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更新日:2024年1月24日

甲府五山

甲府(府中)五山は、武田信玄公が府中やその周辺に定めた5つの寺院のことです。

信玄公は広く仏教を信仰し、寺院・僧侶を崇敬保護しました。なかでも禅法を尊び、諸国から禅の高僧を招き、その教えを政治(民政)・軍政に大きく反映させました。

臨済禅の関山派に深く帰依した信玄公は、京都や鎌倉にならい、長禅寺・東光寺・能成寺・円光院・法泉寺を甲府五山に定めました。いずれも武田氏とゆかりの深い寺院です。

 長禅寺 ちょうぜんじ

長禅寺の画像

甲府五山の筆頭にあげられる名刹。信玄公の母・大井夫人の菩提寺です。

長禅寺が開かれた時の住職・岐秀元伯は、大井夫人が招いた、信玄公の幼少期からの学問・政道の師。信玄公の人間形成に大きな影響を与えたといわれています。また、信玄公に、それまでの武田晴信から「機山信玄」という法号を与えたことでも有名な高僧です。

※朱印帳等の記載はご遠慮願っております。

  • アクセス:甲府駅南口から徒歩15分
  • 所在地:甲府市愛宕町208

 東光寺 とうこうじ

東光寺

名僧・蘭渓道隆(大覚禅師)が再興し、信玄公が厚く保護したお寺です。

信玄公の長男・義信と諏訪頼重のお墓があります。

長男・義信は父・信玄と対立したといわれ、東光寺に幽閉され、自害しています。また、諏訪頼重は、名門・諏訪家の当主で、信玄公の諏訪侵攻の時、捕らえられ、東光寺に幽閉され、切腹しました。

そのほか、境内には、蘭渓道隆が築いたといわれる見事な庭園(県文化財)、室町時代に建てられたという、国の重要文化財に指定されている仏殿(薬師堂)などがあります。

  • アクセス:JR身延線善光寺駅から徒歩10分/甲府駅南口からバス15分・善光寺入口下車、徒歩10分
  • 所在地:甲府市東光寺3-7-37
  • 電話:055-233-9070

 能成寺 のうじょうじ

東光寺

信玄公の父・信虎の曽祖父である武田信守の菩提寺です。もともとは八代郡(現:笛吹市)にあり、信玄公の時代に府中に、さらに、甲府城築城の時、現在地に移ったといわれています。

境内には芭蕉の句碑、赤穂藩の家老・大野九郎兵衛の墓などがあります。

  • アクセス:JR身延線金手駅から徒歩10分/甲府駅南口からバス10分・市立図書館入口下車、徒歩10分
  • 所在地:甲府市東光寺町2153
  • 電話:055-233-9396  

 円光院 えんこういん

円光院

つつじが崎のふもとにあり、信玄公の正室・三条夫人の菩提寺です。

説三和尚を住持として開山し、甲府五山の一つに加えて保護しました。三条夫人が元亀元年(1570)に没したので、この寺に葬りました。

円光院の名は、夫人の没後、その法号をとって称されるようになったものです。

寺には信玄公の寄進状や遺宝が伝えられています。

 法泉寺 ほうせんじ

法泉寺

南北朝時代に甲斐守護・武田信武が建てたお寺で、武田信武、信玄公の第四子・勝頼の菩提寺です。

信玄公の跡を継いだ勝頼は、天正10年(1582)、天目山の戦いで敗れ、織田信長により、首級は京にさらされました。勝頼の葬儀は京都の妙心寺で行われ、葬儀に参列した法泉寺の快岳宗悦和尚がその歯髪の一部をもらいうけ、法泉寺境内に埋葬したと伝えられています。その「歯髪塚」の目印に桜が植えられたといわれ、現在も勝頼の墓地には桜の木があります。