平成7年3月甲府市議会定例会会議録第1号

                午後1時01分 開会

○議長(森沢幸夫君) ただいまから平成7年3月甲府市議会定例会を開会いたします。

 会議に入るに先立ち、1月17日の阪神・淡路大地震による5,000余名の犠牲者に対し黙祷を捧げたいと思います。

 御起立をお願いいたします。

 黙祷。

                (全員起立 黙祷)

○議長(森沢幸夫君) 黙祷を終わります。

                午後1時02分 開議

○議長(森沢幸夫君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 本定例会に提出する議案につき、市長から通知がありました。

 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますので、朗読を省略いたします。

 次に、市長から議会に報告すべき事項であります報第1号が提出されました。

 既に各位のお手元に配付いたしてありますので、御了承お願いいたします。

 次に、監査委員から平成6年10月末、11月末、12月末及び平成7年1月末の例月出納検査報告書、並びに平成6年度定期監査報告書が提出されました。

 お手元に配付いたしてあります報告書により御了承を願います。

 次に、平成6年12月定例会以降、関東及び県下市議会議長会の会議が開催され、随員とともに出席いたしました。

 会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。

 次に、村山二永君は一身上の都合により、本日欠席する旨の届け出がありました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員には、会議規則第167条の規定により
 依田敏夫君
 末木隆義君
 細田 清君
を指名いたします。

 次に、日程第2 会期決定についてを議題といたします。

 お諮りいたします。

 今期定例会は、招集の日から3月20日まで20日間としたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(森沢幸夫君) 御異議なしと認めます。

 よって、今期定例会の会期は20日間とすることに決しました。

 次に、日程第3 議案第1号から日程第32 議案第30号までの30案を一括議題といたします。

 市長から、新年度に臨む所信表明及び上程議案全部に対する提案理由の説明を求めます。

 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 本日ここに、3月市議会定例会の開会にあたり、市議会をはじめ市民各位、関係各方面の皆様の今日までの市政への御支援・御協力に対しまして心から感謝を申し上げ、市政運営に対します私の所信の一端と平成7年度予算案の概要を申し述べ、一層の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 所信に先立ち過日の阪神・淡路大震災について、一言お悔やみとお見舞いを申し上げます。

 去る1月17日未明に発生した兵庫県南部地震は、戦後最悪だった昭和23年の福井地震の規模をはるかに超え、5,000人を上回る死者を出したのをはじめ、家屋・建物の倒壊、火災の発生、道路・鉄道の寸断、電気・ガス・水道などのライフラインの壊滅など未曾有の大災害になりました。

 市議会では、いちはやく援助の手を差し伸べられましたが、本市といたしましても、多くの市民の皆様や職員の心からの御協力による義援金をお送りするとともに、庁内に「阪神・淡路大震災甲府市救援本部」を設置し、災害復旧への支援体制を確立し、給水・消火作業、負傷者の救助、避難所での医療活動、さらには、救援物資の搬出入などに総勢100名を超える職員を派遣し、被災地の一日も早い復興を願ってきたところであります。

 住民の生命と暮らしを守ることを本分といたします行政に携わる者として、言いようのないむなしさと悲しみを抱きながらも、犠牲になられました皆様に対し、ここに甲府市民を代表して、心より哀悼の意を表し、お悔やみ申し上げます。

 また、尊い家財を奪われ、今もなお不自由な生活を余儀なくされている多くの皆様と、全力で復旧活動をされております公共団体及び関係機関の皆様には、共に励まし合い、助け合う中で少しでも早い復興がなされ、安心した暮らしが取り戻せますよう心からお祈り申し上げます。

 国におかれましては、こうした時こそ勇断をもって支援にあたり、被災地の皆様の生活が一日も早く安定されますよう、強く期待するところであります。

 本市といたしましては、今後におきましても、でき得る限りの支援を行ってまいります。また、これを教訓に、本市の防災体制及び危機管理体制すべてについて再点検し、市民の生命と暮らしを守るべく万全を期してまいりたいと考えております。

 さて、私は、平成3年の統一地方選挙において、一党一派に偏することなく、公平で公正な市政運営を確立し、生活者重視の「市民による市民のためのひらかれた市政」の実現をお訴えし、21世紀に向けた真にゆとりと豊かさが実感できる成熟した都市づくりを掲げ、多くの市民の皆様の力強い御支援をいただき、名誉ある第33代甲府市長に就任して以来、既に4年が経過しようとしております。

 顧みますと、就任早々3か月をかけて、市内28地区の皆様から地域の声や願いをお聞かせいただき、私の政治への思いである「政治とは思いやりがあり、人のいたみがわかるものでなければならない」ことを改めて痛感するとともに、「行政は最大のサービス産業」であるとして、常に、市民の求めるところに呼応する「呼べばこたえる、打てば響く」市政運営こそが市民との信頼と協調の基本であると確信いたしました。

 こうした中で、市議会の御協力をはじめ、国・県等との緊密な連携に努めながら、第三次甲府市総合計画について、前期計画の集大成に努めるとともに、新基本計画の策定を行い、21世紀へ夢を託したレインボープラン7大プロジェクト21基幹事業を新たな重点施策として、21世紀を確実に見通した都市づくりを進めてまいりました。

 この4年間は、新基本計画の着実な推進に全力を傾注し、新たな時代への甲府市創造のため、快適性に富んだ都市づくりを視点に、超高齢化社会への対応、豊かな自然環境の保全、生涯学習社会の形成、地場産業の振興、超高速時代への対応など、かつてない厳しい経済環境の中で、県都としての風格を備えた都市づくりを行ってまいりました。

 まず、市民のコミュニティ活動、生涯学習活動の拠点となる北東部市民センターを完成させたのをはじめ、南部地域市民センター建設のための建設用地の確保を行ってきたところであります。

 さらに、市民一人ひとりの創意と工夫を生かす市民参加のまちづくりが重要である今、そのコミュニティ活動の中核施設となる「石田悠遊館」を開館させました。この施設は、市民が自由に利用できる開放型施設として、地域住民が自主管理するコミュニティ本来の形態といたしました。

 市民によるひらかれた市政の推進には、地域住民の自治意識の醸成や連帯及び地域への愛着心が重要であり、それぞれ地域での活動の拠点となる地域集会施設建設整備について、住民負担に配慮した施設整備補助制度の充実を図り、市民組織の育成強化にも努めてまいりました。

 また、本市にとって長年の懸案でありました新清掃工場が、地元の皆様、市議会並びに多くの関係者の格段の御理解と御協力により、建設に着手することができ、粗大ごみ処理施設については、平成5年7月に稼働させ、焼却工場についても、本年9月の火入れ式を目指して建設を進めております。

 埋め立て処分場建設につきましても、計画的推進を図ってきたところであります。

 リサイクル運動の推進では、ごみ減量に対する市民意識の高揚を図るとともに、資源化、再利用等ごみの減量施策の推進を図るべく明るくきれいなまちづくり基金を設置し、また、地球環境問題につきましても、市民意識の高まりの中で、庁内に地球環境問題連絡会を設置し、市民、事業者及び行政における問題提起を行い、その行動指針を策定し、地球環境保全への取り組みを始めるとともに、慢性的な水質汚濁河川となっている濁川流域が生活排水対策重点地域として指定を受けたのを機に、水質改善対策への計画を策定し、啓蒙に努めてまいりました。

 下水道事業につきましては、汚水幹線管渠の整備を積極的に推進するとともに、面的整備についても計画的に施行してまいりました。また、汚泥処理の効率化に向けた南部浄化センター汚泥焼却施設を建設するとともに、東部浄化センター雨水ポンプ場の改良を行うなど、さらなる公共水域の汚染・汚濁防止に努め、県庁所在都市としては、全国6位の普及率に達したところであります。なお、事業経営の効率性、経営性の観点から、平成3年度より地方公営企業法の財務規定を適用し、市民負担の明確化、公平化に努めてまいりました。

 高齢化や少子化の進む中で、レインボープランの第一の柱である福祉・医療・保健のネットワークづくりの拠点としての新病院は、地域医療の基幹病院として、将来の医療の変化や技術の進歩などにも十分対応できる近代的総合病院として建設するもので、今日まで地権者の方々をはじめ、多くの関係者の皆様の深い御理解と御協力により、ほぼ建設用地の取得を完了することができました。

 今後は、建設に向けて基本設計に入ることとなりますが、この新病院は阪神・淡路大震災のような震災時にも十分対応できる耐震構造で、本市や峡東、峡南地域を包括した医療の拠点となる施設として、一日も早く建設できますよう関係各位の御協力を切にお願い申し上げる次第であります。

 高齢者福祉では、国のゴールドプランに基づき、高齢者の実態や保健福祉サービスのニーズの高まりに応じ、目標年次である平成11年度までの保健福祉サービスの実施体制の整備を盛り込んで、高齢者保健福祉計画を策定いたしました。

 このほか、社会福祉法人が設置する老人福祉施設への補助を行い、施設の充実を図るとともに、在宅福祉で寝たきり老人等の介護者の負担軽減策として、老人及び痴呆性老人介護慰労金支給条例を制定し、介護手当の増額を図り、また、高齢者、心身障害者へのサービスを行うホームヘルパーを年次的に増員してまいりました。

 なお、心身障害者の社会参加を促し、社会とのふれあいを深め、生きがいに満ちた暮らしができるよう在宅重度心身障害者へのタクシー利用料金助成制度を実施するとともに、心身障害者の総合相談窓口、通所授産施設等を備えた心身障害者総合福祉センターの建設用地の取得も行ってきたところであります。

 保健衛生につきましては、市民の疾病予防、健康保持・増進を目的とした40歳節目検診を、働きざかり花の実年検診として実施し、対象者の拡大など充実を図ってきたところであります。

 甲府駅周辺の旧国鉄跡地の大規模空閑地を活用した高次都市機能を整備する都市拠点形成事業では、愛称「アスティ甲府」を公募により決定するとともに、(仮称)アーバンスタディセンター用地を取得し、また、土地区画整理事業については、減価補償金に伴う公共施設充当用地の取得を行い、現在、埋蔵文化財の試掘調査を行っているところであります。

 21世紀へ向けた活力ある産業都市として、組合施行による機械金属工業団地やファッション工業団地の建設促進に努めるとともに、南部工業団地の建設については、既に8社が立地した大津地区に続き、西下条地区においても、1組合(8社)ほか3社に公募分譲したところであります。

 市街地再開発事業では、中央4E地区や国母南地区が、事業認可を受けて事業に着手されるとともに、組合施行による土地区画整理事業につきましても、古府中地区においては換地処分を行い、事業が終息する運びとなりました。また、住吉地区についても、造成工事が完成し、現在、換地処分計画の作業中であります、さらに、国母駅北地区については、事業に着手しており、下飯田地区についても、着手を目前にしております。このほか、大里、山宮、水道局東の各地区において、準備組合を設立し、事業実施に向けて取り組んでいるところであります。

 人口の定住化の促進では、大国、後屋、城東、和田エコー住宅団地の優良宅地を分譲するとともに、公営住宅建設では、第1種120戸、第2種70戸を建設し、平成6年度からは、新婚世帯に対し、家賃助成制度を新設してまいりました。

 市民が日常身近に利用する住区基幹公園として、堀之内南公園、徳行公園の整備を行うとともに、緑が丘スポーツ公園の陸上競技場の改修等を行い、市街地の杜と緑を保全し、併せて防災機能を備えた施設として整備してまいりました。

 また、みどり織りなす、ゆとりあるまちづくりの推進を目的に、みどり豊かなまちづくり基金を設置し、緑化まつりを開催するなど緑化啓蒙を行ってまいりました。

 豊かな自然に恵まれた北部山岳地域の振興では、その核となるマウントピア黒平を、林業構造改善事業として、森林資源の総合利用の観点から市民の利用に供するとともに、帯那山高原牧場の整備にも意を注ぎ、北部地域全体の活性化に努めてきたところであります。

 高齢化、国際化、情報化の進展する社会の中にあって、行政とすべての市民が協働する真に住みよいまちづくりには、女性の視点によるまちづくりが重要であることから、女性市民会議を設置し、男女平等型社会の実現を目指した「こうふ女性プラン」を策定いたしました。

 教育施設の整備では、北東中学校新校舎の完成をはじめ、校舎の大規模増改築、柔剣道場の建設、屋内運動場やプールの改築、校庭の整備などを行い、また、教室への暖房機の整備、教育用コンピューターの導入など教育環境の整備、充実を図ってまいりました。

 生涯学習の推進では、甲府市生涯学習推進本部を庁内に設置して具体的な事業推進体制を確立する中で、生涯学習誌「あしたば」の創刊や市民レインボー大学の開催、学習機会を市民に提供する生涯学習フェスティバルの開催とともに、生涯学習指導員、地区相談員の登録・委嘱を行い、生涯学習の基盤整備に取り組んでまいりました。

 新図書館の建設では、あらゆる世代に利用される滞在型図書館として、平成8年度の完成を目指して建設を進めております。

 広域行政の推進では、地方分権制度など制度研究を行うとともに、魅力ある就業機会、都市的賑いなど多様な都市機能の集積や、良好な居住環境を有することによる地方の自立的成長を促し、地方定住の核となる地域づくりを目的に、本市を中心都市とした1市15町5村で、地方拠点法による地方拠点都市地域の指定を受けました。そして、関係市町村により、甲府圏域基本計画を策定し、それぞれの連携のもと、若者をも惹きつける魅力ある圏域づくりに取り組んでおります。

 本市といたしましては、新図書館や(仮称)リサイクルプラザなどをこの計画の中核施設として位置づけ、地方拠点法の支援を受けるとともに、業務拠点地区(オフィスアルカディア)の形成に向け、現在、立地円滑化調査を行っております。

 情報化の推進では、情報のもつ価値と手段、技術は大きく変貌を遂げる中で、本市では、甲府テレトピア、甲府インテリジェントシティ構想等の指定を受け、システム構築に努めてまいりましたが、地域間の情報の格差是正と生活関連の情報化への対応を図り、地域情報化を推進するため、平成5年度に甲府市地域情報化基本計画を策定し、第三次総合計画に情報化施策として位置づけを行うべく諸システムの検討を行ってまいりました。

 以上が、この4年間に取り組んでまいりました主な施策の概要であります。

 過般、出版された雑誌に「女性にやさしい都市番付」という特集が載っておりました。

 全国の県庁所在都市と政令指定都市を対象に、環境、生活、安全、育児、社会進出の5分野15指標において、女性へのアンケート調査を行い、そのデータをもとにしたランキングで、光栄にも、本市は総合第3位に位置づけられました。

 女性から見て、やさしく住みよいまちであるということは、男性をも含めたすべての市民に対する本市の市政運営をはじめ、あらゆる施策を通じての配慮が、高く評価されたものと思っております。

 これからも、これをひとつの励みにし、「やさしさの感じられる、わかりやすい市政」実現と、歴史と伝統に培われた本市を、感性豊かな「未来へ夢をつなぐまち」へと創造すべく、職員と一丸となって邁進してまいりますので、議員各位並びに市民の皆様の御指導、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。

 さて次に、市政を取り巻く行財政環境と課題につきまして申し上げます。

 まず、国の行財政の現状についてであります。

 国際社会は今、核開発問題や地域・国際紛争の多発並びに開発途上国の経済開発問題など地球的課題を抱え、先進諸国は国連安保理のもと、新たな国際社会秩序の構築に積極的な貢献を行っています。

 こうした中で我が国には、平和と安定が保持できる世界の枠組みづくりに積極的に貢献するとともに、世界の恒久平和に向け、国連平和維持活動への参加、調和ある対外経済関係の形成、さらには、開発途上国への経済開発に資し、地球的規模の課題である環境・人口・難民・エイズなどに対し、量的な最大援助国にとどまらず、国際的リーダーシップを発揮することが求められております。

 一方、経済はバブル経済の崩壊の影響に円高なども加わり、総じて低迷が続く厳しい状況にあり、国は早期に経済回復を図るべく平成6年度総合経済対策として、所得税・住民税の減税をはじめ、公共投資枠の拡大、中小企業対策など15兆2,000億円の過去最大の経済対策を実施してきたところであります。

 また、高齢化、少子化などへの取り組み、地方分権と規制緩和の推進、国土の均衡ある発展に向けての東京一極集中の是正や国際社会における国の責任の増大など、今後の社会経済情勢の変化に的確に対応できる行財政運営の確立に努め、内需を中心とした環境と調和の図れる持続的発展が可能な経済社会の構築を進めております。

 こうした中で国は、平成7年度経済見通しを国内総生産実質成長率2.8%とし、平成7年度予算については、6年度末の公債費残高が200兆円を超える見込みで、国債費が政策的経費を圧迫するなど、財政構造は厳しさを増す状況で編成され、予算規模は前年比マイナス2.9%の縮小予算となっております。

 次に、地方行財政の課題についてであります。

 現行の地方財政は、地方交付税の伸び悩み、国庫支出金削減の恒久化などにより、硬直的な状態にあり、その前途は厳しいものとなっております。

 しかしながら、地域の総合的行政主体としての地方公共団体は、自主的・主体的な活力ある地域づくりはもとより、生活者・消費者の視点に立った社会資本の整備、高齢化社会への対応、地域における経済対策など重点施策の推進に大きな役割を担わなければなりません。

 このような増大する財政需要に適切に対応していくためには、節度ある財政運営に努め、自主的・総合的行財政改革を強力に推進していく必要があります。

 次に、本市行財政の課題と取り組みについてであります。

 本市を取り巻く環境は、21世紀初頭には本格的な広域高速交通時代を迎えるとともに、高齢化社会への対応、高度情報化の推進、国際化の進展など社会経済情勢の変化を間近に控え、大きく変貌しようとしております。

 こうした社会情勢へ的確に対応していくため、新基本計画「レインボープラン7大プロジェクト」を重点施策とし、財政運営は景気低迷によりかつてない厳しい状況にあるものの、年度間調整を図りながら、市民サービスへの姿を基本とした行財政運営の健全化、効率化に努めてきたところであります。

 景気は回復の兆しが見えているものの、依然として低調な経済情勢が予想される中で、本市は21世紀へのまちづくりを推進するとともに、市民の需要に敏感に対応した行政運営を行うため、限られた財源の重点的かつ効率的配分に努め、すべての職員と英知を結集する中で創意工夫ある取り組みを行わなければなりません。

 以上、申し述べましたことを踏まえまして、新年度の市政執行方針を次のとおりといたしました。

1 第三次総合計画新基本計画に位置づけられた各事業の現状を的確に把握する中で、レインボープラン7大プロジェクトの計画的執行に努める。
2 活力ある自主的・主体的地域づくりの推進について、住民と行政がともに創意工夫に努め、都市経営的な発想やエコープランなどを生かした住民参加方式の構築を図り、受益者負担の適正化、行政の役割を明確にした事業推進に努める。
3 地域交流の拠点となる甲府圏域地方拠点都市地域の社会資本整備について、長期的視点に立った計画的な整備に努め、地域の連携の強化と交流の促進を図りながら、快適で質の高い広域的都市環境の形成を図る。
4 地方分権の推進など今日的課題に適切に対処し、新しい時代に向けた国・地方の行政の望ましいあり方や、地方の自立に向けた諸施策に取り組む。
5 多様化する行政ニーズや増大する財政需要に適切に対応するため、自主的行政改革に取り組み、各事業の役割、効率性、さらには投資効果、行政効果など、市民サービスのあり方等の観点から事務事業の総点検を行い、多岐にわたる行政課題に対処できる行財政運営に努める。

 この市政執行方針に基づき予算編成方針を定め、平成7年度の予算編成にあたりましては、7年度が第三次総合計画の見直し年次となるため、主要事業につきましては、的確な事業の選択を行い、計画的推進に努め、時代的要請にこたえていくとともに、経常的経費の抑制に努め、効率的行政執行を図ることといたしました。

 以上申し上げました基本的な考え方を踏まえまして、平成7年度予算を編成いたしましたところ、主要事業に係る予算は、基本目標の「福祉の向上」の施策が22億7,614万2,000円、「教育・文化の振興」が32億4,176万6,000円、「生活環境の整備」が43億6,525万1,000円、「都市基盤の整備」が54億1,750万5,000円、「産業の振興」が15億370万4,000円、「計画推進の方策」が6億5,671万4,000円で総額174億6,108万2,000円となり、予算規模は、一般会計647億1,519万4,000円、特別会計596億3,195万6,000円で、合計1,243億4,715万円となりました。

 これを前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計は36億3,213万8,000円、5.9%の増、特別会計は19億8,871万6,000円、3.5%の増で、合計では56億2,085万4,000円、4.7%の増となっております。

 次に、主要な施策につきまして、順次、その概要を御説明申し上げます。

 まず、「福祉の向上」について申し上げます。

 超高齢化の進行、深刻な少子化などによる社会構造の急激な変化が、市民生活にさまざまな福祉課題を生み出しております。これら諸課題に対応するため、より充実した福祉行政の推進を図ってまいります。

 総合福祉につきましては、地域福祉基金事業としての思いやりの心を育む運動で、市内28地区への助成、これら事業を総合的に推進するためのボランティアセンター運営費負担、また、ボランティア宣言都市としての活動の充実促進に向けたボランティア活動育成への補助を行い、すべての市民が相互に助け合い、しあわせを実感できる総合福祉の実現を目指してまいります。

 高齢者福祉につきましては、高齢化の進展が全国平均を上回る本市として、甲府市高齢者保健福祉計画に基づき、ホームヘルパーの増員、奥湯村園等民間在宅介護支援センター運営費及び在宅老人中長期保護費の助成を実施するともに、寝たきり老人等の介護者への支援のほか、在宅老人アシスト事業、緊急通報システム事業の新規対象者への受信機等の設置、多世代同居世帯への住宅融資資金の増額など長寿社会への環境づくりを行ってまいります。さらに、北東部福祉センターの建設に向け、用地取得に取り組んでまいります。

 痴呆性老人対策としては、特別介護棟の人件費を補助するとともに、介護者への支援、さらに、これら福祉を支える人材の育成確保に向けたマンパワー事業にも努めてまいります。

 児童福祉につきましては、引き続き保育料の父母負担の軽減を図り、また、私立保育所への施設整備等の援助を行うとともに、少子化社会への対応となる延長保育事業への補助を行い、児童が心身ともに健やかに育成されるよう、保育環境の整備・充実を図ってまいります。さらに、出産手当の増額も行ってまいります。

 心身障害者福祉につきましては、ノーマライゼーションの社会の実現こそが障害者福祉の原点であります。障害者の自立と社会活動への参加機会を促進するための拠点として、心身障害者総合福祉センター建設に着手するとともに、心身障害者小規模通所授産施設、精神障害者共同作業通所訓練施設等の施設運営費の一部を本年度から新たに助成し、ガイドヘルパー活動への助成、在宅重度心身障害者タクシー利用料金の助成についても、引き続き行ってまいります。また、在宅重度障害者緊急通報システムを設置するとともに、人にやさしいまちづくりを推進するため、甲府駅南北自由通路へのエスカレーター設置事業も進めてまいります。

 勤労者福祉につきましては、ゆとりと豊かさの実感できる社会づくりのため、勤労者住宅資金融資制度の推進、勤労者生活安定資金制度確立への出捐、勤労者福祉センターの利用の促進、ゆとり創造社会推進のための啓発等を行ってまいります。

 国民健康保険事業につきましては、市民の健康を守るため、人間ドックなどの総合健診や保健指導を充実するとともに、保険料の負担の軽減にも配慮してまいります。

 保健衛生につきましては、市民総合保健計画の推進のため、地域活動への補助を行うとともに、働きざかり花の実年検診を実施するほか、ヘルシー活動への助成、さらに成人女性が侵されやすい骨粗鬆症検査も新たに実施し、すべての市民が生涯を通じて健やかに過ごすことができるよう、疾病の早期発見、早期治療に努めてまいります。

 市立甲府病院につきましては、基幹病院としての二次医療体制の確立に努めながら、公立病院として地域医療に対応し、医師、医療技術者、事務スタッフが一体となって経営理念の追求に努めた運営にあたるとともに、高度医療機器として超音波診断装置を導入して医療サービスの充実を図り、また、車椅子用リフト付き通院バスを購入して利用者の利便性にも配慮してまいります。

 新病院建設につきましては、平成10年の開院を目途に鋭意推進しているところでありますが、現病院は老朽化・狭隘化が進んでいることからも、震災時等においても医療拠点となり得る病院として、早期に建設できますよう最大限の努力をしてまいる考えであります。

 消費者対策につきましては、相談員による消費者保護活動を展開するとともに、消費生活展、消費者デーを開催し、消費者の生活安定向上に努めてまいります。

 青少年・女性対策につきましては、次代を担う青少年の健全育成を願い、甲府市民会議などを中心に、各組織との連携強化を図り、市民総ぐるみの健全育成体制をさらに強化するとともに、子供クラブ安全会への助成及びチビッコ広場の整備も行ってまいります。

 また、自主運営による実践活動を行っている女性市民会議へ運営助成と、男女平等参画型社会を目指して策定した「こうふ女性プラン」に基づく女性行動計画の推進について、男性も含めた全市民の生活プランとして、推進してまいります。

 コミュニティにつきましては、地域住民が参画する新たな方法でつくられたエコープランを、住民自らの手により推進するため、地域推進協議会への助成を行い、市民と行政が補完し合う中で地域住民の考えたまちづくりを支援するとともに、これらの中心的活動施設としての地域市民センター、コミュニティ施設、地区市民会館等の年次的、地域的整備を進めてまいります。また、自治会への助成として、防犯街路灯の補助、地域集会施設の整備についても補助を行ってまいります。

 さらに、核兵器廃絶平和都市宣言事業をより一層推進するとともに、本年は終戦及び甲府空襲50周年の節目にあたることから、体験記録集の作成、平和音楽会、原爆展などを開催し、恒久平和への願いを新たに平和運動が限りなく次代へ伝えられていくことを念願して、事業の推進を図ってまいります。

 次に、「教育・文化の振興」について申し上げます。

 新しい時代を担う人づくり基金事業につきましては、姉妹・友好都市であるデモイン市、成都市、大和郡山市との教育、文化交流として生徒や教育関係者の相互派遣を行うとともに、本市の学校教育振興に寄与された団体・個人に対し助成を行ってまいります。

 小中学校教育につきましては、屋内運動場の増改築、プール建設、校舎建設等をはじめ、引き続きFF式暖房機の整備を計画的に進めるなどして教育施設の整備を行ってまいります。

 教材教具については、標準教材基準による整備計画に基づき整備充実するとともに、特色ある教育教材として、小学3年生用の社会科資料「わたしたちの町甲府市」及び中学生用の「中学校体育実技」の副読本を新たに公費負担としてまいります。

 学校図書館事務職員の人件費については、増額し、待遇の年次的改善を図るとともに、国際化への対応として外国人英語講師の招へいによる生きた英語教育を行い、また、外国人子弟等の就学指導相談にも力を入れてまいります。

 さらに、中心街の児童・生徒の減少に伴い、学校規模の適正を図るため、小中学校適正規模化調査審議会を設置するとともに、児童の通学対策として、千代田小学校にスクールバスを導入してまいります。

 高等学校教育につきましては、甲府商業高等学校のさらなる活性化に向け、活力に満ちた専門的学校を目指し教育推進協議会を設置してまいります。また、平成8年度に本県で開催される全国高等学校総合体育大会に向けての準備に万全を期してまいります。

 文化芸術につきましては、感性豊かな文化の香り高い地域づくりを目指して、文化振興基金事業としての市民の芸術文化活動への助成をはじめ、地区文化協会の各種事業への支援を行い、地域に根ざした文化活動を推進するとともに、甲府交響詩の普及活動、まちなかの彫刻設置、さらには、文化振興活動への助成を行うなど文化の振興を図ってまいります。

 文化財の保護では、市内に点在する遺跡の発掘調査を実施するほか、史跡要害山の整備、武田氏館跡の保存と管理を推進するための公有地化を行ってまいります。

 総合市民会館の管理運営につきましては、開館以来5年を迎えることから、開館5周年を記念した事業及びスポーツ振興事業、文化・芸術鑑賞など自主企画事業の実施に努め、市民に親しまれる施設運営を行ってまいります。

 新図書館の建設につきましては、3か年の継続事業として、本年は本体工事を中心に建設を進めてまいります。また、開館時の蔵書確保のため、図書購入も計画的に行ってまいります。

 社会体育につきましては、緑が丘スポーツ公園陸上競技場の外灯整備、全国高校総合体育大会開催に伴うプール改修をはじめ、石田小学校の夜間照明施設の改修を行うとともに、市民の体育振興、ライフスポーツレクリエーション事業を積極的に促し、長寿社会に向けた市民の健康保持に努めてまいります。

 次に、「生活環境の整備」について申し上げます。

 公営住宅の建設につきましては、平成6年度からの継続事業として、特定公共賃貸住宅20戸を完成させるとともに、7年度継続事業の第1種、第2種及び特定公共賃貸住宅各10戸の用地取得を行い建設してまいります。また、新婚世帯向け住宅家賃助成制度について、対象条件を緩和するなど改善を行い、若者の定住化の促進に取り組んでまいります。

 水道事業につきましては、将来的な水道水の確保のため、平瀬浄水場第三系列の築造を引き続き推進するのをはじめ、水道水源の環境保全のため、合併処理浄化槽の設置を促進し、水質保全と震災対策としての石綿管の布設替え、非常時の飲用水確保のための非常用貯水槽の設置など、震災に強い施設整備を進めるとともに、出水不良地域解消事業として平瀬町の簡易水道の拡充を行ってまいります。

 下水道事業につきましては、供用開始区域のさらなる拡大のため、貢川、湯川、鎌田川、国母、千塚、善光寺等の処理区の管渠整備を進めるとともに、汚水処理に万全を期するため、水質試験室の改良、脱水機設備工事などを行ってまいります。

 道路整備事業につきましては、新設・改良・舗装・補修、落石防止、橋梁の改良・補修、側溝の整備などを年次的に行うほか、交通安全施設の整備など市民生活の利便性や安全性の確保に努めてまいります。

 廃棄物処理につきましては、継続事業で進めてまいりましたごみ処理施設の建設事業も最終年次を迎え、完成の運びとなりますが、早い時期の稼働を目指して準備を進めてまいります。

 また、余熱利用施設としての(仮称)リサイクルプラザの建設について、継続事業で着手するとともに、明るくきれいなまちづくり基金事業と併せてごみ減量化、資源ごみ回収など啓蒙活動を推進し、市民意識の高揚を図るとともに、家庭での生ごみ処理器などの利用促進やEM菌による「ぼかし」処理にも取り組んでまいります。地球環境保全では、慢性的汚濁河川である濁川流域における合併処理浄化槽の設置促進に取り組み、地球環境保全の第一歩となる水質保全にも努めてまいります。

 防災対策につきましては、いまだ多くの被災者が避難生活を続けている阪神・淡路大震災は、都市づくりや防災体制に多くの課題と教訓を投げかけました。

 これを契機に、本市の地震防災応急対策、災害応急対策及び災害復旧について、地域防災計画を総合的に見直し、市民の生命、財産を守るため万全を図り、安全都市の構築に努めてまいります。

 また、自主防災組織の指導育成を図り、非常用貯水槽、防火水槽、消火栓の設置など非常用飲料水の確保や消火施設の整備についても万全を期するとともに、防災行政無線についても、整備を行ってまいります。

 防犯対策につきましては、防犯意識の高揚を図り、犯罪のない明るい地域社会を築くため、更生保護事業に携わる保護司等の諸活動を物心両面において支援してまいります。

 交通安全対策につきましては、交通安全都市宣言の趣旨を踏まえ、全市民を挙げた交通安全運動の展開と、甲府市交通安全対策会議、甲府地区交通対策協議会等と連携を図る中で、交通事故防止に努めてまいります。また、ガードレール、カーブミラーの設置、グリーン塗装など交通安全施設の充実にも努めてまいります。さらに、違法駐車等の防止に関する条例の制定を機に、安全で快適な生活環境の保持と交通安全への意識の啓発に努めてまいります。

 次に、「都市基盤の整備」について申し上げます。

 都市緑化につきましては、緑豊かな都市づくりのため、みどり豊かなまちづくり基金事業を核に、地域緑化、公共施設の緑化推進に努めるとともに、市民との協力によるフラワータウンづくり事業を推進してまいります。

 なお、6年度において市内5ブロックにエコープランが策定されたことに伴い、今後は、地域住民自らの手による緑化計画に、行政が協力する新たな形態の緑化活動が推進されるものと期待しております。

 また、千塚公園、緑が丘スポーツ公園などの整備を行い、市民の憩いの場として、スポーツ・レクリエーションの場として充実してまいります。

 市街地整備につきましては、土地利用の効率化を図り、快適な都市環境を創出するため、市施行の寿宝地区、甲府駅周辺地区の土地区画整理事業のほか、残存農地の開発促進にも取り組むとともに、市街地再開発事業として、新たに中央4E地区、国母南地区の事業について技術指導、助成等支援を行ってまいります。

 また、甲府駅南北一体化事業や、人にやさしいまちづくり事業として、甲府駅ビル南口階段へのエスカレーターと車椅子用の昇降設備を設置してまいります。

 7年度は、都市計画法の改正に伴い、市町村計画としての都市計画マスタープランを策定し、良好でバランスのとれた都市づくりに努めてまいります。

 交通体系の整備促進につきましては、中部横断自動車道の建設、リニア中央エクスプレスなど高速交通体系の早期実現に向けた促進運動を展開するとともに、甲府盆地一帯の主要市街地、インターチェンジ等を連結する新山梨環状道路、国道140号バイパスが、地域高規格道路として指定を受けたことから、早期に実現できるよう積極的に取り組んでまいります。

 街路事業につきましては、継続事業として、高畑町昇仙峡線・高畑工区、善光寺町敷島線・城東・朝気南・徳行工区、愛宕町下条線・塩部工区、上阿原町寿町線・相生工区、住吉四丁目善光寺線・里吉工区の5路線7区間の幹線整備を推進するとともに、県施行の街路事業についても、積極的に対応してまいります。

 最後に、「産業の振興」について申し上げます。

 商工業の振興につきましては、商店街活性化事業として、商店街の近代化やイベント創出への助成をはじめ、南部工業団地の推進、ファッション都市構想の調査研究、地場産業の振興、工業高度化推進、雇用対策の充実などに努め、産業構造の変化に的確に対応できる商工業の基盤づくりを進めるとともに、県の施行する展示交流施設建設への負担、中小企業の経営安定化への経営安定資金制度や生活安定資金融資を行い、商工業の発展に努めてまいります。

 農業振興につきましては、農道や水路、土地改良などの農業基盤の整備充実を図るとともに、農業先端技術の開発や研究を重ね、生産性の向上を目指す近代的農業の育成に努めてまいります。

 また、都市間交流として大和郡山市のふるさとまつりに本市特産の甲州ぶどうを出品し、甲州ぶどうのPRと販路拡大に努めてまいります。

 林業振興につきましては、造林、保育、治山事業をはじめ、林道の開設、改良、舗装等の基盤整備を行うとともに、北部山岳地域の振興について、帯那山高原牧場、マウントピア黒平の施設整備など、自然との共生の中で地域の特性に合った活性化を図ってまいります。

 観光事業につきましては、観光客誘致対策としての観光キャラバン隊派遣事業及びロマン街道観光キャンペーンなどを実施して観光宣伝に努め、観光施設の整備では、昇仙峡の公衆トイレの改築や、あずまやの補修を行っていまいります。また、湯村温泉郷の活性化にも取り組み、都市観光の形成に努めるとともに、甲府大好きまつり、信玄公祭り等のイベントも行ってまいります。

 以上、主要な施策について申し上げましたが、ここで、これら事業を推進していくための「計画推進の方策」について申し上げます。

 市民参加につきましては、まちづくりや市政の将来展望は、市民の自主的、積極的参加の上に形成されることが基本であります。

 住民参加システムとしては、各種の委員会や協議会、懇話会等によって市民の行政参加機会の拡充に努めており、また、市民集会や市政モニター、市長対話、市長への手紙などを通じ、多くの皆様の積極的な御意見、御提言をいただき本市行政のあり方について的確な把握に努め、市政に反映させております。

 今後も、市政に対する理解と信頼を深めるため、さらに広聴・広報活動などの充実強化を図り、市政に対する市民の参加意識の高揚と参画機会の拡充に努めるとともに、地域のまちづくり計画であるエコープランの推進について、多くの市民が参画される中で、行政と市民が手を携えるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 行政運営につきましては、地方行政には時代的変革の中で、人口減少や成熟社会への移行など、新たな課題への対応が求められております。

 こうした中で、活力ある地域社会の形成、多様化する社会ニーズにこたえた21世紀への都市づくりには、行政の簡素効率化や柔軟性のある行政運営が必要であります。

 本市といたしましては、各種の研修制度や職員政策提言制度などにより、職員の能力開発や人材育成を図り、また、自主的行政改革の推進による事務事業の見直し、組織の活性化に努めるとともに、行政に企業経営的なコスト感覚を醸成し、効率的、経営的な事務執行の行政体質を確立し、真の市民福祉の向上を図る行政運営に努めてまいります。

 平成7年度は、第三次総合計画の見直し年次であることから、高齢化、少子化などの社会的変化や産業構造等の経済的変化、また、国・県等の動向を的確に把握するとともに、本市の人口・所得推計、総合土地利用対策等々を明確にする中で、新しい構造転換の時代に向け、地方分権、広域的行政の促進を図る感性豊かな地方拠点都市の中核都市として、魅力的で足腰の強い都市形成のため、新たな視点に立った効率的行政執行を行ってまいります。

 財政運営につきましては、地方財政は景気の低迷を反映し、歳入面では、税収の減少、地方交付税等の伸び悩み、歳出面では、累積した多額の地方債残高を抱え、身近な社会資本の整備、環境保全、長寿社会への対応など、新たな財政需要にも対応する必要から、その環境は一層厳しさを増しております。

 このような状況のもと、市税の適正課税、収納率の向上などにより自主財源の確保に努め、事業執行にあたっては国庫補助、起債制度などを有効・適切に活用し、特定財源の確保にも努める一方、自主的行政改革の推進による事務事業のスクラップ・アンド・ビルド、行政の役割分担の明確化や受益者負担の適正化を図り、財政の健全化に努めてまいります。

 本市の中期財政運営は、大型主要事業が予定され、まさに厳しいものがありますが、全職員と一体となって英知と努力を結集し、効率的な行財政運営に取り組み、新しい時代への社会資本の充実を期してまいります。

 広域行政につきましては、既に市民の日常生活圏、経済生活圏は、行政区域を越えて急速な拡大傾向にあり、著しい人口流動を生じております。

 このため、市民ニーズも多様化、広域化しており、本市として、広域的行政体制確立への取り組みが必要となってきております。

 既存の甲府地区広域行政事務組合との広域行政に加え、地方拠点法による甲府圏域地方拠点都市地域の整備を図り、地方分権の受け皿ともなり得る中核的都市機能の早期構築に向け、今後一層取り組みを進めてまいります。

 また、夢のあるまちづくりとして、Jリーグ誘致、盆地サミットにも取り組んでまいります。

 以上、私の市政運営にあたっての所信の一端と平成7年度予算案の概要につきまして申し上げました。

 私は、市長就任以来、あらゆる機会をとらえて、多くの市民の皆様の声に耳を傾け、共に考えてまいりました。

 先賢の皆様が築いてこられた、105年の輝かしい歴史を持つこの甲府市で、すべての市民が、幸せで心満ちた暮らしができる「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」を創造することこそ、市政に課せられた使命であると確信しております。

 「近き者説(よろこび)遠き者来たる」の理想を追求し、すべての市民がこよなく愛することのできる甲府市を実現できますよう、議員各位並びに市民の皆様の一層の御理解と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。

 何卒、十分なる御審議をいただき、御議決を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

 所信と議案第1号から議案第10号までの議案説明に引き続き、新年度予算以外の案件につきまして、その大要を御説明申し上げます。

 まず、議案第11号「平成6年度甲府市一般会計補正予算(第5号)」につきましては、歳出において、第2款総務費は、基金管理費及び財産理費等を追加更正するための補正であります。

 第3款民生費は、社会福祉総務費及び老人福祉費並びに扶助費等を追加更正するための補正であります。

 第4款衛生費は、塵芥処理費及びし尿処理費等を追加更正するするための補正であります。

 第6款農林水産業費は、農林振興費及び農地費並びに林業振興費を追加更正するための補正であります。

 第7款商工費は、商工業振興費を更正するための補正であります。

 第8款土木費は、都市計画総務費及び街路事業費等の追加更正並びに道路整備事業費等を財源更正するための補正であります。

 第9款消防費は、非常備消防費及び防災費等を追加更正するための補正であります。

 第10款教育費は、学校建設費及び体育館振興費を追加更正するための補正であります。

 第12款公債費は、元金及び利子を追加するための補正であります。

 第13款諸支出金は、土地開発基金費を追加するための補正であります。

 歳入につきましては、第3款利子割交付金、第5款自動車取得税交付金、第6款地方交付税、第8款分担金及び負担金、第10款国庫支出金、第11款県支出金、第12款財産収入、第13款寄附金、第14款繰入金、第16款諸収入、第17款市債をそれぞれ追加更正するための補正であります。

 継続費の補正は、ごみ処理施設建設事業の年割額を変更するものであります。

 繰越明許費の補正は、樹園地農道整備事業費、土地改良総合整備事業費及び甲府駅周辺土地区画整理事業費並びに自主防災等資機材整備事業費を設定するものであります。

 地方債の補正は、起債充当事業費等の借入限度額を追加変更するものであります。

 次に、議案第12号 「平成6年度甲府市国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)」につきましては、歳出において、第1款総務費は、総務管理費を追加し、第2款保険給付費は、療養諸費、助産諸費及び葬祭諸費を追加更正し、第6款諸支出金は、償還金及び還付加算金を追加するための補正であります。

 歳入につきましては、第4款国庫支出金、第5款療養給付費交付金、第8款財産収入、第9款繰入金及び第10款繰越金をそれぞれ追加するための補正であります。

 次に、議案第13号「平成6年度甲府市住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、歳出において、第1款貸付事業費は貸付事業を更正し、第2款公債費は、公債費を更正するための補正であります。

 歳入につきましては、第1款繰入金、第2款諸収入及び第3款市債を追加更正するための補正であります。

 地方債の補正は、起債充当事業の補正による借入限度額の変更をするものであります。

 次に、議案第14号「平成6年度甲府市老人保健事業特別会計補正予算(第2号)」につきましては、歳出において、第2款医療諸費は、医療諸費を追加するための補正であります。

 歳入につきましては、第1款支払基金交付金、第2款国庫支出金、第3款県支出金、第4款繰入金及び第6款諸収入をそれぞれ追加するための補正であります。

 次に、議案第15号「平成6年度甲府市病院事業会計補正予算(第2号)」につきましては、収益的支出は、医業費用を更正し、収益的収入は、医業収益及び医業外収益を追加更正するための補正であります。

 資本的支出は、建設改良費を更正し、資本的収入は、企業債を更正するための補正であります。

 継続費は、年度及び年割額を変更するための補正であります。

 次に、議案第16号「平成6年度甲府市下水道事業会計補正予算(第2号)」につきましては、収益的支出は、営業外費用を更正し、特別損失を追加するための補正であります。

 次に、議案第17号「平成6年度甲府市水道事業会計補正予算(第2号)」につきましては、収益的収入は、営業外収益及び特別利益を追加更正するものであります。

 収益的支出は、特別損失を追加するものであります。

 継続費は、平瀬浄水場改良工事の年割額を変更するものであります。

 次に、議案第18号 「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、一般職の国家公務員の勤務時間、休暇等に関する制度に準じ、本市一般職員の勤務時間、休日、休暇等について、休日代休制度及び介護休暇制度の新設を行うとともに、規定の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第19号「甲府市職員退職手当支給条例の一部を改正する条例制定について」は、雇用保険法の一部改正により、所定給付日数に関する規定等の条文の移動が行われたため、規定の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第20号「職員団体の登録に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、地方公務員法の一部改正により、職員団体の登録に関する規定の条文の移動が行われたため、規定の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第21号「甲府市の議会の議員及び長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、公職選挙法の一部改正により、選挙運動用自動車の使用に関する規定等の条文の移動が行われたため、規定の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第22号「甲府市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、非常勤の消防団員に支給する報酬及び費用弁償の額の引き上げを行うための一部改正であります。

 次に、議案第23号「甲府市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例制定について」は、消防法及び非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、新たに補償の一部となる消防作業に従事した者に係る損害補償の基準を定めるための一部改正であります。

 次に、議案第24号「甲府市助産手当支給条例の一部を改正する条例制定について」は、助産手当の額の引き上げを行うとともに、支給要件の範囲を拡大するための一部改正であります。

 次に、議案第25号「甲府市学校職員の勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、一般職の国家公務員の勤務時間、休暇等に関する制度に準じ、本市学校職員の勤務時間等について、休日代休制度及び介護休暇制度の新設を行うとともに、規定の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第26号「甲府市都市公園条例の一部を改正する条例制定について」は、地方自治法の一部改正にかんがみ、都市公園の適正な管理を確保するため、過料の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第27号「甲府市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例制定について」は、卸売市場法施行規則の一部改正に伴い、せり人の登録の有効期間の延長、特定物品の追加等の措置を講ずるとともに、地方自治法の一部改正にかんがみ、市場業務の適正かつ健全な運営を確保するため、過料の額を改定するための一部改正であります。

 次に、議案第28号「企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例制定について」は、一般職の国家公務員の勤務時間、休暇等に関する制度に準じ、本市企業職員の休日代休制度及び介護休暇制度に係る給与に関する規定の整備を行うための一部改正であります。

 次に、議案第29号「甲府市と石和町との間における粗大ごみの処理に係る事務委託に関する規約の変更について」は、石和町から受託する事務の変更に関する協議については、地方自治法第252条の14第3項において準用する同法第252条の2第3項本文の規定により、議会の議決を求めるものであります。

 次に、議案第30号「市道路線の認定について」は、住吉区画整理29号線他1路線を市道に認定し、維持管理を行うため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決を求めるものであります。

 以上が、本日提案いたしました案件の大要であります。

 御審議の上、御協賛賜りますようお願い申し上げまして、説明を終わります。

○議長(森沢幸夫君) 以上で説明は終わりました。

 お諮りいたします。

 3月2日から3月3日まで2日間は、議案調査のため本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(森沢幸夫君) 御異議なしと認めます。

 よって、3月2日から2日間は本会議を休会することに決しました。

 休会明け本会議は、3月6日午後1時から開会、提出議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 本日はこれをもって散会いたします。

                午後2時09分 散会