平成8年12甲府市議会定例会会議録第2号 午後1時00分 開議 ○議長(小野雄造君) これより本日の会議を開きます。 報告事項を申し上げます。 平成8年9月9日提出の請願第8−14号について、提出者から、お手元に配付の別紙のとおり、取り下げたい旨の申し出がありました。この件は、議事日程記載の日程第1でありますので、御了承を願います。 次に、12月9日の都市構想に関する調査特別委員会において、委員長の互選を行い、川名正剛君が選任されました。 以上で報告を終わります。 これより日程に入ります。 日程第1 請願書の取り下げについてを議題といたします。 本件は、お手元に配付の別紙のとおり、請願第8−14号「介護保険法案」の国会上程に反対し、国民本位の介護保障制度の早期確立についての意見書の提出を求める請願書について、請願人から取り下げたいとの申し出がありました。 お諮りいたします。 請願第8−14号については、会議規則第19条第1項の規定により、申し出のとおりこれを承認することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、請願第8−14号の取り下げは承認することに決定をいたしました。 次に、日程第2 議案第90号を議題といたします。 本案に関し、総務委員長の報告を求めます。総務委員長末木隆義君。 末木隆義君。 ○総務委員長(末木隆義君) 去る12月9日の本会議において、当委員会に付託されました議案第90号 新甲府市総合計画の基本構想設定については、10日に委員会を開き慎重に審査を行いました。以下その経過と結果を御報告いたします。 委員会では、前日の本会議での質疑を踏まえ、新総合計画策定に至った背景、計画のもとをなす各種数値の算定根拠、エコープランとの整合、さらには推進方法など多面にわたる質疑が行われました。 まず、新総合計画策定に至った背景をただしたのに対し、第三次総合計画は、一つひとつの事業は着実に推進され、実績は評価できるものと認識しているところである。計画策定時の社会経済情勢からすれば、その時代に整合していたものと認識しているが、その後予想を超えた情勢の変化があったため新計画の策定に至ったものであり、第三次総合計画が破綻したためとはとらえていないとの答弁がありました。 次に、この計画は21世紀を担う若者が、夢と希望を持てるものでなくてはならないとの視点から、若年層への対応をただしたのに対し、既に実施したアンケートによると、特に若者を中心に余暇施設の充実を望む声が多数寄せられている。したがって、構想の中ではこれらの施設を充実させるとともに、若者が末永く甲府市に住むことができるよう、優良で低廉な賃貸住宅の整備や宅地の造成など、住みやすい条件を整えるための施策が最も必要ととらえている旨の答弁がありました。 次に、交流人口増加の一翼を担う観光振興については、新しい時代の観光に対する行政の役割をただしたのに対し、これからは従来の点と点の観光ではなく、地場産業と連携させるなど周遊できる滞在型のもの、さらには見るだけの観光から観光客自身が体験できるような、新しい観光の展開が必要と考えており、商工会議所をはじめ関係機関と一体となった取り組みをしていくとの答弁がありました。 これに対し、観光対策は民間に任せるばかりではなく、行政や市議会が連携して取り組むことが重要であるので、時代の要請に沿った的確な観光行政を積極的に展開すべきであるとの意見がありました。 次に、産業及び商業の振興については、大企業の海外移転が下請けを中心とした市内の中小事業者の経営を圧迫しているとして、この対応をただしたのに対し、産業の空洞化対策は地方自治体だけでは解決できない大きな問題であるが、商工会議所が提唱する「甲府ファッション都市構想」への支援や、工業団地へ誘致した企業の育成を図る中で地域経済への波及効果が得られるよう、行政としての働きかけを行っていくとの答弁がありました。 また、市の中心商店街への活性化対策をただしたのに対しては、職・住一体となった住居の建設促進、情報産業など新しい産業の創出と地元商業へのリンク、駐車場の整備を図りながら舞鶴公園と連携させた観光客の誘導などにより、既存の商店街の一層の振興に努めていくとの答弁がありました。 次に、エコープランの新総合計画への反映についてただしたのに対し、エコープランは市民がみずからの手でみずからの街をつくるとの視点でスタートしたものであり、行政が進める部分は施設の建設など、いわゆる「エコープラン関連事業」の実施である。したがって、エコープランとエコープラン関連事業の位置づけを整理し、年次計画を含め新総合計画の中に取り込んでいくとの答弁がありました。 次に、定住人口対策については、本市はここしばらく人口の増加がないことから、新計画における定住人口推計をただしたのに対し、公営住宅の建設、区画整理事業、民間の開発を含めた住宅地の造成、市街化区域内の5つの残存農地の開発、さらには市街地再開発による新たな産業の創設など、具体的な算定基礎を示したうえで、約1万1千人の人口増加を見込んだとの答弁がありました。 これに対し、人口数値はあらゆる行政執行の基礎となるとの視点から、計画の実行にあたっては確実な対策を求める意見がありました。 次に、平成9年度予算と新計画の整合性についてただしたのに対し、新年度予算の各部局からの要求は一応出されているが、新たな事業で新総合計画と関連があるものについては、基本構想の議会の議決を得てから総合的に調整していく。したがって、新年度予算は新総合計画を反映させた上で、来年の2月初旬ごろに骨格が固まるとの答弁がありました。 次に、新総合計画の推進方策をただしたのに対し、この計画を確実に実施するためには行政はもとより、市民を中心に、各種団体、民間企業などあらゆる立場での協力を得ながら推進していくことが必要と認識している。したがって、きめ細かなPRを行い、十分な理解を得て全市的な取り組みができるよう努力するとの答弁がありました。 これに対し、官民一体となって推進するためには新たな機関の設置を検討すべきであるとの意見がありました。 以上の質疑の後採決を行った結果、議案第90号 新甲府市総合計画の基本構想設定については、全員異議なく当局原案のとおり可決するものと決しました。 以上で報告を終わります。 ○議長(小野雄造君) 以上で報告は終わりました。 ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。 質疑はありませんか―――質疑なしと認めます。 これより日程第2 議案第90号を採決いたします。 本案に対する委員長の報告は可決であります。 本案は委員長の報告のとおり決定することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第3から日程第11までの9案及び日程第12市政一般についての質問を一括議題といたします。 これより、上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。 この際、念のため申し上げます。 質疑、質問については、申し合わせ事項を遵守され、重複を避け簡明に願います。 なお、当局の答弁もその趣旨を十分把握され、簡明率直にされまして、議事進行に御協力をお願いいたします。 発言通告者は9名であります。 各会派の発言順序は、今期は21世紀クラブからであります。 お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。 最初に、21世紀クラブの代表質問を行います。福永 稔君。 福永 稔君。 (福永 稔君 登壇) ○福永 稔君 12月定例会にあたり、21世紀クラブを代表して質問をさせていただきます。 我が会派は、今議会は保坂議員の一般質問も行わせていただきますので、山本市長並びに当局におかれましては、的を得た中身のある御答弁を簡潔にいただくことを、まずもって冒頭お願いをしておきたいと思います。 さて、本定例会では、21世紀の甲府市のあるべき姿を目標とした新甲府市総合計画の基本構想が、去る9日の単独審議を経まして、先ほど議会による承認がされ、今後は基本構想に基づく基本計画並びに実施計画が検討される運びとなったわけでありますが、基本構想の中にもありました地方分権時代を踏まえて、今後の甲府市政における行財政システムの再構築とその運営に的を絞って、山本市長並びに市当局の基本的認識について何点かお伺いをさせていただきたいと思います。 御承知のとおり、我が国は戦後目ざましい経済成長を遂げまして、国民の大多数が高い生活水準を享受するとともに、世界でも冠たる平等国になったわけでありますが、反面、経済的には豊かになったけれども、「生活に豊かさが感じられない」、あるいは「すべてが画一的で好みにあった生活が送れない」とかの声があちらこちらから聞こえてきますのも、ひとえにこれまでの政策運営に限界が見えてきたことのあかしではなかろうかと思われるのであります。 また、所得水準の上昇と比例しまして、市民の方々の価値観も多様化、高度化してきておりまして、財政を通じて提供される行政サービスに対する市民ニーズも大きく変化していますので、今日ほど行政の対応に変革が求められているときはないのではないかと思われるのであります。 その一つは、高度成長期から福祉国家の建設期にかけまして築いてきたところの大きな政府からの軌道修正でありましょうし、市場メカニズムへの回帰ではないでしょうか。そのことは行政における民間活力の活用でありまして、行政サービスへの市場的要素の導入が重要なポイントになるということなのであります。特に行政運営上問題になりますことは、人口構造が急激に高齢化していることでありまして、当甲府市におきましても、現在の65歳以上の高齢者が全体人口に占める割合は13.3%でありますが、平成18年には19.5%と大幅に増加することが予想されておりまして、行政の規模はいやが上にも大きくならざるを得ない状況下にありまして、行政のスリム化によって超高齢化社会への軟着陸の準備を怠ることはできないのであります。 もう一つは、地方分権の推進についてであります。戦後の地方制度改革は、戦前のように国が封建的立場に立って地方を支配するという図式を改めることを期待されたのでありますが、その結果は、御承知のとおり、政策は国が立案し、地方がそれを執行するという関係が戦後50年にわたって連綿と続き、多くの副作用を発生させてきたために、下請の立場に置かれ続けてきた地方自治体からは、柔軟に政策を形成する能力が失われていったのではないかと思われます。さらには、非常に複雑な国、県との関係によりまして、地方の行財政は、大多数の国民にとりましては厚いベールに覆われたものとなってしまい、本来ならば身近なはずの地方行政に対する国民の関心は薄れ、国・県のコントロールを廃して、歴史、風土といった地域の個性を生かしたまちづくりと、行政サービスの供給が求められているのではないでしょうか。 このような時代的要請に反して、現実的には地方行政の効率の悪さや一部市民の既得権を守ることから発生する住民間の不公平感など、当市の行財政運営にも幾つかの問題が発生してきていることは御承知のとおりであります。 以上の私なりの基本的認識の上に立って、何点か質問をさせていただきたいものと思います。 第1点目は、市政を経営するという観点から見た質問であります。地方自治を確かなものとするためには、権限と財源の国からの委譲が大切なわけでありますが、市政の実態を見ておりますと、それだけでは十分でないことを感ずるのであります。大切なことは、市民は市政に依存し、市政は国や県に依存するこれまでの図式を根本的に切りかえて、市民、企業、行政が共同して、地域内のことはみずからの責任にて解決するという姿勢の確立と、そのための意識を含めた改革を行うことが肝要ではないかと思われます。 特に行政は市民への行政サービスの提供者として、市民ニーズに沿った効率的な政策を展開する責務を負っているものと思われます。従前のように、経済不況で財政危機に陥ると行政改革が叫ばれ、景気が回復すると改革が遠のくという行財政運営を続けていたのでは、地方分権の芽をみずからの手で摘んでしまうことにもなりかねない危機感を感ずるのであります。地域づくりや市民生活のビジョンを明確にして、目標達成のための効率的な方法は何かを絶えず追求することが、真の地方自治を獲得するための必要なことではないでしょうか。 そこで、山本市長にお伺いいたします。新甲府市総合計画の基本構想につきましては、先ほど議会の承認を得たわけでありますので、今後は基本計画、実施計画に具体的な肉づけをされていかれるものと考えますが、過日の各議員の発言にもありました厳しい財政状況下にありまして、市民の方々に提供できる行政サービスは、最高の水準にまで高めていく努力が求められてくるものと推察されますが、甲府市の行財政運営に生産性、効率性とかの経営感覚をどのように取り入れていくおつもりなのか、山本市長の基本的なお考えにつきまして、お聞かせいただきたいと思います。 第2点目は、行政の守備範囲という視点に基づく質問であります。以前の高度経済成長時におきましては、どちらかと申し上げますならば、市民の求めるものに対して、ことごとくこたえていくことが行政の望ましいあり方だと考える傾向があったのでありますが、こうしたいわゆるものわかりのよい行政運営は、市民重視の行政あるいは市民参加による政策形成という心地よい響きに誘われながら、一方で高度成長による税の自然増収に支えられてきたのが実態であります。このように高度成長期のようないわゆる「プラス・サム社会」だからこそ、だれも損をすることなく新規の事業を実施することができたのではないでしょうか。さらには、これに当局の権限や予算獲得意欲と、我々議員の得票最大化行動が結びつけば、いやが上にも行政の守備範囲は拡大してしまうのが事実でないでしょうか。こうした高度経済成長の副作用を解消するためには、行政はどこまで責任を持つべきか、あるいは行政の関与の方法はどうあるべきかという行政の守備範囲を絶えず点検し、見直しをしていく必要があるものと思われるのであります。 そこで、山本市長のお考えをお聞きしたいと思います。私は、かつてのように、社会のニーズすべてを行政需要と認識をして、一手に行政が引き受けることができるほど現在の甲府市の財政は豊かではないものと認識しておりまして、これからは行政と市民、地域社会や団体と企業などの社会の構成員が、それぞれの役割を明確に分担しながら、協力できるところは協力するという方向が、今こそ求められている時代はないものと認識しているのですが、これから21世紀へ向けて、行政のあるべき守備範囲につきまして、市長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。 第3点目は、行政の生産性についてであります。行政サービスを市民に提供する上で、行政が満たさなければならない効率性には、二つのものがあると言われております。その一つは、生産の効率性であり、いま一つは配分の効率性であります。よく言われますところの、公務員が多過ぎるとか、仕事の能率が悪いとかの批判は、とりもなおさず行政の非効率性に対しての市民の声でありましょう。市民のニーズに合った行政サービスを提供することは、もちろん重要なことでありますが、その前に与えられた資源を有効に活用して、市民に提供できるアウトプットの量を最大にしなければならないものと思うのであります。 そこで、今議会でもいろんなお立場から各議員の御発言があろうかと思われます公立幼稚園の問題につきまして考えてみたいと思うのであります。各園児が幼稚園サービスから受ける利益は、公立、私立にかかわりなく、いわゆるアウトプットの代理尺度として園児数を採用したとしますと、行政の目標としては、幼稚園児数を幼稚園費で割ったコスト生産性を最大にすることが、各園児に対するサービス利益が最大になることがおわかりいただけるものと思います。 さらには、幼稚園サービスのコスト格差につきましても、一つとして公立比率、いわゆる幼稚園児全体に占める公立園児の比率、二つ目として、公立幼稚園の定員充足率、言葉のとおり、実際の入園児数を定員数で割ったものであります。3点目として、公立幼稚園の教員1人当たりの定員という三つの要因で、幼稚園のコスト格差はすべて説明できるものと思われます。 以上の計測によりまして、公立幼稚園の場合は、行政は人件費から施設費まで一切の費用を負担しなければならないのに対して、私立幼稚園の場合には、補助金という形での支出だけで済むために、公立比率が高いほどコストは嵩むわけであります。また、定員充足率が低いほど園児1人当たりのコストが増加するのは、昨今の少子化現象の中で定員割れが生じたとしても、公立幼稚園の場合には、教員の削減や幼稚園の統廃合という政策がとりにくいからであります。 そこで、教育長にお伺いしたいと思います。本件に関する問題につきましては、新聞紙上でも大きく取り上げられ、関係者をはじめとして多くの御意見、御要望があることは承知しておりますが、第1には、先ほど申し上げました公立比率、第2は定員充足率、第3は教員1人当たりの定員、さらには公立幼稚園児1人当たりのコスト、そして、私立幼稚園児1人当たりの補助金につきまして、当市における実態数値をお聞かせいただきたいと思います。 第2には、先般、当市における平成9年度における公立幼稚園の入園見込みが発表されましたとおり、総体的な園児数の減少が見込まれる今日、公立幼稚園の統廃合の推進と、民間幼稚園への計画的な移管などによって、幼稚園行政の生産性を上げるべきだとの市民の声にも配慮しつつ、教育委員会としては、当該関係者へも誠心誠意説明をしながら、公立幼稚園のあり方を可及的速やかに決定して、すべての公立、私立を問わず、幼稚園児が公平な行政サービスを受けられるようにすべきものと考えますが、教育委員会の基本的な考え方につきましてお伺いをしたいと思います。 行政の生産性を上げるという観点から、もう1点お伺いをさせていただきたいと思います。生産効率化の第2の条件は、同一量のアウトプットを最小のコストで生み出すことであります。地方自治経営学会が行った調査によりますと、市民会館や養護老人ホームの管理では、直営あるいは公立が、委託や私立あるいはパートに比べまして、2割から3割高、ごみ収集、学校給食、ホームヘルパー、児童館、体育館などで2倍、保育所、学校用務員、公用車などで3倍、学校警備に至っては20倍という結果が出ているそうであります。 行政サービスの提供を民間に委ねることによります行政コストの削減は、行政にとりましては極めて魅力的でありますし、今日の財政状況が厳しい時代こそ、真剣に検討することが肝要ではなかろうかと思われるのであります。要は、限られた資源を有効に使い、それにより浮いた財源を時代のニーズの福祉や教育や環境などの行政サービスに利用することを、財政状況にかかわりなく追求する行政の姿勢が大切であるということではなかろうかと思われるのであります。この場合、当然のことながら、公権力の行使にかかわる事務、組織、人事管理といった行政の専管に属する事務は委託するわけにはいかないでありましょうが、その他のものにつきましては、個々の事務事業の内容、特性あるいは委託化した場合の長所と短所を検討した上で、行政サービスの生産方法を検討すべきものと考えます。 「民間委託にすれば、行政サービスの水準が低下するのではないか」という意見もよく聞きますが、もとより委託は契約に基づいて行うものですし、評判も悪くサービスも悪い業者は解約をすればよいわけでありますし、また、民間業者はこのような結果にならないよう、サービス水準の維持向上に努めるはずであります。 そこで、山本市長にお伺いいたします。民間委託の導入につきましては、以前からも多くの議員の方々から御提言があったわけでありますが、民間委託の導入は、とりもなおさず行政サービスの生産に競争原理を導入することでありまして、厳しい市財政の状況もさることながら、我が国が経済成長から成熟の時代に入ったことを考えますと、21世紀の行政には民間活力の活用は必要不可欠であるものと考えられますが、市長の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。 第4点目は、行政サービスと受益者負担についてであります。御承知のとおり、地方自治体は提供するサービスに関しまして、その費用の一部を受益者負担として、使用料とか手数料とかの名目で徴収する権限を有しているのでありますが、この場合、国は一定の基準を示すのみで、地方は必ずしも国の基準どおりに徴収しなくてもよいわけでありまして、各自治体によって、受益者負担の金額やその徴収割合は異なるのでありますが、問題は受益者負担の水準を決定する際に、常に行政サービスの提供コストを度外視して、低水準に抑える圧力がかかることであります。 特に福祉サービスなどにつきましては、受益者負担の強化は、福祉行政の推進に逆行するものであり、弱者の切り捨ては絶対に認めるわけにいかないと主張されることが正義だと考えている方々もおられます。また、行政の側にも受益者負担をできる限り低く抑えることがよい行政であるかのような錯覚をされている方々も多いために、受益者負担を引き上げることで摩擦を生ずるくらいならば、税で補てんしておけという悪しき習慣となってしまうのであります。 今日のように、福祉政策がいわゆる救貧のレベルが一定の水準を超えてきましたように、基礎的で、必需的で、受益の範囲が広く市民全体に及ぶものから、高次元で、選択的で、サービスに対する市民の選好にもばらつきがあるようなものにまで、行政の守備範囲が広がっている現状に配慮をするならば、等しい利益を受ける人々は、ひとしく負担する、あるいは利用しない人は負担しないことが、利用者と利用しない人との間の負担の公平性を確保することになりましょうし、さらには資源の有効利用を促進するための不可欠な条件になるものと考えられます。今後は、高齢化をはじめといたしまして、行政サービスに対する市民のニーズがますます増大化してくることを予想しましたときに、適正な受益者負担の導入が図れるかどうかが、行政サービスの向上の重要なかぎを握っているように思われます。 これまでのような受益者負担はできるだけ少ない方が望ましいといった行政の姿勢を改めて、受益者には適正な負担を求めることが、しいては市民全体の実質的な福祉水準の向上が図れるものと考えます。そして、適正な受益者負担を求めるためには、まず何よりも大切なこととして、サービスの供給原価を正確に算出することが大切ですし、そのためには減価償却費や間接部門の人件費など、今日の予算制度のもとでは極めてあいまいになっておりますコストをサービスごとに明確にすることが重要なのであります。 そこで、当局に質問をいたします。現状の実態で結構ですから、当市における受益者負担による財政収入の割合はどの程度になっているのか、さらには、本格的な高齢化社会の到来を控えて、市民負担の増加が確実に生じようとしている今日、今後は受益者負担による財源調達機能をどのように考えておられるのか、基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。 第5点目は、広域行政への取り組みについてであります。今まで質問してまいりましたとおり、行政への経営感覚の導入、行政の守備範囲や行政サービスの費用負担区分の適正化などの課題に加えまして、行政支出の効率化に関して取り上げなければならない点は、行政サービスの供給主体の規模、すなわち広域行政に関する問題であります。経済社会構造の急激な変化に伴いまして、さまざまな地域問題が発生しております。広域行政による対応が期待されているところでありますが、各市町村にいたしましても、その対応は行政区域内の問題に限られて、行政区域をまたがる問題への対応の鈍さに歯がゆい思いをさせられているのは、市町村境を意識することなく活動している市民や民間企業の人々なのであります。 さらには、地方自治法第2条は、地方公共団体は常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めて、その規模の適正化を図らねばならないと定めていますように、行政サービスの供給主体の最適規模を追求することは、住民福祉の最大化のために、行政に課せられた重要な使命であるものと考えられます。 そこで、当局にお伺いをいたします。新甲府市総合計画の基本構想にもありましたとおり、リニア中央エクスプレスをはじめとした高速交通体系や情報ネットワークの整備によりまして、経済圏や生活圏も広がったのだから、行政区域もこれに合わせて広域化すべきではないかという意見が、経済界をはじめとして多いわけでありますが、現行の事務組合による広域行政方式では、市町村間にまたがる各種基盤整備などは不可能ではないかと思われます。例えば、広域の市町村の行政体が事業を立案して、国なり県なりと対等のパートナーとして基盤整備事業の委託契約を締結し、事業を推進なるなどの制度があってもよいのではと思うのでありますが、地方分権の受け皿としての自治体の体力を強化し、その先には私どもが求めております中核市が見えてくるものと考えるのでありますが、当局の見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。 第6点目は、高齢化社会の福祉政策についてであります。高齢化社会の到来は、福祉の担い手であります行政に、極めて厳しい行財政運営を強いられることが予想されるわけでありますことは、先刻御承知のとおりであります。そのことを予想して、消費税率の引き上げをはじめとして、公的介護保険制度や国保の自己負担率のアップなどが国において現在論議されているところでありますが、それとともに大切なことは、高齢者福祉制度そのものを効率化することによって、市民負担の増大をできる限り抑制するという視点も必要ではないでしょうか。このことは福祉を後退させることではなく、真に必要な高齢者福祉政策を優先的かつ重点的に展開していくために求められているのであります。 社会保障の一環であることを理由に、福祉改革に経済計算を持ち込むべきではないと主張もあることは承知しておりますが、一定の効果を最小のコストで、あるいは一定のコストで最大の効果を上げることは、およそあらゆる政策に一貫して適用されるべき基準でありましょうし、福祉政策とて例外ではないものと思われます。むしろ公共性を有して、必要な福祉サービスを広く社会全般の負担によって賄おうとするからこそ、効率的な福祉政策という面をより強く意識しなければならないものと考えるのであります。特に地方分権が進む中にありまして、福祉の担い手としての市政の役割が増大することを考えますと、まさに福祉行政改革は市政の最重要課題の一つではなかろうかと感ずるのであります。 そこで、当局にお伺いをいたします。我が国の高齢者福祉は、どちらかと申しますと、医療に偏ったものとなっているわけでありますが、当然のことながら、高齢者の方々の中には、経済的に自立したくとも不可能な方々も数多く存在しておりますし、こうした経済的弱者の方々に対する生命と健康に関するサービスへのニーズに対しましては、行政が責任をもってそれを保障することを前提に、2点ほどお伺いをさせていただきます。 その一つは、高齢者の方々を、これまでのように年齢や所得といった荒っぽい尺度で類別して、老人医療費の無料化や敬老金の給付という形だけの対処ではなく、むしろ高齢者雇用の創出をはじめとした生涯教育やコミュニティー活動などを含めたきめ細かな高齢者対策が必要と考えるのでありますが、そのための政策を立案するための高齢者の福祉ニーズをどのように把握されているのか、また、老人医療費無料化の制度見直しや敬老金の給付見直しにより、真に必要とされる高齢者福祉対策に利用するお考えはないかについて、お聞かせいただきたいと思います。 二つ目は、現在開会中の今国会におきましても、大きな責任が問われております岡光前厚生省事務次官ほかによる特別養護老人ホームの国の補助金にかかわる贈収賄事件でありますが、まさに国民に対する裏切り行為であるとともに、官僚である前に人間としての資質を疑うものであります。また、落選したといえども、その片棒を担いだ人間を党の公認候補として担いだ公党の責任も大なるものがあるものと思われます。いまだに政・官・業の癒着の体質がある我が国の実情に対しまして、憂国の情にかられるのは私だけではないと思います。 そこで、肝心な質問でありますが、前に述べました高齢者福祉対策費が、当市としては歳出全体の何割程度となるのか、また、10年後における市財政と高齢者福祉対策費の見通しについて、お聞かせいただきたいと思います。さらには、高齢者福祉対策に伴う各種助成金、補助金につきまして、総額で結構でございますから、お教えいただくとともに、当市においては、先ほどのようなこの助成金、補助金については、絶対に問題ないことを改めて市民の前にお約束をしていただきたいと思います。 最後の質問は、地方分権とまちづくりについてであります。本議会の目玉でもあります新甲府市総合計画の基本構想は、21世紀の甲府市のまちづくりが目標でありますことは御承知のとおりでありますが、地方分権には、権限や財源を地方に委譲することによって、個々の地域の特色ある資源を利用したまちづくりが可能となるという期待が込められているのであります。我が国の都市景観一つをとってみましても、ヨーロッパの町並みにはそれぞれの色や文化の香りがあるのに対して、我が国の都市は、京都や小京都と呼ばれる一部の都市を除きますと、個性は全くと言っていいほど存在しないと感ずるのであります。 また、福祉や教育や産業、交通などの広範囲にわたる行政にいたしましても、すべて地方団体が同じ規格のものを、ほぼ同じ水準で提供しているのが実態であります。地方分権はこうした没個性のまちづくりを、地方の自立に根ざした個性豊かなものに方向転換させる可能性を期待させてくれます。現在のところ、中央にて論議がされている地方分権がどの程度まで実りあるものになるのか、極めて不明確でありますが、地方自治体が今からいかにして個性豊かなまちづくりへ取り組むかが、今後の地方分権の行方を左右することにもなるでしょうし、地方自治体がこれまでの殻を破って、地方分権時代にふさわしい政策形成を行わず、従来からのぬるま湯のようなシステムに安住しているならば、甲府市は魅力のないまちとして、他都市から取り残されることは必然でしょうし、まちづくりに必要な政策形成能力の要請が今こそ求められているときはないと思われます。 そこで山本市長は、基本構想を踏まえ、どのような決意を持って今後の行政の政策形成能力の養成とまちづくりに取り組まれるおつもりなのかをお聞かせいただきたいと思います。 以上をもちまして、私の12月定例会の21世紀クラブを代表しました代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 福永議員の御質問にお答えいたします。 はじめに、行財政運営の基本的な考え方についてでございますが、新甲府市総合計画は市民のニーズを的確に把握しながら策定するものであります。計画を実施していくためには、スリムで効率的な組織体制の確立、事務事業の見直し、人事管理の適正化などの行政運営と、自主財源の安定確保と経常経費の節減を図り、長期的展望のもとに経費の重点的、効率的配分を行い、最小の経費で最大の効果が得られるような財政運営を図ってまいりますことが原則でありますが、御提言の経営的視点に立ちましての取り組みにつきましては、可能な限り取り入れていくべきと考えております。さらに幅広い市民の積極的な参加のもと、全職員一丸となって広域的な視野に立ち、市民福祉の向上のため行政を遂行してまいる所存であります。 次に、行政のあるべき守備範囲についての御質問ですが、高度成長期から一転して大変厳しい経済環境の中、行政に対する住民要望は増大し、多様化、高度化をしておるところであります。本市といたしましては、この厳しい財政状況の中にありまして、その要望を十分に満たすためには、市民全体に及ぶ広域的なものにつきましては公共部門が担い、特定の利益にかかわるものは、市民負担を原則としながら創意工夫をし、効率的な行財政運営に努力をしておるところであります。今後も市民の御理解をいただく中で、適切な行政執行にあたってまいりたいと考えております。 次に、広域行政の取り組みについての御質問ですが、時代はまさに徒歩から自転車や自動車の時代を経て、今や高速交通時代へと移ってまいったわけでございます。こうした変遷によりまして、市民の日常行動圏や経済活動圏は、行政区域を超えて広域化してきておることは御指摘のとおりであります。 そこで、これまでスケールメリットを求め、市町村合併が促進されてまいりましたが、一方ではこれを補完する制度として、特別地方公共団体としての組合方式なども法定化されてまいりました。近年では、平成4年に地方拠点都市法が制定され、事務事業の共同化ないしは各種都市機能の役割分担を推進しております。平成6年には自治法の改正により、従前の行政事務組合制度を拡大をし、これまでになかった都道府県と一体となって事務事業を執行できる広域連合制度も新設をされております。本市といたしましては、道路、情報・通信、福祉等、具体的分野の事務事業の推進にあたって、どういったシステムが市民サービスの向上につながるのかに視点を置きますとともに、中核市への取り組みも視野にした各種の広域行政制度の導入を、関係自治体と協議、研究してまいりたいと考えております。 次に、地方分権とまちづくりへの取り組みについての御質問ですが、御承知のように、地方分権は住民の知恵や工夫が行政に生かせる、個性豊かな魅力あるまちづくり、みんなが互いに支え合う共生社会、国と地方との対等・協力関係、住民本位の総合行政などをそのメリットとして掲げております。新総合計画の都市像や構想の中でも御説明申し上げました「市民が主役」「市民総参加」「生活者重視」「魅力ある甲府のまちづくり」ということは、とりもなおさずこのような分権の精神が生かされてくるものと考えております。 このようなまちづくりの基本のもとに、新総合計画の都市像実現のために、五つの基本目標、福祉の向上、教育・文化の振興、生活・自然環境の向上、産業の振興、都市基盤の整備によるまちづくりを進めてまいります。市民福祉の向上に向けて施策の展開を、職員の政策形成能力の一層の育成を図りながら、幅広い市民の積極的な参加のもと、魅力ある甲府づくりのために、全身全霊を捧げる決意であります。御理解を賜りたいと存じます。 なお、他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。 ○企画調整部長(藤巻康夫君) 受益者負担についての御質問にお答えを申し上げたいと思います。 受益者負担による財政収入の割合につきましては、一般会計に限って申し上げますと、平成8年度当初予算の歳入においては、3.8%を占めているところでございます。 行政サービスには多くの人がひとしく享受できるものと、特定の個人や家庭等が直接受けるものがありますが、受益者が特定されるものにつきましては、その受益に応じた負担をしていただくことが、行政の公平という面から不可欠であると考えておるわけでございます。これら受益者負担金につきましては、法令や条例、規則等に基づいて徴収をしておりますが、景気や物価の変動、他都市との均衡を勘案しながら、3年サイクルで見直しを行う中で、結果として改正すべきものは改定をし、適正な財源確保を図っておるところでございます。 以上でございます。 ○総務部長(加藤清吾君) 民間委託の導入につきましてお答えいたします。 事務事業の民間委託につきましては、既に適正な執行に努めているところでございまして、基本的には法令に抵触しないこと、公共性が損なわれないもの、行政責任や市民サービスの確保及び経済性が期待できるものを基準として執行をいたしておるところでございます。現下の厳しい財政状況下を考えますに、民間活力の導入というものの必要性は重要な部分であると認識をいたしております。今後におきましても、有効、適正な民間委託を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○福祉部長(河西益人君) 高齢者の生きがい対策と福祉ニーズの把握についてお答えをいたします。 国の調査によりますと、高齢者が老後の生き方として、夫婦水入らずで、健康を保ち、趣味を楽しんだり、働ける間は仕事をすることを生きがいとして過ごしたい、と考えていることが多いとの結果が出ております。 本市では、高齢者が生き生きと健やかに生活していくために、市内3か所の福祉センターを拠点として、高齢者の各種グループ活動、公民館活動での高齢者学級や老人クラブ活動を通じて、高齢者の生涯学習やコミュニティー活動を展開しているところであります。また、高齢者の雇用につきましては、現在、シルバー人材センターや高齢者職業相談室で行っております、相談、紹介、職業安定所等との連携により、その促進を図っているところであります。今後も引き続き高齢者の福祉ニーズの掌握につきましては、きめ細かく情報収集等を行いながら、適切な対応を図ってまいります。 次に、高齢者福祉対策予算についてでありますが、高齢者福祉対策の平成8年度の一般会計予算は、人件費を除きまして今回の補正額を含めますと、56億4,647万7,000円となり、一般会計総予算に占める割合は8.39%であります。今後、公的介護保険導入等に伴い、福祉予算の増嵩が見込まれるところでありますが、高福祉、高負担がさらに進行してまいりますことは当然だと考えます。本市といたしましても、今後これらに適切に対応する施策の展開には、十分意を用いてまいる所存であります。 次に、高齢者対策の補助金についてであります。平成8年度における本市の高齢者対策に伴う各種負担金及び補助金につきましては、18件、6,747万3,000円であります。このうち甲府市老人福祉施設補助金交付要綱に基づくものは、社会福祉法人が設置をする養護老人ホーム等の老人福祉施設や医療法人が設置をいたします在宅介護支援センター等が対象であります。補助額につきましては、国で定めた基準面積内で、要する経費の8分の1を補助しております。 なお、施設の許認可権限は県にありますので、市の段階におきましては、御心配をいただいているような問題はございませんので、御理解をいただきたいと存じます。 ○教育長(金丸 晃君) 公立幼稚園にかかわる御質問にお答えをいたします。 平成8年度の石田、羽黒両幼稚園の園児数は、羽黒が38名、石田が33名、計71名でございます。市内27園の在籍園児数4,172人に占める割合は、1.7%でございます。 定員充足率のお尋ねがありましたけれども、定員充足率は定員160人に対し71名でありますので、44.4%になっています。また、教員1人当たりの園児数は、四、五歳児平均で11.8人となっております。 また、費用につきましては、平成7年度決算数値で計算しますと、2園にかかわる運営経費は5,750万円で、保育料350万円を除く1人当たりの経費は、約84万円という計算になります。 市内24の私立幼稚園への運営補助は559万円で、したがいまして、幼児1人当たりに換算しますと、約1,400円となっております。 ともあれ、甲府市立の両幼稚園は、開設以来、地域の幼児教育の拠点として果たしてきた実績も評価するもので、一定の教育的効果を上げてきたものと確信しております。今後、公立、私立の役割について十分検証するとともに、本市の幼児教育全体の振興策について、広く関係機関と協議を重ね、よりよい方向づけを考えてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(小野雄造君) 福永 稔君。 ○福永 稔君 山本市長並びに市当局におかれましては、懇切丁寧な御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。 私、先ほど来申し上げましたとおり、これからの行財政運営は、私、浅学非才な者が申すまでもなく、市長はじめ当局の皆さん方十分御認識をしていただいていると思うわけでございますが、そういう中で、やはり一番大切なことは、これからの新総合計画を進める上でも、行政に経営感覚と申しましょうか、行財政システム運営につきまして、民間の活力を活用したり、そういう立場で取り組んでいかないと、なかなか21世紀の明るい展望は見えないんではないかというような感じがいたします。非常に厳しい時節柄での行政運営で、山本市長はじめ大変かとは思いますが、私ども微力を尽くさせていただくことをお約束をさせていただいて、我が会派の保坂議員に残る時間バトンタッチをしたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(小野雄造君) 次に、21世紀クラブの一般質問を行います。保坂一夫君。 保坂一夫君。 (保坂一夫君 登壇) ○保坂一夫君 さきの9月議会の代表質問に続きまして、今議会で一般質間をさせていただきます。このことに大変感謝をしているところでございます。時間の関係もありまして、前置きは省略させていただきます。早速質問に入らせていただくわけでありますが、私は今回、大きな2項目の中で幾つかの質問、提起をさせていただきますので、当局の簡明なる御答弁を冒頭お願いを申し上げます。 まず、その第1は、行政の透明化と公正性、信頼性の向上についてであります。 最初に、情報公開の啓発と促進についてお尋ねをいたします。今日、中央官僚をはじめ、あちこちでの行政不祥事の発生と行政不信の状況は、これまでに言われてきているような、単に国民の政治離れという意味とは異なった、行政への信頼性が損なわれる事態であり、その影響は大きく、大問題と認識をしているところであります。 甲府市にあっては、この種問題は起きていないわけでありますが、マスコミの連日のようなこの種報道を見せつけられておりますと、市民が甲府市もという疑念を抱いても無理からぬ状況にもあると言えるわけでございます。このようなときにこそ、行政の透明化と公正性が強く求められているわけであり、現在、国レベルでは情報公開法の制定に向けての動き、また全国の自治体で条例が制定をされつつあります。甲府市では市が管理する公文書、行政情報を、市民からの請求に基づき公開して、市民の知る権利を保障する情報公開条例として、甲府市公文書公開条例及び同条例施行規則により、昭和63年4月1日より施行をしているわけであります。一定の評価をするわけでありますが、言葉は悪いのですが、「仏つくって魂入れず」では何もなりません。平成7年度は、公開請求はなかったそうでありますが、公開コーナーの利用者は335人あったとのこと。市長が目指す市民総参加市政の推進や、ひらかれた市政の実現にとって、特に今日的状況下にあっては、公開条例を市民が活用しやすい環境づくりと啓発活動が必要と考えます。 条例第15条で、市長は毎年実施状況を公表しなければならないとされており、市は例年6月の広報で公表をしているわけですが、人数と件数だけ。これでは何が何だかわからない。少なくともどのようなものが閲覧されているかを公表することにより、市民の理解も深まっていくのではないでしょうか。また、啓発活動についても、広報の片隅に場所を示し、「文書公開コーナーをお気軽に御利用ください」とあるだけでは、啓発活動とは言えません。情報公開制度の活用に向けた公表の方法と啓発活動の改善について提案をさせていただきますが、市長の見解を求めます。 また、環境づくりの一つとして、費用負担についてお尋ねをいたします。甲府市では閲覧手数料は徴収しておりませんが、条例施行規則第6条で、資料コピーの実費負担として、A3判1枚30円を定めています。他都市の状況は、政令指定都市12市を見ましても、半分の6市が20円、5市が30円、1市が35円という状況。また、他県を見ましても、10円から40円であります。そのうち約6割の自治体が30円でありますが、10円から25円というところも3割からあるわけであります。制度活用に向けて、啓発、周知とともに、環境づくりの面からも費用負担を少なくすることも必要と考えますが、まず、この1枚30円の根拠の説明を求めるとともに、30円を引き下げることができるかどうか、お伺いしたい。特に千葉、愛媛の場合は、A4判で1枚10円であります。この点についてお尋ねをさせていただきます。 さらにもう1点、広域行政の公文書についてお伺いいたします。広域行政単位の自治体で、条例が制定されていない自治体がありますと、非公開という事象が生じています。甲府にかかわっての広域行政を構成する自治体の条例の制定状況はどうかという点と、甲府で広域行政の公文書は情報公開されるか、お答えをいただきたいと思います。 次に、やはり行政の透明化、公正性、信頼性の向上に関連し、オンブズマン制度の導入について質問をさせていただきます。行政監査委員会組織、通称オンブズマン制度は、市民の権利や利益を保護するための市民による地方行政監視の一つの形態であります。行政側は往々にしてオンブズマンを反行政と見る向きがありますが、住民と行政の間に生じた問題、苦情を行政当局が判断する今の制度では、住民の納得が得られない場合が多く、また一方、行政側はこれまで正しいと認識してきたことを、容易に見直したり修正をすることができない。このような中で、第三者機関が調査をし、住民の権利を守り、制度改善の勧告などを行うオンブズマン制度が注目を浴びているわけであります。平成2年に全国で最初にオンブズマン制度を導入した川崎市、これを手本に平成5年以降、急速にこの議論が高まり、導入が相次いでおります。また、今、国の段階でも地方制度調査会の中で、外部監査制度の導入が議論をされているところであります。 かつて私が事務局長を務めさせていただきました連合甲府からの「甲府市政に関する政策・制度要求と提言」でも導入について提起がされ、市は「オンブズマン制度の導入について、今後の検討課題」と答えているわけですが、事後の検討、研究状況はいかがでしょうか。 導入にあたっては、地方自治法で規定されている市議会や監査委員の権能、住民監査請求との法的関係や整合性も考慮をしなければならないわけでありますが、当局の検討状況と見解をお聞かせください。 次に、第2の項目として、高校制度改革に伴う甲府市の対応についてお伺いさせていただきます。 県教委は社会環境の変化、生徒の多様化等に対応する高校改革を打ち出し、入選審の答申を経て、総合学科、単位制の導入による高校改革、また推薦制度、第2、第3希望等の導入による入試改革を決定しました。時間の関係もあり、細かい数値や状況説明は省かせていただきますが、今回の改革は、戦後最大級の改革とも言えるものでありながら、短期間で取り組まれ、かつ受験生の第1次進路希望が集約された後に募集定員が決定され発表される。こういった状況でありました。高校を受験する生徒はむろん、保護者の進路決定、あるいはまた合否、浪人などの心配、不安は大きなものと思われます。また、中学校の先生方も新制度の理解をはじめ、進路指導にあたり大変な御苦労があるものと考えるわけであります。 私たちは連合的立場で政策・制度要求の中で、高校進学率95%、これは甲府市は現在98%になっておりますが、この現状を踏まえ、希望者全員入学を実現するとともに、総合学科制、累積単位制の拡大など、高校生活を通じて多様な可能性に挑戦できるシステムづくりの確立を求めてきたわけであります。その意味では、この改革を評価はするわけでありますが、余りにも今回の改革は急な対応であり、関係者の対応面において心配せざるを得ないわけであります。市教委として、保護者、生徒の不安解消と先生方の進路指導にあたり、どのような対処をされているか説明を願うとともに、今後の最終的な進路決定、願書提出に向け、中学校現場に任せ切るのでなく、市教委として積極的な万全な対応を要望をするところであります。 最後に、甲府商業高等学校の募集定員の増について質問をさせていただきます。今回の高校改革により、甲府西校が単位制高校となりました。甲府学区総合選抜校は5校から4校に減少。県はこれに関連して、甲府学区の普通科定員増の措置を行いましたが、果たしてこれで十分なのでしょうか。甲府の中学生が甲府以外の高校へ行くという状況、可能性を、市教委はどのように想定し対応をしているのか、まず説明をお願いするとともに、これまで商業科受験希望者を見ると、甲府商業と第一商業が受け皿になっていたわけでありますが、第一商業がなくなることにより、甲府商業へのどのような影響が想定されるか、認識、見解をお聞かせください。 さらに、現在、甲府商業は3年生が9クラス、2年、1年は各8クラスとなっており、かつて議会でも甲府商業の1クラス減の議論があったということも聞いてはおりますが、今回の高校改革への対応としての募集定員1クラス増についてどうであろうか。市の小中学校PTA連合会からも要望もあり、10月30日には、甲府市義務教育振興実行委員会から、市長、教育長あてに、「平成9年度甲府市教育予算についての要望書」の優先事項としても要望がされているわけであります。市教委として今回、募集定員増について検討をされたのか、また1クラス増についてどうであるか、教育長の見解をお尋ねさせていただきます。 以上で私の質問を終わります。御答弁、よろしくお願いいたします。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 保坂議員の御質問にお答えいたします。 オンブズマン制度の導入についてでございますが、オンブズマンは行政への苦情解決や行政の適正運用の確保を図るために活動する行政監査専門員と言われております。本市では、昭和63年に公文書公開を制度化し、また平成6年には市独自に行政相談員5名を創設し、市民の行政に対する苦情や相談などに応じ、速やかな行政対応を図ってまいりました。また、御承知のように、法的制度といたしまして、平成3年の監査制度に関する自治法の改正によりまして、従前の財務監査に加え、事務についても監査ができるよう行政監査機能が導入され、監査制度の強化充実が図られたところであります。このほか、お説のとおり、直接請求制度としての監査請求や住民監査請求制度、それに市議会には検査及び監査の請求権、説明の要求、意見の陳述権や調査権が法定されております。これら既存制度の活用により、その効果は期待できるものと考えます。 したがいまして、本市へのオンブズマン制度の導入につきましては、近年の多様な住民の知る権利への対応として、より簡便な制度であることは考えられますが、既存制度との関係など、さらに研究していくことが必要であると思っております。御理解を賜りたいと存じます。 他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。 ○総務部長(加藤清吾君) 情報公開に関する御質問にお答えをいたします。 まず、情報公開制度の公表の方法と啓発活動の改善についてでございますが、本市の情報公開制度につきましては、昭和63年4月1日に市民の公文書の公開を求める権利を明らかにし、市民総参加のひらかれた市政を一層推進することを目的に、甲府市公文書公開条例が施行されました。条例施行以来20件の公文書の公開請求があり、行政資料等の情報提供は4,366件となってございます。公開の実施状況は、毎年6月、広報により人数及び件数のみを公表してまいりましたが、公開の内容等につきましても検討してまいります。 次に、啓発活動につきましては、さらに広報等を通じまして、啓発に努めてまいります。 次に、公文書の写しの交付にかかわる費用負担についてでございますが、写しの作成に要する費用は、公文書公開条例及び同条例の施行規則で規定されておりますように、その算出根拠といたしましては、原価計算をして、受益者負担の原則に従って徴収をいたしておるところでございます。当面は現状の料金を維持してまいりたいと考えております。 次に、広域行政を構成する自治体の情報公開条例の制定状況と、広域行政の公文書公開についてでございますが、甲府地区広域行政事務組合を構成する1市5町のうち、情報公開条例を制定しているのは、本市と田富町であります。また、公文書公開につきましては、広域行政事務組合は地方自治法に基づく特別地方公共団体でございますので、本市が組合の公文書を公開することはできないものと理解をいたしております。 以上でございます。 ○教育長(金丸 晃君) 高校入試にかかわるお尋ねのうち、まず高校改革にあたっての進路指導についてお答えをいたします。 議員御指摘のように、ことしは総合学科高校や全日制、単位制高校の新設など、大幅な高校改革が甲府市内を中心に実施されたことによりまして、高校進学を控えた中学3年生やその保護者、また担当の教師が不安を持ったことは事実でございます。それは新制度への移行する初めての機会であることから、総合学科高校や単位制高校の教育課程等、学校運営にかかわる中身がまだ十分に理解されていない点があるからであります。 市教委といたしましては、そういうことを考慮いたしまして、校長会や教頭会、さらに進路指導連絡協議会等を通じまして、各高校の説明会や体験入学等には積極的に参加し、各中学校が行っている生徒や保護者対象の高校説明会を、例年以上に時間をとって丁寧に行ったり、新しい情報はできるだけ速やかに生徒や家庭に知らせるなど、きめ細かな指導を行ってきたところでございますが、当然のことながら、今後も2月初めに予定されております願書提出に向けまして、なお一層きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。 次に、甲府学区の定員問題についてのお尋ねですけれども、定員の問題につきましては、県教委から、定員が発表される前に、校長会、市P連、教育会などと合同いたしまして、甲府商業高校も含めた市内の高校の定員増について検討をし、市内の中学校で組織する進路指導連絡協議会とも連携をいたしまして、県教委に市内の状況を説明して、定員増を働きかけてまいりました。その結果、御案内のように、甲府南高校と甲府工業高校が各1学級ふえることになり、例年180名ぐらいの生徒が市外の高校に入学する実態があるわけですけれども、十分とは言えませんけれども、ほぼ例年並みに市内高校の定員枠は確保されたものと理解しております。 なお、甲府商業への影響ですけれども、最近の普通科志向や生徒の自然減を考えますと、例年より極端に変動することはないと考えますが、甲府市内で商業高校が1校ということで、希望者の増加も見込まれ、それだけ責任の重さを感じているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小野雄造君) 保坂議員に申し伝えます。 会派の持ち時間が残り少ないので、簡明にお願いいたします。 保坂一夫君。 ○保坂一夫君 いよいよ持ち時間があと3分という状況であります。再質問したい項目、あるわけでありますが、ちょっと時間もありませんので、これ以上多くは申し上げません。ただ、情報公開、これは公開に限らず、行政の透明化あるいは公正性、信頼性に向けて、この辺の取り組みというのは、今後の市長の政治姿勢が問われる問題ではないかと思います。そういう意味で、ぜひ今後のそういった具体的検討を、特にオンブズマンの関係につきましては、今、国の方の段階で、これは政令指定都市あるいは中核市への義務づけとともに、それ以外については条例等々でというふうな部分で出てくるわけでありますが、甲府市がこれらに先駆けて取り組むという姿勢が大事ではないかと考えるわけであります。そういった意味で、早急に具体的検討をいただきますよう要請をしまして、高校関係は、私、民生文教へ所属しておりますので、そちらの方で扱わせていただくことにしまして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。 ○議長(小野雄造君) 次に、日本共産党の代表質問を行います。岡田 修君。 岡田 修君。 (岡田 修君 登壇) ○岡田 修君 12月定例会にあたり、日本共産党を代表して質問を行います。 今回は歴史的な総選挙の直後であり、また、議会の冒頭において総合計画の基本構想が審議され、その実施の初年度にあたる平成9年度の予算編成の時期でもありますので、切実な市民要求を市政にどう反映させるのかを念頭に置きながら質問に入ります。 まず、市長の政治姿勢についてであります。 その第1は、消費税増税問題です。さきの総選挙は、消費税5%増税問題が最大の争点となりました。当選した500人の衆議院議員のうち、5%賛成を公約で明言していたのは約80人にすぎません。山梨の三つの小選挙区で当選した自民党議員も、「引き上げについては、景気の動向を見きわめながら、実施時期を再検討すべきだ」(新聞アンケートへの回答)など条件つきのものでした。第2次橋本内閣に入閣した衆議院議員18人の中で、増税の立場を公約で表明していたのは4割の7人で、逆に凍結や延期など、来年4月からの増税に賛成しないことを公約したり、態度表明を避けて当選した閣僚が過半数となっています。 選挙直後のNHKの世論調査の中でも、増税反対が64%となっています。臨時国会開会後、日本共産党に届けられた増税中止を求める署名は、短期間の間に644万を超えております。市内での街頭署名でも、「福祉を食い物にして増税なんて許せない」との怒りの声が寄せられております。地方議会でも、京都市議会や東京台東区議会では、自民党を含む全会一致で5%引き上げ反対を可決するなど、既に423の自治体に広がっています。 高齢者対策充実のためというのは、政府の偽りの宣伝であり、地方消費税1%を新たに創設するので、地方財政が潤うかのような宣伝も全くの偽りでした。今回、5%の増税を許せば、それは数年後には10%、15%への道を開くことは明らかです。何としてもこの増税の道を食いとめなければなりません。我が党は、新しい国会で消費税増税据え置きを公約した新進党や、選挙で5%増税見直しを公約したすべての議員が、公約を守ることを要求し、増税中止の国会決議を行うよう今奮闘しています。 甲府市は古くから発達した商業と地場産業のまちです。消費税5%増税によって、市民、県民の懐が冷え込めば、その分だけ購買力が低下し、その影響は他都市に比べはるかに大きくあらわれてくるであろうことは明らかです。新総合計画で掲げている「誰もが住みたい、住んで良かったと思う都市」の実現にも大きな障害をもたらすでしょう。 そこで、市長にお尋ねします。消費税は低所得者ほど負担の重い逆累進性の悪税で、市民生活、とりわけ高齢者、低所得者など弱者の生活を一層苦しめるものです。市長は国民、甲府市民の圧倒的多数の願いである消費税増税中止の明確な意思表示を行うべきではありませんか。市長の明確な答弁を求めます。 政治姿勢の第2は、市長後援会の寄附行為についてであります。山本市長の後援会やまびこ会が、昨年の市長選直前の3月末、自民、新進は県連、新党さきがけ、連合山梨の各政党本部・政治団体に50万円ずつ、計200万円を寄附し、ことし6月には新たに小沢鋭仁、輿石 東両代議士(現在民主党)の後援会にも同額の寄附を行っていたことが、11月28日の新聞で報道されました。 寄附の趣旨について、やまびこ会幹部は、「山本市政を支えてもらうための各種会議費」と言っています。寄附を受けた政党支部の幹部には、甲府市議会最大会派○○○○○○の幹部議員も多く、寄附金は「山本氏支持を金で買ったと見られるおそれがある上、議会のチェック機能にも影響を与えかねない」との指摘や、「道義的な問題があるので今後は受け取らないようにしたい」とも報道されています。一方、山本市長は、「政治活動をする上で当然必要な寄附であり、法律でも認められていることで、何ら問題はない」と言っていますが、果たしてそうでしょうか。 このことについて、山梨学院大学の江藤助教授(地域政治学)は、「本来、政党への寄附はその党を育て支援するためのもの。首長選をにらんだ後援会の寄附は趣旨が逆であり、結果的には議会対策の意味合いも生まれる」と指摘しております。政治と金の問題は古くて新しい問題であり、今、国会では福祉を食い物にした企業・団体が、橋本首相、小泉厚生大臣など、福祉行政を司る厚生省の族議員に巨額の政治献金をしていたことが大問題となっており、企業献金の禁止が国民的に求められています。 そこで、質問の第1は、市長は自分の後援会が受け取った寄附金の中で、市の事業を受注している業者からのものがあるのか、または関係の深い企業からのお金が入っていなかったかどうかをお尋ねいたします。また、このような市長後援会からの各政党・政治団体への寄附は、金で政治をねじ曲げるものであり、あってはならないと考えますが、市長は今回の寄附行為をどのように受けとめ、今後どのようになさるつもりか、明確なお答えをいただきたいと思います。 次に、市民本位の行政改革について伺います。 簡素で効率的な市民本位の市政をつくり上げるために、時代の進展に即して常に行政の改革が行われなくてはなりません。それは市政の目的である地方自治法第2条の住民の安全、健康及び福祉の保持に向けて、民主的、効率的な機構をつくり上げ、浪費とむだをなくし、市民の利益を守る市政に前進することであります。 そのために、市独自ででき、やるべきこととして、第1に、公共投資優先による財政の危機的状況を打開することです。我が党はこれまでも、アーバンスタディセンターの建設やオフィスアルカディア構想に反対し、大型プロジェクト優先の市政運営に批判と検討を繰り返し求めてまいりました。ところが、山本市政は国・県言いなりに市債に依存した単独事業を拡大、市債残高は10年前の983億円から1,841億円へと急速に膨れ上がっています。今求められているのは、こうした借金急増の要因にメスを入れ、事業計画の内容等、優先順位を経済と財政状況にふさわしく見直すことであります。 第2は、公正、公平な市政を確立することです。市の管理職の民間企業への天下りと企業献金を禁止することによって、政・官・業の癒着をなくすこと、外国よりも2割から3割は高いと言われている公共事業の入札にあたっては、条件付き一般競争入札制度をさらに拡大し、むだを省くこと。特に最大のむだである同和対策事業は廃止すること。 第3に、職員や議員の海外研修をやめ、国際交流事業についても再検討を行って、冗費を削ることです。さらに、国・県に対しては、第1に、公共事業における超過負担の解消と地方交付税率の引き上げ、第2に、削減された国庫負担金、補助金の復元、第3に、老人医療費無料化年齢引き下げと下水道補助の拡大を県に要求することが求められていると思います。 ところが、ことし3月に出された市の行革大綱では、「基本的に不要なもの、非効率的なもの、時代に合わないもの等を整理し、スクラップ・アンド・ビルドの視点に立つ。単なる機構の組みかえ、経費の節減というだけでなく、あすの都市づくりに向けて前向きの明るい展望を開く積極的なものとする。本市の独自性、地域性などを尊重して行うものである」ことをうたう一方で、「市税収入の低迷によって、投資的経費に使用可能な一般財源が落ち込むことが予想され、また公債比率も高まり、財政が硬直化するため、レインボープラン7大プロジェクトの着実な実行ができなくなる」としています。 検討する事項として、市立保育所及び市立幼稚園の存続、保育料の軽減、ごみ有料化、有価物回収報奨金制度、同和対策住宅新築資金等貸付事業、交通共済事業などの見直しを挙げていますが、同和対策事業を除きこれらをすべて実施していくなら、福祉、教育、環境など市民生活に直結した市民サービスの大きな後退につながると思います。今回市がやろうとしている行革の目的が、結局のところ、教育、福祉、環境を削って、建設メジロ押しのレインボープラン7大プロジェクトのうち、大型プロジェクトの建設事業優先のための財源づくりにあると言わざるを得ないと思います。当局の見解を求めるものです。 甲府市の行政需要はこれまでにも、例えばゴールドプランの実施、地方分権の推進、市の単独事業の拡大などが原因となって拡大してきています。今後、地方分権化がさらに進めば、事務事業の拡大方向に向かうでしょう。そこで、行政需要の拡大に見合う職員増が当然必要となってきます。今後、定員適正化の名のもとで職員の減員を図るとするならば、地方分権は担えなくなり、その際、市民生活に直結する仕事を民間に委託するとなれば、市民要求に対する市の責任のもとでのきめ細かな対応が損なわれると考えますが、職員定数の見直しに対する市長の見解を求めます。 さて、今回リストラの焦点となっている市立幼稚園の廃園問題です。9月議会以来、新聞投書によって、廃園、存続についての論争が展開され、市立幼稚園を守る会が3万5,000人の署名を集めて、その存続を訴えています。私は今真っ先に市が行うべきことは、市教育委員会が父母たちを含む市民と積極的に話し合う機会を持ち、要望を聞き、その上で十分な検討を行うなど、存続のためのあらゆる手だてを尽くすことではないかと思います。見解を伺います。 甲府市の幼児教育については、教育委員会は確たる方針を持たずに、長い間私立幼稚園に依存してきましたが、昭和46年、羽黒小学校の新設に際し、国の方針だからとして、公立幼稚園を併設、その後石田小にも幼稚園を併設いたしました。設立当時の考え方として、議事録によれば、「義務教育に入る準備をさせる。世間で言われているような幼稚園で英語を教えるとか、国語をえらく勉強させるというような学問的なものは考えていない。集団生活をする中で、しつけというものを身につけてもらう。そして、健康で、しかも情操豊かな子供を育て、そのために絵をかく、リズム音楽、体育、そういうものを重点に置いて、義務教育にスムーズに入っていける内容でやっていきたい」と、当時の教育長が幼児教育について述べています。 すなわち、少なくともその当時は、「幼稚園は学校の一種であり、満3歳から小学校入学までの幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする」という学校教育法にのっとった幼児教育がなされてきたと思うのです。問題はその後、市の教育委員会が圧倒的多数の私立への依存体質に何ら手をくだそうとせず、幼児教育を私立任せにしてきたことにあると思います。幼稚園は民間が特色を出して運営し、市民がそれを選択するものであるという考え方は、幼小一貫教育に対しての公的責任を放棄したものと言わざるを得ません。設置者である市長の見解を伺います。 次に、同和対策事業の廃止について質問します。 本市の同和対策住宅新築資金等貸付事業は、昭和55年、甲府市東部の同和対象地域の劣悪な住環境を改善するためとの理由で、54世帯を対象に始められました。16年たった現在、貸付限度額1,730万円、金利3.5%(当初は2%)、25年返済という、借受人にとっては他の融資事業には見られない有利な資金として、378人に貸し付けられております。ところが、この事業は同和対策の諸立法が前提としている劣悪な地域の改善という地域対象から、同和地区出身者を対象とする県の要綱に追随し、市の主体性のない事業として実施されてきたため、今では部落差別の解消とは名ばかりの全く不公正、不明朗な事業となり、市民本位の市政の前進を妨げるものとなっています。 不公正な同和事業の実態の第1は、同和対象者の認定については、市に基準がなく、特定の同和団体の認定をすべて追認するという主体性が全くないということであります。 第2は、この15年間、378人に貸し付けられた住宅新築資金は合わせて37億7,000億円、償還率27.7%となっていることです。すなわち、現時点での不良債権は72.3%、いわゆる住専以上の放漫経営となっております。市の監査委員会も毎年の監査報告の中で、悪化してきた償還率の向上に特別の注意を払うよう意見書をつけています。市の貸付条例では、借受人に特別の事情があって返済できない場合には、返還猶予あるいは返還免除の手続をとることになっていますが、この手続をとった人は1人もおりません。 第3は、借受人が償還を怠った場合、その全額を市が肩がわりして、毎年一般財政から繰り出して県に返還をしています。その金額は昨年1年間だけで1億3,491万円にもなっています。 第4は、甲府市の都市計画では、住宅の建築は市街化区域のみに限定しておりますが、同和対象者には農地として確保されている市街化調整区域にも住宅の新築を認めているため、住宅が建築され、正常な都市の発展を阻害しているということです。 第5は、甲府市の行政は甲府市内に限って行われるべきであるにもかかわらず、甲府市以外の4市14町1村の行政区に129軒もの住宅が建築されました。他の行政区への貸付は乱脈経営以外の何物でもないと思います。 第6は、貸付条例では、資金の融資にあたっては、十分な返済能力があることを条件としていますが、市にはこの資金の貸付審査会がなく、希望者全員の要望を予算化し貸し付けてきたため、事態をますます悪化させてきたということです。 第7は、この15年間に以上のような不公正な同和行政が市政の奥深く進行し、市財政を圧迫、公正な市政の重大な障害となっているにもかかわらず、その実態については、議会の審議権の及ばない不明朗な行政となっていることであります。 我が党は、甲府市が初めて同和行政を導入しようとしていた16年前の昭和54年9月議会において、「同和行政とは一体何なのかという課題、この点が正しく理解された上での行政執行でないと、将来、重大な禍根を残すことになる」との警鐘を鳴らし、本市の同和事業は法律の趣旨である属地主義を原則とした公正な行政でなければならないとして、属人主義に立つ市の貸付条例に反対しました。今日の事態は、まさにこの16年前の我が党の指摘が正しかったことを証明していると思います。市は今回貸付限度額を20万円に引き上げる議案を出していますが、これは不良債権の傷口をさらに広げるだけです。 そこで、市長にお尋ねします。ことし7月26日の閣議決定において、本市の同和事業が依拠している国の地域改善対策財政特別法が、来年3月に廃止されることになりました。市はこれを機に、市の不公正な同和事業を打ち切るべきだと思いますが、市長の見解をお伺いいたします。また、既にこれまでの焦げつきが8億5,000万円、これが数年後には2倍、3倍になることが予想されますので、これを処理するための特別のプロジェクトチームを発足させ、市の行政改革大綱の中で検討されている中身を具体的に断行することを求めるものですが、いかがですか。 次に、医療・福祉・保健の充実について伺います。 私たちは、このたび会派として岩手県沢内村を視察し、生命尊重を行政の基本理念として、保健活動、検診、治療、リハビリに至る包括医療体制の確立を目指している状況を見てまいりました。また、一昨年は、保健・医療、福祉のもう一つの先進地、広島県御調町を視察。町立病院の中に保健婦及び国民健康保険課がおり、一体となって地域包括医療を進めている様子を見てまいりました。いずれの自治体も役場職員が地域の中に出て、保健婦を中心に日常的な活動を行い、生の要望を聞き、医療機関、福祉機関と連携しておりました。病気になって医療にかかるよりも、病気にかからないように健康を管理して、医療費を少なくしております。沢内村では35歳以上の村民の全員受診を推進し、3年間検診を受けていない住民を探し出して検診させております。甲府市も市民の健康管理を行うため、もっと保健事業に力を注ぐべきではないでしょうか。健康管理に大きな力を発揮している国民健康保険の人間ドックは、希望者が多く好評です。これを抽選にしているなどはもってのほかであって、希望者全員の受診を保障するべきであります。 また、最近、国の指導で、本人が医者にかかったことを知らせる市の医療費通知制度が取り入れられていますが、その効果は疑問であり、保険料のむだ遣いではないかとの声があります。もっと保健活動を充実させる方向で工夫をすべきではありませんか。見解をお伺いいたします。 質問の最後は、中学校給食の早期実現についてです。 最近起こった二つの大事件、阪神大震災と病原性大腸菌O-157による食中毒事件の中で、学校の給食施設が災害時の避難所となった学校で大いに役立ち、温かい食事を供給することを可能にしたこと、比較的人員配置が厚かった自校方式の給食実施校が、O-157の被害を食いとめていたことなどの教訓から、自校方式による学校給食の有用性が明らかになってきました。このことからも中学校給食の実施にあたっては、直営・自校方式が最もすぐれていると考えます。当局の見解はいかがでしょうか。 小学校の給食にも関係することですが、O-157対策としての共通献立・食材の一括購入方式の見直しが求められています。今までにも食材の一括購入方式は、食材に問題がありそうな場合でも、現場で対応できないばかりか、問題が生じた場合は大規模な被害を招くことになるため、この方式の見直しを求める声が現場からしばしば提起されていました。 文部省は10月16日、保健衛生や学校給食の専門家で構成する学校給食における衛生管理の改善に関する調査研究協力者会議を開き、共通献立・一括購入の見直しを念頭に、学校給食の衛生管理の改善についての検討を依頼しました。市としても、共通献立・一括購入の見直しを行うべきではありませんか。当局の見解を求めます。 さて、市長はことしの3月議会で、中学校給食実施の方向性を示されましたが、実施時期はいつにするのかがいまだに見えてまいりません。今回の総合計画基本構想の中では、中学校給食については一切触れられていませんが、基本計画ではどう位置づけていく考えでしょうか。前期計画3か年の中に真っ先に位置づけて、市長の責任において実施するべきだと思います。明確の答弁を求め、第一弾の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 岡田議員の御質問にお答えいたします。 後援団体の寄附問題についてでございますが、政党その他政治団体等は、法律の範囲内で自由な政治活動が認められております。また、寄附行為も政治資金規制法において、一般的な寄附行為は量的制限等がありますが、御承知のとおり、政治団体間の寄附はその適用が除外されておるところであります。 今回の後援団体の関連寄附につきましては、後援会内部の問題ではありますが、支援団体等への事務費として、法にのっとって処理されたものと理解をしております。しかしながら、今後は誤解を招くことのないよう、後援会に対しより一層慎重な対応を要請したところであります。 なお、後援会への市の関連企業等からの寄附につきましては、ないものと思いますし、これもまた法にのっとって処理されておると理解をいたしております。 次に、行政改革についての御質問でございますが、本市の自主的行政改革につきましては、現下の厳しい時代を踏まえながら、未来に向かって前向きの明るい展望を開くためのもので、究極的には市民福祉の増進がその目標であります。今次の改革にあたっては、第1点は、スクラップ・アンド・ビルドの視点に立った事務事業の見直し、第2点は、簡素にしてスリムでわかりやすい組織機構の改善、第3点は、行政と市民、企業等との役割分担の明確化、第4点は、定員の適正化計画であり、これらを主なテーマとしたものであります。 お尋ねの職員定数につきましては、地方分権の受け皿や増大する市民要望などを踏まえ、最小の職員数で最大の効果が上げられるよう、総合的な視点に立ちその適正化に努めるものであります。御理解を賜りたいと存じます。 他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。 ○企画調整部長(藤巻康夫君) 消費税についてのお尋ねでございますが、消費税率の引き上げにつきましては、先行実施いたしました所得税や住民税の恒久減税への対策、高齢化社会を展望した福祉や社会保障に対する財源の確保を図るために必要な措置としているものでありますが、社会的弱者への対策などの課題もありますので、さらに国の動向を見守ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○市民部長(若月元治君) 市民部関係の御質問にお答えいたします。 最初に、同和行政についてであります。同和問題は我が国社会の歴史的発展過程において形づくられた、身分差別による一部の人々の基本的人権が完全に保障されていないという社会問題であります。同和問題を一日も早く解決するためには、行政関係者等が同和問題について正しい理解と認識のもと、それぞれの分野において、適正に対応することが肝要と思います。国は事業分野では地対財特法の期限切れ以降も、未完了工事に限って、今後5年間国の財政補助を継続させる法律を、次期通常国会に提出することが既に政府内で決まっているところでございます。 また、新たにあらゆる同和問題の解消に向けた5年間の時限立法で、人権擁護施策推進法案の国会提出が、11月3日の閣議で了承されました。いずれにいたしましても、これら法案のねらいは、同和問題の早期解決を目的としています。したがって、本市におきましては、この法案の趣旨と国・県の施策の動向を注意深く見守っていくとともに、適切な対応を図ってまいります。 次に、国保事業における人間ドックと医療費通知制度についてであります。人間ドックは成人病等の早期発見を主な目的とした総合的な健康診断であります。したがって、医療ではありませんので、全額自己負担が原則であり、保険適用はありません。国保制度は被保険者の病気、けが、出産等に関しての保険給付を主目的としていますが、本市ではこれを一歩進めて、健康の保持、増進を目的とした人間ドックの事業を保健事業と位置づけて行っております。来年度からは国保会計の経営努力をより一層図り、予定人員の拡大に努めてまいりたいと考えております。 また、医療費通知制度につきましては、国の指導により、被保険者の毎月の受診状況を通知することによって、受診者がみずからが診療、医療機関のチェックや医療費の負担区分を知り、療養費抑制の一助とするものであります。御理解を賜りたいと思います。 ○教育長(金丸 晃君) 甲府市立幼稚園問題についてのお尋ねにお答えをいたします。 御案内のように、小学校の学習指導要領におきましては、低学年に生活科を設けまして、遊びも学習の中に取り入れるなどして、幼稚園から小学校への継続発展や幼小の連関を進めているところでございます。このことは私学も含めたことでありまして、必ずしも小学校との併設とか、公立でなければ一貫教育は貫けないという概念ではないと思います。 甲府市立の両園がこれまで果たしてきました役割は、一定の評価をされているところでございますが、大幅な定員割れは御案内のとおりでございます。したがいまして、今後、私立の同一地域の小学校との連携をより一層図る中で、本市の幼児教育の振興策について、広く関係機関と協議を重ね、民間活力や行政の効率的運用も含めまして、公立の役割、教育的効果等について、よりよい方向を検討してまいりたいと考えております。 次に、中学校給食の実施についてのお尋ねですけれども、中学校給食の実施につきましては、教育委員会に教育部長をチームリーダーとするプロジェクトチームを設置いたしまして、具体的方策を検討いたしております。先ほど御指摘のように、現在、文部省におきましては、統一献立及び食材の一括購入のあり方等について検討中でありますので、これらの動向も視野に入れながら、実施方法、時期等について検討してまいりたいと考えております。御理解をいただきたいと存じます。 ○議長(小野雄造君) 岡田 修君。 ○岡田 修君 それでは、若干時間がありますので、再質問をさせていただきます。3点です。 市長の後援会の寄附行為の問題ですが、やまびこ会の平成7年の収支報告書、これは県の選挙管理委員会ですが、これによりますと、収入総額は4,560万円のうち、平成7年度ですね、個人からは400万、他の政治団体、これは栄政クラブから3,865万円と、その収入の圧倒的多数の部分は栄政クラブが占めています。同じくその栄政クラブの収支報告書を見ますと、その収入の中で、法人その他の団体として、市の事業への出入り業者がかなり含まれています。記載されているのは5万円以上の業者の記載だけですけれども、おっしゃるように、市長の公共投資というか、土建業界というか、そういう会社は1社もここにはあらわれておりません。しかし、例えば銀行などの金融機関7社、ビルメンテナンスの関係の会社が3社、食料品関係の会社が3社、事務機器関係の会社が3社などでありまして、これは市の事業とのかかわりを持っている企業であります。言うまでもなく、企業献金は利潤を目的とした企業がその見返りを期待している。そういう性格を持っている金だということです。こういうような観点から、この業者からの企業献金が入っていたということと、それを財源として、前回の市長選挙や次の市長選挙を意識して、他の政党や政治団体への寄附行為が好ましくないと言っているわけです。市長の再度の答弁を求めたいと思います。 第2点は、同和対策事業についてです。先ほど私の質問で出しましたのは、平成7年度の決算で、明らかに当局から出されているそういう金額です。11月の決算委員会に私は出席いたしましたが、さらに今年度の上半期を調べてみまして、驚くべき事態が明らかになってきました。それは、単年度の収支決算で見ますと、調定額に対する返済額の割合が、平成7年度の単年度で6.77%、ことしの上半期では4.08%と、さらに急速に落ち込んでいるということであります。また、借りたまま1円も返さないという、いわゆるゼロ償還者は75件となっています。 こういう状況の改善について、市の担当者は相当苦悩し、かなりの努力を行っている様子を伺ってまいりました。しかし、なかなかその効果はあらわれていないというのが現状であります。これは、この事業の根本のところに問題があって、その問題の根本問題を市長が決断しないで、解決をおくらせているというところにあると思うのですが、いかがでしょうか。 3番目は、中学校給食の早期実施の問題です。市長は3月議会の冒頭で、中学校給食は実施すると、また、6月議会では、我が党の質問に答えて、「新総合計画の中に位置づけ、実施時期、実施方法を位置づけてまいりたい」と、こう答えています。いよいよ新総合計画の基本計画、実施計画策定の時期になってまいりました。これは市長の公約ですから、市長のリーダーシップを発揮して、総合計画の中にその実施時期、実施方法など明確に盛り込むことを求めたいと思います。その点での再度のお答えをいただきたいと思います。 以上。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 後援会の問題でございますけれども、これにつきましては、資金管理団体が会員からの会費によりまして、適正に管理運営しておるものであると思っております。 ○市民部長(若月元治君) 同和問題にかかわります御質問に先ほどお答え申したところでございますが、御意見、御提言等を踏まえて、適切な対応をこれから図っていく趣旨でございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 ○教育長(金丸 晃君) 給食の基本計画並びに実施計画への位置づけでございますけれども、これは当然のことながら、基本計画、実施計画の中には位置づけてまいりたいと考えております。 ○議長(小野雄造君) 岡田 修君。 ○岡田 修君 再度御質問したいと思います。 後援会寄附行為の問題です。私たち日本共産党は、簡素で効率的な行政機構をつくると、そういういわゆる真の市民本位の行政改革という場合に、三つのことを言っております。一つは企業・団体献金の禁止、二つは官僚の天下りの禁止、三つ目が情報公開制度の確立、この三つがなくては真の行政改革はできないというふうに考えている。そういう立場に立っております。 このうちで市の情報公開制度は、先ほどの質問にもありましたように、不十分ながら既に確立されております。不十分ながらというのは、手続が面倒だということと、資料のコピー代が高いという点であります。また、企業献金の禁止とか天下りの禁止という場合、市長にそのつもりがあれば、市独自の条例をつくればできるということです。その前提として、市長自身が、またはその後援会自身が、企業からの献金は受け取らないという、そういう政治姿勢を示していくということが大事だと思っているわけです。こういうことをみずからやらないで、行政改革と叫んでみても、そこには何の変化も生まれてこないというふうに考えているわけでございまして、先ほど、合法的になされているとか、資金の取りまとめ団体が正確に事務を執行しているとかいうことを言っておりますけれども、そういう観点ではないんです。正確に事務が行われているとか、あるいは法律に照らして合法的だとか、そういうことを聞いているわけではないんです。市の事業が関係する企業から政治献金を受け取るということ自体が、その行政をねじ曲げていくと、結果的に不効率になっていくということを考えているから、その質問を繰り返し行っているわけであります。 2番目に、これは市長自身にお答えいただきたいと言ったのですが、市民部長さんからのお答えでしたので、ぜひとも市長にお答えいただきたい。問題は、同和事業については、その矛盾がもう明確に明らかになっているというわけです。にもかかわらず、これが何ら手が打たれていないと。そういうことが長期にわたって起こっているということであります。同和事業の抜本的な解決なくして、幾ら事務事業の見直しと言ってみても、一方で毎年数億円という市財政の垂れ流しが起こっていて、そういうことが見逃されているのでは、いつになっても公正、清潔、そして効率的な市政運営はできないというふうに思うわけです。現実に起こっている矛盾を解決することができなければなりません。 先ほどの市民部長の説明ですけれども、国は既に6月の閣議の中で、既にこの同和事業の目的は全国的に達成されており、法律は廃止すると言って閣議決定を行いました。いつまでも不公正な県の要綱に追随している。県の要綱というのは、属人主義に立つ、法外事業が8割という内容の、国庫補助金がほとんど来ないという状況の法外事業を中心とした県の要綱ですけれども、市がこれに追随しているようであっては、市民の損失はさらに広がるばかりであります。この点での市長のイニシアチブといいますか、決断といいますか、そういった政治姿勢をお尋ねしているわけです。 第3番目の中学校給食については、教育長さんの方からではありますけれども、総合計画には、あるいは実施計画には明確に盛り込むという内容のお答えでございましたので、市長も前向きに取り組んでいるというふうに判断いたしまして、さらにそれを一層期待いたしまして、この問題での返事は結構です。 以上です。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) お尋ねの第1点の問題でございますけれども、先ほども答弁申し上げましたように、後援会に対しまして、今後慎重な対応を要請したところでありますので、この点につきましては、後援会の方でそういう対応にされていくことを私も期待をいたしております。 また、2番目の問題につきましては、これまた市民部長からも答弁申し上げましたが、国・県の動向を見ながら、また指導も仰いでいかなくてはならないわけでございまして、甲府市だけの問題ではございませんので、そうした統一的見解の中で対応してまいりたいと考えております。 ○議長(小野雄造君) 暫時休憩をします。 午後3時09分 休 憩 午後4時00分 再開議 ○議長(小野雄造君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 岡田 修君。 ○岡田 修君 先ほどの私の質問のうち、2か所について訂正をお願いしたいと思います。 一つは、やまびこ会の寄附行為についてのうち、「自民、新進、新党さきがけ、連合山梨」と言った部分の「各政党支部」と申し上げましたが、新進には県連しかございませんので、それは「新進は県連」というふうにしていただきたいということと、それから、もう1か所、「政党支部の幹部には、」「○○○○の幹部議員」と、こういうふうに申し上げましたが、当時、○○○○はまだ結成されておらず、現在の○○○○のために、この部分の「○○○○」という字句を削除していただきたいというふうに思います。 以上、取り計らいは議長に一任したいと思います。 以上です。 ○議長(小野雄造君) この際、お諮りいたします。 岡田 修君から、先ほどの本会議における発言について、会議規則第64条の規定により発言の一部を訂正及び取り消したい旨の申し出がありましたので、この訂正及び取り消し申し出を許可することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、岡田 修君からの発言訂正及び取り消しを許可することに決しました。 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。 公明の代表質問を行います。堀内征治君。 堀内征治君。 (堀内征治君 登壇) ○堀内征治君 政治に今ほど改革が求められているときはありません。「政治は可能性の技術である」という有名な政治学の言葉にもあるとおり、改革はどういうやり方でやるか、改革はだれとやるのかを重視しなければなりません。こうした理念をもとに、公明を代表して質問をいたします。 サラリーマンにとってボーナス・シーズンですが、毎度のことながら、天引きされる税金欄を見ると、ため息が出ます。今回はそれ以上に怒りが込み上げてきます。税金を徴収している国、または知事が辞意表明に追い込まれた秋田県をはじめ、地方自治体の公金不正出資問題が全国的な規模で噴出し、余りにひどい税金の使い方が目立つからであります。税金を納めたくないとの気持ちを抱く人は少なくないはずです。 一つは、連日マスコミを賑わせている厚生省高級官僚らによる福祉汚職事件です。国の高齢者保健福祉推進10か年戦略、俗にゴールドプランと言っておりますが、に基づく補助金行政を悪用し食い物にした前厚生省事務次官の腐敗の実態が次から次へ暴かれ、新たな疑惑が浮かび上がるにつれ、怒りが込み上げてくるのであります。 国家公務員法第96条第1項、地方公務員法第30条には、「すべて職員は国民全体の奉仕者として公共のために勤務し」と服務の基本規定があります。また、国家公務員法第99条、地方公務員法第33条には、「職員はその官職の信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と、信用失墜行為の禁止もあります。トップ官僚の汚職や県庁挙げての公金不正使用は、官職の信用を傷つけ、官職全体の不名誉となるような行為そのものではありませんか。今こそ、政治・行政・市民が税に対する認識を改めて自覚し直すべきではないでしょうか。税金は自動的に取る、あるいは取られるものではなく、市民が行政サービスに対し支払っているものだとの自覚に立てば、税に対するそれぞれの取り組みも違ってくるはずでありましょう。甲府市の繁栄と甲府市民の幸せのために、昼夜をわかたず努力されている山本市長の政治姿勢や、福祉事務所、また社会福祉協議会の職員の方々が、誠実に、真摯な態度で職務に取り組んでおられる姿に敬意を表し、ますますの奮闘を御期待申し上げるものであります。 そこで、はじめに、山本市長のお考えをお伺いしたいと思います。今、地方分権への具体的制度づくりが国の地方分権推進委員会において行われており、来年1月をめどとして、機関委任事務のあり方が取りまとめられつつあります。私はこの内容について質問するものではありませんが、このたびの厚生省官僚の汚職事件が、この地方分権が進まない要因の一つにあったと思えるのであります。今の地方分権推進委員会の議論は、まず国から県レベルの事務委譲の仕組みと、また、財源問題は二の次としているところに収斂されていると思うのであります。基礎自治体であり、諸施策の実施主体である市町村への権限委譲という観点が、まことに稀薄であると言わざるを得ないのであります。市町村への委譲の仕組みと財源問題は、その次の段階でというのではありましょうか。 このたびの事件の構図は、一番重要な市町村を蚊帳の外に置いた図式の中で描かれたもので、さらに肝心なのは、福祉行政の主役である社会的弱者、高齢者、障害者を全く度外視したところで描かれたものであると言えることであります。許認可、国庫補助、機関委任事務といった地方分権のテーマが、こうも見事に不条理な信用失墜行為を国民の前にさらけ出したのは、地方分権に対しかたくなに反対する中央省庁の官僚であったとは、何とも皮肉なことであります。地方分権の本質は、単なる行政庁間の権限の移転ではなく、県民に、市民に、私たち住民に、生活者大衆の手に行政を取り戻すことにあると私は信ずるものでありますが、市長の御所見を伺いたいのであります。 次に、社会福祉事業団と福祉公社について質問いたします。 はじめに、社会福祉事業団についてでございますが、このたび(仮称)心身障害者総合福祉センターの建設を契機に設立されます、待望久しい社会福祉事業団についてお尋ねいたします。社会福祉事業団設立については、構想の段階から数多くの議論がなされ、当局も十分計画を練り上げた上での設立であろうと思いますが、次の諸点についてお伺いいたします。 第1は、事業内容は何か。第2は、直営方式との比較検討の上から、そのメリット、デメリットは何があるのか。第3は、マンパワーの確保と労務管理の方策はどうなっているのか。第4は、経営方針はどうなっているのか。第5は、社会福祉事業法からの制約はどういうふうになるのか。以上数点お示しいただきたいと思います。 一方、福祉公社は公共部門と民間部門に属さないという点では、第三セクターとも言えます。従来の第三セクターの定義は、公民共同出資による民法、商法上のすべての法人という点では、福祉公社は第三セクターに該当するのではないかと思います。現在、全国的にも知られている武蔵野市の福祉公社をはじめ、数多くの福祉公社が設立されておりますが、ほとんどの公社が公共部門からの全額出資という形態をとっております。運用面では公的部門の人的、財政的統制によって運営されているもので、実質は公的部門の外郭団体としての性格を有しております。その点、社会福祉事業法をその設置根拠としている社会福祉協議会や社会福祉事業団とはおのずとその機能、特色を異にしていると言わなければならないと思います。 そこで、財団法人化され、全国の都市で展開されている福祉公社の全般的な特徴を挙げてみますと、第1は、高齢者及び障害者を対象とした介護、家事援助、外出援助等をはじめとする在宅福祉サービス事業を中心とするということであります。第2は、有償のサービスを提供する。第3は、会員制を採用している。といった点が主であるようであります。単に労務管理上の問題として、現在の地方自治制度上では認められていないハーフタイム、クォータータイムなどの活用上の有効性も、社会福祉法人などへの事業委託する上での諸サービスとの総合的な運用の確保の点と比較検討されている点に注目すべきものがあります。 いずれにしましても、福祉サービスの多様なニーズへの対応、また、介護保険制度が導入された後の介護サービス水準の確保のためにも、福祉公社制度を早急に検討しておく必要があるものと考えるものであります。社会福祉法人としての福祉事業団という福祉行政サービスの一つの受け皿との比較検討の中で、社会福祉公社への御所見を伺いたいと思います。 次に、社会福祉協議会の機能について質問いたします。 社会福祉協議会が地域福祉に果たしてきました先駆的、開拓的歴史上の役割、また、現在本市が在宅福祉サービスなどの主要な部分、ホームヘルプサービスや給食サービスがありますが、などを事業委託している実態を考えますと、福祉事業団、福祉公社についてお尋ねいたしますと、必然的に社会福祉協議会の機能について質問しなければなりません。もっとも、社会福祉協議会は純然たる民間の自主的社会福祉法人でありますので、当局側に社会福祉協議会が担うべき機能を質問いたしますのは、甚だ筋違いでありましょう。そこで、私は、当局側が今後、社会福祉協議会に対し何を期待し、どういった分野の担い手としての要請を行っていくのか、という観点から質問をしたいと思います。 申すまでもなく、今後の福祉行政の財政効率化、福祉諸施策の整合性、多様な福祉ニーズの水準の平準化などを考えますと、事業団、公社、社協、さらには民間の社会福祉法人の役割分担をあらかじめ調整しておくことは、大変重要なことであるはずであります。 1990年に社会福祉事業法が改正されまして、市町村社会福祉協議会は、新たに社会福祉を目的とする事業の企画と実施が可能となりました。この改正を受け、1992年、社協の新しい基本要綱、行動指針が明示されました。いわゆる社会福祉協議会の三つの性格、五つの活動原則、七つの機能の提示であります。特にここで注目すべきことは、市町村社協の事業に福祉サービス等の企画、実施を盛り込まれたことであります。ここでいう福祉サービスは、相談、情報提供、在宅福祉サービス、施設入所型サービスまで大変幅広くとらえております。旧来の基本要綱は、社会福祉協議会の機能を原則として地域全体の組織化、機能中心主義でとらえ、実践機能はほかに実施主体が存在しない場合の先駆的、開拓的事業に限定して認めていたにすぎませんでした。行政を補完し、いずれは行政に引き継ぐといった福祉行政が、未成熟な歴史的使命を担っていたと言えるのであります。 新しい基本要綱は画期的な行動指針であり、行政も多くの民間が参入する多様な福祉サービス分野に社協も大きく踏み出すことを表明したものであります。しかしながら、社協の持つ組織的、財政的基盤の脆弱性は解決されてはおりません。本市社協も、本市からの助成や連帯事業費の70%を超える受託事業費が財政基盤の大宗を占め、また、組織上も本市職員5名の要員派遣を受け入れているところであります。社会福祉事業団あるいは福祉公社との関連において、当局の社会福祉協議会に対するスタンス、そして今後のお考えを伺いたいのであります。 次に、(仮称)心身障害者総合福祉センターについて質問いたします。 心身障害者総合福祉センターは、障害者の長年の強い要望によりまして、去る10月7日、起工式を終え、完成に向けて準備が進められているところであります。竣工後は各種の障害を持った方々が自由に利用できるようにするためのセンター運営方法が重要な課題であります。直営か、社会福祉協議会への委託か、社会福祉事業団設立委託か、と庁内で調査研究を進めていると聞いておりますが、その後の進捗状況をお伺いしたいと思います。 また、障害者センターへの進入路が狭隘である。さらには身障者、地域住民の交通安全対策のためにも、進入路の拡幅をしてほしいとの要望が寄せられておりましたが、これに対し甲府市は、福祉部を中心に下水道部、建設部と協議を進めながら対策を検討していくとしておりましたが、その結論はどうなったのか、お伺いしたいのであります。 次に、新ゴールドプランと高齢者保健福祉計画について質問いたします。 現在、国では公的介護保険制度の導入が検討されておりますので、公明では介護保険法案の審議の参考にするため、在宅で寝たきりや痴呆の状態にあるお年寄りの介護にあたっている家族を対象に、予定されている給付内容についての利用状況と要望を、平成8年8月1日から9月30日の調査期間で在宅介護全国実態調査を実施し、このたびその結果の発表がありました。これを介護福祉の参考にしようと考えているところでありますが、この公的介護保険制度の導入については、多くの自治体において、財政的裏付けが明確になっていない実情では、消極的な対応を余儀なくされていると思います。本市での財政的負担は、この制度導入によりどのようになるとお考えなのか、お尋ねいたします。 そこで、新ゴールドプランに基づく甲府市の高齢者保健福祉計画は、その後どうなったのでしょうか。必要のない政策となってしまったのでしょうか。現況をお伺いいたします。 次に、バリアフリーのまちづくりについて質問いたします。 平成7年版の障害者白書によりますと、「バリアフリーとは、障害のある人が社会生活をしていく上で障害となるものを除去する」というように定義されております。高齢者や障害者が健常者と同じような社会生活を送ることができるようにするバリアフリーのまちづくりは、今後の超高齢化社会においては、重要な課題となってくることでしょう。バリアフリーとはまことに結構な概念ではありますが、その具体化に向けては、財政面からも、市民意識の醸成の上からも、長い時間が必要となると思います。 そこで、私は二つの提案を申し上げたいと思います。一つには、中心市街地を福祉ゾーンとして設定し、バリアフリー化をモデル的に進めたらどうでしょうかということです。二つには、バリアフリーの概念をもとに、仮に福祉のまちづくり条例を制定したらいかがでしょう。バリアフリーのまちづくりには、多様、多彩な息の長い事業となることでしょうが、市長の御所見をお伺いしたいのであります。 次に、甲府市立幼稚園の存続について質問いたします。 昨今、甲府市立の羽黒、石田の両幼稚園の存廃論議が高まっております。問題は市民財産の効率的運用への考え方が焦点のようでありますが、我が会派は民生文教委員会に在籍していないものですから、この際、幾つかお尋ねしたいと思います。 一つは、山梨日日新聞の「私も言いたい」の欄に、市民の声として、市立幼稚園は幼稚園と小学校との一貫教育のよさがあると訴えておるのを聞いておりましたが、幼小一貫教育を教育的見地からどのようにとらえているのかお伺いしたいのであります。 二つ目には、両園とも開園時から定員割れであり、現況の定員割れによる市が負担する年間経費は増嵩し、昨今の市財政の厳しさからかんがみれば、私立と市立の幼稚園への助成に格差があることが廃園問題の背景だと、山梨日日新聞の「揺れる市立幼稚園」の欄に報道されておりましたが、実際の定員の経過と経費の状況、さらには私立幼稚園と市立幼稚園のそれぞれの使命は、教育委員会としてどうとらえておられるのでしょうか、お示しいただきたいと思います。 三つは、市立幼稚園は2年間のようですが、静岡県袋井市は、このほど来年度から4か年かけて、市立幼稚園の3歳児就園の実施を決めたようであります。袋井市は、市立幼稚園は現在10園、私立は1園で、定数は約20人とのことですが、甲府市は就園年齢の拡大はできないのか、実情はどのようになっているのか、お伺いしたいのであります。 最後に、甲府大好きまつりのあり方についてお伺いいたします。 甲府大好きまつりに踊りとして参加するための準備や、終わってからの対応など、各自治会、また婦人部の負担は大変なものがあることを、私も自治会の役員として運営する上、よく理解をしているところでございますが、みんなが喜んで参加できるようなまつりとなるような検討をしてほしいという市民の声は少なくありません。そこで、検討のお考えがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(小野雄造君) 市長 山本栄彦君。 (市長 山本栄彦君 登壇) ○市長(山本栄彦君) 堀内議員の御質問にお答えいたします。 まず、地方分権についてでございますが、これまでの中央集権型行政システムは、行政権限の過度の偏在をもたらし、行政の非効率化を招き長年にわたる東京圏への諸機能の一極集中や、経済的・文化的な地域格差の拡大等に見られますようなさまざまな弊害を生じさせております。成熟期を迎えつつある今日、各地域がそれぞれの歴史、文化、自然条件などの個性を生かした、多様で活力あふれる地域づくりを進めることができるような分権型行政システムの転換が求められております。地域住民みずから、の選択と負担のもとで、それぞれの地域の問題を解決し、行政を民主的に処理する体制をつくることが、真の住民自治の確立につながるものと考えております。間近に迫った21世紀を展望した行政システムとして、地方の自主性や自立性がより尊重され、住民に直接接する自治の現場にある者の判断や責任が生かせるような確立された地方分権のもと、住民に身近な行政が推進される必要があると考えております。 次に、公的介護保険導入に伴う財政負担についての御質問でございますが、現在、公的介護保険法案が今国会に提案されたところでありますが、高齢化が進む本市にとりましては、公的介護保険制度の導入は必要な制度と認識をいたしております。 なお、導入に伴う本市での財政的負担につきましては、介護費用等未確定部分があるため、現段階では不確定の状況であります。今後も地方自治体の財政を圧迫しないよう、財源の確保につきましては、全国市長会などとともに、あらゆる機会を通じて国に働きかけてまいります。 次に、バリアフリーのまちづくりについての御質問でございますが、本市は「人にやさしいまちづくり」を推進中であり、高齢者も障害者も、さらには妊産婦など何らかのハンディを負った人々も、ハンディを感ずることのないまちづくりに努めております。平成6年度に人にやさしいまちづくり整備計画を策定し、それに基づきJR甲府駅南口のエスカレーター、エスカルを設置したところであります。今後は高齢者、障害者をはじめとするすべての市民が、快適で安全な暮らしができるように、整備段階での整合性を図るよう努力してまいりたいと存じます。 次に、福祉のまちづくり条例制定でありますが、現在、本市では山梨県障害者幸住条例のまちづくり基準に沿って、特定施設の届け出を中心にバリアフリー化を推進中でありますので、条例制定につきましては、今後の課題と考えておるところでございます。御理解を賜りたいと存じます。 なお、他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。 ○福祉部長(河西益人君) 福祉部関係数点についてお答え申し上げます。 最初に、(仮称)甲府市心身障害者総合福祉センターの運営方法についてであります。(仮称)甲府市心身障害者総合福祉センターの建設を機に、最も効率的な管理運営方法について、直営、社会福祉協議会委託、社会福祉事業団設立及び委託の三者について、福祉部内ワーキンググループ及び庁内調整会議を設置し、他都市の例等を十分参考に調査研究を行っているところでありますが、事業団設立につきましては、検討の進行に合わせ、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、社会福祉公社についてであります。社会福祉事業団の性格は、地方公共団体が委託する社会福祉施設の運営管理が基本であります。また、社会福祉公社は行政の積極的な関与のもとに地域住民の参加を得て、高齢者に対して在宅福祉サービスを提供する仕組みであります。福祉公社は多くの場合、サービスの受け手は利用会員、サービスの担い手は協力会員として、会員相互でサービスを提供し、利用会員は低額の利用料を負担し、協力会員は利用相当額程度の報酬を受けるという有償制をとるものであります。したがいまして、予想される公的介護保険制度との関連性につきましては、今後の検討課題として考えてまいる考え方であります。 次に、社会福祉協議会に対する今後の考え方についてであります。社会福祉協議会は、行政責任がまだ明らかになっていない間隙的サービス、あるいは行政責任のサービスとなされるものを、先駆的または開拓的に取り組み、発展させていくものとされております。これまで本市社会福祉協議会は、社会福祉、地域福祉の向上に積極的に行政と協調しながら取り組み、平成6年度より甲府市職員の派遣など、社会福祉協議会の組織体制の充実を図ってきたところであります。今後も基本的サービス事業につきましては、社会福祉協議会に委託するとともに、地域住民の自主的な参加を得ながら、福祉サービス等の供給を行ってまいりたいと考えております。 次に、(仮称)甲府市心身障害者総合福祉センターの進入路についてであります。(仮称)甲府市心身障害者総合福祉センターの進入路につきましては、今日までその改良等に関しまして、地元自治会等と協議を続けてまいりました。内容的には、本市管理下にある藤川合流点より上流の東光寺下水路約70メートルを、ボックスカルバートにより拡幅するほか、藤川改修につきましては、引き続き県に協力を求めていく所存であります。 最後に、高齢者保健福祉計画の現況についてであります。高齢者保健福祉計画につきましては、年次計画に基づき整備を続けているところであります。在宅福祉サービスの中心とたるデイサービス事業は、整備目標15か所に対し、5か所が開設されており、33%の整備率であります。ホームヘルパーの充足率は、目標数115人に対し45人で39%、ショートステイ事業につきましては、10か所の整備が済んでおり、整備目標を既に達成しております。また、食事サービスにつきましては、本年7月から実施しております。現状では、一部計画について目標達成は厳しい状況にありますが、既存施設の活用や民間福祉施設の協力を得る中で、計画目標の達成に努力し、国において計画されている公的介護保険の導入にも耐えられるよう、引き続きサービス提供体制の確保を図るなど、高齢者福祉事業に万全を期してまいりたいと存じますので、御理解をいただきたいと思います。 以上であります。 ○産業振興労政部長(市川 栄君) 産業振興労政部にかかわります甲府大好きまつりのあり方についての御質問にお答えをいたします。 甲府大好きまつりは、御案内のように、市民参加型の祭りといたしまして、市民団体であります自治会連合会をはじめ、多くの団体からの代表で構成する実行委員会、さらに運営委員会を設置し、その中で祭りの企画運営を自主的に行っていただいております。各地区自治連合会等の参加方法につきましても、運営委員会で十分協議をしていただいて、参加をしていただいております。これからも各方面からの貴重な意見、要望、提言等を踏まえまして、実行委員会でさらなる検討を重ねていただき、市民だれもが気軽に参加でき、特色ある甲府ならではのまつりとして、市民の盛り上がりにより運営され、郷土愛の醸成や市民触れ合いの場として継続、発展、定着するよう支援してまいりたいと考えております。 ○教育長(金丸 晃君) 教育委員会関係の御質問にお答えをいたします。 まずはじめに、幼小一貫教育は教育的見地からどのようにとらえているかという御質問でございますけれども、幼小一貫教育の基本的な考え方は、少子化や兄弟の少ない現在におきまして、集団生活をできるだけ経験させる中で、喜んでこれに参加する態度や、そしてまた、共同、自主及び自立の精神を身につけるとともに、小学校に併設することによりまして、就学する学校に慣れ、就学児童との交流が深まり、異なった年齢、異年齢による集団的な遊び、自然体験等、幼児期に体験すべき大切な学習の機会の場が用意できることとして位置づけてまいりました。 しかし、ここ数年来の動向を見ておわかりのとおり、羽黒、石田両幼稚園からそれぞれの小学校への入学児童数は、全体の13%あるいは14%にとどまっております。それに伴いまして、併設の効果が十分に果たし得ない状況になってきております。幼稚園教育に課せられた使命は、幼児が自然体のまま就学できる環境づくりを行うことでありますから、幼小一貫教育の推進は、小学校に併設した幼稚園でなければならないということはなく、地域性を考慮した私立幼稚園との関係を強化することによりまして、解決を図っていかなければならない、また、図れるものと考えております。 次に、羽黒、石田幼稚園の就園状況と、公立・私立の役割についてのお尋ねでございますけれども、甲府市立幼稚園の就園状況は、羽黒幼稚園が昭和60年度を、また石田幼稚園が平成元年度をピークに、年々減少しております。平成7年度につきましては、両園合わせて64名、平成8年度は71名で、定員に対する充足率は40%になっております。また、平成7年度の甲府公立幼稚園2園にかかわる運営経費につきましては、先ほどの福永議員の御質問にお答えしましたように、5,750万円となっております。 次に、公立・私立の役割分担についてでございますけれども、各市町村の地域の状況により異なり、一律に定義づけることはできませんけれども、本市の場合、過去の経緯を見てもおわかりのとおり、私立幼稚園の設立は非常に古く、最初の認可は明治31年であります。その後、甲府市立幼稚園が設立された昭和46年までの長い間、幼児教育の振興は私学に頼ってきたところでございます。現時点における私学への依存度は98.3%となっております。したがいまして、今後における幼児教育の振興対策を検討するにしても、私立幼稚園の存在を抜きに論ずることはできません。公立・私立が果たす役割は、ケース・バイ・ケースであると判断するものであります。 また、御提言にありました就園年齢の拡大につきましては、少子化に伴う定員不足に悩む私立幼稚園の実態を考慮して、慎重に対応を図っていかなければならない要素がありますので、現段階におきましては、難しい状況にあると考えざるを得ません。 以上でございます。 ○議長(小野雄造君) 堀内征治君。 ○堀内征治君 当局の一定の答弁に理解を示すものでございます。 1点、私たちが公的介護保険導入に伴う実態調査をした結果の中から、この甲府市が公的介護保険導入の際に、今、部長さんからもお話がございましたが、それと新ゴールドプランとの関連性をちょっとお伺いしたいと思います。 例えば、老人福祉計画では、在宅サービスについては平成12年には、例えばホームヘルパーなどは、常勤は、今お話がございましたように115ということでございます。現在の常勤は45人ということでございますが、実際、数値の上ではそのようでありましても、甲府市の事実上の、甲府市に適合した整備水準、これはいかように考えているのかということであります。 それから、施設介護サービスの常勤職員についても、整備水準を見直し、適合できるのかどうかということもお伺いしたいと思います。さらに、現在の特養老人ホームや老人ホーム、さらにはデイサービスとかショートステイサービス、そのほかの施設介護サービスはどのようにするのか、お伺いしたい。さらには、介護保険の平成12年からの導入予定については、本市の在宅サービスと施設介護サービスとは間に合うのかどうか、お伺いしたい。さらに、人的導入の件でございますが、人的導入が間に合わない場合、そういう事態に陥った場合は、実務者は甲府市でありますので、民間導入による財政措置を余儀なくされる結果とならざるを得ないわけでございますが、その点どのようにするのか、もし御答弁できればお伺いしたい。これは私どもの在宅介護全国実態調査の結果を見て、想定する本市の問題についてお伺いするところでありますので、ひとつよろしくお願いをいたします。 ○議長(小野雄造君) 福祉部長 河西益人君。 ○福祉部長(河西益人君) 一つは、福祉マンパワーの確保についてだということだと思います。高齢者保健福祉計画に伴うホームヘルパー等の確保につきましては、年次計画的にこれまで整備を行ってきたところでございます。平成8年度には、常勤ヘルパー26人、パートヘルパー38人、常勤に換算をいたしまして19人でありますけれども、合計45人のヘルパーを整備をするという計画になっております。現在、派遣対象者につきましては、申請に基づき派遣を行っておりますので、特に現在のところ問題は生じておりません。今後もサービスに伴う需要と供給のバランス等を勘案しながら、整備を続けてまいりたいと考えております。 また、特別養護老人ホーム等の職員につきましては、法に定められた職員が配置されておりますが、デイサービス等の施設整備につきましては、民間施設の協力などを保ちながら引き続き整備を行っていきたいというふうに考えております。 二つ目でありますけれども、公的介護保険の導入についてであります。現在、国において公的介護保険法案が今国会に提出されたところでございます。とりわけ高齢者が進む本市にとりましては、公的介護保険制度の導入については、必要な制度だというふうに先ほど市長さんが答弁したとおりでございます。高齢者保健福祉計画との関連性や、各自治体に新たな行財政負担が増加することも予測をされております。御指摘の在宅サービスと施設介護サービスや人的確保の問題、また民間導入による財政措置につきましても、未確定な要素が非常に多いというのが現状であります。このため、今後とも国等の動向を十分見守り、全国市長会等と同一歩調をとりながら、慎重に対応してまいりたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(小野雄造君) 堀内征治君。 ○堀内征治君 全体的な答弁を了解といたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 (上田英文君「議長、議事進行」と呼ぶ) ○議長(小野雄造君) 上田英文君。 ○上田英文君 今後のこともありますから、一言議会運営上のことで苦言を呈しておきたいと思います。 先ほど、休憩は3時40分までにいたしますと、こういう連絡があって、3時40分にこちらに来て座っておりましたけれども、待てども待てども何の連絡もありませんでした。始まったらいきなり岡田議員が手を挙げて、先ほどの発言の中で云々と言って取り消した。ルール上間違っているとは言いませんけれども、本来のルールではないですよ。 想像するに、休憩になったら、だれかが議長に、「岡田議員の発言、気に入らない」と言ったんじゃないかと思います。見ている人、ここに本日来ている人や、テレビを見ている人も、何で休憩時間がこんなに甲府市議会は長いんだ、始まったら、何かわからぬけど、岡田議員が発言の一部訂正している。それは私は議会の本来のルールじゃないと思うんですよ。ですから、一つには、休憩時間が何かの理由で長引くときには、これこれこういうことで長引きますよという連絡もなけりゃいけないし、それから、もう一つは、本来、取り消しを要求する人は、この本会議場において、何のどういう部分が実は気に入らないということで、取り消しを要求することが本来の議会のルールなんです。それで、じゃ、議運をやるか、あるいは議運を省くとすれば、休憩をとって話し合いをしろと。こういうことをしないと、甲府市議会というのは、休憩中にずるずるずるっと、何か知らぬけれども話し合いをして、わけのわからぬような取り消しをしたと。一体何のために岡田君が取り消しをしたかも実はわからないわけですね。ですから、きょうあったことは仕方ないとして、今後こういうふうなことを、少なくとも今日、甲府市議会はテレビでずっと放映されているわけです。その前に座っている人たちも、何でこんなに休憩しているんだ、理由がちっともわからない。何のために岡田君が、だれに言われて取り消しをしたのか、それもわからない。こういうことがないように、議会の運営上注意をしていただきたい。このことだけ申し上げておきます。 ○議長(小野雄造君) 今後十分留意をいたします。 お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小野雄造君) 御異議なしと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。 本日はこれをもって延会いたします。 午後4時46分 延会 |