平成8年12甲府市議会定例会会議録第1号 午後1時01分 開会 ○議長(小野雄造君) ただいまから平成8年12月甲府市議会定例会を開会いたします。 午後1時02分 開議 ○議長(小野雄造君) これより本日の会議を開きます。 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 報告事項を申し上げます。 本定例会に提出する議案につき、市長から通知がありました。 提出議案は、議事日程記載のとおりでありますので、朗読を省略いたします。 次に、市長から議会に報告すべき事項であります報第16号から報第18号までの3件が提出されました。 既に各位のお手元に配付いたしてありますので、御了承願います。 次に、平成8年9月9日提出の請願第8−15号について、提出者からお手元に配付の別紙のとおり取り下げたい旨の申し出がありました。 この件は、議事日程記載の日程第4でありますので、御了承を願います。 次に、監査委員から、平成8年8月末、9月末及び10月末の例月出納検査報告書が提出されました。 お手元に配付いたしてあります報告書により御了承を願います。 次に、平成8年9月定例会以降、全国、関東及び県下市議会議長会の会議が開催され、随員とともに出席いたしました。 会議の概要につきましては、お手元に配付いたしてあります報告書により御了承願います。 次に、飯沼忠君は一身上の都合により本日欠席する旨の届け出がありました。 以上で報告を終わります。 これより日程に入ります。 日程第1 議席の変更についてを議題といたします。 今回会派の異動に伴い議席の一部を変更いたしたいと思います。その議席番号及び氏名を職員に朗読をいたさせます。 (書記、議席番号と氏名を朗読)
2番 保坂一夫君を 3番へ ○議長(小野雄造君) お諮りいたします。 ただいま朗読したとおり議席の一部を変更することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、ただいま朗読したとおり議席の一部を変更することに決しました。 それでは、ただいま決定いたしました議席にそれぞれお着きを願います。 (新議席に各自着席) ○議長(小野雄造君) 次に、日程第2 会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員には、会議規則第167条の規定により 次に、日程第3 会期決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。 今期定例会は、招集の日から12月18日まで10日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、今期定例会の会期は10日間といたすことに決しました。 次に、日程第4 請願書の取り下げについてを議題といたします。 本件は、お手元に配付の別紙のとおり請願第8―15号 消費税率引き上げに反対する請願書について、請願人から取り下げたいとの申し出がありました。 お諮りいたします。 請願第8−15号については、会議規則第19条第1項の規定により申し出のとおりこれを承認することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、請願第8−15号の取り下げは承認することに決定いたしました。 次に、日程第5 議案第90号から日程第14 議案第93号までの10案を一括議題といたします。 市長から、上程議案全部に対する提案理由の説明を求めます。 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 本日、平成8年12月市議会定例会が開会されるにあたりまして、本議会に提案いたしました議案第90号「新甲府市総合計画の基本構想設定について」御説明申し上げ、御理解と御協力を賜りたいと存じます。 御承知のように基本構想は、市町村の将来の振興発展を展望し、これに立脚した長期にわたる市町村の経営の根幹となる構想であり、行政運営を総合的かつ計画的に行うことを目的として策定されるものであります。 私は、これまでの市政運営に当たって、第三次総合計画中・後期基本計画の中で「レインボープラン7大プロジェクト」を位置づけ、最重点施策として積極的にその推進を図ってまいりました。 さらに、多くの市民の皆様の御参加を得ながら自主的な地域づくりに取り組んでいただくため「エコープラン」の推進にも力を注いでまいりました。 ここ数年来の景気の低迷による税収の落ち込み、交付税の伸び悩みなどの厳しい財政状況が続いておりますが、主要事業についても緊急度、優先順位を考慮し、年度間調整を行いながら可能な限り市民需要に対応してまいりました。 さて、現在の第三次総合計画は、平成12年(西暦2000年)を目標年次とした13年間にわたる長期計画でありますが、バブル経済崩壊後の景気の長期低迷等により、人口、所得、財政、設定事業等計画策定時と現状とでは遊離が著しく、各フレームの達成は困難な状況にあります。 一方、21世紀へ向けて、リニア中央エクスプレス等の広域高速交通時代の到来の中で、高齢化、少子化、国際化、情報化の一層の進展、物から心へなどに代表される価値観の変化、多様化などの社会経済情勢の変化等々本市を取り巻く環境は大きく変貌してきております。 こうした社会、経済環境の変化と新たな構想の出現などを踏まえて新総合計画の策定を決意し、本年3月議会において所信を申し述べたところであります。 甲府市は、北部の豊かな森林など非常に恵まれた環境の中で、先人達のたゆまぬ努力によって築かれた都市基盤を背景として、盆地という特色のある地域文化が培われ、また県都として政治、経済、教育、文化の中心としての役割を果してまいりました。しかし、現在の社会や市民の暮らしを取り巻く環境の変化には著しいものがあります。 私は、新たなる総合計画は時代の転換期にあたり、社会、経済環境に適切に対応するとともに、地方分権、行政の広域化といった時代の潮流の中で、国や県などの計画との整合性を図りつつ本市のもつ都市機能を基盤として、周辺町村との一体的な発展を目指した中核市構想を推進するとともに、本市の自然、歴史、文化、産業を最大限に活用した、誰もが住みたい、住んで良かったと思う都市、すなわち、全ての市民が幸せを実感でき、心満ちて暮らせる夢と希望に満ちた甲府市を目指すべきと考えております。 新総合計画の策定につきましては、市民アンケート調査等を行う一方で市の組織を挙げて検討を重ねるとともに、甲府市総合計画審議会に私の基本的考え方をお示ししながら、新甲府市総合計画策定の基準となるべき事項についてお諮りいたしたところであります。 審議会におかれましては、精力的かつ慎重に御審議をされ、去る11月15日に答申をいただきましたので、これら審議の結果を踏まえて平成9年を初年度に平成18年(西暦2006年)を目標年次とした新甲府市総合計画の基本構想を策定したところであります。 新総合計画の基本構想は、甲府市が甲府盆地の中核都市としての発展を目指すため、自然、歴史、文化、産業など甲府のもつ貴重な資産や独自性、個性を改めて評価し、人と自然に優しさがあふれ誰もが住みたい、住んで良かったと思う都市“心の豊かさ”“かがやき”に満ちた市民生活が営める市民主体の都市づくりを「回復、交流、育成…そして未来へ」の基本理念のもとに、都市づくりの方向を考える上で特に重要と思われる(1)地球的時代と環境との調和(2)超高齢化社会の到来(3)技術革新・高度情報化の進展(4)「個」の重視と多様性(5)地方分権と広域的連携(6)安全性への関心の高まり(7)高速交通時代の7つの時代の潮流と都市づくりの視点についてその方向を展望し、市民一人ひとりが人と自然を愛し、人と自然に愛され、真に誇りと喜びを感じられるようなゆとりと豊かさ、優しさに満ちた甲府市の建設に向けて、目指すべき都市像を「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」と設定したものであります。そして「思いやりと希望に満ちたまちをつくる(福祉の向上)」「歴史を伝え新しい文化が生まれるまちをつくる(文化・教育の振興)」「安全で快適な美しいまちをつくる(生活・自然環境の向上)」「創造性と活力に満ちたまちをつくる(産業の振興)」「交流・連携がひろがるまちをつくる(都市基盤の整備)」の5つの基本目標を掲げ都市像の実現に向けて都市づくりを進めていこうとするものであります。 その施策の大綱につきましては、既にその骨子を御説明申し上げたところであります。 私は、この基本構想を今後の市政運営の指針としてまいりますが、その実現にあたっては、幅広い市民の積極的な参加のもと、行財政の効率的な運営を行い、広域的な視野に立って、国、県の計画等との整合を図りながら、全職員と一体となってその遂行のために最善の努力を払ってまいる所存であります。 今後とも、市議会の温かい御支援と御協力さらには御指導を賜りますよう、切にお願い申し上げます。 何とぞ御審議のうえ、御協賛賜りますようお願い申し上げます。 引き続きまして、議案第90号「新甲府市総合計画の基本構想設定について」の議案以外の上程議案につきまして、その大要を御説明申し上げます。 まず、議案第84号「専決処分について」は、国母五丁目地内の雨水渠工事問題に関し、その行政責任を明らかにするため、市長である私自らの給料を減額するについて、特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例を直ちに改正する必要が生じたため、同条例の一部を改正したものであります。 次に、議案第85号「専決処分について」は、衆議院議員総選挙を執行するにあたり、歳入歳出予算の追加をするため、平成8年度甲府市一般会計予算の補正(第4号)を行ったものであります。 次に、議案第86号「専決処分について」は、平成8年7月31日甲府市富士見一丁目地内市道富土見通り線路上で、小型バスが渋滞により停車していたところ、局地的な豪雨等により同所が急激に冠水し、車両が水に浸かり損傷した事故に関し、和解の履行に急を要したため、これを締結し、損害賠償の額を決定したものであります。 以上の3件につきましては、いずれもその処理に急を要し、市議会を招集をする暇がありませんでしたので、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分を行い、同条第3項の規定により議会の承認を求めるものであります。 次に、議案第87号「平成8年度甲府市一般会計補正予算(第5号)」につきましては、歳出において第2款総務費は、総務部経費に係る一般管理費、エコープラン推進事業に係る広聴活動費及び地域連携軸形成事業に係る企画費を追加するための補正であります。 第3款民生費は、補装具及び日常生活用具の給付に係る身体障害者福祉費、老人福祉施設整備助成事業及び地域総合整備資金貸付事業に係る老人福祉、乳幼児医療費助成事業に係る児童福祉総務費並びに生活保護に係る扶助費等を追加するための補正であります。 第4款衛生費は、地方病予防事業に係る環境衛生費、施設運営事業に係る塵芥処理費、(仮称)リサイクルプラザ管理運営に係る資源回収費を追加更正するための補正であります。 第6款農林水産業費は、土地改良総合整備事業に係る農地費、松くい虫防除事業に係る林業振興費等を追加するための補正であります。 第7款商工費は、南部工業団地用地造成事業に係る商工業振興費を更正するための補正であります。 第8款土木費は、道路整備事業費、街路事業費、落石防止棚設置事業に係る道路新設改良費、動物園整備事業に係る公園費、公営住宅等建設事業(里吉団地)に係る住宅建設費等を追加更正するための補正であります。 第9款消防費は、甲府地区広域行政事務組合消防費負担金を追加するための補正であります。 第10款教育費は、学校給食、学校保健に係る小学校管理費、小・中学校教育振興費及び緑が丘スポーツ公園管理に係る体育施設費等を追加するための補正であります。 歳入につきましては、第1款市税、第6款地方交付税、第10款国庫支出金、第11款県支出金、第12款財産収入、第13款寄附金、第14款繰入金、第15款繰越金、第16款諸収入、第17款市債を追加更正するための補正であります。 継続費の補正は、公営住宅等建設事業(里吉団地)に係る事業費総額及び年割額を変更するものであります。 地方債の補正は、起債充当事業費の借入限度額を追加変更するものであります。 次に、議案第88号「平成8年度甲府市病院事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的支出は、医業費用を更正するための補正であります。収益的収入は、医業収益を更正するための補正であります。 次に、議案第89号「平成8年度甲府市下水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的支出は、営業費用を更正するための補正であります。収益的収入は、営業収益を更正するための補正であります。資本的支出は、企業債償還金を追加するための補正であります。資本的収入は、企業債及び補助金を追加更正するための補正であります。 次に、議案第91号「甲府市同和対策住宅新築資金等貸付条例の一部を改正する条例について」は、住宅新築資金貸付制度の一部改正に伴い、住宅新築資金等の貸付金の限度額の引き上げを行うための一部改正であります。 次に、議案第92号「甲府市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例制定について」は、医療法施行令の一部を改正する政令に伴い、市立甲府病院の診療科目を変更するための一部改正であります。 次に、議案第93号「市道路線の変更認定について」は、舞鶴公園南線の変更認定を行うため、道路法第10条第3項の規定により、議会の議決を求めるものであります。 以上が、議案第90号の議案を除き、本日上程されました議案の大要であります。 御審議のうえ、御協賛賜りますようお願い申し上げまして、説明を終わります。 ○議長(小野雄造君) 以上で説明は終わりました。 これよりただいま議題となっております議案のうち、日程第5 議案第90号について質疑を行います。 発言通告者は9名であります。 お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。 最初は新政クラブ 依田敏夫君。 依田敏夫君。 (依田敏夫君 登壇) ○依田敏夫君 最初に質問する機会をいただきました。ありがとうございます。 今議会に提案されました新甲府市総合計画は、11月15日に総合計画審議会から策定の基準となるべき事項について答申を受けての基本構想が提案され、6日の全員協議会においてその大要について、当局から御説明をいただいたところであります。 現在国におきましても、行政改革は喫緊の課題としてとらえ、今国会におきましても論戦が展開されております。まさに混迷の時代であり、変革とともに既成概念を打破しなければならないような転換期に直面していると言わざるを得ません。 このような中で、当局におかれましても平成18年、向こう10年先の本市のあるべき都市像や施策の方向づけなど見きわめるということは、大変な御苦労があったことに改めて敬意を表するものであります。また、大変厳しい日程の中で精力的に御審議賜りました審議会委員の皆様にも、深く感謝申し上げたいと存じます。 昭和45年に本市の目指すべき都市像を踏まえ、甲府市総合計画が策定され、時代の変遷の中で第三次総合計画に引き継がれ、市民要望や社会経済状況に適合させながら、行政執行の指針として計画推進がされてまいりました。 さて、今回提案されました新総合計画は、これから基本計画、実施計画と詰めの策定作業に入るわけでありますが、基本構想からうかがえる10年後の甲府市は、大変すばらしい都市になると想像できるものであり、大いに期待もしているところであります。一つ一つの施策への考え方にいたしましても、それぞれの分野においてきめ細かい配慮の目が行き届いている点では、大いに評価するものがあります。しかし、これらの施策を遂行する上で、最も基本となる財政的裏づけを考えると、景気は若干の回復は見られるものの、なお先行き不安定な経済情勢が予測される中で、大変厳しい行財政運営が求められるものと予測されます。特にこの構想においては、計画推進の基本として市民参加を掲げております。行政だけの努力だけで決してなし遂げることは困難であり、国や県、民間企業の事業活動に期待するものも多く含まれていることから、関係者一体となって計画推進を図っていかなければならないことは、言うまでもありません。 市長より示された計画の性格と役割によりますと、市民に対しては特に市政への理解と都市づくりへの参加を期待をされているようですが、今回の新総合計画も、市民の英知を結集したものでありますから、市民の関心も高いものがあると考えますが、計画の実効性を高めるためにも、市民参加は大いに求めなければならないことは、十分理解できるわけであります。しかし、市民意識を向上させ助長させるためには、行政側にも確たる方針がなければならないことは言うまでもありません。ただ念仏のように「市民参加だ」と言ってみましても、結局一部の協力にとどまってしまい、市民一人ひとりが喜んで市政に参加するという姿勢は見えてこないわけであります。そこで、具体的にはどのような態勢で市民参加をお願いしようとしているのか、お伺いをいたします。 次に、広域行政の中で特に中核市構想の推進についてお伺いいたします。行政をより広域的にとらえようとする広域行政圏施策は、住民の日常の社会生活の広域化に対応するため、昭和44年から全国的に推進されてきたものでありますが、道路網の整備や広域行政事務組合に見られるような広域的事務処理システムの推進など、地域社会の振興に多大な成果を上げてまいりましたことは、御案内のとおりであります。 一方、最近の地方自治をめぐる最重要課題として注目されている地方分権は、長年にわたって形成され、定着している現行の中央集権型行政システムを変革して、新しい地方分権型行政システムを構築しようとするものでありますが、この地方分権の問題は、何より地方自治体の熱意や住民の盛り上がりがあって、初めて達成されるものであると考えられます。こうした地方分権の受け皿としても、地方自治体は腰を据えた体制を整える必要があります。昨年より本市でも、自主的行政改革として組織の統廃合などスクラップ・アンド・ビルドを進めておりますが、これも新しい時代に向けた組織機構の構築と認識しております。こうした中で、広域圏行政における役割もますます大きくなってきており、広域的見地からのまちづくり構想は全くそのとおりであると考えますが、一層の推進と個性豊かな活力に満ちた地域社会が実現されることを期待しております。 ここで市長にお伺いいたしますが、今回の構想の一つの大きな柱としてとらえているのが、中核市構想の推進であります。示された計画策定の趣旨の中でも、地方分権、行政の広域化という時代の潮流の中で、生活圏や経済圏の広がりを踏まえ、交流と連携を機軸に、本市の持つ都市機能を基盤として、周辺町村との一体的発展を目指した中核市構想を推進すると言っております。この中核市構想は、周辺町村との合併を意識しておられるのか、またそうした合併を前提としたものであるとするならば、今後精力的に周辺町村の協議が必要となると思いますが、今後の推進の方策について市長のお考えをお伺いをいたします。 以上、基本構想の推進についてお伺いいたしましたが、「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」の都市像に向かって政策が遂行されますよう願いながら、質問を終わります。 なお、再質問はしない予定でございますので、的確なる答弁をお願いをいたします。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 依田議員の御質問にお答えいたします。基本構想全般について、お答えさせていただきたいと思います。 甲府市は、北部の豊かな森林など恵まれた自然環境の中で、先人たちのたゆまぬ努力によって築かれた都市基盤を背景として、盆地という特色のある地域文化が培われ、また県都として政治、経済、文化、教育の中心としての役割を果してまいりました。しかし、現在の社会や市民の暮らしを取り巻く環境の変化には著しいものがあります。私は、新たな総合計画は、時代の転換期にあたり、社会、経済環境に適切に対応するとともに、地方分権、行政の広域化といった時代の潮流の中で、周辺町村との一体的な発展を目指した中核市構想を推進しなければならないと考えるものであります。 また、本市の自然、歴史、文化、産業を最大限に活用した、誰もが住んでみたい、住んで良かったと思う都市。すなわち、すべての市民が幸せを実感でき、心満ちて暮らせる夢と希望に満ちた甲府市を目指すべきと考えております。21世紀を展望したとき、この10年間は極めて流動的な社会、経済情勢の中ではありますが、甲府市にとってより一層発展するための礎を築く重要な期間であると認識をいたしております。新甲府市総合計画は、そのための非常に重要な計画であります。提案いたしました基本構想は、甲府市が甲府盆地の中核都市としての発展を目指すため、甲府の持つ貴重な財産や独自性、個性の回復と再評価を行い、人と自然に優しさがあふれ、誰もが住みたい、住んで良かったと思う都市“心の豊かさ”“かがやき”に満ちた市民生活が営める市民主体の都市づくりのため、「回復、交流、育成…そして未来へ」の基本理念のもとに都市づくりの方向を考える上で、特に重要と思われる時代の潮流と都市づくりの視点について、その方向を展望し、市民一人ひとりが人と自然を愛し、人と自然に愛され、真に誇りと喜びを感じられるようなゆとりと豊かさ、優しさに満ちた甲府の建設に向けて、目指すべき都市像を「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」と設定したものであります。 地方分権が本格化いたしますと、部分的には今まで国が指導してきたものを市町村が判断しなければならなくなります。一方私たち行政側も、地方議会も、その責務が非常に重要になってくるのではないかと思います。そこで判断を行う人たちが、従来のように自分の市やまちだけでよければよいと考えているようであれば、地方分権による本来の責務は果たせないと思います。そして21世紀の地方行政の基本は、従来の文書主義から現場中心主義への転換が必要になってくるものと思われます。私たち公務員は、現場に立ち、現場で正しく把握した情報を議員に伝え、また逆に伝えていただくことが大切であります。エコープランの推進にもそのような考えが必要であります。 そうすることによって、私が提唱しております生活者重視の本当に生きた市民のための行政ができます。また、地方分権には今後女性のパワーが相当強く必要となり、それを目標にも掲げなければなりません。それによって、さらに生活を中心とした行政が行っていけるものと判断いたしております。 いずれにいたしましても、新たなる世紀に向けての県都甲府としての方向は、中核市を目指しまして、周辺町村との連携を基本に一体的に発展させることにあると考えます。したがいまして、提案いたしました基本構想を具体化するため、都市像実現のための5つの基本目標のほかに、中心市街地の再開発等による人口の回帰と産業の回復、新産業の創出と地場産業の育成、新観光都市の実現、高速交通網の整備、福祉・教育・環境など市民生活の一層の向上に向けて、施策の展開を図るため引続き基本計画及び実施計画を策定し、市民とともに英知を結集して力強く邁進していく決意であります。 構想の推進にあたっては、住民が主役、市民総参加のまちづくりが基本であると申し上げたところでありますが、広報、公聴活動の充実や情報公開、情報提供に努め、市政について市民の十分な理解を得てまいりたいと考えております。自治会組織や市民の市政への参加の熱意と、市民の手によって策定されたエコープランと、その推進協議会など市民組織の活動の促進や各種審議会、委員会等幅広い多くの市民からの声を聞きながら、市民と行政の役割分担の上に立った信頼関係をさらに充実し、市民総参加のまちづくり、市民が主役の市政を推進してまいります。市議会の温かい御指導、御協力、御支援を賜りますようお願い申し上げます。御理解を賜りたいと存じます。 他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。 ○総務部長(加藤清吾君) 組織改革についての御質問にお答えを申し上げます。 本市では、今次の組織改革において事務事業の見直し等による組織の整理、統合、再編等を行い、少数精鋭による効率的な行財政運営を図ってきたところでございますが、今後新総合計画を推進するにあたりましても、複雑多様化する市民要望を的確に把握し、効率的に事務執行ができますよう、引き続き改革を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 (依田敏夫君「了解」と呼ぶ) ○議長(小野雄造君) 次は、新政クラブ 原田英行君。 原田英行君。 (原田英行君 登壇) ○原田英行君 新政クラブ依田議員に引き続きまして、新総合計画の基本構想について質問いたします。 第三次総合計画は、昭和63年を初年度に、平成12年西暦2000年を目標年次とした13年間の長期計画でありますが、バブル経済崩壊後の経済状況の大きな変化に加えて、高齢化、少子化、国際化、情報化の一層の進展、さらには地方分権、地域連携、行政広域化という時代の潮流の中で、また、物から心へなどに代表される価値観の変化、多様化など、時代変革のうねりの中で甲府市を取り巻く環境も大きく変貌してきています。この時期において、来るべき21世紀に向かって、社会、経済環境の変化に適切に対応し、ゆとり、豊かさの中に個性ある住みよいまちづくりを推進していくため、市政運営の指針である新たな総合計画を策定するに至ったことは、まことに時宜を得たものと評価するところであります。 新総合計画は、周辺町村との一体的な発展を目指した中核市構想を推進するとともに、本市の自然、歴史、文化、産業を最大限に活用し、すべての市民が幸せを実感でき、心満ちて暮らせる夢と希望に満ちた甲府市を「回復、交流、育成…そして未来へ」の基本理念のもとに、都市像を「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」と定め、5つの基本目標とその施策の大綱により実現するものと理解しております。 具体策が示されていない時点での質問のため抽象的にならざるを得ない面がありますが、何点か質問させていただきます。 第一点目といたしまして、人口増加対策と土地利用についてであります。基本構想によりますと、目標年次における総人口をおおむね21万1,000人、世帯数を約7万8,500世帯、交流人口を30万8,000人程度と推計しております。交流人口の視点は、観光や国際会議などで訪れる人たちが、地域において1日に使われるお金の6倍使うとも言われているように、交流人口によるサービスの需要の増大、さらに地域の地名度、ステータスが高まる中で定住性や地域への愛着の高まりも期待されます。 こういった意味で、新たな概念である交流人口を都市づくりの視点としてとらえ、地域の商業、サービス業のマーケットの拡大や、交通基盤などの都市基盤の面で、交流人口に対応した整備が大切であることを考えますが、やはり自治体にとって重要なことは常住人口であると考えます。第三次総合計画において、平成12年22万8,102人、平成7年に21万2,990人を見込んでおりましたが、平成7年の国政調査の確定値は20万1,124人であり、平成7年の時点でも1万1,000人強の違いがありました。新たな指標は相当控え目な人口予測となっているものの、約1万人の増加を図らなければならないこととなっております。全国的に人口の成熟期に向かう中で自然増が期待できない今日、1万人の人口増加は相当難しい面もあろうかと考えます。 産業、土地利用、その他あらゆる施策を挙げて方策を進める必要があろうかと存じますが、そこで一つ目として、土地利用上の観点から、開発人口についてどのような開発手法で、どの程度の人口を見込んでいるのか、また現在立ち上がっている事業はどのようなものがあるのか。 二つ目といたしまして、サラリーマン、特に若者の市内定住を図るため、低廉で良質な宅地造成や分譲を行うため、3ヘクタールに満たない残存農地等の開発について、土地開発公社が積極的に事業展開を図る上で、庁内、各部の機能を上げて、例えば道路、水路等への公共投資を行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。 次に、第二点目といたしまして、産業の振興と都市基盤の整備についてであります。福祉の向上、教育の振興、環境の保全はすべての市民の願いでありますが、これらの分野へ予算を投入するためには、市内の経済活動が活発で、市民生活がにぎわい、生き生きとした産業の振興が図られていなければなりません。さらに21世紀の政治、社会を迎えるにあたって、今こそ都市基盤の整備を進めておかなければ、県都としての魅力を欠くこととなります。こうした観点から、今後、総合計画における産業の振興と都市基盤の整備に対する基本的な認識をお聞かせ願いたいと思います。 次に、3点目といたしまして、財政フレームについてであります。新たな総合計画策定に踏み切った理由の一つに、財政上の計画と現実との違いが挙げられます。国、地方の財政は危機的状況にあり、国、地方を通じて財政計画への取り組みを行っているところであります。こうした中で、これら新たな構想の具体化のため、基本計画、実施計画を策定することとなりますが、そのための財政フレームをどう見ているのか。大枠としての10年間の財政見通しをお示しください。 次に、4点目といたしまして、基本計画、実施計画の取り組みについてであります。提案されております基本構想は、都市像、基本目標等、都市づくりの基本方向であり、抽象的な存在であるため、総合計画の具体的イメージがつかみ切れない感がいたします。基本構想を具体化するための基本計画、実施計画は、どのような内容でどのような日程で策定されるのか。また、基本計画等が議会へ示される時期についてお伺いいたします。 最後に計画実現の市長の決意でございますが、以上、基本構想に対する幾つかの質問をさせていただきましたが、最後に新たな基本構想のもとに市政運営を行っていこうとされる市長の決意をお示しいただければ幸いと存じます。 以上をもって質問を終わります。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 原田議員の御質問にお答えいたします。 はじめに、開発人口についてどのようた開発手法で、どのくらいの人口を見込んでおるのかとの御質問でございますが、都市基盤の整備と良好な宅地を大量に供給することが同時に可能な組合施行土地区画事業を主に、県営住宅和戸団地、市営住宅里吉団地の公共住宅建設事業、区画整理済み地区や民間宅地分譲への居住を促す定住促進事業などにより、約1万人の人口増加を見込んでおります。このほか、甲府駅周辺地区、寿宝地区の土地区画整理事業、中央四E地区、国母南地区の再開発事業や、交通網の整備を視野に入れての市街化区域の拡大による宅地開発事業などへの取り組みにより、さらに人口増の上乗せを目指したいと考えております。 また、これらの事業のうち既に土地区画整理事業では、公共、組合施行合わせて5地区、再開発事業は2地区が事業に着手をいたしております。 次に、3ヘクタール未満の残存農地の開発についての御質問でございますが、3ヘクタール未満の未整備地区が各所に散見されますが、行政として開発整備への指導、援助につきましては、現行制度上では十分行えないのが現状であります。土地の有効利用を行う意志がありましても、道路等の公共施設が未整備のところもあり、未利用地となっております。こうした状態は市民全体の損失であると考えますので、今後財政状況を踏まえながら、土地開発公社の活用方法も含めまして、早期整備が行える方途を検討してまいります。 次に、産業の振興と都市基盤の整備についての御質問でございますが、商工業をはじめ各産業が生き生きと経済活動を展開し、業績を上げることで雇用の拡大、人口増加、消費の拡大、税収の確保などが期待をされます。また、都市基盤の整備は、産業の振興を図る上からも欠かすことのできないものであり、都市づくりの根幹をなすものと考えております。このことから新総合計画におきましては、先端的産業や地場産業の振興、魅力ある新観光都市づくり、高速交通網整備に合わせたまちづくりや、新市街地の創出などを、施策展開の重要な視点ととらまえまして、産業の振興、まちづくりに取り組んでまいります。 次に、財政フレームについての御質問でございますが、国、地方を通じる財政環境が大変厳しいことは、私もよく承知をいたしておるところであります。このような中での財政計画の推計値、特に歳入につきましては、各年度の国の予算や地方財政計画など不透明な要因もあり、推計を難しくしておるところであります。御指摘のとおり、財政計画は総合計画と表裏一体をなすものであり、計画実現を担保するものであります。このため、新総合計画の政策実現に向け、可能な限り自主財源の確保はもとより、依存財源につきましても、有効活用を図ったものであります。この結果、計画期間中の事業推進が的確に図られるよう、年平均の伸び率を2.99%と見込んだもので、目標年次の予算規模につきましては、基準年であります7年度の1.4倍程度になるものと予測をしたところであります。 次に、基本計画、実施計画への取り組みについての御質問でございますが、基本指標や施策の大綱を踏まえて、目指すべき都市像を実現するため、施策の大綱の思いやりと希望に満ちたまちをつくる福祉の向上をはじめ、5つの目標の主要な施策や地域別の発展方向を基本計画で体系的に示してまいります。 さらに、基本計画に基づいた施策につきましては、優先度、緊急度、効果等を総合的に勘案して、事務事業を具体的に実施計画で示してまいります。基本計画は、前・後期の5か年、実施計画は3年ごとのローリングで、毎年更新により見直してまいります。基本計画は、平成9年度の予算編成と合わせ、平成9年1月下旬を目途に策定してまいる予定であり、議会へお示しをしてまいりたいと考えております。 計画実現への決意についてでございますが、私は市長就任以来生活者重視の市民による市民のためのひらかれた市政を基本として、市民一人ひとりが、真に喜びと誇りを感じられるような、ゆとりと豊かさ、やさしさに満ちた甲府市の建設に向け、努力をしてまいりました。このたび新しい総合計画を策定するにあたり、21世紀の扉を開く、これからの10年余りの時代を展望したとき、極めて流動的な社会、経済情勢の中ではありますが、甲府市の発展や、甲府市民の一層の福祉の向上のために、さらに力の限り尽くすことを決意したところであります。 基本構想を今後の市政運営の指針として、その実現にあたっては、幅広い市民の積極的な参加のもと、行財政の効率的な運営を行い、広域的な視野に立って、全職員と一体となってその遂行のために最善の努力を図ってまいる所存であります。今後とも市議会の温かい御支援と御協力、御指導を賜りますよう、心からお願い申し上げます。 ○議長(小野雄造君) 原田英行君。 ○原田英行君 おおむね了解をしたわけでございますが、基本理念を「回復、交流、育成…そして未来へ」ということで、「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」を大きく育てて推進していってもらいたいと、こんなふうに要望して終わります。 ○議長(小野雄造君) 次は、新政クラブ 山村勝一君。 山村勝一君。 (山村勝一君 登壇) ○山村勝一君 我が新政クラブでは、さきに依田議員、原田議員が幾多の質問をいたしましたので、私は新総合計画における財政計画1点について質問させていただきます。 今般策定された新総合計画における基本構想、基本計画、実施計画というそれぞれの枠の中で踏襲していくとの説明を受けましたが、まさしくそのとおりであろうと思います。基本構想は、本市の将来の都市像を決め、夢とロマンに満ちた構想として市民に希望と潤いを与え、そして市民にもその都市像に向かって互いに協力し合う部分もあろうかと思います。基本計画については、この都市像を踏まえ、この10年間に何をしていくかの具体的要件を的確に表現される計画であろうと理解するところであります。そして、実施計画においては、毎年度のローリング方式として単年度予算の裏づけをして、年間の予算執行が明示されるものと思っております。 そこでお伺いしたいのは、示された資料によりますと、個々の計画が果して実現可能であるものかどうか大変心配するところであります。本市の市税収入の推移を見ますと、昭和60年代から平成3年のバブル絶頂期の最高でも、決算数値では15億から16億の伸長であったことを考えると、今回の財政計画はこの10年間に180億弱の伸びを見込んでおり、単年度に換算しますと18億の伸びを必要とする財政計画で、非常に無理があるのではないかと思うところであります。この財政計画が余り過大見積もりをした上での基本計画であると、しょせんは今回のように大幅な見直しを必要とする結果が懸念されるところであります。提示された各資料のうち施策の方向の考えが、基本計画への移行的要件と思われるので、市民に提示する基本計画は、事務事業の見直しをさらに行い、各事業の選択は市長の勇気ある英断のもと、整理された上での計画であってほしいと、実現可能性を見きわめて作成されたいと思っておるところであります。 基本計画に対しては、私の意見として整理されれば結構ですが、どうしても財政計画が気になるところでありますのでお伺いしますが、余り過大な財政計画は行政不信にもつながりかねないと考えますが、この財政計画はどうした要素を基本に考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 山村議員の御質問にお答えいたします。 財政計画についてでございますが、先ほどの御質問にもお答えいたしたとおりでございます。不透明な要因もある中での推計ではありますが、でき得る限り計画期間中の政策が実現できるよう現時点で想定される税財政制度の上に立って、市税を中心に財源確保を図ったものであります。 今回の推計にあたりましては、経済予測などにとどまらず、できるだけ詳細な各科目ごとの実績と将来における特殊要因を抽出し、これらを個々に積み上げまして、各科目の予測を行ったところであります。したがいまして、本構想を含む計画の策定にあたりまして、現時点では実現可能な見込みに立ったものでありますので、御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(小野雄造君) 山村勝一君。 ○山村勝一君 おおむね了解いたしました。市長の大英断によりまして市民にわかりやすくまた納得のできる基本計画、実施計画等の策定をよろしくお願いいたしまして、これを強く要望といたしまして、質問を終わらせていただきます。 ○議長(小野雄造君) 次は、21世紀クラブ 金丸三郎君。 金丸三郎君。 (金丸三郎君 登壇) ○金丸三郎君 まず、最初に総合計画審議委員会並びに審議委員の皆さんに、わずかな時間にもかかわらずこのようにまとめていただきまして、大変感謝を申し上げ、また敬意を表するところでございます。 私たちの21世紀クラブは、マルチメディア時代への行政の対応をクラブの理念に掲げておりまして、新たた発想で新しい甲府市の新たな政策の実現に努力をしておりますが、この件につきましては、後ほど同僚の保坂議員が質問いたしますので、私は全般につきまして、当局に直接お聞きをさせていただきたい7点につきまして、御質問を申し上げます。 今日まで私は、平成3年6月議会から9回この議場におきまして発言をさせていただきましたが、この間多くの御提言をさせていただきました。とりわけ私が持論としております広い意味での観光立市甲府、この件につきましては、既に何回もこの場で申し上げたところでございますが、新総合計画におきましては、観光という面が大きく取り上げられ、そしてそれが交流という言葉の中に反映されておるということで、私自身は大変感謝を申し上げているところでございます。 しかしながら、新総合計画を読ませていただきまして、私が感じますのは、総合計画といいますか、将来計画というものはもっと夢があって、楽しく、言うならばうきうきしてくるようなプランがあってもよいのではないかというふうに考えるわけであります。一体今までの総合計画とどこが違うのか、大変読んでみてわかりにくい部分でございます。あえて申すならば、なぜゆえ見直しをしたかという点につきまして、より率直に当局のお考えをお聞きをしたいものであります。そうした観点に基づきまして、本日は7点にわたりまして簡明に御質問をいたしますので、お答えをお願いいたします。 まず最初に、新総合計画策定にあたり、前計画をどのように総括したのか、その経過を詳しくお示しください。 また、その反省点とその責任の所在についてもお示しいただければありがたいと思います。 次に、新総合計画の実施期間についてでありますが、新計画は10か年を目標年度としております。第三次総合計画のときも13か年を予定し、そして平成4年に見直し、中・後期計画をつくり直し、さらには平成7年に新しい見直しをすると伺っておりましたが、このようにわずか8年の間に2回大きな見直しをしようとしておっても、今回のように新しい計画をつくらなければならなかったということは、10か年というその年月が果して妥当なのかどうか、その根拠についてお示しをいただければありがたいと思います。 もちろん新計画が5年ごとの見直し、3か年ごとのローリング計画等につきましては承知しておりますが、計画そのものの10か年が妥当なのかどうかをお示しください。 3番目に基本理念でございます。「回復、交流、育成…そして未来へ」と、非常にすばらし文句でございます。この回復、交流、育成、これらの文言が指す点は、新しい構想のどこに具現的に展開されているのでありましょうか。交流につきましては大きく取り上げられており、理解できるところでありますが、回復、育成についてはやや消極的ではないかと感ずるのは、私一人ではないはずであります。この点について見解を求めます。 4番目としまして、新しい都市像「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」、これにつきましては、過去山本市長の答弁の中でもよく伺ってまいりましたので、理解はできます。しかし、この「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」が構想の最終目的である中核市を目指したというところとの整合性について、私には納得がいきません。言うなれば、自然と人に優しいということは、この盆地の環境と、また景観と、そしてそこに住む人々、それらの大きなものに対する優しさを示すわけでございますが、中核市ということは、人口増があり、そしてそれは開発があり、というふうになると。言うなれば自然を守るということと、新たな中核市をつくり上げていくという開発とに問題があるのではないかと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。 次に、想定人口についてお伺いをいたします。平成18年を21万1,241人、基準年度より5.29%の増として人口を算出いたしておりますが、この算出根拠についてお示しをお願いいたします。前計画においても、この人口の問題が想定値と大分離れたものになったと。言うなれば人口フレームが崩れてきたということで、私も昨年議会におきまして想定人口の見直しを提言したものでございますが、今回は、どのような算定根拠に基づいて想定をしたのか、お示しをいただきたいと思います。 次に、6点目として交流人口についてお尋ねをいたします。この言葉は、もう既に十数年前から行政用語としては使用されておったそうでありますし、私は毎年参加させていただいております、また全国都市問題会議のことしの10月に開催された資料におきましては、既に14年前から兵庫県では使用され、また10年前からは財団法人の兵庫未来創造協会で使われておるそうでございますが、この交流人口という概念につきまして、私は今回の計画はやや消極的なとらえ方であって、甲府市が新しい総合計画を考えるのであれば、また交流人口増こそが新構想の根幹をなすものであるとするならば、より積極的にこの交流人口について調査研究をし、そしてわずかこの計画の中では2万人の増加しか見込んでおらないという平成18年には30万8,437人ですか、この数字をもっと大きな数字となるような施策が今から必要ではないかと考えます。当局の交流人口のとらえ方について見解をお示しください。 次に、7点目といたしまして、新総合計画における財源の見通し及び財政運営についてお聞きをいたします。これにつきましては、先ほど同僚議員がお聞きをいたしておりましたが、私、率直に申し上げますのに、第三次総合計画の破綻と申しますのは、人口フレームの問題ばかりではなく、我が市の財政フレームの問題が大きな問題であるというふうに私自身は考えております。でありますので、構想といえども、やはり財源あるいは財政を考えたものをつくっていかなければならないのではないのでしょうか。その点につきまして、再度当局のお考えをお尋ねいたします。 以上、簡明に7点を質問させていただきましたので、この答えをいただいた後に再質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 金丸議員の御質問にお答えいたします。 新総合計画策定にあたり、前計画をどのように総括したのかとの御質問でございますが、第三次総合計画は昭和63年から平成12年までの13年間にわたる長期計画で、平成4年に基本計画部分を見直し、現在に至っております。昭和61年12月から始まった平成景気は、平成3年4月までの53か月間にわたる戦後2番目の大型景気でありましたが、平成3年5月からの景気後退で始まった平成不況へと続いてまいりました。 現計画は、好況高景気のさなかに策定されたものでありまして、見直しの際には景気の後退の兆しはあったものの、それほど深刻ではなかったものと考えられます。したがいまして、新たな総合計画策定への前提として、1.人口・世帯、2.就業構造・市民所得、3.土地利用等の甲府市の主要指標の推移と現状を分析いたすとともに、第三次総合計画の主要な事業の実績につきましても評価を行い、総括をしてまいりました。 基本構想は、策定後の社会経済情勢の進展など、外部条件の変化により、基本構想と現実との遊離が著しく大きくなるなどの理由により、当該市町村の経営基本たるにふさわしくない状態になった場合においては、速やかに改正すべきものであるとされております。新甲府市総合計画は、こうした分析と総括の上に立って、さらに一層進展が予測をされる少子化、高齢化、国際化、情報化、広域高速交通などを新たな視点である地方分権、行政の広域化といった時代の潮流に対応していくため、策定をいたすものであります。 次に、新総合計画の期間についての御質問ですが、基本構想につきましては、地方自治法の規定により、市町村はその事務を処理するにあたっては、議会の議決を経てこれを定めるとされております。さらに自治省の定めます策定要領の中で、基本構想の期間はおおむね10年程度が適当である旨が示されております。本市の過去における総合計画は、第一次総合計画が10年間、第二次が10年間、第三次は昭和63年から平成12年までの13年間の期間としてまいりました。今回策定いたします新総合計画での基本計画は、前期・後期に分け、平成13年には見直すこととしておりますので、社会情勢の変化にも適切に対応できるものと考えております。 次に、基本理念の具体的展開についてでございますが、新しい甲府市の総合計画を策定するにあたり、「回復、交流、育成…そして未来へ」の理念を掲げました。回復としましては、人間性の回復や自然の回復などでありまして、交流は活力あるまちとするための都市間の交流や高速交通時代の広域的な交流であるわけでございます。そして、将来を担う若者の育成や自然環境の育成などの保全であるわけでございますが、特にこの回復という部分につきましては、当然河川の浄化、森林の育成、またこの地球規模での環境保全というものも当然この中に、この育成あるいは回復というところに含まれてくるものではないかと思っております。 こうした理念のもとに、都市像の実現に向けて5つの基本目標の中にその方向性を示し、それぞれの目標の施策の基本となる事項に理念を具現化させているものであります。そして、これらを私たちが築き上げることにおいて、未来の若者たちにこのすばらしい甲府というものを受け継いでいただこうと、このためにこの計画を実行してまいりたいと思っておるところであります。 次に、都市像と中核市との整合についてでございますが、新甲府市総合計画の都市像「人と自然に優しさあふれるまち・甲府」は、市民が主役の生活者重視のまちづくり、心の豊かさに満ちた市民生活、自然の回復、自然の保全、自然とのふれあいの場の創出などを重視したまちづくりを目指しております。このためには地域コミュニティの充実、ボランティア活動の支援、活力ある産業の振興、交流、連携、広域的都市機能の充実を図り、甲府圏域の魅力ある中心都市として、また地域連携軸を形成する中核都市へと発展をさせていくものであります。御理解を賜りたいと存じます。 他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。 ○企画調整部長(藤巻康夫君) 財源の見通し及び財政運営についてのお尋ねでございますが、財政環境の厳しい中にありましても、計画期間中の政策が実現できるよう、経済予測はもとより将来における増収要因も考慮する中で、可能な限り財源確保を図ったところでございます。 また、財政連営についてでございますが、健全な財政連営を基本に今後進展が予想される地方分権に対応した財政システムの確立とともに、自主財源の確保と経費の節減を図り、長期的展望に立った財源の効率的配分を行い、多様化する市民ニーズに的確にこたえていきたいと考えております。 以上でございます。 ○新総合計画策定担当部長(野沢勝利君) 御質問のうち2点についてお答えをいたします。 まず、想定人口の算出根拠についてでございますが、活力ある都市活動を展開するために、人口の増加を目指すことは当然のことと考えております。新総合計画の基本構想におけます将来人口の推計につきましては、実績の推移をもとにいたしまして、出生率、死亡率、社会移動数及び開発人口を考慮しまして算出したものであります。このうちの開発人口につきましては、土地区画整理や再開発事業などを実施し、中心市街地への人口の定着、市街化区域の拡大に伴う職住機能の充実等により、人口の増加を目指すものであります。 次に、交流人口についてでございますが、本市は県庁所在都市といたしまして、昼間人口が集中する地域特性を持っています。本市の昼夜間人口比は、市街地の外延化に伴い、年々高まりつつあります。こうした観点に立ち、今後はこうした日常的な活動人口である交流人口をまちづくりの指標としていくことが重要となります。具体的には、常住人口に通勤、通学者の流入超過人口と、買物客や観光客、また来訪者など、市内への流入者を加えた人口を交流人口としてとらえ、まちづくりを考えていく必要があります。交流人口を目標年次において、約30万8,000人と見込んだところでありますが、通動、通学者については国勢調査により、指標の推計は容易でありますが、その他の交流人口につきましては、観光入れ込み数や買物客、また各種施設の市外利用者等、甲府市を訪れる交流人口の推計を行ったところであります。観光入れ込み調査等統計面での整備は、今後の課題ではありますが、交流人口のもたらす本市への経済面での影響、まちの活性化、地域連携など、多岐にわたってのプラスの影響が期待されることから、交流人口に対応した交通基盤、都市基盤の整備のほか、国内外の人々との活発な交流を通じて、地域の総合的な活性化を図ることによりまして、予測数値を超える交流人口の増大も期待されるところであります。 以上でございます。 ○議長(小野雄造君) 金丸三郎君。 ○金丸三郎君 すべての点にわたりましておおむね納得できる当局の答弁でございますが、今回新総合計画を策定し、先日、構想を説明を受けたわけでございますが、前回の第三次総合計画の折に、やはり議会での資料ですか、昭和62年の12月の定例議会議事録を読ませていただきました。そこにありました第三次甲府市総合計画の基本構想と、今回の基本構想、これを比較をさせていただきました。そうしますと、前回の基本構想の中には、21世紀に向けての重要課題といたしまして5点ございまして、これらが恐らく当時の緊急課題としての市政における重要課題でもあったわけでございます。今回の基本構想においては、そういったものが触れられておりませんが、その点につきまして当局の御見解を求めます。まず、これが1点目でございます。 次に、いわゆる新総合計画でありますので、当然過去の計画について、あるいは過去の構想等についての責任というふうな問題について、行政の継続性の点からいってもなければいけないわけでございますが、平成4年ですか、中・後期見直しの中で幾つかのっておりました新都市拠点整備事業、具体的に言いますならば、駅北口のアーバンスタディセンターの開発でありますとか、あるいはオフィスアルカディアでありますとか、そういった幾つかの計画については、今回の構想の中にはのっていないような発表であります。その点につきまして、再度御答弁をいただきたいと考えます。 次に、3点目といたしまして、いわゆる交流人口と中核都市の関連についてであります。これにつきましては、私自身も平成3年6月議会から、先ほど申しましたように9回にわたって、毎議会ごとにいわゆるビジターズインダストリーと、あるいは集散人口、滞留人口、交流人口ということで提言をし、また私見も述べさせていただきました。そうした中で、私は20万人の人口が今後も増加が見込めれないということであるならば、今回の構想が最終的に目指している中核市になるという目標の人口30万人ということでございますので、この10万人について人口増を、10年で10万人ふやす施策がなければ、やはり先日の野村総研の調査研究の一番最後のページの最終項目にございましたけれども、周辺市町村との合併が必要になると考えられるというところに行きつくのではないかと考える一人であります。でありますので、この際新総合計画をつくるのであるならば、基本構想の中に周辺町村との合併ということを積極的に取り上げて、そして行政も、また議会も積極的に運動を進めていくという考え方を持つ必要があるのではないかと考えております。 平成8年の6月議会におきましても、私は、今まで広域行政組合を一緒にやってまいりました甲府市周辺の5町に限らず、東八代あるいは西八代等を含む近隣の、今までの5町以外の町村に対してシフトを広げるべきであろうと。そしてまた、市長のお考えの中にも盆地全体を一体としたまちづくりを考えていかなきゃいけないというお考えを常々聞いておりますので、その辺につきまして再度当局の御見解を求めます。お願いいたします。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) お答えいたします。 御質問の第1点の、今計画の中にはその課題が入ってないじゃないかと、こういう御指摘でございますが、今回お示しいたしましたのは構想でございまして、そうした具体的な問題につきましては、これから基本計画、実施計画と移っていくわけでございますので、その時点においてお示しして、また御理解をいただいていくと、こういうことでございますので、御了解賜りたいと思います。 2番目の交流人口ということにつきましては、交流人口をふやすことは当然中核市としての資格というものが、人口30万、それから面積もありますね、100平方キロ以上。こういうふうなものと同時に、昼間人口が定住人口に対して100以上ないといけないとこういうことになっておりますので、こういう意味で、言うなればそこに雇用の創出、産業というものが立地できないと、そこの定住人口が外へ出て行く、流出すると、幾ら人口が30万以上あっても中核市になれないということですので、その100以上にしていかなければならないわけです。したがって、ただ合併すればいいというだけのものではないわけでして、こういう点につきましては、先ほど依田議員の御質問にもお答えをさせていただいたわけでございますが、地方分権というものが進んでまいりますと、当然その受け皿としての都市基盤というものをつくり上げていかなきゃならないわけです。その基盤整備もしていくと同時に、それを今私たち甲府市だけが満足していいものかということを考えたときに、周辺にもそういういい影響といいますか、そういうものを与えていく、言うなれば県都としての役割というものを果していかなくてはならないわけです。ですから、今「さあどうですか、合併しましょう」ということは、私はとんでもないおごりであるというふうにも思います。 したがって、我々がその周辺町村と一体となって、そこに住む人々が満足な環境の中で住んでみたい、また住んで良かったと思えるようなものを中心都市として役割をしっかり果していかなければならない、そのために今回のこの総合計画の中でも、そういう大局的な見地に立ってこの構想を推進をしていこうということでございますので、ぜひその点については御理解をいただきたいと思います。 したがって、あすにでもその合併のために協議していこうと、そういうことではないわけでございまして、あくまでも我々ここに住んでおる周辺の人たちと一体となってのまちづくり、例えば道路の行政にしても、市町村道がそれぞれ途中で区切れたような形でなく、これもやっぱり広域行政の中でとらえればこれも一体的に整備できる。もろもろの社会資本の整備もそういうふうな形で行えるというメリットがあると思います。そういうものを模索しながら、積極的に推進していくことにおいて、当初のそういう中核市的な構想というものも実現できるのではないか。こんなふうな思いを持っておりますので、御理解を賜りたいと思います。 まず、拠点となるその施設、アーバンスタディセンターとかあるいはオフィスアルカディア、こういうふうなものにつきましても、これからの基本計画、実施計画というふうなものの中で、どういうふうにとらまえていくかということについて検討をしながらお示しをしていくわけでございますので、おのずとそれも回復、交流、育成の中に当然含まれて、あるいは、そしてそれを未来へ伝えていくという理念の中に含まれるわけでございますので、具体的な問題については、これからいろいろ出てくると思います。それはまた、お示ししながら御理解を賜っていかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小野雄造君) 金丸三郎君。 ○金丸三郎君 どうもありがとうございました。今の市長の答弁をよしといたしますが、第三次のときには、基本構想の中に百周年記念事業でありますとか、北部山岳地域の振興でありますとか、5点の重要課題というものが示されておりましたので、今計画の中にも基本構想の段階におきまして、緊急的かつ重要な課題を、いわゆる今の広域化の問題でありますとか、財政の問題でありますとか、ということで構想の段階で課題として挙げていただければありがたかったというふうに感じております。 もう一点、これも改めて提言でございますが、前回でも御提言申し上げましたけれども、言うなれば私も、急激な近隣の町村に対する合併運動ということに対しては、やはりいろんな問題があって難しいということは十分承知いたしております。そうした中で、市長のお考えになるような、盆地を一体化した、広域的な行政を展開するという企画を進めるのであれば、ぜひ国が認めております広域連合制度等を活用して、事業の進展を図るべきだというふうに御提言申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(小野雄造君) 次は、21世紀クラブ 保坂一夫君。 保坂一夫君。 (保坂一夫君 登壇) ○保坂一夫君 それでは、21世紀クラブ金丸議員に続きまして質問をさせていただきたいと思います。 まず、私はこの新総合計画の基本構想に目を通しまして、文章的にはとてもよくできている。また、幅広く網羅されているなと思うわけでございますが、何かもう一つ甲府市の将来が見えてこないなという感を受けたわけでございます。審議会の委員の皆さんには大変短期間の中で御苦労もいただいてきたわけでありますが、何か最終的にうまくまとまり過ぎてしまっているというふうなことでございましょうか、そんな感じを受けたわけでございます。具体的には今後、基本計画あるいは実施計画の中で扱っていくということになると思いますので、お尋ねをしたいことは多々あるわけでございますが、今回は特に、前第三次総合計画の策定時と大きく状況、環境が変化した。マルチメディア時代、高度情報化社会に関連した事項を中心に3点お伺いをさせていただきます。 まず、マルチメディア時代、高度情報化社会の行政システム、市民サービスについてでありますが、この辺の記述としましては、基本構想案の9ページ、高度情報化の進展の項で、「今後、情報・通信分野における基盤整備の進展とあいまって、本格的なマルチメディア時代が到来するものと期待されます。」とあり、その後中間ちょっと省略をいたしますが、「そのために必要な情報・通信ネットワークを、次代の豊かさを実現させる社会資本となるよう、行政と民間が連携・協力して整備していくことが必要となります。」と、結ばれています。また、都市基盤の整備の施策展開の重要な視点の項では、「マルチメディアを活用した新たな情報システムの開発や、光ファイバーなど高度情報通信基盤の整備等を、市民との連携のもとに着実に推進していく必要がある」としております。 また、これ以外にも個別に幾つかの箇所で触れられているわけでありますが、どうも21世紀の行政システム、また市民サービスというものをどのような視点でとらえているのか、それが見えてこない。そういった意味で、冒頭ああいった言い方をしたわけでございます。 私が、何でこの点にこだわるのかと申しますと、現在の20世紀末の情報通信手段、急激な変貌の中でマルチメディアが今叫ばれており、社会、経済を既に大きく変えてきている。そういった状況の中で、21世紀の行政というものどうなるんであろうか。市の職員の仕事の質も大きく変わるであろうし、また市民サービスのあり方、その質が大きく変わろうとしているわけであります。これまでのような個別的なあるいは職場ごとの対応とは異なり、一つの体系のもとに全体として大きくまとめ上げていく、総合的見地からの対応が求められているわけであります。そのような立場、位置づけ、見ていきますと、調整機能を持った新たな部署も必要になるのかなというふうな感もあるわけでございますが、今後の市役所の体系まで大きく変わることが予想されるからであります。 これまでも、議会で機会をとらえて、いろいろ発言を、あるいは提起をさせていただいておりますけれども、答弁ではそれぞれのシステム、仕組みをどうも単発的にとらえ、答弁がされている。あるいはまた、今回の構想も単発的、項目的にとらえられているのではないかというふうに感じられてしょうがないわけであります。これらの点に対する、特に総合的見地からのトータル的な対応等々について、当局側の認識と見解、ございましたならば、この辺をお示しいただきたいと思うわけでございます。 次に、内容的にはこういう文言ではございませんが、県下全自治体を結ぶ広域ネットワーク化と行政オンラインシステムについてお伺いをします。この点につきましては、基本構想、38ページのところにちょっと触れられているわけでございますが、「行政オンラインシステムの広域ネットワーク化をはじめ、高度情報システムを活用し」とあり、「県都として中核市を目指した都市づくりに取り組みます。」とあります。現状、甲府市はこの種対応おくれているわけであります。この基本構想は、向こう10年間を展望しているということは承知をしておりますが、特にこの種対応につきましては、甲府市だけの構想や議論、検討だけで済むものではないと考えるわけでございます。将来的な行政のオンラインシステムの広域ネットワーク化、これらを考えたときに、早急に関連する自治体との連携を図り、それら自治体と共通の認識、共通の将来展望のもとに事後の対応やシステム化を進めていかなければならないと考えるわけであります。これらは一部県でも対応はされると思いますが、やはり県都甲府として積極的にかかわっていく必要があるということを申し上げたいわけでございます。 一つ例を挙げさせていただきますと、私、昨年12月議会で印鑑証明、住民票等の自動交付機の導入を提案をさせていただきました。将来展望として甲府市の窓口だけでなく、駅やそのほかの公共施設への設置、あるいはまた県下全域でのオンラインで結んでのネットワーク化等々を見込めるわけでございます。早い時期で、こういった各自治体との連携で将来的にこれらがスムースにドッキングできるようにする必要がある。私が提起をした当時、昭和町は導入されておりましたが、田富がまだ検討し、導入直前であった。その後甲府市が内部的検討を進めて、今いるわけでございますが、その間に田富、敷島、富士吉田、それぞれが独自で導入をしてまいりました。この辺については、恐らく将来的な総合アクセス等の共通認識は、多分ないのではないかと、余り想像でものを言ってはいけませんが、そう思われるわけであります。 これは1例でございます。行政オンラインシステムの将来的な広域ネットワーク化にとって、今その機に甲府市としての一定の方向性を示す中で、他の自治体と共通の認識、将来展望を共有するとの観点について、当局の考え方、見解をお聞かせいただきたいと思います。 最後に、新交通システムの検討にあたっての空間利用の考え方についてお聞かせいただきたいと思います。基本構想36ページのところで交通体系の充実が触れられております。これまた重要な課題でありますが、構想では、広域的な交通網の整備を図るとともに、交通渋滞緩和に向けた既存鉄道の利便性の向上、バス利用の促進などがうたわれ、新交通システムの検討を図る、としています。既に、県レベルでパークアンドバスライドシステムなどの計画がされており、この点については審議会の答申書でもまちづくりの項で触れられておりますが、市内の交通渋滞等の解消に向けて、以前から意見としてあちこちで出されているモノレール構想など、空間利用についての考え方は、今回の基本構想にはないのか、お尋ねをするとともに、基本計画策定の段階で空間利用について検討され、盛り込まれる可能性の有無についても、ここでお聞きをしたいというふうに思うわけでございます。 以上3点質問させていただきました。よろしくお願いいたします。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 保坂議員の御質問にお答えいたします。 マルチメディア時代、高度情報化社会の行政システム、市民サービスについてでございますが、情報通信基盤の整備は市民生活や経済活動にとって、今や不可欠な時代となってきておるわけでございます。そこで、本市ではこれまでテレトピア計画のもとに駐車場案内システム、住民登録、印鑑システム、国保年金システムなどのシステム化を推進してまいりましたが、今後はこうふインターネット情報センターの機能を多面的、多角的に活用し、本市の各種施策の推進を支援する行政情報システムを確立するなど、市民サービスのより一層の向上や経済活動の新規展開ができるような情報基盤の整備促進を図ってまいります。 次に、県下全自治体を結ぶ広域ネットワーク化と行政オンラインシステムについてでございますが、行政区域を越えた市民活動等が展開されている現状を踏まえますと、市民や周辺住民への行政サービスの向上を目指す広域的な情報通信のネットワーク化が肝要となります。このような広域的ネットワーク化を現実のものとし、情報通信のもたらす豊かな市民生活、いわば情報通信の日常生活化や利便性の高い経済活動の促進には、まずは関係自治体の情報通信基盤の整備や窓口事務など、行政情報のオンライン化が簡易になります。したがいまして、本市における互換性のあるLANシステムの構築と相互協力による自治体間のコンピューターネットワークの推進に向け、取り組んでまいりたいと考えております。これらも中心都市としての大きな役割ではないかと考えております。 次に、新交通システムの検討にあたっての空間利用の考え方についてでございますが、高速交通機関及び広域幹線交通網の整備に伴い、その結節点と市街地との円滑な連結を図るためには、在来の公共機関の利用とともに、新たな交通システムも検討する必要があります。それには空間を利用しての自動運転軌道システム(AGT)もその1つと思っております。しかし、本市は富士山、八ヶ岳をはじめとする美しい山々の自然景観を持っておりますので、それらとマッチするようなものであることも課題と思っておるところでございます。御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(小野雄造君) 保坂一夫君。 ○保坂一夫君 ありがとうございました。特に最後の部分につきましては、そういったふうな一つの考え方、示していただいたわけであります。そういったものを、また今後の中でぜひ議論も進めていきたい。 特に私申し上げたいのは、2点目の広域ネットワーク等々の関係、今、市長の方から大変丁重なお答えがございました。ただ、私がこの中で特に強調したかったのは、この新総合計画の中で、向こう10年間を展望するわけでありますが、ともかくこの問題については近隣自治体と早急に共通認識を持つ必要があるということを強調したかったわけであります。そういった意味で、ぜひまた、市当局も、多分初年度からその辺の対応、入れていただけるのではないかというふうに思うわけですが、そういった意味合いで今後ぜひ行政側の対応もお願いをいたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(小野雄造君) 暫時休憩します。 午後2時51分 休 憩 午後3時22分 再開議 ○議長(小野雄造君) 休憩前に引続き会議を開きます。 議案第90号に対する質疑を続行いたします。 次は、日本共産党 石原 剛君。 石原 剛君。 (石原 剛君 登壇) ○石原 剛君 3点にわたって質問します。 第1は、市民の願いを基礎にして自主的なものにするということであります。我が党は、本年の6月議会で総合計画策定にあたって次のように質問しました。以下、はしょりながら引用します。 「新甲府市総合計画策定要綱では、山梨県の幸住県計画や国の地方分権多軸連携型国土形成、新国土軸など新たな計画との整合を図る。中核都市構想を推進するなど、基本とした計画を策定することにしています。このような国や県の動向に従うことになれば、市民本位の市政から遠く離れてしまう結果となるでしょう。それは山本市長が市政に携わったこの5年間を振り返ってみれば明確です」と言いまして、「不況の荒波から市民を守ることが求められているのに対して、一般会計への消費税の転嫁、大幅な公共料金の引き上げ、母子寮廃止など、教育、福祉、市民の身近な生活環境の切り捨てをする一方で、アーバンスタディセンターをはじめ、国・県が進める新都市拠点整備事業、地方拠点都市整備事業など、大型プロジェクトに積極的に乗り出そうとしてきました。こうした結果、甲府は住みにくく、魅力のないまちになってきているのではないでしょうか。今大事なことは、国や県の発想でなく、市民の願いから計画策定を出発させ、国の悪政から市民を守る防波堤の役目を果たす、福祉、教育、暮らしを最優先にする甲府市を目指すことです」としまして、6点にわたって概括的に我が党が考える甲府市の都市像を述べました。同様な指摘を11月19日のぼんちサミットでの月尾教授のお話の中に見ました。全国一斉にやるのではなく、独自のことをやることが大切であると言われました。そして1962年の四全総で、工業団地の失敗があった。テクノポリスも失敗が多い。オフィスアルカディア、全国で26か所一斉に立ち上がる。国際コンベンション都市40か所、国際会議が一遍に40倍にもなるわけではないなど、いずれも全国一斉に行うことになると失敗が多い、このように言われました。今後基本計画の策定の中では、破綻した国の計画に安易に乗るのではなく、市民の願いを基礎にした自主的なものにすることを望むものでありますけれども、基本構想策定の中で、当局はどう考えてこられたでありましょうか。 次に、計画を支える財政問題についてです。地方分権に伴い増大する事務量に対応して財政の手当てをどうするのか、というのが問題です。国、県に対して権限委譲に伴う財政的な裏づけをしっかり求めていくことが大切であると考えます。この間、調査の中で戦後間もない市政の記録の中で、教訓的な資料を見つけました。戦前の中央集権的な地方政治から地方自治の確立をしていく中で、地方自治体の事務量が増大する一方、それに伴う財政が中央集権的であり、全国の自治体が軒並み借金に苦しんだことがありました。 甲府市史にその時の状況が書かれています。社会状況が著しく違う時代のことではありますけれど、地方財政を制度として確保することの大切さを明らかにしていると思います。甲府市史によりますと、この時期を総括して次のように述べています。「このような状況」、このような状況というのは、「地方税制の改正に伴い、市税の納期が下半期に集中して、徴収額が著しく低下して、当時の山日新聞が月々の整理、成績1,100万円程度では5,000万円の一時借り入れの返済に回すどころか、吏員の月給支払額にも足らず、さらに一時借り入れをしたくも貸すところなく、このままでは起債の前借りを事業に振り向ける余裕はなく、月給支払いに回さなければならなくなるかもしれないと、関係各課では悲鳴を上げている」と、このように山日新聞が書いたことでありますけれども、このような状況になった主な原因としては、「戦後の地方の行政制度の改革と運営に適切な財源の裏づけがなかったこと、自治体警察、消防、六三制教育、社会福祉などの行政の拡大のほか、戦災復興都市計画などの公共事業の増加、行政機構の複雑化に財政措置が不十分であったこと、また公債費の増加、経費の硬直化、市税の滞納の増などが挙げられる」、このように書いています。計画実現のための財政の裏づけをどう考えておられるのかをお聞きしたいと思います。 3つ目に具体的な問題について、お尋ねしたいと思います。 医療・福祉・保健のネットワークを構築するとされていますけれども、先日12月6日の説明会では、福祉部、市立病院、国保課など、各部局がそれぞれ縦割的な説明をしておられました。ネットワークと言いながら、全体をまとめ、総括していく核がどこにあるのか。また、具体的な姿が明確にならなかったと思います。この件について、詳しい説明をしていただきたいと思います。 具体的な問題の2としては、中学校給食の問題があります。今回の基本構想の中には、中学校の給食、このことについては一言も出てきません。非常に心配をしてるところです。どのように考えておられるのかをお聞きしたいと思います。 第一弾の質問を終わります。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 石原議員の御質問にお答えいたします。 地方分権にかかわる財政問題につきましては、推進法の制定によりまして新たな展開を迎えるに至ったことは御承知のとおりであります。以前からも地方と国を通じる事務や財源の問題は、事あるごとに論議をされてまいりましたが、抜本的な解決のないまま今日に至っております。しかし、推進法の制定によって、にわかに現実味を増してきたわけであります。そのため、その受け皿づくりも急務でありますが、何といってもその前提となる地方財源の充実強化が図られなければ、真の地方分権はないものと考えております。財源問題はまだ具体化しておりませんが、これから動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 また、これと並行し、今後も引き続き全国市長会などを通じまして積極的に地方財源の充実に向け、国へ要望してまりたいと考えております。 次に、保健・医療・福祉のネットワークシステムの確立についてでございますが、各サービスを一体的にとらえたネットワークシステムにつきましては、甲府市高齢者保健福祉計画に基づいてサービス提供体制の確保策として示されております。高齢者や障害者の持つさまざまなニーズに的確に対応できるようネットワークシステムの構築は極めて重要なものだと認識をいたしております。平成8年度には各関係機関との連携体制やデイサービスセンター、在宅介護支援センター、老人保健施設、老人訪問介護ステーションなど、保健・医療・福祉の施設整備も一部が実施をされております。また将来的には保健・医療・福祉の常設コントロールタワーの設置が必要であると考えております。 いずれにいたしましても、ネットワークシステムの構築には総合保健福祉センター、福祉コミュニティセンターの設置や民間ボランティアの協力を得る中で進めてまいりたいと思います。 基本的な施策につきましては、基本計画、実施計画の策定の中で検討してまいります。 ○議長(小野雄造君) 石原 剛君。 ○石原 剛君 子細については、今後の計画の中でやっていくということでありますけれども、やっぱり心配するのは中学校給食の問題で、一言も触れられてないというのは非常に心配をするところであります。ぜひ、レールはもう敷かれているわけですから、そのレール、確実に前進する方向でやっていただきたいというふうに思います。 それで、基本構想、具体化していくという点では、この執行の長である市長のリーダーシップというのが当然重要であるということは、私が言うまでもないことだと思います。この点で、私ども会派で最近視察してきた岩手県の沢内村の村長さんの話が、非常に私感動しましたので、ちょっと御紹介させていただいて、トップのあるべき姿を、その1例を見る思いがしましたので、御紹介して、市長の感想を伺いたいというふうに思います。 これはその沢内村の元保健婦、現在は村会議員をされている高橋さんという方が書かれた文章でありますけれども、深沢晟雄村長は1957年、私が生まれて次の年なんですけれども、昭和32年、それから8年間村政を担当されたわけであります。深沢村政がそれまでの村長と異なる点は、地方自治の精神を明確にして、きちんと村政の中に据えて施政をしたということだろうと思います。国政や県政もあるが、それらの基本となる村政、そしてその自治体の構成員である村民の生活が支えられ向上するために村政はあるんだという、ごく当然のことを実施したことにあると思います。そして、それを実施するために村民が何を望んでいるのかを知るために、他の町村長は国会陳情に参上するのに、せっせと部落回りをして、村内くまなく村民の意見を聞いて歩いたそうです。そして得た結果は、村民の生活を困難にしているのは、雪と病気とそれに伴う貧乏であるということでした。 こうい結論に基づいてこの深沢村長は、当時1,200万の村税の中で560万円のブルドーザーを買って雪を除雪すると。それからお金がなくて医療にかかれないということから、医療費の無料化を実行しました。当時の国保法は本人負担5割となっています。国や県はこの医療の無料化に難色を示しました。国や県がだめだということをやることには賛成できないと村議会ももめました。深沢村長もみずから苦悩しましたが、「末端の国保法には違反するかもしれないが、憲法には違反しない。医師会などで訴訟が起きても、私は受けて立ちましょう。最高裁まで闘っても勝ち目はあります。私は断固としてやります」と語ったそうです。そして1960年12月に65歳の国保、翌年に60歳と乳幼児にこの医療の無料化が実施されました。深沢村長は「国がやらないなら私がやる、国は必ず後からついて来るでしょう」と語ったそうであります。地方自治の原点というのを見る思いがしました。ぜひトップとしてのこう、意気込みというのか、決意をお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 具体的な問題として提示されました医療無料化の問題ですけれども、本市におきましても65歳というこの年齢を堅持をしてまいっておるわけでございまして、本来これももう大分前にこの65歳の無料化をしてきたということでございまして、今日の平均寿命等から考えると、大きな、何といいますか、段階が、年齢的なものが、本来ならばもっと上に来るようなものですけれども、しかし、そういう中でもこの65歳を堅持してまいっておるわけでございます。実際このことにつきましては、厚生省等におきましても、甲府市はどうしてそうなのかというふうなことの中で、いろいろの面でペナルティを課せられるような恐れもあるわけでございまして、現にそういう部分も出てはおるわけでございます。しかしそうは言っても、今日までその制度というものを守ってきたわけですので、これは守り通していこうということで、今日もこれを継続をしてまいっておるわけでございます。 同時にまた、村長さんが村を歩いたということでございますけれども、私も市民対話集会等で多くの市民の皆さんと実際対話をする中において、このエコープランというものの策定にも踏み切らせていただいたわけでございます。まさに住民の意見を尊重し、そして住民の皆さんとの役割と、そして行政の果たす役割、この二つをお互いに相互に役割分担というものを決めていかないと、これからの高齢社会に向かって、やはりこれをどういうふうにこの福祉を向上させていくかということを考えたときに、おのずと行政ばかりではできない。やはり地域の人たちとの協力体制の中においてこそ、この高齢化社会というものをよりよい社会にしていく、私は一つの手段であると思いまして、そういう意味ではエコープランの本旨といたしますものも、これからの地域福祉の充実というところに、着眼をしておるわけでございます。そういうことで、私もせっせとそうした市民の皆さんの意見を反映すべき、今日までの行政というものを展開してきておるつもりでございます。多分、その村長さんは甲府市のその対話集会をまねて、多分出かけられたのじゃないかなと、こんなふうな感じもいたしております。 ○議長(小野雄造君) 石原 剛君。 ○石原 剛君 ありがとうございました。 甲府市民の声をしっかり聞いて、それを市政に反映させると。 それから役割分担ということを言われましたけれども、やっぱり行政とそれは市民との間の信頼関係があってこそだと。その信頼関係をつくるものは、やっぱりしっかり行政が市民の願いを受けとめてくれるという、やはりことがあればこそだというふうに思います。ぜひそうなっていく方向で努力をしていただきたいというふうに思います。終わります。 ○議長(小野雄造君) 次は、公明 堀内征治君。 堀内征治君。 (堀内征治君 登壇) ○堀内征治君 新甲府市総合計画の基本構想設定に対して質問をさせていただきます。 まず、非常に短期間での計画策定作業であったにもかかわらず、山本市長御自身の陣頭指揮のもと、当局の精力的な取り組みは称賛の意をあらわすものであります。また、この計画策定に参画してくださいました大勢の市民の皆様方、専門家の諸先生方、専門機関の方々の御支援、御協力には深甚なる敬意と感謝を表するものでございます。 この基本構想が、議会の議決を要するという自治法上のねらいは、議会での審議を通し、基本構想の意図するところ、また総合計画の内容の大綱を市民に明らかにすることにあると言えると思います。私は、当局の真摯な御努力を評しながら、幾つか質問をいたします。 基本構想を読んでみますと、構成や内容が私にとってはどうもややこしい印象をぬぐえません。総合計画の最大の目的は、行政の進路を市民にわかりやすく明示することであります。市民の理解と協力なくしては、いかなる行政計画も文字どおり絵にかいたもちであり、市政の発展は望むべきもないと思うのであります。行政が地域の経営主体としてその担う役割は余りにも広く、また複雑多岐であり、計画的行政運営の指針を施策の優先順位を検討した上での体系として、市民に対しわかりやすく明示することは、近代的民主行政の推進の上からもしごく当然なことであります。 幾つかの具体的事項を挙げますと、まず、何ゆえの新しい総合計画への着手であったかという点でありますが、計画策定の趣旨の記述の中に若干の片りんを見ることができますが、新総合計画策定の意義を具体的、丁寧に説明する必要があったのではなかったかと思うのであります。財政、人口、土地利用、地方分権、規制綬和、地方拠点都市地域、新交通体系、防災、社会経済の変化等々、第三次総合計画の想定をはるかに超えており、総合計画改定の背景、要因は枚挙にいとまがなかったはずであります。計画策定の背景のくだりは、甲府市沿革や市政などに重点を置くのではなく、むしろ新しい総合計画への転換の背景となった要因を、さらには意義を市民に対し具体的に示すことではなかったかと思うのであります。 私が懸念いたしますのは、本市行政計画の最上位計画たる総合計画の変更が、行政の継続性の大原則に疑問を生じ、市民に動揺を与え、さらには行政への不信感を芽生えさせはしないだろうかという点にあります。総合計画は、市民と行政が共有してこそ初めてその実効性を発揮するものと考えておるからであります。 また、基本構想の理念について見ますと、表現が非常に抽象的、観念的ではないかということであります。例えば、独自性とか個性、優しさ、心の豊かさ、かがやきなど、さらには回復・交流・育成…未来と続く、観念的理念、後段にはその説明が続いておりますが、何回か目を通しましても基本理念がよく見えてこないのであります。都市像の記述を見ましても、愛され、誇り、喜び、ゆとり、豊かさ、美しさ、主体性、生きがい、希望等々、きらびやかな言葉が行き交い、その華やかさに埋没し、せっかくの甲府市都市像をイメージするのは困難なのではないでしょうか。また、基本目的にいたしましても、施策の分野をイメージする表現が、その施策を特定しがたい部分を感じとらざるを得ないのであります。基本構想とは、装飾語の多い、あいまい、漠然という印象をぬぐい去ることはできません。しかし、基本構想は議会の議決を必要とする極めて現実的な局面に対し、他都市に見る一般的地方自治体の総合計画の基本構想の概念との差異に戸惑いを覚えざるを得ないのであります。 辛らつなことを申し上げているつもりはございません。当局の真摯な態度を高く評価しておりますが、甲府市の総合計画は、甲府市民に理解され支えられてこそ、行政運営の基本指針となり得るものであります。今後策定が進むであろう基本計画についても、市民に理解を得られる表現・周知方法について工夫するお考えがあるかお尋ねいたします。 次に、将来構想について質問いたします。 人口、世帯、産業、経済、土地、水利用などの主要な指標は、総合計画策定上最も基礎的な根拠資料となるものであります。総合計画に限らず、諸計画の策定には、まず現状をしっかりと認識し、その上から問題や課題を抽出し、将来予測を見きわめていくべきもので、この現状分析が十分に行われなければ、計画の実効性はおぼつかないのでありましょう。 基本構想に示されている現状分析されるべき基準年次は、平成2年とされております。新甲府市総合計画の基本年次を、なぜ平成2年としたのか理解できないのであります。平成2年といいますと、1990年バブル経済は、その壊滅的破錠をいまだ見ず、その成長に酔いしれていたときなのであります。申すまでもなく、今の時代とは隔絶して峻別されるべき時代でありました。新しい総合計画の策定を動機づけるものは、まさしくこの時代との決別にあると理解しております。基準年次として、現状分析されるべきとき、新たな出発点として基準とされるべきときは、経済破錠のツケを一身に背負った、少なくとも1992年、すなわち平成4年以降のときとすべきではないのでしょうか。さらに、その後の景況の不透明な動向を考えますと、現在に限りなく近い時ではないでしょうか。甲府市の総人口、年齢別人口、世帯数、交流人口、市民所得の説明の中に、平成2年から目標年次までの推移を体系別に眺めた表現がありますが、私は、ここのところがよく理解できないのであります。もっとも平成2年は、国勢調査の年であり、また市民所得推計についても統計数値上の掌握、分析上の問題もあったからだろうと推測いたしますが、これら将来指標の推計に今一つ工夫があってもよかったのではないかと思うところでございますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。 次に、将来指標の総人口について質問いたします。 21万1,000人の推計人口に、新たな宅地開発など定住条件の整備等による増加想定人口を加えたとしておりますが、第三次総合計画が想定した2万8,000人の人口増加対策を議論されましたが、たやすく人口増が図られるものではないことは、我々十分思い知らされております。市街化調整区域の問題、農振地域の問題、さらに新総合計画のバックボーンとなっている中核市構想とのつり合い等々を考慮しますと、甲府市の定住人口の増大策は大変難しい問題であり、当局も十分議論したことと思いますが、議論の経過とお考えをお示しいただきたいと思います。 また、人口年齢構成については、特に社会保障行政の分野において具体的施策の財政見積もりに直接関連するところでありますので、推計人口による年齢構成を実際的に活用する手段をも検討しておくべきではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。 次に、主要経済指標についてお尋ねいたします。 平成2年度から目標年次までの市内純生産の年平均伸び率を3.8%と推計しておりますが、この数字はいささか高いのではないかと懸念するところであります。なぜなら、第一に、経済企画庁が示す国内総生産に直接リンクするものであること。第二に、さきに述べたように平成2年からの体系とすると、その絶対額は後年の数値をより高い水準へ誘導しかねないことであります。第三に、この動向が本市の税収入の基礎データとなり得ることなどであります。この推計の過程をお示しいただきたいと思います。 さらに土地利用について伺いますが、基本構想の中では指標としての数値がわかりませんが、この将来指標は、基本計画にゆだねるのか、また甲府市土地利用計画の見直しを行うことを念頭に置いているのか、定かになっておりません。議会として、総合計画を議論するについては、やはり土地利用の数値目標を示していただくことが重要なポイントではないかと考えますので、御見解をお尋ねいたします。 次に、財政計画について質問いたします。 計画策定、すなわち政策形成の鉄則は、財源に照らし合わせて行政目標の水準を決定していくことでありましょう。最上位計画の総合計画は、財政計画なしでは成り立たないことは、だれでも周知のところであります。さきの日本経済新聞の報道によりますと、全国664都市の平均7年度決算分析では、現在の都市財政は第一次オイルショック直後の昭和50年度以降の厳しい局面にあることが鮮明になった、と報じておりました。本市におきましても財政不況は並み大抵ではなく、山本市長の胸中を察して余りあるものがあります。平成7年度財政構造の諸指標を眺めてみましたが、既に黄信号に達していると思われる指標を挙げますと、経常収支比率80.7%、経常一般財源比率98.0%、公債費比率15.4%などであります。特に公債費比率については、土地開発公社関連の債務負担の償還金を加算すると、赤信号がともりつつあると言わざるを得ません。また、実質収支比率1.4%も大いに気になるところであります。しっかりした財政計画のもとでの行政運営が求められるところであります。 そこでお尋ねいたします、1点目として、総合計画の実効性を担当する財政計画を、当面はどのような形で、またタイミングで議会にお示しになるのか、お伺いいたします。 2点目として、平成7年度財政構造上のそれぞれの指標数値が発する警告について、その要因と思われる点に対する見解を明らかにしていだだきたいのであります。 第3点目は、伝え聞くところによりますと、新総合計画期間の市税収入の伸び率を年平均3.数%と予測しているとのことでありますが、もし事実であるとしますと、はなはだ懸念せざるを得ません。私は、この市税収入のフレームは、現段階では水平推移を前提に組み立て、仮に幾ばくかの増収分が確保された場合には、予備財源として留保するといった余裕ある財政運営こそ懸命ではないかと考えます。伸び切った計画はもろく、また危険であります。この点について御見解を求めるものであります。 次に、行政改革について質問いたします。 冒頭述べましたとおり、総合計画の最大の目的は、行政進路を市民にわかりやすく、明らかにすることにあります。この目的を市民への行政責任と申しますなら、二つ目の大きな目的は、行政自身の内部責任とも申すべき、行政の整合性の確保であります。行政事務が複雑多岐にわたり、専門家、多様化を深める行政ニーズが増大する中で、絶えず施策間の整合を図り、行政運営の効率化と政策の有効性を点検、見直すことは総合計画が備えるべき重要欠くべからざる側面であります。ここに持続すべき行政改革の糸口があると思うのであります。 国の借金、国債は241兆円、地方債は140兆円という気の遠くなるような財政赤字を背景に、今や国、地方を挙げて行革の大合唱であります。先日のNHKの世論調査結果によりますと、国民の80%以上が行革に賛意を表しているとのことでありました。この行革の潮流は間違いなく、本市の行財政運営に大きな影を投げ落とすのは必定であります。本市では既に山本市長の英断により、自主的行政改革が行われておりますが、この新総合計画の策定を機に、改めてしっかりした行革の道筋を立てることが最大事であると考えます。本市の抱える緊急の行政課題の克服には思い切った行政運営手法の改革と、政策の転換が必要欠くべからざるものであると言えるのであります。新総合計画の中で、行政改革の旗を今こそ高く掲げるときであると思いますが、山本市長の御所見を伺いたいのであります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 堀内議員の御質問にお答えいたします。 市民にわかりやすく明示する表現・周知方法についてという御質問でございますが、理念に基づきまして、これから基本計画、実施計画を策定していくわけでございまして、具体的事業がこの構想の中で明示されておらないためにわかりにくいというような感じもあろうかと思います。しかし、総合計画推進の主役というものは市民であるわけでございまして、構想の中でも申し上げておりますように、この計画が市民に理解され、推進の原動力となっていただくことは、最も重要なことであると考えております。そのため、本年8月号と11月号の広報で一部掲載したのをはじめ、広報による周知を図るとともに、新甲府市総合計画の計画書を策定してまいります。また、全世帯にはわかりやすい表現のダイジェスト版を配布し、一層の周知を図ってまいる予定であります。 次に、推計人口の増加策についての御質問でございますが、本市が中核市構想を推進する上からもでき得る限り定住人口を見込み、その上に立って都市基盤の整備を行う必要があるとの観点で、あらゆる角度から検討を行ったところであります。その結果、市街地再開発、都市拠点整備事業による新産業の創出に伴う就業人口の増、店舗の共同化、職住一体型住宅の建設促進、特定優良賃貸住宅建設促進等による商圏の再編成、新産業企業の誘致等に伴う人口増、また市街化区域の拡大、土地区画整理事業による優良宅地の提供など、ソフト、ハード両面から人口増対策を検討し、約1万人の増を開発人口として見込んだところであります。 次に、土地利用の数値目標についての御質問ですが、土地利用計画は、市民生活をはじめ産業経済活動など、あらゆる分野における基盤となるもので、将来を見通し、計画的に有効利用を図らなければなりません。基本構想におきましては、市内三層地域の基本的土地利用の方向を示したものでありますが、今後この構想に基づき、国土利用計画甲府市計画の見直しを含め、新市街地の創出など、その転換量を定め、基本計画の中で数値目標を明らかにしてまいります。 他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。 ○企画調整部長(藤巻康夫君) 財政計画についてでございますが、まず財政計画の資料でございますが、さきに提示をいたしました財政規模想定資料に記載のとおりでございます。 次に、財政構造における指標についてでありますが、今回の推計にあたりましては、公債費比率や経常収支比率が一定数値を超えないよう計画額全体の調整を行ったところでございます。具体的には市債依存度につきましては、計画期間中の歳入に占める構成比を9.2%にとどめまして、公債費比率の抑制を図っておるところでございます。 また、経常経費につきましても、行財政改革をさらに進める中で、市民ニーズに即した事業の選択と財源の重点的、効率的な配分を行うとともに、財政計画に沿ったより効率的な財政運営に努めていく必要があると考えております。 さらに市税の推計についでございますが、もとより本市の自主財源の大宗をなすもので、その安定確保は計画実現の重要な課題であると受けとめているわけでございます。数値は単純に過去の実績だけではなく、各税目ごとの実績見込みと増収要因を勘案して推計を行ったところであり、可能な限り財源の確保を図ったものでございます。また、この推計は予算ベースでの数値であり、その後の増収分が見込める場合は、御指摘のとおり調整財源として留保するなど、健全な財政運営に努めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○新総合計画策定担当部長(野沢勝利君) 3点の御質問についてお答えをいたします。 1点目は、基本目標における基準年次についてでございます。人口、所得等の基本指標につきましては、過去の実績の上に立ち、かつ今後大きな社会経済変動のないことを前提として推計を行ったところでありますが、人口、所得にかかわる基本年次は平成2年として、その数値は国勢調査の数値を使用いたしました。これは全国的規模の調査結果を用いることによる他の自治体との比較、本市の経済等の統計上の数値把握の現状等を総合的に考慮したものであります。 次に、人口の年齢構成についてでございますが、平成7年1月の0歳から14歳の年少人口は15.3%、15歳から64歳の生産年齢人口は68.7%、65歳以上の老年人口は16%であります。この状況はさらに継続するものと考えられます。一方出生率は若干の増加が予測されますが、平成18年の目標年次においては、年少人口15.5%、生産年齢人口65%、老年人口19.5%と予測され、一段と高齢化が進展するものと推測されます。なお、平成4年9月、厚生省人口問題研究所の日本の将来推計人口の中位推計の平成18年次によりますと、年少人口15.8%、生産年齢人口64.6%、老年人口19.6%であり、本市も全国値と同様の傾向にあるものと推測されます。こうした人口推計値を踏まえまして、今後の対応策として女性の就労機会の拡大に伴う職場の確保など、働きやすい環境づくり、高齢者の就労を進める条件づくりや社会参加を促進する施策の推進が必要となるものと考えられます。 次に、主要経済指標についてでございますが、主要経済指標の推計の過程でありますが、労働力、就業人口につきましては、開発人口を考慮したコーホート移動・生産率法を用いて推計をいたしました。総人口に占める15歳以上人口をもとに、男女別、年齢、労働力率などを用いて算出したものであります。 次に、産業関連指標及び市民所得関連指標の推計につきましては、国勢調査、工業統計、商業統計などによる甲府市関連のデータを用いて、直線回帰などの相関分析による各産業別の従事者数、製造出荷額、卸・小売販売額等を分析し、推計したものであります。さらに市民所得及び市民1人当たり所得につきましては、本市における過去の産業ごとの従事者1人当たり生産額、純生産を整理をいたしまして、その値をベースに将来の従事者1人当たり純生産を推計し、市内純生産との相関によって算出したものであります。 以上でございます。 ○総務部長(加藤清吾君) 行政改革についての御質問にお答えいたします。 今、本市が進めております自主的行政改革につきましては、国の地方行政改革指針をもとに推進をしているところでございまして、特に今次の本市行政改革では、細分化した組織の統合、再編を行い、多様化する市民ニーズにも的確に対応する、簡素にしてスリムな効率的な組織機構の構築等を推進しているところでございます。今後におきましても、新たな総合計画を進めていくにあたりましては、事務事業の見直し等を行い、自主的行政改革のなお一層の推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小野雄造君) 堀内征治君。 ○堀内征治君 この議案は総務常任委員会に付託されるようでございますので、詳細につきましては常任委員会の方で議論をしてまいりたいと思いまして、以上をもって私の質問は終わります。 ○議長(小野雄造君) 次は、民主クラブ 斉藤憲二君。 斉藤憲二君。 (斉藤憲二君 登壇) ○斉藤憲二君 第三次基本構想策定にあたりまして、これに携わった計画審議会の皆さん並びに市長はじめ関係職員の御苦労に対しまして、心から敬意を表したいと思います。 なお、既に同僚議員から幾つかの質問が出ています。多少ダブル点もあろうかと思いますけれども、私なりの視点から質問をしますのでよろしくお願いをしたいと思います。 まず、中核都市甲府を目指しての問題であります。本市においても第三次総合計画を策定し、そしてその極めて重要な時期を迎えていることは事実であります。このような中で今、中核市構想の推進が叫ばれています。申すまでもなく、中核市は政令指定都市に準じた都市として位置づけられており、政令と同様に今後の地方分権推進の受け皿にもなるものと考えられます。中核市制度の創設とあわせて、まさに本市にとっても歴史的な大きな変革の時期を迎えていると思います。 このようなときに、中核市構想は時代の要請であり、その要請にこたえることは地方自治体の責務であることは申すまでもありません。同時に、住民の福祉の向上のため、また、特色あるまちづくりを進めるためにも、権限委譲を受けることは重要なことだと思います。それは、地方自治体の事務権限の強化と比較的身近なところで行政が行うことができ、市民サービスの向上につながることだと言われているからであります。しかし、それには、その要件として人口30万人以上となっており、中核市構想を進める上で最も重要なハードルとなっています。盆地内の拠点都市として周辺地域と一体となり、中核市甲府を目指すためにも、また、市長の言う30万都市の構想を実現させるためにも、周辺町村との合併が極めて現実的な問題として浮上してきたことは確かであり、これにどう対応し、どう取り組むかが、もうそろそろ具体的なプログラムがあってもよいのではないかと考えます。いかがでしょう。 合併問題については、大変難しいテーマでありますが、しかし、中核市甲府を目指すならば、避けて通れないテーマであることは間違いないと思います。最近になって、県も「広域的なまちづくりを目指して」等のパンフレットを出すなど、若干の動きは示していますが、合併問題については県の強力な指導が不可欠であろうかと思います。その推進を図る意味で、現在まで県の何らかの指導があったのかどうか、今後県の強力な指導を求めるべきだと思いますが、どうでしょうか。さらに合併のための調査研究会の設置や、近郊町村とのシンポジウムの開催など、それに向けての環境づくりを一歩一歩進めていくべきだと考えますが、御所見を賜りたいと思います。 そして、当面本市として、周辺町村との一体的な発展を目指すならば、どの町村まで対象とするのが理想だと思うのか、考え方があれば率直にお聞かせいただきたい、こう思います。 次に、人口増対策についてであります。私はこの点につきましては、人口は平成4年度を境にして微減の状況が続いていますが、これはどのような要因でこのような状況をもたらしているのか、当局としてただ単にバブル経済崩壊後の景気の長期低落傾向等ばかりでは、私はないかと思うのです。したがって、これらの分析結果を明確にすることによって、やはり次への一つの1万余の数字というものは、皆さんに理解、納得ができるのではなかろうかというふうに思うわけでありまして、あえて今までの平成4年からの微減の状況、この要因について明確にひとつお答えいただきたい、こう思うのであります。 さらに、私は定住人口でなくして、買物客あるいは観光客等の人口増の問題でありますが、資料を見ますと104.28%しか見てないのは、余りにも消極的ではないだろうか。いうならば、やはり本市のまつりの見直しなり、あるいはイベントの誘致なりというものを積極的にやることによって、県内外からの、やはりそれらの客の受け入れを積極的に展開をする、このことがあってしかるべきであろう。そのことによって、やはりもっと高いところへ目標を掲げるべきではなかったかというふうに思うわけであります。この点についてお考えをお聞きをしたい、こう思います。 以上申し上げまして、私の質問を終わります。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。 中核都市を目指しての御質問でございますが、本市は今次総合計画におきまして、中核市構想を推進しようとするものであります。本市の目指す中核市はでき得る限り住民の身近で行政を行うことができるようにするものであり、従来のように自分の市やまちだけがよければよいとする考えではなく、地方分権による本来の責務を果たすような中核市であります。行政の効率化を図れる受け皿としても理想的と考えられます。本市は庁内組織を整え、調査研究を重ねながら、定住人口はもとより交流人口と地域連携を見据えての都市基盤整備などを図りながら、中核市構想を推進しようとするものであります。 合併問題につきましては、新合併特例法は住民発議制度を導入し、住民本位の自主的な合併に道を開くことにより、合併を進めるチャンネルを多様化することで住民の関心を高め、合併への機運を盛り上げるという効果が期待をされております。山梨県においても、地方分権の流れの中で市町村の数の適正化などの観点から、広域合併を検討されておると考えられますが、本市へのアプローチ等には、いまだに接しておりません。本市は1市5町にこだわらず、盆地一帯の発展を目指して長期的視点に立って、人の交流、事業の共同開催、行政サービスの相互補完等を進めるとともに、本市の施策においても近隣町村の住民にも波及効果として享受できるような施策の展開を図りながら連携を深めていくことが、県都甲府市としての役割であり、この問題についての周辺町村の理解へつながるものと考えております。私は、さらに甲府市の魅力を高めながら構想の推進を図ろうとするものであります。御理解を賜りたいと思います。 次に、人口増対策につきましては、本市の人口の推移は、平成3年以降微減傾向が続いており、人口動態を見ますと、自然増、社会減であり、地域別では中央部が減少、東部、南部が増加をしております。この原因として考えられますことは、生活様式の変化に伴い、市民が人口低密度を志向し、宅地価格の水準が比較的低い周辺町村に人口が移動したことによるものと考えられます。 新総合計画の基本構想でお示しいたしました目標年次における人口数を達成するための施策の方向といたしましては、市街地再開発事業の促進による職住一体のまちづくり、区画整理事業による市街化区域の拡大によって業務地づくりと優良宅地の供給、西関東連絡道路や山梨環状道路などの整備による周辺の新市街地づくり及び産業の振興を図り、雇用の増加による人口の定着など、ソフト、ハード、両面にわたって総合的に人口増加対策を行ってまいりたいと考えております。 交流人口につきましては、交流人口のもたらす本市への経済面での影響、まちの活性化、地域連携など多岐にわたってのプラスの影響が期待できるところから、交流人口に対応した交通基盤、都市基盤の整備、まつり、イベントの活用のほか、国内外の人々との活発な交流を通じて、地域の総合的な活性化を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(小野雄造君) 斉藤憲二君。 ○斉藤憲二君 おおむね理解をされますけれども、ただ地方分権の受け皿づくりということは大変なことであるだけに、またそのための中核市構想についてもやはりこれを現実なものにしていくために、市長の言う広域市町村の住民が共通の利益を追求をする、このことも一つの手法かもわかりませんけれども、あらゆる手法を講じてそのための環境づくりをぜひやっていってほしい、このことをお願いをしておきたいと思います。 なお、基本構想の指針に基づく基本計画なり基本方針もまた出るだろうと思います。そういう中でまた期待をしていたきたいというふうに思いまして、以上終わりたいと思います。 ○議長(小野雄造君) 次は、社会民主党 山田 厚君。 山田 厚君。 (山田 厚君 登壇) ○山田 厚君 中核市構想の考え方、取り組みについて、関連して行財政運営について伺います。 私は、中核市構想というものに、勉強すればするほどさまざまに疑問を持たざるを得ないものです。中核市になると政令指定都市に準じた保健衛生、都市計画などのさまざまな事務を県から委譲されることになっています。ですが、その中核市を目指すことによって、甲府の市民とその庶民の市民生活、福祉にとってどのような利点、メリットはあるのか、中核市になってよかったなと言えるようなものが一体どこにあるのか、そのようなことをどういうふうにお考えなのか、このことをお伺いしたいと思います。権限が大変ふえた、仕事も大変ふえた、やることはいっぱいだ。でも、その分県からの財源はふえなかった。そうするとどうなるんだろうか。そうなると、市の行財政に大変な混乱をもたらすのではないかと危惧をするものです。何とかこのあり余る仕事をこなすためにも、何とか財源をひねり出そう。そうなってきますと、大抵の場合は自主的行財政改革であろうとなかろうと市の公共料金の大幅な値上げ、福祉、教育部分の見えないところでの切り下げ、やみくもなコストだけを問題にする民間委託、そして職員の労働強化と給与の引き下げ、人減らし、さまざまこのようなどこでもやっているような手法を極端に進めていくということにならざるのではないかと思います。 先ほど市長のお言葉の中で、国、県に財政要望をしっかりやっていくというお話がありましたけれども、それは要望ではない。当然な財源を補償させるための、いわば自治体の戦いなんだと。これを放っておくと必ず市が混乱することは目に見えていると思います。ぜひその辺のところのお考えを再度お聞きしたいと思います。 それから中核市にしていく方法ですが、何度も議論されていますように、目標年次平成18年の甲府市の人口は21万1,000人とされています。中核市となる条件では三つ、今言われたところです。面積は100平方キロメートル、人口では30万人以上、そして昼間人口と常住人口の差ですね。昼間人口が多くなければいけない。この三つが中核市指定の条件ということです。人口では、平成18年になっても計画どおりこれが21万1000人を達成したとしても、まだ9万人ほど足りない。そうすると、この9万人の人口はどこから持ってくるのか。先ほどの話にあるように、やはり町村合併しかありません。最大のネックとされているところです。面積では既に甲府市はとっくにクリアしているわけですから、この9万人をどうするのか。そうすると、やっぱり町村合併、こうなるわけです。ですが、この合併というものは、甲府市がやりたいと思っても相手があることで、甲府市だけが強引にお願いしてもできないものだと思います。いわば恋愛結婚と同じに何度プロポーズしても強引にはできない。情熱やさまざまな取り組みがあってもだめという場合があるのではないか。そのことをお聞きしたいと思います。 また、中核市となる条件には、先ほど言いましたように人口50万人以下の都市の場合では、昼間人口が夜間人口を上回らなければならないとされています。基本構想の交流人口では、平成18年度で見ると、平成9年より2万人ほどふえています。30万8,000です。この交流人口は、やはり合併予定の自治体から、かなり現状では来ていると思います。近隣の町村から甲府に来て働いている。この近隣の町村を合併したとなると、その意味で昼間人口は本当の意味でふえていくのか。こういうことをまず考えなければいけないと思います。 例えば、東京周辺の中堅都市は、実は昼間人口がかなり減っています。大宮、市川、松戸、川口、町田、浦和、これらの中堅的な都市においては、東京へ東京へと直接就業者が流れていますから、寝ていても昼は東京の中心部での仕事、5万人から3万人昼間人口が減っているわけです。そうすると、頑張って、頑張って合併したと。近隣町村が一生懸命甲府市と一緒に肩を組むようになった。でも肝心な昼間人口は、ふえるだけでなくて減ることがあるということをお考えになっているのか。このことをお聞きしたいと思います。 平成2年の国勢調査では、常住人口20万人、昼間人口は23万人と言われています。わずか3万人です。そして、最近の企業での人事配置、人事の合理化によると、東京周辺部へさまざまに就業場所を移して来ている。遠隔地の配転によって、JRの人もNTTの人もたばこの人も民間の人もさまざま朝6時台、7時台の電車に乗って東京へ通う。このような姿が結構来ているはずです。この辺のところをどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。 そして、新総合計画についてです。私は、新総合計画について何度も言いましたが、第三次総合計画、計画年度途中で計画がうまくいかなくて変更になった。だとするのならば、この第三次総合計画をしっかり反省し、総括し直すこと。いわばきつく総括することが必要だと思います。第三次甲府市総合計画は、平成12年までに、平成4年に総合計画、基本計画を見直しを行っています。その中では、計画中におけるバブル経済崩壊後の長期にわたる景気の低迷などにより、計画策定時と現状では遊離が著しく、各フレームの達成は困難な状況と構想ではされています。しかしながら、先ほどの市長のお話にもありましたように、第三次総合計画は、出発したのは平成4年、議論してきたのは平成3年の後半からです。そうすると、バブル経済は既に崩壊過程を始めていたわけです。バブル経済は80年代の後半に、つまり土地の関係でいえば明らかに値下がりが始まり、崩壊が始まりました。1990年代からはその傾向は著しくなっていました。第三次総合計画の基本的見直しは、先ほど言いましたように、平成3年の後半から平成4年にかけて行われたのです。ですから、バブル経済の崩壊は既に、これほどまでにとは思わなくても既に知ることができたのが、平成3年の後半と平成4年ではないか。ですから、つまり、その第三次総合計画がうまくいかなかったのはバブル経済だよ、簡単に言っていいものかどうなのか。その辺の厳しい総括が必要ではないかというふうに思うわけです。 それから新総合計画、そして来年度の9年度予算について質問したいと思います。平成9年から平成18年までが新総合計画の年度ですが、平成9年からつまり始まるわけになります。そうすると、現在甲府市の各部の予算要求は11月から始まって、既に出そろっているはずです。そして査定が来年1月ごろというふうに聞いています。つまり各部の予算要求が始まって、これがベースとなって始まる。基本構想は12月議会で決まるだろう。だが、基本的な計画と実施計画は、いわばこれからであり、3月になるわけです。だとしますと、平成9年の予算は第三次の計画に基づくものなのか、それとも新総合計画のものなのか、その整合性がよくわからなくなってくるわけです。つまり、手続的、論理的に矛盾するような事態はないのでしょうか。第三次の計画の延長線ならば、既に新計画は9年度段階でおかしくなりますし、いやそうじゃなくて、これは新総合計画のものであるとするのならば、基本計画、実施計画も3月の議会で決定されるものならば、この段階で言うならば、既に基本計画、実施計画が実施されることを前提にした議会軽視の内容にならざるを得なくなってくるのではないでしょうか。平成10年度の予算ならわかりますが、新総合計画が9年度の予算でスタートするとすると、この手続的な問題についてどのようにお考えになっているのか、その点をお聞きしたいと思います。 それから新総合の基本構想そのものについても、幾つか不安は感じとれます。先ほどのお話にありましたように、学校給食は甲府市の長年の大事業で、ようやっとこれから実施というときに、その中学校給食が触れられていません。 幼児教育の問題で公立幼稚園がさまざまな社会的な問題となり、多くの議論がされているにもかかわらず、この公立幼稚園の問題に対して全く触れられていません。 それから消防体制の充実というふうにされていますが、消防組織法からの消防力基準では、常勤の消防職員基準の565名のところ、現在では303名、つまり54%しか正規の常勤の消防職員はまだ配置されていない。いわばこれからだということ、このことについても触れられていない。 それから受益者負担の適正化、下水道事業の維持管理の確立と使用料の受益者負担の適正化、何度もこの文字が出てくると思います。このことでは公共料金の値上げがこの基本構想の段階から既に予定されているのではないか、そのように考えざるを得ません。 それから35ページにある甲府駅周辺の大規模の空き地の問題ですが、県都玄関口にふさわしい新たな都市基盤として整備する。こうなってくると、今までのアーバンスタディ構想とはどうなっているのか。アーバンスタディ構想はさらに継続されてくるのでしょうか。これは、簡単な計画ではない大規模な事業計画なわけですから、基本構想に触れられていて当然だと思いますが、その辺のところはどのようにお考えなのでしょうか。 それから37ページには、市民サービスの拠点として新庁舎などの施設の整備を図るというふうに書いています。新庁舎はこの構想で合意をとれば、新庁舎は必ずつくるという計画になるのでしょうか。そうなってくると、ますますこの構想そのものがよくわからなくなってきますし、不安な状況にもなってくるのです。以上のことを重ねてお伺いしたいと思います。 以上です。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 山田議員の御質問にお答えいたすわけでございますが、通告のないものばかりでございますので、答弁漏れがあるかもしれませんが、その節はまた二弾で御質問いただきたいと思います。 中核市構想におけるこの財源ということの御質問であったと思いますけれども、地方分権ということに対しまして、この分権されることにおいて財源の裏づけというものを今私たちは、市長会等を通じて国に積極的に働きかけをしております。その裏づけがないと事務量だけがふえると、こういうことになりまして、現時点でのどういうふうな権限が与えられたかといいますと、そういう意味では、地方の実態にそぐわないものも多分にあると思います。 我々本来、この地方の実態を把握しておるものが、それにふさわしい権限を与えてくれ、しかもその財源の裏づけというものは、当然なくてはならないという考えのもとに、この問題につきましては、市長会でも決議をしながら何回も何回も国に対して要望しておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。 昼間人口をどのようにふやしていくのかということでございますが、これは理念の中にあります育成、この育成ということは当然人の育成もあります、産業の育成も図らなければいけません。そういうふうなことで、当然現時点においては、どちらかというと、日本全体からも産業の空洞化ということが進められておるわけでございますが、しかし一方、東京一極集中ということが是正をしていこうという動きの中で、既に東京の人口も減少してきておるというときに、ならばその受け皿を我々が今つくらなければならないわけです。その受け皿をつくるためには、やはり回復したり、交流を図れるような都市づくり、あるいは人を育てたり、産業を育てたり、環境保全を図っていくという、そういうふうな基盤都市、基盤づくり、この回復したり、育成をしていくことにおいて、その受け皿づくりができるわけです。そういう中で昼間人口というものもふやしていかなくてはならないわけでございまして、このままでいったならば、やはりこの昼間人口も減っていってしまうでしょう。それは産業の空洞化等が進めば進むほどそういうものは顕著になってくるわけでございますので、そういうものを今食いとめなければ、これは取り返しがつかないということで、このことに力を入れていくということが、この理念の中に盛り込まれておるわけでございます。 それから、平成3年の見直しというものの中で、この見直したときには既にバブルの崩壊が始まっていたんじゃないかと、こういう御質問であったと思いますけども、これは第三次総合計画ができたときに、いろんな事業が盛り込まれておりました。それは御案内のように、財政フレームも人口フレームも右肩上がりでずうっと来た計画をされておりました。しかし、それが右肩下がりになってきたことで、非常に乖離が激しくなったとこういうことでありますが、示してある計画は、やはり市民要望の高いもの、あるいは緊急性のあるもの、そういうふうなものについて、幾ら景気が右肩下がりになったといっても、その計画を執行していかなければならないというものが、行政の責務であると。それは計画を約束したことを、どんなことがあっても履行しなければいけないということの中でやってきたわけでございます。しかし、市庁舎の問題等後期計画に繰り延べ、しかもそれも今日までまだ手がつかないでいるということを考えますと、非常にそういう点では、第三次総合計画あるいはまたその見直しそのものの中でも、まだこれを後年度へ繰り越していかなければならない計画も残されておるということも、御理解をいただけるんじゃないかと思います。 そういう中で、新しい総合計画の中でも、今までの計画を全部打ち切って、あるいはストップして新たにやれということは、これは継続したものもあります。そういうふうなものも尊重してやっていかなければなりませんので、この点については、その第三次の計画の見直しの中でもこれを継続してきたもの、また現在も継続していかなければならないものは、これは当然継続していきます。しかし、それが全く新しい計画とかけ離れたものではないということも、都市というものは絶えず前へ前へ進み、また生きているものでございますので、そういう意味では御理解を賜りたいと存じるところでございます。 また、そのほか質問も多岐にわたっておりましたので、答弁漏れがあったら御指摘をいただきたいと思います。 ○企画調整部長(藤巻康夫君) 予算編成と平成9年度新総合計画の整合性の問題でございますけれども、現行行っている予算編成につきましては、いわゆる継続費的なもの、ソフト事業、ハード事業含めて、今現行予算要求をしているわけでございますが、当然新総合計画の中で基本計画、実施計画に盛られたものについては、今から要求と同時に査定を行ってまいりたい。したがって、9年度からは新総合計画の政策的なもの、新規なもの、そういったものも当然計上されるだろうと思います。 ○議長(小野雄造君) 山田 厚君。 ○山田 厚君 言いたいことは、福祉、新総合計画そのものが拙速過ぎるのじゃないかというふうに思わざるを得ないのです。今までの第三次の総合計画がうまくいかなかったことをしっかり総括して、少しぐらい、1年や2年のびたって構わないなら、しっかりした計画をつくらにゃいけないよというふうに思うわけです。というのは、第三次の計画でいえば、もう既に62年で終わって、63年からその新しい第三次の計画になるということになっていましたから、59年、60年で人口等の準備をして、61年の10月に部内の策定委員会を行って、そして63年12月と。ですから、随分時間をかけて丁寧にやってきたというふうに思うわけですね。 ですから、私が先ほど思ったことは、平成2年を基準値にしなくて、平成4年の方が正しいと言われて、そのとおりだと思った。だったら、平成7年の国勢調査をあてにするんだったら、基本数字というのは平成9年段階からほぼ出そろうという感じはするんですね。全体的にいったらもうちょっとかかるかもしれませんが。だったら平成7年度の基本的な全国的な数値をもって、新総合計画を落ち着いてつくれるのじゃないか。そんなことを本当に思うわけです。 それから何で第三次総合計画が破綻したというか、途中で達成できなくて、新総合計画かというと、さまざまな理由があって、一つはバブルでというふうにお話ありましたけれども、もう一つの理由の中でリニアの問題を書かれていましたが、こういう文書があるのです。「リニア中央エクスプレス、中部横断自動車道の整備などとともに、社会的、経済的に急速な変革の時を迎えようとしており、高速交通時代に対応した広域的な開発整備と人間性豊かな秩序ある都市づくりが求められています」と、これが出ていますけど、この文章というのは、いわば今回出されている基本構想の文書とほとんど近似的なものだと思うのです。 これは何なのかというと、これは第三次総合計画の答申の中身なんですね。さらに第三次総合計画の答申には、人口の問題について書かれているわけですけれども、こうなってますね。「居住人口の郊外への流出に伴い、市街中心部におけるドーナツ化現象が見られ、一方では、郊外部の新たな商業集積の兆しも見られます」と、こういうふうに指摘されているわけです。この指摘は今日もずうっと生きているというふうに思うんですね。 ですから、第三次総合計画の問題をこういったことでほぼ我々の今の基本認識とそんなにずれていない。今もっと困難だと思いますけども。だったら、第三次総合計画もっともっと真摯に総括し、反省して、新総合計画を打ち立てないと、立ったものが結局どこへ行くかわからないようなものになってくるのじゃないかなと、そういうふうに思うわけです。 それからもう一つ、市財政の見通しの問題に対しては、少し甘過ぎるのじゃないかなというふうに思ってるわけです。人口がそんなにふえない、それから高齢化が進んでいる。高齢者の皆さんはそんなに所得があるわけじゃないですから、そこに市税がふえるということは、そんなに見通しをもっていいのかどうなのか。この辺のところの見解なんですね。 それから市財政の規模想定ですが、平成18年における基本指標では、公債費は抑えられていますよ。市債も抑えられています。投資的経費もこのままでというふうにその9ページに載ってますけど、これは甲府市の新庁舎を入れて計算されているんです。これはちょっと最後にお聞きします。新庁舎を計画に入れてこの数字出しているんですか。 それからもう一つ、甲府市の財政で言えば、一般会計のいわば危機的な状態よりも、今後下水道会計や新病院の会計、特別会計、企業会計の総トータルの問題が非常に大きいですね。一般会計における公債費なんてたかが知れているわけです。この問題をどうしてこの指標の中に載せてないのか。この点についてお伺いします。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 御質問にお答えいたします。 新総合計画の策定、もう少し時間をかけるべきだというような、2年、3年待ってもいいじゃないかと、こういう御質問でございますけども、御案内のとおり今変革の時代と言われています。毎日毎日日々これものすごい変化をしておるときに、我々行政としてもこれにしっかり対応していかなければならない。そして、将来を見据えた中で、こういう展望を立てた中で、今の時点で考えるべきことは何かということを常に考えていかなければならないわけでございます。 時には朝令暮改、これも当然のことだというふうなことが言われておる時代でございます。朝決まったことが夕方にもう変わってもいいんだと、こういうふうなことが叫ばれておる時代に、2年、3年待つという時ではない。安定した時代の総合計画であれば、安定した方向で人口あるいは財政等のこの状況も進んでいくわけですけれども、そうでないことを考えたならば、それをただただ見過ごして、そのままでいていいのかというと、私は違うと思います。これは時代対応というものに、はっきりと我々が答えていくのが今の私たちの責務じゃないかと、こんな思いがいたし、行ったものであるわけでございます。 したがいまして、3年ローリング方式、あるいは5年間での見直し等も、またその時代を直視する中で考えていかなければならないことであると、そういう意味でここにも記させていただいたものでありますので、御理解を賜りたいと思います。 ○企画調整部長(藤巻康夫君) まず、財政フレームでございますけども、特に主要目標である人口、所得等の推計をもとにいたしまして、それから現行の税制、さらには今後予想される税制改正、そういうものを含めた中で、歳入はいわゆる総額を決めたわけでございます。それに対する歳出の場合でございますけれども、これは性質別のこの表を見ていただきますと、今後10年間、その中には主要事業含めたもの、それから先ほど指摘にありました下水道、病院、そういったものの繰出金、これも全部網羅してございます。ただ、財源の振り分けにつきましては、基本計画の中でお示ししていきたいと思います。 以上です。 ○議長(小野雄造君) 山田 厚君。 ○山田 厚君 ちょっとわからないので、この問題は細かくお伺いしなければわからないと思いますので。いずれにしても、財政硬直化と言われている中で進める中核市構想というものは、大変不安と同時に危険性を感じざるを得ないんですね。例えば、中核市を実施した宇都宮の話なんですけど、県から市への事務が、保健衛生も含めて福祉などなどが2,033の事務の引き継ぎがあったそうです。甲府と違いますから、宇都宮の場合には地方交付税の不交付団体ということもあって1円も金がふえなかった。例えば保健所をつくる場合には70名の人員を、1円のお金もない中でひねり出す。結局どうなるのかというと、現業職員の大幅な削減、民間委託、給食、ごみ、道路補修の委託、幼稚園の統廃合、使用料・手数料の大幅な引き上げ、そして組合との関係はどうなのかというと、不当労働行為なんかで係争問題も起きている。大変な混乱状態が行われているというふうに思わざるを得ないわけです。 合併の問題も、ただ単に大きくなればいいということじゃなくて、私、この前飯田市の合併を視察してきましたが、合併される側も随分大変で、ごみ袋の有料化とか地区の老人クラブの予算が減らされちゃうとか、固定資産税が都市計画税の関係で上げられちゃうとか、さまざまあるわけです。合併する側もまたどうなのかというと、その大規模な土木、道路建設というのはどんどんできて、新しい幹線もできた。でも、真ん中の飯田市の商店街は、おかげでドーナツ化現象で寂れてしまったと、駐車場のないお店はだめだと、何か甲府に似ているような状況がもっと激しく出ているような状況があるわけです。 ですからこういう問題は、慎重にしっかり見据えていかないといけないと思うのです。それは自主的な行政改革とか、また自治省から言われたということじゃなくて、しっかりした財源と市民全体の英知を絞ったしっかりした構想がないと、その毎年毎年激動な時代といっても、しっかりとした構想というものを基本に置かないと、我々の甲府市の行財政はどうなるのか。その辺の不安を感じざるを得ないわけです。 第三次総合計画が結局うまくいかなかったのは、全体の財政硬直化に問題があったというふうに僕は思うわけです。それはバブル経済の崩壊があったかもしれません。でも、基本的には財政硬直化、大型プロジェクトの問題、箱もの行政、そして高い金利の地方債で押されている甲府市の厳しさ、だからこそさまざまな計画が行き詰まったというふうに考えるわけです。ですから、行政改革といっても、市民を守るための行政改革であるし、働く職員を大切にする行政改革でなければだめです。このまま簡単に言ってしまえば、例えば教育、福祉を切り捨てたり、職員の皆さんの人件費をカットしたり、公共料金の大幅な値上げしか考えられないような行政改革になるんじゃないでしょうか。 その1例が、例えば甲府市立幼稚園の廃園問題でした。これは自主的な行革という形で出されたものですけれども、これは多くの市民から反発を受けた、ここにまず混乱があったというふうに思わざるを得ません。ですから、落ち着いてしっかりとした全体の英知を絞った正しい意味での選択を我々は担っていかなけりゃいけないというふうに思うわけです。 以上ですが。 ○議長(小野雄造君) 以上で通告を受けました議員の質疑はすべて終わりました。 これをもって、議案第90号に対する質疑を終結いたします。 ただいま議題になっております日程第5 議案第90号については、総務委員会に付託いたします。 お諮りいたします。 12月10日、11日の2日間は、議案調査のため本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、2日間は本会議を休会することに決しました。 休会明け本会議は12月12日午後1時から開会、提出議案中議案第90号を除く上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時50分 散会 |