市政質問

 市政全般に対する代表質問・一般質問は5日、6日、9日の三日間行われ、各会派より10名の議員が、市長の政治姿勢、新年度予算、行財政改革、教育行政、医療福祉対策、産業振興、防災対策などについて、市の考え方をただしました。
 主な質問と答弁の一部についての要旨は次のとおりです。
市政への市民参加を
[問]地方分権が叫ばれ、市民・住民の行政に対する要望も多種多様化しており、今日まちづくりは行政ひとりが担ってゆくものではなくなりつつあります。当然、市民の積極的な協力と参加なしではまちづくりはできません。
 そこで、市政への市民参加としてまず各種審議会や委員会の委員を公募し、できるだけ広範な市民や団体から選考することを検討されたらどうか。

[答]各種付属機関の委員選考につきましては、「甲府市付属機関の委員選考に関する取扱要領」に基づいて、幅広い市民各層からの市政参加を目的として行っているところであり、すでに各機関の設置目的に従った活動状況、委員の選考基準などについて、全庁的に調査を実施し、現在取りまとめを行っております。
 選考方法の公募制についても調査の対象に加え、現段階では約二十機関については公募制の実施が可能と判断しております。 したがって、これらを充分参考にしながら、公募枠の拡大も含めて見直しを図って参ります。

民間委託と組織の見直しは
[問]組織の見直しを行ううえで避けてとおれないものとして、民間委託と職員の適正配置の問題があるが、当局の見解は。

[答]事務事業の民間委託につきましては、市民サービスの確保、行政責任の確保等の基準を定めた要綱に従い、すでに八百件以上行っております。今後におきましても、民間活力導入の効果等を見極めながら検討をして参ります。
 職員配置につきましては、これまでにも事務事業の見直し、組織機構の整備・改善に整合させた定数管理に努めて参りました。十年度組織整備の中では、市民生活に直接係わりのある部門といたしまして、介護保険、道路補修センター等への増員を考えております。
 更に、十年度から取り組んで参ります行政改革の中で、業務量に見合った適正な職員配置に努めて参ります。

生涯学習推進構想の具体策は
[問]このほど、市長を本部長とする「甲府市生涯学習推進本部」から「推進構想」が発表されましたが、これを今後どのようにしてより多くの市民とともに共有し、定着させていくのか。また、この構想を目標に掲げての都市宣言が高らかに市民の中から湧き上ってくるような環境の整備に、どのような道筋をつけていくのか。ご所見をお伺いしたい。

[答]生涯学習の実践につきましては、あらゆる機会、媒体を通じてPRに努めて参りました。
 本年度は、十月十七日を中心として計画されています「甲府ウィーク」に合わせ、「生涯学習都市宣言」を行い、生涯学習推進市民大会を開催し、記念講演や郷土の歴史に関するシンポジウム、子供のための郷土史教室等の事業を実施するほか公民館活動として定着している市民主導の高齢者学級や各種自主グループの協力をいただきながら、生涯学習推進構想のコンセプトが市民に浸透できますよう対策を講じて参ります。
 また、学校週五日制移行をも視野に入れた事業計画も積極的に検討して参ります。

さい帯血移植の医療保険適用は
[問]昨年の九月議会で、白血病の治療法としてのさい帯血移植に医療保険適用と公的バンクの実現を国に働きかける意見書を採択し、本年四月からさい帯血移植に医療保険が適用されることとなりました。こうした中、市立甲府病院ではさい帯血移植についてどのように考えているのかご所見をお伺いします。

[答]最近、さい帯血移植治療が全国的に注目され、白血病等の有効な治療法として高く評価されており、各県においてもさい帯血バンクの推進計画が図られていることは承知しております。
 今後、山梨県においてさい帯血バンクが設立され、保険適用が認められた場合、当院においてもさい帯血採取の面でさい帯血移植の推進にできるかぎり協力してまいりたいと考えております。

中学校給食の業者選定は
[問]中学校給食については、新年度中には市内全校実施となるが実施にあたっては、市内給食業者を選定することが本市の中小業者の育成等からも適正であると考えるとともに、その食材についても市が経営する中央卸売市場から購入するべきであると考えるが。

[答]中学校給食の実施につきましては、関係者のご理解とご協力によりまして、昨年九月から二校で先行実施をして参りました。本年九月からは残りの八校についても、先行した二校の評価を踏まえる中で、実施の準備を進めております。
 委託業者の選定及び食材の確保につきましては、本市が実施いたします事業でありますことから、中央卸売市場の活用及び市内業者への委託を優先して業者の選定を行って参ります。

青少年の犯罪防止と教師の養成対策は
[問]最近、暗く陰険な青少年犯罪がマスコミを賑わしているが、市内各校におけるイジメ、不登校、校内暴力等の実態及びそれに対処し得る教師の養成対策は。

[答]市立小中学校のイジメの件数や薬物等の乱用で補導された件数は減少しております。また、不登校については、小学校でやや減少、中学校ではやや増加の傾向にあり、保健室登校や校内暴力は増加傾向にあります。
 社会の変化とともに価値観も多様化しており、生徒指導も大変厳しくなっております。
 これらに対処すべく、教師の社会体験の重要性の見直しが図られ国や県の段階では企業研修を取り入れ、民間企業の厳しさを体験させるとともに、教師としてのあり方、仕事に対する責任と誇りを持たせるようにしております。
 市教育委員会でも中堅教員のための総合教育研修講座を設け、その中で企業への視察研修を実施し教師の指導力の向上を図るべく努力をしているところであります。

甲府西武跡地の有効活用を
[問]甲府西武の撤退は中心商店街の実態をもろに露呈したものであり、今後更に地盤沈下が加速されるのではと、各商店街では重要な問題としてとらえております。
 西友本社の方針としては、跡地を賃貸する考えはなく売却とのことであります。
 そこで、現在甲府市が東部穴水ビルを庁舎の一部として賃貸契約している状況等もふまえ、甲府西武跡地を買収し、有効活用することが、市民に対して大義名分も立ち、理解されるものと考えるが。

[答]庁舎問題につきましては、将来的な建設に向けて平成九年度から庁舎建設基金の積立をしているところであります。旧甲府西武百貨店は、中央部商店街の核をなす場所でもあることから、商業の活性化また賑わいのあるまちづくり等、総合的な観点をもって対応していかなければならないものと考えております。
 したがいまして、今後も県及び商工会議所等関係機関の動向をも見ながら、対応して参りたいと考えております。

シビックコア地区整備計画は
[問]国の合同庁舎や民間施設を共同一体的に整備し、賑わいや魅力の創出を図るシビックコア地区整備計画の進捗状況及び今後のスケジュールと見通しは。

[答]同計画は本市では、甲府駅周辺都市拠点整備事業と併せて推進が図れるメリットがあることから、先進都市の状況等を参考にしながら、民間委託により平成八年度から調査を開始しており、地区整備の形成に関する基礎調査として国・県・市の施設の現状と課題調査等を行っております。
 平成九年度は、シビックコア地区の選定、まちづくりイメージのあり方等の調査を推進しているところであります。
 なお、今後早期実現に向けて、地区整備計画を調査、研究する中で、国の第三次官庁整備十ヶ年計画との整合性を図りながら、推進して参りたいと考えております。

雪害対策の進捗状況は
[問]過日の大雪後、市の雪害対策本部は被害農家への無利子融資制度など緊急対策を発表するとともに残雪の除去作業の実施、市建設安全協議会との災害時における応急対策業務に関する協定の締結などを行ったと聞いているが、その進捗状況は。

[答]本市では、雪害農家に対し一月二十七日に「甲府市雪害緊急特別資金融資制度」を創設し、無利子融資を決定いたしました。三月六日現在における相談件数は十一件、申し込み件数は二件であります。
 残雪の除去作業につきましては一月二十二日、二十三日の二日間に職員延べ五百人を動員し、中心街幹線道路の残雪処理を実施し、その後も建設部職員による残雪搬出作業を二月六日まで行ったところであります。
 また、災害に関する協定につきましては、雪害等を含めたあらゆる災害が発生、または発生の恐れがある場合に、本市が管理する河川・道路・建物等の機能確保及び早期回復を目的として、二月二十四日に甲府市建設安全協議会と「災害時における応急対策業務に関する協定」を締結いたしました。今後、機動力を有する安全協議会の協力を得て、速やかな対応ができるものと考えております。

災害時における非常食の備蓄量は
[問]甲府市では、地震被害予測に基づいて非常食・飲料水の備蓄がされていますが、備蓄の地域的な均衡が取れておらず、また備蓄品種にも片寄りがあり、防災計画にある粉ミルク等の備蓄もありません。
 大きな台風が来てもすぐ陸の孤島となる甲府盆地です。備蓄内容を質量共に一層改善充実すべきと考えるが、当局の見解は。

[答]現在、本市では乾パン・乾燥米・白がゆの非常食に加え、飲料水対策としてのペットボトルを備蓄しております。
 備蓄量は平成九年の新たな震害予想結果に基づき、確保しております。なお、被災時において備蓄量に不足が生じた場合には、行政間の相互援助協定の有効な活用や関係団体との連携を図り、確保に努めて参ります。
 乳幼児用の粉ミルクにつきましては、保存期限の問題もありますので調達が可能となるよう業界と調整して参ります。


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