平成4年3月甲府市議会定例会会議録第1号

                午後1時01分 開会

○議長(内藤幸男君) ただいまから平成4年3月甲府市議会定例会を開会いたします。

                午後1時02分 開議

○議長(内藤幸男君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 本定例会に提出する議案につき、市長から通知がありました。

 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますので朗読を省略いたします。

 次に、市長から議会に報告すべき事項であります報第1号専決処分について及び報第2号専決処分についての2件が提出されました。

 報告事項につきましては、お手元に配付いたしてありますので、御了承願います。

 次に、市長から平成3年9月及び12月定例会において採択されました請願及び陳情について、その処理経過及び結果の報告がありました。

 お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 次に、監査委員から平成3年11月末、12月末及び平成4年1月末の例月出納検査報告書並びに平成3年度定期監査報告書が提出されました。

 それぞれお手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 次に、平成4年1月16日から2月20日までの間、4回にわたり全国、関東及び県下の市議会議長会関係の会議が開催され、随員とともに出席いたしました。

 それぞれの会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 次に、平成3年度欧州行政視察団の視察報告書については、お手元に配付いたしてありますので、御了承願います。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員には会議規則第167条の規定により、
 堀口菊雄君
 末木隆義君
 細田 清君
を指名いたします。

 次に、日程第2会期決定についてを議題といたします。

 お諮りいたします。

 今期定例会は、招集の日から3月26日までの23日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(内藤幸男君) 御異議なしと認めます。

 よって今期定例会の会期は、23日間とすることに決しました。

 次に、日程第3 議案第1号から日程第41 議案第39号までの39案を一括議題といたします。

 市長から提案理由の説明を求めます。

 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 平成4年3月市議会定例会の開会に当たり、市議会はじめ市民各位、関係各方面の本市政への厚いご支援に対しまして心からの感謝を申し上げますとともに、市政運営に対する私の所信の一端と平成4年度予算案の概要を申し述べ、一層のご理解ご協力を賜りたいと存じます。

 私は、昨年4月の統一地方選挙において、市議会議員各位とともに当選の栄に浴し、第33代甲府市長に就任いたしました。以来今日まで10か月余りが経過しました。

 これまでの間を振り返りますと、就任間もなく、一部組織の見直しと特別職や一般職の人事に取り組みました。特別職には議会のご同意をいただき、一般職では、適材を適所に配することを旨とし、さらに、その底流には、配置された職場で適材たらんとする職員の努力に期待いたしました。

 7月からの3か月は、市内28地区それぞれの「地域のまちづくりを語る集い」に出席し、地域の切実なる願いや甲府市を考える上での提言をいただき、ほんとうの勉強をすることができました。夜遅くまでご協力をいただいた自治会や各種団体、地域の皆さんに感謝し、今はその期待に応えねばとの念でいっぱいであります。

 また、第三次甲府市総合計画の中・後期基本計画の見直し作業にも、庁内策定委員会等を設置して全庁体制を整えるほか、市民参画の総合計画審議会、市民アンケートに加え、行政として初めての市外からの通勤者アンケートも駆使して、社会経済情勢の激しい動きに対応でき得る基本計画の策定をめざしました。

 この間、6月市議会では、私の所信を表明させていただき、9月市議会では、新年度に向けての政策のベースとなる補正予算も計上させていただきました。また、12月市議会では、代表質問にお答えする形で、見直し基本計画の骨格につきましても明らかにいたしましたし、公約としての都市計画税の減税も新年度実施が実現できるところとなりました。市議会の暖かいご理解とご協力に改めて感謝を申し上げるところであります。この3回の定例市議会で論議されました数々の事項は、時代変革的な社会経済活動に対応していくための貴重な提言であり、市議会の意向と受け止め、今後の市政に生かしていく決意です。こうした経過と、去る1月27日の市議会全員協議会においてご説明申し上げましたように、総合計画審議会の答申も尊重し、私が提唱してまいりました「レインボー甲府21」構想を、今次見直し基本計画に整合させながら、21世紀までの残りの9年間に、本市が変革顕著な諸情勢に的確に対応していける都市機能を整える最重点課題として、レインボープラン7大プロジェクト21基幹事業を掲げました。

 この新基本計画は、21世紀という新しい時代を展望し、その時代がすべての市民にとって、ゆとりと豊かさ、やさしさの実感できる時代となることに虹の橋を懸けるとともに、現在や新時代が求めているものに応えていくことを施策目標としています。そして、これら重点的施策の実行を期していくために、すべての市民とスクラムを組んで推進していくシステムとしての、エコープランの基本計画を明らかにしました。こうして、これら重点として掲げた施策が、21世紀までに計画どおり遂行されたとき、本市は、県都としての風格を整え、文字どおりの地方中核都市を形成していくことと、思いを馳せています。

 そのレインボープラン7大プロジェクトとは、
 第1が、福祉・医療・保健のネットワークシステムの確立であり、高齢化時代を見通した新市立甲府病院と市民総合保健センターの建設、福祉施策の推進であります。

 周知のように、長寿社会への適切な対応は、いずれの自治体でも緊急課題だと思います。とりわけ、全国平均を上回る速さで人口の高齢化が進行していく本市にとりましては、福祉と医療と保健という3分野のネットワークづくりは、まさに焦眉の急と申せましょう。高齢者の特性といわれている所得の減少など経済的な不安、疾病などの健康上や医療面の不安、孤独への不安という3つの側面に行政的な施策が強く望まれています。

 第2は、環境変化に対応する商工業振興の促進であります。

 近い将来の高速交通体系の整備促進や内需を中心とした生活大国への国内経済運営、人口のスプロール化による新市街地の形成や中央部商店街活性化への対応、ハイテク企業と地場企業の共存共栄のための施策展開は、これまで以上に求められるものと考えます。さらにまた、人々は、単なるモノの消費者から、多様で個性的な欲求をもつ生活者へと質的に変化しています。即ち、生活そのものが文化になるという生活文化創造の時代となってきています。都市間競争が激化していく流れの中にあって、本市商工業振興のカギは、生産者や販売者側の論理ではなく、消費者・生活者側の論理に立つことだと考え、ライフファッションをコンセプトとした振興施策をポイントにしてまいります。

 第3は、快適な住環境の形成であります。

 都市としての活力の源泉は、世代の切れ目のない定住人口の確保であります。地価の高騰、モータリゼーションの著しい進展、道路網の整備、核家族化等々の時代の変遷と、県都としての都市機能の整備充実とは裏腹に居住人口の郊外化が進んでいくという現象はありますが、県都であること、地方中核都市であること、広域行政推進の中心都市であることなど、文字どおり活力のある甲府としてのまちづくりには上・下水道が整備され、ごみのない明るく快適で適度に距離感のある居住環境の醸成が不可欠な要素だと考えています。

 第4は、みどり豊かな環境の創出であります。

 都市のデザインは、まさにみどりで決まるものと考えます。自然の豊かさ日本一の本市のみどりを山岳地帯とともに、市街地にも創出し、緑の空間と花いっぱいの環境づくりに努めたいと思います。

 第5は、ゆとりと豊かさ、生涯学習の推進であります。

 この世に生を受けた以上、互いに助け合い、ゆとりと豊かさの中で文化的活動をしていくことは、洋の東西を問わずすべての人々の願いであると考えます。人間の経済的欲求を超える教育文化的要望に応えられる、生涯是学習という社会的な土壌の醸成とシステムの構築をめざしてまいります。

 第6は、コミュニティ活動の推進であります。

 地域住民間の連帯性の保持は、安全で、美しく、人間性豊かなコミュニティを形成していくものと考えます。都市生活の中で、人間性豊かなつながりを持とうとすることは、市民性にもなり、大切にしてまいりたいと思っております。そこでコミュニティ活動の中核となる施設の整備と、人々の活動交流を積極的に推進し、真に生活の豊かさを実感し得るまちづくりを行ってまいりたいと思います。

 第7は、広域的都市機能の構築であります。

 県民挙げて誘致運動を展開したリニア山梨実験線も建設着手され、実用線への移行も考察されております。太平洋と日本海を4時間で結ぶ中部横断自動車道も昨年の第29国幹審において増穂−双葉間15Kmが整備計画路線に、増穂−清水間58Kmが基本計画路線に、八千穂−佐久の間22Kmも基本計画路線と、それぞれ時期を早めて格上げされたことによって、その建設が急速に実現に近づいてまいりました。長い間、開かずの雁坂といわれていた甲府熊谷線も平成9年貫通の見通しとも報道され、また、JR中央本線の甲府新宿間60分も夢の話でない情勢となってきました。

 こうした本市にとっての有利な情勢から、これが実現の暁には、諸々の分野での都市間交流は激しさを増すものと予測されます。

 加えて、国の活力ある地方の成長を促す、地方拠点都市整備構想・中核広域行政圏構想、新産業文化業務拠点整備構想が相次いで打ち出され、今国会には、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案として提出されることが明らかになりました。さらに、地方分権特例制度、即ちパイロット自治体構想も提言され、一極集中緩和の重都構想も考え出されているように、首都改造のタイムスパンが縮められようとしている情勢です。本市は、その広域的都市機能構築に手早く取り組んでいかねばならないと考えられ、21世紀への都市としての命運が問われているものと思います。

 以上がレインボープラン7大プロジェクトの概要であります。

 この7大プロジェクトも、その実行性を確保していくためには、すべての市民の参画が不可欠であります。そこで、この7大プロジェクトと併せて、エコープランの基本計画を定め、具体的な事業の地域性を可能な限り明らかにいたしました。新年度以降、エコープラン推進組織体制を創設しながら、市民自らが作りあげる実行計画とマッチさせ、うるおいとやすらぎのある地域づくり、ひいては甲府市建設へと高めてまいりたいと考えています。

 さてここで、市政を取り巻く行財政の環境とその課題について触れてみたいと思います。

 まず、国の行財政の現状から申し上げます。

 激動の昭和から「内平かに外成る」、「地平らかに天成る」との祈りにも似た願いを込めて銘名された「平成」の時代は、その初頭において、世界を二分してきた東西冷戦構造に終止符が打たれ、また、ソ連邦の解体と独立国家共同体の創設がなされ、さらに、東欧諸国の民主化と経済の自由化、東西ドイツの統一、南北朝鮮の同時国連加盟による対立緩和、中東などでの和平への動きもあって、世界は、確実に多国間合意の上に立っての新しい国際秩序を構築しつつあるといえます。

 こうした新しく好ましい世界情勢の変革の中にあって、わが国は、その国際的地位にふさわしい経済協力や財政支援、地球環境問題などに対する国際貢献を求められており、国連の役割が増大しつつある中で、国連安保理非常任理事国として、世界平和への大きな政治的責任をも負っていくこととなりました。加えて、コメ市場の開放や対外貿易不均衡の是正等々も引き続き強く要請されています。

 一方、国内的には、東京一極集中から活力を持つ地方への転換、高齢化の一層の進行、出生率の著しい低下、労働力不足、生産重視型社会から生活者優先社会への改革、自然環境の保全など、まさにわが国の将来に向けてのグランド・デザインが問われている時代だといえましょう。

 こうした中で、戦後最長の経済成長を続けたいざなぎ景気を超える内需中心の平成景気も、これを支えてきた経済的諸要因が流れを変えて景気動向は下降期に入り、税収の伸び悩みで、国の行財政は厳しい局面を迎える状況となっています。

 そこで政府は、平成4年度末の公債残高が174兆円にも達する見込みとなり、国債費が歳出予算の20%を超えるなど依然として極めて厳しい状況にあることに加え、多額の建設公債に依存する現在の財政構造が、景気動向によっては特例公債依存体質への逆戻りという脆弱性を有しており、今後、急速に進展する人口の高齢化など社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債残高が累増しないような財政体質を作り上げていくことが緊要な課題であるとし、経済運営では、これまでのような内需を中心としたインフレなき持続可能な成長を図ることとしています。そして、これらを踏まえて、平成4年度の予算編成では、人件費など例外事項経費や削減対象外経費を除いた経常的経費は、引き続き10%の削減、投資的経費については、生活関連重点化枠と、さらに公共投資充実臨時特別措置のそれぞれ2,000億円の例外加算を除いては前年同額とし、既存の制度・施策について、さらに徹底した見直し、合理化を積極的に行っていくこととしており、対前年度比2.7%増という低率の総額72兆2,180億円の一般会計予算を定め、公共投資の増加による内需拡大と国際貢献を目的とした平成4年度予算案と財政投融資計画を今国会に提出しています。

 こうした国の行財政の厳しい現状を受け、地方行財政の課題とその対応について触れてみたいと思います。

 現下の地方財政は、中期的な健全化のための措置が講じられてきましたものの、平成3年度末現在で約68兆円にも達すると見込まれる地方債等による借入金残高を抱え、これらの償還が、今後大きな負担となるなど依然として楽観を許さない状況にあります。

 しかしながら、住民に身近な行政主体としての地方公共団体には、個性豊かな活力ある地域社会の実現を図り、社会資本の整備、福祉の充実などに積極的な役割を果たしていくことが期待されています。

 このため地方公共団体においては、自主的に行政改革大綱を策定し、事務事業の見直し、組織機構の簡素・合理化、定員・給与の適正化などに努めていますが、真に実効ある行財政改革を推進するためには、国と地方公共団体が適正な財政秩序を維持しつつ、国・地方を通じた行財政の簡素効率化を図ることが肝要だとされています。

 次に、本市の行財政の課題と対応であります。

 前段でも申し上げましたように、本市には、近い将来のリニア中央エクスプレスや中部横断自動車道の建設実現が視点に入り、さらに、甲府熊谷線もその開通に見通しが得られたことによって、産業・文化・情報・観光等々多方面での都市間交流の飛躍的な進展が期待されています。また、本市は、国による地方拠点都市整備構想の候補地にも挙げられ、地方の自主的成長を促す支援施策が将来的に講じられる可能性を有していることにより、首都機能の受け皿としての展望が開けつつあると思います。さらに、30万都市構想を掲げる本市には、その中心都市として、業務・通信、教育文化、医療福祉など多様な都市機能の早期整備が求められています。

 本市を取り巻くこうした時代変革的な行政需要には、的確かつ英断的な対応が不可欠であり、本市のグランド・デザインである第三次甲府市総合計画の新基本計画の着実な推進が、来たるべき21世紀を切り拓き、真に日本列島の中心地にふさわしい甲府市になるための大前提となりましょう。

 しかしながら、本市財政も景気動向に少なからず影響を受け、また、国庫補助負担率の復元据え置き、公債費等義務的経費の増嵩、起債率の引下げなどによって、これまでになく厳しい財政運営を強いられています。

 こうした財政事情の下で、新しい都市基盤の整備や市民需要に機敏に対応していくには、自主的な行財政改革をさらに進め、民間能力の積極的な活用を図るとともに、市民合意の下に市民と行政との役割分担を進め、さらに広域圏自治体とも都市機能を分担していくことが必要であり、これらに向けて、市民・市議会の深い理解と協力を得るなかで、全職員挙げて公平かつ公正な市政執行に努めることが肝要であると考えます。

 以上の課題と対応を踏まえ、平成4年度の市政執行方針は、次のとおりといたしました。

1 第三次甲府市総合計画の新基本計画のスタート年次としての本年度は、未来都市甲府という視点に立って、レインボープラン7大プロジェクト21基幹事業を最重点として、総合的・計画的行政執行に努める。
1 行政課題に的確に対応する職員意識の確立と効率的な組織機構の構築、財政の重点的かつ効率的運用、民間能力の活用、市民と行政との役割分担、受益者負担の適正化、市民負担の軽減等々、行政に都市経営的発想を生かした市政の推進に努める。
1 新時代を見通した都市機能の計画的整備に努めるとともに、甲府盆地一帯の広域圏的行政の展開を図る。
1 自然環境を守り、真に地球にやさしい施策を積極的に進めるとともに、「まちづくり基金」や「人づくり基金」等の主旨を生かし、ゆとりと豊かさを味わえる施策の推進を図る。
1 すべての市民とスクラムを組む市民参画の市政と、「行政は最大のサービス産業」即ち「呼べばこたえる、打てば響く」市政の推進に努める。

 この市政執行方針に基づき、予算編成方針を定め、総合計画見直し後のいわば新基本計画スタート年次としての平成4年度予算の編成を行いました。

 この結果、新年度予算の規模は、
 一般会計700億2,143万円、特別会計527億6,254万9,000円、総計1,227億8,397万9,000円となりました。

 これを平成3年度の当初予算と比較しますと、
 一般会計では、119億5,200万円の増で、20.6%の伸び、特別会計では、10億9,913万円の増で、2.1%の伸び、全体では、130億5,113万円の増で、11.9%の伸びとなり、新基本計画の実施初年度として、厳しい財政事情下ではありましたが、市民要望にでき得る限り応える予算を計上いたしました。

 施策課題別の主要な事業に係る予算としましては、福祉の向上の施策が16億7,340万2,000円、教育・文化の振興の施策が26億6,038万3,000円、生活環境の整備の施策が127億8,181万4,000円、都市基盤の整備の施策が47億4,154万3,000円、産業の振興の施策が60億6,173万9,000円、計画推進の方策が3億3,190万5,000円で、合計282億5,078万6,000円であります。

 また、このうち、7大プロジェクト21基幹事業の予算としましては、
1 福祉・医療・保健のネットワークシステムの確立として、13事業2億9,014万円
2 環境変化に対応する商工業振興の促進は、13事業69億6,016万7,000円
3 快適な住環境の形成は、11事業、16億4,117万5,000円
4 みどり豊かな環境の創出では、13事業8億643万5,000円
5 ゆとりと豊かさ、生涯学習の推進は、12事業1億1,207万5,000円
6 コミュニティ活動の推進は、6事業2億3,310万8,000円
7 広域的都市機能の構築につきましては、6事業 4億6,308万5,000円
 合計74事業 205億618万5,000円としています。

 以下、本予算の主要な施策について、その概要をご説明申し上げます。

 まず、「福祉の向上」について申し上げます。

 高齢者福祉では、在宅福祉推進のための介護手当を大幅に引き上げ年18万円とし、また、家庭奉仕員の増員とその待遇を改善するなど長寿社会への環境づくりを図ってまいります。さらに、北東部福祉センターの建設へ向けて調査費を計上しました。痴呆性老人対策としては、特別介護棟の人件費を助成し、老人福祉施設改築補修にも財政支援して施設福祉の充実向上を担保し、新たに、高齢者保健福祉推進十か年戦略推進のための高齢者保健福祉計画策定に向けて、調査していくこととしています。また、福祉を支える人材の確保育成に向けて、新たにマンパワーの育成にも努めることとしました。

 児童福祉では、私立保育所の施設増改築・衛生設備・遊具等の整備への助成を行い、心身障害児者福祉としては、社会復帰を促進する総合福祉センターの早期建設に向け、用地取得に努めるとともに、社会行動を促進するガイドヘルパーの活動助成、在宅重度心身障害者へのタクシー料金助成制度の創設のほか、社会復帰を促す通園事業への助成増を図り、授産施設新設と既設施設への助成も行います。

 勤労者福祉では、勤労者住宅資金に3億円の融資枠を確保して持ち家を促進し、生活安定資金等の融資が円滑にされるよう県労働者信用基金協会への出損もしてまいります。市民いこいの里も年次的整備により、自然の中でのレクリェーションを楽しめるようにしたいと思います。

 国民健康保険事業では、国民皆保険制度の趣旨に則った運営を行いますが、保険料限度額の引上げでは、国の制度との整合性をも図りながら、国保世帯の負担軽減に意を用いてまいります。また、65歳以上の医療費助成制度は、市独自事業として堅持してまいります。

 保健衛生では、節目健診について40歳到達者に加え、新たに50歳到達者へも拡大するとともに、市民総合保健計画推進の拠点としての市民総合保健センターの建設へ向けての調査活動も展開したいと思います。さらに、市民の多様なヘルシー活動にも助成するなど健康づくりをめざしたいと思います。

 市立甲府病院の運営では、基幹病院としての二次医療本来の体制と機能が求められ、併せて公立病院としての性格や地域医療確立の面からも市民に身近な病院としての対応が望まれます。医師・医療技術者・事務スタッフの一体となっての経営努力をさらに進めるとともに、高度医療機器として、MRI(磁気共鳴断層診断装置)を導入して検査技術の充実をめざします。新病院の建設につきましては、その位置を定め、以降年次計画に沿って着実な推進を図りたいと思います。

 消費者対策では、相談員6人による消費者保護活動を展開するとともに、消費生活展や消費者デーのイベントによって、消費者の生活安定と向上をめざします。

 青少年対策では、青少年の非行防止を意図した「21世紀を考える少年の主張」大会を開催したり、青少年健全育成強調月間での記念講演会も催します。

 女性の社会参加の促進事業では、女性市民会議の設置、女性行動計画の推進、また女性の社会参加活動の拠点としての女性交流センターの建設調査も行ってまいりたいと考えています。

 地域コミュニティ施策では、新基本計画の実行を期すエコープラン推進地域体制の確立をめざすとともに、中心的活動施設としての地域市民センター、コミュニティ施設、市民会館等にそれぞれ建設着手のための関係経費を計上し、年次的・地域的整備に配慮していくこととしています。

 また、新年度完成が予定されている公共施設の管理運用面への市民参画として、市民嘱託員制度の運用も研究し、市民の地域への帰属意識の高揚にも努めたいと考えています。3年目を迎える市民ふれあい推進事業も一層の定着発展を期待し、継続事業としていきます。10周年を迎える核兵器廃絶平和都市宣言事業もさらに定着推進し、他都市との協調推進として第6回国際非核自治体会議にも積極的に参加し、再びあの悲惨な戦禍を招かない決意を新たにいたしたいと思います。また、市民憲章の推進を図るとともに、単位自治会当たりの業務委託料の増額、単位自治会活動費の増を図り、自主的な地域活動をさらに助長したいと考えています。

 次に、「教育・文化の振興」について申し上げます。

 まず、新しい時代を担う人づくり基金事業としては、地域社会と学校教育との交流事業への助成や児童生徒の善行表彰等々を行いながら、新時代への人づくりに寄与してまいります。

 生涯学習では、その指針となる生涯学習大綱を定めるとともに、これに基づき体系的な環境の整備や新たな試みとしての生涯学習フェアの開催など、市民総生涯学習の機会を拡充いたします。

 幼児教育では、幼稚園就園奨励費助成対象の3歳児以上に対し、世帯別助成額の増改定を行います。

 小中学校では、創立間もない大国小学校ですが、人口の著しい伸びにより4教室を増築し、併せて屋外環境も整備して教育環境の維持に努めることとしました。懸案の相生小でも屋内運動場の増改築と屋外環境整備を行い、北東中につきましては、本年10月完成をめざし校舎の増改築と校庭や屋外環境を整備していくこととしています。

 また、平成3年度から年次的に整備していくこととしている各教室へのFF式暖房機器は、新年度からは小中学校同時並行的に設置していきます。学習指導要領改訂に伴う教材教具につきましては、新たに策定した甲府市標準教材整備計画に基づき、一層の充実整備に努めるほか、情報基礎教育の平成5年度実施に向けての教育用コンピュータも整備します。

 なお、適正な教育環境の醸成をめざす小中学校の適正規模化事業としては、その実態調査や有識者によるシンポジウムも開催するなどして、将来計画を立てる基礎資料を得てまいります。

 学校図書館事務職員の人件費については、増額してその待遇の年次的改善を図り、外国人就労者子弟の就学教育相談、不登校児等の学習相談指導、学校5日制への研究や懸案の中学校給食についても具体的な調査活動を新たに実施していくこととしています。

 市立甲府商業高等学校では、創立90周年記念特別事業としての文化・スポーツ研修館の2年次工事を継続し11月完成をめざします。

 高等教育では、開校2年次を迎える市立甲府商科専門学校が、予定どおり定数を満たし、施設面の整備充実とともに、いよいよ第1期卒業生を社会に送り出す年度ともなります。この間の教育の成果が問われる重要な年次と位置づけ、学校現場と教育行政との連携を一層強化し、所期の目的が達成されるよう努力していきたいと思います。

 社会教育では、老朽化している中央公民館の建設調査や新図書館の早期建設に向けての基本設計にも着手するほか、時代に沿うこども情報科学館も開き、将来展望への足がかりとしてまいりたいと思います。

 社会体育では、財団法人設立5周年を迎える甲府市体育協会には、その記念大会に助成して今後一層の発展を期待するとともに、地区市民運動会運営経費を増額し、また、ねんりんピック開催事業も委託して市民挙げてのイベントとし、スポーツ全般に対する市民理解を深めたいと考えています。また、多様なライフスタイルやライフステージの広がりに併せてその欲求に応えていくため、新たにレクリェーション協会設立調査も行いたいと思います。

 芸術文化では、文化振興基金事業としての芸術文化サークルの育成や国内初の姉妹都市を締結した大和郡山市での出演も予定している甲府交響詩の普及活動を展開します。また、全国レベルの評論、建築、デザイン、映像など多彩な分野の文化人が集い、繰り広げられるシンポジウム「日本文化デザイン会議」の誘致運動が実り、10月に本市において開催される運びとなり、本市の更なるイメージ・アップになるものと期待しています。さらに、文化振興推進母体としての地区文化協会への活動費の増額も行って、その活性化を図ることとしています。

 総合市民会館では、芸術文化・スポーツ等々の殿堂としての事業に加え、優れた芸術文化鑑賞機会の創出、市民参加創造事業、国際交流やスポーツ振興事業等々の自主企画事業も実施し、市民に親しまれる施設運営を行ってまいります。

 次に、「生活環境の整備」について申し上げます。

 公営住宅の建設では、平成3年度継続事業分の70戸を完成し、1戸当たり面積を拡大した新年度継続費設定分80戸の建設に着手してまいります。

 水道事業では、水道水源保護対策としての合併処理浄化槽の設置促進や出水不良地域解消の一環としての猪狩・御岳両町への小規模水道の整備に着手するとともに、防災対策としての小規模水道消火栓も設置し、また、市民の非常時における飲用水の早期確保をめざして、非常用貯水槽設置期間の短縮を図っていくこととしています。

 下水道事業では、使用料の改定が行われた初年度として、当該事業のより効率的運営を期すとともに、地域のまちづくりを語る集いで市民要望の最も高かった公共下水道の早期普及について、その計画期間の短縮に最大限の行政努力をしてまいりたいと思います。

 道路整備では、環状線へのアクセスや生活環境向上のための一般市道、生活関連道路、橋梁、側溝の新設改良補修等に年次的な取り組みを行うほか、引き続き道路景観形成事業にも力点を置き、市道用地についての登記整備もしてまいります。

 清掃事業では、引き続いてごみ処理施設の建設を推進するとともに、新たにごみ埋立処分場建設にも取り組みます。また、明るくきれいなまちづくり基金事業や、省資源・省エネルギー化を定着するため、有価物や資源ごみの回収、生ごみの家庭処理の普及、簡易焼却の促進などを重点施策として推進してまいります。さらに、国連環境問題会議(地球サミット)が開かれる新年度を本市では、地球環境元年と位置づけ、後世代に憂いを残すことのない施策推進の先鞭をつけたいと考えていますし、その一環として、電気自動車の導入を図ります。地域整備事業も地元の協力を得て、着実に遂行していく考えであります。

 防災対策では、「備えよ常に」を念頭に入れ、非常用貯水槽設置促進、防火水槽や消火栓、小型動力ポンプなど消防施設の年次計画的な整備、急傾斜地の崩壊防止に努め、自主防災組織の育成も図ってまいります。

 防犯対策では、防犯意識を高揚し、犯罪のない明るい地域社会を築くため、新たに創設された「ひまわり基金」に出損して、更生保護事業に携わる保護司等の諸活動を物心両面から支援してまいります。

 交通安全対策では、交通安全施設としてのガードレールやカーブミラーの年次的な整備を継続し、路面のグリーン塗装も行い、悲惨な交通事故防止に積極的に対応したいと思います。また、交通災害共済事業では、その加入率の向上に努めてまいります。

 次に、「都市基盤の整備」について申し上げます。

 まず、都市緑化では、みどり豊かなまちづくりの基金事業を核として、まちづくり表彰制度の創設や緑化ポスターコンクールを通して緑化啓発や地域・公共緑化事業も進め、フラワータウンづくりのアクションとして、花の名所づくりに着手してまいります。

 公園整備では、堀之内南公園と徳行公園を完成させるとともに、引き続き千塚公園等の整備を進めてまいります。

 とりわけ、緑が丘スポーツ公園は、その抜本的な施設改築として陸上競技場の整備に着手し、市民に親しまれるスポーツ交流の拠点にしてまいりたいと思います。

 動物園では、成都市動物園との動物交流を行います。また、新たに動物を購入し、子どもたちの夢がふくらむ動物園づくりに努力していきたいと思います。

 市街地整備では、市施行の寿宝地区、甲府駅周辺地区土地区画整理事業のほか組合施行の事業も行ってまいります。また、残存農地の開発推進にも取り組み、まちづくり研究会への活動助成や調査・測量も行う考えです。さらに、寿宝地区・中央4E地区・国母南地区・連雀問屋街の市街地再開発事業の促進、駐車場附置義務条例の制定に向けての調査研究を進めるとともに、平成3年度に、土地利用計画の実行性を確保するため取り組んでまいりました想定土地利用計画の策定作業を新年度には完了してまいります。

 新都市拠点整備事業では、22.1haの土地区画整理事業を中核として、アーバンスタディセンター建設用地取得、人工地盤の基本設計、民間施設立地促進、南北一体化調査事業の一環としての甲府駅エスカレーターの設置や平和通りと武田通りを有機的に結ぶ調査活動も行いたいと思います。

 都市景観形成事業としては、ガイドプランも発行して、これに基づく事業を推進し、秩序ある都市環境を形成したい考えであります。

 国土調査法に基づく地籍調査事業では、職員体制の拡充を図り、事業の推進に努めてまいります。

 交通体系の整備促進では、中部横断自動車道建設促進のためのルート日本海一太平洋シンポジウムを本市において開催します。また、リニアなど高速交通網の早期整備に向けても、その促進運動を展開してまいりたいと思います。

 街路事業では、本市都市基盤のより充実のための環状線、即ち、高畑町昇仙峡線、善光寺町敷島線の建設を推進し、そのほか、4路線の継続工事や県営事業としての愛宕町下条線池田工区にも事業負担し、これが推進を図ります。

 最後に、「産業の振興」について申し上げます。

 商工業の振興では、ファッション工業団地の建設促進、南部工業団地の建設分譲、中心商店街活性化のための駐車場、駐輪場の建設調査活動も展開するほか、ファッション都市構想や雇用対策も推進してまいります。また、特産品販路開拓や産業基盤強化、集団化育成などにより、地場産業を振興するとともに、南部工業団地立地企業への奨励金の支給を継続し、工業高度化推進事業母体としての山梨21世紀財団や地場産業センターにもそれぞれ財政支援を行います。小売商業振興指針につきましては、策定が終了したことにより、新年度には発刊しますし、地域工業振興指針の策定にも取り組み、新しい時代への指針にしたいと考えます。さらに、大店法改正に伴う商店街の活性化にも積極的に対応するほか、商工業指導機関としての甲府商工会議所の運営への助成や中小企業資金貸付けもスムーズな融資手続きにより行ってまいります。テレトピア計画の一環としての駐車場案内システムにも引き続いて助成を行いますが、将来に向けての改善も研究したいと考えています。

 農業振興では、継続的事業としての農村土地利用計画を、地元関係者との協議をさらに進め、この策定に向けて努めてまいります。また、農業基盤整備としての農道・水路の改良、土地改良、ため池補修などを年次計画に沿って実施します。さらに、年次的に整備している農業センター試験展示圃場についても、造成工事や水道工事、ぶどう棚の架設等を行い、農業先端技術開発にも、農業技術公社を通じて取り組んでまいります。このほか、国際親善推進のための人的、技術的な交流事業を一層進めるため、ポー市へ農業技術者を派遣するほか、成都市からの考察団や研修生も受け入れます。

 林業振興では、北部山岳地域の振興策として、帯那山高原牧場、マウントピア黒平や四季の森などを整備推進するとともに、公有林整備や小規模治山事業の年次的推進によって、造林保育や防災対策を講じ、主要林道の改築・改良、開設、舗装も行うほか、県営林道舗装事業にも負担金を計上し、その振興に努めます。

 観光事業では、観光客誘致対策として、国内姉妹都市大和郡山市にも観光キャラバン隊を派遣し、新たな需要を掘り起こしたいと考えますし、千代田湖活性化策についても調査研究してまいります。観光施設整備事業としては、雁坂峠の貫通による埼玉県との観光交流を見越して、同道路への観光案内誘導塔を設置します。また、天神森への総合案内板も設けます。甲府大好きまつりの一層の隆盛にも努めて、信玄公祭りとともに二大市民まつりとしての定着を期し、小田原・甲府・上越の三国武将サミットにも観光団を派遣し、甲州街道フェスティバルは本市で開催するなど、観光宣伝に努めたいと思います。

 このほか、観光絵葉書、観光宣伝用ビデオテープも新たに製作し、また、初の試みとしての1市5町(甲府広域圏)による地域観光振興計画の策定や県大型観光キャンペーン推進協議会の事業の推進にも、それぞれ負担金を計上し、イメージアップと通年観光をめざすこととしました。

 中央卸売市場事業では、第五次市場整備計画事業としての配送センターがこの6月には新装なって供用開始される予定であり、新年度からの低温卸売場の新設、屋外トイレの改良、汚排水管布設等もそれぞれ施工して市場機能を高めてまいります。こうした中で、受益の範囲での施設使用料の見直しも行ってまいりたいと思います。

 以上の主な事業を推進し、所期の目的を果たしていくための計画推進の方策について申し上げます。

 まず、市民参加についてであります。

 まちづくりは、市民の自主的・積極的な参加が基本であるとの認識に立って、各種の委員会や協議会、懇話会等によって市民の行政参加機会を創出してまいりました。また、市政モニター、市長対話、市長への手紙、地域のまちづくり集会等を通じて、市民の要望・意見の把握に努め、市政に反映しております。

 新年度には、広聴・広報活動の一層の充実強化を図り、市政に対する市民の理解を一層深められる体制とし、参加意識を高めてまいりたいと思います。また、地域住民が自ら作り上げるエコープラン実行計画を通して、自治意識の高揚と参画機会の拡大も図ってまいります。

 次は、行政運営であります。

 本市を取り巻く社会経済情勢は、ご承知のような高速交通体系の整備促進や首都圏一極集中の是正構想などによって、その動きを早めています。急激に変貌していく情勢に的確に対応していくには、行政組織の柔軟性が必要です。いわゆる種々変化する事象を正確に把握して分析し、施策に反映するという政策機能の早期整備が求められているのであります。

 このため、第三次総合計画の新基本計画の柱であるレインボープラン7大プロジェクトや、地域住民の声を直接市政に反映させる地域計画、即ちエコープラン、さらに、重点課題である総合土地利用対策等々を、的確な情報管理のもとに、都市経営的発想を生かして積極的に推進できる体制づくりと、併せて、市民にわかりやすい、機能的で効率的な組織の構築と運用を目途に、スクラップアンドビルドを基本として、組織改正を行うため、本議会に条例案を提出しております。

 このほか、公共施設の管理運営への市民参画と効率化をめざした市民嘱託員制度確立に向けての試行も行い、事務処理では、経営の発想をもって効率化でき得るよう、電算化、OA化を推進するとともに、民間能力も積極的に活用したいと思います。

 また、職員の能力開発にも努め、都市間や外国への長期派遣などによって、人材としての育成を図りたい考えでありますし、職員からの政策提言を推奨し、私との直接対話も継続していきたいと思っています。さらに、組織に活力を持たせるとともに、市民の求めるところに求める施策が講じられるよう、ライフステージの広がりと価値観の多様化に併せて職員の若年定年制を研究し、外郭団体活性化と事業遂行能力アップのため、これら若年定年職員を派遣できるようなシステムを考察し、加えてその受け皿についても施策振興事業団や協会等の構想をもって、新時代の要請に応えてまいる考えであります。

 次は、財政運営であります。

 地方財政の環境は、国家財政の影響をまともに受けて、一段と厳しさを増しています。

 とりわけ、総合計画中期には、大型主要事業の建設が数多く予定されていますから、国庫補助負担率の復元据置きや起債率の引下げによって、厳しい財政運営を強いられます。

 そこで、使用料・手数料などは、受益者負担の原則をベースにおいた見直し改定を行うとともに、税財源の確実な捕捉に努めてまいりますし、もちろん、自主的な行財政改革もさらに進めて、経常経費の節減、補助金・奨励金の整理統合など、歳出増の抑制を図るほか、国と地方との財源を含む権限移譲についても、全国市長会や首都圏県都市長懇話会等々を通じて、国に対し、早期実現を働きかけてまいりたいと考えております。

 本市の中期財政運営は、ほんとうに厳しいものがあり、まさに正念場を迎え、都市経営的手腕が問われるわけですが、全職員と一体になり、必ずやこれを切り抜け、来たるべき新時代への社会資本の充実を期してまいる所存であります。

 次は、広域行政についてであります。

 市民の日常生活圏や経済活動圏は、行政区域を超えて急速な拡大傾向にあり、従って、市民ニーズも多様化・広域化してきております。

 ここに、広域行政推進の必然性があり、本市では既存の中巨摩東部5町との広域行政に加え、新時代を見据えた東八代各町との連携や公共施設の相互利用も図りながら、時代変革的な社会経済情勢の動きに対応する30万都市機能の早期構築に向けて今後一層、取組みを強めてまいります。

 以上、新基本計画のスタート年次に当たって、前期基本計画の集大成に立ち、総合計画審議会や市議会、多くの市民懇話会・協議会からの提言も踏まえて、21世紀という新時代を展望しながら、私の市政運営に対する所信の一端と平成4年度予算案の概要について申し述べました。

 私は、昨年6月市議会定例会で、所信の表明を行いましたとおり、これからも、「行政は最大のサービス産業」と位置づけ、「呼べばこたえる、打てば響く」市政を一党一派に偏することなく、清潔・公正・信頼を旨として、「市民による市民のためのひらかれた市政」推進に、すべての市民とスクラムを組んで邁進してまいる所存であります。

 政治とは、思いやりがあり、人のいたみがわかるものでなくてはなりません。そのことを深く胸に刻み、常に初心にかえり、今後の市政を執行してまいります。

 ここに市議会議員各位、市民の皆様に、市政推進のためのなお一段のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げる次第であります。

 引き続きまして、新年度予算以外の案件につきまして、その大要を御説明申し上げます。

 まず、議案第11号「平成3年度甲府市一般会計補正予算(第6号)」につきましては、歳出において第1款議会費は、議員給与費及び一般経常経費を更正するための補正であります。

 第2款総務費は、一般管理費として、退職手当等所要額の追加、職員福利厚生及び健康管理費の更正、広聴活動費の赤字バス路線維持費補助金と債務負担行為償還金所要額の計上、基金管理費として、減債基金積立金並びに各特定目的基金積立金の追加計上、諸費として、防犯対策強化費を計上するための補正であります。

 第3款民生費は、社会福祉総務費として、社会福祉事業基金積立金及び国民健康保険事業特別会計繰出金の更正、身体障害者福祉費、精神薄弱者福祉費の追加更正、更に老人福祉費として、老人保護措置費、老齢者医療費助成事業費、老人保健事業特別会計繰出金、老人福祉施設整備助成事業費所要額の追加計上と児童福祉総務費並びに生活保護総務費を追加計上するための補正であります。

 第4款衛生費は、病院事業会計への繰出金の追加、清掃費として、ごみ減量化実施事業費、塵芥処理費に係る債務負担行為償還金及びし尿処理費を追加計上するための補正であります。

 第6款農林水産業費は、農業費並びに林業費に係る県補助金の確定等に伴う事業費の追加更正及び農地費に係る債務負担行為償還金所要額を計上するための補正であります。

 第7款商工費は、商工業振興費に係る商業関係団体組織強化事業費所要額の計上及び南部工業団地用地造成事業費を更正するための補正であります。

 第8款土木費は、道路新設改良費に係る債務負担行為償還金所要額の計上、土地区画整理費に係る国庫補助金の確定に伴う事業費の追加更正及び単独事業費の更正、更に街路事業費に係る県営施工事業負担金を更正するための補正であります。

 第9款消防費は、常備消防費として、甲府地区広域行政事務組合消防費負担金の追加、防災費として、一般管理費及び急傾斜地対策事業費を更正するための補正であります。

 第10款教育費は、小学校費、中学校費に係る国庫補助金の確定に伴う事業費の追加更正及び教育振興助成費の更正、中学校建設費に係る債務負担行為償還金の計上、専門学校費に係る一般管理費の更正、社会教育総務費の更正、文化振興費に係る史跡武田氏館跡整備事業費の追加更正、更に体育振興費に係る甲府市体育協会への出資金所要額を計上するための補正であります。

 第11款災害復旧費は、農業施設災害復旧費の財源更正をするための補正であります。

 歳入については、第1款市税、第8款分担金及び負担金、第10款国庫支出金、第11款県支出金、第12款財産収入、第13款寄附金、第16款諸収入及び第17款市債をそれぞれ追加更正するための補正であります。

 継続費の補正は、中学校校舎改築事業の年割額の変更と財源更正をするための補正であります。

 繰越明許費の補正は、市史編さん事業、観光施設整備事業、流川改修事業、善光寺町敷島線街路事業及び史跡武田氏館跡整備事業を設定するものであります。

 地方債の補正は、起債充当事業費の補正による借入限度額の変更をするものであります。

 次に、議案第12号「平成3年度甲府市国民健康保険事業特別会計補正予算(第4号)」につきましては、歳出において第2款保険給付費は、一般被保険者療養給付費及び退職被保険者等療養給付費の財源更正をするための補正であります。

 第3款老人保健拠出金は、老人保健医療費拠出金及び老人保健事務費拠出金をそれぞれ更正するための補正であります。

 第6款諸支出金は、過年度支出金を追加するための補正であります。

 歳入については、第1款国民健康保険料、第4款国庫支出金、第5款療養給付費交付金、第9款繰入金及び第10款繰越金をそれぞれ追加更正するための補正であります。

 次に、議案第13号「平成3年度甲府市老人保健事業特別会計補正予算(第2号)」につきましては、歳出において第1款総務費は、一般管理費所要額を追加するものであり、第2款医療諸費は、医療給付費の追加並びに医療費支給費及び審査支払手数料を追加更正するための補正であります。

 歳入については、第1款支払基金交付金、第2款国庫支出金、第3款県支出金、第4款繰入金及び第6款諸収入を、それぞれ追加更正するための補正であります。

 次に、議案第14号「平成3年度甲府市病院事業会計補正予算(第3号)」につきましては、収益的支出は、医業費用の材料費を追加し、収益的収入は、医業収益として外来収益及び医業外収益として補助金を追加するものであります。

 次に、議案第15号「平成3年度甲府市下水道事業会計補正予算(第4号)」につきましては、企業債に係る限度額の更正と、それに見合う財源として、当年度分損益勘定留保資金を追加するためのものであります。

 次に、議案第16号「平成3年度甲府市水道事業会計補正予算(第2号)」につきましては、資本的収入は、平成2年度決算において生じた剰余金を補てん財源に充てるため、企業債を更正するものであり、継続費は、昭和浄水場改良事業を執行するため継続費を設定するものであります。

 次に、議案第17号「甲府市事務分掌条例の一部を改正する条例制定について」は、総合計画の推進と効率的な行政執行体制の確立を図る組織整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第18号「議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、議会活動の増大と複雑専門化に伴う議員の職責の重要性を考慮するとともに、他都市の実情を勘案して議会の議員の報酬の改定について、特別職報酬等審議会に諮り、答申を得たので、これに基づいて改定を行うとともに、費用弁償の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第19号「特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、特別職の職員で常勤のものの給与及び議会の議員の報酬の改定に準じて、各種委員及び審議会等の委員の報酬を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第20号「特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、特別職の職員のうち常勤である市長、助役及び収入役の職責の重要性並びに他都市の実情を勘案し、給料の改定について特別職報酬等審議会に諮り、答申を得たので、これに基づいて改定を行い、更に常勤の監査委員及び水道事業管理者の給料についてもこれらに準じて改定するための一部改正であります。

 次に、議案第21号甲府市職員旅費支給条例の一部を改正する条例制定について」は、経済情勢の変動に伴う国家公務員等の旅費に関する法律の一部改正に準じて、本市職員の旅費の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第22号「公聴会参加者等の実費弁償条例の一部を改正する条例制定について」は、経済情勢の変動に伴う職員旅費支給条例の一部改正に準じて、公聴会参加者等の実費弁償の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第23号甲府市議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改正する法律による罰金等臨時措置法の改正により、地方公務員災害補償法に規定されている罰金の多額が引き上げられたことに伴い、条例による補償を受ける非常勤の職員の公務災害補償制度についても、同様の措置を講ずるための一部改正であります。

 次に、議案第24号「甲府市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定について」は、保険給付のうち、助産費の額を引き上げるための一部改正であります。

 次に、議案第25号「甲府市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、災害弔慰金の支給等に関する法律及び同法施行令の一部改正に伴い、災害弔慰金及び災害障害見舞金の額並びに災害援護資金の貸付限度額をそれぞれ引き上げるとともに、災害弔慰金を支給する遺族に関する規定等の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第26号「甲府市公害防止施設等設備資金貸付条例の一部を改正する条例制定について」は、組合でない者に対する設備資金の貸付限度額を引き上げるための一部改正であります。

 次に、議案第27号「甲府市道路占用料徴収条例の一部を改正する条例制定について」は、市道に係る占用料の額を国の定めた算定方法に準じて改定するための一部改正であります。

 次に、議案第28号「甲府市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例制定について」は、市場施設の増設等に伴い、当該施設の適正な管理を期するため、これらの使用料の額を定め、又は改定するための一部改正であります。

 次に、議案第29号「教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、特別職報酬等審議会の答申に基づく特別職の給料の改定及び他の一般職の職員の給料との均衡等を考慮し、教育長の給料を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第30号「甲府市市立の高等学校及び幼稚園の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、市立の高等学校及び幼稚園の学校医等の公務災害補償について、休業補償等の額の算定の基礎となる補償基礎額の改定等を行うとともに、地方公務員災害補償法に規定されている罰金の多額が引き上げられたことに伴い、同様の措置を講ずるための一部改正であります。

 次に、議案第31号「甲府市学校職員旅費支給条例の一部を改正する条例制定について」は、経済情勢の変動に伴う国家公務員等の旅費に関する法律の一部改正に準じて、本市学校職員の旅費の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第32号「甲府市入学準備金融資条例の一部を改正する条例制定について」は、大学等の入学に要する入学金等の実情を考慮し、入学準備金の融資限度額を引き上げるための一部改正であります。

 次に、議案第33号「甲府市市立幼稚園保育料条例の一部を改正する条例制定について」は、諸経費の増大等により、市立幼稚園の保育料の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第34号「甲府市職員の育児休業等に関する条例制定について」は、子を養育する職員の継続的な勤務を促進し、もって職員の福祉を増進するとともに、地方公共団体の行政の円滑な運営に資することを目的とした地方公務員の育児休業等に関する法律の制定に伴い、同法に基づく本市職員の育児休業等の取扱い等を定めるため、この条例を新たに制定するものであります。

 次に、議案第35号「甲府市ねたきり老人及び痴呆性老人介護慰労金支給条例制定について」は、在宅のねたきり老人又は痴呆性老人の介護者に対し、介護慰労金を支給することにより、介護者の労をねぎらい、老人福祉の向上に寄与するため、この条例を新たに制定するものであります。

 次に、議案第36号「中央地域広域的水道整備計画の同意について」は、水道法第5条の2第2項の規定により、山梨県知事から、中央地域広域的水道整備計画について協議があったので、これに同意するため、議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第37号から議案第39号までの「市道路線の認定について」の3案件につきましては、それぞれの路線を市道に認定し、維持管理を行うため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決を求めるものであります。

 以上が、本日提案いたしました案件の大要であります。

 御審議のうえ、御協賛を賜りますようお願い申し上げまして説明を終わります。

○議長(内藤幸男君) 以上で説明は終わりました。

 お諮りいたします。

 3月5日は議案調査のため、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(内藤幸男君) 御異議なしと認めます。

 よって、3月5日は本会議を休会することに決しました。

 休会明け本会議は、3月6日午後1時から開会、提出議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 本日は、これをもって散会いたします。

                午後2時23分 散会