平成11年6月甲府市議会定例会会議録第3号
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午後1時01分 開 会
○議長(末木隆義君) これより本日の会議を開きます。
直ちに日程に入ります。
日程第1から日程第15まで15案及び日程第16 市政一般について質問を一括議題
といたします。
昨日に引き続き、上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。
政友クラブの代表質問を行います。内藤幸男君。
内藤幸男君。
(内藤幸男君 登壇)
○内藤幸男君 政友クラブの代表質問を行います。
まず、今回の市長選挙におきまして、山本市長は圧倒的な勝利で三選を果たしました。
心からお祝いを申し上げたいと存じます。また、議員各位にも、厳しい選挙を闘って御当
選をされましておめでとうございます。特に6名の新人議員には、新しい目で行政を見、
また新しい目で議会を見て改革をしていただきたい、こんな期待を持っているところでご
ざいます。しかしながら、前回も今回もそうでありますが、投票率が55%台でとまって
いるということは、大変気になるところでございます。この理由には、さまざまなものが
あろうかとは思います。やはり、親しまれる行政、信頼される政治を目指して当局も議会
も活発な論議をすることが必要ではないのかなと存じておるわけでございますので、市長
さんにはこれから4年間、どのような経営戦略で行政運営をしていくのか、お伺いをして
まいりたいと思っております。
質問に入る前に一つだけお願いをさせていただきますが、私は、もともと質問通告書を
議会へ提出することは、議会の会議規則で定められておりますから了といたすところであ
りますが、当局に質問の原稿をすべて提供していくということについては、大変疑問を持
っているわけであります。しかしながら、当局が本当の意味で的確な回答をしたいという
目的であるならば、私はそれもいいかなと、こんなふうに思っているところでありますが
、答弁を聞いておりますと、「調査検討をいたします」とか、あるいはまた「鋭意努力を
いたします」とか、こういう答弁が返ってくるわけであります。これは、質問者にとって
はむなしい思いであります。したがって、私は、できれば「調査をしていついつまでに回
答を申し上げます」と、「結論をはっきりいたします」と、こういうふうに言っていただ
くか、あるいはまた「そのことは不可能であります」と、こういうふうに御答弁をいただ
いた方が親切ではないのかなと思っておるわけであります。またきょうも、こうやって多
くの市民が傍聴されましたり、テレビで放映をしておりますので、市民が聞いていらっし
ゃると思いますので、そのような答弁だと、何か「開かれた市政ではないのかな」という
ような感じを持つ方もいらっしゃるではないのかなと、こんなふうな思いがありますので
、ぜひ私の質問に対しまして親切な御答弁をいただくことをお願いをして質問に入らせて
いただきます。
私の質問は、行政改革と財政構造改革の2点でございます。特に行政改革につきまして
は、行政改革の理念、職員の意識改革、市民に親しまれる行政の推進、そして4つ目が情
報公開と情報提供システムの構築と、この4点について質問をさせていただきます。
まず第1点目の行政改革の理念でございますが、新行政改革大綱を検証しましたところ、
一定の努力をしていることと、将来に期待が持てるという部分もございますが、何か不足
しているものがないのかな、ワサビの入ってないすしのような感じがしてなりません。
これは行政改革の姿勢が「経費の削減ありき」というところから出発しているのではな
いのかなという思いがしております。
私は、行政改革とは、事業を見直して、時代が求めている事業に移行して行政効果を高
めていくことが目的だと、「経費の削減ありき」の行政改革は、職員の意識改革にも通じ
ず、また市民の理解と協力も得られないと思っております。私の行政改革の理念は3つご
ざいます。1つは、市民のための行政改革でなければなりません。第2は、血の出る思い
で納めた尊い税金を大切に使うというための行政改革でなければなりません。また仮に削
減したとしたらば、この削減した費用をもっともっと効果的なところに目的を設定して活
用していくという姿勢、これが大事ではないのかなと思っております。
例えば、今、高齢者健康福祉手当の問題、あるいはまた敬老祝金制度の見直し等がござ
いますが、今、老人福祉の中で最も求められているものが何なのかと、このことを考えた
ときに、介護施設の充実、あるいはホームヘルパーの制度の充実、こういうことが今の時
代としての求められている問題ではないのかなと思っておりますから、仮にこういうふう
なものを見直すときには、そういうものに幾らかかるから、このようにして拠出をしてい
きたいと、こういうことで市民にどちらを取るか選択をしていくと、このような手法で見
直しをしていくということが大事ではないのかなというように思っておりますが、このこ
とについて市長の御見解をお伺いをしたいと思います。
次に、職員の意識改革についてでありますが、新行政改革大綱に「新時代に対応する人
材の育成」と、こういうふうに書いてございます。「政策形成能力、創造能力、法務能力
、都市経営能力、説明責任等の開発の充実」とありますが、私はその前に、市民と自治体
との正しい関係を認識した上で能力開発がなければならないと思っております。一般的に
公務員は、市民と自治体との関係を法令、規則、条例等を遵守して市民に対応すれば間違
いないと、こういうふうに思っております。この考え方については一見正しいようであり
ますが、私は間違っていると思っております。その理由は、法令・規則・条例等は行政側
の権限を定めたものであると錯覚したり、あるいはまた市民に対するサービスは自治体の
行為だと、このように錯覚するおそれもあるからであります。
では、正しい市民と自治体との関係はどういう関係かと申しますと、昨年1月発行した
私の本の冒頭でも申し上げておりますが、「自治体は、市民から委託を受けて行政を執行
している」と、こういう認識を持たなければなりません。
その理由は、市民税等のように甲府市に直接納めていただいた税金も、また国税として
国に納めた税金から地方交付税等で市に戻ってくるものも、すべて市民の税金からであり
ます。したがって、行政を運営している費用は、全額市民が負担をしていることになるわ
けであります。このことをしっかり認識していれば、法令・規則・条例等は、平等、公正
の市民の権利を守るためのものであり、法の精神を的確に把握された行政執行でなければ
ならないと思っておるわけであります。したがって、市民と自治体との正しい関係を認識
した上での能力開発であり、人材教育でなければならないと思っておりますので、市長は
このことについてどうお考えかをお聞かせ願いたいと思います。
次に、市民に親しまれる行政の推進についてでありますが、同じく新行政改革大綱の中
に「市民の立場に立った行政サービスの推進」とあります。このことは、市民のための行
政改革であり、市民にわかりやすい行政と市民に親しまれる行政を推進することではない
のかなと思っております。そこで市民のための行政改革についてお聞きをいたしますが、
行政改革大綱の中に「事務処理プロセスの抜本的見直し」と、こうあります。しかし、私
が行政改革推進委員会へ行って「1課1行革」の提案書のまとめを見てまいりました。市
民に不必要な諸手続等があるのかないのか、このことについて御提案をした課は、どこに
もありませんでした。
私が昨年まで、いろいろのことで、例えば切れた国民健康保険証を、今まで国民健康保
険課は市民に対して「期限の切れた保険証を市へ持ってきてください」と、こういう通知
を出しておりましたから、まじめな老人はバス代をかけて、あるいは暇をかけて本市へ届
けてきた。ところが、持ってきたらば、一定の箱があってその中へぽいぽい捨てるだけで
あって、こんなことは私はする必要がないじゃないかと言い続けて、ようやっとそれが廃
止になりました。
また、軽自動車税の減免手続にしましても、1回すればいいものを、毎年その手続をし
なければならない。こういうことになりますと、軽自動車の減免をしていただくというこ
とは、いろいろの障害を持っている方なんです。その方に毎年申請をさせると。県税事務
所では1回だけで済んでいたわけです。このことも私が言って廃止をさせて、今年度から
は1回だけでいいと、こういうことになったわけであります。このような単純な市民に求
めている手続を見直すということが、私は行政改革の第一歩だと、このように思っており
ます。
また、今度の行政改革大綱の中にもありますように、私は率直に言って疑問を持ってい
たんです。この時代に住民票をもらったり、いろいろの証明書をもらうのに、一々あそこ
の1階のテーブルの中で申請書に記入をして、そして交付を受けて帰る。私はこのような
ことであっていいのかなと思っておりましたら、今回このことが自動交付機の導入と、こ
ういうことで提案をされましたので、私はこの点は一歩進んできたかなと、こんなことで
評価をするところでございます。
もう一つ、あちらこちらの側溝とか道路の補修、こういうふうなもののときに、陳情書
を提出しなければやってもらえません。私は本来、行政というのは本市のあらゆることに
ついて把握をしておいて、年次計画で進めていくということが一番望ましい姿勢ではなか
ろうかなと思っておりますが、なかなか行政も大変なわけでありますから、それは不可能
に近い部分もございます。そこで、「陳情書を出さなければ」という発想よりは、私は市
民から特定といえば特定ですが、組長さんとか自治会長さんとか、あるいは市の職員とか
、あるいは民生委員さんとか、こういう人々が自分の地域のそういうことについて気づい
たらば、その情報を提供していくという、そういうスタイルの中で市民の声を反映してい
く。そして調査の結果、これはやるべきだということになりましたら、自治会長さんなり
組長さんに相談をしていくと、そして、それから地権者の承諾書を取ると、こういうふう
になれば最も私はすばらしい方向ではないのかなと思っております。今は、陳情書を出す
のにも、一軒一軒全部署名をして判こを押してもらう。そして今度は実際にやるときには
また署名を書いて地権者の判こを押していくと。二重の手間を市民に求めているわけであ
りますから、これを簡素化していくということも私は必要ではないのかなと、こんなふう
に思っております。また、手続上ではございませんが、市民のための行政改革ではないと
いう一例を申し上げます。
私は、中央市場のあり方、あるいはまた市民が中央市場の生鮮食料品を求める、そのこ
とについてできるだけ市民のためになるようにと、こういう発想で努力をしておるところ
でございますが、学校給食の問題でありますが、実は、学校給食では、当日仕入れたもの
を当日配送するという原則がございます。私はそのことはそれでいいと思いますが、少な
くとも水曜日が休みです。ですから、水曜日に休みであれば火曜日に仕入れをいたします
。その仕入れたものを今度は学校へ翌日配送をしております。これはなぜなのか。少なく
とも当日配送ということは、休みの日はその前の日に配送したって一向に差し支えない。
そういうことが市民の希望していることだということであれば、速やかにそういうことは
やるべきなんです。
また学校給食会の、今の調理の仕方にも私は問題があろうかと思います。今、皆さんが
御存じかどうか知りませんが、学校給食の野菜、果物等につきましては、ほとんど昔と比
べれば、仕入れが半分以下になっております。何を使っているかというと、果物で言えば
缶詰、あるいはゼリー等々を使って補給をしております。野菜等につきましても冷凍物を
使ってというような状況でございます。中央市場は市長が開設者でありますし、大変中央
市場の運営も厳しいところでございます。したがって、私は一般家庭でできるだけ自分の
子供たちには、料理に手をかけて食べさせてあげたいという思いがあるにもかかわらず、
そういう既製品で処理してしまう。これ確かに給食の皆さんには合理化であり、行政改革
と思うかもしれませんが、これは、私は市民のことを考えない行政だと思うわけでありま
す。このようなことでは、親しまれる行政の推進とは言えないはずであります。
次に、市民にわかりやすい行政と市民に親しまれる行政について若干触れてみたいと思
います。市民にわかりやすい行政を進めるためには、市民に配布する文書あるいはパンフ
レット、このようなものはできるだけ片仮名用語を使用しないで、わかりやすい文面にす
ることが大事ではないのかなと思っています。
福祉部は、厚生省の指導でもう既にそういうものは廃止をしておりますが、事もあろう
に、今回の行政改革大綱をつくった張本人がKoCo・Net構想の推進、情報リテラシ
ーの向上、庁内LAN(グループウェア)、こういう文言がございます。私にもこのこと
がわかりません。ましてや市民がわかるわけがございません。やはりそういうところをき
ちんと市民にわかりやすくしていくという、これがわかりやすい行政、こういうことにな
るわけでありますから、このことについても市長に御見解をお伺いいたします。
次に、市民に親しまれる行政を進めるためには何をしたらいいのかと思います。私は、
市民に対して職員が「おはようございます」「御苦労さまです」というあいさつを交わす
ことが、最も親しまれる行政を進めていくことになるのではないのかなと思っております
。今ですね、官公庁以外、町の魚屋さんにしても八百屋さんにしてもスーパーにしても銀
行にしても、中小企業の会社へ行っても、どこでもあいさつをいたします。官庁だけなん
です、あいさつをしないのは。それで「市民の公僕です」と言えますか。少なくとも私は
、お年寄りの方、あるいは御婦人の方が役所へ来るときには、「どう聞こうか」「どう説
明しようか」といってくると思うんです。このときに「御苦労さまです」と言葉をかけら
れたらば、ほっとするだろうと私は思います。このようなことが改善をされなければなり
ません。市長はこのことについてはとっくにわかっていたんです。あらゆる機会をとらえ
てこのことを訴えているわけでありますが、一向に改善をされておりません。ぜひ、この
ことを実行していただきたいと思いますので、市長の御見解をお伺いをしたいと思います
。
次に、情報公開と情報提供システムの構築でございますが、私は、先ほども申し上げま
したが、市民がすべて納めた税金で行政が運営されているということでありますから、当
然情報を公開するのは当たり前のことだと思っております。むしろ私は、求められて出す
ではなくて、積極的に情報を提供していくというスタイルでなかったらば、信頼される行
政、信頼される政治とは言えないと思っております。そこで、御提案を申し上げますが、
私は広報だけでなくて、市民教室、このようなものを積極的に出前で各地区へ行って、そ
して行政が市民に知らせたい情報でなくて、市民が知りたい情報を提供していくと、そし
て勉強をしていただいて、行政に対する理解を多く持ってもらう、このことがこれからの
僕は市民と行政側の関係ではないのかなと思いますが、このことについても市長の御見解
をお伺いをいたします。
次に、財政構造改革についてでございますが、私は平成11年度の本市の当初予算につ
きましても、高い評価をしているところでございます。それは、今まで投資的経費、事業
をしていくハードの部分の投資です。これがピーク時には208億、年間ございまして、
率にして31.7%使っていたわけなんです。私は、今はもうそういう時代ではありませ
ん。これからはソフト事業に重点を置くべきだという思いでありましたから、今回投資的
経費が88億8,000万に削減をされました。
その結果、この事業を進めるための借金が、ピーク時は1年間に98億借りていたわけ
です。これが今は25億弱になっておるわけであります。私は大変すばらしい発想で市長
がこのことに取り組んだなと評価をしております。その結果、10年度と比較しましても
、借金が32億有余減ったわけであります。ピーク時には722億借金がございました。
今は54億減って668億になりました。この方向性を将来に向かってきちんと発展させ
ていくことが、私は健全な財政運営ができるものと確信をしております。私は、そういう
ことでもって、平成9年から18年までの借金の残高を計算をしております。今までのよ
うに大変大きい借金をするでなくて、30億程度に抑えて、これから余すところの7年間
を実行していったとすれば、私は借金が450億に減る計算になります。この借金が45
0億になったとしますと、今現在支払っている利息の31億7,000万が17億減って
14億4,000万になるわけです。17億が市民サービスのために使えるわけなんです
。ですから、私は、ぜひこのことを進めてもらいたいなと、こういう気持ちを持っており
ます。
第2には、少子化時代への対応、このことが私は大事です。どなたも「少子化時代へど
う対応していくか」と言いますが、具体的なことはどなたも言いません。一般の家庭でも
もし家が古くなったから家をつくろう、つくった。しかし、借金は自分の子供や孫に残さ
ないようにしよう、こういうことで100%自分の生活を満足するでなくて90%にして
、10%子供のため、孫のために借金を残さないように努力していこうと、こういうこと
で家庭というものは成り立っていると思うんです。私は行政もそのとおりだと思ってるん
です。行政が、我々がつくった借金を、子供や孫に負担をしては絶対になりません。ちな
みに計算してみますと、2050年には、収入の37%を1人当たりが税金とか保険料を
負担をすることになります。今は20%です。仮に500万の収入の人は、今は100万
円負担をしておりますが、今からの30年、50年後には185万を負担をしますから、
同じ収入の500万の中で315万で生活をしなければなりません。こんなことがあって
いいんでしょうか。それに加えて我々のつくった借金を負担をさせる、こんなことは絶対
に私は相ならぬと思っておるわけでございます。
そこでですね、私は、このことを実現するためには、経営戦略の確立ということが最も
大切ではないのかなと思っております。行政改革による不用な経費は削減していく、政策
の見直しをして事業の統廃合を図り、効果的経営を進めていく。他の都市と比較して社会
資本整備は本市は十二分に進んでおりますので、これからの事業配分はソフト事業に重点
を置くべきであるということ。また、投資的経費の中では、将来の税収確保の戦略を持つ
べきであります。そして我々の子供や孫ができるだけ楽に生活ができる方途を考えていく
と、こういうことも戦略として必要ではないのかなと思っています。
このようなことからして、市民に理解をし、わかりやすくしていく、そして安心をして
いただくというためには、中・長期財政計画をきちんと立てて、これを進めていくという
ことが最も大切なことではないのかなと思いますので、私は市長に、財政計画8か年計画
というようなものをつくっていただいて、それに邁進をしていただいて市民が、あるいは
また我々の子供や孫が安心して暮らせる甲府市をつくっていただきたい、このように思う
ところでございます。
以上で、第一弾の私の質問を終わらせていただきます。
○議長(末木隆義君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 内藤議員の御質問にお答えいたします。
行政改革の理念についてでございますが、激変する社会経済情勢により、地方自治体へ
も大きな変革の波が押し寄せてきております。地方自治体は、みずからの責任において社
会経済情勢の変化に柔軟かつ弾力的に対応をするため、簡素で効率的、効果的な行政運営
の確立が急務となっております。そこで本市は、行政改革の理念であります行政運営の効
率化、透明性の確保、さらには市民サービスの向上を基本とした新行政改革大綱を策定し
たところであります。その具現化のため、事業評価制度の構築と人材の育成を、行政改革
の重要項目として広範囲にわたる実施計画といたしました。スクラップ・アンド・ビルド
の視点に立った事務事業の見直しは時代の要請であります。新たに事業評価制度により事
務事業の適否の判断を行うとともに的確な事業選択を行い、より時代に即応した事業の執
行と住民福祉の向上を図ってまいりたいと考えております。また、行政改革の推進には職
員の意識改革は必要不可欠であります。職員の政策形成能力、創造的能力等の能力開発と
充実に努め、新時代に挑戦する職員と職場づくりを行ってまいります。
次に、人材の育成についての御質問でございますが、社会は今少子高齢化、高度情報化
、国際化が急速に進展をする中で、地方分権もいよいよ実行段階になるなど地方自治は新
時代を迎えようとしております。この変革の時代に新たな視点に立って行政課題に的確か
つ柔軟に対応するには、こうした時代の変化に対応する政策立案や、問題解決能力を備え
た、そして公平、公正に対処できる感性豊かな人材の育成が肝要であると考えております
。
このことから、本市では平成10年度に甲府市人材育成基本方針を定めたところであり
ます。その取り組みとして人材育成ステージの充実、能力開発プログラムの充実、育てる
人事管理を推進いたしたいと考えております。そこでこうした三本柱のもとに、従前の研
修のあり方やカリキュラムなどを再点検しながら実効ある研修を行い、適材となるようそ
の育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、長期的行財政執行の方針の確立についての御質問でございますが、市政運営にあ
たっては、経営指針となる長期財政計画を、新甲府市総合計画にあわせて策定をし、施策
の推進を行っておるところであります。少子高齢社会が一層進む21世紀においては、こ
れまでの社会基盤整備の成果を有効に活用する中で、介護保険制度をはじめとしたソフト
事業中心の施策展開が必要である一方、住みよく生活しやすいまちづくりを行うために、
ハード事業であります公共投資の計画的な執行も求められております。ソフト、ハードの
調和の取れた行政執行を行うためには、今、取り組んでおります行政改革を着実に推進す
ることが最も重要であります。市民サービスの向上を図る視点で事務事業の見直しや行政
の執行方法の見直しを積極的に行うなど、財政構造の健全化に取り組んでまいりますが、
改革には痛みが伴い、市民の理解をいただくことが必要であります。そのため、経営戦略
の確立に向けた幾つかの御提言も参考とさせていただきながら、財務指標等の公表の機会
もより多く設けてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、厳しい財政環境を打開していくため、創意と工夫を凝らし健
全な財務体質の保持に努めてまいります。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。
○企画部長(内藤宥一君) 市民にわかりやすい行政についてお答えを申し上げます。
複雑多様化している社会状況の中で、開かれた行政を進めていくためには、市民に行政
を理解をしていただくことが肝要でございます。市民への配布文書など確かにわかりにく
い片仮名用語が全庁的にあることも事実でございます。こうした片仮名用語の使用は、社
会現象の一つとも言えるわけでございますが、既に社会生活において一般的に使用されて
いる多くの片仮名用語もあります。
今後は、できる限りわかりやすい用語や言葉を使い、また、片仮名用語でないと意味や
雰囲気が伝わらない用語で、どうしても使用する必要がある場合につきましては、市民に
よりわかりやすく理解をしていただくため注釈などを工夫し、市民の立場に立った親しま
れる行政に努めてまいります。
以上でございます。
○総務部長(櫻井 稔君) お答えをいたします。
まず、市民に親しまれる自治体という中での「市民へのあいさつについて」という御質
問でございます。市民へのあいさつにつきましては、御指摘がありましたが、市民と行政
とのコミュニケーションの第一歩であると考えております。本市はこれまでに、行政の文
化化の一環としてあいさつ運動を展開をしてまいりました。
最近、ある企業が「笑顔をつくる接遇研修」を実施し、実践したところ、30%から4
0%も売り上げが伸びたという報道がなされましたが、このことは、あいさつの大切さを
証明したものと思います。このすうなことから、今後はまず職員同士、とりわけ管理監督
から部課職員の一声など、あいさつを励行し、庁舎全体があいさつ集団となれるようきょ
うからでも心がけてまいりたいと思っております。そうしたことにより、自然の形で来庁
者にもその輪が広がり、結果として好感が持てる明るい市役所づくりにつながるものと考
えております。
次に、積極的な情報提供システムの構築についてという御質問でございます。
行政機関の保有する情報の公開に関する法律がこの5月に公布され、今後2年以内に施
行されることになっております。その中には地方公共団体の情報公開への努力義務の条項
もございます。本市ではこれに先駆け、昭和63年4月に公文書公開条例を制定し、運用
しております。情報の提供は、市民ニーズにこたえる行政情報をわかりやすく、使いやす
い形で市民に積極的に提供し、市政への理解と参加を促進する役割を担うものであります
。
現在、公文書公開コーナーにおきましては、行政情報の閲覧や資料提供を行っており
ますが、このほかにも広報誌や新聞、テレビ、ラジオ等を積極的に活用し、さらには自治
会や各種団体等からの要請のあります、例えば介護保険など職員の出前講座や対話集会を
開催する中で情報を提供し、市民が市政を身近に感じられるよう努めてきております。
今後におきましても、市民の関心の高い問題などにつきましては、議員御提言の市民教
室を含め、いろんな機会をとらえ、積極的に情報を提供し、その共有を図ってまいりたい
と考えております。それは市政がどんな状況にあって、将来に向けてどう進んでいくのか
など、市政情報を共有することが議員のおっしゃる市政への信頼となり、そこから市民と
一体となって市政を進めていこうとする、いわば共生的自治が実現していくものと考える
からであります。
以上でございます。
○地域振興部長(末木義一君) 土木事業に関する陳情についてお答え申し上げます。
本市では市民の意見、要望、陳情等を受けるため、地域振興部が窓口となっております
。地域自治会等から要望、陳情がなくとも市に関係する道路、側溝等の整備は年次的に行
っているところであります。しかし、全市域の状況を把握していくことは困難な面もござ
います。
現在、地域自治会長等から提出された道路、側溝等の整備にかかわる要望書、陳情書に
ついては、地域振興部と関係部局が現地調査を行い、実施できる場合、改めて承諾書の提
出をお願いしております。御提案の要望書、陳情書の提出によらず自治会及び地元職員等
から口頭、または電話等により情報提供を受けて対応するという方法につきましては、今
後関係部局と協議をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○市民部長(石原義則君) 住民票などの自動交付機の導入につきましてもお尋ねになら
れたと思いますので、お答えさせていただきます。
この自動交付機の導入につきましては、市民サービスの効率化や市民の利便性向上等有
効な方策の一つと考え、既に導入しております市町村を対象に調査、研究を行った経緯が
ございます。自動交付機の場合は、住民票、印鑑証明、税関係の4証明は交付できますが
、戸籍の発行は戸籍法上の問題があり、発行することが現状ではできません。
また、土曜日、日曜日、祝祭日を含めました勤務時間外の維持管理上の問題など、幾つ
かの実務的に研究を深めなければならない課題もございますので、今後も引き続き検討し
てまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(末木隆義君) 内藤幸男君。
○内藤幸男君 一定の答弁をいただきましたが、何となく私の胸をじーんとさせていただ
けるような答弁ではありません。まずあいさつ運動ですが、市長がせっかくこのことを理
解して、皆さんに聞いてもなかなかそれが実行できない。これは頭ではわかっているけれ
ども、恥ずかしくて行動ができないというのが実態ではないのかなと思っておりますから
、私は具体的にどういう方法でこのことを進めていくかを考えなければならないと思って
います。例えば、朝礼というのを役所ではやっていませんが、こういう朝礼というような
ものを各職場ではやっております。そこで徹底して皆さんで声を合わせて「おはようござ
います」、こういうふうな訓練をしていく、あるいは「仕事始め2分前です。きょうも元
気に市民の皆さんにごあいさつをしましょう」「おはようございますと言いましょう」と
、こういうふうな庁内放送することも一つの方法でありましょうし、また8時半になった
らば、全員でどなたも市民がいなくても、そこで「おはようございます」と、大きな声を
出していくと、このことでみんなが自然に声が出せることになるのではないのかなと思っ
ておりますから、この点についての御見解をお伺いをいたします。
そしてですね、次に情報の公開と提供でありますが、今の情報コーナー、これだけでは
私は市民が来ても情報を公開をしている場所とは言えないではないのかなと思ってます。
少なくとも50平米や60平米の部屋があって、そこにあるいは広報も入るとすれば、も
っと広いあれでありますが、広報と情報コーナーと、そして市民教室を開く担当の係と、
こういうようなものが一つの形になって情報開示室と、室の名前はどうでもいいですが、
そんなような意味の部屋をつくって、そして積極的な情報の提供をしていくと。そして市
民にできるだけ行政のありさまをわかっていただいて、理解をしていただく。そうなれば
私はこういうことを行政改革はしますよといっても、市民は理解をしていただけるではな
いのかなと。まず行政改革を成功させるには、私は市民に庁舎内のそうそう情報をしっか
り知ってもらうと、このことが大事ではないのかなと思っておりますので、この点につい
ての御見解をお伺いします。
次に、財政構造改革でありますが、私が、これからの柱として後世の人たちのために税
収確保をしていくということの対策が必要だと言っておりますが、私は、この方法として
具体的には今一生懸命やっている土地区画整理事業、あるいは市街化区域内の新しい道路
の建設等々、一生懸命やって、そして新しい税の確保ができるような方途を考えていくこ
とや、幸いにして甲府市は、都市形成としてはすばらしい中身を持っております。県庁所
在地であるから県庁もある。あるいは日銀もある。あるいは有名な銀行もあり、保険会社
もあり、また多くの大企業の支店もありと、こういうものがありますから、甲府市の経済
を支える雇用創出や、あるいはその人たちがまた使っていただける経済効果、こういうよ
うなものもあるわけなんです。ですから、私は甲府市の行政の区域内ということだけでな
くて、甲府圏域の経済発展を目指していって、そしてそういうものが撤退をしないような
形、あるいはもっと大きくしていただけるというような都市づくりをしていかないと、将
来の子供さんたちの働く場所がなくなっていくと、こういうふうなことになりかねません
から、そういうふうなことについての対応とか、そういうようなことも一つの柱として、
戦略としてつくっていくべきでないのかなというように思っておりますので、その点の御
見解をお伺いいたします。
特に、「市長が新総合計画をつくったときにつくりました長期財政計画を基準にして」
と、こう説明されましたが、私はこれは大きな間違いだなと思っております。今、私はそ
の当時の財政計画でさえも3.何%の伸び率ということには疑問を感じて、このことにつ
いては強く言っておきました。結果は、税収が「伸びた」ではなくて今は「減って」おり
ます。そこで、約4,169億10年間で税収確保を見込んでいたものが、平成9年から
11年までの3年間で約1,032億でありますから、まだこれから税収確保を図るのが
3,137億あります。単純にこれを1年幾らで計算をしていきますと、約、今の現状の
ままでは750億から800億税収不足になります。もし、景気がよくなったとしても7
00億の税収不足になるわけでありますから、これを基準にしてこれからの財政運営をし
ていくということになりますと、大変危険であるわけであります。ですから、このことを
私はぜひ3年ぐらいのローリングで考えていただいて、やるべきことは確かにやるべきこ
とではありましょうが、新総合計画を10年計画を13年計画というようなものにしてい
って、着実な足で力強く歩いていただいて、そしていつまでも厳しい財政状況だと、こう
いうようなことを言わないようなシステムの構築が私は必要ではないか。そうなれば、先
ほど言ったような将来の我々の子供や孫のためにもそういう道をつくっていく予算が出て
くるのではないのかなと、こんなふうに思いますので、このことについておやりになるの
か、その点をお伺いをしたいと思います。
○議長(末木隆義君) 企画部長 内藤宥一君。
○企画部長(内藤宥一君) 総合計画と財政計画との乖離の問題でございますけれ
ども、平成8年度に総合計画策定時におきましては、平成9年度から18年度までの事業
計画に整合した財政フレームの設定をしてまいります。しかし、現今の長引く景気低迷に
よる現下の経済状況の中では、事業計画と財政計画が乖離しているのは否めない事実でも
ございます。
そうした中でございますけれども、新総合計画におきましては、5年5年という前期・
後期に分割をして13年度に見直すという計画を立ててございます。そうした中でござい
ますので、13年度に見直すということで御理解をいただきたいと思います。
それから現下の時代背景の中では、総合計画の事業を着実に実施していくということは
大変厳しい状況でございますけども、今後は事業評価制度などを確立する中で、市民に理
解をいただきながら重要度、緊急度、財源度などを的確に審査などをしまして対応してい
くという考え方でございます。行政改革もできるところはしっかりやっていくということ
で、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○財務部長(塚原茂達君) 税収確保の問題についてお答えを申し上げます。
今、先生御指摘のように大変少子高齢化の時代の到来の中で、市民に対する担税能力と
いうものが弱くなっているということは否めない事実だろうと思います。事業運営をして
いく上でのやはり自主財源をどのように構築していくかということが非常に問題になろう
と思いますけれども、現在の経済状況下の中では、急に税収の確保が図れない、図れるか
どうかということになりますと、図れない状況でございます。先ほど来市長が御答弁申し
上げましたように、そういった一般財源をどのように確保し、事業を展開していくかとい
うことも一つの課題でございます。
いろいろの都市基盤整備も含め、担税能力を上げていくということも必要でございます
けれども、そういった裏腹には、やはりソフト事業だけではなくて社会基盤整備というも
のも構築をしていかなきゃならぬというような格好になってくると思います。そういった
意味で、私どもは、今後の財政運営につきましては、極力経費の節減に努めて市民福祉の
ための基盤整備にも事業費を投入をしていかなきゃならぬというふうに思っておりますの
で、その辺につきましては十分に検討をする中で事業選択も行ってまいりたいというよう
に考えていますので、御理解をいただきたいと思います。
○総務部長(櫻井 稔君) 市民へのあいさつということで、議員が具体的に御提
案をいただきました。一般的には親子関係でも言われていますように「親が変われば」と
いうこともございますでしょう。ですから、まずは管理監督にあるものが変えていく。
管理監督にあるものから変えていくということも有効なことではないかな、そうすること
によって市役所全体が変わっていくというふうに私は考えております。議員から御提案あ
りました朝礼とか庁内放送、あるいは市民がおるとかおらないとかにかかわらずというよ
うなお話もいただきました。これらにつきましてはできるところから実行に移していきい
たいというふうに考えております。
2点目の情報公開につきましてでございますけれども、先ほどもちょっと御答弁いたし
ましたけれども、国の法律が施行されました。その中で甲府市の公文書公開条例は先行し
ております。それらを含めて国の法律と甲府市の条例の整合を図る中で、どうすれば市民
が市政情報を察知することができるかという場の提供も含め、市役所の中での御提案あり
ましたそういった組織的な一体性の面も含めて検討はさせていただきたい、というふうに
考えております。
以上、2点でございます。よろしくお願いいたします。
○議長(末木隆義君) 内藤幸男君。
○内藤幸男君 あいさつ運動につきましては、総務部長がこれから英知を絞って
積極的に対応していただけるものと認識をして、これについては了解をいたします。
また、情報公開等につきましては市民教室を開いて、市民の皆さんに積極的に行政の中
身を理解していただく努力をしていくということにも積極的な姿勢が見えますので、了解
をしていきたいと思います。
先ほどですね、塚原部長が投資的経費も相当かけていかなきゃならぬと言っております
が、私はそのとおりだと思っているんですよ。私は、投資的経費の中にも消費的投資と、
そして建設的な将来の税収確保という投資もあるはずでありますから、そのような方向へ
投資的経費のうちの何割かをそういう方向へ向けていくとか、こういうシュミレーション
をきちんとつくって、そして投資的経費を年間85億にするのか、100億にするのかと
いうそのものをつくっていく、これが僕は戦略ではないですか。だから、私は「投資的経
費をふやせ」と言っているんじゃないですよ。その使い方なんです。こういうふうなこと
をやりながら、将来の都市像を絵にかいて、そしてそれに進んでいくということ、これが
大事であります。
そこで、先ほども内藤部長から言われましたが、収入と事業とが合ってなくなってきた
と、こういうことも認めておるわけでありますが、私は、やはり、5年で見直しをするな
んていうテンポじゃないと思っているんです。もう3年ローリングで見直しをしていくと
、そして的確な財政計画に基づいて運営をしていくと、このことが今求められている行政
の姿勢ではないのかな。もう既に9年から3年を経過してこのありさまなんです。ですか
ら、速やかにそういうものを見て、そしてきちんとした財政計画を立てて、その上に立っ
て市民の皆さんに行政改革でこうします、ああしますと、訴えたらば、中身がきちんと市
民の声に届いているとすれば、私は理解をしてもらえると思うんです。隠していて、「え
らいえらい」と言ったって、どのくらいえらいのか、またなぜえらいのかという理由がわ
からない。このえらいということをきちんと説明ができるような財政の公表、そして市民
に理解をしていただく、こういう関係を構築していかなかったら、絶対に行政改革という
のは成功しません。このことについてぜひもう一点、1回だけお答えをいただきたいと思
います。
○議長(末木隆義君) 企画部長 内藤宥一君。
○企画部長(内藤宥一君) 毎年の予算につきましては、毎年毎年、3か年のロー
リング計画で事業を実施をすることにしております。行政改革につきましても、市民が真
に必要とする分野に優先的、重点的に投入する仕組みということで事業評価制度も確立を
していかなければならないわけでございますが、市民にわかりやすく広く情報を提供し、
さらにまた説明責任も加えまして、今後運用をしていきたいというふうに考えております。
○議長(末木隆義君) 次に、政友クラブの一般質問を行います。山村勝一君。
山村勝一君。
(山村勝一君 登壇)
○山村勝一君 統一地方選挙後の初議会でありますが、政友クラブの内藤議員の
代表質問に次いで一般質問をさせていただく機会を得ましたことは、まことに光栄に存ず
るところであります。また、めでたく再選を果たされました山本市長に大いなる祝意を表
し、今後は健康に留意され20万市民の期待にこたえられるよう、強力なリーダーシップ
を発揮され、市政運営に邁進されますよう改めてお願い申し上げます。
それと同時に再選をされました先輩・同僚議員の皆様と、新たに当選されました新進気
鋭の皆様方とともに21世紀にふさわしい希望ある甲府市づくりのため、心を新たにして
精いっぱい努力することをお誓い申し上げながら、私の質問に入らせていただきます。
さて市長は、所信表明で一党一派に偏することなく公平で公正な市民主体の開かれた市
政を推進するとともに、地方分権にも対応できる行財政運営の確立や組織機構の見直し、
事業評価制度の導入などにより、行政改革を断行しながら中核市構想を推進する一方、県
都としての役割を果たすとともに、誇りと自信に満ちたまちづくりとして新総合計画を基
本に5つの基本政策を挙げ、新世紀を展望した都市・新生甲府市の創造に向け、積極的な
市政運営を図るとしております。しかしながら、景気の低迷はさらに長引き、政府は懸命
に不況を脱出するための施策として過去最大規模の21世紀を切り開く緊急経済対策を講
じております。
先日、経済企画庁が発表した経済動向は、「景気は横ばい」との表現で、好転する気配
さえ見えない状況下にあり、財政危機はますます募るばかりで、戦後最悪の不況といえる
のではないでしょうか。この地方財政危機の最大の原因は、景気低迷による市民所得の低
下とあわせて政府の施策による減税が重なったことにより、財源の根幹をなす税収の大幅
な落ち込みにあります。これを補うための減税補填債等地方債の発行は、歳出予算に占め
る公債比の増加を招くなど、義務的経費の増嵩による財源不足は増加の一途をたどり、こ
れを補うための財政調整基金等の取り崩しにより、ますます財政が逼迫してきております
。このようなかつてない厳しい財政状況下にありましても、21世紀を目の前に控え、2
1世紀を見据えた施策、すなわち新総合計画を着実に推進しなければならないわけであります。
介護保険制度の導入問題、新都市拠点整備事業をはじめとする継続している都市計画事
業、空洞化した中心街活性化問題、病院跡地利用問題、地球規模での環境問題等々の継続
課題を含めた5つの基本政策、99施策269事業の平成11年度当初予算額は152億
6,488万5,000円に上り、加えて今議会に提案されました新たな11項目の調査
費につきましても安定した財源確保が望まれるところであります。市長は、これらの山積
した行政課題を限られた財源の中でどのように推進していくのか、意図するところをお聞
かせいただきたいと思います。
また、本格的な地方分権の到来により、機関委任事務制度の廃止や国、県から事務権限
が大幅に委譲されることに伴い、事務費の増大による財政負担はどの程度増加すると試算
しているのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
次に、学校、家庭、地域の連携についてお伺いいたします。
さきの文部大臣の年頭の所感で、平成14年(2002年)の学校週5日制の完全実施
に向け、心の教育の充実を目指して全国子どもプランの計画があることが発表されました
。この年頭所感を読みますと、家庭、学校、地域社会が一体となって子供の教育にあたることの必要性が強調され、力を結集することこそが、これからの青少年の育成には欠かす
ことのできない方法だと言われています。また、平成14年度の完全実施に向け、地域の
子供の活動を振興し、健全育成を図る体制を計画的に整備するため、平成11年度から「
地域で子供を育てよう緊急3か年戦略」と題して、青少年の健全育成に取り組むことが報
じられる一方、既に3月末、学校を通して全家庭に家庭教育手帳が保健所や保健関係機関
等を通して乳幼児のいる家庭には、家庭教育ノートが配布されてきました。国では、この
ノート、本を全家庭に配布すればよいというだけのプランではないと思いますが、これを
受けて甲府市ではどうするのか、国や県が具体的なことを示すまで方法を考えないわけで
はないと思うが、いかがでしょうか。この家庭教育ノート、家庭教育手帳を見ますと、昨
年、甲府市が生涯学習都市宣言を行った推進内容を、より具体的に示している点を感じ、
一面喜びを感じております。昨年、市民に配布いたしました「あしたば」や「甲府市生涯
学習推進構想」に示されている生涯学習は、家庭教育からの人生のスタートと、人生の基
礎がより具体的になっています。
さて、文部省のこの本も、甲府市の生涯学習推進構想も内容が各家庭で指導され、実践
に移されればこんなすばらしいことはないと思いますが、現実には甲府市が配布した甲府
市の生涯学習推進構想も文部省の配布した本も、家庭の隅に追いやられているものと思い
ます。たとえ、各家庭で実践に移していても、社会全体がこれを理解し、共通の理解のも
とに進める必要があることは確かであります。「住んでいて良かったまち・甲府」の実現
のため、行うことだと私は思います。当初にも申しましたように「教育は学校任せ」の時代は終わりました。家庭、学校、地域が一体となって推し進める時代であります。家庭教
育が原因で起こった児童生徒の行動について、学校にその責任を押しつける風潮は、この
際我々市民も反省し、学校の責任追及よりも家庭生活のあり方、子供を育てるべき親の責
任を考えさせるよう努力すべきだと考えます。
ところで、この家庭の教育のあり方を指導し、相談に乗る甲府市の体制は、他県に比べ
ておくれていると私は感じています。公民館には指導講座はあるものの、市全体の具体的
プランが示されていない。生涯学習推進構想には、お題目こそあるが、具体的指導体制が
示されていない。もっと具体的に申しますと、学校教育が具体的指導案を出してするのか
、生涯学習課なのか、児童福祉課なのか、青少年女性課なのか、子供の心を育てる親の指
導等はどこでするのか、非常に曖昧に思う。子供は子供関係、親は親。子供の心の育成か
ら考え、もう縦割り行政を考え直し、家庭の教育全体から考えていくことはできないもの
かをお尋ねしたいと思います。
一昨年、神戸市で起こったあの悲惨な事件も、新聞やテレビでは学校関係者が登場して
いましたが、文部省は家庭教育の関係で生涯学習局が担当している。学校の責任ではない
。家庭の教育である。生涯学習局の対策であった。この点から考えても、甲府市の生涯学
習課の指導範囲、内容を明確にする必要があると感じています。家庭の教育、親と子を中
心にした指導は、どこがどのようにすることがよいのか、お答え願いたいと思います。
次に、生涯スポーツについて、過日発表されましたレインボー7つの公約の中で、生涯
学習の時代、歴史の見えるまちづくり、青少年の健全育成に努め、スポーツの振興を図り
たいことが言われています。このスポーツの振興により、具体的な提言として市民スポー
ツの提言がありました。そして総合スポーツ会館の建設が示されています。市民スポーツ
の発展には、スポーツ会館の建設がぜひとも早期に実現することを願っています。そのス
ポーツ会館建設以前に、市民スポーツを盛んにすることは当然のことと感じていますが、
市民スポーツの振興とは何を指すのか、お尋ねしたいと思います。
元来、スポーツは体に快感をもたらし、楽しく過ごすレクリエーション的な意味がある
ようにも受けとめられていますので、競技や試合を中心にしたものではなく、市民が気楽
に参加できるものでなければならないと考えています。選手育成や試合に勝つためのスポ
ーツ振興も必要であるが、生涯スポーツも市民スポーツであってほしいと思っています。
スポーツを得意とする人の集まりにより、体を動かすことを目的にするスポーツ振興が今
は必要と考えます。この具体的な進め方もお示しください。
次に、小中学校の情報教育について質問いたします。
小中学校の教育改革については、平成8年7月に出された中央教育審議会の第一次答申から始まり、各種の答申が出され、昨年来の指導要領の告示で一定の方向性が定まった感
じがあります。この中でこれからの学校教育で取り組まなければならない課題が幾つか提示されております。いずれの課題も社会的背景の中で大切なことばかりでありますが、特
にこれからの時代は高度情報化で急激な変化が予想されます。コンピュータも決められた
計算処理だけでなく、ネットワーク化による情報交流が大きな働きになっています。
近年、急速に広がっているインターネットは、世界のデータベースとも言われておりま
す。このような状況下で、次代を担う子供たちには、情報処理能力や情報活用能力をつけ
ることが大切なことであり、文部省でも情報教育の必要性を認め、本年度までの教育用コ
ンピュータの新整備計画や平成13年度までにすべての学校をインターネットに接続する
などの指導を行っております。今回の指導要領の改定で、新たに総合的な学習が目玉とし
て導入されていますが、これは子供たちがみずから課題を発見し、みずから考え、主体的
に判断し、よりよく問題を解決していくという子供主体の授業を目指したものであります
。この学習活動で、資料の収集や情報の交換など、コンピュータは重要な役割を果たすも
のと考えております。そこで市教委にお尋ねしますが、教育用コンピュータの各学校への
導入状況や、インターネットへの接続の現状をお聞かせください。また、子供たちが、こ
れらの機器を有効に活用するためには、教員の指導力が大切になりますが、教員の研修に
ついてはどのようになっているのかお聞かせください。
次に、他会派の飯沼議員も質問されましたが、私なりの視点から北部山岳地域の振興策
についてお尋ねいたします。
本市の63%を占める北部地域の持つ自然環境は貴重な財産であり、しかし、このこと
は市民、職員ともに明確に評価されているとは思いません。具体的かつ統合された施策展
開に乏しいため、焦点が曖昧であるのが原因と思いますので、あえてここで論及させてい
ただきます。
貴重な資源である森林は、水源の涵養や洪水防止、高温化する都市気温の調節、大気の浄化など、多面的な環境保全機能を持っています。しかし、昭和30年代から始まった石油・ガスへの燃料転換、山村の過疎化は森林の荒廃に拍車をかけ、林政課職員の懸命な努
力にもかかわらず残念ながら山は荒れているというのが実感です。都市化が急激に進み、物質的な豊かさと利便性のみを追い求めた結果、山の都と呼ばれる我が甲府市においても
自然に接する機会はますます減少し、市民はコンクリートジャングルの中で仕事に追われ
、しかも昨今の厳しい経済状況のもと、神経をすり減らしながら生活しているのが現状で
あります。
市長は、国土審議会政策部員として21世紀の国土のグランドデザイン戦略推進の指針策定に参画しておられ、その戦略の大きな柱が自然の保全回復とともに人間活動に充実感
と生きがいを与える文化の創造と聞いております。今後、精神的な緊張を強いられる都会
的生活様式の拡大と自由時間の増大が相まって、自然との触れ合いに対するニーズはます
ます高まると予想されます。そのような時だからこそ北部山岳地域の豊かな自然環境を改
めて評価し、守り育て、市民が触れ合う文化創造のプログラムが必要ではないでしょうか
。特に長寿社会の到来により、自然との触れ合いや健康に対する関心が高く、自由時間に
恵まれた高齢者にとっても、生活のいろいろな場面で欠くことのできないことになると考
えます。
本市の北部山岳地域の振興策は、平成5年に策定された甲府市新北部山岳地域振興計画
に基づき施策展開を行っております。マウントピア計画における特定公共施設として帯那
山高原牧場、マウントピア黒平、四季の森など施設の整備、さらに特定民間施設の整備も
促進することとなっておりますが、県のハーベストリゾート構想もとんざした現在、これ
らの施策の方向が必ずしも総合的、長期的展望に立脚したものとは言えません。北部地域
に関連した部署として林政課、北部振興課、農政課、観光課等がありますが、所管する施
策、施設はさまざまに補完し合い、統合されているとは思いません。
そこで当局に提案いたしますが、以上の問題点の解決のためにも新しい北部地域の振興
プランを早急に立案すべきではないでしょうか。私は、本市を取り巻く財政環境も含め、
ハード中心のプランからソフト中心のプランへと転換の時代に来ていると考えます。また
策定に際しては、安易に外部のコンサルタントに委託するのでなく、市民、専門家、職員
のさまざまな英知を結集した手づくりで、本市独自のプランとすべきと考えますが、この
点についても当局の意思をお示しください。
その意味で、私は、甲府市まちづくり委員会の手づくりの報告書を評価するものであり
ます。一例を述べると、この中で提案された芸術村構想は、北部地域の活性化に寄与する
ものと考えます。立派な施設をつくるのでなくても、過疎により生じた空き家を芸術家の
アトリエとして役立てることにより、新しい血、文化が入り、地域再生の一助となると考
えます。これは空き家の分布調査とその情報の提供により可能であり、大きな費用がかか
るものでありません。さらに千代田地区は、市街地にも近く、良好な自然にも恵まれてお
ります。ゴルフ場問題の先行きを憂えているばかりでは地区の発展はありません。私は、
超高齢化時代を迎え、民間活力の導入による福祉村をこの地区に建設すべきと考えます。
特別養護老人ホーム、医療施設、老人保健施設、ケアハウス等の複合により、自然の中で
質の高い老後を送ることができます。
また、地域の保健センター機能を持つことにより、高齢化した北部地域の住民が安心して住める場所となり、福祉村として雇用の創出にもつながると考えます。当局の前向きな
お考えをお示しください。
次に、本市のまちづくりに伴います土地活用についてお尋ねします。本市では、第三次
総合計画を基本に、時代の潮流に見合う21世紀初頭の平成18年度を目標年次とした新総合計画を策定して、想定人口21万1,241人のまちづくりの基本方針並びに施策の方向を定め、中核市を目指した都市づくりに取り組んでおられます。こうした中、県内最大の商業集積地として賑わいのありました本市中心商店街は物余りの時代を迎えるととも
に、車社会の到来による郊外型ショッピングの出現などにより寂れつつあり、本市といた
しましては、中心街の賑わいの回復と都市の顔としての中心市街地の形成のため甲府市まちづくり委員会を設置し、検討が進められ、このたび史跡や文化財を活用した新観光都市
づくりや中心市街地の活性化策、甲府盆地全体を視野に入れた将来の土地利用など、取り組むべき課題とその基本的方向性が報告されました。
一方、平成11年度予算案におきましても、土地利用の適正化を図るべく都市計画マスタープランの策定が予算化されておりますが、いずれにいたしましても定住人口及び交流人口の促進に備えた宅地の整備拡大のため、新市街地構想の推進と中核都市を目指した広
域的行政を模索した土地利用施策の構築であろうと思われます。これらの施策を今後どのように進めていくのか、まずお聞かせください。
また、既に本市として人口増加対策さらには良好にして安い住宅地の供給に向け残存農
地の都市的活用を図るべく幾つかの土地区画整理組合による区画整理事業が促進され、こ
れに加え土地開発公社による土地造成など住宅分譲が行われてまいりました。しかしなが
ら、我が国の経済は未曾有の不況に陥り、全国的にいずこの自治体でも抱えている状況で
もありますが、本市でも宅地価格は6年連続して下落の一途をたどり、住宅地の地価動向
調査によると、下落幅は縮小傾向にあるが、下げどまりの印象はないと判断しています。
区画整理組合、公社での宅地分譲は価格が折り合わず、なかなか分譲取り引きまで至らな
いようでありますが、これらの現況と今後の活用はどのように当局では考えておられるの
か、方途をお示しください。
次に、羽黒地区への集会施設の設置についてお伺いいたします。
現在市内各地、言いかえますと小学校地区ごとに地域住民が集える大規模の集会施設が
あります。これは公民館であったり、あるいは悠遊館であるとか地区によってその設置の経過は多様でありますが、そこの住人にとっては大変便利でかつ有効的な施設であります
。しかしながら甲府市におかれまして相川地区、千塚地区に次ぐ3番目の大きな連合自治会を持つ人口1万余りをまた抱えます羽黒地区には、このような施設がありません。羽黒地区が誕生してから既に30年になろうとしております。この間地域住民は非常に不便の
中で過ごしてきたのであります。市長は、さきの市長選挙において「人と自然に優しさあふれるまち甲府を目指して」として政策大綱を発表され、圧倒的な支持を得て当選されました。その中の基本政策で「思いやりと希望に満ちたまちをつくる」として「全ての市
民が明るさと生きがいをもって、住みなれた地域や家庭で安心して暮らせるよう、人を思
い遣る心に満ちあふれたまちを目指します」として、また「歴史を伝え新しい文化が生ま
れるまちをつくる」として、「人に優しい、心かよう地域社会を形成するコミュニティ活
動の拠点として年次計画で悠遊館を建設する」と表明されております。このことは、去る
7日の市議会定例会の開会にあたっての市長の所信表明でも述べられたところであります
。私も同感であります。市長の政策を支持する一人としてこの政策大綱に示された基本政
策を、具体的かつ早急に実施するためにも羽黒地区への集会施設の一日も早い建設を望む
ものであります。市長の考えをお示しください。
次に、病院跡地施設の利用に伴う庁舎レイアウトについてお尋ねします。
旧市立甲府病院の利用について、昨年11月18日病院跡地利用検討委員会から提言書
が提出され、これに伴い当局では、病院跡地利用基本計画策定プロジェクト及び同施設利
用検討部会を開催し、提言を踏まえる中で新館及び本館の活用策を多画的に検討されてお
り、間もなくその中間報告が出されると聞き及んでおります。こうした最中、当局は介護
保険に対応する事務スペースを確保するために、過日、社会福祉協議会、ボランティアセ
ンター、老人クラブ連合会に対し、同病院跡地への移転を要請したところ、一部の団体か
らは跡地利用について基本的な利用計画が示されていない中での移転要請は納得できない
旨の陳情書が提出されました。手狭な庁舎スペースの上に介護保険の導入を控えての苦肉
の策であったことは十分理解できるものでありますが、本市の財政状況をもかんがみ、新
行政改革大綱にも位置づけられた高額な賃借料を必要とする民間ビルの借り上げ解消をも
念頭に置く中で、病院跡地施設の活用を含め庁舎全体のレイアウトを示して協力を求めた
ならば理解が得られたのではないかと考えるところであり、計画が唐突過ぎると思うがい
かがでしょうか、当局の御所見をお伺いいたします。
最後に、環境行政における一般廃棄物最終処分用地について伺います。
本市における現在の最終処分場は、山城地区内の小曲町最終処分場が満杯になったのを
受けて、平成7年9月、新清掃工場稼働と同時に、やはり山城地区内の増坪町に建設され
た最終処分場への埋め立てが始まったものであります。そして現在まで約4年、焼却灰に
ついて埋め立ててきたわけであります。当初、本市における焼却灰の埋め立て計画は、平
成11年度末、つまり来年3月末までであり、その後は県が計画している明野村最終処分
場及び石和町における最終処分場に投入、埋め立てする計画でありましたが、県の処分場
は暗礁に乗り上げ、石和町の用地取得が実現できておりません。既に申し上げましたよう
に増坪町の最終処分場は、ことし12月には満杯になると公言されており、その後本市に
おける焼却灰の処理を市長はどのようにされるおつもりでしょうか。まさか安易に「他県
にお願いしてあります」などと言うつもりはないと思いますが、いかがでしょうか、まず
お伺いいたします。
次に、共同処理について伺います。そもそもこの問題は、石和町とごみの共同処理につ
いての話し合いの経過の中で、平成2年6月、当時の天野 建石和町長の新ごみ処理施設
建設に伴う対応についての考え方の第1項目に、「最終処分地の確保に努める」と記され
ているわけであります。その後本市は、甲府市ごみ処理施設建設対策委員会とともに石和
町に対し用地取得につき再三にわたり要望をいたし、用地取得推進委員会まで設置し、取
り組まれていることは私も承知しているところであります。しかし、平成2年から現在に
至るまで粗大ごみの処理をはじめ可燃ごみの処理等本市においてはもろもろの協定を守り
、誠意をもって処理をいたしてきているにもかかわらず、石和町は現在まで最終処分場用
地の確保ができないということは、まさに石和町の怠慢であり、協定違反と言わざるを得
ません。この際市長は、石和町に重大な決意をもって共同処理破棄につき申し入れをすべ
きであると考えますがいかがでしょうか。その決意のほどをお聞かせください。
以上で私の質問は終わります。
○議長(末木隆義君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 山村議員の御質問にお答えいたします。
限られた財源の中での行政の推進についての御質問でございますが、景気の長期低迷等
による行財政環境は、国や地方自治体にも大きく影を落とし、これまでにない厳しい状況
を強いられております。加えて地方分権制度や公的介護保険の導入、参加と連携による広
域的視点に立った地域の活性化など、新たな行政課題への対応も図っていかなくてはなり
ません。
こうした中にあって本市は、平成9年に新しい総合計画を策定し、福祉、教育、環境、
産業、都市整備など5つの基本目標のもと、各種事業を推進しているところであります。
今後はこのほど策定いたしました新行政改革大綱に基づいて事業評価制度を活用するな
ど、各種事業の見直し、公共事業の再評価を実施しながら事業選択を厳しく行うなどして
、限られた予算を有効に活用し、市民福祉の向上、21世紀にふさわしい魅力ある都市の
構築を力強く推進してまいります。
次に、地方分権に伴う財政負担についての御質問でございますが、地方分権の推進は、
これまでの国と自治体との関係にかかわる制度的枠組みを変えることにより、自治体の自
主、自立、自己決定権を拡充することにあると認識いたしております。社会経済情勢の大
きな変化の中、自治体においては介護保険の導入、環境対策、市街地の活性化など取り組
む課題が山積いたしております。本市におきましても、これまでにもまして行財政改革に
全力を傾注し、懸命の努力を重ねておりますが、長引く景気の低迷により、安定した行政
活動の維持が厳しい状況となっております。地方分権の時代においてますます増大するそ
の役割を十分果たしていくためには、権限委譲に見合う必要な税財源の確保が不可欠の課
題でありますが、現段階においては、要する経費の財源について国が必要な措置を講ずる
としておりますものの、なお不透明であります。
このような現状を踏まえまして、去る6月9日の全国市長会におきまして、国から地方
への税源移譲を含む抜本的な税制改正を進め、地方交付税率の引き上げなど地方分権にふ
さわしい都市税源の充実強化を図ることを決議したところであります。
次に、中核市を目指した広域的土地利用についての御質問ですが、時代は21世紀に向
け少子高齢化、環境を重視した社会へと大きく変化をしており、このような潮流の中、恵
まれた自然や景観を守りながら、これと調和した個性で、うるおいに満ちた生活環境づく
りを住民とともに進めていくことは、行政にとって極めて重要であると認識いたしており
ます。
都市計画マスタープランにつきましては、平成11年度、12年度の2か年計画により
まして、将来の都市計画に関する基本的な方針として策定をしてまいります。地方分権や
中核市構想など、行政の広域化をも視野に入れ、都市づくりの具体的将来像の確立や地域
の特性を生かした土地利用、都市施設等の各種計画の方向性を示すとともに民間開発の適
切な誘導指針としてまいりたいと考えております。
他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。
○総務部長(櫻井 稔君) 病院跡地施設の利用に伴います庁舎レイアウトについ
てお答えをいたします。
このたびの各種団体への事務室の移転要請につきましては、この10月から認定作業が
始まる介護保険の本格的なスタートを前に、大幅な事務スペースを必要といたしますこと
から全体的な庁舎レイアウトの一部を先行して病院跡地への移転について御理解を求めた
ところでございます。庁舎全体のレイアウトにつきましては、病院跡地利用基本計画策定
プロジェクトの報告を踏まえる中で、早急に病院跡地施設の活用方途を定め、これにあわ
せて民間ビルの借り上げ解消も念頭に置き、速やかにレイアウトを策定してまいります。
なお、当該レイアウトに基づく具体的な移転作業は、平成12年2月を目途としておりま
すので、今後広報誌等を通じ、市民や関係機関等に周知を図ってまいりたいと考えており
ます。
以上でございます。
○地域振興部長(末木義一君) 地域集会施設建設についてお答え申し上げます。
地域集会施設は、地域活動の拠点施設として、また地域住民の心のふれあいの場として
その果たす役割は大変重要だと認識しております。このため施設建設にあたりましては、
他の公共施設の配置状況等を勘案し、建設場所、施設内容等について協議を行いながら、
年次的に建設を進めているところでございます。御質問の羽黒地区への地域集会施設につ
きましては、建設場所、用地問題等総合的視点から今後検討してまいります。
以上でございます。
○福祉部長(藤原一三君) 北部地域における福祉施設についての御質問にお答え
いたします。
これから本格的な高齢社会を迎えることになりますが、御提言のありました福祉施設に
つきましては、来年4月からスタートいたします介護保険における介護サービスの受け皿
といたしましても必要な施設であると思っております。本市では、高齢者の生きがいや福
祉サービスにつきましては、今年度策定します介護保険事業計画並びに見直しを行う高齢
者保健福祉計画の中で総合的に取り組んでまいりたいと思っておりますので、御理解をい
ただきたいと思います。
以上でございます。
○環境部長(渡邉 貢君) 最終処分場問題についてお答えいたします。
新たな最終処分場の用地確保につきましては、石和町が用地確保及び地元同意に向けて
努力をしているところであり、予定地の地権者から本年3月に同意書をいただき、現在地
元自治会と積極的に折衝中であります。本市でも早期に用地確保ができるよう石和町の折
衝方針に沿って共同歩調の上、用地取得に向けて懸命な努力を行っております。
現在、石和町、甲府市及び用地取得推進委員会において具体的な取り組みを行っており
ます。また、今後のごみ処理にあたっては、増坪町の処分場の埋立地の延命化をはじめ、
民間処理施設をもあわせ多角的な処分方法を検討の上、最終処分につきまして市民生活に
影響を及ばさぬようあらゆる方途をもって対応を図ってまいります。
以上であります。
○産業振興労政部長(小澤 博君) 北部山岳地域の振興策についてお答えいたし
ます。
貴重な水資源と緑の供給地域であります北部山岳地域におきましては、過疎化、高齢化
による農林業離れが進行する中で、地域の活性化や森林資源の維持のため甲府市新北部山
岳地域振興計画に基づき、林業の振興やマウントピア黒平の保健休養施設等の整備等を進
め、さらには豊かな自然や歴史ある神社、史跡等を利活用し、自然の保全と調和の取れた
開発を行ってまいりました。
今後におきましても、北部山岳地域の振興は点在する観光資源の連携を図るとともに、
高冷地での農作物・特用林産物の直販場の開設等への支援や、そば打ち体験、森林浴、ハ
イキングなどの地域の特性を生かした産業と体験的な観光との有機的な共存を図った事業
を積極的に取り入れて、魅力ある地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
そのため、まちづくり委員会の報告をも参考にしながら、本市と地域の住民とが一体と
なった手づくりの北部地域の振興に引き続き努めてまいります。
以上でございます。
○都市整備部長(青野 隆君) 区画整理組合の保留地処分等についてお答えいた
します。
今日の社会経済情勢やさきに発表されました土地白書に見られるように、土地に対する
企業や国民意識の変化もあり、土地取り引きの活性化や流動化に弾みがつかない状況にあ
り、保留地処分も大変厳しい状況にあります。
そこで事業費、コストの縮減による処分価格の引き下げや基盤整備による優良な住宅地
のPR活動にも工夫を凝らしながら処分に努めるよう指導してまいります。なお、公社で
の宅地分譲につきましては、県内外へのPR活動の強化等についてより一層努力をしてま
いります。
以上でございます。
○教育長(金丸 晃君) 教育委員会関係の御質問にお答えをいたします。
まずはじめに、全国子どもプラン研究3か年戦略の実践についてでございますけれども
、御案内のように平成14年度からの学校週5日制の完全実施に向けまして、このほど全
国子どもプラン研究3か年戦略が文部省から示されました。これは、夢を持ったたくまし
い子供たちを地域の総力を挙げて育てるための体制整備が目的でありまして、この戦略に
は子供たちの体験学習、それから情報提供、機会と場の拡大、あるいはまた指導者の人材
整備、家庭教育の支援、そしてまた子供や親の悩みにこたえるための相談体制の整備など
が盛り込まれております。
甲府市教育委員会といたしましては、甲府市生涯学習推進構想に基づきまして、既にこ
の種の実践活動を進めているところでございますけれども、今後この全国子どもプランと
重ね合わせる中で、甲府型プランを作成してさらなる推進に努めてまいりたいと考えてお
ります。
次に、情報教育についてのお尋ねでございますけれども、小中学校の教育用コンピュー
タの整備につきましては、平成9年度から計画的に進めておりまして、中学校は平成9年
、10年の2年間で、すべての学校の更新が終わりました。小学校につきましては、本年
度8校へ新規の導入を計画しておりまして、これが終わりますれば、すべての小学校への設置が完了することになっております。
また、インターネットへの接続につきましては、昨年12月に文部省と郵政省が共同で
実施するところの先進的教育用ネットワークモデル地域事業に市内の中学校7校が、それから小学校3校が指定をされました。二学期からは運用ができるように現在準備が進めら
れております。中学校の残り3校につきましては、本年度中にインターネットの接続がで
きるように計画しておりまして、小学校のインターネットの接続につきましても、平成1
2年、13年度の2か年間で整備をする予定でおります。
次に、教員の研修についてですけれども、例年夏休みや放課後の時間帯等を中心にいた
しまして、市の教育研修所でコンピュータの研修を行ってまいりました。さらにインター
ネット活用の指導力向上を目指しまして、研修を充実してまいりたいと考えております。
他の御質問につきましては、部長が御答弁申し上げます。
○教育委員会教育部長(山本承功君) 教育委員会、残り2点について申し上げます。
家庭教育のあり方と指導についてでございますが、近年、社会経済情勢の著しい変貌に伴いまして、市民意識や価値観、生活様式などの多様化が進み、複雑化しております。こ
うした状況から、将来を見据えての家庭教育、社会教育、学校教育のあり方について検討
、協議を重ね、昨年の1月に甲府市生涯学習推進構想を策定いたしました。
これからの青少年の人格の形成や教育は、家庭、学校、地域の連携あるいは連帯によっ
て進めることが最善な方法だと考えています。
今後、生涯学習推進構想の理念に基づき、公民館活動の中で親子のきずなが実感できる
家庭教育講座等の充実を図ってまいります。
終わりに、市民スポーツの振興策及び具体策についてでございますが、心の豊かさや健
康な生活、ゆとりある充実した人生を送るためにもスポーツを生活の中に取り入れること
は、大変意義の深いものと考えております。
本市では一人でも多くの市民がスポーツに親しんでいただけるよう市民1人1スポーツ
の実現を目指してスポーツ教室、各種大会の開催、施設の整備等を行っております。
さらに指導者の養成、確保並びに各種スポーツ団体等の育成を図るなど、スポーツの振
興に意を注いでまいります。
今後も市民一人ひとりが年齢や体力に応じて親しめる多種多様なスポーツ大会の開催、
情報の提供等を積極的に行いながら、市民の多くが気軽に参加できるような生活に溶け込
んだスポーツの普及に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(末木隆義君) 山村勝一君。
○山村勝一君 質問に対する明快な答弁、本当に心より感謝申し上げるところで
ございますが、2点ほど要望をしたいと思います。
さきの最終処分場の問題でございますが、これは本当に市の財政、また市民の生活、環
境等に直接影響する問題でございますので、本当に早い機会に石和町と協議する中で解決
していただきたい、このように願っているところでございます。
また、もう一点は、今、組合施行の区画整理が甲府で3か所ほど行われておりますが、
本当に行き詰まって苦しい状況でございます。これも甲府市はもとより地域の振興、発展
に寄与するところでございますが、法的にはどこまでが行政に責任があるかよく私もわか
らないところでありますが、やはりこれは行政が甲府市が指導して組合の設立とか区画整
理事業に関与していることがあろうと思いますので、本当に誠意をもって行政が指導とか
援助をできるだけやっていただきたい、このように願っているものでございますので、こ
の2点は、お答え要りません。要望としておきます。
これで政友クラブの一般質問を終わらせていただきます。
○議長(末木隆義君) 暫時休憩いたします。
午後3時03分 休 憩
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午後3時30分 再開議
○副議長(雨宮年江君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。
日新クラブの代表質問を行います。小野雄造君。
小野雄造君。
(小野雄造君 登壇)
○小野雄造君 日新クラブを代表いたしまして質問を行います。
このたびの地方統一選挙に当選できましたことは、まことに光栄であります。初心を忘
れず、市民のための市民の政治に全力を注いでまいりますのでよろしくお願いを申し上げ
ます。
山本市長におかれては、多くの市民の支持により三選を圧勝され、第35代甲府市長と
して引き続き職責を担うことに心よりお祝いと喜びを申し上げます。
山本市政の政治理念であります市民生活優先の「政治とは思いやりがあり、人の痛みが
わかるものでなくてはならない」「行政は最大のサービス産業」であると述べ、一党一派
に偏しない公平で公正な市政運営を行ってきました。平成3年のバブル経済崩壊に伴う景
気低迷の中、国の行財政改革による国庫支出金の削減恒久化や、長引く不況による市税収
入の減収等により、大幅な増収が見込めない現況の中で、市税の公平、適正な課税、さら
には有利な地方債の活用や基金の運用等により積極的な財源の確保に努めるとともに、自
主的行政改革の推進とあわせた一般経常経費の抑制や行政の硬直化を招くことのないよう
、市債依存度にも配慮しながら限られた財源の重点的、効率的活用を図り、健全な財政運
営と弾力的な財政構造を堅持すべく最大限の努力が2期目にはうかがわれました。
3期目には、来るべき21世紀の初代の市長として、これまで2期8年の実績を生かし
、豊かで活力あふれる住み良いまちづくりのためのビジョンと、21世紀に向けての新た
なる決意を御披瀝をお願い申し上げます。
さて山本市長は、2期目の平成9年3月議会において、30万中核市構想を掲げ、合併
推進の所信を表明いたしました。地方分権という時代の大きな潮流を踏まえ、特色ある地
方を形成するため、みずから選択と責任のもと、自主、自立の都市づくりを推進いたさな
ければなりません。さらに、行政の広域化、経済圏域の広がりとともに、周辺市町村との
交流と連携を基軸に、人間性の尊重や自然の回復、次代を担う人材の育成などを図りなが
ら、本市の持つ都市機能を基盤として一体的な発展を目指さなければなりません。
さらに、来年4月に予定されている介護保険制度のスタートに、各町村においては混迷
を極めておると推察をいたされます。それは導入に向け事務処理システムの構築、要介護
認定事務、被保険者証の交付、保険制度への住民の周知活動、事業計画の策定など、だれ
もが必要なときに介護サービスを迅速に受けられることの準備がこなせないというような
各自治体の嘆きが聞かれるからであります。そこで甲府地区広域市町村圏域を形成する1
市5町はもとより新病院開院とあわせて、ごみの共同処理をいたしております東部地区の
石和町をはじめ八代町、境川村、中道町、さらに豊富村を取り入れた広域連合の設立を図
るべきと思うがいかがか。このことは山本市長の唱えております合併への第一歩と中核市
構想の礎と期待をいたすものであります。
次に、新庁舎建設についてお伺いをいたします。
甲府市は明治22年7月1日、全国で34番目の市として誕生をいたしました。美しい
自然と古い歴史に恵まれて栄えてきました本市も、県都にふさわしい近代的文化都市とし
て大きく発展を遂げてまいりました。ことしは市制施行110周年の節目の年を迎えます
。この年輪は、多彩な歴史を刻まれた先人たちの先見性並びに市民の皆様のたゆみない努
力と汗で培った大きな遺産であります。現庁舎は第25代鷹野啓次郎市長のもとに昭和3
6年11月に完成し、市民の皆様がなじみやすい行政センターとして効率的行政運営の推
進を図ってきました。しかしながら時代の変遷に伴って、必然的に生じ得る行政事務量の増加、モータリゼーションに伴う駐車場不足、あわせて狭隘により庁舎は機能、規模、構造から問題点が多く、市民サービスの面からも支障を来しております。昭和50年、隣地
の甲府郵便局移転跡地を確保、中館と南庁舎に、昭和55年、水道局移転に伴い西庁舎に
、さらに篠原ビルの借り受けや平成7年7月には東武穴水ビル7、8、9階を借り受け、
北別館として利用をいたしておりますが、御承知のとおり賃借料年間約8,700万円を
支払うという庁舎スペース不足から生じたツケであります。
そこでお伺いをいたします。山本市長は、庁舎建設基金積立金として平成9年度が5億
円、平成10年度も5億を積み立てをいたし、本年度11年度は4億円を予算に計上をい
たしておりますが、いつ庁舎建設をいたすのかお伺いをいたします。私は、甲府市制施行
110周年の記念事業の位置づけとして並びに新世紀の百年の大計を描き、大甲府市発展
の礎となる新庁舎建設は速やかに取り組むべきと思うからであります。
次に、新山梨環状線北部ルートについてお伺いをいたします。
今、国においては多極分散型国土形成を目指し、全国的な自動車網を構成する高規格幹
線道路網の整備が進められており、本格的広域高速交通時代を迎えようとしております。
交通体系の整備は、県民の社会経済活動を支える基盤として地域間の交流を活発化し、国
内外の交流拠点の実現を図る上でも、最も重要な課題の一つであります。御承知のとおり
北部ルートの建設については、国の直轄事業として平成8年調査区間に位置づけられまし
た。この事業の推進につきましては、自治会連合会北部9連も平成10年9月22日に陳
情をいたしておるところであります。
しかしながら、今日まで何ら示されておらず、住民にとって期待と不安が交錯しているものと思います。当局は一刻も早く明確にし、住民の理解と協力を求めていくべきであり
ます。
このルートは、本市の産業、経済、文化の振興とあわせて北部振興に欠かすことのできない事業であり、特に湯村温泉郷への集客の確保と御岳昇仙峡への観光振興に大きな波及効果が期待されるところであります。平成9年4月、「あかずの国道」と言われておりま
した雁坂トンネルの開通により、埼玉県方面からの観光客の入り込みが激増しました。現
在、山梨市・甲府市の間、桜井町までが西関東連絡道路として建設中でありますが、これ
が完成の暁には、そこからの延長がなければただただ渋滞を招くばかりであります。現在
、県道甲府敷島韮崎線、通称山の手通りは市内一、二の渋滞道路で、万一緊急、火災等災
害時には大事に至ることは明らかであり、だれしも指摘するところであります。山本市長
は平成6年7月27日より新山梨環状道路整備促進期成同盟会の会長を務めておりますが
、会長として事業の早期実現に向けての所感をお聞かせをいただきたいと思います。
次に、甲府市立甲府商業高等学校の創立百周年記念事業の取り組みについてお伺いをい
たします。
平成10年、9月の本会議で質問させていただきましたが、再度確認をさせていただき
ます。甲府市立甲府商業高等学校は、明治33年12月13日に設立認可を受け、質実剛健、不撓不屈、士魂商才の伝統ある校訓を受け継ぎ、多くの卒業生を輩出、今、内外で活
躍をいたしております。
平成13年、この年は西暦2001年、21世紀の最初の年にあたり、このとき甲府商業高等学校は創立百周年を迎えようといたすわけであります。9月議会において当局は、
「平成11年度に同窓会、PTA、市民等の代表に参加をいただき、実行委員会を組織す
る」と答弁をいたしておりますが、その後の取り組み状況はどのようになっているのかお示しください。
次に、同年1月に開催が決定いたされております第56回国民体育大会冬季大会のフィ
ギュアスケート及びアイスホッケー競技会の開催地として11年度予算655万,8,0
00円が計上されておりますが、その準備状況と計画を御説明をいただきたいと思います
。 次に、荒川トラスト基金条例制定について提言をいたします。
我が郷土が生んだ戦国時代の名将武田信玄公は、国土を開発し、民生に意を注ぎ、産業
を奨励し、国土の充実を図りました。今なお幾多のすぐれた史跡の数々は各所に見ること
ができます。特に治山治水事業に力を注がれ、その偉業は450年をたった現在でも信玄
堤として残され、甲府盆地を立派に守っております。治山治水事業の整備は、技術進歩と
ともに内容が変わり、その間私たちは高密度な経済社会をつくり、高い生活文化を継受し
てきました。
しかし、振り返ってみますと、高度経済成長の陰に、私たちが子供のころ遊び、魚をと
った母なる川はどのように変わってきたのか、今でもそこにふるさとを感ずることができ
るのか、こんな疑問を感じます。生活排水や洗剤の泡やごみも川に捨てられ、悪臭のする
汚染の川と化しました。生息をしていましたメダカはもとよりハヤ、ザリガニまでも川か
ら見られなくなってしまいました。いわゆるコンクリートづくめの死に川でなく、私たち
子供のころ遊び、学んだ清らかな川を取り戻し、自然の中に蛍が飛び交い、メダカやザリ
ガニ、カワセミの住める緑豊かな荒川を21世紀の世代に継承しなければなりません。甲府市の北部山岳地域は、日本を代表するナショナルパークとして位置し、御岳昇仙峡をは
じめ数多くの渓谷は特別名勝地であり、恵まれた観光地でもあります。この日本一の景勝
地御岳昇仙峡をいま一歩推し進め、川沿いには自然散策道を設置、四季折々に咲く花の楽
園づくりをしたり、魚に触れ合う水辺づくりや荒川を日本一のヤマメや淡水魚の宝庫とし
たいものでありますが、いかがでしょうか。釣りをこよなく愛される山本市長におかれて
は、だれよりも理解をいただけると存じます。
そこで提言をいたしますが、(仮称)荒川トラスト基金条例を制定し、ボランティアの
荒川清流協会を設立、川のよみがえりを推進するために、企業をはじめ市民一人ひとりの
だれもが参画できる市民参加型による基金を募り、その基金に応じ、上流区域にはイワナ
やヤマメを、中・下流区域には鱒やニシキゴイを放流、また川沿いには四季折々に咲く花
の種や苗を配布して、だれもがふるさとの自然を守り、河川美化運動に参画できる市民運
動を展開すべき時代を迎えていると思いますけれども、市長の自然環境への思いと制度へ
の情熱をお聞かせをいただきたいと思います。
最後に、病院跡地利用についてお伺いをいたします。
新甲府市立病院は、20万市民の待望のもと、5月3日にオープンをいたしました。市
民の一人といたしまして同慶のきわみであります。私は病院跡地の地元選出議員として平
成4年9月25日、新病院建設が山城地区増坪町に決定されて以来7年間、機会あるごと
にこの壇上より病院跡地利用について市長に明確な答弁をいただくために地元の声、地域
の実情を訴え続けてまいりました。
御承知のとおり病院跡地利用検討委員会は、平成9年8月8日に編成され、1年有余に
及ぶ慎重審議の上、昨年10月18日、本間勇卿検討委員会会長より跡地利用案を山本市
長に提言をされました。提言の趣旨は、「医療の灯を消さないこと」を基調とした地元湯田地区7項目にわたる要望等の対応として「医師会館の設置について、甲府市医師会医療
部門には行政が実施する予防接種、乳幼児健診の医師派遣や地域住民の検診、人間ドック
、各種事業所等を担当する健康管理センター、肺がん、子宮がん等の診断を行う細胞診セ
ンター並びに休日、祝日、夜間の急患に対応する緊急医療センターがある。これらの医師
会機能と甲府市が一体となり連携をすることによって、医療行政の円滑な推進を図れるも
のと考える。また、甲府市総合保健計画の一環として、その目的達成のために甲府市と医
師会が綿密な協力体制を取ることにより、市民にとってより高度の医療・保健・福祉の面
での協力体制ができる。したがって、病院移転後の施設に医師会館を設置することが適当
である」と提言をされております。
さらに保健センター、看護協会の要望のある訪問看護ステーション、歯科医師会、薬剤
師会の支援情報センターの設置、あわせて介護保険導入などに備えて市の福祉部の全面移
転やボランティアセンター等を掲げ、官民が連帯して効率的、安定的な福祉サービスを提
供する施設と位置づけております。
病院跡地検討委員会の以上のような提言を受けて以来、はや8か月が過ぎようといたし
ております。その中において先般5月15日、甲府市医師会本間会長をはじめ、3師会、
関係医師50有余名に及ぶ先生方が病院跡地を視察され、3師会それぞれのスペース取り
を協議されたと聞いております。当局においても提言を踏まえ、庁内プロジェクトや専門
部会において利用計画を策定され、明日(12日)に地元説明会を開催すると聞き及んで
おりますが、跡地利用をどのようにされるのか、明快に御説明をお願いをいたします。
以上をもって、第一弾の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございまし
た。
○副議長(雨宮年江君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 小野議員の御質問にお答えいたします。
まちづくりビジョンについての御質問でございますが、本市は明治22年に市制が施行
され、百年の記念すべき節目を経て、本年110周年を迎えることになりました。おりし
も激動の20世紀から21世紀へ移り変わっていくという世紀の変り目に立っております
。このようなとき、第35代甲府市長として21世紀の新しい甲府市のまちづくりを託さ
れたものといたしまして、その責任の重さを痛感するとともに、ふるさと甲府への限りな
い発展に夢をはせているところであります。
さて、時代はまさに変革の時代であります。この変革の時代を本市の新たな活力を創出
する機会ととらえ、新しい感性と視点を持って個性豊かな魅力あふれる甲府のまちづくり
を進めてまいりたいと考えております。交流と連携の時代潮流を踏まえ、甲府盆地の一体
的発展を目指した中核市構想の推進を大きな視野に入れ、この展望に立って、本市の近未
来のまちづくりを展開していきたいと考えております。このため、新たな広域的土地利用
や魅力的な市街地形成を構築し、全市的、広域的まちづくりのグランドデザインを創造し
てまいります。
次に、広域連合についての御質問でございますが、広域連合制度は、平成6年の地方自
治法の改正により創設をされ、全国で20の広域連合が設置されております。この制度は
、具体的な広域行政事業へ対応するため設けられた広域行政の一つの方式であります。し
かしながら、本市におきましては、中核市構想を念頭に置いて、周辺町村との広域的交流
、連携を図りながら具体的事務事業について関係町村と相互の課題を研究してまいりたい
と考えております。
なお、介護保険制度につきましては、現時点では、本市の単独で対応してまいる予定で
あります。
次に、新山梨環状道路北部区間についての御質問でございますが、この道路は、議員御
指摘のとおり本市にとりまして北部振興、渋滞対策などを考えるとき、大変重要な道路で
あります。国の直轄事業として調査区間に位置づけをされた事業でありますが、国土計画
の中で地域連携軸を構築し、国土の均衡ある発展を目指すためにも関係市町村、住民の皆
さんが互いに協力し、連携して進めていかなければならないものであります。そのために
は、本市としての役割も果たしていかなければならないものであると考えております。現
在、ルート、方法等につきまして調査中とのことでありますが、いずれ明らかになりまし
た時点で国、県、市三者において地域の皆様に説明し、御理解賜るよう努めてまいります
。
次に、病院跡地の活用計画についての御質問でございますが、高齢化の進展や保健、
衛生面での社会的課題の急増により、保健・医療・福祉環境が複雑、多様化する中、昨年
11月18日、病院跡地検討委員会から地元要望である「医療の灯を消さないこと」を骨
子とする提言がなされたところであります。この提言を踏まえ、庁内に病院跡地利用計画
プロジェクトを設置し、跡地の有効的活用や地元要望の具現化等について多面的に調査、
研究をしてまいりました。
その結果、新館は庁舎として活用することを基本に、本年度内に行政部門や福祉関連施
設等を移転させる中間報告をお示しできる運びとなりました。また本館の活用につきまし
ては、「医療の灯を消さないこと」を基本として医師会、歯科医師会、薬剤師会や地元自
治会の要望を踏まえる中で、三師会の各種機能やコミュニティ施設等の設置を平成12年
度を目途に関係団体等と協議、調整を図ってまいりたいと考えております。
次に、荒川トラスト基金条例制定についての御質問でございますが、トラスト基金条例
並びにボランティアによる荒川清流協会の設立につきましては、貴重な御提言として関係
機関とも連携し、今後、調査研究をしてまいりたいと思っております。
荒川の清流と景観を保ち、次世代に受け継ぐことは大変に貴重な、重要なことと認識を
いたしております。河川美化運動等につきましても、引き続きエコープラン推進協議会を
はじめ市民各層の参画をいただく中で市民の憩いと安らぎの場となるよう積極的に取り組
んでまいる所存でございます。御理解を賜りたいと存じます。
他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。
○企画部長(内藤宥一君) 新庁舎建設についてお答えを申し上げます。
新庁舎建設につきましては、市民サービスの一層の向上と効率的な事務執行を図る上か
ら新甲府市総合計画の重要課題の一つとして位置づけ、平成9年3月議会において庁舎建
設基金条例を制定し、平成9年度より基金の積み立てを行っているところでございます。
今後につきましては、議会の御意見をお聞きし、基本構想を策定していく考えでござい
ます。
以上でございます。
○教育長(金丸 晃君) 教育委員会へのお尋ねのうち、甲府市立甲府商業高等
学校の創立百周年記念事業への取り組みについてお答えをいたします。
甲府市立甲府商業高等学校は、御案内のように明治34年に創立以来、輝かしい歴史と
伝統が脈々として引き継がれ、県内外の経済界はもとより、各界に多くの人材を輩出いた
しまして現在に至っております。平成13年には、はえある創立百周年を迎えるわけです
けれども、先般、教育委員会の中に百周年記念事業準備組織を発足させまして、(仮称)
甲府商業高等学校創立百周年記念事業実行委員会の設立の準備に入りました。さきに校内
では、教頭を委員長とする教職員23名によるところの甲府商業高校百周年記念事業校内
検討会を設置をいたしまして、既に百周年を迎えた他校の実施例を参考にしながら、甲府
商業高校にふさわしい事業内容とするための取り組みについて検討をしております。
今後は、先ほどありましたように同窓会、PTA、学識経験者、行政関係等が一体とな
って意義のある百周年事業にしてまいりたいと考えておりますので、ぜひ御理解と御支援
を賜りたいと存じます。
○教育委員会教育部長(山本承功君) 第56回の国民体育大会冬季大会の準備
状況と計画についてでございますが、第56回国民体育大会冬季大会スケート競技会、ア
イスホッケー競技会が平成13年の1月、山梨県で開催をされます。甲府市においてはフ
ィギュアとショートトラックが小瀬スポーツ公園のアイスアリーナで、またアイスホッケ
ーがアイメッセ山梨の仮設リンクで開催をされます。この大会には、全国から約1,00
0名の役員、選手の参加が見込まれております。
このような大会を開催することは、市民の冬季スポーツの振興並びに青少年の健全育成
につながるものと確信をしております。この大会に備えまして、職員3名を配置し、県及
び関係機関と緊密な連携のもとに式典、広報、宿泊、輸送等の計画を策定し、平成12年
度には実行委員会を設立し、広く市民の参加と協力をいただきながら、21世紀の幕あけ
にふさわしい魅力と感動にあふれる大会となるよう万全を期してまいります。
○副議長(雨宮年江君) 小野雄造君。
○小野雄造君 一定の御答弁をありがとうございました。やはり一番私が気になる
ことは、地元の病院跡地問題の活用であります。今市長さんからも御答弁いただきました
が、明日12日に地元の代表の皆さんと初めて経過報告がなされるようであります。平成
4年9月25日から7年間、地域の商店街の皆さんはここで本当に生活権が守れるのか、
また地域の活性化が図れるのか、毎日毎日心配をされておるところであります。特に周辺
で駐車場を提供している皆さん方も、この5月でもう契約が切れたわけですから、その駐
車場の皆さん方は既に民間へもある程度お貸しを始めているということになるわけです。
そういうことになりますと、またこの医療・福祉・保健、市長が唱えている跡地にそのよ
うなものが行った場合におきましても、なお職員の駐車場確保が難しくなるわけでありま
す。そういう面で、明日の地元との説明会を私も踏まえて、今後も委員会の中でも細かい
ことは御質問させていただきたいと思いますけれども、どうかひとつ、さらなる前向きの
市長のお考えを述べていただいて、市長が唱えている医療・福祉・保健、21世紀はこう
あるべきだ、跡地はこう活用すべきだということで、どうかひとつ取り組みをお願い申し
上げたいと思っております。そんなことで、さらなる地域の発展のための御努力をお願い
申し上げて質問を終わります。よろしくお願いします。
○副議長(雨宮年江君) 次に、日新クラブの一般質問を行います。保坂一夫君。
保坂一夫君。
(保坂一夫君 登壇)
○保坂一夫君 日新クラブ小野議員の代表質問に続きまして質問をさせていただ
きますが、若干、質問構成の関係等もありまして、私は2項目に質問を絞らせていただき
ました。
最初に、介護保険制度への対応と課題について質問をいたします。
昨日の福永議員の質問と重複をする部分もありますが、今、市民、被保険者にとって、
大いに関心が持たれ、その具体的内容を少しでも早く明らかにし、理解と協力をいただく
意味からも、さらに踏み込んだ質問をさせていただきながら、答弁、説明をいただいた後
に、再質問の形で私なりの考え方、今後のあり方等について述べさせていただきたいと考
えておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、前段で対応にあたっての要望をさせていただきたいと思うわけでございます。山
本市長は、さきの3月定例会の平成11年度市政執行方針で、福祉の向上として「平成1
2年度からの介護保険制度導入に向け、事務処理システムの構築をはじめ、市民への周知
活動、円滑な運営体制の確立など、誰もが必要なときに、介護サービスを迅速に受けるこ
とができるよう準備を進めてまいります。」と述べられております。今議会にも介護認定
審査会の条例制定等も上程がされており、いよいよ10月の要介護認定の申請受け付けも
控えていることから、今議会での市長の所信表明、注目していたわけでありますが、市長
は「介護保険対策事業の推進など福祉サービス供給体制の充実・強化を図る」と、さらり
として触れられました。最近、自治大臣の懸念表明や地方自治体の体制面等々からの先送
り論も言われているわけでありますけれども、こういった中で市長の姿勢はどうであろう
か、一瞬不安な感も持ったわけであります。しかし、昨日の答弁で「地域と一体となり、
取り組んでいく」との表明がなされました。ほっとしたわけであります。他都市あるいは
市町村の動向に揺らぐことなく、甲府市においてはぜひ積極的な対応をお願いしたいと思
うわけであります。
現在、甲府市の高齢化率は18.5%となっております。市内28地区のうち、半数を
超える15地区が20%を超えている状況にあります。65歳以上の高齢人口3万6,0
00人余、さらには75歳以上の後期高齢人口約1万5,000人、当初の甲府市の人口
予想、高齢化率は2000年に18.3%でありましたが、既に本年でこれを上回り、2
005年には20%を超え、5人に1人が高齢者という状況が見込まれているわけでござ
います。
このような状況下で援護、介護を必要とする市民がどのくらいになるのか、この点につ
きましては後ほど質問をさせていただきますが、将来展望に立ち、早期対応が必要と考え
ます。実施に向けては短期での諸準備、担当者にとっても、そして運営主体の甲府市としても大変厳しいものがありますが、明年4月の実施に向け、積極的な対応を要望をして具
体的質問に入らせていただきます。
まず、今、市が県から報告を求められている必要サービス量や要介護度別人数の推計作
業について、きょう11日がタイムリミットとのことで、昨日、要介護度別人数分布の推
計値が新聞報道もされました。その状況について改めてここで市民の前に明らかにしてい
ただきたいと、状況について報告をいただきたいと思います。
次に、10月の申請受け付けに伴う事後の訪問調査の体制についてお伺いをいたします
。
市の職員だけでは対応でき得ないことから、委託の介護支援専門員、ケアマネジャーとの連携、協業が必要になるわけですが、どのような体制、人員で対応をしていくのか。そ
してまた、導入初期における、初期の対応にあたっての人員、何名くらいを想定しているのか、その考え方を御説明いただきたいと思います。
3点目に、昨年行われました介護支援専門員の資格試験で、県内で800名を超える方
が合格をされたそうであります。そしてことしに入り実務研修等も行われた。甲府市として必要人員は確保されるのか、そしてまた今後に向けた行政の考え方をお示しをいただきたいと思います。
4点目といたしまして、サービス事業者の状況についてでありますが、まず、介護報酬
等がまだ明らかにされていないというふうなことから流動的な面が、さらにはその内容的
にも幅が広く、一概には言い切れないと思いますが、市としてそのニーズにこたえ得るの
か、展望についてお聞かせください。
5点目に、今議会において介護認定審査会の委員定数、報酬等の条例が上程されており
ますが、介護保険制度導入にかかわる事務処理システムの構築や被保険者証の交付、ある
いは市民周知活動、また内部的な事業計画策定等の導入初期における諸経費は、どのくら
いが見込まれているのか。そしてまた国からの財政支援、支援措置はどのようになってい
るのか、わかっている範囲で結構ですので明らかにしていただきたいと思います。
6点目は、市民、被保険者が一番関心を持っているサービス水準と保険料についてであ
ります。各運営主体ごとのサービス水準の設定により保険料も異なるということで、甲府
市としてはどのような水準、保険料となるのか。当初から言われてきました平均的2,5
00円という内容を見ましても、1,250円から3,750円の幅の中で、そしてまた
過日の新聞報道では、全国市長会の調査、集計結果で65歳以上の1号被保険者の月額介
護保険料は平均で2,939円と試算されたとのことでありました。全国671市の中で
さらに3,000円以上が124市、5,000円以上も5市あると報じられております
。甲府市はどのようなサービス水準を想定し、どのくらいの保険料を試算をしているのか
。そしてまたこの市長会への報告等もなされているのか、この辺のところを説明を求める
とともに、市民、被保険者に対して具体的な内容を明らかにできる時期、昨日3月という
ふうな話がございました。これまで私たちもいろいろと調査をしてきた中で、介護報酬等
については10月で、保険料等については2月ころかというふうな話も聞いてきたわけで
ありますが、きのうは3月という答弁でありました。4月からの準備に向けたそういった
状況の中で、この3月という時分で本当に間に合うのかどうか、そういった時期等の見通
しを明らかにしていただきたいと存じます。
また、市民周知につきましても、既に担当レベルで地域説明会等で大変御苦労をいただ
いているわけですが、今後詳細、具体的なものが明らかにされた以降の市民周知、理解を
求める具体的取り組み、どのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思い
ます。
続きまして、コンピュータ西暦2000年問題への対応についてお伺いいたします。
コンピュータや半導体チップに組み込まれましたプログラムの多くが、開発初期196
5年ころ、それ以降西暦年号を下2けたに省略記載をした、このことに端を発しているわ
けでありますが、この2000年をコンピュータがどのように識別をし、命令を出すのか
、プログラムが暴走するのか等々、今大きな社会問題となっております。政府、中央官庁
をはじめ、企業、自治体でも対策室を設置し、既にシステム変更なども対応を行っており
ますが、これにつきましても、自分のところだけが対応を行ってもオンライン等の世の中
で相手が対応し切れていなければ解決ができない。そしてまた今、無数のソフトが積み重
なって使われている。どこにそういったプログラムが入っているのか、すべてを探し出す
のは不可能に近いと言われているわけであります。そこで質問ですが、市としてこの問題
をどのようにとらえ、どのような対策を講じておられるのか明らかにしていただきたいと
存じます。特に新市立病院などは、2000年対応の対応済みのシステムが導入されてい
るとは思いますが、庁内の電算システムはじめ多くの公共的部門の状況と対応について説
明を求めます。
そして最後に、庁内の対応のみならず、市民生活上で想定される問題への対応策をどのように考えているか、お聞きをしたいと思います。
コンピュータの誤識別により、大変なことになりそうだと言われているものとしまして
病院の医療機器・オンラインシステムあるいはまた交通信号系統、列車の運用系統、はた
また消防や警察の機器、ガス・電力・水道の制御系統なども言われております。さらには金融機関の決裁システムや通信システムの障害、言われているわけでありまして、市民、
社会生活上の混乱が想定がされるわけであります。市としても危機管理計画策定をする中
、県の防災をはじめ警察あるいは消防等々関係機関との情報連携など、その対策を講ずる
べきと考えますが、見解をお聞かせください。
なお、この件につきましては、なってみなければわからないという問題であります。私
は、問題が起きず、混乱が生じないことを祈りながら当局に対して万全を期す立場から対
応をお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(雨宮年江君) 市長 山本栄彦君。
(市長 山本栄彦君 登壇)
○市長(山本栄彦君) 保坂議員の御質問にお答えいたします。
サービス事業者の甲府市における展望についての御質問ですが、介護保険制度においては、サービスの基盤として多様な事業者の参入が見込まれております。具体的な事業者数
につきましては、6月末から県においてサービス事業者の指定申請受け付けが始まりますので、サービス基盤の整備、充実という面から多くの事業者が指定されることを期待いた
しております。
次に、サービス水準と保険料についての御質問でございますが、介護保険制度は、国の標準的な給付水準及び内容を基本として各市町村ごとに地域の特性にあった独自のサービ
スの提供を行うことのできる仕組みとなっております。したがいまして、御質問のサービ
ス水準につきましては、市民の介護ニーズや国の関連施策の動向等も見ながら検討してい
きたいと考えております。
保険料の早期明示につきましては、介護サービスの量やサービス水準等について介護保
険事業計画策定委員会の審議を経て確定してまいりたいと考えております。したがいまして、現段階におきましては、不確定な要素がありますので、額の算定は困難な状況であり
ます。市民への周知、理解につきましては、市の広報を通じて、また要請のありました団体等につきましては出前講座という形で対応させていただいております。
今後、この制度の確定した内容につきましては、市民向けパンフレット等を全戸配布を
行うなど、制度理解に鋭意努めてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じ
ます。
他の御質問につきましては、関係部長からお答えいたします。
○総務部長(櫻井 稔君) コンピュータ西暦2000年問題への対応につきましてお答えをいたします。
2000年問題は御指摘のように、コンピュータが西暦年数下2けたのみを扱っていることによりまして、1999年から2000年になる際誤作動をしてしまうという問題で
あります。このことは、私たちの生活に密着しているコンピュータに広く内在しているた
め、さまざまな問題が発生することが懸念をされております。
そこで、本市ではこれまでにプログラムの修正等の改造に着手をいたしまして、既に基本的部分のテスト運転を行ったところでございます。今後は、この10月に連続した3日程度の期間を設定いたしまして、実際の環境に近い形でテストランを実施いたしてまいり
ます。また病院、水道、下水、市場等の危機に対する2000年問題につきましては、そ
れぞれの所管部で対応してまいりましたが、さらに精査をいたしまして、市民生活に支障
を来さぬようその対応を図ってまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
○地域振興部長(末木義一君) 市民生活上のコンピュータ2000年問題につい
てお答え申し上げます。
2000年問題は、御指摘のとおりコンピュータの誤作動により通信、交通、電力など
いわゆるライフラインにエラーが発生し、不測の事態が生じた場合、市民生活への混乱が
懸念されております。目下政府レベル、民間レベルにおいてプログラムの修正、新しいシ
ステムへの移行など、準備が急ピッチで進められております。
本市といたしましては、
市民生活への問題発生を未然に防ぐよう県及び関係機関などと緊密な連携を図ってまいり
たいと考えております。
以上でございます。
○福祉部長(藤原一三君) 福祉に関係いたします4点の御質問にお答えをいた
します。
まず、必要サービス量等の推計についてお答えをいたします。必要サービス量の推計に
つきましては、本市の介護保険事業計画の策定とあわせ進めていくことになりますが、具
体的なサービス量につきましては、市民の参画を得た医療・保健・福祉の関係代表からな
ります介護保険事業計画策定委員会へ提示いたしましたが、甲府市内でサービスを受けた
いとする申請者を、約5,000人と推計をしたところでありますが、この推計につきま
しては、全国標準的な考え方に基づくものでありますので、今後はこれらについて本市の
状況を踏まえた上で、個別、具体的に必要量を確定してまいりたいと考えております。
次に、訪問調査の体制についてお答えいたします。
今も申し上げましたが、推計で約5,000人の認定申請が見込まれておりまして、こ
れと同数の訪問調査人数が予想されております。このことから、本市職員のみで対応する
ことが困難な状況が想定されますので、民間事業者への調査業務の委託を前提として体制
の確保を図る予定であります。
なお、委託先といたしましては、介護支援専門員を配置している指定居宅介護支援事業
者をはじめ、介護保険施設などが想定されるところでありますが、調査員の数など、詳細
につきましては、今後さらに調査、検討を図った上で明らかにしてまいりたいと思ってお
ります。
次に、介護支援専門員の必要数とその養成・確保についてお答えいたします。
介護支援専門員は、介護保険制度運営に深くかかわる専門職として期待されており、介
護サービス計画の作成などサービスの提供を受けるために、必要不可欠な業務に従事する
ことから民間事業者にかかわる取り組みとあわせ、本市でも職員の養成を行ったところで
あります。
現在、本市の介護支援情報センターに8名の有資格者を配置をしておりまして、この1
0月から開始予定の業務に支障のないよう万全を期して準備に取り組んでいるところであ
ります。
最後になりますが、制度導入に伴う経費等についてお答えいたします。
認定審査会の報酬等につきましては、今議会に関係条例を提案しているところでありま
すが、制度導入に伴う経費につきましては、いまだ不確定な部分が多く、現時点ではお示
しすることは困難でありますが、詳細な内容も含め、今後介護保険の中期財政運営計画の
策定をはじめ、来年度予算編成の過程の中で明らかにしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○副議長(雨宮年江君) 保坂一夫君。
○保坂一夫君 ただいま一通り回答いただいたわけなんですが、現状においてまだ
余り明らかにできないというふうな部分が多いわけですけども、1点ちょっとお聞きをし
たいのは、先ほど全国市長会、一昨日だったでしょうか、開催されたわけで、その中で甲
府市は、その資料等を提出をされたのかどうか、月額介護保険料、市平均で2,939円
と私申し上げましたけれども、これは全国市長会の中で回答は461市、回答率68.7
%というふうなことで約3割の市はこの資料を提出はしていないわけですけども、果たして今、甲府市はどうだったのかなというふうな思いがございます。この辺についてちょっ
とお聞かせもいただきたいというふうに思います。
それからまた経費見込みの関係についてでありますが、準備段階における国からの支援
措置等々がどのようになっているのか、経費見込み不確定とは言いながらも、一定のそう
いった準備的なものが来てるじゃないか、またこれが今後の来年度予算等々にも正式に盛
り込まれたりしてくるわけでありましょうが、どのくらいになるのか、これも総体的なも
のを知る上で大変重要な部分ではないかというふうに考えているわけです。
そういうことで、ともかくこの支援措置の関係につきましても、これからの高齢者福祉施策、これまでの新ゴールドプランも拡充をしたり、市の老人保健福祉計画の拡充見直しというふうなものを含めた中で、この介護保険制度の前提となる介護サービス基盤を整備
、拡充していかなければならない。その基盤整備にあたりましては、やはり国の責任を明確にして、地方への財政面も含めた支援措置、地方財源を強化をしていく、こういったこ
とが必要だというふうに考えるわけであります。あるいは保険料の関係につきましても、
明確になっていない、あるいはまたこれから検討するわけでありますが、この介護保険の円滑な実施に向けて低所得者に配慮した保険料あるいはまた利用料の設定、そして介護報
酬の適正な水準というものも確保をしていく、これらについてまず要望をさせていただき
たいというふうに思います。
それから、今導入に向けての議論をしているわけですが、今後の展望等といたしまして
も、導入以降ですね、今40歳から65歳未満という第2号被保険者の対象、こういった
ものにつきましても社会連帯の観点、あるいはまた他の社会保険制度の整合性等からも、
やはり速やかに20歳以上とする必要性があるんではないだろうか、またあるいは客観的
かつ公正な要介護認定、あるいはまた負担に伴う給付の権利性、というふうな社会保険原理、これらを徹底をしていくために、保険給付というものは、加齢に伴う、年齢が加わる
、これに伴う疾病等による要介護状態に限定をせず、若年障害者等も含めすべての要介護者を対象とした制度に改革をしていく必要性、さらには24時間対応の介護サービスを基本に、給食サービスや家事サービスなども給付対象に加えるなど保険給付の内容を拡大していくことが、真にこの介護保険制度を定着をさせていくために必要というふうに考える
わけであります。今の後段につきましては、今ここで議論をどうこうということになりま
せん。ぜひ機会をとらえて県あるいはまた国へこういった積極的な対応提起を要望をして
おきたいと思います。
そういうことで1点だけ全国市長会の方へこの保険料、資料等を甲府市として提出して
いるのか、いるのであればその算出、どのようなものであったか、これについて、この1点だけで結構でございますので、御答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(雨宮年江君) 福祉部長 藤原一三君。
○福祉部長(藤原一三君) お答えをいたします。
保険料につきましては、いまだまだはっきりした部分はわかっておりませんが、市長会
の方へは事務段階のごくごく荒い推計ということで報告はさせていただいておりますが、
額等については、いろいろ言われておりますが、不確定部分がありますので、額は控えさ
せていただきたいと思いますが、一応そういう状況でございます。
○副議長(雨宮年江君) よろしいですか。
(保坂一夫君「終わります」と呼ぶ)
○副議長(雨宮年江君) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありません
か。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(雨宮年江君) 御異議なしと認めます。
よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時34分 延 会
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