平成10年3月甲府市議会定例会会議録第3号
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午後1時01分 開 議
○議長(依田敏夫君) これより本日の会議を開きます。
直ちに日程に入ります。
日程第1から日程第33までの33案及び日程第34 市政一般について質問を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。
民主クラブの代表質問を行います。雨宮年江君。
雨宮年江君。
(雨宮年江君 登壇)
○雨宮年江君 3月定例会にあたり、民主クラブを代表して提出議案並びに市政一般について質問いたします。
まず、市長の政治姿勢についてお伺いします。
平成10年度は一般会計の伸び率が前年度比0.18%と、これまでにない厳しい予算案になっています。そこでまず、予算編成にあたりどのような点に配慮したのか、お聞きいたします。
平成10年度の予算案を見ますと、大型事業がほぼ終了したこともあり、土木費などが大幅に減少しており、これまでのハードからソフトの面の事業に重点が置かれつつあるのではないかという認識を持ちました。痴呆性老人のグループホーム事業、24時間在宅介護事業、働く女性の育児を支援するファミリーサポートセンターの設置などの新規事業は、10年度事業の目玉になるのかとも思います。
しかし、来年度取り組む主な事業が180項目、新規事業が36項目と、平成9年度に比べても増しており、こうした厳しい財政状況のもとでは事業を精査し、同じような事業の統合、さらに一定の成果が上がったものについては終了するなどの事業の見直しをする必要があると思います。まだ、新総合計画の2年目でもあり、これまでの継続事業も推進しなければならないということからも、なかなか新総合計画らしさを出すのは難しいかもしれませんが、年度ごとに施策のメリハリをつけることも大切ではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
次に、市政への市民参加について質問いたします。
地方分権が叫ばれ、市民、住民の行政に対する要望も多種多様化しており、今日まちづくりは行政ひとりが担っていくのではなくなりつつあります。当然市民の積極的な協力と参加なしではまちづくりはできません。市民参加は一般に「自治体の政策形成過程において市民の意見が直接反映されるようなプロセスを意味する」と言われているようですが、この市民の意思を直接反映するためにまずできることは、各種審議会や委員会の委員の公募ではないでしょうか。その性格上一般公募はなじまないものもありますが、それぞれの性格や目的などを考慮し、可能なところから公募枠を設けることが必要ではないでしょうか。また、無難な団体からの推薦に頼るといったこれまでの慣例とされる選考方法についても見直しを図り、できるだけ広範な市民や団体から選考することが大切ではないでしょうか。
さらに、市民参加を進めるためにさまざまな手法が考えられます。イベントなどの企画、運営といったソフトの面だけでなく、ハードの分野での市民参加も必要です。箕面市や多治見市では、公園や道路の整備事業をワークショップ方式により取り組み、市民が計画から立案まで参加するといった実例があります。こうした取り組みは確かに時間がかかるし、時にはお金もかかるかもしれません。しかし、箕面市の職員は「行政と市民が対等の立場で共通の認識を持つことの大切さを学んでいる」と言ってました。行政側にすれば、市民というのは行政に批判的なもの、逆に市民の側は行政は条例や規則に縛られて小回りのきかないもの、施策が市民感覚とかけ離れているのではと、お互いに不信感を持ちやすいものです。こうした溝を埋め、よりよいパートナーシップを築くためにも市民参加は必要です。
先に例を出しました箕面市は、昨年4月に市民参加条例を制定し、行政情報の公開、市の執行機関に置く附属機関の会議の原則的公開、委員の市民公募、そしていわゆる住民投票の導入をも盛り込みました。同じく多治見市でも情報公開制度、個人情報保護条例や環境基本条例についても、すべて公募で委員を選定し、懇話会に参加していただいているとのことです。
山本市長は、過日の市長説明の中で「『市民による市民のためのひらかれた市政』を基本に、市民の市政への理解と積極的な参画ができるよう努めてきたし、今後も進めていきたい」と主張しています。しかし、その具体的なやり方といえば、各地区の自治会や各種団体にお任せというのが実態ではないでしょうか。公募は行政に批判的な特定の団体からの応募ばかりになってしまうといった後ろ向きな考え方ではなく、さまざまな意見があってもあたりまえといった柔軟な考え方で市民参加の手法を検討すべきだと思いますが、明快な御答弁をお願いいたします。
次に、女性政策3点についてお伺いします。
まず、女性行動計画についてです。平成5年に策定された女性行動計画こうふ女性プランも既に5年が経過しています。この間女性を取り巻く状況も大きく変わり、1995年秋には北京で第4回女性会議が開かれ、女性のエンパワーメントをさらに進めることが確認されました。こうした社会の変化を踏まえ、こうふ女性プランも見直しの時期に来ていると思いますが、いかがでしょうか。
また、女性政策の先進自治体では、5年ごとに意識調査を行っているそうですが、見直しにあたっては、その基礎的な資料となる女性問題に関する意識調査や実態調査は行うのでしょうか。さらに、見直しの原案の策定委員会のメンバー構成については、学識経験者や女性団体の代表者だけでなく、一般市民からの公募委員も入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、行政分野への女性の参加実態についてお聞きします。
各種審議会などの総数に対する女性を含む審議会の割合は、確かに少しは増加しています。しかし、審議会、協議会などにおける女性委員の割合は、女性プラン策定時の17.3%から今年度は15.6%に減少しています。女性の割合が比較的多い行政協力員、相談員を含めても21.4%と、これも平成4年時の22.4%から逆に減少しています。女性委員の割合がゼロもしくは極端に低い委員会が都市整備部関係や産業振興労政部の農政課、環境部関係に多く、こうした分野に女性の声は反映されなくてもよいのかということにもなります。こうふ女性プランでは「当面女性委員の割合を30%にふやそうと努めます」と主張しており、そのためにはクォーター制などの採用も検討していきたいとしていましたが、一向に改善されないのはどこに原因があると考えているのでしょうか。
大阪府の箕面市では、女性委員登用促進のため審議会等への女性委員登用推進要領を設け、女性政策推進課は、各種審議会、委員会の委員改選、欠員補充の際には、担当部局と事前協議をし、女性人材リストから情報提供を行い、委員改定後には女性委員登用状況報告書を提出させています。本市でも女性市民会議を経験してきた貴重な人材がたくさんいるのですから、こうした人の中からリストアップし、所管の課に情報提供していくといった積極的な方法をとらなければ、少しも改善されないと考えます。当局の見解をお聞かせください。
次に、女性のための相談窓口についてお伺いします。
女性プランの中にも「現在ある相談窓口を見直し、総合的な相談業務を充実します」とあります。女性の抱える問題は多様であり、縦割行政の中では対応し切れない問題もあります。枚方市のように、労働、健康、法律など専門家による5種類の相談をそれぞれ週1回ないし2回開設するといったことは無理だとしても、専門のカウンセラーによる総合相談窓口の開設は必要だと考えますが、いかがでしょうか。
次に、福祉関係3点について質問いたします。
まず、児童扶養手当についてお伺いします。
母子世帯に支給されている児童扶養手当の削減が打ち出されました。現在母子2人世帯で年収204万8,000円未満の場合、月額4万1,390円、年収407万8,000円未満が月額2万7,690円が支給されています。この407万8,000円の所得制限を300万円未満に引き下げようというのです。これにより全国で約7万世帯が支給されなくなると言われています。生き別れ母子家庭の平均年収は1993年度で約202万円と、一般世帯の平均年収の約3分の1です。また、離婚した父親が養育費を出しているのは全体の15%しかありません。厚生省は、自立支援の政策を打ち出すと言ってますが、そうした制度も整備されないまま支給だけが打ち切られるということになり、ますます母子世帯は経済的に厳しい状況に追い込まれることになります。
そこでお聞きしますが、本市ではこの所得制限が導入された場合、影響を受ける母子世帯はどのくらいあるのでしょうか。また、母子世帯向けの優遇措置についてお聞きします。母子家庭等児童手当という本市独自の事業もありますが、自治体によっては同様の制度が18歳までを対象としていたり、支給額が多いところもあります。さらに家賃助成や公営住宅への優遇入居といった措置をとっているところもあります。本市でも経済的に厳しい母子世帯に対する新たな支援策や充実を図るべきだと考えますが、当局ではどのように考えているのでしょうか。
次に、児童福祉法の改正についてお伺いします。
児童福祉法が昨年改正され、今議会でも条例の改正案が提出されています。少子化の進行、保育ニーズの多様化や家庭や地域の子育て機能の低下といった社会状況の変化や、保育の対象を保育に欠ける児童と限定する現行法は、ある面で時代にそぐわなくなってしまっているとも言えます。しかし、これまでの市町村の措置から保護者による選択制になる今回の改正は、保育所間のサービス競争を激化させ、人間を育てる保育がビジネス化され、本来の保育のあり方とはかけ離れてくることも予想されます。送迎バスの導入や文字も算数も教えます、といった民間保育所も出てきています。こうした中で自治体の責任と公立保育所のあり方について、どのような考え方や方針を持っているのか、お聞かせください。
さらに、今回の改正では、保育料が応能負担から保育サービスのコストに応じた均一化になり、高額保育料グループは若干の軽減になっても、低所得者には負担増になります。国会では改正にあたって、保育料は現行水準を後退させないよう配慮し、また、低年齢児及び中間所得者に十分配慮するとともに、保育費用等に対する公的責任を後退させないとする附帯決議を採択しましたが、その後の中央児童審議会はパート保母の本格導入や給食の外部委託などを打ち出しました。これは、エンゼルプランの基本的な考え方に逆行すると言わざるを得ません。そこで質問ですが、本市で新しい保育料が適用された場合、負担増になる世帯、また軽減される世帯がどのくらいあるのでしょうか。さらに、本市では保育料を国の徴収基準額の75%と、全国平均の78.5%よりも低く設定していることは評価しますが、なお一層の軽減を望むところです。当局の見解をお示しください。
次に、介護保険導入における自治体の責任についてお聞きします。
昨年介護保険法が成立し、2年後には制度がスタートすることになりました。介護保険制度は、民間活力の活用による在宅サービスの基盤整備や、競争原理の導入によりサービスの質の向上やコストの効率化を図るため、民間事業者の参入を積極的に認めています。これまで高齢者在宅サービス事業が、自治体の責任で直営もしくは委託という形態ですべてを決定してきた従来の制度運営から大きく変わるものです。しかし、だからといって市町村はサービスの提供をすべて民間に丸投げするようなことがあってはならないことです。市町村は要介護認定、ケアプランの策定、介護サービスの提供を担う責任の上に、介護保険ではカバーできない高齢者福祉サービスの提供をするという重要な役割を担わなければなりません。こうした民間セクターの大量参入という大変な変化を伴う介護保険制度における自治体の責任についてどのように考えているのか、まずお聞かせください。
また、民間の参入により、これまで本市の在宅福祉のかなりの部分を担ってきた社会福祉協議会のホームヘルプ事業も民間事業者と競合せざるを得なくなってきます。本市の社協のホームへルパー職に対しどのような方針を持っているのでしょうか。現在でもホームヘルパーの仕事に対する意欲の高さに比べ、その待遇、処遇は貧しく、介護保険導入後は介護報酬の設定にも左右され、その金額によっては安価なパートヘルパーが導入されることも予想されます。民間事業者の参入によって社協のホームヘルプ事業を後退させることなく、介護サービスの充実と拡充のためにも、またヘルパー自身の意欲を高め、質の向上を目指すためにもホームヘルパーの仕事と労働条件の整備はもっと重視されるべきと考えます。当局の見解をお示しください。
次に、環境行政について質問いたします。
昨年12月、気候変動枠組み条約第3回締約国会議(地球温暖化防止会議)が京都で開催されたことは、CO2の削減のみならず環境問題を足元から考え、できるところから実践していこうとする多くの自治体やNGOの活動にはずみをつけたであろうし、また自治体とNGOとのパートナーシップづくりのきっかけになったのではないかと思います。県内でも京都会議に向けNGOの個人や団体がエコリレー山梨を組織し、県や市町村への働きかけを行ってきたことは記憶に新しいところです。このエコリレー山梨が県内64市町村を対象に自治体が取り組んでいる。また取り組むことができる環境対策26項目について、アンケート調査を行いました。本市の回答を見ますと、すぐにでもできる項目はかなりよい回答でしたが、それなりの努力が必要であったり、住民などの協力を得ながら意欲的に取り組まなければならない項目については、やや後退した回答になっていました。
そこで具体的な問題についてお伺いします。まず省エネ、省資源に対する取り組みです。役所で使用する電気、ガス、水道、ガソリン、軽油といった燃料については、「できる範囲で節減する」と答えていますが、これらの項目は具体的な削減目標数値の設定が十分可能です。環境にやさしい甲府を標榜するのであるならば、削減目標値を設定して積極的に取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。
次に、環境自治体づくりについてです。昨年6月の定例会で「環境基本計画の策定について検討していきたい」との答弁をいただきました。今回のアンケート調査での同様の質問に対しては、明確な回答をしていません。しかし、環境自治体として宣言し、「環境自治体会議に参加するか」との質問に対しては「1年後にはぜひ参加したい」と回答しています。この姿勢に対し高く評価したいと思いますが、環境自治体に向けての具体的な手法が見えてきません。環境自治体の創造を市の政策として取り組むについては、まず自治体としてできることから始めることが大切ではないでしょうか。本市でも平成4年に策定した地球環境保全行動計画を見直し、市民や職場、そして行政の分野に分け、できるだけ多くの項目を設定し、その一つ一つの具体的な項目を全庁挙げて取り組むことによってエコオフィスを目指すことができるのではないでしょうか。エコオフィス化運動で大きな成果を上げている鎌倉市のような先進的な自治体もあります。本市としてどのような環境自治体をつくっていくのか見解をお示しください。
次に、教育関係2点についてお伺いします。
まず、学校給食における遺伝子組換え食品の取り扱いについてお聞きします。1996年に輸入が承認された大豆、トウモロコシ、菜種などの遺伝子組換え食品は、実質同等性というあいまいな概念のみで安全とされ、人体や環境への長期的な影響が検証不十分なままです。大豆の95%以上を、また菜種の99%以上を輸入に頼っている日本では、食用油や味噌、しょうゆなどの原料として使われていると考えられています。同様にトウモロコシは油、コーンスターチや缶詰に、ジャガイモは冷凍フライドポテトとして輸入され、またポテトチップスの原料として使われている可能性があります。大きな問題は、これら遺伝子組換え食品に表示義務がないため、消費者は選択することができず、知らない間に食べているということです。
こうした状況の中、本市では昨年12月定例市議会において表示の義務づけを求める請願が採択されました。全国でも1月6日現在787の地方議会で採択されています。にもかかわらず農水省は、昨年末遺伝子組換え食品であるかどうかの表示を法律などで義務づけることを見送りました。国内でも遺伝子組換え食品の開発は進んでおり、今後ふえることが考えられます。こうした表示のないまま私たちの食卓に上ってくる遺伝子組換え食品が、学校給食の中にも大量に入ってくることは明らかです。そこで学校給食でこうした遺伝子組換え食品を使用しないようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
藤沢市や東久留米市では、食材の納入業者あてに遺伝子組換え食品を使わないよう求めたり、慎重な取り扱いをして欲しいといった文書を出しています。遺伝子組換え食品であることの表示がないまま輸入されてくるため判別できないということはありますが、藤沢市ではその原料の輸出国がアメリカやカナダであった場合、それが中国産などほかの国のものに変えられるならば変えていくといった、できるところから取り組んでいきたいという考え方を示しています。子供たちを取り巻く食環境は、食品添加物や合成洗剤、ダイオキシン、PCBといった最近問題になっている環境ホルモンなどの化学物質で汚染されており、新たに遺伝子組換え食品といった安全性の不確かなものが入ってくることは、大変大きな問題だと考えます。ましてや、学校給食は子供たちにとって選択の余地のないものだけに、一層食材については配慮しなければならないでしょう。教育委員会は、この問題に対しどのような考え方や方針をお持ちか、お聞かせください。
次に、男女平等教育についてお伺いします。現在社会生活の中で、子供たちは成長するにつれ、いつの間にか男女にふさわしい行動規範を身につけていきます。このような女らしさ、男らしさといったジェンダーは、生物学上の性別の上に、社会的、文化的につくり上げられ、日々補強、再生産、再構築されています。こうした現実の中、教育現場では進路指導や学校運営等に制度的、慣習的な不平等が残存しています。小学校、中学校、高校と進むにつれ、女性の教員、管理職者の比率が低くなっていること、性別役割分業などを肯定する教科書の存在、男子優先の名簿や学級運営などが子供の意識に影響を及ぼしていることを認識する必要があります。子供たちの成長過程で、性別、役割分業意識を再生産することのないよう、目的意識的に男女平等教育を推進することが大切だと考えます。
そこで質問いたします。本市では、男女平等教育を進めるため、どのような具体的な取り組みをしているのでしょうか。校長、教頭、指導主事等への女性の積極的な登用、幼稚園教諭や保育所、保母などは男女別なく採用、男女混合名簿の導入、性別による持ち物や体育着などの固定化の見直しなどが学校運営の中で取り組まれるべきだと考えます。さらに、各種文書の保護者欄についても、常に父親名を記入する慣習も見直すことも必要かと思いますが、どのようにお考えでしょうか。御見解をお示しください。
以上をもちまして、私の第一弾の質問を終わらせていただきます。
○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 雨宮議員の御質問にお答えいたします。
まずはじめに、平成10年度予算編成の考え方についての御質問ですが、大きな特徴といたしましては、第1点目は、国の財政構造改革の集中期間の初年度にあたり、特に地方財政計画においては公共事業費などの抑制が図られること。第2点目は、景気低迷による市税収入の鈍化、さらには景気対策のための特別減税が打ち出され、市税収入が期待できないこと。第3点目は、将来的に市民負担の軽減を図り、弾力的な財政構造を確保するために基金の活用による公債費等の繰上償還を行うこと。以上3点が上げられます。
これらを十分考慮する中で予算編成をしたわけでありますが、具体的な事業等で見ますと、福祉、医療、教育など市民福祉の向上の分野と、活力ある地域づくりを目指したソフト事業に重点的に配分をいたしました。また、土木費につきましては、大型事業が終了したこともあり、減少したものとなっております。主要な施策の関係では36項目が新規事業であり、33項目の事業終了並びに事業統合により廃止となっております。したがいまして、本年度はハード事業からソフト事業へ政策転換を図ったところであります。
次に、市政への市民参加についての御質問でございますが、各種附属機関の委員選考につきましては、甲府市附属機関の委員選考に関する取扱要領に基づきまして、幅広い市民、各層からの市政参加を目的として行っておるところであります。既にそれぞれの機関の設置目的に従った活動状況、委員の選考基準などについて全庁的に調査を実施し、現在取りまとめを行っておるところであります。御質問の選考方法の公募制につきましても、調査の対象に加え、現段階では約20機関については公募制の実施が可能と判断をいたしております。したがって、これらを十分参考にしながら公募枠の拡大も含めて見直しを図ってまいりたいと思います。
次に、地球環境問題についての御質問でございますが、地球環境問題は、市民一人ひとりの日常生活とも深いかかわりを持っております。行政はもちろん市民や事業者の日常のライフスタイルを少しずつ変えていかない限り、地球環境問題は解決できないと考えております。そこで本市では、「地球にやさしい都市・甲府」を目指し、行政、事業者、市民が一体となって取り組む地球環境保全行動計画を平成4年に策定をし、この計画に基づき各事業を推進をいたしております。今後におきましては、地球環境保全行動計画の再点検をするとともに、私も環境庁の中央環境審議会、公害防止計画小委員会委員として、本市の環境基本計画策定につきまして類似都市を参考に調査研究をし、取り組んでまいりたいと考えております。
他の御質問につきましては、関係部長等からお答え申し上げます。
○総務部長(小林 清君) 環境行政のうち省エネ、省資源対策についてお答えを申し上げます。
地球環境保全のためにも電気使用料量資源の消費量の削減は大切であります。これまでにも市の施設の管理面では、電気の節減につきましては、昼休みの消灯、速やかな退庁の励行や、週2回の定時退庁日の設定、冷暖房の温度設定管理や待機電力量を減らすための主電源をオフにする。OA機器等の適正な管理にも努めております。また、水道、ガス等につきましても職員への周知徹底を図り、節減に努めてきているところであります。自動車燃料等につきましても、適正な配車管理、点検整備を行うとともに、アイドリング・ストップ運動を徹底し、省資源、省エネルギーに取り組んできているところであります。
御質問にございました具体的な削減目標数値の設定につきましては、市役所全体の各施設の使用上の特殊性もありますし、また本庁舎につきましては、御案内のとおり分散庁舎、さらには施設設備も老朽化してきておりまして、数値目標の設定は大変難しいと考えております。しかしながら、今後もなお一層実効ある資源の節減に努めてまいりたいと考えております。
なお、御質問にありましたエコリレー山梨のアンケート調査26項目につきましても、それぞれ1年後の目標数値はレベルアップが図れるように、全体的な地球温暖化防止対策に努めてまいりたいと、こんなふうに考えておりますので御理解をいただきたいと思います。
以上です。
○市民部長(若月元治君) 市民部にかかわります3点の御質問にお答えいたします。
最初に、女性行動計画についてであります。平成5年3月に策定されましたこうふ女性プランは平成12年度までを実施年度とし、男女共同参画社会の実現に向けてさまざまな施策の展開を図っております。しかし、近年の女性の意識の向上は目覚ましく、こうふ女性プランも国の男女共同参画2000年プランや第4回世界女性会議北京大会等、国内外の流れを受け、見直しの必要があると考えております。したがって、今後改定に向けての提言募集や女性問題懇話会に対する諮問を行い、資料を収集し、市民の声を反映して平成13年度には(仮称)新こうふ女性プランをスタートさせたいと考えております。なお、策定委員につきましては、女性の意見を十分反映すべく市民から幅広く構成を図ってまいります。
次に、行政分野への女性参加の実態についてでありますが、行政分野への女性の登用につきましては、女性特有の感性や視点をより反映させることとして極めて重要なことであると認識しております。しかし、有職女性の増加やポスト指定等女性の登用を阻む要因も多く存在します。したがって、甲府市附属機関の委員の選考に関する取扱要領に基づき、庁内の管理職で構成いたします女性政策推進連絡協議会において、今後さらに議論を高め、理解を深めるとともに新しい人材の確保により、30%目標に向けて努力をしてまいりたいと考えております。また、女性市民会議をはじめ、その他女性団体の会員には積極的に市政に協力していただけますよう働きかけてまいります。
最後に、女性のための相談窓口についてであります。女性が抱える諸問題につきましては、本市においては多分野で相談業務を行うとともに、関係機関等との連絡協調を図り、その解消に努めております。女性が気軽に相談できる窓口を今後関係部局と協議し、さらに充実を図ってまいりたいと考えております。また、(仮称)女性センターが設置された時点で専門カウンセラーによる総合窓口相談コーナーの設置を検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
○福祉部長(櫻井 稔君) 4点の御質問についてお答えをいたします。
まず、児童扶養手当と母子世帯への支援についての御質問でございますが、児童扶養手当につきましては現在国会で審議中でありますが、御指摘のとおり所得制限が引き下げられますと、全国で約7万4,000世帯の支給停止者が出るものと予測をされております。このことを本市に置きかえますと、現在1,123世帯の受給者のうち支給停止世帯はその1割、約120に上るものと想定をされます。なお、母子世帯の経済的支援といたしましては、現在母子家庭等児童手当の支給、母子家庭医療費助成、入進学児童への祝金支給、さらには保育料の軽減措置等々を講じ、母子家庭の生活安定と向上を期しておるところでございます。
次に、児童福祉法の改正についてでございますが、今回の児童福祉法は50年ぶりの改正とこういうことでございますが、その改正によりまして、保育所へ入所する仕組みが市町村の措置制度から保育所に関する情報に基づき、保護者が希望する保育所を選択できる仕組みに改められました。これによりまして、就労状況や子供の個性に応じた利用者の保育所選択が制度の上で保障されますとともに、情報公開と選択を通じ、利用者の需要に応じた創意工夫のある運営面での努力が図られるものと考えられます。したがいまして、今回の改正は利用者であります保護者や子供の立場に立った保育制度を確立するものであると考えております。したがいまして、少子化の進行、夫婦共働き家庭の一般化等による児童を取り巻く環境の変化の中で、延長保育、夜間保育、一時保育や育児相談など、多様な保育所需要に即応でき、児童がよい環境の中で健全に育成されますよう、公私保育所の連携のもとに、質の高い保育サービスの提供のための研さんに努めてまいりたいと思います。
続きまして、保育料の負担方式についての御質問でございますが、保育料の負担方式につきましては、現行の所得に応じた負担方式は、中堅所得層、サラリーマン世帯等を主に負担感、不公平感が指摘される中で、保育コストや子供の年齢に配慮した均一の保育料体系に改める方が、公平な負担にかなうものとの考え方に立ちまして、保育料の均一化の方向で現行の所得階層区分、10階層から7階層への簡素化を図るとともに、各階層間の格差是正を含め、国の徴収基準額の改定が行われたところであります。こうしたことから、本市の保育料につきましても改定を前提に現在作業を進めておるところでございますが、保護者負担の軽減には引き続き努力してまいります。
最後になりますが、介護保険制度下における自治体の責任と社会福祉協議会のヘルパーについての御質問でございます。介護保険制度は、御承知のとおり高齢者の介護にかかわる保健医療サービスと福祉サービスを総合的に提供できる仕組みになっております。したがいまして、御指摘のとおり介護保険制度下におきましては、社会福祉分野でのサービス供給が市場化されることによりまして、今後ますます多様化する介護ニーズに的確にこたえられる利用者本位のサービスが実現されることが期待されております。
御質問の自治体の責任につきましては、介護保険の保険者が市町村となっており、その運営にあたりましては法律の目的や制度実施にかかわる責任を果たすことはもちろんのことですが、介護保険給付の対象外となるケースに対しては、福祉各法に基づく措置を講ずることになっております。甲府市では今後詳細なニーズ把握を行うとともに、高齢者保健福祉計画の見直しや、介護保険事業計画の策定を進める中で、必要とされる介護サービスについて検討を加えるなど、市民が老後もできるだけ在宅で安心して暮らすことができますよう介護保険制度の円滑な実施に努めてまいりたいというふうに考えております。なお、制度導入後におけます社会福祉協議会のホームヘルプサービスの体制につきましては、他の民間事業者と同様に、安価で良質なサービスを実現するための経営努力を図る中で、その対応が求められることになるものと考えられますが、地域福祉活動の中核的役割を担う社会福祉協議会の運営に対しましては、今後とも支援をしてまいる考えでございます。
以上でございます。
○教育長(金丸 晃君) 教育委員会関係の御質問のうち男女平等教育の考え方についてお答えをいたします。
御案内のように、学校教育におきましては、道徳教育等を中心にした人間の社会が、男性と女性によって成り立ち、家庭においても、また学校においても、各職場においても互いに協力することによって望ましい生活が営まれ、それぞれ独立した人間としてその特性や個性が尊重され、互いに生かし合うことによって社会生活が可能になることなど、男女平等教育を推進しているところでございます。世の中の進展に伴いまして、女性に対する社会の期待はますます高まりつつあり、個々の女性が多様な選択肢の中でその能力を十分に発揮していくことは極めて大切なことであると考えております。教員の管理職登用においても、女性の登用をできるだけ多くするよう、県へも強く働きかけをしているところであります。
また、男女混合名簿等は既に学校で作成して使用しつつあります。
さらに、保護者名簿等についてのお尋ねですけれども、父親名にこだわることのないものと考えております。これからも男女平等教育を積極的に進めるよう、なお一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○教育委員会教育部長(平出衛一君) 引き続きお答え申し上げます。
学校給食における遺伝子組換え食品の取り扱いについての御質問でありますが、学校給食にかかわる安全性は最も重要なことで、食材調達にあたりましては、より安全なものを確保してまいらなければならないと認識しております。したがいまして、遺伝子組換え食品の取り扱いについては強い関心を持っています。現時点では遺伝子組換え食品の安全性については種々論議があり、明確な方向づけがされていませんので、具体的な対応策がとれない状況でございます。しかし、御指摘のような問題もありますことから、本市においては安全性が確認されるまで遺伝子組換え食品を使用しないことを前提に食品の材料分析及び原材料の購入ルートの把握に努めるとともに、食材料納入業者へも協力を求めてまいります。
以上でございます。
○議長(依田敏夫君) 雨宮年江君。
○雨宮年江君 ありがとうございました。それでは何点かにわたりまして再質問させていただきます。
まず、市政への市民参加についてですが、各種審議会、委員会などの二重機関については、公募制なども前提にしていくか、調査検討していくということで、そういう意味でいえば前向きな御答弁をいただいたなというふうに思います。例えば、そういった各種審議会、委員会というようなものだけでなく、本当に甲府市の現在の市政のことを自由な立場で発言でき、展望できるというような市政モニターなんかにつきましては、私質問の中でも例を出させていただきましたが、箕面市などでは市政モニターは全員公募制をとっています。この公募制をとるのにも800字程度の小論文を出させて選考するという形をとっているようなんですが、そうした市政モニターといったものについては、もっともっと積極的に公募制をとっていくべきではないかなというふうに思いますが、一点、この点につきましてお答えをいただければと思います。
女性政策について質問いたします。こうふ女性プランの新しいプランを策定するという御答弁がありましたけれども、この辺は当局と私たちのような女性のそういった問題について考えているグループとちょっと認識が違うのかなという気もするのですけれども、女性政策というのは、もう既に啓蒙、啓発、学習の時代というのは終わっているのではないかと私は思っています。これからは、これまで学んできた蓄積したものをバネに、実践に移すべきではないかなというふうに思っています。そのためには、まず行政自身が他の規範となるような、模範となるような積極的な格差是正政策の導入を図り、先ほどの行政分野の女性の登用ではありませんけれども、行政内部の男女平等を進めることが必要だと思います。そうした上で女性の自立支援のための条件整備や、具体的には再就職や企業を目指す女性のためのセミナーといった企画も必要ではないかなと考えています。その点につきまして当局ではどのようにお考えになっていますか、お示しください。
相談窓口の設置についてなんですが、女性センターができたら設置したいという御答弁ですけれども、相談窓口を置くことによって、現在女性の置かれているさまざまな問題が把握できますし、それを女性政策に反映することもできるわけですから、女性センターができるまでと言わずに、できるだけ早い段階で相談窓口を設置するべきだと考えていますが、もう一度これにつきまして御答弁をいただきたいと思います。
それから福祉の問題ですけれども、児童福祉法の改正の中で保育料が変わった場合にどのぐらいの影響があるかということの質問では、具体的な御答弁がありませんでしたけれども、これは今作業を進めている段階ということで具体的な、例えば軽減される世帯が何世帯あるかとか、逆に増加する世帯が何世帯ぐらいあるかというふうなことというのは明確に出ないということというふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
最後に環境問題について再度質問させていただきますけれども、昨年12月議会で私どもの会派の清水議員が省エネのことにつきましては、川越市の1%節電運動のことを例に挙げまして、これはどんな自治体でも取り組めるんではないかということの立場で質問させていただきました。その時の答弁の中に、強化月間のようなものを設定したいというふうな答弁だったんですけれども、電気だとか水道、ガスといった、ガソリンとかそういったものについては、やはり具体的な数値を出すことによって、例えばそれが仮に5%削減するという目標が達成できなかったとしても、じゃあその達成できなかったところに何が問題があるのかというふうなことを検証することも大切ではないかと思います。「地球にやさしい甲府」というんであるならば、やはりその辺まず足元からということが必要ではないかと私は思います。そうすることによって、そのことを市民にアピールする中で市民にも協力を、そして事業者にも協力を求めていくことができるかと思いますので、その辺につきまして再度質問をさせていただきます。
以上です。
○議長(依田敏夫君) 地域振興部長 井上阡彦君。
○地域振興部長(井上阡彦君) 市政への市民参加ということで、市政モニターへの公募制についてのお尋ねでございますけれども、市政モニターにつきましては、一部において既に採用をさせていただいております。今後さらに拡大することも考えておりますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。
○市民部長(若月元治君) お答えいたします。
積極的に行動し得る女性の出現を促すために、新たな施策といたしまして、この考え方をもとに平成13年度にスタートさせたいと考えております新こうふ女性プランに十分に織り込んだ計画を策定をしてまいりたいと思います。
さらに、相談窓口のことでございますけれども、現在、南庁舎に幾つかの相談窓口が設置されているわけでございますが、その中で例えば行政相談あるいは心配ごと相談、消費相談、交通事故相談、いろいろな面の相談があるわけでございますけれども、確かに女性が抱える問題につきましては幅広い分野にわたりますので、現在はこうした対応をしているわけでございますけれども、こうした窓口をさらに充実するために関係部局と協議し、その上でただいまお答え申し上げましたとおり、専門カウンセラーにつきましては(仮称)女性センターが設置された時点で総合的な対応ができるような対策を考えてまいりたいと、こんなふうに考えておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
以上でございます。
○福祉部長(櫻井 稔君) 保育料についての具体的な影響ということの再質問でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、国は10階層から7階層に短縮して、極力均一化の方向に行こうということでございます。甲府市ではただいま10階層を19階層にし、負担軽減を図っていることは御承知のとおりだと思います。この国の改正が行われた7階層を甲府市では何階層まで軽減措置ができるのかということで現在検討をさせていただいておるところでございます。
しかしながら、御質問でございますので、例えば国の7階層を現在の保育所に来ている児童に当てはめた場合ということで試算をしてみますと、ふえる家庭が50%弱、47%くらい。それから逆に減る家庭が30%くらいだろうというふうに予測されますが、これはあくまでも国の7階層という階層を今の状況に当てはめた場合ということですから、今後甲府市は何階層まで軽減できるかということを検討中であるということで御理解いただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○総務部長(小林 清君) 省エネの数値目標の再質問でございますけれども、先ほどの御答弁で申し上げましたように、私どもこの市役所を見ていただくとわかりますけれども、新しい庁舎とか新しい家であれば、比較的電力メーターとかいろんな設備も掌握できますし、使用量も掌握できるところでございます。現状のような古い設備、特に冷暖房にしましても、電気、水道、いろんなメーターにしましても、この設備を預かっているこの現状では、一定の時間帯なり、総合的に掌握することが大変困難でございます。一つの例を挙げますと、今も議会答弁等も整理をしてございますけれども、そういった少ない質問であれば早く帰れるし、多ければ長い時間も必要となります。全館挙げて待機命令を出している状況にもありますから。私ども、目標を設定すれば守りたいという性格を持っておりますから、いいかげんな目標はつくれないと、つくりたくないというのが私自身考えておりますし、いろんなことを総合的に運動として起こしながら、目標をつくって守らせるのもいいのですが、職員一人ひとりに節減という意識を植えていく。こういった運動の方へ切りかえていきたいと。先ほど申し
ましたように、OA機器につきましても主電源オフ運動というふうなことで、席を立つときはスイッチを切れというふうなことも徹底してきておりますから、いろんな角度でそういった節減運動に取り組んでいるということで御理解をいただきたいと思います。
以上です。
○議長(依田敏夫君) 雨宮年江君。
○雨宮年江君 ちょっと納得できないところもあります。と言いますのは、例えば先ほどのこうふ女性プランの中にも、プランというのは計画ですから、必ず数値目標というのを上げますよね。ところが、行政分野への女性の登用は30%といっているけど、逆に減っている。ですから、そういう意味で目標値に向かって努力をしているというふうに御答弁ありましたけれども、なかなかそうもいかないところというのは、私どもも理解はしております。ですけれども、非常にそういう意味では目に見える、市民にとって目に見えるそういう目標値を掲げて努力するという姿こそが、まさに行政ではないかなというふうに思いますので、そういう意味ではそういう行動計画とかそういったものというのには、具体的なそういう数値目標なり、これは環境だけに限らずにいろんなものもそうだと思うんですけれども、目標値を掲げてそれに取り組むという姿勢が大切だと思いますので、私どもも協力いたしますので、ぜひ頑張っていただきたいということで質問を終わらせていただきます。
○議長(依田敏夫君) 次に、日本共産党の代表質問を行います。石原剛君。
石原 剛君。
(石原 剛君 登壇)
○石原 剛君 日本共産党を代表して質問します。
まず、市長の政治姿勢と現状認識についてです。市長は所信表明で来年度の市政執行と予算編成方針の前提としての時代認識を述べられました。しかし、そこには国と同様に日本型社会システムがなぜ制度疲労を起こしたのか、市民生活の実態と地方財政がなぜここまで危機的状況に陥っているのか、その分析もなければ反省もないと率直に指摘せざるを得ません。
市長が触れた橋本内閣の6大改革は、既に昨年9月議会で我が党が指摘したように、大企業にとって都合の悪いルールをすべて取り払う規制緩和万能論、社会保障の全面的改悪、国民生活を守る政府の公共的責任を最小限に切り縮めようというものです。政府の経済政策が不景気を招いたにもかかわらず橋本内閣には何の反省もなく、もっぱら金融不安やアジアの経済危機など外的要素にその原因を求めています。それどころか、30兆円もの銀行支援、法人税減税、地価税の凍結など、銀行、大企業支援に懸命です。これでは景気回復の道を国民の前に示せないのは当然ではないでしょうか。経済政策の失敗の結果、国民生活はこの1年間だけを見ても、昨年4月の消費税の増税、特別減税の廃止、9月の医療費の引き上げで9兆円、4人家族で30万円もの負担がのしかかりました。さらに、医療、年金、保健、福祉の社会保障の連続改悪が将来の人生設計への不安をかきたてています。そして、国民から購買力を奪い、消費をさらに冷え込ませ、今の不況をさらに深刻なものにしました。市長は、市民生活の実態と困窮の原因をどのように考えているのでしょうか。まず伺います。
市長は、地方財政危機をもたらした要因について、長引く景気低迷と国の財政構造改革の影響を挙げていますが、加えて国、県の方針に追随したアーバンスタディセンター用地取得などの大規模プロジェクト優先と、そのために市の実力を上回る過大な公共投資を借金財政で賄ってきたことも要因に挙げられませんか。市長、橋本6大改革や財政構造改革法など国の方針に忠実に従っていては、市民生活の向上はあり得ません。市民生活向上の立場に立ってこそ、市長の言う「市民一人ひとりがゆとりと豊かさを実感できるまち」になるのではないでしょうか。
以上の立場で、来年度予算編成を行うべきだったのではありませんか。見解を求めます。
総額667億7,000万にのぼる平成10年度甲府市一般会計予算は、政府の経済政策の失敗による長期不況とそのもとで苦しむ市民生活、中小企業の経営難を色濃く反映し、個人、法人市民税とも大幅減となりました。歳入でふえたのは、昨年新設された地方消費税の増収分だけで、国、県支出金は大幅に減額されています。歳出においては、国庫補助事業の減少により、土木費が前年比マイナス30%となりましたが、投資的経費の割合は過去の平均の水準を維持しています。労働費、農林水産業費、商工費、消防費なども軒並み減額、福祉、教育予算は微増で、全体として前年比0.18%の緊縮予算となりました。また、歳出の中で公債費及び諸支出金の増額は、我が党が長年主張してきた高金利の借金を、基金を取り崩して返済し、市の財政負担を軽くするというもので、昨年度に次ぐ特徴となっています。こうした中で見落としてならないのは、これまで直営で行ってきた障害者、母子児童福祉、教育などの事業が、民間委託され、市の責任の度合いが引き下げられているということであります。
以下具体的に質問に入ります。
まず、財政構造改革法の影響についてです。財政構造改革法は、これも昨年12月議会の質問で指摘したとおり、財政再建を大儀名分にして、財政危機の根源であるゼネコン奉仕型の公共事業費や軍事費は聖域化して温存する一方、医療、社会保障、教育、中小企業など、国民生活関連の予算を21世紀にわたり削減することを義務づけた前代未聞の悪法というものであります。1998年度予算は、財政構造改革法成立後はじめての予算であり、2月3日地方財政計画が国会に提出されました。その特徴は、はじめて地方一般歳出の額を前年度マイナスにするなど、財政構造改革法の内容を忠実に実行するものになっていることです。地方財政の抑制のために、自治体リストラを強制する経費として110億円が計上されています。自治省の行革大綱に基づき数値目標を設定して、リストラに取り組む自治体には地方債充当率の引き上げなどを行う財政健全化債を許可するなど、財政面からも自治体リストラを推進するもので、住民生活に多大な影響を与えるものです。
この影響を受ける事業には次のようなものがあります。老人保健法は、5種類のがん検診を市町村に義務づけ、その費用は国、県、市で3分の1ずつの負担でありました。その国庫分が打ち切られ検診の義務づけもなくなります。母子保健衛生費補助金の妊産婦健康診査費等、骨粗しょう症検診など婦人の健康づくり、休日、夜間、急患センターなど、どれも国民の命と健康に深くかかわるものばかりが削減されました。さらに、母子家庭への児童扶養手当の所得制限を大幅に強化して、受給見込み67万6,000世帯のうち7万4,000世帯を切り捨てています。母子家庭の平均年収はわずか215万円で一般家庭の33%であり、生活実態を無視した削減です。甲府市でも1割から2割の受給者に影響があると聞きました。その他国保事業事務費負担金、児童館活動費などもカットされます。
以上、本市財政への影響額は国庫支出分だけでも6,000万円余と言われています。地方自治体は住民の安全と健康を守り、福祉を保持するのがその仕事です。国の悪政に対し、地方自治体が暮らしの防波堤としての役割を今こそ発揮するときです。来年度予算編成にあたっては、市民生活第一との立場を貫くべきだったのではないでしょうか。不当な補助金削減による負担増はそのまま市民に転嫁するのではなく、市独自でも必要な施策を講ずるべきと考えます。「福祉を後退させない」としてきた市長の姿勢が問われる問題でもあります。答弁を求めます。
次に、予算配分の重心を福祉にすることについてです。ゼネコン型の公共投資が景気浮揚に効果がないことは証明済みです。経済対策と称して宮沢内閣以来5回、合計で48兆円の追加公共事業を発注したものの、不況から脱却できず、残ったのは膨大な財政赤字です。我が党は直接に国民の懐を暖めることによって、下からの景気回復を行う。そのために庶民減税と国民生活に密着した身近な部分への公共投資、大企業でなく中小企業の仕事をふやすべきであると主張してきました。一方で、福祉は金がかかるだけで何も生み出さない、枯れ木に水をやるようなものという風潮が、これまで一部にありました。最近福祉への投資は、景気対策としても効果が高いという注目すべき調査結果が報告されました。茨城県の当局の試算によれば、高齢者保健福祉計画への投資は1.5倍の生産波及効果があり、従来型の公共投資と比べて遜色のない生産誘発効果、雇用誘発効果を持っており、広い意味での福祉の推進ということができるとのことです。福祉の拡充は市民生活の向上に直結するだけでなく、雇用が拡大し、消費が拡大し、景気が回復するわけです。
97年度版「厚生白書」でも、新ゴールドプランが計画どおり遂行されるだけでも、2000年において新たに22万人を超える就業者を生み出すとする研究もあるとして、福祉への投資の雇用者誘発効果を認めています。高齢者保健福祉計画の早期達成と基盤整備への投資など社会保障・福祉分野により重心を移した予算配分を行うべきと考えますが、見解を求めます。
次に、来年度予算にかかわって農業政策についてお伺いします。
ことしの雪の被害に遭われた農家の方々から、「これを機会に百姓をやめる」という声が聞かれます。なぜこうなってしまったのでしょうか。我が国の農家の高齢化と後継者不足は深刻で、このままなら労働力の面から日本農業は危機的事態を迎えるのは必至です。農業をやりたい人、続けたい人はだれでも生産の担い手の立場で、規模拡大の押しつけや小規模農家の切り捨てはやめ、それぞれの農家にふさわしい対策が必要です。本市の農林振興予算は、昭和63年から平成10年までの10年間に全体として9割に減少しました。いわゆる農道、土地改良などハード事業費は4割ふえる一方、農家の経営を直接支援するソフト事業、農林振興費はもともと6,000万円と少ないのに3割減っています。その結果、農業費に占める普通建設事業費の割合は50%から66%にふえています。ここには本市の農政が、農家の経営を守ることを後回しにして土建行政に重点を置いてきたという姿勢をうかがうことができます。その結果として農政全体のバランスを失い、農業への魅力が一層色あせたものになり、結果として新規就農者は10年間で1人、高齢化だけが進む結果となっていると考えます。
そこで市長にお伺いします。本市の農政が基盤整備と営農指導、そして農業者支援という点で、農家に魅力ある、全体としてバランスのとれた農政とするために、また農業を始めたい人がいつでも始められるようにするため、農業関係法の改正を政府に要求し、本市の営農支援対策を強化すべきと考えます。市長の見解を求めます。
次に、保育行政についてです。昨年の児童福祉法改正により、保育は措置から契約となり、保育を一定水準に保つ国の責任を緩め、国民負担を強化するレールが敷かれました。保育料は所得税の課税額による現行10段階の区分を7階層とします。さらに厚生省は、利用者の負担増となる保育料均一化の検討を進めています。また、延長保育については、国の定める一定基準のサービスに対し4分の3の国庫補助率で実施されてきたものから、園の自主事業とされて定額補助になります。甲府市では、従来から市独自で19段階の所得区分による緩やかな保育料の算定とともに、独自の軽減措置をとってきました。市長は所信表明の中で、児童福祉については児童福祉法の改正に基づき、利用者の立場に立った保育行政に努める。保育料の軽減も引き続き行うとともに、民間保育所の運営強化、施設整備への助成も行うと述べられています。女性の社会進出や地域の子育て環境が変貌する中で、子育て世代を社会全体で支援していくことが求められている昨今、国の制度の改悪による負担増を安易に保護者に求めるべきではありません。見解を求めます。
次に、大雪の被害に関連して質問をします。
去る1月15日の大雪は、観測史上最高の49センチの積雪を記録しました。本市では重軽傷者38人の人的被害をはじめ、農業用施設の倒壊、家屋や駐車場の損壊など大きな被害をもたらしました。また、電気、水道といったライフラインの切断こそなかったものの、市内業者を総動員した市道の除雪体制が全くないという弱点が露呈して、生活道路の除雪作業がおくれるなど、市民生活への影響も多大でありました。
我が党は、15日当日から道路補修センターに出向き職員を激励するとともに、地域の民生委員に連絡をとり、独居老人に声をかける。翌16日の来年度予算要求交渉の席上、市長に、市民要望にこたえ得る雪害対策の抜本的強化を求めるとともに、除雪対応の問題点を指摘、さらに現地調査を含めて農業被害の実態調査を開始しまして、19日には被害農家や中小業者への無利子緊急融資と税の減免、農業施設復旧のための諸施策、市道の円滑な除雪のための市内業者との協議、協定締結、市道路維持課補修センターの除雪能力の増強、通学路の安全点検と安全確保、国や県への財源確保の要望、地域防災計画への雪害対策の位置づけを求めたところであります。市の雪害対策本部は、その後被害農家への無利子融資制度など緊急対策を発表するとともに、残雪の運搬作業の実施、甲府市建設安全協議会と災害時における応急対策業務に関する協定を結んだと報道されていますが、その後の進捗状況についてお伺いをいたします。
雪害の後遺症は、依然深刻です。他市町村の対策事業を見てみますと、除雪報奨金や家屋損壊への見舞金の支給を行っている自治体もあります。本市もこうした積極的な施策を受け入れるとともに、制度の活用は被害を受けた農家、市民の立場に立って弾力的に運用すること、具体的には無利子融資制度の据置期間、返済期間の延長、対象範囲の拡大などが大切だと考えますが、見解を伺います。
さて、今回の雪害から何を教訓とするのでしょうか。まず、地震、風水害などを想定している市の地域防災計画に雪害も加え、雪害対策の位置づけを明確し、高めるべきだと考えます。
次に、地域防災計画に盛り込まれているボランティアの活動が、果たして災害時に十分に機能するかという問題です。我が党は災害復旧に限らず、さまざまな事業はボランティア頼みでなく、行政が責任を持って対応できる体制をとるべきと考えていますが、最近の阪神・淡路大震災や日本海重油流出事故、また長野オリンピックでのボランティアの活動は大きな役割を果たしたところであり、そうした善意の自主的な活動は大切にすべきと考えています。
今回の大雪では、地域での住民同士の相互協力や建設業者などによる自主的な地域への奉仕活動、また他町では農業関係学校生徒による被害農家への支援などが行われました。今回の雪害にあたって、地域防災計画に位置づけられていなかったとはいえ、市としてボランティアの善意を活かせなかったことは、今後に不安を残すものです。災害時に、果たして効果的にボランティアの活動を調整できるのか、ボランティア宣言都市としての対応を求めるものですが、どうでしょうか。
次に、大型店問題とまちづくり問題です。
大規模小売店舗法いわゆる大店法の三次にわたる規制緩和で、本市郊外にもここ数年県外大手資本をはじめとする大スーパーの出店が相次ぎました。こうした野放しの郊外出店とは対照的に2月15日の西武百貨店の閉店に象徴されるように、甲府市中心部の地盤沈下、空洞化は深刻さを増しています。
さて、政府は先月末国会に大規模小売店舗立地法、いわゆる立地法を提出しました。この法案は、同時に提出された都市計画法改定案とともに、大型店の出店にあたって、交通渋滞や騒音などに対して住環境を確保する新制度をつくろうというものです。問題は、立地法の公布とともに現行の大店法を廃止してしまおうという内容になっていることです。新しい制度の特徴は、現行の大店法の目的である中小小売業の事業活動の確保を削除し、店舗面積、営業時間、休業日数など商業活動への規制を排除していることです。大型店の出店にあたって、住民や自治体、商工会議所などはただ意見を表明できるにすぎません。出店の著しく大きい場合にのみ、都道府県が必要な措置を勧告することができるだけです。これでは、今以上に大型店の無秩序な出店がふえて、中小小売店がつぶれ、商店街の空洞化が進むばかりか、地域経済の落ち込み、まちづくりのゆがみが進むことは容易に想像できます。
一方で政府は、中心市街地活性化法で中心部の活性化を図ろうとしていますが、郊外への大型店の出店を野放しにしたまま、幾ら中心街で活性化を図ろうとしても十分な対策となり得ないことは、各地の例を見ても明らかです。我が党は、今必要なのは、大店法の廃止ではなく同法の改正強化が必要との見地から、緊急課題となっている交通渋滞や騒音など住環境への影響、青少年の健全育成、高齢者や障害者などに配慮したまちづくり計画と調和するために、今の大店法の商業調整を堅持した上で、良好な都市環境の形成を法律の目的に追加することを提案しています。さらに、大型店出店の届出制を都道府県知事の許可制にする。大型店の撤退、閉店にも届け出を義務づける。自治体独自の規制を禁止した条文を削除する、などを求めています。
市長、大店法はさきに述べたように大幅に規制緩和されたとはいえ、大型店の身勝手な進出を抑え、店舗面積を大幅に削減させるなど、一定の役割を果たしてきました。こうした大店法の廃止の影響は多大です。既に東京都中央区や文京区、豊島区、神奈川県座間市の議会などでは、大型店の出店規制強化やまちづくりとの調和などを求める意見書が採択されています。大型店問題で苦境に立つ商業都市・甲府の首長として大店法廃止に反対の声を上げるべきではありませんか。見解を求めます。
なお、私たちはあさっての8日午後2時から、丸の内の岡島ローヤル会館で「商店街活性化とまちづくりシンポジウム」を開催します。既に市内の商店会の会長さんなどから多くの話を伺っているところでありますが、さらに今回のシンポジウムを機に、商業関係者の皆様から御意見をちょうだいして、よりよい方向を探っていきたいと考えております。
次に、教育の問題です。栃木県の中学生の教師ナイフ殺傷事件を機に所持品検査が問題になっています。私たちは、所持品検査の押しつけは問題の解決とは逆行するものと考えます。なぜなら、人のプライバシーをのぞき見する所持品検査とは、信頼関係を想定しない場での対処方法だからです。言うまでもなく、教育は相互の信頼関係の上に営まれるもので、しかも多くの教師が子供の心をつかめないと悩んでいるのが現状です。校内暴力の増加も信頼関係の薄さを示すものであり、教師による体罰は信頼を学校の側から壊している深刻な現状を物語っています。力づくで所持品検査を行えば、信頼関係がさらに断ち切られることは明らかです。子供を中心に据え、教職員、父母、地域が共同して新しい学校づくり、信頼と共感の新しい関係をつくる取り組みを行うことを望みます。
次に、介護保険についてです。1997年12月9日、介護保険法が成立し、いよいよ2000年4月実施に向け、保険者である地方自治体での準備が本格化することになります。特に1999年3月までに市区町村ごとに介護保険事業計画の策定をすることになっています。市は介護保険事業計画の策定作業をどのように進めていくのか、今後の日程も含めて計画を示していただきたいと思います。その際、市民の声、福祉、医療現場の実態、状況をどのようにして把握して計画に反映させるのかについても、見解を伺うものです。
さて、政府は2000年4月の保険導入までに、サービスを整備する新ゴールドプランを進めていますが、プランの目標を達成してもホームヘルパーなどの在宅サービスは、必要な人の4割分しか確保されない。特養ホームは待機者が4万人以上あふれるということです。保険料を払えば必要な介護が受けられるのかといえば、ゴールドプランに示された計画でも約7割の自治体で「2000年までには達成できない」と言っています。
さて、甲府市におけるゴールドプランの現在までの達成状況を見ますと、施設整備はおおむね100%となっていますが、ホームヘルパーの達成率が約4割であります。あと2年で目標が達成できるのでしょうか。国の予算でも介護保険の準備、ゴールドプランの整備に毎年1,000億円を投じてきたのに、98年度は4割も減らされています。その結果、ホームヘルパーは3年連続して全国で3万人前後増員を進めてきたものが、半分に減らされ、しかも事業の効率化を図るとの理由で、人件費補助方式から実際のサービス時間で補助金を精算する事業費補助方式へと変更され、常勤ヘルパーの補助金は実質で減額となり、超過負担に苦しむ自治体はますます非常勤ヘルパーへの切りかえに追い込まれかねない状況であります。自治体が介護保険制度の上乗せをして、独自の福祉施策をやるためにも財源的保障がどうしても必要です。法整備にあたっての参議院決議にある基盤整備を国の責任で行うことを守らせる必要があります。その声を市としても上げてはいかがでしょうか。答弁を求めます。
最後に、市長後援会の活動についてです。
昨年末からことしはじめにかけて、自治会長さんなど自治会関係者数人から次のような話を伺いました。「市長夫妻を囲む新年の集いのチケットの販売と動員を、市長後援会幹部の方から依頼された。自治会長にお願いしていると言う。チケットにはナンバーが打ってあるので、どの自治会で何枚売れ、何人が参加したかがわかるのではないか」、また「市から依頼された各戸への配布物の中に市長後援会のニュースが入っていた」というものであります。いずれの場合も自治会関係者は、「地域ごとの市長懇談会で自治会要望を出した直後、自治会を利用した市長後援会活動はおかしいと思うけれども、今の市と自治会の関係から断れるものではなかった」と話していました。自治会は言うまでもなく、その地域に住むさまざまな住民が参加し、地域の問題解決やまちづくり、親睦活動をする住民組織です。市長後援会活動に自治会を利用する、あるいは下請け機関化するようなことがあってはなりません。直ちに中止させるべきであります。市長の考えを伺います。
以上で質問を終わります。
○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 石原議員の御質問にお答えいたします。
はじめに、市民生活の向上と予算編成についてでございますが、政府は昨年21世紀を切り開く経済対策を決定し、確実に実行に移すとともに、所得税の特別減税の実施や金融システムの安定化対策の具体化などにより、経済の先行きに対する信頼感が回復し、次第に回復軌道に復帰してくるものと、国内総生産成長率を実質で1.9%程度に見込んだところであります。これらの景気対策は、財政構造改革と相まって最善の方策であったかどうか、全く予測のつかないところであります。
このような現状を踏まえ、私は市長に就任以来今日まで「思いやりと痛みのわかる市政」をモットーに市政執行に臨み、福祉、環境、教育をはじめとする市民生活に密着した諸課題に積極的に取り組んでまいりました。新年度予算につきましては、財政的に非常に厳しい状況ではありますが、健全な財政運営を基本に、長期的展望のもと、時代の要請や多様化する市民ニーズに、さらには市民生活向上のために真に必要な施策に対しまして、財源の効率的な配分を行ってきたところであります。
次に、福祉施策への予算配分についてでございますが、国の財政構造改革法の主な経費の削減目標では、社会保障費の圧縮や公共事業の抑制、さらに各省庁の補助金の削減、合理化等、徹底した歳出の縮減抑制を図ることとしております。一方地方に対しましても、国に呼応した歳出の縮減、抑制を求めているところであります。本市への影響につきましては、保健事業や救急医療事業等の補助金の一般財源化や縮減などにより、少なからず影響を受けていることは御指摘のとおりであります。特に10年度は景気低迷による市税の伸び悩みに加え、特別減税や国庫補助金の合理化などの影響がありますが、市民生活に密接な福祉施策を中心としたソフト事業への予算の重点配分を行ったところであります。
次に、新春の集いについての御質問でございますが、既に質問通告がありましたので早速問い合わせをいたしましたところ、後援会として自治会組織への参加要請は一切しておらない旨の報告を受けております。あくまでも会員の主体的自主性によるものであると受けとめておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。
○地域振興部長(井上阡彦君) 雪害に対する御質問2点についてお答えをいたしたいと思います。
まず、雪害に対する緊急対策とその進捗状況についてでございますけれども、本市では今回の雪害に対しまして、被害に遭われた農家への支援策として1月27日に甲府市雪害緊急特別融資制度の創設をいたしまして、無利子融資を決定をいたしたところでございます。この内容といたしましては、被害面積10アール以上の農家につきまして、貸付限度額を300万円とし、貸付期間は1年据え置きを含み3年以内となっております。なお、この制度による利用状況でございますけれども、3月6日現在、電話等による相談件数が11件、申し込み件数は2件と報告を受けております。なお、農家への融資制度等の弾力的運用につきましては、今後の状況を見ながら研究をしてまいりたいと思います。
次に、残雪の運搬作業の実施についてでございますけれども、1月22、23の2日間にわたりまして、延べ500人の職員並びに車両64台を使用いたしまして、中心街幹線道路10.2キロメートル、1,067立方メートルの残雪処理をいたしました。その後も引き続き建設部職員による残雪搬出作業を2月6日まで行いまして、その成果は約延べで20キロメートルでございます。
また、災害に関する協定につきましては、雪害等を中心としたあらゆる災害に対しまして、本市が管理する河川、道路、建物等の機能確保及び早期回復を図ることを目的といたしまして、2月24日に甲府市建設安全協議会と応急対策に関する協定を締結をいたしました。今後機動力を有するこの安全協議会の協力を得まして、速やかな対応ができるものと考えております。
次に、災害時のボランティア活動についてでございますけれども、災害時を含めた各種ボランティア活動は大変とうとく重要なものであると考えております。甲府市におきましては、甲府市のボランティアセンターや各公民館を中心に、ボランティア活動のしやすい環境づくりに努めていくとともに、災害活動に必要な防災技術を習得するための自主防災組織中核リーダー講習会を実施しているところでございます。今後も防災上の観点からあらゆる災害に対応できるよう、自主防災組織の育成、強化、指導に努めてまいりたいと考えております。
なお、甲府市地域防災計画にも災害時のボランティア活動の整備を掲げまして、市民の皆様の温かい善意の奉仕活動の助長を目的とした啓発や市民主体のボランティア体制づくりの促進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉部長(櫻井 稔君) お答えをいたします。
3点ございましたけども、まず、児童福祉法改正に伴う本市の保育行政の対応についての御質問でございます。先ほど雨宮議員にお答えいたしましたとおり、今回の児童福祉法の改正に伴い、本市の保育料につきましても改定を前提とし、現在作業を進めておるところでございます。が、子育て家庭の経済的負担を考慮し、引き続き保護者負担の軽減に努めてまいります。
また、御指摘の延長保育事業につきましては、これまでの事業を見直し、保育ニーズに対応するために弾力的な仕組みに改めたものであります。今回の改正は、利用者であります保護者や子供の視点に立ったもので、制度の趣旨を十分踏まえながら、適切な対応を図っていく考えでございます。なお、少子化が進行する中で子育て支援社会を構築することは、緊急的な課題であります。甲府市でも安心して子供を産み、育てられる環境を総合的、計画的に推進するための甲府市児童育成計画を、平成10年度に策定する予定でございます。
次に、介護保険事業計画の策定についての御質問でございます。介護保険事業計画につきましては、平成10年度以降策定すべきものとされておりますが、甲府市では今後高齢者保健福祉実態調査を実施する中で、介護ニーズの的確な把握に努めてまいりますとともに、被保険者の皆様をはじめ、より広範な市民各層の参画も得ながら、鋭意策定作業を進めてまいりたいと考えております。
最後に、介護保険制度の実施にかかわる財源確保についてでございます。介護保険制度の実施にかかわる財源確保につきましては、全国市長会などを通じ、自治体の介護保険財政の基盤強化をはじめ、制度の円滑な実施に対する国の所要の措置について強く要望をいたしてまいりましたが、昨年12月の参議院での決議をはじめ、国の介護保険事業運営に対する責務について、介護保険法に明記されたところであります。今後も3年ごとに行う介護保険事業計画の見直しとあわせ、財源確保につきましても国及び県に要請してまいりたいと思います。
以上でございます。
○産業振興労政部長(飯島元紀君) 産業振興労政部にかかわります2点についての質問につきまして、お答えを申し上げます。
はじめに、農業政策への支援対策についてでございますけど、本市の農業は現在高齢化、婦女子化、兼業化が進みまして、近年就農人口の減少傾向にあります。農業後継者確保対策、農業経営の安定と近代化に向けて農業機器や収穫物の搬送等の効率化を図るため、農道、農業用水路等の生産基盤の整備や経営改善の指導等を行いまして、さらに認定農業者への近代化利子補給、農用地の集積の促進などの農業施策に取り組んでまいりました。また、新規就農希望者に対しましては、県や関係団体等と協力を図りまして、就農情報の提供、就農相談、就農資金の貸し付け等の促進を図ってまいりました。
なお、農地の権利移動の制限につきましては、今後制限の緩和が図られますよう、県や関係機関等に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、大規模小売店舗法の廃止についての御質問にお答えいたします。今国会に、現在の大店法にかわる法律といたしまして、出店地域の周辺の騒音、ごみ、交通対策などの社会的問題を地元住民などから意見を聞きまして、出店者側と協議する調整形態に変え、自治体や地元住民からの意見などの公告・縦覧をルール化するなどの透明性を高め、県等が環境などに配慮しながら大型店の出店を調整する大規模小売店舗法の小売店舗立地法や、既に大型店の郊外出店などで衰退しつつあります中心商店街の再生化を図るねらいで、空洞化の進む市街地の再生を目指した基盤整備に取り組む中心市街地活性化法と、さらに自治体が独自にさまざまな土地の用途を定め、対象地域を柔軟に設定できるようにし、大型店の出店可能地域の線引きなどを自治体の裁量にゆだねる形で、地方分権の推進を目指します都市計画法の一部改正など、3つの法案が提案されております。これらの3法案を活用いたしまして、自治体は計画的に大型店の出店地域を誘導したり、大型店を核として周辺に中小小売店を配置するなどの、商業環境整備の道が開かれまして、消費者利益の保護、中小小売業者、大型店とのバランスのとれ
た商業環境が形成される。こんなふうに考えております。
以上でございます。
○議長(依田敏夫君) 石原 剛君。
○石原 剛君 再質問します。
保育料の問題です。中学校の給食をずっとやってくる中で、昭和町との境界のところに住んでいる甲府市民が、「中学校給食があるから昭和町へ転居する」という話を聞いたことがあります。保育料が高いということになりますと、同じようなことが起きるのではないか。「やっぱり子育てするなら甲府市で」と言われるようないい保育をしていくということが大事じゃないかと思うんです。それで、甲府市はこれまで独自の軽減措置をとってきました。今後もその軽減措置についてはとっていくと言っていますが、今後どういう方針でやっていくのか、この軽減措置は。そこがしっかり持ってないとどんどん減らされてしまうのじゃないかと思いますので、その軽減の方針はどうするのかということです。
それから福祉部に関してもう一つ。
実態調査をやって見直しをするんだ、計画をつくるんだということですけれども、現在でもはっきりしているのは、特養などの施設が足らないということははっきりしています。これをどうするのかということです。きのうまでの答弁では、在宅でそういった部分についてはカバーしていくんだということでありますけれども、それならばホームヘルパーの現在の達成状況が4割ということでいいのかということですね。これについてはどうしていくんだということについて、お答えいただきたいと思います。
それから、これはソフト重視ということで今度の予算は編成したということでありますけれども、ここはちょっと認識が違うんだと思うんです。先ほど言いましたように、土木費は去年より3割減りました。しかしながら、歳出全体に占める投資的経費の割合というのは、これはこれまでの平均とそう大して変わっていないんであります。原市長の時代、この投資的経費は平均17.45%、山本市長になってからは平均で18.1%であります。今回は17.5%、少し減りましたけれども、水準は維持しているのです。ですから、ソフト重視でやっていきたいという気持ちはわかるけれども、実際の予算の編成はそうなっていないということで、そこについてやっぱり今後市民の社会保障、福祉、教育といったところに重点を移した予算配分をしていく必要があるのじゃないかと思います。そこは認識がちょっと違うなというふうに思います。
それから大店法の関係ですけれども、この間私どもがやるシンポジウムを準備するために、商店街の旦那衆から話を聞きました。こんな話があります。「乾物屋には乾物屋のにおいがあるんだと。そういった地域の文化というのがなくなってしまった。自分の家はまだ残っているけれども、周りの商店街はどんどん店がなくなって、半分、3分の1、あるいはもう商店街がなくなったということで会がもうなくなったんです」というふうなところもありました。これは商店主ですけれども、消費者にとっても大変な問題です。西武のデパートの撤退で丸の内の方が言っていました。「近くにあったいちやまマートがなくなって、買物するのは皆西武に行っていたんだ。だけれども、その西武がなくなってしまって、車に乗れないお年寄りたちはどこへ行けばいいのか。まるで過疎の町に、村になったみたいだ」ということなんですね。
先ほど第一弾でも言いましたように、大店法の規制緩和、大店法の廃止ということになって、それまでやってきた規制がずっとなくなりましたね。で、別な法律はつくって、中心街の活性化という法律もつくるけれども、いざつくっても、もともと規制緩和をしてどんどん大型店をつくっていく。そこに力を注いでも、それは効果は生じないということだと思うんです。ですから、やっぱり大店法の規制緩和というのはやめるということをしっかり言うべきではないかと思うんです。そこの姿勢がなければ幾ら頑張っても効果はないというふうに思うんですけれども、そこについての見解を伺いたいと思います。
最後に、これは市長にお伺いします。
「自治会を利用しての後援会の活動はなかった」というふうに言われました。私が聞いたときは、その自治会長さんはあったというわけで、それは事実はどうだったかは、双方違うわけですけれども、それは別として、自治会を利用しての後援会の行為というのは望ましくないというふうに思うんですね。私は思います。望ましくないと市長も思っておられるんだと思いますけれども、そこについて。そして今後こういったことは、今回はなかったけれども、今後もないというふうに言えるのでしょうか。
以上お伺いします。
○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君。答弁は簡便に願います。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 先ほども申し上げましたように、これはあくまでも会員の自主性、主体性によるものであるというふうに受けとめております。会員の中には自治会の役員をされておられる方もあるわけでございまして、そういう意味ではそんな受けとめ方をされたのではないかと思いますが、そうした住民の意思というものを拘束できるかどうか。そのことについては、これは皆さんと一緒に検討していかなくてはならない問題ではないかと思っております。
○企画財政部長(長田勝也君) 御質問のありましたソフト福祉施策、ソフト事業への予算の重点的な配分という点の認識の問題につきまして、御答弁申し上げたいと思います。
まず、投資的経費ですけれども、昨年は構成比でいきますと22.8であります。本年度は17.5でありまして、その伸び率は昨年よりもマイナスの22%、約23%になっております。それに比較しまして経常経費の方は、全体に占める割合が昨年の場合は55.6でありましたけれども、本年は59.6と。数字的にも明らかでありますし、それからもう一点は、特に投資的経費に充てるべき起債の総額というものは、これは本年度起債を少なくするということは、将来にわたっての経費節減にもなりますし、そういった点で起債を余り充てないということは、少なくとも投資的経費をふやすことができないというような相関関係がありまして、本年度の場合は市債は、減税補てん債6億を差し引きますと、構成比率では5%、市債依存度で5%ということで、これは地方財政計画でいきますと12.9を地方財政計画の中ではしております。本市の場合は5%ということですから、そういった数字から見ても当然ソフト事業への重点配分をしたというように御理解をいただきたいというように思います。
○福祉部長(櫻井 稔君) 2点についてお答えいたします。
まず、保育料の負担軽減の方針について、こういうことでございますけれども、先ほどお答えをいたしましたように、中間所得層の負担感、不公平感を解消していくという国の方針でございます。その部分につきましては、逆に10%ぐらいの軽減になっている7階層でございます。甲府市といたしましては、急激にその階層に持っていくということではなくて、19階層から緩やかに均一化の方向に持っていくという考え方は持っていますが、現状の75%程度、額にしまして2億4,000万程度を今議会にもお願いしてございますけれども、その助成措置は講じてまいりたいというふうに考えております。
それから実態調査についてでございますけれども、介護保険事業計画の実態調査につきましては、地域における要介護者等の現状の把握や、要介護者等の個別の需要の把握をする。そういう中で人的にも施設的にもどういう対応が必要なのかということを明らかにしていくということでございます。一昨日の知事の答弁では、特養ホームは99年度には100%にいく見通しがあると、98年度では93%だという答弁がされたという新聞報道がされております。したがいまして、11年を超えた新たな高齢者保健福祉事業計画の中で、その実態調査をもとにして見直しが行われるものと私どもは期待をしております。
以上でございます。
○産業振興労政部長(飯島元紀君) 大店舗立地法案が今国会へ提案をされておりますので、その審議経過等を注意深く見守っていこうと、こんなふうに考えています。現行法の大店舗法には確かに言われますとおり大店舗法の予算もございますけど、今度新しく制定されます大店舗立地法の中にも、先ほど申し上げましたように3つの法案を活用いたしますと、自治体が独自に規制できるような部分もございますし、あるいは出店地域を誘導するふうなこともできる。大型店を核としての周辺地域に中小店を配置するなどの商業環境の整備を手がけることも、開くことも可能であります。さらには、今まで規制のできなかった交通、ごみ、そういうふうな周辺環境の整備もできるようになると考えますので、これから国会の審議を見守りまして対応してまいりたいと、こんなふうに考えております。
○議長(依田敏夫君) 石原 剛君に申し上げます。
発言時間が終了いたしましたので、以上をもって質疑を終結いたします。よろしく御了承をお願いをいたします。
暫時休憩をいたします。
午後2時51分 休 憩
午後3時31分 再開議
○副議長(細田 清君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。
上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。
公明の代表質問を行います。堀内征治君。
堀内征治君。
(堀内征治君 登壇)
○堀内征治君 私は公明を代表して、山本市長の市政運営への所信表明を中心に、山積する諸問題について質問させていただきます。
最初に、甲府市の都市再開発についてであります。現在山梨県、甲府市を取り巻く経済環境は、高速交通網の建設により大きく変動しようとしております。それは、リニア中央エクスプレスの新駅の建設、中部横断自動車道の整備促進、新山梨環状道路の建設促進などでありますが、これらの建設促進は甲府市が通過点となってしまうおそれもあるとは考えられないでしょうか。特にリニア中央エクスプレスは、実験線から営業線へと移行する段階に来ておりますが、地形やリニアの機能性からして甲府市南部を想定する新駅建設は、甲府市を外れる可能性もあるのではないかと懸念せざるを得ません。現在大幅におくれている甲府駅周辺地区への新都市拠点の構築は、一層空洞化するおそれはないのでしょうか。甲府駅周辺地区の整備には膨大な財源を必要とし、厳しい財政を圧迫することは十分認識できますが、21世紀の甲府市の未来像を考えたとき、新都市拠点の青写真を実施に移すことは勇気のいることであります。また、政策的にその持つ意味は重く、甲府市再開発の重要課題でもあると思います。甲府市が県庁所在都市として山梨県の中枢管理機能を損なうことのない地方自治体としての対策は
どのようになっているのか、御提示していただきたいのであります。
また、甲府市の再開発に考えなければならないのは、過日閉店撤退した甲府西武の跡地利用や活用の問題があります。地元商店街や関係機関と協議するとしていましたが、その後どのような経過になっているのか、お伺いします。
県では、この跡地を県庁の事務室、会議室として利用したいという考えもあるやに風の便りを耳にしますが、県の分室利用では甲府市の活性化、再開発にはつながらないと思います。県との協議はどのようになっているのかお伺いします。
次に、情報先端都市の形成についてお伺いします。
甲府市は、山の都甲府市として地形や自然の美しさをその特徴としてアピールし、産業の振興を図ってまいりましたが、これからはさらに情報先端都市としての機能を持った甲府市とすることが、21世紀を生きる甲府市の活力であろうと私は思いますので伺います。甲府市は、山梨県の中心都市として長い間先導的役割を果たしてまいりました。特に中心商店街を中核とする商業部門については、ひところは南信地域にまで及ぶ広域商圏を構成し、山梨県内における流通機構の大宗をなしてまいりました。
ところが、本市議会でも毎回議論を呼んでおりますように、歩行量調査結果は、毎回減少を来しております。商業統計調査におきましても、甲府市が占める割合は、年々低下を続けております。一方工業面における工業統計調査の結果では、時代の脚光を浴びている先端技術産業は、甲府及び周辺の町村に立地しておりますが、本市は周辺町村に比べ地価が高く狭隘なことから、これからの大規模立地展開をすることは困難な状況にあるとしています。地場産業の育成、強化に力を入れることは今後の重要な課題でありますが、それも甲府市経済を底上げする活力になるにはさらに力を入れなければなりません。甲府市は何といっても山梨の中心都市であり、中枢管理機能を備えた都市であります。また、商業、工業、住宅、観光のバランスのとれたまちでもあります。そこでその特徴を生かして、甲府駅周辺地域を中心に、情報先端都市としての機能をこの周辺に集中すべきではないでしょうか。それによって県内情報産業の中核として、商工業では補い切れない不利な面をカバーしていくことが必要であろうと考えますが、いかがでしょうか。これも甲府市が21世紀に興隆していく方途であると考え、御
提言申し上げますが、当局の御所見を伺いたいのであります。
次に、ボランティア活動の充実についてお伺いします。
21世紀を目前にした今日、甲府市の市政運営にあたって避けて通れない対応を迫られている幾つかの問題があります。それは、国際化による平和の進展、少子・高齢社会、医療、年金、介護のあり方、地球的規模の環境保全、生命の尊厳性、人間が人間らしく平和に生きる権利、高度情報化等々であります。今社会にはいろいろな不安、苦悩が渦巻いていますが、そうしたものを取り除き、だれでもが安心して希望を持って暮らしていける社会とするために、甲府市は平成2年6月議会で、「ゆとり創造都市宣言」を行ったのは御承知のとおりであります。
しかし、政治に一番欠けてきたものは、ヒューマニズム(人間主義)であると私は思います。政治は何のためにあって、だれのためになされるべきか。どう価値を実現していかなくてはいけないものなのかという一番根本的な問題が問われていると思うものであります。とりわけ、3年前の1995年1月に発生した阪神・淡路大震災において、市民ボランティーが縦横の活躍をし、人々が助け合って生きることの大切さを再認識したことは、今でも記憶に新しいところであります。また、先日の長野冬季オリンピックにおけるボランティア活動など、市民による自主、自発的な活動が行政をサポートし、目覚ましい成果を上げている例は枚挙に暇がありません。甲府市議会は、平成9年3月議会でボランティアの市民活動団体の法人格を容易に取得するためのNPO(市民公益活動法人)法案成立の意見書を、全会一致のもとに政府に提出をいたしました。今国会でNPO法案の審議が始まりましたが、今国会での成立を望みたいものです。
さて、甲府市は、平成6年12月議会において、全国の先駆を切ってボランティア都市宣言を行い、ボランティア活動への市民参加と理解を求めるパンフレットや小冊子を全戸に配布するなどの作業を進めてきた努力には敬意を表するものであります。まず改革は地域からであります。山梨県においては、明年度予算の中に、県民にさまざまな分野での自主的なボランティア活動を推進するための指針策定の予算計上が図られておりますが、本市のボランティア都市宣言の理念の実行において、具体的な成果と今後の取り組みの姿勢についてNPO法案の成立後の対応も踏まえ、ヒューマニズムの観点からお伺いします。
次に、介護保険に伴う民間企業の参入とその対応についてお伺いします。
日本の福祉は、現在大きな転換期にあると言われています。平成12年4月から介護保険制度が導入されることになりましたが、国は介護保険導入の受け皿づくりのモデル事業として、公的在宅介護サービスの民間業者委託を念頭に置いた、過疎地域等在宅保健福祉サービス推進モデル事業を開始したことにもうかがえます。特別養護老人ホームの建設や運営、保育所の運営について、現状では措置制度により国が2分の1、市が2分の1負担を行い、手厚く保護された運営になっておりますが、国のゴールドプラン、都道府県、市町村の高齢者保健福祉計画によって設置個数に厳しい規制があり、しかも民間企業は公的介護に参入できないということも十分承知してもおりますが、昨年の決算特別委員会でも説明を聞いております。
しかし、平成12年4月から介護保険が導入をされると、民間事業者が公的介護分野へ参入ができるようになります。要するに、介護ビジネスが本格化する兆しが見えるのであります。甲府市においては、新ゴールドプランの進捗状況の実情を分析する中で、民間による新しい運営主体の育成方法を探ることが急務であると思います。今や公共投資は、建設部門でなされるより福祉部門に行われた方が波及効果がより大きいのであります。国の新ゴールドプランと介護保険対策については、即応性、地域性、普遍性などを考えると、在宅サービスのニーズに対応し切れないのではないかと、私は危惧するのであります。
そこで本市では、1つは介護保険導入後は民間企業が自由に特別養護老人ホームの運営に参加でき、利用者が自由に選択できる制度に転換するのかどうかお伺いします。
さらに2つには、運営を維持するには、今後サービスを必要としている世帯を掘り起こし利用者を拡大していくことや、採算ベースの問題など、幾つかの乗り越えなければならないハードルを考えるとき、民間企業の福祉産業への参入による既存の福祉関連施設への影響をどう分析し、行政のかかわりはどのように判断していくのかお伺いします。
地方自治経営学会は、昨年3月、全国の延べ437自治体と民間203社からの報告を基に、高齢者福祉における公立と民間とのコスト比較を発表しました。それによると、市町村常勤を100とした場合、民間シルバービジネスのコストはホームヘルパー49.3、入浴サービス43.0、配食サービス60.2、老人ホーム76.9と「おおむね」「半ば程度」と格差は大きいものの、サービス内容は公と民でそれほどの差はないと結論づけております。今後は公・民・ボランティアなどを組み合わせた福祉ミックスによって、より少ない負担で充実した福祉を実現することは十分可能であると思います。現在は、財政再建が緊急課題であり、国や自治体の力だけで福祉を充実しようとしても、限界があることは事実であります。福祉サービスへの民間企業の参入で、福祉強化への行政の役割が軽減されるわけではありません。いずれにせよ、住民が安心してサービスを受けることができるような体制づくりが期待されているのであります。
次に、臍帯血移植の医療保険適用についてお伺いします。
臍帯血については皆さんもよく御存じのことと思いますけれども、胎児と母親を結ぶ臍の緒と、胎盤の中の血液である臍帯血には、血液のもとになる細胞が豊富に含まれており、その移植が白血病など血液の病気治療に有効なことから、欧米では移植治療が進んでおります。しかし、我が国では臍帯血移植に保険が適用されていないため、移植を受ける患者は数百万円の費用を負担しなければならず、早期の保険適用が強く求められていました。一つの新しい生命がもう一つの生命を救うことができると、臍帯血移植を取り巻く現状を知った甲府市議会は、昨年の9月議会で白血病など血液の病気治療法としての臍帯血移植に、医療保険適用と公的バンクの実現を国に働きかける意見書を採択し、政府に提出しました。全国400を超える地方議会からの意見書と50万人を超える署名運動が実り、臍帯血移植に医療保険が適用になりました。これは、甲府市議会の意見が国を動かしたとも言えます。
中央社会保険医療協議会は、2月23日に医療保険から病院など医療機関に支払われる診療報酬の改定を小泉厚生大臣に答申しました。その中で臍帯血移植に医療保険を適用することの答申をし、まず第一段として本年4月1日から保険適用が実施されることになったのであります。臍帯血移植については、安全な移植をするための医学的準備などにも大変難しさがあることを十分承知しておりますが、こうした全国的に希望のある白血病の治療法としての臍帯血移植に、医療保険の適用をすることを市立病院としてどのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。
次に、徘徊お年寄りの安全対策についてお伺いします。
徹して庶民の側に立ち、一人を大切にするヒューマニズムの政治を忘れてはなりません。痴呆性のお年寄りを在宅介護している家族は、甲府市にも数多くあります。母親の介護をして数年になるAさんは、「母親が散歩する後について行ったり、帰宅が遅いと家族総出で探したりと、気の休まる暇がありません」と訴えておりました。このように痴呆性などによる高齢者の徘徊が介護家族を悩ませるケースが多く、介護家族の不安を募らせております。行方がわからなくなったお年寄りを見つけ出す方法として、現在甲府市では防災無線放送で、お年寄りの特徴や身長、服装、不明になった日時を放送し、一般市民の協力を呼びかけております。と同時に、探索にかかわる警察や消防署、消防団、さらにはタクシー会社、民生委員などの幅広い人たちの協力を得て、はじめて徘徊高齢者を探し出しているのであります。
こうした実状への対応として、NTTの協力を得ながらPHS(簡易型携帯電話)のネットワークを活用して、行方のわからなくなったお年寄りをすばやく見つけ出す位置探索情報システムの調査研究事業が進んでおります。山形県酒田市では、このシステムを昨年の9月から利用して、行方がわからなくなったお年寄りを素早く発見することができるようになったということです。このシステムでは、徘徊癖のあるお年寄りに事前にPHS発信器を身につけてもらい、その発信器から電波を電信柱や公衆電話、電話ボックスなどに設置されているPHSネットワークのアンテナでキャッチする。キャッチされた電波は一般の電話回線を通して、市から業務委託を受けた警備会社のコンピュータへ常時送信され、警備会社のモニターにはお年寄りから発せられる電波を受信しているアンテナの位置が表示されるという仕組みです。このシステムの大きな特徴の一つは、既存のPHS電話網の施設をそのまま利用することであり、このため市は独自の設備投資をする必要がなく、事業コストを最小限に抑えることができることであります。甲府市にPHSで徘徊高齢者の居場所をキャッチするこのシステムの導入
を進めるならば、高齢者の安全が推進され、介護家族の不安の軽減につながるものと期待いたしますが、御所見をお伺いします。
次に、ダイオキシン対策についてお伺いします。
ダイオキシンは青酸カリの1万倍の急性毒性と強い発がん性や遺伝毒性を持つ史上最強の毒物である性質を持っていることがゆえに、何とかしなければならないと過去、甲府市議会のたびに多くの議員からこの対策への発言が相次ぎ、議論されたことは当局も十分御承知のことと思います。ダイオキシン汚染は、胎児や母乳への影響や生殖異常により生態系への悪影響が強く懸念されることから、私は代表質問や決算委員会において、ダイオキシン規制条例の創設を提言申し上げてまいりました。また、公明の秋山議員も12月議会の代表質問でダイオキシンの発生源と埋設問題についての対策を訴えたところであります。こうした実情にかんがみ、次の世代に負の遺産を残さないためにも、ダイオキシン対策委員会を設置することと、具体的な取り組みを要請するところであります。
1つは、小型焼却炉による安易な自家焼却の中止、野焼きの抑制・中止、悪質な不法投棄に対する罰則、摘発の強化であります。
2つは、ダイオキシン類に対する環境調査及び健康調査の推進、規制法の制定推進であります。
3つは、公共の産業廃棄物処理施設の設置であります。
先月の25日、中巨摩郡若草町の産業廃棄物中間処理施設について、隣接する田富町の住民による建設工事差しとめを求めた仮処分の申し立てに対し、甲府地裁はダイオキシン類の排出で住民の健康が侵害されるおそれがあり、被害は広範で深刻なものになる可能性があるとして、住民側の主張を全面的に認め、工事の続行禁止を命じる決定をしたとのマスコミ報道があったことを、当局も十分御承知のことと思います。多くの市民が不安を感じている実情を認識し、総合的な対策を行うことを要請し、当局の御所見をお伺いします。
次に、教育問題についてお伺いします。
神戸市の小学生連続殺傷事件をはじめ、中学生によるナイフを使った女性教師刺殺、警官襲撃事件、女子中学生による男性暴行死亡事件など、中学生による凶悪犯罪が相次ぎ、今必要な教育は何かをめぐりさまざまな論議が起きています。これに対して文部省は、所持品検査や銃刀法改正など、管理、規制強化策を講じようとしていますが、そうした対応は一時しのぎであり、子供たちが強く正しく生き抜いていくためには、強靱な心を培う訓練と優しい心をはぐくむ環境こそ必要であります。
甲府商業高校は、こうした事件を知り、みずからの良心の発意により、生徒集会で「ナイフは持たない宣言」をいたしました。全国に先駆けての生徒の対応に、平和への内発力はすばらしいものであります。他人事ではなく、身近な問題として真剣に考える力は、優しい心をはぐくむヒューマニズム豊かな学校であると、全国で高く評価されています。こうした生徒の心は大切にしていかなければなりません。さらに、陰険ないじめの事件もまた子供たちがみずからの命を絶つケースも後を絶ちません。一体何がこのような結果をもたらしたのでしょうか。
今一番求められているのは、子供たちの持つ多様な個性と能力を評価し、伸ばし、そして人間としてのよりよき生き方を教える人間教育であります。そして、21世紀の激動の時代を子供たちがまっすぐに強く、そして心豊かに生き抜いていくための強靱で豊かな心を培う訓練と、他人の心の痛みに思いをはせる心や、生命を大事にする優しい心をはぐくむ教育環境を実現することであります。しかも、できるところから直ちに実行していく決断が大事であり、そのことが政治に求められているのではないでしょうか。青少年をめぐる問題並びに教育改革に関し、当局は具体的にどのように対処し、対策を立てていかれるのか、明確に答弁をいただきたいのであります。
そこで私は、2つの提案を申し上げます。
1つは、小中学校の児童生徒に対して、ボランティア活動を科目に入れることであります。
2つには、空き教室を使い20人から25人学級を順次実現させ、教師の負担軽減ときめ細かな教育を実施することであります。
この2つの提案について御見解をお伺いします。
国際化に対応する教育実習についてでありますが、高度情報化への対応と国際化への時代の中で、21世紀を展望した人材を輩出するために、甲府商業高校の生徒を対象にした海外修学旅行の実施を検討すべきだと思います。人数や実施基準、訪問地や旅費など、父母と相談する中で煮詰め、協議を推進してはいかがかと思いますが、御所見をお伺いします。
次は、昨今「こども110番の家」のステッカーを目にしましたが、全小中学校区に小中学生らが変質者や事件などに遭遇したときに、すぐに民家に駆け込むことができる「こども110番の家」を、市内の小中学校の通学路付近で1校当たり200世帯を各校PTAを通じて協力を呼びかけ、協力家庭には「こども110番の家」と書かれたステッカーを貼るようにしてはどうかと思います。ナイフによる脅しや抱きつきなどが報告されております。犯罪被害防止の緊急非難場所の設置を教育委員会として推進してはどうかと思いますが、御所見をお伺いします。
最後に、一人の庶民の切なる願いに光をあて、一人の訴えの後ろに聞こえる何千、何万人の声をとらえて、幅広く一人の人間が本当に豊かに幸せに生きられるように、そこに焦点をあてた当局の答弁を求め、私の質問を終わります。
○副議長(細田 清君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 堀内議員の御質問にお答えいたします。
はじめに、都市機能の強化と甲府駅周辺の整備事業につきまして、甲府駅周辺の整備を図る新都市拠点整備事業につきましては、国鉄改革に伴い発生した跡地等大規模空閑地を活用し、都市基盤の整備とあわせ、都市拠点形成施設の一体的整備により都市機能の強化と活力に満ちた都市形成を図るものであります。計画では、国鉄跡地、県有地等大規模空閑地を活用し、ゆとりと潤いのある21世紀を目指した都市拠点の形成を図るものであります。こうした大規模な事業は、財政事情等により遅延も予測されますが、長期的視点に立ち事業推進を図ってまいります。事業完成により、交流人口の増加や中心市街地活性化の起爆効果が期待され、県庁所在都市としての機能も高まるものと考えております。
次に、甲府西武の閉店についての問題でございますけれども、甲府市では中心商店街の活性化のため、ロードピア等の基盤整備をはじめアーケード、街路灯等の商店街施設、さらにナイトバザール、えびす講等の各種イベントや空き店舗対策事業への支援、助成を行ってまいりました。中心商店街の形成も大型店を中心とした買物客の流れが定着した現在、中心街の核としてこれまでまちの活性化に貢献していただきました甲府西武が閉店撤退いたしますことは、まことに残念なことであります。西友本社では、土地、建物とも売却する意向であり、どのような条件のもとでも賃貸は行わない方針と聞き及んでおります。そこで県、商工会議所、商店街連盟、地元商店街などと当面環境問題や景観の保持等について協議を行うとともに、まちのにぎわいを保持できる集客施設としての利活用をあわせて検討してまいりたいと考えております。
次に、ボランティア活動の充実についての御質問ですが、まちづくりは行政の努力だけでは不可能であり、市民の皆様の参画や協力があって、はじめて真のまちづくりができるものと考えております。市民の皆様の温かい善意による自主的な活動、いわゆるボランティア活動に対しまして、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。現在甲府市ボランティアセンターや公民館を中心にボランティア情報誌の発行をはじめ、各種の情報提供やボランティア講座の開催、相談業務などボランテイア活動のしやすい環境づくりに努めているところであります。その成果といたしまして、食事配食サービス、社会福祉施設での介護、図書館や在宅高齢者への奉仕活動、老人施設での理容ボランティアなどが着実に芽生え始めてきております。今後もボランティア活動のさらなる充実のため、あらゆる機会を通じまして、市民相互の思いやりと助け合いの心の醸成に努めてまいります。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。
○福祉部長(櫻井 稔君) 2点についお答えをいたします。
まず、介護保険制度導入に伴う民間企業の参入とその対応についての御質問でございます。特別養護老人ホームの設置者は介護保険制度が施行された後も、現行の社会福祉事業法の規定の範囲におきましては、原則として国、地方公共団体または社会福祉法人に限られ、その設置にあたりましては県の老人福祉計画に基づきます認可が必要とされております。
したがいまして、本市におきましては、民間企業が自由に参入することはできませんので、その影響は少ないものと考えております。しかしながら、在宅介護サービス分野におきましては、企業や協同組合、あるいは住民参加型非営利組織など多様な事業者の参入による安価で良質なサービスの実現が期待されております。本市といたしましては、本制度の趣旨を参酌する中で、民間活力に期待しつつ市民のニーズにこたえられる制度運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、徘徊高齢者の安全対策についての御質問でございます。本市におきましても痴呆性による徘徊及び徘徊する可能性を持つ高齢者は、人口の高齢化とともに年々増加をしております。このため甲府市では甲府警察署管内を中心といたします地域におきまして、甲府市、甲府保健所、甲府警察署、消防署等の行政機関、さらにはボランティア団体、消防団、JR、バス、タクシー等の公共交通機関、コンビニエンスストア等の連携によります「安心ネット甲斐の国」制度を発足させ、捜索ネットワークを構築いたしたところでございます。御提言のPHSシステムの導入につきましては、調査研究してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○環境部長(中尾良次君) ダイオキシン対策についてお答えをいたします。
ダイオキシン類の問題につきましては、本市では昨年9月より市管理の公共施設、小中学校等で排出されるごみにつきましては、環境センターに搬入を行い焼却を行っております。また、市民及び事業者に対しましては、分別の徹底、家庭や事業所等での焼却を極力なくすよう広報誌等を通じて啓蒙を行っております。野焼き等の事例に対しましては、県と協力をして指導強化をさらに行ってまいりたいと思います。
それからダイオキシン対策委員会の設置に対しましては、既に環境委員会が設置をされておりまして、御指摘の点等についての対策が検討をされております。今後も市民の不安に対しまして積極的な取り組みを図ってまいりたいと思います。
企業の生産事業活動によって発生します産業廃棄物は、事業者がみずから処理、処分を行うこととなっていることは御案内のとおりでございます。本市の企業の現況を見ますと、ほとんどがそれぞれの立場で民間の処理施設及び最終処分場を活用し、対応しているところであります。しかしながら、企業からは公共の産業廃棄物処理施設の要望が非常に強いものがございます。しかし、公共の産業廃棄物処理施設は、多様な廃棄物に対応できる広範な高度処理システムでないと、ダイオキシンをはじめとする公害を防止することはできません。したがいまして、広域的に対応することが肝要かと考えますので、県にさらに処分場の設置を働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○都市整備部長(水上加多郎君) 甲府駅周辺地区への情報先端機能施設の整備についての御質問にお答えをいたします。
甲府駅周辺地区においては、土地区画整理事業による基盤整備と高次都市機能や公共、公益施設の整備を行う都市拠点形成事業を2本柱としての都市拠点総合整備事業に取り組んでおります。高次都市機能施設として、(仮称)アーバンスタディセンター構想を掲げ、その中で情報発信基地としての高度情報センターの設置を位置づけております。
都市拠点形成事業は、総合計画では後期に盛り込んでありますので、同計画の見直しの時期に御提言の内容を踏まえる中で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○市立甲府病院長(小田島弘明君) 臍帯血移植に関する対応についてお答えいたします。
最近、臍帯血移植治療が全国的に注目され、白血病等の有効な治療法として高く評価されており、各県においても臍帯血バンクの推進計画が図られていることは承知しております。今後、山梨県において臍帯血バンクが設立され、保険適用が認められた場合、当院においても臍帯血採取の面で臍帯血移植の推進にできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(金丸 晃君) 教育委員会関係の御質問にお答えをいたします。
まずはじめに、児童生徒のボランティア活動等についての御質問ですけれども、甲府市の教育委員会におきましては、御案内のように平成8年度に福祉教育の手引書を作成しまして、すべての人を尊重できる子供、環境を大切にすることのできる子供、進んで助け合い、ボランティア活動ができる子供の育成に努めてまいりました。特に今年度は甲府の子供の教育を推進する上で、各学校の教育指導重点の中に福祉教育を取り上げ、実践しつつある学校は、小学校で17校、中学校で6校あります。また、甲府商業高校を含む市内のすべての学校で山梨県あるいは甲府市の指定のボランティア活動普及協力校になっておりまして、特色のあるボランティア活動を進めておりますが、平成14年からは御案内のように教育課程の改定によりまして、総合的な学習の時間が設定されることになっておりますので、福祉教育、ボランティア活動もその時間の中で扱われ、充実したボランティア活動が展開されるようになると考えております。
次に、児童生徒が学校生活に喜びを見い出すものの中で、そのもとになるものはやはり何と申しましてもわかる授業の展開であり、明るい学校の創造であると思います。教師は日々教材研究を行いまして、児童生徒にわかりやすい授業を心がけ、児童生徒の思いや願いを生かし、個性を生かす教育に取り組んでおりますけれども、よりきめ細かな学習指導ができますように、35人学級の実現に向けまして、関係機関を通じこれからも文部省に引き続き強く働きかけていきたいと考えております。
次に、甲府商業高校の海外への修学旅行についての御提言ですけれども、御案内のように平成10年度、来年度から甲府商業高校に国際科を設置いたしますが、急速に進展する国際化に向けまして、コミュニケーション能力の育成、国際感覚を持った商業経済人の育成を目指すことは、極めて大切であることは申すまでもございません。こうした能力育成のために海外研修に出ることは有益でありまして、推進すべきものと考えますが、実施にあたりましては、議員御指摘のように生徒に明確な目的意識を醸成すること、さらに保護者の経済的な負担の問題への御理解、あるいはまた国内旅行以上に安全性への配慮をすること等が大きな課題になってくるものと思います。したがいまして、学校及び保護者と十分な協議をする中で、今後対応を考えてまいります。
次に、「こども110番の家」の設置拡大と緊急避難場所の設置についてでございますけれども、各学校の実態に応じまして、警察署、学校、PTA、それから地区自治会が協議する中で、「こども110番の家」が設定され、多くのボランティアの皆さん方に支えられて地域の方々の手で子供たちの安全を確保する具体的な取り組みが出てまいりました。学校では児童生徒及び家庭にも場所を知らせるなど、危険回避の徹底を目指しております。このことは、児童生徒の安心できる環境をつくり、また一方では犯罪の抑止になると考えております。地域、警察、学校が協力し、始めたばかりでありますけれども、教育委員会といたしましても、こうしたシステムの成果が最大限得られますように今後努力をしてまいります。
以上でございます。
○副議長(細田 清君) 堀内征治君。
○堀内征治君 教育委員会につきましては一定の答弁いただきまして、理解をするものであります。
一点さらに教育委員会に、今置かれている時代、状況等々、将来を危惧する面から重ねて要望をさせていただきたいと思いますけれども、学校で国語、算数、理科、社会など教えることは必然のことでありますが、今一番求められているのは心の教育であります。そのために、今は中央教育審議会では時間をかけて学術的な議論をするよりも、地方でできる分野から子供の心をはぐくみ鍛える教育の具体策を講ずべきであると思います。
中央審議会は時間がかかりますし、そして今も教育長からお話がありましたように、平成14年からということでありまして、今やらなければならない、4年後に期待をすると言いますと、4年間どうするんですかという課題が出てきます。そこで小中学校の児童生徒に対して、今申し上げたボランテイア活動を必須科目とするにしても、現在甲府市で授業に奉仕活動や体験活動を取り入れられておりますが、努力規定にとどまっているために実施されているのはまだわずかの学校であります。こういう実情であります。例えば、地域の社会福祉施設へのお手伝いやひとり暮らしのお年寄りだけの訪問を行うなど、人と触れ合う中でやさしい心をはぐくむ実践教育を行い、中学生及び高校生においては、専門家による研修を実施した上で、軽微な介護のお手伝いを行うようにしてはどうでしょうか。
そして、小・中・高校の教諭に対しては、ボランティア活動に関する研修を実施し、その結果進学や就職時には、ボランティアや社会貢献活動が評価されるシステムを確立することであります。また現在、甲府市の学区再編の検討協議がなされておりますけれども、空き教室を利用して、人数、今35人というお話がございましたが、35人もしくは25人学級を順次実施して、子供たち一人ひとりの悩みや相談にも十分に対応できる教育環境を整備することではなかろうかと思います。そうすれば、教師の事務処理負担の軽減にもつながるものと思うわけであります。ホームルームや道徳の時間をしっかりと活用し、特に命のたっとさや人権の尊重などについて、教師や生徒が十分に話し合う時間を確保することができ、生徒も意見を述べる機会が拡大すると思うのであります。
さらには、これは飛躍したお話かもしれませんが、教員免許証を取得することは当然のことといたしまして、それを前提とした上で行政職の公務員を社会科教師に採用したり、海外商社マンを英語の教師に活用したり、エンジニアを技術科の教師に採用するなど、社会で訓練を受けてきた多彩な人材を、幅広い人格を持った方々を、子供たちに接する機会をつくることも大切ではなかろうかと思うのであります。
甲府市教育委員会でこれらのことを協議、検討していただき、山梨県教育委員会、さらには中央にも働きかけて欲しいと思うものであります。時は進み、人の心は動いております。流れの中で対策を講ずることが政治であります。今一番求められている心の教育の実現を要請して、私の質問を終わります。
○副議長(細田 清君) 次に、宥和会の代表質問を行います。牛奥公貴君。
牛奥公貴君。
(牛奥公貴君 登壇)
○牛奥公貴君 宥和会を代表して質問をいたします。
本議会でのメーンテーマである新年度、平成10年度の甲府市予算案からは、本市の置かれている厳しさ、この上ない過酷な財政環境がひしひしと伝わってまいるわけでありますが、まずもって、この財政状況下での山本市長をはじめ先頭にして、当局の必死の御労苦に対し深甚なる敬意を申し上げる次第でございます。
昨年の暮れ、我が会派の大先輩内藤議員が、甲府の財政事情を冊子にまとめ上げました。誠意に満ちた労作であり、市長はじめ管理職の皆様は数多くの方々がごらんになっておられるでありましょう。私は内藤議員が年来主張してこられた財政改革の必要性を解く論点を裏打ちするものとして、まことに意義深いものであると考えておるところであります。こういった対市民的に理解しやす現状分析結果の公開は、むしろ行政側が絶えず心がけていかねばならないのではないかと思います。
私も過去何度か本市の財政問題について質問してまいりましたが、このたびは内藤議員の分析結果を失礼ながら幾つか拝借し、平成10年度予算案についての当局の御説明や、仄聞するところの財政運営に対する当局のお考えをお伺いしながら、本市の財政問題として経常経費の削減をキーワードに簡単に質問をまとめ、幾つか警鐘を鳴らしてみたいと思います。
平成10年度の予算編成方針の1つに、義務的経費を除く経常経費の対前年度比一律10%削減があります。経常経費は年々持続して固定的に支出される経費であり、人件費、扶助費、公債費といった義務的経費と物件費などの行政経費、また維持補修費などの公共施設の維持管理費に区分されますが、一般財源によって賄われる経常経費の増大は、財政構造を悪化せしめる危険性をもはらんでいることは申すまでもありません。したがって、経常経費は少ないにこしたことはありません。しかしながら、やみくもに削減を繰り返し、財政サービスを低下させるような事態を招くことがあるとすれば、それは本末転倒の財政運営であると断ぜざるを得ません。
この問題について、私の懸念をつないでまいります。
まず第1点目ですが、6年間に及ぶ経常経費の10%削減ということは、平成4年度の経常経費の水準に比べ、平成10年度は53%、約半額であるということであります。そこでまず明らかにしていただきたいのは、過去6年間の削減額の総額であります。加えて平成4年度と平成10年度との経常経費額の著しい乖離を、行政運営という概念の中でどのように説明されるのか、お尋ねしたいと思います。
2点目は、公の施設の行政効果についてであります。公の施設は学校、公民館、図書館、病院、保育所、水道、下水道など住民の福祉を増進する目的をもって、住民の利用に供するものでありますが、自治体の最も基礎的使命であるこの目的にどこかひずみが出てはいないでしょうか。すべての公の施設についてお尋ねするのは莫大な調査となり恐縮でございますので別の機会に譲りますが、特に教育施設たる公民館について、過去5年間の行政サービスに直接関係ある職員、特に非常勤の職員も含めて人件費を含み、管理運営費の推移を明らかにし、行政目的に沿った運営に支障を来しておらないかどうか、現場の取り組みについてのお考えをお聞きしたいと思います。
3点目は、経常収支比率の問題であります。この経常収支比率につきましては、私は最も注目すべき財政構造上の指標として何度か質問してまいりました。特に昨年9月の議会におきましては、収支均衡という健全財政運営の大原則の観点から質問いたしましたが、重ねて切り口を変えた質問となるわけでございますが、本市の経常収支比率は、既に平成7年度以降許容限度といわれる80%の水準に達しておることは、周知の事実であります。この経常収支比率の算式は、経常一般財源総額を分母とし、経常経費へ充当する一般財源の額を分子として100分比であらわすものであります。したがって、しごく単純な話として分母の数字は約440億円と、まずは安定的推移を示していることからして、分子の要件たる経常経費の動向が、経常収支比率に決定的に作用するのは明々白々なことわりであります。ここに私は1つの演出をかぎ取らざるを得ません。意図的とは申しませんが、本来科学的で客観性に貫かれるべき指標の中に、このような落とし穴があることは紛れもない事実であります。財政構造の弾力性も維持しながら投資的経費や政策的経費財源を生み出していくのは、あくまで確固とした理
念を持った行政改革による経常経費の削減であるべきではないでしょうか。いやしくも公共施設の行政効果の安定した水準の維持を度外視した、一束一からげの経常経費削減であってはならないでしょう。財政構造上の指標を整える形式主義の横行は取り返しのつかない結果を招くことを指摘しておきたいと思います。
そこでお尋ねいたしますが、経常経費の削減がなくして、平成5年度以降水平に経常支出が推移したとしての想定される、経常収支比率の現状数値を試算していただきたいと存じます。さらに、この経常経費の推移に今後どのように対処していくお考えかお聞かせください。
4点目は、義務的経費についての幾つかの問題であります。財政構造の弾力性を分析するについては、歳出全体における最も基礎的な部分である義務的経費を点検する必要がありましょう。人件費、扶助費、公債費等の義務的経費の総額が、歳出に占める構成比が財政構造の弾力性をはかる基本的な一つの指標だからであります。すなわち、義務的経費こそ財政硬直化の最たる要因になるものと断定されるべきものであります。しかしながら現実には人件費、扶助費及び公債費は、建設事業費、行政経費、物件費などに比べ、その歳出の額を調整すること、つまり減額や増額がまことに困難な経費といわざるを得ません。そもそもが義務的という言葉のニュアンスからして、いかにも手をつけてはならない聖域といった性格を誇示しているのでしょうか。本市においては、経常経費の削減方針の対象からこの義務的経費が除かれていることは、この間の事情をよく物語っております。しかしながら、抑制や削減が困難な領域には、はなから近寄らないといった行財政運営には大いに問題ありと、私はあえて申し上げたいのであります。そこで今回は、人件費だけに絞り二、三の問題点を指摘し、当局の御見解を
求めたいと存じます。
人件費の総量を決定づける最たる要素は、何といっても職員定数であります。この職員定数へのチャレンジなくして人件費の抑制はありません。まず、職員定数に絡んで2つの問題を指摘します。
1つは、何と申しましても民間委託です。昨年10月5日付の日経新聞は、全国の都市の全面的民間委託度の調査結果を報じております。その調査構図の詳細を見ますと、民間委託度の高い上位市はなべて大都市郊外の都市であることに気がつきます。やはり大都市の衛星都市として法人関係などの財源に恵まれない切実な実情が、積極的な行政運営に取り組む風土を生み出しているのでしょうか。本市での民間委託は市民サービス保持、経済性、法令適合などといった採択基準をいまだ運用しておりますが、民間委託は断じて行政責任を放棄するものではなく、単に行政処理の手法の変更に過ぎないのであります。今や民間委託は時代の要請であります。そこで私は、生ごみの収集及び小学校の学校給食につき徹底した民間委託を提起したいのであります。
2つ目に職員定数のシフトの問題であります。つまり、行政管理部門と行政施策執行部門とのバランスであります。市長室、企画財政部、総務部、地域振興部、それに各部の管理課といった行政の内部管理部門と直接事業を実行する部門との職員数のバランスが、私にはいささか解せません。特にこれからの高齢化時代を見据えますと、福祉、教育、経済、産業部門へは重点的な人材配置が要求されてまいりましょう。管理部門における組織運営や事務処理制度をできる限り簡素、合理化し、そこで生み出した余剰人員は、事業執行部門へ振り分けていく市民サイドに立った積極的な行政運営を期待しながら見解を求めます。
次に、行政改革を推進していくためには、職員の意識改革と労働意欲を高めることが最も必要ではないかと思いますが、職員の意識改革と労働意欲を高めるための対応はどのようにしているのか、お伺いします。
また、公正、公平な職員の評価こそ、労働意欲を高めるものと確信しておりますが、評価の基準もあわせてお伺いいたします。
経費削減の必死の努力は理解できますし、評価するのもやぶさかではありません。しかし、労働の対価として支出すべきは支出し、働くべき日は働き、いやすべきはいやすといった労務管理による高まる職員の志気こそ改革をなし遂げる何よりの力となるものと信じます。見解を求めます。
地方分権が着実に進展する中で行財政改革にどこまで踏み込めるか、今まさに自治体の真価が問われようとしています。山本市長は、ことしの御用始め、職員への訓示の中で「『時は変革の時代を迎えている』と行革運営への決意のほどを語られました」と職員の研修誌で知りました。まことに我が意を得たりと思う次第でございます。戦前、戦後を通して活躍した高名な評論家である唐木順三氏の言葉に、「混乱は誕生の陣痛である」という一節があります。改革に一時の痛みと混乱はつきものであります。どうか山本市長、7年前の「行政に経営感覚を」と甲府市政に登場された初心を改めて思い起こされ、財政の再建に向けての改革の断行に邁進されますよう期待の念をささげるものでございます。御決意をお聞かせいただきたいと思います。
質問を終わります。
○副議長(細田 清君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 牛奥議員の御質問にお答えいたします。
公務運営の向上策についてでございますが、行政改革をはじめ公務運営の向上を図るためには、職員の意識改革と労働環境の整備が必要であると考えております。職員の意識改革につきましては、職員が職務を通じてのコスト意識や市民感覚の醸成が図られるよう、職場における指導、育成を行うとともに、広い視野に立って情報や専門知識を修得させるため、各種研修の充実等により、職員の意識改革を図っているところであります。さらに人事管理面では、公平、公正な昇任管理や適材適所の配置、あるいは勤務条件等の待遇改善を総合的に推進していくことによって、職員の労働意欲の向上につながるものと考え、これらを一体とした人事管理に努めているところであります。
また、勤務評価につきましては、企画力や積極性等職員の能力と業務実績等を客観的に評価を行い、適正な職員評価に努めておるところであります。
次に、財政改革に向けての決意の御質問でございますが、私は、今時代は大きな変革の時を迎えていると、年頭の所信でも申し上げたとおりであります。このため、社会経済情勢の変化や厳しい財政状況を踏まえ、国において進めている財政構造改革をはじめ、6つの改革については地方においても適切な対応を図っていかなければならないと考えております。また、今後地方分権や介護保険など新たな事務事業が求められておりますので、さらに自主的行政改革を積極的に進めるとともに、限りある財源の有効活用と職員の英知を結集する中で、市民の負託にこたえてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。
○企画財政部長(長田勝也君) 企画財政関係2点についてお答え申し上げます。
まず最初に、経常経費についてでございます。経常経費の10%シーリングの総額についてでありますが、事務量の増加や新規事業、それから施設等の増加、さらには事務事業の見直しなどによりまして、毎年度増加あるいは減少という状況でございます。単純にプラス要因等を除きまして、シーリングの対象経費であります物件費等にかかわります部分の節減額の総額を試算しますと、過去6年間で約7億8,000万円となっております。また、平成4年度と平成10年度の経常経費の乖離についてのお尋ねでございますけれども、まず全体的には平成4年度対比で約29.7%の増となっておりまして、金額に直しますと90億9,000万円となっております。内容的に申し上げますと、公債費が本市のごみ処理施設建設に伴いまして、その起債の元利償還が加わってまいりましたので、平成4年度対比で184%という大きな伸びを示しております。それから扶助費は、基準額の改定等がございまして139%の増と。また、補助費につきましては、区画整理事業等に対します事業費の助成等がこの間ございまして、その伸びは39%になっております。この乖離はいずれにいたしましても、事業推
進にかかわる経費の増加によるものでありますので、御理解をいただきたいというように思います。
それから次の経常収支比率の推移についてでございます。お尋ねの平成5年度と同じ水準で推移した場合の経常収支比率というお尋ねでございますけれども、平成10年度の経常一般財源総額が401億3,000万円でございまして、5年前の平成5年度の経常充当一般財源が259億6,000万円となっておりまして、これを計算いたしますと経常収支比率は、単純試算で64.7%ということになります。
また、お尋ねの今後の推移でございますけれども、公債費等の増加によりまして年々増加傾向にありますが、公債費をはじめとする義務的経費につきましては、短期間で短縮、縮減が非常に困難な経費でありますので、中・長期的な視点に立った取り組みが必要であるというように考えているところであります。特に市債依存度の引き下げや公債費の可能な限りの繰上償還に今後は努めてまいりたいと考えております。
また、将来見込まれます少子・高齢社会を迎えるにあたりまして、新たな社会保障制度との整合を図るための見直しを視野に入れながら取り組みを行っていくことが必要であるというように考えておりますので、御理解をお願いします。
以上でございます。
○総務部長(小林 清君) 民間委託と職員配置についてお答えを申し上げます。
事務事業の民間委託につきましては、御案内のように既に800件以上行っておりまして、事務事業が委託になじむかどうか。公共性及び能率性の両面が確保できるかどうか。こういった判断基準を持っておりまして、市民サービスの確保、行政責任の確保等の基準を定めた要綱に基づきまして、業務委託の適正な執行を図っているところでございます。今後におきましては、新年度に取り組んでまいります新たな行政改革の中で、事業の見直しを主要項目としておりますから、この事業の見直しと合わせまして、民間活力の導入の効率、効果等を見きわめながら検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、職員配置でございますけれども、基本的には事業執行部門に重点を置きまして、事務事業の量、質に見合った組織機構の整備、定数配置と、さらに人材の配置を行いながら効果的な行政運営に努めているところでございます。なお、10年度組織整備の中では、市民生活に直接かかわりのある部門といたしまして、介護保険、道路補修センター等への強化を考えているところでございます。
以上でございます。
○教育委員会教育部長(平出衛一君) 最後に公民館の運営管理についての御質問にお答えいたします。
公民館の運営経費につきましては、平成4年度を100とした場合、平成8年度決算額は平成5年度からの北東公民館の新設開館もあって3億1,200万円となり、9.3%の伸び率となっています。これを平年度化した平成5年度以降を比較した場合、平成6、7年度はわずかではありますが減少しましたが、平成8年度については9.3%の増加となっています。各年度間の増減は施設の修繕工事の有無等によるもので、あるいは維持管理費に工夫、節減を図ったための減少であります。公民館活動への直接的な影響はなかったものと分析しております。
平成10年度予算につきましても、厳しい財政状況の中で十分とは言えませんが、公民館事業が円滑に推進できますよう、効率的な運用、見直し、改革の推進を図るとともに、創意と工夫を凝らし、職員などが一丸となって事業運営に取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(細田 清君) 牛奥公貴君。
○牛奥公貴君 ただいま大変理解できる答弁をいただいたわけでございますが、あとは予算委員会等でいろいろまたお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○副議長(細田 清君) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(細田 清君) 御異議なしと認めます。
よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。
本日は、これをもって延会いたします。
午後4時48分 延 会
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