平成10年3月甲府市議会定例会会議録第2号
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午後1時01分 開 議
○議長(依田敏夫君) これより本日の会議を開きます。
直ちに日程に入ります。
日程第1から日程第33までの33案及び日程第34 市政一般について質問を一括議題といたします。
これより、上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。
この際、念のため申し上げます。
質疑、質問については、申し合わせ事項を遵守され、重複を避け簡明に願います。
なお、当局の答弁もその趣旨を十分把握され、簡明率直にされまして、議事進行に御協力をお願いいたします。
発言通告者は10名であります。
各会派の発言順序は、今期は日新クラブからであります。
お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。
最初に、日新クラブの代表質問を行います。中西 久君。
中西 久君。
(中西 久君 登壇)
○中西 久君 3月定例市議会にあたり、日新クラブを代表して幾つかの問題点について質問をいたしてまいりますが、生来の口下手であります。でも、聞き上手ということもありますので、御親切な御答弁を期待しながら質問に入ります。
予算の面につきましては、一昨日、市長から今年度の指針とも言われる説明がありました。よく時代や社会の趨勢を把握されまして、財政事情の厳しい中にも苦心の予算編成がされたわけであります。しかし、予算の内容につきましては、予算特別委員会が開催されますので、その中で詳しく議員の皆さん方の論議が行われると思いますので、私はそのことには触れずに、別のことを質問してまいります。
第1に、まず、市長の政治姿勢についてお尋ねいたします。
山本市長におかれましては、20万市民の利益と幸せを求め、日夜頑張って活躍されており、衷心より感謝の意を表するところであります。私ども日新クラブは、山本市長の与党として、山本市政の発展、推進に全力を傾注し、市民のための市民の政治、市長の掲げる総合計画、レインボー7大プロジェクトの推進、特に21世紀を目前に控え、高齢化、少子化、国際化、情報化などの市民要望は多岐にわたり、加えて地方分権の推進等市長は多忙をきわめておられることと存じます。
そこで、お尋ねいたしますが、今、助役が欠員になっております。来春には御自分の三選への出馬は市民の多数が望むところ確実であろうと思われます。この際、助役を選任し、市長のさらなる御活躍を願うために、助役の選任は急務と思うのだが、市長の決意とお考えをお示しください。
次は、税制度を含めました行財政改革であります。今年1月に税制調査会が「これからの税制を考える」と題する報告書を発表されました。この報告書は、21世紀に向けて活力ある経済社会を構築していくためには、行財政改革、経済構造改革、金融システム改革などの国際的な変革の流れの中で、種々の構造的改革に取り組むことが大変重要であるという認識のもとに、国民各層における活発な税制論議を引き起こさせるために書かれた国民へのメッセージだと、私はそう考えております。
報告書は、まず少子・高齢化の問題を取り上げております。周知のように、2025年には高齢者人口と生産年齢人口との割合は1対2になるとともに、財政事情は急速に悪化し、平成8年度には国と地方を通じた長期債務残高は422兆円に達する見込みであり、これは国民1人当たり352万円、夫婦子供2人の家庭では1,400万円にもなると指摘しております。
このように少子・高齢化社会が確実にやってくる現実であるならば、我が国の社会活力を維持し、今後とも継続的発展を図っていくためには、今のうちから生産年齢人口の税負担を軽減し、国も地方も公債依存度を引き下げ、債務残高を減少させる努力をしなければならないと考えられます。このためには、私は第一として、行政改革の推進が最も重要な政策課題と考えております。一つは官民の役割分担であります。一つは国と地方との役割分担であると思います。
まず官民の役割分担としては、一つには、民間でできるものは民間に委ねることであります。二つは、国民本位の効率的な行政を実現するために、真に国民が必要な行政サービスを最少な経費で提供していくことが必要であります。
次に、国と地方との役割分担、すなわち地方分権の推進が重要な課題であります。地方の財政事情は国と同じく大変厳しい状況であります。地方公共団体においても、行政改革を一層推進し、その健全化、効率化を図っていくことが必要であります。このためには、地方税制について特に課税自主権のあり方の検討が必要であり、税収の安定した地方税体系の構築を目指すことであります。今、市長が推進しております市町村合併につきましては、この意味からも最も重要であり、特に行財政基盤の強化を図る上から積極的に取り組まなければなりません。そこで、お尋ねいたしますが、地方分権の推進状況、それと市町村合併の話し合い状況を、示せる範囲でお示しいただきたいと存じます。
次に、取り組まなければならないのは、一日も早い景気回復であります。国は昨年以来、第一次国民経済対策をはじめ幾つかの対策を行っておりますが、なかなか回復の兆しは見えてきません。一方、2003年までに赤字国債の発行をゼロとする財政構造改革との整合性も論じられております。このような中で、国は2兆円減税を行い、内需拡大を図ることとし、平成10年分所得税の特別減税及び個人住民税の特別減税を実施することといたしました。個人住民税につきましては、本人が8,000円、控除対象配偶者及び扶養親族1人につき4,000円とのことであります。
ここで、市税収入につきましてお尋ねをします。
第1点は、個人住民税の状況であります。平成10年度の当初予算額で見ますと、個人市民税は2.4%、2億6,000万円余の減額になっておりますが、特別減税分がすべてを占めていると、そういうふうに理解していいか、または他の要因もあるのではないでしょうか、お示しください。あわせてこの個人住民税に係る特別減税による減税額は、地方財政法の一部改正により、地方債の特別措置が講じられると聞いておりますが、この仕組みにつきわかりやすく御説明を願いたいと思います。
第2点は、固定資産税であります。固定資産税の評価替えは、昨年度、すなわち平成9年度に実施されました。特に土地の評価につきましては、平成元年12月22日施行されました土地基本法及び総合土地政策推進要綱等の趣旨を踏まえて、具体的には、宅地につきましては自治大臣または知事が調整する基準地価格により行うこととされております。地価公示価格の7割程度の目標に評価の均衡化、適正化を推進するものとして、宅地以外の土地につきましては、土地に係る土地動向等を勘案しながら、評価の均衡化、適正化を図り実施されたとのことでした。過日の新聞報道によりますと、98年度(平成10年度)は、評価替えの年ではないが、地方税法の一部改正により、98年、99年の両年度に限り地価の下落に伴い修正されるとのことであります。甲府市は指示平均価額が6.8%、6,000円余り引き下げられると報道されております。
そこでお尋ねいたしますが、このことによる影響額は今後どのように影響するのかお示しください。平成10年度の土地に関する予算額を見ますと、2.71%、全額では金額で1億8,000万円余の増額であり、これは負担調整措置の関係だと思いますが、このたびの評価の見直しでこの負担調整措置はどのようになっていくのか、わかりやすく説明を願いたいと思います。
次に、最近の社会情勢と本市の行政改革についてであります。これは市長の説明のように、よく時代を把握してありまして、私も同じような意見でありますが、平成9年10月20日に始まりました国の財政構造改革特別委員会、このことは、日本の再建、省庁再編等々、どうにもならなくなったからでありまして、521兆円もの財政赤字をそのまま放置するならば、日本は重大な経済状況を迎えることは必至だからだと私は思っているわけであります。このときにあたり財政改革をやらねば、日本の将来は危ない。私は本当は経済成長があってこそ財政改革ができると思うのだが、我々下々の国民が騒いでもどうにもならぬことは言うまでもありませんが、ひとり言も出るような昨今ではありませんか。
一方で景気対策をやろうとしても、政府が長いこと唱えてまいりました「緩やかに回復している」といつもいつも言われてきました。最近では「足踏み状態」から、とうとう「停滞」と認めるようになりましたね。政府も自民党も景気対策を考え、議論を進めていて、国民が安心する景気振興策が近いうちに打ち出されてくることを強く期待をしております。日本政府にとって、省庁再編、財政構造改革、行政改革は、橋本内閣の重大な危機をもはらむ問題として国民注目の昨今であります。
そこで、我が甲府市にとりましても、避けて通れぬ問題ではなかろうか。財政改革、行政改革といっても、行政改革するには幾つかのやり方はあるにせよ、柱となるのは人減らしだろうと思われます。人を減らすには組織を直さねば人員を減らすことにはならない。机があって人を減らすことは困難だからであります。私は一般論からものを申し上げたいと存じますが、総務庁で、2月27日の朝の朝刊を皆さんごらんになったと思います。その27日の発表した労働省の労働力調査速報によりますと、男性の失業率は最悪の3.7%に達し、完全失業者は148万人で、ここで私がこのことを問題にしたいのは、25歳から34歳までの完全失業者は3.8%に達したと発表されました。これは日本の繁栄のためにもまずいことだと思います。本市にとりましても、年長者の人たちが席を譲り、将来ある前途に有望な大学卒や高校卒の人材を確保していくことを基本としなければいけないと思うのだが、このことについてお考えをお聞かせいただきたいと存じます。こんな有望な若者たちの失業が長く続けば、世の中に混乱が起きるだろう。何もかも期待できる優秀な若い人たちに奮起をしてもらいたいもの
だとも思っております。
28日の山梨新報の新聞をごらんになった方があると思いますが、民主党幹事長談に、「ショックだったのは、高齢化が気がかりだ」と書かれております。これはその新聞を読んでおりまして、いずこも同じ秋の夕暮れだというふうに私は見ておったわけであります。国会でも地方でも、「おれでなくては」、そうではなくて、将来を背負う人材が多数いるのだから、世代交代してはと思うこともあります。甲府商工会議所、JCでも、議員の年齢等議題になっているとも聞いております。大変よいことだと思います。
ある宗教の節分に配られたチラシの中に、私にとってはよき参考になることが書かれておりました。平成10年の生き方として、「経済は低成長のまま平成11年後半まで続き、規制緩和をし、構造転換が必要だろう」と書いてあります。「政治は混迷が深まり、政治家が利潤を追い、政争に明け暮れ、世代交代のとき」と書かれており、非常に心して進まねばと思っておる次第であります。
本市におきましても、財政改革の面でも、繰上償還に手をつけ、その努力の跡がうかがえます。これは恐らく長い間の借金ですね、この借財の中に利息が高かったものや何かを繰上償還をして、安いものに変えていくというようなこともあるんだろうと思うが、その努力と考え方は可とするものであります。どうか考え方を説明してもらいたいと思います。
そして、収入に見合った支出に抑える。すなわち健全財政を保つことが必要と考え、将来の人たちに大きな借金を残す財政の計画は、現在の世相の中で慎まなければならぬと思うのだが、考え方を詳しく御説明を願いたいと存じます。
次に、私は市立病院跡地西別館を特養老人ホーム兼痴呆棟として活用することにつきましては、決算委員会でも質問しましたが、再度お尋ねいたします。
今や平均寿命では、ここ10年、日本は男女ともに世界一を維持し続けております。実に喜ばしいことである。だが、長寿を心から喜び、地域社会で安心した日々を送っている高齢者がどれだけいるのか、疑問に思うのであります。現実はどの世論調査でも、「老後の生活で何が一番心配ですか」、そう聞かれて、「寝たきり老人や痴呆になること」という答えがどの調査でも上位を占めております。介護してもらえるかな、家族に負担をかけるのではないか、という不安からであります。
今や住んでいる市町村次第で老後の幸せが左右される時代で、実際、独自のアイデアで積極的に高齢者福祉を推進している市町村と、熱心ではない自治体との格差は広がる一方だと言われております。介護の社会化、社会全体の責任で介護を担うべきだと考えます。超高齢化社会では、介護専門職という他人の手をかりなければどうにもならなくなるのは明白であります。どんな人間でも、だれでも、きょうこの議場においでになる皆さんも、だれでもおれは大丈夫だという人は恐らくいないであろう。今、新市立病院の建設は順調に進んでおります。現在の西別館を何をおいても特養老人ホームの開設に踏み切る千載一隅のチャンスと考えます。
平成9年12月8日付甲府市議会に、市立病院跡地西別館を特別養護老人ホーム兼痴呆棟として活用を求める請願書が、地元をはじめ各種団体より提出をされました。12月本会議におきまして、異例の投票の結果、継続審査となっております。
御承知のとおり、昨年12月9日、第141回臨時国会において、介護保険法案が可決成立を見ました。厚生省といたしましては、この3月までの年度中に高齢者保健福祉計画の見直しに伴い、県並びに各市町村に通達が来ているというようなことを聞き及んでおりますが、そういう通知が来ているのかどうかお答えください。
本市においては、200名近くの人たちが1年以上も入所を希望し、一日千秋の思いで待ち望んでいる現況であります。当局においては、本年度中に高齢者の状態把握、施設サービスを必要としているかなどの基礎調査を行い、平成12年の新制度に間に合うよう諸設備を整え、新制度に導入すべきであると思うが、いかがかお伺いをいたします。山本市長は、「福祉は後退させない」と常々に述べております。このようなことこそ20万市民が切望することであり、21世紀の超高齢化社会を安心して迎えられるよう市長の英断をお示し願いたいと存じます。
次に、青少年対策でありますけれども、最近特にナイフを使った少年犯罪が相次いでおり、大きな社会問題となっております。それにしましても、最近は犯罪と不正が多過ぎますね。毎日テレビや新聞を見てても、もう顔を背けるような世の中になってしまって、悲しくも思うわけであります。あの最高な教育を受けた大蔵省の官僚たちも、今幾人か逮捕された、これは氷山の一角だと思います。なぜそんな最高の大学を出たような人でも、善悪がわからんなんちゅうことはおかしいと思うんです。だもの中学生がこんなことを起こすのは当然とは言わぬけれども、教育のためにもよくないですよ。それでまた覚醒剤の使用も昨年の倍と警察庁の発表にもありまして、まことに憂慮すべきことと思います。
なぜ突然の暴力を振るうのか。「ムカつく」とか「キレる」とかいう言葉が最近使われております。私らの子供のころもあったが、反省したり思い出してみました。非常に先生は恐かった。また敬ってもいました。先生に叱られ、竹のむちというより竹の棒でよくたたかれ、私なんかは一番たたかれたかもしれませんが、そういうようなことで頭にこぶができる。それでも家に帰って先生に叱られたなどの話などできなかった。二重に「おまえが悪いじゃないか」と叱られるに決まっているからでありまして、なかなか話せなかった。
そして、親元を離れた子供が、世間の大人や学校の先生がその子供に、遅刻を注意されたから先生をナイフで刺した、先生が恐がらなかったから刺したとか、本当の拳銃が欲しかった、殺してでも欲しかった、撃ってみたかった、私はとても理解できないし、学校の先生方も理解に苦しむことだろうと思います。
もしこの子供たちがいま少し進んで、あと3年、高校を出て自衛隊にでも入隊すれば、本物の銃を持てるし、実弾射撃もありますよ。また、国家社会のためにもなるだろう、そう思うのだが、今の子供と私どもの考えは違うわけでありますから、これはどうにもなりませんが、私は自分の考えをまとめて述べてみますが、まず、今は母親が母親らしくできない社会事情にある。また、例えば経済的に恵まれた家庭でも覚醒剤の騒ぎが起きておりますね。経済的にいいからといっても、うちの中がほったらかしだからじゃないでしょうか。愛とか家庭の平和とか、そういうものが失われているように思います。私は何といっても家庭円満、家庭のしつけが75%の責任があると、これは私は思っておるわけであります。
もしどこかで少年たちの非行を目撃したとしましても、うっかり注意ができぬ現代社会であります。おやじ狩りをやるじゃないか、あのおやじ、いいかげんなことを言っている。おやじ狩りをやるだの、これじゃいい社会はできないと思います。生徒の持ち物検査等につきましても、これは教育委員会をはじめいろんなとこで検討をされておられるだろうと思うし、よき生徒が私は多いと信じたいのであります。この中学生のこの諸問題につきましては、同僚の福永議員が詳しく質問をすることになっておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
一つだけ私はおさらいのつもりでお聞きしたいんですが、たしか昭和58年ごろだったと思いますが、県に青少年対策本部というものが設置されていたと思います。この青少年対策本部というのは、平素はどんな活動がなされているのか、今度のようなことにつきましても、どんな協議が行われたのか、ぜひ説明をお願いしたいと思います。
次に、中学校の給食についてお尋ねいたします。
この中学校給食は、昭和40年に当時の鷹野市長がPTAの要望を受けて、「給食センター方式で実施する」と表明しました。次の秋山市長は、「給食センターは現在の中央卸売市場付近に建設をし、市場開設と同時に給食センターも開設する」という具体的に明らかにいたした経過があります。しかしながら、昭和48年以降の第一次、第二次のオイルショック等によりまして、断念をいたしたものであります。
平成3年4月に就任された山本市長は、中学校給食実施に取り組むことを約束されました。以来、教育委員会を中心に、アンケート調査、あるいは平成6年12月からの西中学校での試行を経て、平成8年3月、市議会において市長は公約どおり中学校給食の実施を表明し、昨年9月からは南中学校並びに北西中学校の2校において先行実施されたところであります。新年度は予算を計上し、残り8校も実施すると聞いております。現在実施されております、また実施されます給食方式は、教育的な見地、社会状況、さらには本市の財政状況等から最も適切なものであり、英断された市長に敬意を表するものであります。
そこで、お聞きいたしたいことがありますが、甲府市においても大型店出店に伴い、中小企業者は生き残りに大変な御苦労をいたしておることは御承知のとおりであります。よって、実施にあたりましては、一定の衛生基準等にのっとり、納税はもちろんでありますが、長年にわたり本市に所在し貢献されておる給食業者を選定することが、本市の中小企業の育成等から最も適切ではないでしょうか。また、生鮮、青果等の食品の購入についても、市が経営する中央卸売市場で取り扱っているものを使用すべきと考えますが、いかがかお伺いを申し上げます。
第一弾の質問を終わらせていただきます。
○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 中西議員の御質問にお答えいたします。
はじめに、助役選任についての問題でございますが、現在、行政執行につきましては、各部局長を中心に職員が一丸となって努力をいたしております。選任の件につきましては、検討してまいりたいと存じます。
次に、地方分権と合併についての御質問でございますが、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告の趣旨は、国の関与によって地方をコントロールしてきた中央集権型社会から地方分権型社会の創造を目指すものでありまして、国と都道府県と市町村が一体となって取り組むことで、その目的が達成されるものであります。地方分権の推進は、今国会中に地方分権推進計画が作成をされ、一連の法改正を経て確実に実施されるものと思われ、市町村へのさらなる権限などの委譲、市町村の自主的な合併への支援、国と地方の役割分担をはじめ地方税財源の充実確保や課税自主権の拡大などが図られるものと承知いたしております。本格的な地方分権への大きなうねりを迎えるにあたりまして、本市では住民に身近な行政体といたしまして、より以上充実した住民サービスが提供でき、豊かな市民生活が享受できるよう、地方分権の受け皿や甲府市としてのあり方を専門的に調査研究する組織を確立するとともに、地方分権推進庁内連絡会議を通じまして、時代の流れに沿った施策の展開に努めてまいります。
こうした時代への対応と将来展望の中で論議されておる市町村合併でありますが、現在、市町村合併及び中核市構想推進庁内連絡会議で、基本事項の調査を進めておりますが、今後は市民の皆様の御理解を得ながら、決議をいただいております市議会と一体となって、合併問題について広く世論を喚起してまいりたいと考えております。
なお、市町村の自主合併の推進方策を検討している地方制度調査会の中間報告は、都道府県による合併への機運の盛り上がりや住民発議制度の改善に加え、合併推進に係る財政措置の拡充などを提言しております。本市といたしましては、昨日、県議会におきまして、知事も市町村合併に向けて積極的対応を図るべき答弁がありました。これからもそうした県やまた国の役割にも期待を寄せながら、新時代の地方自治の望ましい姿を模索し、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、今後の財政計画についての御質問でございますが、御指摘のとおり、いついかなる時代にありましても、健全財政を堅持することが財政運営の基本であり、収支のバランスを図ることがまず必要であります。この原則に立ちまして、真に必要な質の高いサービスの提供と住民の要望する事業の選択をする中で、長期計画を策定をし、これに対応し得る財政計画を立て、効率的かつ重点的に事業を実施していかなければならないと考えておるところであります。
また、事業推進にあたりましては、地方交付税で措置される最も有利な地方債の活用を図りながら、市民負担の軽減に意を用いた世代間の負担の公平性を図っていく必要があると認識いたしております。したがいまして、財源留保のための積み立てや、今後もでき得る限り繰上償還による市民負担の軽減に努め、弾力的財政構造の確保をも図る中で、後世に負担が累増しないよう長期的、計画的な財政運営を行っていく考えであります。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。
○企画財政部長(長田勝也君) 企画財政部に係ります税務関係2点についてお答えいたします。
まず最初に、平成10年度の個人市民税の減額と、その補填に係る特例措置についてお答えを申し上げます。平成10年度当初予算の見積もりにあたりましては、9年度の決算見込みをベースにいたしまして、地方財政計画で示されております0.5%の伸びを見込むとともに、特別減税などによります影響6億円の減収、さらには譲渡所得の伸びの鈍化に伴う影響額を考慮しながら試算したところであります。したがいまして、個人市民税の減額内容につきましては、御指摘にありましたとおり、特別減税の影響によるものが主なものでございます。
なお、通常の地方債につきましては、地方財政法の規定によりまして、建設事業に係ることに限ることになっておりますが、今回の特別減税につきましては、国の経済政策に基づくものでありまして、地方財政法の特例措置によって、その全額が減税補てん債として許可されることになっております。また、その償還費につきましては、地方交付税で後年度措置されることになっております。
次に、平成10年度の固定資産に係る土地の評価につきまして御答弁申し上げます。本市におきます平成10年度の土地の評価につきましては、修正基準に基づきまして、下落修正を行ったところでありまして、その結果、宅地の総評価見込額は対前年度より評価減となりまして、指示平均価額はマイナス6.8%となりました。また、今後も地価の下落が続いた場合につきましては、平成11年度におきましても価格の修正を行うことが考えられております。
宅地に係る税負担についてでありますが、平成9年度の税制改正におきまして、納税者の負担増に配慮する意味から、評価額に対する課税標準額の割合であります負担水準という考え方が導入されまして、税負担を抑制しながらも、地価の下落にも対応した措置を講じております。負担水準の高い土地につきましては、引き下げないしは据え置きとなります。負担水準の低い土地にありましては、緩やかな上昇となります。
なお、平成10年度の負担水準割合に応じた負担調整措置後の宅地に係る税でありますけれども、全体の約10%が引き下げとなります。また、43%が据え置き、残りの47%が緩やかな引き上げとなるようになっております。
以上でございます。
○総務部長(小林 清君) 行政改革と職員の新陳代謝についての御質問にお答え申し上げます。
現下の社会経済情勢は、長引く景気低迷によりまして、極めて厳しい財政環境にあります。一方、少子・高齢化社会の進展、ボーダーレス化、価値観の多様化に伴う住民要望の増加、環境問題への関心の高まりなど、21世紀を見据えた行政対応が急務であると認識しているところであります。したがいまして、御質問にもございましたけれども、地方分権への対応も含めまして、簡素で効率的な行政執行体制の確立のため、新年度、新たな行政改革に取り組んでまいります。
次に、職員の新陳代謝につきましては、現在、国の方で検討しております年金支給年齢の年次的な引き上げがあります。これに合わせた高齢者雇用制度が導入されてまいりますけれども、こういった大きな課題もありますけれども、既に全国的には幾つかの地方自治体におきまして、行財政改革の一環としての早期退職制度が実施をされてきております。本市におきましても、新たな行政改革の中で、人事管理制度全般の見直しを行いまして、職員が多様な人生設計の選択をすることができ、さらに組織としての新陳代謝が図れるよう、早期退職制度導入に向けて検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○市民部長(若月元治君) 山梨県青少年対策本部の活動についてお答え申し上げます。
山梨県青少年対策本部は、昭和32年4月に設置され、その後昭和58年3月に本部規程が全面改定されました。現在の活動内容につきましては、次の2点に分けられます。
まず第1点は、青少年行政に関する基本的かつ総合的な施策の推進を図るための、21世紀の主役を育てるやまなし青少年プランの策定であります。また、青少年白書の発刊等、青少年行政と各種行政機関の施策総合調整を図っております。
第2点目は、青少年を非行から守る強調月間及び青少年健全育成月間を中心として、青少年フォーラム、環境浄化パレード、各種講演会等の開催、さらにポスター、チラシ、手引書等を作成、配布いたします。青少年保護育成のための啓発運動を行っております。
以上でございます。
○福祉部長(櫻井 稔君) お答えをいたします。
現市立病院西別館への特別養護老人ホーム兼痴呆棟の開設についての御質問でございますが、老人福祉施設の整備につきましては、現行高齢者保健福祉計画上ほぼ充足しているものの、入所待機者がおりますことは議員御指摘のとおりであります。しかしながら、現在入所を希望されている方々の中にも、在宅サービスの充実を図ることにより、地域において暮らし続けることが可能な方もおるものと考えられます。今後、在宅介護を柱とする介護保険制度の導入に伴い、変動することが予想されるこのような介護ニーズの内容などにつきまして、本年4月から6月にかけ、その詳細な実態調査を実施し、介護保険事業計画の作成や高齢者保健福祉計画の見直しを進める中で、サービス基盤整備目標量を改めて検討してまいりたいと考えておりますが、お尋ねの国からの通達につきましては、いまだ示されておりません。
なお、病院跡地を活用した施設の整備につきましては、病院跡地利用検討委員会の検討結果を踏まえました上で判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育委員会教育部長(平出衛一君) 教育委員会関係、中学校給食の業者選定についての御質問にお答え申し上げます。
中学校給食につきましては、関係者の御理解と御協力によりまして、昨年9月から2校で先行実施をしてまいりました。本年9月からは、残り8校についても、先行した2校の評価を踏まえる中で、実施の準備を進めております。
御質問の委託業者の選定及び食材の確保につきましては、本市が実施いたします事業でありますことから、中央卸売市場の活用及び市内業者への委託を優先して業者の選定を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(依田敏夫君) 中西 久君。
○中西 久君 お尋ねいたしました質問内容につきまして、どの項目にわたりましても、私が考えているような非常にすばらしい答弁だったと思います。中でも市の職員の早期退職等に関しまして、青少年に大きな夢と希望を与えた答弁は、特にありがたく思います。
まだこの後、私どもの同僚議員の福永議員の質問がありますので、すべての質問に対して的確な御答弁をいただいたということで、また細かいことにつきましては、委員会に譲りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○議長(依田敏夫君) 引き続き、日新クラブの一般質問を行います。福永 稔君。
福永 稔君。
(福永 稔君 登壇)
○福永 稔君 中西議員のユーモアの中にも真実味のあふれる代表質問に引き続きまして、日新クラブの一般質問をさせていただきます。
私個人といたしましては1年ぶりの質問となりますが、この1年間の我が国の政治、経済をはじめとした社会の変貌は、まさに未曾有の変化の年ではなかったかと思うのであります。そこで、この厳しい環境の中で甲府市政のかじ取りをされる山本市長の政治姿勢につきまして、何点か御所見をお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
質問へ入ります前に申し上げておきますが、私がこれからお聞きする質問の根底にあるものは、21世紀は地方主権の時代であることを念頭に置いての質問をしておりますので、市長並びに当局の答弁もそのことを踏まえて御答弁くださることを冒頭にお願いをしておきたいと思います。
第1点目は、市民の皆様方は21世紀を目前にいたしまして、日々不安な気持ちを抱いていることが多くお聞きするわけですが、山本市長はいかなる基本認識をお持ちになって市政運営をされていくお考えなのかをお聞かせ願いたいと思います。
御承知のとおり、我が国は戦後の経済復興に成功し、確かに経済的には豊かになりましたが、その片方では、個人の自立と責任という民主政治が定着しないままにバブル経済の破綻を迎え、経済至上主義への確信が揺らぐとともに、社会の安全神話まで崩壊しようとしているのであります。具体的な事象といたしましては、金融界の闇社会との癒着をはじめ官僚の汚職、膨大な財政赤字、少子・高齢社会に突入しているにもかかわらず、将来の見通しの立たない社会保障システムの不備、さらには本年度中にも4%に達しようとしている雇用不安、医薬・食品等生活環境への不安、農林業崩壊の危機、地球環境の破壊、社会モラルの低下による青少年犯罪の増加等々、我が国はかつてない停滞と閉塞状況にあえいでいるのが実態でありまして、政治、行政、経済などあらゆるシステムは時代の要請にこたえられずに、機能不全に陥っているのが今日の現状ではなかろうかと思うのでありますが、甲府市政の最高責任者であります山本市長は、このような我が国の実情をどのように認識されているのかをお聞かせいただきたいと思います。
第2点目は、時代の変化に応じて策定しました新甲府市総合計画は、ことしで2年目を迎えるわけでありますが、厳しい行財政環境下での新しい行政のあり方につきまして、山本市長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。特に政治と行政の分野において大切なことは、行政の大小のみを論ずることではなく、その役割を根本的に見直す構造革命を断行して、簡素にして効率的な行政をつくることが肝要であるものと考えます。本市におきましても、自主的な行政改革に取り組んできたところでありますが、行政改革の本質は、経済をはじめとした社会の仕組みを、自己管理型のオープンなルールによって動くものに変えていくことに尽きるのではないかと思われます。そのことによって行政コストを下げ、民間の活力が引き出されてくるのでありまして、単なる機構の改編のみを追求することは、真の行政改革とは言えないと思うのであります。
経済の分野におきましては、「経済再建なくして財政再建なし」を基本方針として、あくまでも民間支出主導による自律的経済軌道に諸施策を講ずるべきものと考えます。御承知のとおり、我が国の活力、そして地域生活の安定と発展の基礎は、生産の56%、雇用の78%、企業数の99%を占める中小企業の活動にゆだねられておりまして、産業・雇用の空洞化が危惧されている今日こそ、各種産業の再構築に向けて、これらの中小企業の活動の維持と企業家精神の発揮と起業の喚起が健全な産業社会を育てて、豊かな地域社会を形成するものと思われます。新甲府市総合計画におきましても、新レインボープロジェクトの中で、地域を支える産業の振興策を掲げておりますが、厳しい財政事情下で、地場産業を中心とする中小企業の支援、育成をどのように進められて、いかにしてパワフルな新時代を開いていくおつもりなのか、山本市長の御所見をお聞かせいただきたいものと思います。
以上2点の質問をあえてさせていただきましたのは、このような混迷する時代こそ、市長の時代認識の確かさとリーダーシップが大切になるものと考えるからであります。特に市長在職2期7年ともなりますと、1期目のように、より多くの職員、議員、各界の方々の意見を聞く姿勢から、なれと御自身の自信から来る独断と一部の実力者への傾斜など、人間の持つさがが出始めないかと危惧するからであります。どうか賢明なる山本市長におかれましては、このようなことは心配無用かとも思われますが、今後とも一般市民、職員、議会の声なき声にも意を配る姿勢を継続していただきますことをお願い申し上げる次第であります。まことに軽輩の身をも省みずに僣越なことを申し上げましたが、山本市政のなお一層の継続を願う一人として、あえて述べさせていただいたことを御理解いただきたいと思います。
次に、1月の15日から降り出しまして、翌日の16日まで降り続いた、降雪量で46センチ、積雪量で49センチと、甲府地方気象台開設以来初めての豪雪となりましたときの本市の災害対策と危機対処のあり方について、お伺いをさせていただきたいと思います。
豪雪による被害状況は、報告にもありましたとおり、重軽傷者38名、住宅・車庫等をはじめ農業施設ほかの被害総額は約3億円程度という状況でありました。被害にあわれました市民の皆様方には、心からお見舞いを申し上げますとともに、早期の復旧と行政としての可能な限りの支援を心からお願いをしたいと思います。
さて、本論に入る前に、あのときの経過を振り返ってみたいと思いますが、1月14日、17時30分に山梨県全域に大雪、なだれ、着雪注意報を甲府地方気象台が発表いたしまして、翌日の1月15日、5時30分には大雪警報に変更され、ようやく1月16日の4時に注意報が解除されましたことは、御承知のとおりであります。
この間の本市の対応を地域振興部が作成しました雪害対策活動状況報告書から見てみますと、1月15日、8時から20時まで、建設部道路維持課の補修センターの方々が、長松寺橋付近あるいは荒川左岸1号線ほか、市内13か所の除雪作業の対応をしていただいております。その後も市内各所の除雪作業をはじめ融雪剤の散布、残雪の搬出作業など、献身的な対応をしていただきました。
これらの経過の中で大切なことは、1月16日に臨時部局長会議を開催し、関係部局へ被害状況等の情報収集を指示した後に、1月19日に第2回臨時部局長会議にて、初めて山本市長を本部長とする甲府市雪害対策本部を設置したという行政対応のみでよかったかということであります。
私の第1の疑問は、甲府市雪害対策本部活動規程にいかなる定めがあろうとも、気象台から大雪警報が発令された時点か、あるいは注意報が出された時点での第一次非常災害対策本部の設置ができなかったのかということであります。
第2の疑問は、第一次非常災害対策本部が設置されていなくても、緊急避難的対応として、大雪警報が発令された時点で、建設業協会へ幹線道路の除雪作業の依頼ができなかったかということであります。本件につきましては、平成7年6月定例会にて、我が会派の小野議員からも防災対策の一環として提案されたことを受けまして、甲府市と甲府市建設安全協議会との間にて、災害時における応急対策業務に関する協定が締結されたと聞き及んでおりますが、その内容につきましてお伺いするとともに、平時、非常時を問わず非常に頑張っていらっしゃる補修センターの体制強化策がありましたらば、お聞かせをいただきたいと思います。
第3の疑問は、第一次非常災害対策本部が設置されていれば、時々刻々の状況の把握ができ、市民、農家への情報の徹底が自治会連合会経由等でなされ、少しでも救済ができたのではないだろうかということであります。
第4の疑問は、15日はたまたま成人の日と重なってしまったわけでありますが、当事者の方々は大変な思いをしたものと同情いたしましたが、このときの市民会館周辺の交通渋滞は尋常ではありませんでした。大雪警報も発令されていたことでしたし、本来ならば、行政としては自然災害防止と交通事故防止という観点から、中止か延期かの対応も検討すべきではなかったかと思われるのであります。
私がなぜこのことを問題視するのかと申しますと、阪神大震災の教訓と、その後の市議会定例会におきまして各議員から指摘あるいは提案された内容が、果たして生かされていたでしょうかという懸念が強いからであります。まさに「のど元過ぎれば熱さを忘れる」ではありませんが、阪神大震災時の村山総理大臣のように、「何分にも朝も早くて初めての経験でしたから」では、いつ、どのような規模で発生するかわからない自然災害に対処することができるはずはありません。
御承知のとおり、国におきましては災害対策基本法、各自治体におきましては、災害対策本部活動規程等が整備されているわけでありますが、これらの法律には、法があらかじめ想定していなかった事態で、かつ市民の生命、身体や財産を守るための危機対処法は全くないと言っても過言ではないのが実態であります。
私は、このたびの大雪のような自然災害の対処法のあるべき姿としては、一つとして、注意報が発令された時点で、担当部局は今後の降雪状況等の情報を収集し、大雪警報とともに非常災害対策本部を設置をして、初期の対応として建設業協会へ県、市道などの幹線道路の除雪作業を依頼し、何があっても対応ができるように、主要交通網は常時確保しておくこと、二つ目として、非常災害対策本部は、気象台、警察、消防、各自治会連合会、ライフライン、民間企業等との連絡体制を確立して、情報の収集と、市民に対しては、公衆用道路、私道の除雪、農家に対しましては、雪害防止のための対策をそれぞれ自己責任にて行うようにお願いをすること、3点目といたしましては、非常災害対策本部は、その都度必要に応じて情報を市民並びに関係者に流すとともに、被害状況等の対処をしておけば、何日もの間道路端の雪が解けずに苦労することはなく、農家の被害も少しは減ったものと考えます。
いずれにいたしましても、いつ、どのような規模で自然災害は発生するかわかりません。平時から非常時における危機対処法を整備しておく必要があるものと思われます。当局の今回の対応と今後の危機対処に対する基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。
次に、新病院開設に伴う諸準備につきまして、お伺いをさせていただきたいと思います。
御承知のとおり、平成1年11月の開院を10か月後に控えまして、過日も新病院特別委員会のメンバーの一人として工事現場を見学をさせていただきましたが、工事工程の進捗は順調に推移しているとのことでしたので、竣工までの無事故を祈りながら工事現場を後にしてまいりました。また、モデルルームの見学から想定をいたしますと、市民の方々にも十分に納得をいただける病院が完成するものと確信をいたしますが、器はよくても魂入れずでは困るという立場から、何点か質問をさせていただきたいと思います。
その一つは、何と申しましても、待ち時間をはじめとする診察時間の総合的短縮がどの程度図れるのかということであります。新病院は総合的にも機械化が進み、近代的な総合病院として開院となるわけでありますが、市民の方々の苦情の中で最も多いのが、診察受付から診察待ち、診察、薬剤受け渡し、会計までの過程で、診察は短く、その他の時間が長過ぎることに対する苦情であります。新病院ではどのような内容が改善されて、どの程度現状と比較しまして待ち時間の短縮が図れるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。もちろん、患者さんの診察内容によって診察時間は異なるわけでありますので、診察時間を除いた時間だけで結構でございます。
次に2点目は、新病院は近代的な情報管理システムが導入されるわけでありますが、これらの機械化対応に職員の方々がどのように対応されていくのか、その事前研修の内容についてお聞きをしたいと思います。御承知のとおり、機械化のメリットは、患者さんの個別データ管理から薬剤の投与あるいは会計まで、さらには個人の守秘義務にかかわることから、病院経営の総合管理までの非常に広範な範囲にわたるものと考えられますが、それらの技術対応と申しましょうか、マニュアルの整備から情報処理習得訓練等の事前の研修がとても大切になるものと考えられますが、どのような研修内容をいかなる日程で行われているのかをお聞かせいただきたいと思います。
第3点目は、近代的な総合病院にふさわしい生き生きとした魅力のある医師集団の形成についてであります。御承知のとおり、病院自体は看護婦さんをはじめ多くの専門職と一般職の方々により運営をされているわけでありますが、何と申しましても、病院の核になる集団は医師の先生方の資質による力が大きいものと思われます。例がよいか悪いかは別といたしまして、一連の官僚の不祥事で問題となっています大蔵省などは、東大卒一辺倒であるために、同窓の先輩・後輩という関係の中で、問題が生じても外部に知られることなく処理してしまう体質となっているのではと思われるのであります。これからの総合病院に求められるのは、出身大学には多様性があり、医師同士が互いに競い合いながら研さんして、活力と魅力のある医師集団を形成することに尽きるものと思われますし、また、そうしなければ病院の経営にも影響が出てくるんではと危惧するからであります。そのような意味合いからも、新たなる血の導入ではありませんが、一、二の官立大学出身者ばかりでなく、医師の出身大学は私学を含めて多様性のある採用が必要ではないかと思われるのでありますが、現在の採用実態と将来の採
用計画の基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
4点目は、新病院建設に伴う周辺地域整備の状況についてでありますが、病院へのアクセス道路の整備の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
いずれにいたしましても、新病院は280億円の貴重な税金を投じて、甲府市民のみならず近隣町村の住民の方々の生命と健康を守る医療の中核基地となるわけでありますので、開院までには多くの困難と関係者の御苦労も多いものと推察をされるわけでありますが、万全の諸準備と体制の確立を期していただくことをあわせて要望しておきたいと思います。
次に、特に最近マスコミを賑わしている暗く陰険な青少年犯罪の未然防止と教育のあり方についてお伺いをいたします。
青少年犯罪を情報誌から拾い出してみましたところ、いじめ、不登校、援助交際、薬物使用、テレクラ、突発的殺人致傷、校内暴力、駆け込み寺となった保健室、アダルトビデオ、教師の体罰等々数え上げれば切りがないほどであります。私はここで一つ一つの事象について論じ分析するつもりも資格もありませんが、問題となりますのは、これらの事象に対する教育界をはじめとする我々大人たちの対応の仕方であります。
例えば、最近の痛ましい事件となりましたバタフライナイフを使用して女性教師を殺傷せしめたことの対策といたしまして、我が甲府商業高校では、バタフライナイフを所持しないことを生徒自身が申し合わせて宣誓したとのことでありますが、不所持宣誓自体は悪いこととは否定はいたしませんが、事の本質論から考えますと、何ら根本的な対策とはなっていないものと感ずるのであります。
私も一時期PTA活動の一端を担っていた一人として感じますことは、確かに何も問題のない学年でありましても、どのように判断してよいのかわからない突発的な事件に直面したこともありました。しかし、このときもそうでありましたが、なぜこのような事件が起きるのかという分析は、学校でも家庭でも、ましてや地域社会でもできなかったのであります。それはなぜかと申しますと、全国各地で発生する少年犯罪にも言えることでありますが、少年犯罪は少年の人権を尊重する余り、具体的な内容は一部の司法関係者が知るのみで、社会へは知らされないのが実態だからであります。このような実態であるために、一連の少年犯罪に対する対策は、例えば町と大学がスクラムを組んで親向けのいじめ講座を開設するとか、あるいは児童福祉法の強化で援助交際を売春防止法より厳しくしたとか、さらには登校拒否者も中学3年時に中卒認定試験をパスさせるとか、麻薬取締官OBが中高で薬物危険授業をしたとか、自殺予告に県教育委員会が対応マニュアルを作成したとか、等々教育の根源的な対策ではなく、国も各自治体の教育委員会も規制を強化するのみの対策しかとれないのが、悲しいかな我が
国の教育の実態なのであります。
そこで、教育委員会に質問でありますが、市内各校におけるいじめ、不登校、薬物使用、校内暴力、保健室への駆け込み等の実態を、どのように把握をされ、いかなる分析と対策を講じておられるのかをお聞かせいただきたいと思います。
次に、これらの事件は市内各校で発生しているものと聞き及んでおりますが、教育委員会や各校のメンツなのか、あるいは少年法との関連なのかは不明ではありますが、マスコミ問題とならない限りは父兄に知らされないのが実態であります。それぞれの立場や実情は理解できないこともありませんが、今日のように混迷する社会におきましては、学校、家庭、地域社会が共通の実態認識を持って、それぞれが自己責任に基づく対応とよき社会モラルを形成するためにも、学校で起きた諸問題は隠さずに情報公開すべきものと考えますが、教育長の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
第3点目は、教育現場の先生方の指導力と申しましょうか、教師という聖職に対する認識が低下傾向にあるのではないかということであります。今日の先生方、あるいは一般社会にも共通して言えることかもしれませんが、いわゆるエリートのレール上を歩まれてきた方々は、みずからが極限状態や危機対処の場に直面したときには、人間的な訓練が足りないために、どうしても弱くてもろいのではなかろうかということを危惧するのであります。
そこで、これらの対策でありますが、先生方にも各種の教育研修があることは承知をしておりますが、今、先生方に求められているのは、人間としての包容力のあるたくましさではないでしょうか。そのためには従来の研修に加え、全く職種の異なる民間企業への派遣や、青年海外協力隊などへの参加など、初期の期間にいろいろな仕事を経験させるとともに、幹部教職員には自治会定例会等への参加などを行わせて、人間としての幅を広げるための研修、いわゆる外の世界を知る研修制度が必要ではないかと思われるのでありますが、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
以上お聞きしました内容は、現状における実態と対策についてでありますが、本質的な論議に入らせていただきたいと思います。
私の結論から申し述べさせていただきますと、従来から主張してまいりましたとおり、「誇りなき国家に未来はない、歴史教育こそ我が国の将来を決定する」ということであります。私は人間だけが子育てや教育で悩む生物であると思いますし、また、なぜ悩むかと申しますと、それは、教育が破綻すれば、あすの生活が維持できなくなることを知っているからにほかなりません。人間は他の生物のように世代ごとに全く出発点から繰り返すことはできないのでありまして、先代の積み重ねの上に新しい世代が生きていくことができる唯一の生物でもあります。
そのためにはいかにして積み重ねを継承していくのかと申しますと、それは学校や家庭、そして社会における教育によって初めて成り立つものだと思われます。特に初等教育は治安を左右する重要な教育でありまして、子供たちにみずからの生まれてきた国と社会に愛着を持てない教育をしていれば、国の治安は乱れるに任され、だれも国を守り治安を守ろうとしなくなるのが当然の帰結ではなかろうかと思われるのであります。
この国と社会に対する愛着はどのようにして生まれるのでありましょうか。それはとりもなおさず歴史教育からであります。つまりは父、母、または祖父母の時代の物語からであります。この物語の中にこそ、自分の存在がだれの世話も受けずにここにあるのではなく、御先祖のおかげとしてここにあるのだという実感と感謝の気持ちをくみ上げる源になるのではないでしょうか。ここに初等教育における近現代史教育の重要性が生じてくるのであります。
私たちには私たちの祖国の歴史と物語があります。その歴史を取り戻して、我が国の精神と未来を担う青少年に受け継いでもらわねばならないときに、昨年の4月に中学生に配布された歴史教科書は、戦後の東京裁判史観とコミンテルン史観の混合物とも言える反日的で自虐的な日本断罪の記述で貫かれているのであります。ある市の補導員をしている方が、シンナーを吸引している少年を指導しましたところ、少年たちは、「昔の大人はもっと悪いことを戦争でしてきたくせに、おれたちに注意する資格があるのか」と反論してきたとのことでありました。その言葉は、青少年たちのモラルの崩壊でありまして、その言葉を発した結果には必ず原因があり、この子供たちの状況が、我が国の歴史の悪いことばかりを強調している歴史教育と無関係にあるはずがないと私は確信をするのであります。
しかしながら、我が国を支配する空気は戦前への断罪でありまして、戦前を断罪することにより、みずからの良心のアリバイ証明とする風潮の中では、この空気に反抗を試みることは極めて困難なことでもあります。山梨県教育を考える会が請願している中学校歴史教科書から従軍慰安婦の記述を削除する請願も、この空気に左右をされて、採択されずに継続審議になっているのであります。青少年に対する反日教育は必ず反動が出るのでありまして、先日閉幕しました長野オリンピックで、あるいはさきに行われたサッカーのワールドカップ予選では、学校で国家を歌わされなかった青少年たちが、声高らかに「君が代」を大合唱していた姿は、まさに反動としての愛国心が、あるいはナショナリズムが発露した現象ではないでしょうか。みずからの生まれた国を愛せない国民が、みずからの家族や学校や地域社会を愛せるはずがありません。本件に関する民生文教委員会での請願採択へ向けての真摯なる討議をお願いしますとともに、教育長の御所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
次に、小瀬スポーツ公園周辺の道路網の整備につきまして、当局の基本的なお考えをお聞きするとともに、地元の推進協議会設置に対する協力を要請したいと思います。御承知のとおり、山城地区内にあります公的施設は、小瀬スポーツ公園をはじめといたしまして、来年1月に開設となります市民病院を加えますと、市内はもとより近隣市町村からの交流人口の増加が予想されますとともに、将来的にはリニア中央新線の新甲府駅などを想定しましたとき、一層の交流人口の増加要因が予想され、将来を見据えた早期の周辺交通網の整備が必要不可欠な状況にあります。
当地は現状におきましても、スポーツ人口の増加に加えまして、各種競技会やイベントをはじめ、桜の鑑賞、高校野球などの定期的な行事が年々増加傾向にありまして、年間の施設利用実績は延べ百数十万にも達しております。その来場者のほとんどは自家用車であるために、その方々の出退時における交通の渋滞は、近隣住民の生活に大きな影響を与えまして、まさに近隣住民の不満と憤りは日ごとに増すばかりにあるのが実態であります。また、ヴァンフォーレ甲府のホームグラウンドとしての施設整備も県にて決定されましたことから、現在の交通渋滞に一層の拍車が加わることが予想されております。
公共施設を建設する場合には、10年から20年後を想定して、まずはアクセス道路の確保を図り、その上で施設整備を進めるのが都市計画の基本ではなかろうかと考えるのでありますが、最近では施設用地の確保が先行し、その後にアクセスを考える状況が各地で見受けられます。その要因は、確かに用地交渉上の問題もあるものと考えられますが、将来的なまちづくりの基本と道路網の整備という視点が、行政側に欠如しているからではないでしょうか。
当面する交通渋滞の対策といたしましては、現在も途中でとまって、付近の住民に大変な迷惑をかけている山城バイパスを、東は石和町へ、西は大里町へ抜けるようにするとともに、かけかえが計画されている中道橋とリンクして、山城地区を南北に抜ける幹線道路をつくり、さらには幹線道路からの枝道となる市道を整備することが急務ではなかろうかと思うのであります。このことは単に山城地区住民のみのためではなく、スポーツ施設あるいは市立病院を利用する近隣の住民にもありがたく思われ、ひいては中核都市構想を掲げる甲府市にとりましても、大きな前進になるものと確信する次第であります。
山城地区自治会連合会では、これらの現状を踏まえまして、小瀬スポーツ公園周辺整備推進協議会を近々設立し、目的達成のための諸活動を進める運びとなりましたが、いずれにいたしましても、厳しい県、市の財政状況の中での取り組みになるとともに、息の長い運動になることも予想されますが、行政当局の後押しと御指導がなければ、徒労に終わることにもなりかねません。甲府市の将来の都市計画と山城住民の真意をおくみ取りいただきながら、当局の御所見と見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
最後に、超高齢社会への突入を目前に控えまして、本市における福祉の先取り行政のあり方につきまして、当局の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
先ほど私ども日新クラブの代表質問におきまして、中西議員より市立病院跡地を活用した特別養護老人ホーム設立の必要性につきましては、るる説明がありましたので、その内容には触れませんが、私どもの会派が行いました老人福祉行政の先進地視察から感銘を受けた内容を述べさせていただき、今後の福祉行政のあり方を考える参考となればと思います。
我が会派では、会派結成以来毎月1回の勉強会を開催して、基礎的な行政知識の修得と議員一人ひとりの政策立案能力の向上を図る努力を継続しておりますが、先週の25日と26日にかけまして、長野県の北御牧村の社会福祉法人、みまき福祉会のケアポートみまきと、佐久市の特別養護老人ホーム相生荘の2施設を行政視察をさせていただきました。
北御牧村のケアポートみまきは、平成7年4月に北御牧村と周辺町村の熱意に基づきまして、財団法人日本船舶振興会、現在の日本財団でありますが、の高齢者福祉モデル第3号といたしまして、建設費25億円をかけて建設された保健・医療・福祉の総合施設として、4万5,000平米の広大な敷地内に、温泉診療所、医療総合相談窓口、特別養護老人ホーム、ケアポートみまき、これは長期が50床、ほか短期が10床程度の施設であります。さらには温泉アクティブセンターとしての健康増進施設を有する、まさに理想的な施設でありました。
もう一つは、佐久市の特別養護老人ホーム相生荘でありますが、この施設は、当市の桜井寮と同様の施設でありましたために、これといった特別なものはありませんでしたが、6万5,000人の市民でありながら、既に100名を超える入所待機者がいることにかんがみまして、将来は統廃合をした学校跡地へ100床の特別養護老人ホームを、公設民営での建設計画があるとのことでありました。
今回の視察で感銘を受けたことは、人口5,500人、1,500世帯の北御牧村が、村内から温泉がわき出たことから、住民が十分に論議の上に建設を決意しまして、その住民の合意に基づいて行政が計画を立案し、これらの施設の建設が可能となった経過でありました。当然のことながら、建設までには財源や土地の問題をはじめ多くの問題があったものと思われますが、県からの財源引き出し、病院、大学及び建設デザイナー関係者等々の専門家の有効活用などの諸対応を、役場の職員が中核となって推進していたことでありました。さらには、村内の220名の老人の方々一人ひとりのケースを把握するために、村内全世帯を双方向CATV、国土庁の補助事業で確保するなどは、結果としてケアポートみまきがそこにあったために得られた相乗的な援助でもあると思われます。
これらの説明を施設長から受けている中で特に印象に残りましたことは、保健・医療・福祉の連携という言葉は、言葉としてよい響きを持ってはおりますが、その実態は非常にどろどろしたものであり、情報の共有化をはじめとして行政職、法人職員、ホームヘルパーの一体化など、民間的発想をもって対応することが大切であり、従来の既成概念を打破していきながら、新しいことへ挑戦する意欲、アイデア等などの検討に7年を費やし、施設開設後も赤字経営を黒字経営とするのに3年間という短期間でなし遂げたとのことでありました。また、今後もこの施設を情報発信の基地として、来るべき介護保険制度も制度自体を積極的に活用していくという前向きな姿勢にも感動されました。
私たちは、甲府市老人クラブ、湯田・伊勢両地区から出された市立病院跡地を特別養護老人ホーム兼痴呆棟として活用を求める請願書は、時代をまさに先取りした請願であると思いますし、北御牧村のようにまさに住民の発意による請願であるのであります。この住民の要請を受けて、行政が知恵を出すことが今日の福祉行政に求められているのではないでしょうか。超高齢社会への突入を目前に控えまして、さらには、今でも特別養護老人ホームへの入所希望者が、200名近い方々が1年以上待機していらっしゃる現状を考えましたときに、請願採択が幾ら早くても市民の皆様方から非難を浴びるということはないものと確信を深めました。さらには、現実を直視し、時代の先を読む議会人でありたいものと痛感した視察でありました。当局の前向きな御所見をお伺いしたいと思います。
以上で私の第一弾の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 福永議員の御質問にお答えいたします。
まずはじめに、政治姿勢についてでございますが、戦後五十有余年が経過し、我が国はかつて類を見ない少子・高齢化の進展、経済構造の変化、国民の価値観や生活様式の多様化など、さまざまな分野における構造的な変化に直面をいたしております。景気回復と経済の安定成長、保健・医療・福祉の各分野にわたる新たなシステムの構築、偏差値重視の教育システムからの脱皮、画一でなく特色ある地域を形成するための新たな国土軸の模索と首都機能の移転、各種規制の緩和と行財政改革などの行政課題を抱えて、21世紀という時代への航海を始めようとしております。
過日の橋本首相の施政方針演説では、「力強い日本経済、自立した個人と社会の連帯、かけがえのない環境、国土と伝統文化、暮らしの安全と安心などを柱に、引き続き6大改革に取り組む」といたしております。
私は所信表明でも申し上げましたが、これからの10年間、20世紀末から21世紀初頭にかけまして、既存の社会システムが改革をされ、新たなシステム構築へと大きく変動する時期にあると強く認識をいたしております。
こうした社会情勢のもと、平成10年度は新総合計画の2年次となりますが、10年度は将来に向かってのパワフルな新時代を築くきっかけの年度と位置づけまして、厳しい財政環境の中にあっても、勇気を持って臨んでいくことが必要であると考えております。新総合計画の理念であります「回復・交流・育成・・・そして未来へ」を実現すべく、私は引き続き「市民による市民のためのひらかれた市政」「思いやりと人の痛みのわかる市政」を基本に置き、公平無私をもって市政執行に臨み、地方主権と言われる新世紀に向け、自立できる自治体としてさらなる市民生活・福祉の向上と、そして愛する郷土・甲府と盆地一帯のまちづくりのために、全力で取り組んでまいる考えであります。今後とも市民並びに議会の皆様の温かい御支援と御協力をお願い申し上げる次第であります。
次に、地場産業を中心とする中小企業の支援、育成についてでございますが、本市の地域経済の担い手である地場産業につきましては、農林業、観光、商業等の全産業のリーディング産業として、歴史と伝統、そして卓越した技術に培われて、現在に至るまで発展、推移してまいりました。本市といたしましても、各種商工業団体の組織強化や甲府ブランドの確立を目指す「輝きの祭典」の開催、先端技術の活用による工業高度化の促進など、業界の振興に対しても積極的に支援を行ってきたところであります。また、厳しい経済環境が予測をされておるところでありますが、中小企業者の経営の近代化、経営基盤の強化のため、中小企業振興資金を有効的に活用するとともに、地場産業を中心として、観光、商工業、農林業等の各種産業と一体となった振興を図るため、その一環として、平成10年度は「輝きの祭典」「大好きまつり」「農林業まつり」などを中心として、甲府ウイークの創出を行い、産業界全体の活性化や育成強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、雪害等災害防止対策についての御質問ですが、本市においては、災害対策基本法に基づきまして、甲府市地域防災計画を策定し、市民の生命、財産を災害から保護するために万全を期しているところでありますが、今回の降雪は、62年ぶりという記録的な大雪となり、農業関係をはじめ市民生活にも多大な影響をこうむりました。自然の脅威というものを思い知らされるとともに、これを教訓といたしまして、雪に関する対応もさらに強化していかなければならないと感じたところであります。
今回、本市では、いち早く1月15日の早朝から建設部職員による懸命な努力と、限られた機動力を最大限に発揮し、市内幹線道路の除雪作業、融雪剤の散布等積極的な対応を図ったところであります。また、16日には雪害対策に伴う臨時部局長会議を開催し、市内の被害概況等の調査を指示するとともに、特に被害の大きかった農業施設の現況視察も行ったところであります。予想外の被害のため19日に雪害対策本部を設置し、 地域連絡員による被害状況調査と、職員延べ500名によります中心幹線道路の残雪搬出作業及び各自治会連合会への融雪剤の配布を行ったところであります。こうした状況を踏まえまして、被害にあわれた農業関係者の支援策といたしまして、新たに甲府市雪害緊急特別資金融資制度を創設をいたしました。
災害時における応急対策業務に関する協定につきましては、甲府市建設安全協議会と2月の24日に締結をいたしたところであります。協定の内容につきましては、地震、風水害、雪害等を含めたあらゆる災害が発生、または発生のおそれがある場合に、本市が管理する河川、道路、建物等の機能確保及び早期回復を図ることを目的といたしております。今後は今回の雪害を教訓に、初動体制の強化、各種災害に対するマニュアルの早期作成、防災行政用無線の効果的運用を図り、災害の防止、被害の軽減に努めてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。
○福祉部長(櫻井 稔君) お答えをいたします。
市立病院跡地への特別養護老人ホーム等の建設についての御質問でございますが、本件につきましては、先ほどの中西議員にもお答えいたしましたように、新年度には高齢者保健福祉実態調査を行う中で、介護保険事業計画を策定することになっております。介護保険制度の趣旨は、御案内のとおり、在宅サービスを重点に置いております。お尋ねの施設整備計画につきましては、今後、国、県の御指導を得ながら介護保険事業計画策定の中で明らかにしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○建設部長(松本康成君) 建設部関係の3点の御質問にお答え申し上げます。
まず、補修センターの体制強化についての御質問でございますが、補修センターはすぐやる業務を基本理念に、市道等の維持管理を目的として、市民の安全確保に努めておりますが、今回の雪害を教訓に、補修センターを中心とした甲府市道路除雪マニュアルの作成など、緊急時の市民生活の安全確保ができる対策と、市民ニーズの多様化に伴う要望等にも的確に対応すべく、組織体制を充実強化してまいります。
次に、新病院へのアクセス道路の進捗状況と今後の見通しについての御質問でございますが、新病院への主たるアクセス道路である増坪1号線は、総延長1,600メートル、幅員16メートルでありまして、平成8年度より事業に着手しております。現在の用地買収面積は全体の約34%であり、本年度工事として増坪交差点の改良工事を行っているところでもあります。今後におきましては、残りの用地買収を積極的に進めるとともに、平成10年度までには、新病院の中央を通っている市道増坪4号線に接続すべく道路改良工事を行ってまいります。
次に、小瀬スポーツ公園周辺の道路網の整備についてでございますが、小瀬スポーツ公園周辺の道路網の整備につきましては、交通混雑を解消する方策として、山城バイパスと称する中上今井線の道路改良事業をはじめ、新病院へのアクセス道路として、甲府バイパスから増坪1号線の道路改良事業を行い、病院建設による交通混雑を軽減すべく、道路網の整備を図っているところであります。
なお、御提言の道路網の延長及び新設しての整備につきましては、現在県で進めております新山梨環状道路、リニアエクスプレスの新駅等の動向を見ながら検討をしてまいります。
以上でございます。
○市立甲府病院長(小田島弘明君) 病院関係数点の御質問のうち、医師の現在の採用実態と将来の採用計画についてお答えいたします。
現在、当院の医師は、信州大学をはじめとし国立大学8校、私立大学4校の出身大学で構成しており、採用につきましても、国公立、私立を問わず有能な医師の確保をすべく実施しております。
また、新病院において新設する3科につきましては、脳神経外科は信州大学、歯科口腔外科は東京医科歯科大学、精神科は山梨医科大学より採用を予定しております。今後、有能な医師の確保を図る中で、出身大学を問わず地元出身者を積極的に採用してまいりたいと考えております。よろしく御理解を賜りたいと思います。
○市立甲府病院事務局長(影山正次君) 新病院におきます待ち時間の短縮と、新病院の情報管理システムの事前研修についてお答えをいたします。
まず、新病院における待ち時間の短縮につきましては、現在の外来窓口業務は機械化により合理化を図っておりますが、診療内容を窓口で伝票入力をする方法であるため、入力人員の効率的配置や院外処方箋の推進による短縮化を図っても、一定の待ち時間が必要となっております。新病院におきましては、医療情報システムの導入により、各部門の入力が可能となるとともに、薬局、検査等への伝達、指示を迅速に行うことが可能となり、患者への負担も軽減されます。また、会計窓口においても、データ取り込みが直接できるようになる等、患者の待ち時間が短縮されるものと考えております。
次に、新病院の情報管理システムの事前研修についてお答えいたします。新病院の情報システムの事前研修につきましては、システムの構築に合わせまして、段階的に行っております。平成9年におきましては、10月及び2月に看護部を120名を対象として、パソコン機器及び基本ソフトウェアの基本的な操作方法についての研修を行いました。平成10年度につきましては、7月から9月にシステムの使用方法についての研修を行い、10月から2月に実際に使用する情報システムと機器を用いて研修を行う予定であります。新病院竣工後は、新病院における運用と情報システムの動作確認のため、職員を患者に見立てたリハーサルを行い、万全なる体制で開院を迎えるよう努力してまいります。
以上でございます。
○教育長(金丸 晃君) 教育委員会関係の御質問にお答えをいたします。
まずはじめに、いじめ、不登校、校内暴力等の実態とそれへの対策についてでございますけれども、市内の小中学校の児童・生徒のいじめ、不登校、校内暴力等の実態につきましては、いじめの件数や、それからシンナーや薬物乱用で補導された件数は減少しておりますが、そのうち薬物につきましては、その有害性などあらゆる機会をとらえまして生徒指導を行っております。
不登校につきましては、小学校ではやや減少、中学校ではやや増加の傾向にあります。その原因といたしましては、神経症的あるいは怠けの怠学傾向、家庭の事情等さまざまでございますけれども、県のスクールカウンセラー、それから市の顧問カウンセラーの活用や関係機関との連携を図る中で、一人ひとりの状況に応じた指導を行っているところでございます。
また、保健室登校や校内暴力は増加の傾向にありますけれども、社会の変化とともに価値観も多様化しており、生徒指導も大変難しくなっております。このため、家庭や地域の団体、関係機関との連携を図りながら、生徒指導にあたっては、当然のことですけれども、教職員が共通の理解を図り、一丸となって取り組むように努めております。
なお、これらの情報公開につきましては、児童・生徒の人権にかかわるような事柄でもありますので、その状況に応じて判断をしてまいりたいと考えております。
次に、教師の養成対策についての御質問ですけれども、教育上、教師の社会体験の重要性がこのところ強調されております。県や国の段階でも、社会体験等の研修の充実が図られつつあります。御案内のように、いわゆる初任研、初任者につきましては、教師としての資質や能力の向上を図るために、1年間の研修が義務づけられ、その研修内容の一つに企業体験研修が取り入れられ、民間企業における厳しさを体験し、教師としてのあり方、仕事に対する責任と誇り、それを持たせるようにしているところであります。また、県教育委員会においても、中堅教員を1年間にわたり企業において研修させる制度がありまして、多くの成果を上げつつあり、甲府市内の教師も8年度に2名、それから本年度、9年度に1名がその機会を与えられ、研修結果を学校現場に生かしているところであります。また、甲府市教育委員会でも、甲府の教育を担う中堅教員のために、総合教育研修講座を設けまして、その研修の中で企業で働いている方々の様子を視察、研究ということを実施いたしまして、教師の指導力の向上を図るための努力をしているところであります。今後も御指摘のような、時代の要請にあった研修
内容の充実を図りまして、教師の資質の向上に努めてまいります。
次に、歴史教育への取り組みについてのお尋ねですけれども、先ほど開催されました長野オリンピックでは、数々の感動する場面がありまして、国民一人ひとりが日本人であることを強く意識したものと思います。
ところで、学校では国際化が進む中で、児童・生徒に我が国の文化・伝統を尊重する意識を育成するとともに、温かい人間愛の精神を育て、他の人々に対しまして感謝と思いやりを持つこと、それに重点を置き指導を行っております。特に社会科におきましては、歴史や文化、伝統に対する正しい理解を深め、国際社会に生きる日本人としての資質の育成を目指しているところでありまして、平成10年度には、「思いやる心の育成」を甲府市学校教育指導重点として掲げ、道徳教育の充実による規範意識の確立を図るとともに、今後もしっかりした歴史認識を持ち、日本人であることを自覚するとともに、国際人として活躍できるような児童・生徒の育成を目指した教育の推進に努めたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。
○議長(依田敏夫君) 福永 稔君。
○福永 稔君 市長をはじめ当局の各責任者の方々に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。まだ若干時間があるようですので、再質問をさせていただきたいと思います。
まず第1点目は、先ほど雪害対策につきましては、市長をはじめ建設部長の方からも前向きな御答弁をいただきましたが、確かに雪と申しますのは、これはなかなか私どももなれないものでありまして、どうしても雪国と違って、対応に遅さとか、わからないとかということが多く見受けられると思いますが、そういう意味で、私どもといいますか、今までの議会で提案をされたことを受けまして、甲府市建設安全協議会との間で協定を締結して、そういう対応をしていただくということにつきましては、たまたま、きょうまた、あしたにかけまして大雪警報が出ていることですから、その辺の対応の実態をじっくり見させていただきたいと思いますが、その中で、非常に私も質問の中で申し上げましたとおり、補修センターの方々が非常に少ない人数で対応していただいて、市民の方々からも非常に感謝をされているわけですが、補修センターの強化対策というようなお話がありましたが、その辺の具体的な内容をもしお示しをいただけるのでありましたらば、お示しをいただきたいと思います。
それから、2点目は、先ほど教育委員会の方から御答弁も、非常に従来と違って、若干私は理解ができる御答弁をいただいたと思いますが、そういうような社会環境の中で、現場で携わる先生方の御努力というのは、確かに大変だと思います。
私の親戚にもおりまして、中には中学校なんかでは、登校拒否が生徒でなくて先生が最近多くなったと。結局、学校へ行くのが苦痛になったという、どうして対応していいのかわからないというような声も聞きます。そういう確かに、果たして私どもが、じゃ、その現場に直面した場合に、適切な対応がとれるかとなりますと、疑問もありますが、私の場合はやはり西郷南洲隆盛が申しましたとおり、弱い者にはやさしく、いじめを行う者にはやっぱりそれに反抗する精神を持てというような教育方針が薩摩隼人にはあるわけですが、いずれにいたしましても、教師の社会体験といいますか、私が申し上げましたように、井の中の蛙でなくて、大海を知っていただくことが、非常にこれからの生徒と接する上で重要なかぎになってくるものと思われます。先ほどお話をお伺いした中には、民間企業へも平成8年で2名、平成9年で1名と、実態から申しますと、まだまだ少ないような感じがするわけですが、ある意味では初年度にもう義務的に、1年などと言わずに2年ぐらい行っていただくような体制が、これは県教委との関連性もあろうかと思いますが、もし御所見がありましたら、お聞かせいただきたい
と思います。
以上です。
○建設部長(松本康成君) ただいま福永議員さんの方から、補修センターの充実拡充ということで、業務につきまして、いろいろの議員さん方からもお褒めの言葉をいただいておりまして、まことにありがとうございます。
今回の充実拡充につきましては、今、補修センターは22名の体制で行っているわけですけど、その間、市民の御要望も多々ございます。それで、5班体制でやっているわけでございますけど、今回は6班体制の体制で、より多くまた市民の御要望におこたえすべく対応を図ってまいりたいと考えております。そのほか重機の補充等も行います。
以上でございます。
○教育長(金丸 晃君) 御意見ありがとうございました。おっしゃるとおりでございまして、教師の体験実習、これは非常に大事ですので、これから県教委その他関係方面とよく協議をいたしまして、多くの実習、実験ができるように努力をしてまいりたいと思います。
御案内のように、これは教員の養成、それから採用、それから研修と、これは一連のものでございまして、大学の教員養成の方も、教育実習を時間数をふやして実践的な研修をすると、学習をするというように変わりつつあります。非常に大事なことですので、繰り返しになりますけれども、関係機関とよく連携をとりながら、研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(依田敏夫君) 福永 稔君。
○福永 稔君 ありがとうございました。
いずれにいたしましても、私も先ほど来申し上げましたとおり、さらには、市長並びに当局の時代認識もある意味では一致しておりますが、その対処法と申しますか、マニュアルと申しましょうか、これがこういう混迷する時代には特に検討が求められているのではなかろうかと思います。ともに行政当局と議会人が力を合わせて、この難局を市民の御協力をいただきながら乗り切ることが肝要かと思いますので、これからもともに頑張りたいと思います。どうもありがとうございました。
○議長(依田敏夫君) 暫時休憩いたします。
午後2時59分 休 憩
午後3時30分 再開議
○副議長(細田 清君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。
政友クラブの代表質問を行います。山村勝一君。
山村勝一君。
(山村勝一君 登壇)
○山村勝一君 3月定例会にあたり、政友クラブを代表して、提出議案並びに市政一般について質問をいたします。
まずはじめに、21世紀を間近に控え、時代はまさに変革の時を迎えております。市長は所信表明の中で、「景気の低迷、金融不安、少子・高齢化、さらには財政構造改革など、行財政面から市政運営は非常に厳しく、本市を取り巻く環境は大きく変化している」と述べておられます。このような状況の中、市長にはみずからの責任において、社会・経済情勢の変化に柔軟かつ弾力的に対応できる住民福祉の向上と、個性的で活力ある地域社会の構築に向けて、施策の展開を強く求めるものであります。
そこで、まず自主財源の確保面から、10年度予算に係る財政関係等から質問してまいりたいと思います。日ごろより本市財源の中心をなしております市税収入の確保のため、日夜御奮闘されている市長をはじめ関係する職員の皆さんには、心から敬意を表するとともに、昨今の厳しい社会情勢の中ではありますが、常に公平、公正の立場に立って、引き続き税収確保に取り組まれるようお願いして、質問に入らせていただきたいと思います。
まず、本市の平成10年度の予算に係る税収についてお伺いいたします。
国における景気対策については、今さら私が申し上げるまでもなく、無節操な対応であり、諸外国からちょっとクレームがつけば、公共投資のあり方、前倒しの前期8.5%消化等、さらには当初単年度実施計画であった特別減税について、継続して行う等々、今日の経済活動への対応については、こうした場当たり的で短絡な対応が我が国の経済改革であり、将来にわたっての景気対策であるかどうか、疑問を抱かざるを得ないのではないでしょうか。こうした不透明な景気見通しの中で、国民が信頼して預金していた銀行の倒産、さらには株式一部上場企業等の倒産は、国民にとってこの上ない不安材料の中で、消費活動を期待することは無理なのではないでしょうか。
このような景気低迷が続く今日、本市の市税収入にも影響が現実化されているものと思われます。10年度予算は、法人市民税の先行き見通し、さらには個人市民税の対象となるべき課税客体の落ち込みは想定されるところでありますが、申告を今受け付けている最中で、見通しを明確にすることはできないと思いますが、感触としてどう受けとめているのか、お伺いいたします。
さらに、市税収入の現年度収入見込額でありますが、調定額に対しての収納率を、平成8年、平成9年の実績収納率と対比して、平成10年度の見込み収納率をどのように積算しているのか、また滞納繰越分についても、税の公平性から強力な措置を図るとともに、徴収のあり方をも見直す必要があると思いますが、その考え方についてお示しください。
次に、市民税等の前納報奨金についてお伺いいたします。
第1点目として、市民税等の前納報奨金制度についてでありますが、この制度につきましては、戦後の混乱期の昭和25年、シャウプ勧告に基づいて創設された制度と受けとめておりますが、意図するところは、納税意欲や収納事務の簡素化などを図る目的で導入されたと記憶しております。内容的には、納期の前に残りの税額全部一括して納めた場合、市税条例によって、納税額の100分の1以内で、納期に係る月数をこれに掛けた額が交付されるものであります。この制度は、税金の割引制度と受け取られている反面、特にサラリーマンの市民税は特別徴収でありまして、直接給与から天引きされるため、完納しても交付されない不公平税制と言われているのも事実であります。
制度そのものの根拠は、地方税法第321条市民税、365条固定資産税に明記されているものの、各自治体条例で定めることとなっております。既に廃止した自治体も多く見受けられ、当時とは納税環境は大きく変わってきており、制度そのものを見直す時期に来ているのではないでしょうか。また、現在の市の財政状況を考えると、この報奨金は大きな財政負担と言えるのではないでしょうか。さらに、この特典を利用できない多くのサラリーマンとの不均衡の問題など、当局はこのことをどう受けとめているのか、今後の方向も含めお考えをお示しいただきたいと思います。
次に、新病院の経営についてお尋ねします。
平成11年に開院予定の新病院は、甲府地区医療圏における二次医療の中核病院として、さらに充実した機能の整備や、少子・高齢化社会における保健・福祉・医療ネットワークの核施設、また災害時の拠点施設としての役割を大いに期待されているところであります。
一方、最近の医療を取り巻く環境は、健康保険法の改正による国民医療費の抑制政策や、医療法の改正による地域医療支援病院の創設など、医療を受ける側にも、診療を行う側にとっても、大きな転換期にあり、この中で新病院への市民の期待にいかにこたえていくのかが難しい時期であることも確かであります。また、先ごろ中央社会保険医療協議会が厚生大臣に答申しました診療報酬改定案を見ますと、薬価基準の引き下げをはじめ長期入院の是正や、老人の日帰りリハビリテーション回数の制限など、医療費のむだをなくすための改正が行われるようでありますが、これは、より高度な医療技術や行き届いた看護技術というものに医療費負担をシフトしていこうとする流れの中で考えられたものだと思うのであります。
そこで、お伺いをしたいのですが、これからの医療費が医師や看護婦の持っている知識や技術、患者への応接に注目して負担されるのであれば、病院の人的な体制がきちんと整備されている必要があると思うのであります。この中で、看護婦は全国的に不足している状況が慢性化しており、どの病院でも確保に苦慮しているようであります。さきの議会で、「新病院では2対1の看護体制を予定している」との答弁をいただきましたが、そのために必要な看護婦の採用計画、また確保対策についてお示しいただきたいと思います。
次に、総合病院の診療は、「3時間待ち、3分診療」という言葉があるように、診療を受けるまで、薬をもらうまで、会計を済ますまでと、待ち時間が非常に長いわけです。市立病院でも予約制をとっているようですが、それでも待ち時間がかなりあると言われております。全国的にはコンピュータを使って効率的な診療運用をする方法が主流となっています。新病院でもコンピュータを駆使した診療体制を考えておられるようですし、このシステムを検討するための職員を人事異動の中で公募していると聞いております。患者サービスが図れて、効率的な経営ができるという新病院のシステムはどのようなものか、概略を教えていただきたい。このように思っております。
次に、良質な医療を提供するための人材を確保すれば、当然、人件費がふえることになり、コンピュータを使った効率的な運営といっても、ランニングコストや保守料があるわけです。これに加えて起債の償還に10億とか15億必要になるとか、いろいろ言われております。施設を維持管理するための費用は、相当な額になることは目に見えているわけであります。このような状況ですから、新病院の経営にあたっては、今以上に業務委託を導入して、コスト制限に取り組む必要があると思うのです。私ども政友クラブでは、先進病院を視察し、所要経費の試算をした給食業務については、委託方式にする方が直営に比べて経費的には有利な結果が出ているのですが、新病院の給食業務について、業務委託をどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
次に、甲府市高齢者医療費助成制度についてお尋ねします。
甲府市では、昭和49年4月から、65歳以上を対象にした医療費助成制度を行っており、市民の命と健康を守る上で、全国的にもすぐれた施策として市民に定着してまいりました。しかしながら、高齢化の進行により、平成2年の65歳以上の比率が13.3%であったのに対して、昨年策定した新甲府市総合計画の将来指標によると、平成18年の65歳以上の比率は、19.5%になると予測しております。当然、これに要する財源も年々ふえ続け、平成2年度に約2億6,000万円だった助成金額が、平成8年度においては、約3億8,700万円にも上っております。さらに平成12年からは、介護保険制度の導入も予定され、利用者負担の一部は公費で負担することとなっておりますので、今後ますます財政的には厳しくなると予想されます。このような状況の中で、65歳以上を対象にした現在の医療費助成制度について、甲府市として将来にわたってこの制度を続けていくのか、それとも、何らかの見直しを含めて検討をしていく予定があるのか、市長に御見解を求めたいと思います。
次に、土地区画整理事業についてお尋ねします。
都市計画の母とも言われる土地区画整理事業は、甲府市においても過去に市長がみずから行った戦災復興土地区画整理事業をはじめとして、泉町地区と南西地区を公共団体施行、堀之内地区を組合施行として、市街地の改造と新しい住宅地供給の事業として、それぞれの時代にふさわしい土地利用が図られ、まちづくりの面において大きな成果を上げてまいりました。今日、これら過去の業績を顧みますと、一目瞭然、都市の基盤整備としては非常に大切な事業であったことが歴然としております。
現在、市内においての土地区画整理事業は、寿宝地区と甲府駅周辺地区の2地区を公共団体施行、また事業の完成を見た住吉地区と古府中地区、本年度の完成を予定している国母駅北地区と下飯田地区、そして後年度の完成を目指して鋭意進捗を図っている大里地区と山宮地区など、新しいまちづくりに行政と住民が一体となって取り組んでいる姿には、議員の一人として心より敬意を表するものであります。そこで、それぞれの今後の事業計画についてお尋ねします。
まず、寿宝地区につきましては、昭和59年の事業認可において、当時の昭和70年、平成7年でございます、の完成を予定し、住民に対して地区内の土地利用に伴う建築物等の建築規制を行いながら、事業の推進を図ってきたところであります。しかし、その後の経済情勢の変動あるいは地元権利者等の移転交渉の経過の中で、事業計画の変更を行い、平成10年の完成を目指すとしております。住民の財産と権利を根底から転換するこの事業は、住民の日常生活と密接な関係にあり、それぞれの家庭の将来計画に合致するよう、細心の注意を払っていかなければならないものだと思います。したがって、事業の推進にあたっては、地域住民の意向を十分把握し、住民に対し理解を求めることが非常に大切なことだと思います。
そこで、本年度の予算を見ますと、当地区の財源内訳のうち、市の単独費が非常に少額になっておりますが、このような予算編成で当事業が計画どおり進むのか、再度の事業計画の変更があるのか、住民は計画の進捗を理解しているのか、私は地区住民の立場で考えますと、平成元年に移転が完了した人と、いまだに移転の段階にならない人との年度の差は、ある意味では行政の平等性を欠いてしまうのではないかと心配するところであります。全庁挙げて一日も早い事業の完成を目指すべきではないかと思いますが、当局のお考えをお伺いいたします。
また、甲府駅周辺地区につきましても、同様な事情により事業の進捗が難しいことが予想されますが、住民への建築規制がかかる中で、ただ単に事業計画の年次を延伸にするというのではなく、区域の見直しや工区分けを検討する中で、根本的な事業計画の見直しをすべきではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。
なお、将来の良好な住環境の整備と、土地の都市的利用として、そして宅地の利用増進を目的として、市街地周辺において組合施行の土地区画整理事業が4地区で進められておりますが、事業費の清算のための保留地処分について、昨今の土地需要の状況の中で、その処分には非常な困難が予想され、これによって事業の終息が大幅におくれるのではないかと懸念されますが、今後、市はこれらの組合に対しどのように指導されていくのか、また、事業が完了した地区は、一日も早い宅地化を図らなければならないと思いますが、これらの地区に対してどのように指導されていくのか、お考えをお尋ねします。
また、組合への補助金の交付についても、残留農地の解消あるいは特定保留地区の宅地化促進という役割を終えようとしている今、助成条例の見直しを考える必要があるのではないかと思いますが、いかがお考えか、あわせてお伺いいたします。
次に、シビックコア地区整備計画についてお伺いいたします。
国におきましては、空洞化が進行する中心市街地の再生に向けた地域の取り組みを支援する中心市街地における市街地整備改善・商業等活性化一帯的推進策を法案化いたしました。これは各自治体が策定する計画に基づいて、市街地の機能を再編、集約する街なかの再生土地区画整理事業やにぎわいの道づくり、駐車場整備などの基盤施設整備を展開するとともに、魅力が薄れた商店街へのてこ入れ策として、関係省庁による補助制度の拡充などをして、自治体と民間事業者らが連携し、地域の創意工夫を生かす活性化対策であります。この試みは、沈滞気味の既存商業地域にとりましては、その効果が大いに期待されるところでありますが、反面、盛りだくさんのメニューを消化できるだけの体力が市や地元事業主にあるのか心配しております。バブル経済全盛のときに着手された事業の進捗が思うに任せない状況の中で、新たな事業の取り組みが可能かどうかというところであります。むしろ、新規事業を抑制し、継続中の事業を早期に完成させることにより、投資効果を上げるべきだと考えますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお示しください。
そのような視点から、甲府駅北口を中心として、国の合同庁舎や県の北口センター、民間建物等の連携によるにぎわいや魅力の創出を図るシビックコア地区整備計画に、地域の人々とともに期待を寄せる者の一人でありますが、調査研究はどこまで進んだのか、また今後のスケジュールと見通しをも含めてお聞かせいただきたいと思います。
次に、行政改革についてお尋ねします。
地方公共団体を取り巻く現代の社会・経済情勢は目まぐるしく変化し、人口の超高齢化が進み、また地域の社会構造が変化する中で、地方公共団体に対する住民の行政需要は、量的にも質的にも変化しており、住民生活に直結する行政の担い手としての地方公共団体の果たすべく役割は、ますますその重要性を高めつつあります。このような状況の中で、住民のため最少の経費で最大の行政効果を上げるという基本原則に立ちつつ、活力ある地域社会を形成するとともに、住民福祉の増進を図っていくためには、既存の組織制度、施策等を一層適切に見直し、簡素にして効率的な行政の執行体制の確立が地方公共団体には求められております。特に組織機構の見直しと定員管理の適正化に総力を上げて取り組むことが要請されております。
甲府市においても、大幅な組織改善を行った平成4年度組織改善、環境の変化に対応し、常に自己革新を図りながら施策の実現に最も適合した形態をつくり上げることを基本的な考え方として取り組んだ平成5年度の組織改善、深刻な財政状況と増大する行政需要のはざまで、政策主導の行財政運営の総合的効率化を打ち立て、その実現を図るよう努めることを基本的な考え方とした平成6年度の組織改善と、これを基本としたそれ以降の組織の見直しにより、組織機構の簡素・合理化を行い、部、課の統合及び再編等を行ってきました。特に平成8年度の組織改善につきましては、組織の整備、改善の第3年次の集大成として、部、課の統廃合、細分化した組織の是正、次長制の導入など、行政を取り巻く環境の変化に対応するとともに、市民の要望にもこたえ得る改善内容であると、その成果に大きな期待を寄せるものであります。
一方、長引く景気の低迷は、個人消費を鈍らせ、ひいては税収入に多大な影響を与えています。こうした厳しい財政事情の中、西暦2000年に施行される介護保険制度、また近い将来導入されるであろう市区町村が管理する住民基本台帳をコンピュータで結ぶ住民基本台帳ネットワークシステム、全庁的に検討がされている財務会計システムなど、既存の概念を大きく変えなくてはならない大きな事業が続きます。
そこで、山本市長にお伺いいたします。
一つ目に、高齢化、ボーダーレス化、情報化等社会情勢の変化に対応し、介護保険制度等新たな行政課題や住民の多様なニーズに即応した組織機構の見直しを図ること、また、平成12年4月に施行される介護保険制度に伴う平成10年度の組織について、どのような内容で対応するのかお聞かせください。
二つ目に、組織機構の見直しに伴い、事務事業の見直しも必要とされると思いますが、具体的にどのような手法で取り組んでいくのか、お示しください。
三つ目としまして、事務事業の見直しに伴い、民間委託、事務のOA化及び電算化の推進を積極的に進めることも手段だと思いますが、いかがでしょうか。また、現在、導入に向けて検討されている財務会計システムについては、来るべく21世紀に向け、まさに行政改革の重要な柱になると思われますが、現在の状況をお聞かせください。
四つ目に、定員管理の適正化について、スクラップ・アンド・ビルドの徹底を基本として、定員の縮減と増員抑制及び職員の適正配置に努めなければならないと思われますが、これの実現のためには相当な痛みも伴うと思われます。このため、職員一人ひとりの意識改革が不可欠であると思われますが、いかがでしょうか。また、意識改革が必要とされるなら、研修等を含めどのような手段、内容で行うのか、お聞かせ願いたいと思います。
以上をもちまして私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○副議長(細田 清君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 山村議員の御質問にお答えいたします。
はじめに、経済の厳しい中での継続事業推進についてでございますが、バブル崩壊後の経済状況につきましては、大変厳しいものがあり、また国の財政構造改革により、公共事業等の投資的経費につきましても、縮減が図られているところであります。このような財政環境のもと、まちづくり等新規事業につきましては、事業の投資的効果を十分見据える中で、慎重かつ柔軟に対応していかなければならないと考えているところであります。
次に、シビックコア地区整備計画についての御質問ですが、シビックコア地区整備制度は、関連する都市整備事業との整合を図りつつ、国の官公庁施設と民間施設を共同一体的に整備し、魅力とにぎわいのあるまちづくりに資する整備計画であります。このため、本市では甲府駅周辺都市拠点整備事業とあわせて推進が図れるメリットがあることから、先進都市の状況等を参考にしながら、国の調査と歩調を合わせ、民間委託により平成8年度から調査を開始しているものでありまして、地区整備の形成に関する基礎調査として、国、県、市の施設の現状と課題調査等を行っております。
平成9年度は、シビックコア地区の選定、まちづくりイメージのあり方などの調査を推進しているところであります。
なお、今後は早期実現に向けて地区整備計画を調査研究する中で、国の第三次官庁整備10か年計画との整合性を図りながら推進してまいりたいと考えております。
次に、財務会計システムについての御質問でございますが、財務会計システムにつきましては、平成8年12月、システム導入へ向けたワーキンググループを発足し、本市の会計システムの基本的なあり方などにつきまして、調査研究を行ってまいりました。現在、これらの調査研究に基づきシステムの基本方針を検討いたしております。今後の方向といたしましては、新たな行政改革の中で、平成11年度を開発の初年度と位置づけ、財務会計へ移行を考えておるところであります。
次に、定員管理の適正化と職員の意識改革についての御質問でございますが、新たに策定してまいります行政改革の基本的な考え方といたしまして、事務事業の見直しに整合させた組織機構の整備改善を踏まえ、スクラップ・アンド・ビルドによる定数の適正化に努めてまいります。
また、これに取り組む職員の意識改革につきましては、新しい時代のニーズを的確に、また柔軟に対応できるよう、それぞれの職種、職階に応じて必要とされる知識や能力の向上を図るとともに、地方分権の時代に対応できる政策形成能力や問題解決能力などの修得を基本とした研修と、管理・監督者が日常の業務を通しての職場研修の中で、人材の育成と職員意識の変革を図ってまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。
○企画財政部長(長田勝也君) 企画財政部関係3点についてお答え申し上げます。
まず最初に、法人及び個人市民税の見通しについてであります。法人市民税につきましては、景気の動向に最も左右されやすい税目でありまして、平成10年度におきましては、不良債権償却などにより、銀行をはじめとする金融機関の利益が大幅に減少することが予想されます。本市の法人税に占める金融関係法人の割合は25%でありまして、一法人当たりの平均課税額につきましても、比較的高い状況にあります。住専処理後の状況が思わしくなく、また先行きはいまだ不透明でありまして、今後とも経済動向を見守っていかなければならない状況にあります。
また、個人市民税でありますが、現在、申告の受け付けを行っております。3月2日現在の受け付け件数は1万450件で、対前年度と比較しますと6.7%、件数にいたしまして665件ほど増加をしております。しかし、長引く景気低迷から、個人所得の伸びも非常に鈍くなっておりまして、地方財政計画の中でも所得割はマイナス2%としているなど、そういった状況の中で、申告だけではちょっと判断ができませんので、今後の6月の第1期課税以降でないと、見通しがはっきり申し上げられない状況でありますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、平成10年度の市税の収納率と滞納繰越分についての徴収対策であります。平成7年度、8年度ともに現年度分は収納率は96.6%であります。平成10年度におきます現年度分の収納率は、97.9%と見込んでおります。これは平成9年度の現年度分の最終見込み額、見込みによりますと97.2%と予測しておりますので、この数値をもとに積算をしたところであります。また、平成10年度におきましては、現年度分の滞納の早期解消を目指すことを見込んでの数値を計上したところであります。
滞納繰越分の徴収につきましては、景気低迷によりまして、税収確保が非常に厳しい状況が続いておりますが、休日臨戸、夜間臨戸あるいは電話催告等を行いまして、新規滞納者の解消に精力的に努めているところであります。今後とも滞納整理を効率的で適切に推進するため、大口滞納あるいは悪質滞納者等の処理を重点的に行っていく考えであります。
次に、市民税の前納報奨金についてであります。本市の市民税等の前納報奨金制度につきましては、現在、固定資産税をはじめ市県民税、都市計画税の三つの税目が対象となっております。この制度は、地方税法及び市の条例に基づきまして、納税意識の高揚に大きく寄与している状況であります。しかし、既にこの制度につきましても、見直しを行った都市もありますので、今後、調査研究をしてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○総務部長(小林 清君) 行政改革についてお答えをいたします。
行政改革につきましては、御案内のとおり、幾多の取り組みを行ってきたところでございます。バブル経済の崩壊後、景気の低迷による厳しい財政状況の中にありまして、平成6年度からの自主的行政改革におきましては、事務事業の見直しと、組織機構の整備改善、職員定数の適正化など積極的に推進をしてまいりました。その結果といたしまして、10部32課の減、37名の職員定数削減を図ってきたところであります。今後の取り組みといたしましては、21世紀を見据えた改革を進めていかなければならないと考えております。
平成10年度からの新たな行政改革につきましては、まず、行革大綱の見直しを行う中で、具体的には、事業評価制度の導入を検討いたしまして、事業の効果を見きわめながら、事業選択を中心とした見直しと、さらには人材の育成を主要項目として、全庁的に取り組んでまいりたいと考えております。また、介護保険制度の導入に伴います10年度組織につきましては、福祉部内へ新たに介護計画、介護事務、この二つの担当を設置いたしまして、万全な体制を整えてまいります。さらに、民間委託及び事務の電算化等の取り組みにつきましても、新行革大綱の中で明らかにしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉部長(櫻井 稔君) お答えいたします。
65歳老齢者医療費助成金支給制度の見直しについての御質問でございますが、甲府市で実施をいたしております老齢者医療費助成制度は、一面では御指摘のとおり莫大な財源を要していることは事実でございます。しかしながら、この助成制度は、全国的に見ましても先駆的な制度でありまして、高齢者の経済的負担の軽減と健康上の不安を解消する上で、今日までその役割を果たしてまいりました。したがいまして、財政上は非常に厳しい現実ではありますが、当面はこの制度を維持してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
○都市整備部長(水上加多郎君) 土地区画整理事業に係ります4点の質問にお答えをいたします。
まず最初に、寿宝地区土地区画整理事業の事業計画についてでありますが、本事業は平成元年度より仮換地指定及び建物移転に着手をし、今日までに仮換地指定は40街区中38街区を終えているところであります。また、建物移転につきましては、家屋移転数440件に対しまして270件が完了し、事業の進捗率は約70%であります。
事業の進捗にあたっては、地域及び地権者に理解を求める中で、計画的、効率的に進捗を図ってまいりましたが、昨今の経済状況の変化や移転交渉の難航により、事業が遅延している状況でありますので、事業年度の延長も含め、関係機関並びに地域住民の皆さんに御理解と御協力を得なければならないと考えております。今後も引き続き一日も早い完成を目途に、最大限の努力を図ってまいります。
次に、甲府駅周辺地区土地区画整理事業の事業計画についてでありますが、本事業は平成3年度に事業認可を受け、事業を進めてまいりましたが、本年度に事業計画の変更を行い、平成15年度まで事業期間を延長したところであります。また、今年度、減価補償金対応の国債設定が終わり、事業に必要な用地が確保されたため、今後、仮換地指定箇所をふやし、建物移転補償や道路築造工事等の基盤整備事業を進めてまいる予定であります。また、事業を進める中で、区域の見直しについての検討を行ってまいりましたが、土地区画整理事業においては、地域住民からの減歩と減価補償金対応用地により公共施設用地を確保し、事業を進めており、既に仮換地指定を済ませた区域もあることから、区域の見直し等により住民の方に対し、さらなる減歩などの負担が考えられますことから、現行の事業計画を進めてまいりたいと考えております。
工区分けについては、事業延伸による建築規制の問題等で地域の方々へ影響とならないよう、事業の進捗に合わせ個々に判断してまいりたいと考えております。
次に、組合施行による土地区画整理事業の保留地処分と完了後の土地利用についてでありますが、バブル経済崩壊における土地取引は、土地価格の下落により停滞しております。このような状況の中で、土地区画整理事業の財源となる保留地の処分は、大変厳しいものがあります。組合施行による土地区画整理事業につきましては、組合設立の段階より事業費等の抑制に努めることによって、保留地の処分価格を可能な限り引き下げるよう指導しております。また、事業終了後の土地利用につきましては、地権者に対し土地区画整理事業の趣旨を十分理解していただき、宅地利用等有効的な土地利用がされるよう指導しておるところであります。
最後に、組合施行の土地区画整理事業への補助金の交付についてでありますが、現在施行中の事業につきましては、現行の助成条例に基づき事業計画を立て実施されておりますので、見直しは不可能と考えております。
また、今後新たに設立される事業につきましては、他都市の状況等も勘案する中で検討してまいります。
以上でございます。
○市立甲府病院事務局長(影山正次君) 御質問の3点についてお答えいたします。
最初に、看護婦の採用につきましてお答えいたします。看護婦の採用計画に基づき、本年度40名を募集したところ、現時点で合格者のうち何名かが看護大学への進学により採用辞退を申し出たところであります。御指摘のとおり、看護婦の確保は大変厳しい状況にあります。したがって、定時採用に加え、先行採用等の方法を積極的に活用し、看護婦の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、新病院の効率的に経営可能なシステムについてお答えいたします。新病院の情報システムにつきましては、医師が診療内容を指示するオーダーリングシステムを基本として、医事システム、薬剤管理システム、検査システム等の部門システムが院内ネットワークにより結びつき、医療情報を有効に活用するシステムであります。これにより情報の一元的な管理と迅速な伝達により、院内各部門が情報を同時に共有し、効率的な処理が可能となりますので、待ち時間の短縮や効率的な診療環境の提供を実現することが図られると考えております。
3点目の新病院の給食業務の委託化につきましてでありますが、近年の病院経営を取り巻く厳しい環境から、全国的に給食業務の一部または全部の委託化が検討されております。当院におきましても、患者サービス面とあわせ経済性を考慮した給食業務を検討してまいりましたが、給食が患者の健康回復に必要な栄養の完全摂取という特殊性を有していることから、調理につきましては、直営を基本として、下膳、食器洗浄という部門を委託化をする方針で、細部の整合を検討しております。
以上であります。
○副議長(細田 清君) 山村勝一君。
○山村勝一君 山本市長、また当局の誠意ある御答弁、本当に了解しながら、また感謝を申し上げたいと思いますが、1点だけ御要望を。これは市民の皆さんの要望でございますので、お願いいたしまして、質問を終わるわけでございますが、スクラップ・アンド・ビルド、本当に組織機構の見直しについては、市民も了解しておりまして、ああ、よくやったと。こういう部を平成8年の22部を平成9年度には17部にし、現在は14部79課でございますか、それでまた先ほどの御答弁にありましたように、職員数37名を削減したと。このようなことは、本当に市民もよくやったと称賛しているわけでございますが、一方のスクラップの方で、事務事業の方のスクラップが市民にわからないわけでございます。なぜかというと、やはりむだを省いてビルドの方へ、こういう財政事情でございますが、そのむだを省いたスクラップしたものがわかっていない。こういうことで何をスクラップしたのかと、私も聞かれましても戸惑うわけでございますので、今後、また常任委員会等でも、また関係部局へも私の方から出向いて行きますが、何を部で、課で、今までこの事務事業のスクラップをしたかと
いうことを、市民の皆さんにわかるように一覧表でもつくっていただければと思っております。
これを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(細田 清君) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(細田 清君) 御異議なしと認めます。
よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。
本日は、これをもって延会いたします。
午後4時24分 延 会
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