくってきた松に対する思いは、他の木と比べるまでもありません。

 また、乾燥に強く、やせ地に育つので防風砂防林としても利用されてもいます。しかし、建築材としての経済的価値もなくなり、防風、砂防、浸食防止、崩壊防止という役割にしても、松でなければならないという根拠はありません。松だけが緑のすべてではありません。景観、風致のためだけで危険な農薬散布をする理由にはならないでしょう。松枯れは大気汚染や松林の手入れ不足などで弱った松に病原性を持つザイ線虫が進入して起こるものであると大阪大学理学部の植村振作先生は主張しています。

 批判の強かった空中散布を昨年から地上散布に切りかえました甲府市が、農薬散布の対象にしている湯村山東斜面は、面積が少ないので、安易な農薬散布に頼らず伐倒、焼却処理で対応ができると考えますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお伺いいたします。

 以上で私の個人質問を終わらせていただきます。

○議長(内藤幸男君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 雨宮議員の質問にお答えいたします。

 まずはじめに、合併浄化槽設置に対する補助金制度の導入についてのお尋ねでございますが、河川の汚濁原因の多くが生活排水によるものであると言われておりますことは、御指摘のとおりであります。河川の水質浄化につきましては、何と言っても公共下水道の整備が急務であり、しかしながら、この整備には長い時間を要することから、その他の処理施設の制度も設けられております。本市では、現在、水質汚濁防止法に基づいて、公共下水道の計画区域についても、生活排水対策の重点地域として指定も検討いたしております。したがいまして、この地域指定がされた場合は、合併浄化槽制度の導入と、さらに区域外についても、他の制度も含めて検討課題としてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 次に、有害廃棄物と廃棄物処理法についてのお尋ねでございますが、有害廃棄物のうち、感染性医療廃棄物につきましては、厚生省のガイドラインに沿って適正処理が図られるよう、関係機関の御協力をいただきながら対応しておるところであります。法的に規制がない廃棄物については、規制することができない状況でありますが、環境保全上の立場から、できるだけ安全処理が図れるよう対策を講じてまいりたいと考えております。

 また、適正処理困難物や有害廃棄物に対する法的規制措置についても、処理法の改正案が現在国会で審議中であります。先日、本市で開催されました首都圏サミットにおいても、この問題が大きく取り上げられたところであり、関係機関に対して実状に合った改正が行われるよう強く要望してまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 なお、他の質問につきましては、担当部長等からお答え申し上げます。

○環境部長(荻野紀次君) 環境部関係2点につきましてお答えを申し上げます。

 まず最初に、焼却残灰と不燃性廃棄物の処理の状況についてのお尋ねについてでございますが、敦賀市への不燃性廃棄物の搬出につきましては、最終処分場の延命策としまして実施してまいりましたが、御指摘のとおり、今年度の計画については、諸般の事情により実施は困難な状況であります。現在排出されております焼卸灰、破砕不燃物につきましては、小曲町の最終処分場において埋め立て処分をしているところでございます。

 なお、今後、これらの廃棄物の処理につきましては、小曲町の最終処分場が平成4年末には満杯となる予定でございます。新しい処分場を確保すべく、現在、用地の選定を行い、地元関係者と折衝を行っているところでございます。御理解を賜りたいと存じます。

 次に、事業系ごみに対する減量化対策はどうかとのお尋ねについてでございますが、事業系一般廃棄物は、営業活動から出るごみとしまして、一定の費用負担をいただきながら処理をしております。平成2年度には、全ごみ量73,416トンのうち17,725トンで、全体の24%に当たります。年々増加の傾向にあります。したがいまして、ごみの減量化はデパート等の過剰包装対策を含め、今後の課題として設定しておりまして、まず、事業者のごみの処理の状況についてアンケート調査を実施し、その実態を把握し、その上に立って減量化に向けての総合的な対策を講じてまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。

○経済部長(中山 進君) 松枯れ防止のための農薬散布についてお答え申し上げます。

 本市の松くい虫被害につきましては、昭和62年をピークに、やや減少傾向が見られるわけでございますけれども、いまだ予断を許さない状況でございます。このための防除対策といたしまして、それぞれの森林の所有者、国、県、市が分担し、防除に万全を期しているところでございます。

 御提言の松枯れ防止のための農薬散布でございますけれども、一斉防除の観点から、県市一体で保安林を将来にわたって保護していくため、その予防措置として行っているものであるわけでございます。実施にあたりましては、地域住民をはじめ多くの市民の理解と協力をいただき、周知を徹底して行っておりますし、使用薬剤の安全性につきましては、国の農薬登録による安全基準をクリアしたものであり、農作物栽培にも使用をされておるわけでございます。また、国、県、その他の機関による実施後の測定結果も、保全上問題ないとの見解が出されております。

 次に、湯村山東斜面については、都市近郊林として多くの市民から親しまれ、森林浴にも格好の地でございます。そのため、その保全に努めておるところでございます。したがいまして、今後も貴重な資源である松を守り、森林の持つ公益機能強化のため、それぞれの防除対策を講じなければなりませんが、実施にあたりましては、周辺環境に及ぼす影響等十分調査をいたしまして、地域住民への周知と、なお一層の協力をいただき実施してまいりますので、御理解と御協力を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○教育委員長(澤田福太郎君) 雨宮議員にお答えいたします。

 中学校給食につきましてでございますが、中学校給食につきましては、現在、教育委員会の中におきまして、本年の4月、報告書をいただきました中学校給食検討委員会からの報告書に基づきまして、その内容を資料や実地調査等も考慮をしながら、つぶさに調査検討をしているところであります。

 なお、実施をした場合等における御指摘の点につきましては、十分承知をしておるところでございます。御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 以上です。

○教育長(浅川紫朗君) 学級編成基準並びに教職員の定数改善についてのお尋ねにお答え申し上げます。

 学級編成上の児童生徒数及び教職員の定数につきましては、国や県の定める基準によりまして定められておりますことは、御案内のとおりでございます。昭和55年から実施されました国の第五次教員定数改善計画によりまして、本年度までに1学級の基準が45名から40名に引き下げられました。それに伴いまして、教員の定数も改善されたところでございます。

 国におきましては、40名に学級編成基準を引き下げたことについての教育的成果や、今後さらに望ましい教育課程の実施を目指して、第六次教員定数改善計画に向けまして調査検討している段階でございますので、その動向を見守ってまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○議長(内藤幸男君) よろしいでしょうか。

 関連質問はありませんか。

 石原貞夫君。

○石原貞夫君 若干時間があるようでありますから、1点……

○議長(内藤幸男君) 石原貞夫君に申し上げます。

 冒頭、雨宮議員の何々についての関連質問を行いますと発言してから質問に入っていただきたいと思います。

○石原貞夫君 飯島議員の質問いたしました都市計画の線引きの問題について質問をいたしたいと思いますけれども、議長さんよろしいでしょうか。

○議長(内藤幸男君) 石原貞夫君に申し上げます。

 甲府市議会申し合わせ事項により、代表質問に対する同一会派での関連質問は、これを認めないことになっていますので、御了承を願います。

 暫時休憩いたします。

                午後2時28分 休 憩

                午後3時00分 再開議

○副議長(川名正剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 次は、公明党の代表質問を行います。大村幾久夫君。

 大村幾久夫君。

                (大村幾久夫君 登壇)

○大村幾久夫君 9月定例会にあたり、公明党を代表して質問を行います。

 はじめに、市政執行の課題と第三次総合計画の見直しについてお伺いいたします。

 市長は、これからの政治は20年、30年を見通した展望の中で計画行政を進めなければいけないと述べております。そして、レインボー計画として、7項目の計画構想を公約し、その具体化のため、原市政のもとで策定された第三次総合計画の見直しの作業に入っているところであります。特に市庁舎、市立病院、図書館等の建設をはじめ、下水道事業の促進、北部開発、新都市拠点整備事業、区画整理など原市政継続の懸案事業があり、見直しとは言っても、これらは山本市政にとっても最重点施策として取り組んでいかなければならない事業となっています。

 こういう点を考えますと、市長が新たに政策として打ち出す事務事業を総合計画に組み込むについての財政的制約は、相当厳しいものがあると予想されています。そういたしますと、新しい政策、事業を組み込んだ総合計画を考えていく場合の財政予測、事業の選択というものは、ローリングの最重点作業になろうと思うのであります。

 先ごろ、日銀甲府支店の発表では、県内の景気は緩やかな拡大傾向にあるとしていますが、バブル経済の崩壊による先行きの経済は全く不透明であります。

 そこで、まず平成4年度以降の財政見通しですが、当初計画の予測とどんな差異が生じているかお尋ねいたします。もし厳しい状況であるとするなら、公債費等歳入財源を確保しなければなりませんが、公債比率をどの程度見込まなければならないでしょうか。財政運営上一般財源の中で公債比率を高めないような配慮をするためには、経常経費を抑えていくか、継続事業計画の規模縮小か、事業の後年次繰り延べか、財政調整基金の取り崩しか、新規事務事業との調整の中でローリングがされると思うのでありますが、このことについてもお考えを伺っておきます。

 次に、政策の方向性についてでありますが、都市計画税の減税も公約されている中で、これからの財政環境はますます厳しく、公約実現のための事務事業は歳出抑制を図りながら住民ニーズにこたえていくため、効率的、効果的な財政運営を迫られることになると思います。そして市長の力量が問われている総合計画の見直しでもあります。そのため、市長は総花的、人気取り的な施策ではなく、何が今市民生活に必要か、将来展望に立って、今やらなければならないことは何かをはっきり見定めた上での施策展開を考えていただきたいと思っております。

 それにしても、まず財政基盤の強化と、将来的に強固な財政確保を端とする政策の方向をどこに求めていくかであります。このインフラ整備、つまり都市の活力を増進し、市民生活をより豊かにするために、市長のお考えになっている具体的な所見を伺いたいと思います。

 さて、市長は30万都市構想について、現行の1市5町の広域行政、さらに隣接する町村との広域行政圏の広がりに合わせた中枢管理機能を有する中核都市として行政展開を図ると言われております。30万都市実現はまさに市民あこがれの虹であり、そうあってほしいと願っています。

 原市政は、都市圏構想を持ち、その中で広域圏への期待や土地利用計画を立て、入口増を図ってまいりましたが、残念ながら入口増の兆しはいまだ見えておりません。しかし、人口増は政策総合の帰結であって、このため努力してきたことは確かであります。山本市政はその総合に濃淡をつけ、人口増の集大成を図るべきだと考えています。そして、この具現化の施策を第三次総合計画見直しの中で反映していくものと考えております。

 そこで、人口増をにらんだ施策体系の組み立ては、既計画にどのような強弱をつけていくおつもりか、市長に意図するお考えがあればお尋ねしたいと思います。

 この点に関して、私はリニアや中部横断自動車道など高速交通体系の早期実現と関連道路網の整備であり、これに関連する具体的な開発計画を想定した土地利用計画の策定にあると考えております。国の計画であり、県の計画であることはもちろんでありますが、一定の見識を持った市の意欲というものが感じられません。高速交通体系の整備には、多極分散の国土計画に伴う都市機能の移転など四全総の中で位置づけがされ、また多極分散型国土形成は、広域市町村圏に頼らざるを得ないと自治省が委員会で報告しているとおり、物理的、心理的な人口増、都市機能充実による多様な市民が定住する甲府市の展望が見えております。総合計画見直しにあたって、人口増対策についての所見があれば伺いたく思います。

 次に、南北一体化についてお伺いいたします。

 現在進行中の新都市拠点整備事業は、今検討されている北口県有地の整備計画や、南北自由通路の拡幅、北口駅前の整備、横沢朝日町通りの県、市道の拡幅整備、さらには地下道計画など、実質的には南北一体化を図る計画となっていますが、これに中央線、身延線の立体化が実現すれば、これに過ぎるものはないと心から賛意をあらわし、立体化実現に向けて私どももさらに努力しなければならないと考えております。

 しかし、これには国、県、JR等の事業効果に対する評価がなければ大変難しいと聞いており、県も調査中であると聞いております。また、高架化沿線周辺も区画整理事業に対する住民のコンセンサス、膨大な財政負担、さらには既に始まっている新都市拠点整備事業との整合性や、リニア新駅とのアプローチ問題等が考えられる中では、甲府市の顔としての駅周辺を整備しようとする新都市拠点整備事業は、時期尚早ではなかったかという声すら聞かれます。こうした問題、課題が多くある中で、高架化構想をクリアすることには大変な努力と苦労が必要であり、これこそ20年、30年を展望した甲府市中心市街地改造の一大プロジェクトであります。市長の決意のほどをお聞かせ願います。

 新都市拠点整備事業に関連してお尋ねいたします。

 私は昨年の9月定例会において、貨物ヤード跡地の遊休地の有効利用についてお尋ねいたしました。清算事業団の用地でありますので、これを無償で利用することには若干無理がございましたが、今回事業団の資産処分審議会は、甲府市と県が予定している2.64ヘクタールの売却を認め、区画整理の事業認可もされることになりました。そこで整備計画も売却も認めた以上、遊休地として現存する取得予定地の有効利用は考えられないものでしょうか。

 価格決定については随意契約になるとお思いますが、これとて今後区画整理事業を円滑に推進し、地価高騰を再現することのない適正な価格でなければなりません。県民はこのことについても注視をしております。価格決定は、県、市の不動産鑑定によるのか、独自に事業団の提示価格によるのかお尋ねいたします。

 今、自治体は公共用地の取得に大変苦労しています。国は旧国鉄の累積赤字解消のため、国鉄を分割民営化し、その責務処理を旧国鉄用地の売却で行おうとしておりながら、市内に点在する用地の売却について難しい条件をつけて応じていないと聞いております。幸い貨物ヤード跡地については決定いたしましたが、公共事業用地として市が売却を希望している事業団用地は何カ所、何ヘクタールあるのかお尋ねいたします。

 国は1日も早く責務を清算しようとしているのか、いないのか、まことにおかしな話であります。こんなところから資産処分審議会は売却方法の見直しを求める提言をし、随意契約の運用面での弾力化などによって売却促進を図るよう要請していると聞いております。そこで、事業団が条件をつけている内容はどんな点であるかを伺いたいと思います。さらにもう1点、事業団から取得する用地は資産価格が下がることを補うために、いわゆる減価補償の一部に当てられると聞いております。しかし、土地価格が安ければその効果は大きいものですが、事業団用地は区画整理区域内での平均価格から押して、高いと考えているのか、安いと考えているのかお尋ねいたします。

 このことは当然、減歩率にも関係すると思いますが、当区域内にある戦災復興土地区画整理事業にかかわった地権者の減歩にも影響すると思います。この事業成功のため、事業団用地取得のための価格決定には十分な対応をお願いし、新都市拠点整備事業の質問を終わります。

 次に、緑化を豊かにする快適都市甲府についてお伺いいたします。

 都市をデザインするためには緑をデザインしなければならないことは当然であり、こうした観点から、緑化に取り組む姿勢に対して心から賛意をあらわすものであります。

 世界で美しい都市であると言われているところでは、パリ市のブローニュの森やシャンゼリゼ通りのマロニエの並木のように、緑が重要な役割を果たしています。これは視覚的効果として持つ緑の都市景観に果たす役割の大きさを示すものでありますが、この緑としては、公共的につくり出される都市公園や街路の並木のほか、農地、森林など生産手段となっているもの、あるいは住宅に付属する樹木、庭なども含まれています。本市では緑の行政展開については、古くて新しい問題として取り組んできた経過がありますが、国体を契機に大きく進展したとはいえ、市長の認識のとおり、なお不十分であり、レインボー構想実現のために大いに力点を注いでいただきたいものであります。

 そこで、緑化がなぜ進展しないかという問題であります。私は緑化を感覚的にとらえるだけで、計量的な目的達成への姿勢と施策が欠けていることにあると考えています。過去には緑化倍増というスローガンを掲げておりましたが、これとて甲府市域として、山村部、農村部、市街地さらには公園、工場、家庭といった地域の特定や、倍増をしようと考える場所が不明確であり、平成何年度までには、あるいはそれに要する財源総枠や達成に要する年間予算、組織体制など、緑化推進計画はあっても、実施計画の各論がないからであります。

 また、「街角の杜」というすばらしい構想もありながら、計画的な特定化がされず、ましてやこれを実施、実現していくための市民コンセンサスがない状態であります。これでは市長の構想を実現することは大変困難でありますので、今回見直しの総合計画では、ぜひとも緑化の計量化とそのための予算対応を検討すべきかと思い、二、三の質問をいたします。

 まず、公園については、1人当たりの公園敷地面積あるいは開設面積という原単位があるように、緑化については緑化率というような原単位があるはずであります。そこで緑化の度合いを示す指標についてどんな単位があるかお尋ねいたします。そして緑化の指標があるとすれば、全国各都市との比較においての順位はどのくらいか、要するにどの程度緑化がおくれているのかを伺います。

 また、こうした新しい認識の上に立って、見直しの作業の中で緑化をどの程度高めていくべきかと考えているのか。そのための財源はどのくらいを必要とするか。財源の関係で第三次総合計画見直しの中で許せる財源見通しと、結果としてどのくらいの緑化を目標としているのかをお示しください。

 それから、緑化推進体制については、組織の検討や民間活力、協調の問題、市民合意と市民参加の問題など、行政と市民が一体となって推進しなければならない課題が多くあります。今回、みどり豊かなまちづくり基金創設に向けての議案が提案されておりますが、緑化、緑化のかけ声だけでは緑豊かなまちづくりは進展いたしません。市民にわかりやすく、計画的で計量的な見直しを行い、市民のコンセンサスを得る中で、基金が実効性のある緑化のため活用できるよう一層の努力をされることを願っています。

 次に、高齢者福祉対策についてお尋ねいたします。特に高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略との関連において御質問をいたします。

 我が国の高齢化は欧米先進国に例を見ないような急速なテンポで進んでおります。特に山梨県の場合は、高齢化の進行が全国水準より5、6年先行している状況です。高齢化は今後さらに進み、西暦2020年にはピークとなり、高齢化率は23.6%にもなるものと予想されております。いわば現在の2倍の高齢化社会になることになります。特に我が国の高齢化の特徴としては、75歳以上の後期高齢者が増大することが指摘されております。

 さて、このような深刻な高齢化社会の進行に対応するため、国においては平成元年末に厚生省、大蔵省、自治省の三省により、高齢者保健福祉推進10カ年戦略が策定され、これを円滑に推進する基盤を整備するため、翌平成2年6月には、社会福祉関係八法が改正されたところです。

 まず、10カ年戦略においては、市町村における在宅福祉対策の緊急整備として、ホームヘルパー10万人、ショートステイ5万所、デイ・サービスセンター1万ヵ所、在宅介護支援センター1万ヵ所、また施設の緊急整備として特別養護老人ホーム24万所、老人保健施設28万所、ケアハウス10万所等が目標として掲げられております。

 また、福祉八法の改正の趣旨としては、住民に最も身近な市町村で、在宅福祉サービスと施設福祉サービスが、きめ細かく一元的かつ計画的に提供される体制づくりを進めることとされております。

 そして改正の特徴点の主なものとしては、第1点として、在宅福祉サービスの位置づけの明確化がなされたことであります。具体的にはホームヘルプ、ショートステイ、デイ・サービス等福祉各法の在宅福祉サービスは名称を居宅生活支援事業として明確に法定化されました。また社会福祉事業法の中でも、第二種社会福祉事業として明確に位置づけがなされたところです。

 第2点として、在宅福祉サービスの支援体制の強化策として、市町村社会福祉協議会等が在宅福祉サービス等を企画、実施する団体として位置づけされたことであります。

 第3点として、老人に対する保健サービスと福祉サービスの一体的提供を図る観点かち、市町村及び都道府県は、これらサービスの実施の目標等に関する計画を策定することが義務づけられたこと等であります。

 以上のように、来るべき本格的な高齢化社会に向け、10ヵ年戦略及び改正福祉八法を軸として、国及び地方自治体はもちろんのこと、住民全体が協力し合って新しい福祉社会の構築が図られようとしております。そこで、このような新しい情勢を踏まえる中で、質問に移らせていただきます。

 まず、第1点として、社会福祉会館建設構想についてお尋ねいたします。先般の新聞報道によりますと、本市において社会福祉会館建設を検討されているとのことですが、まことに時宜を得た発想であり高く評価するものですが、私なりに建設構想を提言させていただきます。

 まず、これからの在宅福祉を推進していくためには、何と言っても福祉マンパワーの活性化が必要となります。福祉マンパワーとしては、民生委員をはじめ各種福祉関係相談員、民間ボランティア、ホームヘルパー、保健婦、訪問看護婦、団体としては社会福祉協議会等々が挙げられます。これら福祉活動推進の役割を担う関係者が、常に連携を保ちながら、住民のニーズに即応する形での活動が求められています。それには何と言っても、これら福祉関係者が交流し、情報交換をし、また福祉サービスを受ける老人、心身障害者、母子家庭等の市民が気軽に足を運び、集える場所が必要不可欠であります。

 県内の市町村のボランティア活動に例をとりますと、本市を除く6市を含め33市町村に、ボランティアセンターあるいはボランティアビューローといった形で特定のスペースが設けられており、ここを拠点として福祉活動が展開されております。また、類似都市を見ましても、多くの都市に総合福祉センター、あるいは社会福祉会館として市庁舎とは独立して福祉活動の拠点が設置されております。

 本市の場合、現在市内に県の社会福祉会館、ボランティアセンターがありますが、本市独自の福祉活動推進の拠点として利用することは不可能であります。本市の福祉活動の拠点としては、南庁舎2階に社会福祉協議会が設置されており、現在ホームヘルパーを主体として40名が勤務していますが、2階であり、かつ狭隘であり、福祉関係者の交流の場として機能を果たすことは困難であります。そこで、今後到来する本格的な高齢化社会における在宅福祉サービスを推進していくためには、ぜひとも社会福祉会館といった拠点の設備が必要と考える次第です。

 さて、新しく社会福祉会館を建設すると仮定した場合、この会館には社会福祉協議会、ボランティア協会、民生委員協議会、その他福祉団体の事務局が入り、会議室、相談室、機能訓練室、技能習得室等が備わっておれば理想的と言えます。また、身体障害者、老人等も支障なく出入りできるような施設的配慮も必要となります。

 以上、社会福祉会館に関する私見を述べましたが、10ヵ年戦略が策定され、福祉八法の抜本的な改正が行われたという大きな状況変化があったことを踏まえ、社会福祉会館の建設を第三次総合計画の主要事業として位置づけ、早急に実現することが必要かと思いますが、このことについて市長の御所見をお伺いいたします。

 第2点として、地域福祉会館の運用についてお伺いいたします。10ヵ年戦略の一環として、地域主導による高齢者保健福祉施策を推進するため、高齢者保健福祉特別事業が実施されることになり、その一つとして地域福祉基金制度が創設されました。

 この基金の設置に必要な経費については、地方交付税措置として、平成3年度地方財政計画に2,100億円が計上されております。設置の基準としては人口10万人で8,000万円程度とされており、これに基づいて本市でも平成3年度予算に1億5,000万円を計上したところです。この基金は、果実運用型であること、また運用益を用いて行う事業は、長寿社会に備えて在宅福祉の向上、健康づくり、ボランティア活動の活発化等のため、地域の実情に応じて、各種民間団体が行う先導的事業に対する助成等の事業であることとされております。本市においては、地域福祉基金の果実は平成5年度から生ずるものと思いますが、これの具体的な運用方法についてどのようにお考えかお尋ねいたします。あわせて今後この基金は年々追加、積立をしていくことになっているものと思いますが、将来的にはどの程度の総額を想定しているのかお尋ねいたします。

 第3点として、社会福祉協議会の機能の強化とボランティア活動の活性化についてお尋ねいたします。

 本市においては、社会福祉協議会が昭和38年社会福祉法人として発足し、今日まで28年の歩みを続けてまいりました。社会福祉協議会の事業は、これまでは法的には社会福祉事業の調査、研究、啓発、福祉関係団体の連絡、調整等を主体としたものでありましたが、10ヵ年戦略の一環として行われた先般の社会福祉事業法の改正によって、社会福祉事業の企画、実施という事項が新たにつけ加えられました。したがって、今までの静的な社協から福祉活動の実質的な担い手として法的位置づけが明確にされたわけで、このことはまさに画期的なことと考える次第であります。

 さて、本市の社会福祉協議会においては、昭和52年ごろより各地区に地区社協が結成されるようになり、現在では28地区すべてに結成されており、市民の創意と熱意により、すばらしい地域福祉活動が展開されております。社協運営の財源としては、会員からの会費収入が大部分を占めております。そこで社協においては、財政基盤確立のため、平成元年度より3ヵ年計画で、全世帯の70%の会員加入を目標に掲げ努力をしておるところですが、平成2年度の実績は1,782万円余となり、目標をはるかに上回った実績を上げております。この会費収入は、地区社協に一定の方式により還元されることから、最近とみに地区社協の活動が活発化しております。私も議会を代表して社協運営の一端を担っているわけですが、地区社協の活動の現状を見聞するにつけ、地域の市民の皆さんの御努力に敬意をあらわすとともに、大変心強いものを感じております。

 次に、10ヵ年戦略が目指す在宅福祉の実現のためには、ボランティア活動の活性化がぜひとも必要であります。本市においては昭和52年にボランティア協会が設立され、平成元年には社会福祉協議会により、ボランティア推進員200名が委嘱されました。また市民の自主的ボランティアグループも37団体を数えております。しかし、現状を見ますと、地域によっては地区社協を中心としてすばらしいボランティア活動が展開されておりますが、全市を包括するボランティア協会の活動は停滞の感があり、ボランティア活動の全市的連携調整は十分行われていないように見受けられます。これからは、ボランティア要員の確保、ボランティアに対するニーズの把握、ボランティア活動のノウハウの確立等、全市的視点に立った、普及、啓発こそが肝要であると考えます。

 本市のボランティア活動の停滞については、ボランティア活動の全市的拠点がないことと、コーディネート機能の欠如に起因するものと考えられます。このような観点から、さきに提言いたしました社会福祉会館の建設はぜひとも必要と考えます。また、コーディネート機能、いわゆる指導調整機能は、社会福祉協議会が発揮すべき立場にあると考えます。

 このようにボランティア活動の活性化を含め、今後社会福祉協議会の果たす役割はますます大きくなっていくわけですが、そこで何と言っても重要なことは、事務局スタッフの機能強化であります。現在事務局には5名の職員が配置されておりますが、2名は市の退職職員が管理業務に当たっており、社協独自の職員、いわゆるプロパー職員は3名であります。また、現在事務局では、委託業務であるホームヘルパー派遣事業並びに貢川福祉センターの運営のほかに、民生委員協議会の事務も掌握しているところから、事業量も膨大となっております。また、これらプロパー職員の処遇は市職員と比較して大変低い水準となっております。法律の改正により社協が実質的に福祉活動推進の担い手となった今日、社協事務局職員、特にプロパー職員の資質の向上と、充実強化が大きな課題であります。全国社会福祉協議会の基準によりますと、社協事務局職員数の基準は、ボランティア・コーディネーターを含め7名から9名とされております。今後真に時代の要請にこたえ得る社協活動を展開していくためには、プロパー職員の増員と処遇の改善が必要であります。

 以上、社協活動並びにボランティア活動の活性化について述べてまいりましたが、10カ年戦略が策定され、在宅福祉が強力に推進されようとしている現在、今までとかくマンネリに陥りがちな社会福祉協議会の活動並びにボランティア活動について、新しい視点で見詰め直し、その機能強化と活性化について真剣に取り組む時期に差しかかっていると強く考える次第です。

 そこでお伺いいたしますが、今後真に時代の要請にこたえ得る在宅福祉を推進するためには、行政の福祉施策と、社協を中心とする民間主導の福祉活動が、車の両輪のごとく整合し合って進められるべきであると思いますが、両者の役割分担並びに整合性についてどのようにお考えか、市長の御所見をお伺いいたします。

 また、今後ますます重要性を帯びてくる社協活動及びボランティア活動の活性化に向けて、社会福祉協議会の事業費及び事務局職員の強化充実のために財政的支援が必要と思われますが、このことについても市長の御所見をお伺いいたします。

 第4点として、ホームヘルパーの処遇とホームヘルパー派遣制度の運用についてお尋ねいたします。

 まず、ヘルパーの処遇の問題についてお尋ねいたします。この件に関しましては、さる6月市議会定例会において同僚の秋山議員が質問したところですが、私は本市の実態に即してお尋ねいたします。

 10カ年戦略では、全国で現在41,000人のホームヘルパーを、平成11年までには10万人に増員するという目標を掲げております。これに伴って、山梨県においても現在179名を608名に増員する計画となっております。ホームヘルパーの雇用形態については自治体によって異なり、市職員、または市の非常勤嘱託、社協の常勤、または非常勤職員等々種々の形態がありますが、本市においては社協への委託方式をとり、ホームヘルパーは社協の常勤職員という身分となっております。

 さて、本市のホームヘルパーの定数の変遷を見ますと、昭和46年に18名であったものが年々増員され、平成3年には34名、この10年間にほぼ倍になっております。このことは、この間いかに高齢化が進み、派遣世帯が増加してきたかを物語っているものであります。平成3年度のヘルパー派遣世帯数は老人世帯116世帯、身体障害者世帯32世帯、合計148世帯となっております。ホームヘルプ業務のほかに巡回入浴車による入浴事業も委託されており、入浴車派遣対象者は66世帯となっております。

 ホームヘルパー派遣世帯を大別すると家事型と介護型になりますが、最近の傾向としては介護型が多くなっていることです。本市の場合、派遣対象老人世帯の中には寝たきり老人27世帯、痴呆性老人14世帯があり、このほかにも多少なりとも身体の介護を要する対象者を含めると、介護型は派遣全世帯の半数を数える状況になっております。

 本市のホームヘルパーの標準的な業務内容を見ますと、1人平均5世帯を担当し、1世帯に対し週2回から3回、1回につき3時間程度のホームヘルプ業務を消化するほか、巡回入浴業務にはヘルパー2名のチーム編成により、各チーム週1回、入浴者3名の入浴業務を担当しており、大変なハードワークとなっております。

 ホームヘルプ業務の内容は、家事及び介護が中心となりますが、老人や身障者の話相手としての仕事も大きな部分を占めており、ホームヘルパーには強靭な体力に加えて人生経験豊かな人間性といった資質が求められております。特に近年、派遣世帯の増大と多様化により、ホームヘルプ業務の専門性、熟練性が強く求められるようになってきております。

 昭和62年には、老人施設の寮母やホームヘルパーを対象として、国家試験制度による介護福祉士の法制化が行われました。本市においても既に5名が資格を習得し、本年も6名が受験するとのことです。本市では現在、このように熱意にあふれた優秀なホームヘルパーに恵まれ、質の高いホームヘルプサービスを提供していることはまことに喜ばしい限りであり、ヘルパーの皆さんの御苦労を多とするものであります。

 さて、本市のホームヘルパーの給与実態についてでありますが、現在、国においてはホームヘルパーの手当基準として、家事型、介護型の2種類を設定しており、本市もこの基準をベースに本市独自の上乗せをして、ヘルパーの給与体系を設定しております。国の基準はあくまでも労務対価的な考え方を基本としており、年齢、経験年数等を加味した生活補償型の報酬という考えに基づくものではないのが実態であります。

 したがって、本市のヘルパーの給与実態を見ますと、勤務年数5年ごとにわずかな格差があるだけで、勤務年数や年齢はほとんど加味されていないのが実態です。業務手当や期末手当、各種社会保険の事業主負担等について、これまで当局も自主財源を投入するなど、鋭意努力をしてきたことは評価いたしますが、給与体系全体はヘルパーの業務実態に到底対応したものではないことは事実であります。勤務時間、休暇等も市職員と同等であり、服務規律も市職員に準じて設定されており、しかも業務の困難性は市の類似技労職と同程度であるにもかかわらず、市職員の給与水準にはるかに及ばない低水準に据え置かれているのが実態であります。

 ヘルパーの勤務年数を見ますと、5年未満25人、5年以上10年未満1人、15年以上20年未満8人、また年齢的には22歳から56歳まで、平均年齢は44.3歳となっております。特に勤務年数5年未満の比較的若年層のヘルパーが25人で、全体の74%を占めており、特にこの階層のヘルパーの定着を図るためにも、また、魅力ある職種として今後優秀な人材を確保するためにも、勤務実態に十分こたえ得る給与水準の向上が不可欠であると考える次第です。幸い厚生省は10ヵ年戦略推進のため、来年度からヘルパー手当を一挙に100万円引き上げ、1人年間350万円として来年度予算の概算要求をする方針であるとのことですが、大変喜ばしいことであります。

 そこでお伺いいたします。来年度に予定されている国の基準改定に合わせて、抜本的な給与改善を行っていただきたいと思います。この際、採用時において前歴概算を加味したり、初任給の設定、また勤務年数に応じた給与体系、すなわち1年に1回の昇給制度を基本にした給与体系にすること。そして採用要件の違いはあるにしても、市の類似技労職の給与水準を考慮する中で、業務実態にこたえ得る基本給水準のレベルアップを図ること。さらに期末手当、退職手当も市職員の水準に引き上げる等を内容とした改善をすべきだと思いますが、これに対する市長の御所見をお伺いいたします。また、今後の増員計画についてもあわせてお伺いいたします。

 次に、ホームヘルパー派遣制度の運用についてお伺いいたします。

 ホームヘルパーの制度については、民生委員や広報等を通じて制度活用の周知を図っているところですが、いまだ市民の間で十分周知されていない感があります。したがって、潜在的にはホームヘルプサービスを必要とする市民が多くいるのではないかと思います。サービスを受けるべき立場の市民が漏れなく恩恵を受けられるように、今後この制度の十分な周知徹底をすべきであると思いますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、派遣決定手続における改善点についてでありますが、派遣申請は当事者本人が行い、福祉部職員とヘルパーが実態調査をし、派遣決定をするというシステムになっておりますが、申請から派遣開始まで長期間かかるケースもあるとのことでありますが、即時対応できるような改善をすべきであると思いますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、高齢者専用住宅の建設を提言いたします。高齢者の生活保障の基礎的条件として、年金、就労機会、福祉サービスと並んで重要なのが住宅の保障です。高齢者の世帯構造は3世帯同居、老人夫婦のみ世帯、ひとり暮らし世帯等多様化し、さらに日常の介護の必要な世帯の増加が予想されますが、こうした方々が安心して居住できる住宅の規模、性能、配置、関連サービス、住居費負担の軽減等、高齢者の住生活にかかわる新たな対応が迫られております。

 さて、本市においては、多世帯同居の高齢者には、公明党が提唱しました多世帯住宅建設融資制度を実施し、その要望にこたえ多くの方々に喜ばれておりますが、老人夫婦のみ世帯、ひとり暮らし老人世帯等の高齢者に対する住まいの施策は今後の課題と言えます。

 先ごろ発表になりました平成3年度の甲府市のひとり暮らし老人数は2,853人、また、老人夫婦のみの世帯は2,643世帯であり、昨年、一昨年の数値から見ますと、年々8〜10%の増加が推定されます。こうした傾向は当然全国的にあり、各地の自治体においてこうした方々の要望にこたえるべく、高齢者専用住宅建設の推進が図られております。

 先日、この4月にオープンしました岐阜市の高齢者専用住宅を見てきました。この住宅は、デイ・サービスセンターを併設しており、高齢者が安心して居住できるよう、台所、浴室、トイレすべてが車いすで使えるように工夫され、いつ病気が進行しても不安がなく暮らせるような配慮が住宅の隅々まで行き届いていました。

 さて、現在甲府市においては、こうした高齢者の住宅に対する要望の対象として、北嶺荘の一部を充当しておりますが、本来一般住宅として建設したものであり、設備的に不十分である上に、入居希望者に対する数の上でも全く不足の状況であります。レインボー計画の「医療福祉先進都市甲府」への高齢者の方々の期待は大きいものがあります。高齢者専用住宅建設の提言に対する御所見をお伺いいたします。

 最後に、さきの6月定例会において、公明党の秋山議員より福祉タクシー事業導入の提言をいたしました。これに対し当局から、「高齢者、心身に障害を持っている方々の社会参加や、暮らしやすい生活環境づくりにとって大変重要なものであると考えております。しかし導入に際しての一番のネックは、タクシー業界の協力が不可欠であります。タクシー協会と十分話し合いを持ちたい」との答弁がございました。このタクシー協会との話し合いの経過と今後の方向性についてお伺いをいたします。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

○副議長(川名正剛君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 大村議員の質問にお答えいたします。

 まず、政策の方向性と財政基盤の強化等についてのお尋ねでございますが、21世紀という新時代に向かうこの10年は、お説のとおりインフラ整備、すなわち都市基盤確立の期間だと強く認識いたしております。特に高速交通網の新設と既設高速道路とのネットワーク化は、本市の産業、観光、文化面などで大きなメリットをもたらすことが期待されておりますが、反面、ストロー効果や都市環境層の激化ということもデメリットとして考えられます。これらの欠点を克服して利点を伸ばす施策が今求められていると考え、「レインボー甲府21」計画を打ち出したところであります。

 その中でとりわけ、本市や周辺町村はそれぞれの役割を分担しながら、都市機能の一層の整備充実を図っていかなければならないと考えております。今後も経常経費を削減していくほか、事務事業の民間委託化を進め、また市民と行政との役割分担にも御協力をいただきながら、受益者負担のあり方にも理解を求め、国、県補助金の適正化の働きかけも積極的に行いながら、自主財源基盤の強化に努めたいと思います。

 次に、人口増に対する施策の組み立てについてのお尋ねでございますが、第三次総合計画は目下中・後期計画の見直し作業中でありますが、その中で人口増対策として、既定の残存農地開発事業の推進、工業団地や住宅団地の建設事業、都市公園、文化教育施設、道路、河川などの都市基盤整備等について人口増対策へアプローチを図っていますが、さらに想定土地利用計画、民間土地建物信託制度、農村振興総合土地利用計画の策定、住宅分譲事業推進のための土地開発公社機能の積極的な運用等を強力に進めてまいります。

 次に、社会福祉協議会と行政の役割分担についてのお尋ねでございますが、今日、全国的に社会福祉協議会のあり方が見直され、またその存在意義が問われているときはありません。

 行政と社会福祉協議会の役割分担についての厚生省や全国社協の指導といたしましては、行政が主に条件整備、環境整備等に力を注ぎ、一方、社会福祉協議会は、住民に対する細かな手の行き届いた福祉サービスを受け持っております。本市といたしましても、このような方向の中で本市独自の施策展開のため、社会福祉協議会の組織基盤の充実を図ってまいります。

 続きまして、社会福祉協議会の事務局体制の強化と財政援助についてのお尋ねでございますが、今日社会福祉協議会に対して、その活動の重要性を認識しており、市単独で運営費約1,000万円を補助しております。今後も事務局体制の強化充実も含め、さらに必要な援助を行っていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、家庭奉仕員、ホームヘルパーの待遇についてのお尋ねでございますが、ホームヘルパーの待遇につきましては、厚生省の平成4年度予算要求において大幅な改善が予定されておりますが、この予算改定に期待しているところであります。国の基準はもとよりといたしまして、今日までも市単独で待遇の改善を行っております。今後もさらに努力をしてまいりたいと思います。

 増員計画につきましては、平成元年、2年、3年の3ヵ年に13名を増員してまいりましたが、平成4年度以降は国の10ヵ年戦略により、市町村に策定が義務化される老人健康福祉計画に基づき増員を進めていく考えであります。

 なお、他の質問につきましては、担当部長等からお答えをしてまいります。

○企画部長(三浦恒則君) 企画部関係2点のお尋ねにお答えをいたします。

 まず、平成4年度以降の財政の見通しについてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては第三次総合計画の見直しとあわせ、現在長期財政計画の策定を進めているところでございますけれども、現時点で当初計画と比較してみますと、国の政策としての税制改正、あるいは国庫補助負担率の削減等によるマイナス影響を受けました反面、税の自然増収や利子割交付金、消費譲与税の創設等によりまして、財源的には当初計画を上回る規模となるものと試算をいたしております。

 御指摘にございますように、最近の経済動向は、GNP実質成長率で見ましても、前期比2%の伸びと減速傾向を示しております。先行きが大変不透明で厳しい財政運営が予測されます。第三次総合計画の中期以降につきましては、幾つかの大型プロジェクトが計画されております。これらの中から新しい時代に対応する事業の選択を進め、財政収支の均衡と財政構造の弾力性の確保に意を注ぎながら、将来展望に立った実効ある財政計画を策定して、財政運営に万全を期してまいりたいというふうに考えてございますので、御理解を賜りたいと思います。

 次は、公債費比率の考え方についてのお尋ねでございますけれども、財政の目標は財政の枠組の中で限られた財源を効率的に活用し、住民福祉の向上を図っていくことにございますけれども、将来展望に立って、公共性あるいは公益性の見地から推進する大型事業等への取り組みにつきましては、市債を財源として財政運営を行っていかなければならない状況にもございます。しかし、公債費の増高は将来財政硬直化を招く要因にもなりかねません。したがいまして、財政構造の健全性を保持する面から、年度内調整を見通す中で、一定の市債枠を設定し、対応しているところでございます。

 ところで、公債費比率でございますが、一般的に言う行政主導の中では20%を超えますと単独事業等の起債の制限がございます。本市の場合はこの公債費比率は13%から14%といった見通しでございますので、公債費の運用につきましては、適正な状況ではないかというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○福祉部長(末木忠夫君) 福祉に関係をしてたくさんの御質問をいただきました。全部で9点ほどありますけれども、先ほど市長から3点ほど御答弁を申し上げましたので、私の方から6点について順次お答えをしてまいりたいと思います。

 最初に、社会福祉会館の建設についてであります。本格的な長寿社会を迎え、地域福祉、在宅福祉の拠点施設としての社会福祉協議会の役割、事務局、加えて各種福祉団体の活動の拠点ともなる社会福祉会館の建設の必要性につきましては、今後も総合計画の見直しの中で貴重な御意見として参考にさせていただきたいと思います。

 2点目の地域福祉基金果実の具体的運営方法と運用方法と追加の積立についてであります。本市では昭和63年3月、社会福祉事業基金条例を制定をしており、改めて地域福祉基金条例を制定する必要はないという県の御指導をいただきました。既存の社会福祉事業基金により地域福祉基金の管理をしてまいる考えであります。

 当基金は果実運用方式でありまして、しかもその使途につきましても、お説のように特定型であります。したがいまして、この基金の果実につきましては、地域福祉の推進母体として地域社会福祉協議会が活動を展開していくための財源に充当する考えであります。また、基金の追加の積立につきましては、第三次総合計画の残された期間に、地域福祉推進のために十分機能するように基金の強化を図る考えでありますので、今後も御指導と御協力をいただきたいと思います。

 3点目のホームヘルパー派遣制度の周知徹底についてであります。民生委員、保健婦、訪問看護婦をはじめ、老人大学等の各種学習会を通じて周知を図っておりますが、今後もなお一層きめの細かい周知方法を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 4点目のホームヘルパー派遣の即応体制についてであります。現在派遣申請につきましては、本人または民生委員、ヘルパー等によって行っていただいております。今後、社会福祉協議会と協議をいたしまして、ヘルパーの勤務体制等も研究をし、高齢者ニーズが直ちにサービス提供に結びつけられますように改善に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 5点目の高齢者専用住宅の建設についてであります。高齢化社会における住宅施策の推進の一環といたしまして実施をいたしました多世帯同居用住宅建築資金の融資制度は、御好評をいただきまして今後も充実を図ってまいりますが、御提言の高齢者が暮らしやすいような設計、設備に配慮した高齢者専用住宅の建設につきましては、今後の研究課題にさせていただきたいと思います。

 最後に福祉タクシーの制度についてであります。福祉タクシー制度につきましては、タクシー業界との話し合いを続けてまいりましたが、その結果、福祉タクシー制度についての御理解は十分いただけたものと考えております。業界といたしましても、どのような方法で協力できるか、他都市の実情を調査し、今後も協議を重ねたいとの意向が示されました。

 なお、類似都市の状況資料をも検討材料としながら、引き続いて協議を行う予定でありますので、御理解をいただきたいと思います。

 以上であります。

○都市開発部長(栗原昭明君) 都市開発部関係8点についてお答えいたします。

 まず、甲府駅周辺の南北一体化についてお答えいたします。甲府市の南北一体化は、JR線の立体化が有効的な手法であると考えております。南北一体化を図るための各種の方法について検討してまいりたいと考えております。実現性のある方法としでは、幹線道路の連絡による市街地の南北一体化を目指して、関係機関と十分協議し、市民要望も踏まえて実現に向けて取り組んでまいりますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、国鉄清算事業団用地にかかわる5点の御質問についてお答えいたします。まず、取得予定地の有効利用についてでありますが、今回国鉄清算事業団から随意契約により取得する4カ所、2.64ヘクタールの用地のうち、既に駐輪場として活用している部分を除く空閑地につきましては、売買契約締結後、仮換地指定をされるまでの間は各種イベント等に活用すべく、関係機関と調整を進めてまいります。

 次に、取得価額の決定についてでありますが、今回取得する用地の価額の決定につきましては、ほとんどの用地が鉄道沿線の低地盤であること、また、進入道路の不備等の要件もありますので、国鉄清算事業団側とは、県及び市による不動産鑑定評価を基準として交渉を行ってまいります。

 次に、取得希望箇所及びその面積についての御質問でありますが、甲府市として国鉄清算事業団用地の取得希望箇所については、甲府駅周辺の新都市拠点整備事業にかかわる大規模用地を除いては、南甲府駅周辺を含め10ヵ所、1万800uであります。

 なお、取得後の使用目的としては、街路事業にかかわる代替地と児童公園用地として要望をしております。

 次に、取得条件についてでありますが、国鉄清算事業団用地を取得する必要条件は、取得希望用地の取得後の使用目的、その事業計画、施設規模、運営方法、運営団体等が条件であります。公共施設の建設目的での取得については問題ありませんが、街路事業にかかわる代替地使用については、特段の条件がつけられております。一例といたしましては、買取希望時点で代替地の取得者を確定せよとの条件であります。このことは、街路事業における用地取得の実情にそぐわない面もあります。現在、国鉄清算事業団に街路事業の実態について説明するとともに、取得条件緩和について協議を進めておりますので、御理解と御協力をお願いいたします。

 次に、区画整理区域内の平均価額との比較についてでありますが、減価補償金対象の用地につきましては、低地盤、進入路の不備、騒音、振動等の減価要因もありますので、区域内の平均価額に比較して若干の格差があると思いますが、これらの要因を含めた不動産鑑定評価を基準として適正な価額で交渉してまいります。

 次に、緑化率の指標単位及び全国各都市との比較についてでございますが、緑化の度合いを示す指標といたしまして、一般的には緑化率が主に使用されておりまして、これは樹木の樹冠の垂直投影面積を緑化面積といたしまして、その施設の敷地面積に占める緑地面積の割合を示したものであります。各都市の緑化の現況は正確な数量として把握されておらず、各都市とも市街地面積のおおむね40〜50%以上の緑地の確保を目標に緑化の推進を展開しておるところでございます。

 最後に、緑化推進の目標についてお答えいたします。都市の緑は都市公園をはじめ各種公共施設における公共的な緑を中心に、個人の庭である緑から樹林地帯の自然的な緑地、農地等の生産的な緑地、社寺、境内地や工場緑地等の民間施設の緑地を含め、市街地面積に対しておおむね40〜50%以上あることが望ましいとされております。

 御案内のとおり、甲府市緑化の推進及び樹木の保存に関する条例で、公共施設の緑化基準を、その施設の敷地面積の30%に相当する面積以上の緑地を設けることを定め、緑化の推進を図っておるところです。また、民間施設においては、5%以上の緑化率を定めております。今後も行政と市民が一体となって、昭和54年に策定されました緑のマスタープランによる緑地率70%の実現を目指して、第三次総合計画の中に位置づけ、さらに今回新たに設定したみどり豊かなまちづくり基金の積極的な運用とあわせて、きめ細かな緑化を積極的に推進してまいります。

 以上でございます。

○副議長(川名正剛君) よろしいでしょうか。

 大村幾久夫君。

○大村幾久夫君 大変に前向きな御答弁をいただけたように受けとめております。了解をいたします。

○副議長(川名正剛君) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○副議長(川名正剛君) 御異議なしと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 本日はこれをもって延会いたします。

                午後4時00分 延会