平成5年3月甲府市議会定例会会議録第4号

                午後1時00分 開議

○議長(依田敏夫君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 議長のもとに請願1件が提出されました。

 お手元に配付いたしてあります請願文書表により御了承願います。

 次に、雨宮年江君は、一身上の都合により本日欠席する旨の届け出がありました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1から日程第33までの33案及び日程第34 市政一般について質問を一括議題といたします。

 これより昨日に引き続き、上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 本日は、最初に新政クラブの個人質問を行います。飯沼 忠君。

 飯沼 忠君。

                (飯沼 忠君 登壇)

○飯沼 忠君 平成5年3月定例会にあたりまして、市瑛一般について個人質問させていただきます。

 最初に平成5年度一般会計予算についてお尋ねをいたしますが、既に本議会においても質疑、市政一般質問も最終日に入りまして、市政執行方針、予算説明にも大方の論議が尽くされましたので、二、三の点に絞りお伺いをいたします。

 今年度の予算編成の特徴は、景気低迷の厳しい経済環境の中にあって、苦しい政府の地方財政計画に対応し、思い切って市債を大幅に増額、財政調整基金を取り崩して健全財政を堅持しながら、ほぼ前年並み予算を確保したことにあります。新基本計画スタート二年次にあたりまして、任期後半の事業執行に立ち向かう山本市長にとって、今年は大きな試練となりました。今までも地方債の元利償還金は、年々増加を続けてきました。平成4年12月補正では、51億7,000万円余りに達しております。今回地方交付税の特例減額の措置の結果とはいえ、年度末には地方債残高は566億円に達する見込みであります。本市単独事業145億6,000万余を投入し、レインボープラン7大プロジェクトの基幹事業の年次的な推進を確実にし、景気浮揚に目配りしながら、都市基盤整備に積極的に取り組む姿勢には、深く敬意を表するものでありますが、後年度負担への影響をどのように補足しているのか、公債費比率は、今後どのように推移していくのか、新病院建設など第三次総合計画中期事業費総額は、700億円と推定されております。出口の見えない経済環境にあって、これまでどおりの健全財政を堅持しながらの事業推進は可能なのか、お尋ねするところであります。事業推進執行のかぎは、何といっても緊急にして効率的な景気浮揚対策が基本であると考えます。国・県ともさらに連携を密にいたしまして、この難局に当たっていただきたいことを切望する次第でございます。

 次に、歳入の構成比51.7%を占める市税の収入についてであります。ここ数年来、前年対比5.5%、18億円程度の自然増を確保して順調な推移を示してきました。新年度予算では前年対比3.6%の増額を見込んでおります。租税客体をどのように補足しているのか。平成4年度当初における政府の経済見通しの甘さが数々の論議を呼んでいるという背景もございます。今後の事業執行にかかわる補正財源をどこに求めていくのか、気がかりな点もあるわけでございますので、当局の御見解をお尋ねする次第であります。

 また、低迷する景気動向の中で徴収率の確保、これは相当に厳しい環境に置かれるはずであります。全庁的な取り組みの姿勢、これについてお考えをお示しください。

 また、今期は事務事業の体質改善、これを図る絶好の機会であります。このような経済背景でありますので、各種補助事業の整理統合とあわせ、具体的にどのように着手をしていくのか、あえてお尋ねをするとともに、手綱を引き締めてしっかりとした心構えで対応されんことを強く望むものでございます。

 次に、広報機能の充実と情報発信の効率化についてお尋ねをいたします。

 市政の窓は常に大きく、広く市民に開かれていなければなりません。政策を訴え、理解と協力を求めるためには、広報活動が極めて重要な武器として大きな役割を果たすことは言うまでもありません。先ほど本市の広報紙と広報ビデオが山梨県における広報コンクールで最優秀賞を獲得した、このことはこの意味で大変喜ばしいことであります。さらには、過去に全国広報紙のコンクールで、全国第1位となった実績をもあわせ持っておりますし、私は担当スタッフの日ごろの研さんと努力に改めてここで敬意を表するものであります。

 さて、表題の件でございますが、本市は、分権管理方式を取っているために、各部各担当課は、それぞれ自前の広報機能、事務機能を持たざるを得ません。したがって、その都度各部、各課から市民向けに発行されております印刷物、これは各自治会を通じて配布される分だけでもおおむね2万部を年間超えるのではないかと推測されております。情報がはんらんする中で、タイミングよく必要な情報を的確に伝える、このためには相当な資金と技量と、また能力が必要なことは言うまでもありません。これらに要する年間経費は一体どのくらいになるんでありましょうか。またこれらにかかわる事務の簡素化、効率化のためには情報発信の窓口を専門機関である広報課に集約をして、でき得る限り一元化し、今までに蓄積されましたノウハウを活用して一層の強化を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 また、公的コミュニケーション、これはどうしても一方通行になりがちであります。受け手である市民の側からの情報に、またその反応にも高くアンテナを向けて意見を取り込んでいく、共同作業の手法というようなものも取り入れることを検討してはいかがでしょうか。今後とも名実ともに市政のスポークスマンとしての役割を担うことができますように、広報課の一層の拡充、地位の向上、これを図っていただきたいと思うのであります。市政を正確に、迅速にわかりやすく伝えるそのことが市政をよりよい方向に導く原動力であることを思いをいたしまして、あえて提言するものであります。

 次に、舞鶴城のリフレッシュ事業の進展に伴う周辺整備の促進についてお尋ねをいたします。

 甲府の都心に位置しますこの城郭、これは甲府のシンボルとして貴重な歴史と文化の遺産として、さらにまた都市公園として大切な役割を果たしてまいりました。かつて経済優先の時代の波に飲み込まれたころには、無用の長物として一部には取り壊して駐車場にせよなどという、まさに暴論がまかり通ったこともございましたが、今や市民の広い共感を得て、ようやく息を吹き返したごとくに見えます。甲府城は県の管理地でありますが、これは遠い祖父の代から守り伝えられました市民の財産であり、心の古里と呼ぶにふさわしいものであります。またかけがえのない本市の観光資源であることも言を待ちません。

 新都市拠点整備事業着々と進行しているわけですが、これと連動させながら、この機会をとらえて周辺整備に本格的に取り組むべきでございます。殊に中央商店街と直結するアクセス街路の整備、これについては将来的展望に立って、今のうちにしっかりとした構想を打ち立てておく必要があると思います。御所見をお伺いいたします。

 次に、水資源保護と北部山岳地域振興事業についてでありますが、このことにつきましては今議会においても既に各議員による論議が尽くされており、また当局答弁も一貫していただいておりますので、質問は省略させていただきます。

 言うまでもなく甲府市の貴重な財産である北部山岳地域の自然と水源を守ることは、市民一人一人の責務であり、永遠の課題であります。自然環境の保護に向かって市民の関心が高まり、全国的規模で水源保護と水質保全にさまざまな議論と提言がなされている今、厳しい財政環境にありながら、今議会に提案されました水源涵養林保護基金制度の導入、これは基金の額はともかくとして、甲府市水道水源保護指導要綱の完全実施、最新型水質検査機器の導入、さらにはマンパワーの育成、かかる政策の一環としてまさに時宜を得たものとして高く評価するものであります。願わくばこの事業が、より多くの市民の参加を得て、将来に向けてさらに大きくたくましく成長することができますよう、また当該地域の振興策が正しく市民に理解されますよう市長及び関係当局の果敢な取り組みを期待するものであります。

 あえて古代都市ローマの史蹟を引用するまでもなく、上水道は都市の命であります。将来にいささかの禍根を残すことがなきよう、全国の都市に誇り得る豊かでうまい甲府の水を次の時代へ、かけがえのない遺産として伝えていくために、北部山岳地域振興事業には大胆、かつ細心な事業執行を期待するものであります。

 次に、地方拠点都市法指定に基づく、拠点となる中核都市の構想についてお伺いをいたします。

 第1点は、指定に向けての現況と経過でございます。さらには今後の取り組みの段取りについてお伺いをしたいと思います。

 市長は、次の指定に向けまして甲府盆地中央部のほぼ全域にわたる1市9町2村のすべてが既に合意形成に達した、と先ほど報告をされましたが、各市町村には、それぞれ個性も特徴も固有の課題も山積しているはずでありますので、私は合意形成のその中身、それと県当局の取り組みの姿勢についてお示し願いたいと存じます。

 第2は、市長の提唱する30万都市構想との関連、また第三次甲府市総合計画のかかる事業への将来にわたる展開のあり方、これについてお考えをお伺いしたいと思います。

 東京一極集中是正と地域活性化、地方の自立を目指したこの政府構想については、既に14地域が指定をされ、いよいよ具体化に向けて動き出したところであり、その推移には多大な関心を寄せるものでありますが、かつてムードばかりが先行して、不発に終わった新産業都市構想、このことに思いをいたすとき、いささかの不安と懸念を抱かざるを得ません。出口が定かでない不況の実態、苦しい財政環境の中で政府資金がどれほど期待できるのかも課題の一つでありましょう。

 さらにまた今後指定を受けた場合、大型の公共事業が重点的に実施されることになります。さればこれに伴う市の財政負担もますます拡大されていくことが想定されますが、その対応にはどのようになさるのか、お尋ねをいたします。

 次に、事業の推進についてでありますが、これは一部事務組合組織のようなもので取り組んでいくことになろうかと思うのですが、計画への住民参加、これと議会合意、これをどのように取り計らっていくのか、あらかじめお伺いをしておきます。

 いずれにいたしましても、既に事業構想に向けてスタートが切られたわけであります。リニア中央エクスプレスと中部横断自動車道、さらにはJR中央線による甲府新宿間60分間構想、まさに高速交通網時代は目前にあります。甲府市が目指す広域的都市機能の構築、これに向けて先見性と決断力を遺憾なく発揮され、甲府盆地の中核都市としてのリーダーシップと責任において、名誉ある地位を占めることができますよう切望するものであります。

 次に、学校現場における性教育並びにエイズ教育、この取り上げ方及び進路指導についてお伺いをいたします。

 市長は、新年度市政執行の社会的課題として、当面する人口の高齢化、これとあわせてエイズ問題を取り上げました。そして相談窓口の設置など具体的対応に取り組むことを明らかにしました。県においてもエイズ対策協議会を中心に教育、啓発、さらには感染者へのカウンセリングなど、組織強化と具体的実践活動に乗り出そうとしておりますし、国でも各地域での核となるエイズ治療の拠点病院の検討に着手しました。甲府市教育委員会でも、昨年3月に性に関する指導研究委員会を設置をいたしまして、既に研究を重ね、新年度にはエイズの治療を含めて性に関する指導計画の手引を作成するなど、各界各方面で対応は急ピッチであります。そこで次の諸点についてお伺いいたします。

 まず、エイズ教育は、教師みずからが研修を深めた上で発達段階に沿って正しい知識を身につけるよう指導しなければならないと考えます。性教育では、教師の人間観、教育観も重要な課題でありましょう。保護者への対応も大きな課題です。具体的には、これをどのように実践していくのか。現場で指導していく教員の養成、学校教育での性教育の位置づけなどなど、当面する課題について明らかにしていただきたいと存じます。

 次に、生徒の進路指導についてでありますが、業者テスト、内申書の開示、偏差値問題など、当議会でも具体的な指導のあり方について数々の御論議をいただきました。御答弁にありましたように教師と児童生徒との信頼と愛情を理念として、一人一人の個性と能力を見つめつつ、しっかりとした目配り、手配りのきいた指導ができ得ますよう教育環境の一層の整備をお願いする次第であります。

 次に、市内中心部の児童の減少に伴う小学校規模の適正化についてでございます。

 このことにつきましては、昨日の会議で私どもの会派の原田議員、村山議員からも多くの問題提起をいただき、御論議をいただいたところでございますが、今後とも市政の重要課題として多方面から論議が高まってくる、このように思いますので、さらに認識を新たにする意味合いから、二、三この際お伺いをさせていただきます。

 第一に、小・中学校適正化調査検討事業の二年度の検討課題の中に、中心部の小学校の統廃合、あるいは再配置問題が入っているかどうか。ないとするならば、今後はどのような位置づけにしていくのか。次に富士川小学校、相生小学校、穴切小、春日小など市の中心部の児童数は、4年後には合計で885人、33クラスに減少すると予測されています。具体的には、新年度における1例として、春日小学校のクラス編成、学校規模はどのようになるのか、お聞きをしたいと思います。また、新入児童が6年後卒業するその時期には、どのように変わっていくのか。その時点でのひずみや障害は予測できるのか、大変難しいことではございましょうが、今日までの研究成果を踏まえてお示しをいただきとう存じます。

 かつて、議会の庁舎建設構想に関する調査特別委員会の席上でも、中心部の小学校の格差是正の論議の中で、これらの統合によりまして市庁舎の建設用地を確保できないか、との論議がなされた経過がございます。期待される地方中核都市として、将来は、都市開発事業を含め基盤整備が着々と進行していく中で市有地の有効活用、これは市民にとっても大きな課題になるはずであります。学校規模の適正化、教育内容の充実、学校統合による跡地の有効利用については、多くの問題点や課題をクリアしなければならないことは十分に理解するところでありますが、広く論議を尽くし、これは全庁挙げてその英知を結集して、真正面から取り組むべき時期に私は来ていると考えます。御所見をお示しください。

 次に、甲府市老人保健福祉計画、これについてお伺いをいたします。

 4年目を迎える国の高齢者保健福祉10か年戦略、この重要課題は在宅福祉であります。ある県の調査によれば、福祉サービスに対する需要の第一位は、何といっても自宅に訪問して身の回りの世話をしてくれる人の派遣、いわゆるホームヘルパーを望むものが全体の4割を占めておる。老後の余生をおくる場所は、95%の方がその質問に「自宅である」と答えています。本市の実態調査では、どのような結果が示されたのか、お尋ねをいたします。

 当局の説明によれば、本市人口の7人に1人が65歳であります。そのうちの50人に1人は寝たきりなどの介護の必要な状態にあります。ゴールドプラン終期における甲府市のヘルパーは、基準値で160人を確保することが求められていると伺っています。現在、新年度4名の新規採用分も含めて、うち6名は臨時職員でありますが、総員44名と伺っております。今後どのように対応していくのか、財源はどこに求めていくのか、お示しください。

 またゴールドプランの戦略の一環として、位置づけられている甲府市保健福祉計画の策定に当たっては、高齢者の立場に立った計画づくりを行うため、作成委員会のメンバーの幅広い人選はもとよりのこと、市民懇話会、公聴会などを充実して、より多くの市民の声や、庁内の現場担当者の意見が十分に取り込まれますよう目配りをし、手落ちなく取り計らっていただきたいと思います。

 言うまでもなくこの計画は、高齢者のニーズを掌握した上で、サービスの目標量を定め、保健と福祉の一元的提供を確保しようとするものであります。必要なものに必要なサービスを提供するための基準を満たし、内容のある血の通った事業を展開するためには、膨大な手間暇と財源が必要であることは明白です。国は、消費税導入の際に、高齢化社会に対応するための財源であると説明をいたしましたが、現状における財政措置は、大変お寂しい限りといわざるを得ません。国に対しても、今後とも財政の裏づけを求めていくとともに、既に実施している地域福祉基金とあわせて、本市でも独自に自主的な住民活動、民間活動に対して高齢者福祉活動振興基金、このような援助基金を設置して、地域福祉の充実、マンパワーの育成を図るべきではないかと考えますが、御所見を賜りとう存じます。

 最後に、本市における外国人問題について触れておきたいと思います。

 急激な外国人労働者の増加が、地域住民に漠然とした不安を与えていることは、前の議会で指摘しました。昨今特に就労や金銭トラブルによる不法就労者間の契約事件や外国人女性による売春など、不法残留外人をめぐる犯罪が多発しているとの情報をよく耳にするようになりました。外国人労働者が集団で街頭にたむろし、奇声を上げるなどして周辺住民から苦情を寄せられたり、治療費が支払われないために診療を拒否されたり、病院をたらい回しにされたりするトラブルも発生しています。社会的摩擦の中で、最も極端なものが犯罪です。それが景気の低迷による失業の不安と結びついたとき、外国人労働者に対する差別や敵意に容易に転化するおそれも考えられます。労働省は、このたび職業安定施行規則を改定をして、外国人労働者の雇用実態の掌握に乗り出すことになりました。著増する外国人が暮らしやすいまちづくり、これは当面する本市の行政課題であります。安価な労働力の受け入れという目先の利害だけでなく、文化や習慣の違う生身の人間を受け入れるという視点から、さらに論議を尽くすべきであります。

 登録済みの外国人は、昨年末で2,308人であります。実は、この数倍ともいわれている不法滞留者、一時滞留者の総数の把握も含め、当局は未登録外国人の実態と動向に、これは人権擁護の立場からも謙虚に目を向けるべきではないでしょうか。問題が起きてからでは遅すぎます。今のうちに何らかの手を打っておくべきだと思うが、対応について改めて当局の見解をお伺いする次第であります。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 飯沼議員の御質問にお答えいたします。

 今後の財政運営についての御質問でございますが、本会議でも再三御答弁申し上げてまいりましたが、景気回復時期が先行き不透明な経済環境に遭遇し、本市第三次総合計画推進に当たっての長期見通しは大変厳しい状況にあります。しかしながら、21世紀への本市の将来を展望した中・後期基本計画は、着実に推進していかなければなりません。今後の財政運営に当たっては、職員の総意を結集し、財源の確保と経費の節減、合理化に努め、市民ニーズ及び社会経済情勢の推移に即した財政需要にこたえ、限りある財源の重点的かつ効率的運用に努めてまいります。さらに長期的視点に立ったローリング方式による実施計画策定の中で、総合的事業調整を図りながら、健全財政を堅持してまいります。

 次に、事務事業の効率的執行についての御質問でございますが、高齢化、国際化、情報化等多様化する地域経済社会構造の変化に伴う行政需要が増大する中で、限られた財源を有効に活用するため事業内容、必要性、緊急性、事業効果など、総合的見地から検討を加え、的確な事業の選択を行うとともに、補助金等新規事業の導入については、既定事業の徹底した見直しを前提としたスクラップ・アンド・ビルドの原則に立って事業効果を上げるべく予算計上をいたしました。

 さらに新年度は義務的経費の増嵩に対応し、物件費等経常経費を4億4,300万円、対前年度比2.3%の大幅な削減を行うとともに、当市単独事業への振り替えを行い、事業費で約25%の増額を図り、市民の福祉充実、生活の質の向上のため財源を重点的、かつ効率的に配分を行い、厳しい財政状況の中で全庁的に取り組み行財政運営の一層の合理化、効率化に努めてまいります。

 次に、広報機能の拡充と情報発信の効率化についての御質問でございますが、昨年度山梨県広報コンクール最優秀賞等の栄誉に対してお褒めのお言葉をいただきましてありがとうございます。さて、お尋ねの件でございますが、現在通常の各部門から市民へのお知らせ情報につきましては広報紙として、また、即時緊急性のあるものにつきましてはパブリシティ活動として広報課で集約しております。平成5年度は、新たに行政情報がいつでも、どこからでもキャッチできる24時間行政情報案内システムの構築により、庁内情報の一元化を図るとともに、市内の若者から甲府市について語ってもらうトークテレビ番組を制作し、市民情報の収集に努めてまいります。なお、今後御提言の趣旨を踏まえまして、事務効率の実行のためできる限り一元化し、市政のスポークスマンとしての役割が担えるよう努めてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 なお、他の御質問につきましては関係部長等からお答えいたします。

○企画推進部長(中山 進君) 企画推進部関係3点についてお答え申し上げます。

 まず第一の公債費比率等についてでございますけれども、新年度の起債は83億7,000万余円、構成比率は12.9%でありますが、これは廃棄物処理建設事業等大型主要事業をはじめ、活力ある地域づくりのための生活関連整備の充実等快適な環境づくり、さらには景気対策事業の財源として借り入れを行うものでございます。適債事業の十分な把握を行うとともに、後年度負担をも考慮する中で、起債計画にのっとり慎重に対応をしておるところでございます。公債費比率の推移は、平成5年度当初予算で14.1%でございまして、平成3年度の決算に比べますと0.7%の上昇を見ておるわけでございます。今後の推移につきましては予算規模等の関係もあり、若干の上昇も予想されますが、起債借り入れにつきましては後年度負担を勘案をする中で、財政硬直化を招かないよう健全財政の堅持に努めてまいりたいと思います。

 第2点目の地方拠点都市法等に関してでございますけれども、本市は地方拠点都市法の地域指定を受けまして、一層の都市施設の整備促進を図るため、庁内にございます政策開発研究会及び議会の新都市拠点整備事業に関する調査特別委員会においての御審議をいただく中で、地域指定に向けて鋭意取り組んでおるところでございます。県におきましては、地方拠点制度推進本部が設置され、県下全域を対象とした調査、検討が現在なされておりますけれども、今後とも県とも十分協議をしてまいりたいと考えております。本市が地域指定を受けるには、周辺町村との同意形成が必要でありますので、中巨摩郡及び東八代郡内の町村にも働きかけてまいりました。この結果、中巨摩郡内の9町2村の合意をいただきましたので、今後は本市の第三次総合計画及び各市町村の長期総合計画との整合を図り、関係市町村が共同で基本構想を策定し、平成5年度中には地域指定が受けられるよう努力をしてまいります。

 拠点都市地域の指定を受ける各市町村が、機能分担を明確にいたしまして、広域的に都市施設等のネットワーク化と整備を促進することによって、地域全体の活性化が図られるものと考えております。この地域の中核都市でございます本市といたしましては、都市施設を積極的に整備をいたしまして、定住人口の増加に努め、30万都市機能の構築に向けて努力をしてまいりたいと思います。

 また、基本計画の策定にあたりましては、地方自治法252条の2の規定に基づきまして、共同処理で策定をしてまいります。基本計画が承認されますと、国の財政支援として特別交付税措置、地方交付税あるいは地方債を活用した支援措置等が得られることになりますので、国の財政支援を最大限活用いたしまして、整備効果が期待できる事業から重点的に整備し、効率的な財政運営に努めてまいります。

 第3点目の市有地の有効活用でございますけれども、御承知のとおり総合計画・新基本計画の中では、既存公共施設の移転改築のほか、市民ニーズに対応する施設の新築も新設も予定をされておるところでございます。こうした公共施設は、市民活動の助長や都市機能の一層の充実のためにも地域的なバランスを考慮しながら設置していくことが肝要であると考えております。したがいまして、既存施設が移転、新築と決められた場合には、当然のことながら跡地利用計画も定めまして公共、公用用地の有効利用と新たな用地取得にかかわる財政負担をも考慮する中で、長期的展望を持つ公共施設配置計画を樹立してまいりたいと考えております。御理解と御協力をお願いいたします。

○市民部長(平本 昇君) 外国人の受け入れ対策についての御質問にお答えを申し上げます。

 御指摘のとおり外国人でありましても、甲府市に居住している限り甲府市民でございますので、偏見や差別は許されるものではございません。祖国を遠く離れ、甲府市に居住するようになった外国人には、いろいろ不安なことがあろうかと存じます。少しでもそのような不安が解消できればと考えまして、本市では昨年外国人相談コーナーを開設したところでございます。最近相談コーナーを訪れます外国人がふえておりますので、心のよりどころとなるよう御指摘の点を踏まえまして、県・国際交流センターなど関係機関と十分連携を図る中で、思いやりのある相談業務を進めてまいる考えでございますので、御理解を賜りたいと存じます。

 以上でございます。

○税務部長(鈴木 勗君) 平成5年度市税の当初予算についてお答えを申し上げます。

 バブル景気の崩壊に伴います景気の後退と、加えて昨今の円高による見通しの悪化から、大手自動車メーカーの工場一部閉鎖や、繊維メーカーの一部操業停止による大量の自宅待機、採用内定の取り消しなどの雇用調整が社会問題化しております。さらに県内におきましても、先月中資本金1,000万円以上の倒産件数は、昨年同期に比べ7件増の13件になるなど景気の冷え込みはさらに進行するのではないかと予想されておるところでござでございます。

 また、県内の中堅中小企業の平成4年度上期の景気動向調査において、状況のよいとする企業の割合から、悪いとする企業の割合を引いた状況判断指数DIは、マイナス49.8と、昭和50年以降最も落ち込んでいると報じられております。本市の企業も例外ではなく、平成4年9月の決算期において、22業種中前年同期の実績を下回る企業は、14業種で、平均18.4%の落ち込みとなっております。特に象徴的なのは、証券業の98.9%の落ち込みがございます。このような景気動向の中、税収への影響は著しいものがあり、国及び各自治体ともその対応に苦慮しているところでございます。

 県の平成5年度の当初予算におきましても、一般会計の歳入の20.6%を占める税収が、法人二税の大幅な減収により16.1%の落ち込みであると聞き及んでおります。このような税環境を厳しく受けとめ、あわせて地方財政計画等を踏まえまして、税の予算編成にも当たりましたが、主要税目であります法人市民税につきましては、対前年から14.5%、7億6,700万円の減収を余儀なくされておるところであります。しかし、個人市民税、固定資産税、その他の税につきましては従前に比べ景気後退の影響はあるものの、比較的堅調であることから、税全体では前年度を3.6%、額にいたしまして11億6,600万円の収入増を見込んでおりますが、過去10年間の対前年の伸び率が7.68%であることに比べますと、鈍化は著しいものがあり、今後このままの景気の動向で推移をいたしますと、次年度以降もさらに厳しい状況が予想されておるところでございます。今後につきましては担税の公平化という意味からも、健全な課税客体の把握と不況と心理面から来る収納率の低下への積極的な対応、さらには納税思想の普及などに努めるなど、市税の確保に全力を傾注してまいりたいと考えております。御理解と御協力をお願いを申し上げます。

 以上です。

○福祉部長(末木忠夫君) 高齢者保健福祉計画の実態調査と、今後の方向についてお答えをいたします。

 本市におきましては、全国平均より高齢者の増加傾向は高く、平成5年1月現在では、人口比で御指摘のとおり約7人に1人が65歳以上の高齢者であり、それらの高齢者の50人に1人、約2%が寝たきり等の介護の必要な状態にありまして、高齢者対策は、今後の本市の保健福祉行政のますます重要な柱になると考えられます。

 これらの現状に的確な対応を図るために、国のゴールドプランの策定を受け、本市としての高齢者保健福祉計画を作成をするため、昨年の6月に実態調査を行いました。調査の結果では、高齢者の生活実態及びホームヘルパーの派遣希望など、各種の保健福祉サービスの利用状況や意向、そして要望意見等が把握をされました。また、この計画を実効あるものにしていくための財源につきましては、国・県に対して最大限の予算措置を求め、御提言の基金等につきましても福祉公社の設立の問題とあわせて検討をしていきたいと考えております。

 以上です。

○都市整備部長(栗原昭明君) 舞鶴城リフレッシュ事業の進展に伴う周辺整備の促進についてとの御質問にお答えいたします。

 舞鶴城公園の整備につきましては、県において昭和62年度に舞鶴城公園整備検討委員会を設置し、この中で石垣の補修、堀の浄化、公園内の植哉、園路、広場の整備、門、櫓の復元など、史蹟にふさわしい公園としての整備を行うべきとの意見集約がなされ、これに基づき、平成元年度に舞鶴城公園整備計画が策定され、平成2年度より整備に着手し、平成12年度には完了となっております。

 周辺整備につきましては公園利用者、及び地元要望が出されている紅梅北通りから、舞鶴公園南入り口の遊亀橋までのアクセス道路等の問題があり、これについては都市計画事業としての事業採択の可否について、県も協議を進めておりますが、採択条件等に照らして非常に厳しいものがあります。

 今後もアクセス道路を含めた周辺整備につきましては地元の要望等も踏まえながら都市景観の向上、及びゆとりのスペースの確保とも絡めるとともに、新都市拠点整備事業と連動させるべく県と協議を進めてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○教育長(浅川紫朗君) 教育委員会に関係いたします御質問にお答えいたします。

 はじめにエイズ教育についてでございますけれども、性に関する指導は人間尊重や生命の大切さを基本にいたしまして、児童生徒に性の発達上の課題と、性教育に関する社会的要請の両面からの問題を取り上げまして、系統的に指導していく必要があると考えております。

 各学校におきましては、学年の発達段階に応じまして、保健体育、理科などの教科や道徳、特別活動の各領域の中でエイズ教育を含め性に関する指導の充実に努めておるところでございます。特に平成5年度から完全実施されます新学習指導要領に基づきまして、中学校の教育課程の中では、エイズの感染経路や防疫の仕方などについて、具体的に学習することになっておりまして、今年度から移行措置に入り学習を深めているところでございます。

 教育委員会といたしましても、今年度設置いたしました甲府市性教育研究委員会で、エイズ教育を含めて性に関する指導の指導計画について調査、研究をし、その作成に着手しておるところでございます。

 また完成いたします指導計画を中心に、教職員の性に関する指導のあり方についての研修も深めてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 他の教育委員会に対する御質問につきましては担当部長からお答えを申し上げます。

○教育委員会管理部長(久保田敏夫君) 御質問の2点についてお答えいたします。

 まず、小・中学校適正規模化への取り組みについてでございますが、小・中学校の適正規模化にかかわる課題との取り組みにつきましては、昭和63年の2月に甲府市小・中学校適正規模化調査検討委員会を設置いたしまして、今日まで検討を重ねてまいりました。平成2年12月に検討委員会の検討結果として、義務教育は地域に根ざして行われることが効果的であり、自治会組織の区域と通学区域の一致が好ましいこと、また学校教育においては、集団活動が適切に行われる規模の維持が必要であるなど、報告を承っております。

 したがいまして、これらを受け他都市の状況調査、さらには全市的に自治会組織と通学区域の現況調査を進める一方、今年2月20日に総合市民会館におきまして、本市の児童生徒の減少化の現況と学校や地域社会のあり方などについて、市民の皆さんに御理解と関心を深めていただくためのシンポジウムを開催したところでございます。いずれにいたしましても、この課題への取り組みにつきましては、広く市民の皆さんとともども考えていくことが大切かと存じております。今後も引き続き調査、研究を深めてまいります。

 次に、春日小学校の現在の学級編成、及び教育の現況についてお答えいたします。

 春日小学校は現在は8学級で編成をされておりますが、将来は6学級の編成になると推定をしております。なお、教育方針といたしましては、たくましく心豊かに生きる力を育てる春日教育を学校教育目標に掲げまして、新学習指導要領に基づく春日小学校の教育課程を編成し、教科、道徳、特別活動において充実した高い教育実践の効果を上げておるところでございます。御指摘の点も踏まえまして、ただいま答弁いたしました適正規模の考えに基づいて、今後検討課題としてまいりたいと考えております。御理解を賜りたく存じます。

○議長(依田敏夫君) 飯沼 忠君。

○飯沼 忠君 極めて真摯に、緊張感あふれる御答弁をいただきましてありがとうございました。いささか再質問したい点もございますが、先ほどの御答弁をベースにいたしまして、さらに常任委員会、予算特別委員会の中で深めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。終わります。

○議長(依田敏夫君) 関連質問はありませんか。

 暫時休憩いたします。

                午後1時57分 休 憩

                午後2時27分 再開議

○議長(依田敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 新社会クラブの代表質問を行います。飯島 勇君。

 飯島 勇君。

                (飯島勇君 登壇)

○飯島 勇君 私は、新社会クラブを代表して、平成5年3月議会における予算案並びに市政一般について質問をさせていただきます。

 3月議会はきょうで第4日目でございます。質問者は8人になっておりまして、私はしんがりを承ったものでございます。7人の先輩・同僚議員の皆さん方ですべて言い尽くされておりますけれども、私は私なりに見方を変えて質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 まず、市長の政治姿勢についてでありますが、毎議会においてこの種の質問がなされ、市長はその都度一党一派に偏らず、不偏不党の立場に立って行政を執行するとの決意を述べているのでありますが、行政の仕組みは中央省庁から県市町村に至るまで一貫した縦割行政が強化をされ、道路一つつくるにせよ、バス停一つを移転するまで、すべてが国の許可がなければ事業が遂行できないほど硬直化し、肥大化しているのが現状であります。こうした行政府の姿勢は、すべてにわたり憲法を基本に条例、規則によって一定の枠組みがなされ、これを逸脱することはもちろんのこと、異なった解釈によって、その精神がゆがめられる危険もまたあるのであります。

 いま国会を中心に、与野党を問わず憲法問題が華々しく論じられていますが、このことは端的に言って、憲法第9条を見直したらどうかが最大の眼目であろうかと思われます。戦後48年を迎えた今日、日本はすばらしい発展を遂げています。その基本は、世界に誇るべき日本国憲法の平和主義、国民主権、基本的人権の原理であったでしょう。戦後日本が軍事国家としての道を歩まなかったことは、大きな誇りであり、子子孫孫に引き継ぐべきとうとい財産であります。このことが今日の繁栄につながり、経済大国として世界における日本の位置を高めたことは、論を待たないのであります。憲法問題といえば、歴代自民党政権下で、第9条改正に始まり、9条に終わる議論が大勢を占めてきました。今PKO協力法改正を、国連の名のもとに、あるいは国連の権威を論拠に行われ、武力行使に日本も加わわらなければ、国際社会での責任を果たせないとする性急な改憲論が横行をし、国内は混乱を揺れ動いております。

 現憲法が、各層から多く支持されていることに幾多の世論調査の結果で明らかであり、「はじめに改憲ありき」とする一部の暴走について危惧するものであります。だからといって私は、憲法を絶対視してタブーだというのではありません。大勢が議論すべきであります。何をどういうふうで、どういう内容にするかといった広い視野から、あくまでも主権者たる国民の意識を基礎にした冷静かつ建設的なものでなければ、将来をあやまることになるからであります。

 その意味で、長期的における国際貢献のあり方、とりわけ武力行使が正しい選択かどうか、日本は世界のために今何をなすべきかを真剣に考え直す、草の根から議論によって、日本のあるべき方向を解決することが最も必要であり、そのことなくして、軽々しく論議すべきではないと思うからでありますが、市長の御見解を求めるものであります。

 さらに今後の市政執行について、私は一昨年の9月定例市議会において山本市長の就任1か年を振り返りつつ、市長の掲げる施策が、私どもの求める方向と大きな相違点がなく、この方針を今後とも貫くべきであると強調しながら、一党一派に偏らない真の市民総参加体制を確立するためにも、早い段階で市民党宣言を表明すべきであると提言をいたしたのであります。任期半ばを迎えた今日、改めて市長の見解を求めるものであります。

 私は、市民党宣言の基調を次の5項目に要約しているのであります。

 第一は、公正にして不偏不党であり、憲法と地方自治の精神を遵守し、直接民主主義の確立のため、市民総参加体制の強化を追求した、市民本位の市政の建設に置き、常に生活者優先の施策の遂行の5つの原則にある、明るい甲府市づくりであろうかと思うのでありますが、市長の明快な御見解を求めるものであります。

 次に、外国人指紋押捺、国籍条項の撤廃であります。

 在日韓国、朝鮮人の国籍条項について質問をいたします。韓国盧泰愚大統領の訪日をはじめ、近くて遠い国であった北鮮との国交正常化交渉など、最近の国際情勢の流れは急速に高まっており、米ソ両国間の雪解けムードと相まって、冷戦後における世界の平和を希求する声は、一段と高まっています。私はこうした国内外の状況変化に対応して、今在日韓国、在日朝鮮人は、現在国内で63万人に上り、県内での在住者は1,400人余り、甲府市においても630人余がいると聞いています。

 かつて戦前、強制連行などで日本に渡り、終戦後も生活上の理由などにより、日本に残らざるを得なかった人たちや、その子孫であり、その40年余りにわたる日常生活は、社会生活から幾多の苦難や制約、精神的、肉体的に及ぶ苦しみ、悲しみは、筆舌に言いあらわせないほどの圧力となり、日々悩んだことだろうと推測をするのであります。依然としていまだに進学、就職などによって、精神的な差別を強いられているのが現状であります。

 さきに上げました630人余りの大多数の皆さんは、日本で生まれ、育った人たちだと聞き及んでいるだけに、生活様式や考え方、言葉は私たちと変わらないばかりか、日々社会生活に溶け込んで、日常の杜会生活に根をおろしておるのであります。こうした人たちに対し、5年ごとに外国人登録の更新の際、指紋押捺や登録証の常時携帯がなぜ必要なのか、大きな疑問を感じてなりません。甲府市の場合も、切りかえ時に義務づけられている指紋は、顔写真と並んで刷り込まれており、このカードを常時携帯しなければ罰せられるといった不自由な生活を強いられているのであります。私は、不幸な過去の歴史を一日も早く解消をし、真の友好を促進する上からも、個人の自由意思で国籍を選べる権利を保障すべきであると考えるのであります。いかがでしょうか。あわせて、本市の職員採用の際にも、明確に表示されている「日本国籍に限る」という資格条件に記載されている国籍条項についても撤廃を求めるものであります。

 甲府市の12月末日で、現在2,308人余りの外国人登録者がおり、韓国、朝鮮人の706名をはじめ、中国人514名が生活をしており、言葉、生活環境のあらゆる面において一日も早く安定をした生活を営む努力をいたしておるのでありまして、既に東京都内、24市、関西では多くの市がこうした国籍条項の撤廃をして採用している状況であります。不況が深刻化している現在、このような就職差別は、将来の生活設計の上からも重大な問題があるだけに、行政が率先をして門戸を開放すべきだと考えますが、市長の英断を強く求めるものであります。

 次は、財政問題についてであります。

 国の93年度一般会計予算の政府案では、前年度比0.2%増の72兆3,548億円。これは87年度の対前年度の伸び率0%以来6年ぶりの超緊縮型予算だといわれています。これはまた深刻な景気低迷によって、歳入のもとである税収が、対前年度比1.9%減の61兆3,030億円となり、10年ぶりに落ち込んだためともいわれています。

 こうしたことから、税外収入の上積みに努めながらも建設国債を8兆1,300億円計上した結果、公債依存度は182兆円にも及ぶといわれています。この額は93年度のGNP予測数値495兆3,000億円の何と36.7%にも及び、後世代に多大の負担を残さない財政運営としては、大変に厳しいものがあると思い、目を離せない状況であります。

 さて、そういうことですから戦後最大とも言われていた平成景気も、バブルがはじけるように短期間に減速に至ったものですから、歳出経費を思い切って削減しなければならないことは一般的にはわかりますが、そのしわ寄せを地方に持ってきていることは、とてもいたみを分かち合うなんてきれいごとではありません。すなわち地方交付税の特別減額4,000億円なんてきれいごとではありません。すなわち地方交付税の特別減額4,000億円、これは3年連続の減額措置となり、後年度には返済されるとしても、この時期の地方財政への影響は多大だと思います。また到底容認できるものではありません。

 さらに懸念されていた公立保育所措置費の地方への負担転嫁、すなわち地方の一般財源化は何とか免れたものの、こうした国から地方への数々の転嫁がある中、景気低迷による税収難に苦しむ地方財政でありますから、対前年度比7.2%減の新年度予算は、大方理解しつつも高速化、高齢化、国際化、情報化の時代に加え、地球環境の時代への対応というように、21世紀の新時代への課題は、文字どおり山積しています。これらの課題にどう、対応していこうとしているのか、その組織と予算的な裏づけをまずお聞かせください。

 そして何よりも、こうした課題に確実に対処していくためには、安定をした経済成長を図ることが肝心だと考えます。経済成長を図る要素として、公共投資、民間投資、個人消費、輸出入とあるわけですが、輸出では約1,300億ドルの貿易黒字を出し、これによっての日本経済の拡大では諸外国から日本のバッシングは、その勢いを増すものであります。世界あっての日本であってみれば、輸入を拡大をし、輸出入が均衡を保ちながらの経済成長を図っていくための政策が求められておるわけで、それには民間投資が冷え込んでいる現状では、まず公共投資から出動する必要があり、また、個人消費も考えなければならないでしょう。要するに、公共投資プラス民間投資プラス個人消費プラス輸出マイナス輸入という算式からすれば、輸入を拡大するためには内需を、内需のためには公共投資と、個人消費を拡大をしていかなくてはなりません。

 そこで国は、公共事業関係の対前年比4.8%増の8兆5,654億円と、他の経費を軒並み抑える中でこの伸びは、景気回復への意気込みが感じられているので、とりわけ住宅の6.1%、下水道の8.O%、環境衛生の7%、公園の7.4%それぞれアップは、特筆されるものと思います。

 また、去る2月4日立春の日に、日銀の公定歩合0.7%引き下げによる2.5%は、文字どおり春を呼ぶ89年以来の超低金利政策であり、確かに年金、金利生活者などにとっては厳しいものでありますが、中小企業までもが雇用調整をするまでに冷え込んだ企業者マインドを、和らげる効果は大きいものといえると思います。これに加えて大幅な減税が施されるならば、個人消費も期待でき、景気浮揚に大きな効果があるものと考え、この実施を強く望むものであります。

 さて、そこでお伺いしますが、昨年、本市が国・県と同調をして実施された緊急経済対策、とりわけ公共事業の前倒し発注は、新年度にも続けてはじめてその効果が出てくるというものであるから、その用意がおありかどうか。またそのほかに新年度の景気対策として講じられる施策としては、どのようなものを用意されているのかお聞きしたいのであります。

 次に、一般会計の対前年度比は7.1%の減、特別会計は逆に6.3%の増をされ、全体では1.4%のマイナスという新年度予算ですが、市財政の厳しい中で、投資的経費を33%台としたことは、山本市長の英断と高く評価をされます。まさに「公財政が出動しなければ、今の経済情勢の上向きは期待できないので」という都市経営的感覚だろうと思うものであります。しかしながら、後世代に過重な負担を残さないという面から考えますとき、本市財政への心配もあります。甲府市監査委員会は、91年度決算に対し、「今後景気後退という大きな経済の流れの中で、社会構造等の変化に伴う財政需要が見込まれる中で、本市財政は、国庫補助負担率の復元据え置き、公債費等義務的経費の増嵩、起債率の引き下げ等依然として厳しい財政状況にあることから、行財政運営の合理化、効率化を推進をし、さらに財源の確保に加え、徹底した節減、合理化に努め、財源の重点的かつ効率的配分を図り、市民参画のもと第三次総合計画の新基本計画を基調に、各種事業を計画的に推進するよう切望する」と述べております。

 市長は、このことに十分意を用いつつ、景気にも配慮し、また甲府市の将来を見据えての主要な施策を打ち出しているものと思いますが、累増をする公債費は、新基本計画で予測する構成比9.5%で推移をしていけるのかどうか、お聞きしたいと思います。

 また、これは御答弁の内容にもよりますが、公債費比率の91年度決算ペースでは、13.4%となっており、この率が20を超える自治体では、一部事業の地方債の起制限というペナルティが課せられるようであります。とすれば、私はこれを逆から考え、その比率まではゆとりがあるのではないかと思います。といいますのは、21世紀を目前にした本市の都市整備は急がねばならないはずであります。恐らく長期的に現在までに蓄積された都市施設のメンテナンス継続事業に終始していくものと思われます。であってみれば、92年度末の公債費比率がどのように推計されているのかは別にしても、13%から19%までの積極的な財政運営は可能ではないかと考えられます。

 確かに新清掃工場、新図書館、新病院、新都市拠点整備事業等大型事業がメジロ押しの中・後期計画では、困難性があろうとは思われますが、実効性のある財政計画についてのお考えはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、レインボープラン推進と機構改革について質問をいたしたいと思います。

 政治姿勢の中でも申し上げましたが、21世紀を展望した甲府市のあるべき都市像として、市長は就任以来夢とロマンの街づくりを基調としたレインボー構想を提唱をし、その施策を着実に推し進めていることを評価するものでありますが、その施策の遂行に当たるのは組織であります。どんなすばらしい計画も、その組織を運営する人材を得なければ完成できないことは論を待たないわけでありまして、組織にひずみや不平や不満が内在しているならば、どんなに立派な組織といえども絵にかいたもちになってしまうのであります。まさに組織は人によって生きもし、死にもするといって過言ではありません。市長の掲げるレインボープラン7大プロジェクトは、そのいずれをとっても、市民生活に直結をしたゆとりと、豊かさを追求したものであり、一日も早い完成と目標到達の道筋を確立をしていきたいものだけに、協力を惜しむものではありません。そこで二、三の点について質問をいたします。あわせて提言も行います。

 まずエコープラン推進会議についてでありますが、市民みずからが直接地域を見直し、新たな視点から都市を創造をし、地域エゴを廃し、計画的策定にまで踏み込むユニークな発想でありまして、私はこの計画は大変意義があり、お役所仕事を脱皮をした、まさに市民参加による街づくりの計画だと思うのでありますが、まだ市民の理解が十分でないと考えますが、これらの対応について今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 あわせて昨年実施した組織改善についてであります。企画推進部の改編整備、地域振興部と土地対策部の新設、職員の意識改革を目的とした職員研修の充実、女性対策課の設置など一大プロジェクト推進に向けた庁内体制の整備が充実したわけですが、これらの組織がどのように機能しているのか、中間的総括がおありでありましたらお聞かせを願いたいと思います。

 本市では昭和61年の機構改革によって、専門主幹制度を導入をし、先見性ある対応を図り、今日では16の専門主幹が新規事業に携わっています。この制度は、重要事項について専門的な研究によるスペシャリストの育成と、あわせ主幹職としての対応と意欲を向上させる点から評価ができますが、さらに今後の行政執行を円滑に運営するためにも、私は一つの提言とし、現行制度の5階層を7階層にし、次長、課長補佐制度の導入を図るべきだと考えます。あわせて出先機関における責任ある職については、一定の権限を考えるよう改正を求めるものであります。当局の見解を求めます。

 次に、昨年を初年度として、レインボープランによる大型プロジェクトが推進をされています。今現場では、現行の定数ではこれらの事業を円滑に推進するには、経常事業だけで手いっぱいであり、定数拡大を図るべきだとの声が充満をしています。甲府市における定数不拡大方針は、既に10年余りにわたり年々増大する事務量を処理するに追われ、新規事業への集中力に欠ける面が出ているのであります。私は、改めて職場の再点検を新規事業の配分を含め、適正な職員配置を行うためにも定数条例の拡大を求めるものであります。

 さらに、現行の職務職階制度についても見直しが必要ではないでしょうか。流動体制、階層短縮の原則によって、甲府市の行政システムは、全国の自治体から画期的な変革としてそれなりの評価を受けていることは御案内のとおりでありますが、一方では、市民にわかりにくく、権限、権能が伴わないので、一つの案件についての決定がおくれたり、セクションが違うことによって、事務が煩雑になり、書類の持ち回りといった事例が指摘をされています。

 この数年、市民需要に対応するため、サービスセンターなど出先施設が建設され、市民の利便に供されておりますが、今後とも市民需要が増六をすることは明らかであります。さらにエコープラン計画によって、各地域内にミニ市役所といった複合施設の建設も要求されることが予測をされますので、現行の職務職階制度だけでは対応できない事態も出てくるのではないでしょうか。

 次に、私は教育委員会に対し、次の4点について質問をいたしたいと思います。

 昨日、原田議員、村山議員、それから第2日目に大村議員からもこの問題については質問がございまして、的確な御答弁をいただきましたけれども、私は私なりに角度を変えて質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 まず第1として、依然として続くいじめの問題であります。去る1月13日、山形県新庄市で起きた上級生7人によるマット巻きいじめ死亡の事件では、世の子供を持つ親に、大きなショックと驚樗を与えました。改めて校内いじめ、校内暴力が跡を断たず、だんだんとエスカレートしていることを如実にあらわしています。この事件の内容について多くを語ろうとは思いませんが、校内通用門口で待ち伏せ、体育館内に連れ戻し、40分にわたり殴る、けるの暴行をし、最後に三重四重に巻かれたマットに逆さに押し込んだまま放置をし、扉を閉めて死に至らしめた極めて陰惨な残虐な行為であり、警察は中学3年生3人を傷害監禁致死の疑いで異例の逮捕、2年生2人、1年生2人の計4人を補導したのであります。

 この事件の起きる数か月前に、両親は、学校長に対し、「いじめられているのではないか」と相談をしたところ、本人がいじめられている事実を認めなかったので、そのまま放置し、適切な処置をしなかったことが結果として死に至らしめ、最も尊厳すべき生命を断つまでにエスカレートしたことは、社会に大きな衝撃を与え、記憶に新しいところであります。

 私の風聞するところですが、いじめ、校内暴力は一向に減っていず、むしろ陰惨といいますか、水面下では広がっているといった話が聞こえてくるのであります。そのことが、登校拒否といった面にあらわれているのだとの指摘もあります。

 去年、県の教育委員会の発表によりますと、50日以上の欠席児童は小学校で244人、中学校で588人と過去最高となり、その欠席理由の第1を学校嫌いに挙げ、100人に1人の割合で登校拒否児童がいることが明らかにされました。私はこの登校拒否児童のすべてがいじめ、体罰にあるとは申しませんが、いずれかの原因に結びついているのではないかと危惧するものであります。甲府市教育委員会として、市内における登校拒否児童の実態、いじめ、体罰といった報告をどのように把握しているのか明らかにしてほしいと思います。もし、不幸にして、このような事実が各小中学校から報告されているならば、どのように指導を各学校長に具体的な方針として出しているのか明らかにされたい。

 とかく教育現場の報告をうのみにし、被害者の話は薄めがちにすることがままあるだけに、現場の教師、生徒、父兄の生の声が伝わらず、処理された先生の側の言い分が重視されがちになってはいないだろうか、教育委員会に一定のマニュアルがあれば、お聞かせを願いたい。他の自治体では、一般住民からこうした報告書の公開、開示の請求がなされ、これに応じていると聞いていますが、しかし残念ながら、報告書によると少なからず事実を故意に小さくし、教職員をかばい、被害にあった児童生徒をむしろ非難をしているとの例が多かったともいわれています。

 私は、今最も教育委員会に強く求められていることは、事実を明らかにし、小さな芽のうちに予防をする勇気と決断だと思われます。教育は最大の財産であります。学校はより豊かな信頼関係を助長をする神聖な共通の広場であると思うからであります。教育委員会の明快な答弁を求めるものであります。

 次に、第2点目として先ほどお話をしました原田、村山、大村議員が質問をした問題でございますが、私なりに角度を変えて質問をさせていただきます。

 高校入試における業者テスト禁止、いわゆる偏差値問題についてであります。山梨県は、高校、大学への進学率が高く、高校進学希望では富山県に次ぎ全国第2位で、進学率は97.5%。大学でも短大も含め34.8%と、全国で20位とされ、それだけ教育費の閉める割合は大きく、教育ローンに泣かされているのが現況であります。今年は、さらに高校進学率は上昇をした98.1%と発表されましたが、高学歴社会、偏差値優先、塾づけなど多くの問題が内在をしています。特に今年の高校進学希望は、公立希望が83.1%と過去最低となる一方で、私立希望は15.3%、県外への進学希望は1.6%とともに過去最高を示し、公立優先は変わらないものの、私立志向が確実に高まってきています。このことは偏差値を物差しにした高学歴有名ブランド校への進学を求める親と子、教育界に依然として根強い東大を頂点とする日本のピラミッド構造だともいえますが、今回文部省が、高校入試改革の一環とした、教育現場から偏差値追放は、個性重視、新しい学力観など教育改革として位置づけられ、その意義は大きいものがあるといえます。報告書は、業者テストの偏差値は生徒の学生能力の一部であるとし、これを進学指導や入学選抜の資料に利用しないことと、禁止を打ち出したことは高く評価するものであります。

 長年にわたって、業者テストを一定の物差しにして指導してきた現場に、一種の戸惑いと困惑と混乱が生じており、一方では進学児を抱えた親の立場から、心配で不安がいっぱいといった悩みが出されています。現実問題として、中学校では、授業時間中に業者テストを実施して、希望校選抜の重要判断資料として利用されており、平均七、八回実施をし、1回約1,100円ぐらいと報告されていますが、甲府市の場合これまでの業者テストの実態について、どのようなことになっているのか、報告を求めます。

 また、文部省の禁止による今後の対応策についても進学児を持つ家庭にとっては深刻な問題でありますから、現時点における考え方についてもお答えを求めます。しかし一方、学校で業者テストを追放しても、今後塾や予備校が大手を振ってテストをし、ますますエスカレートすることは必定でありますだけに学力試験の内容、内申書の比重などに幾つかの方策が必要だと思われます。要は、生徒の希望、個性に応じた高校を選抜できる余地を大きくすることだと思いますが、教育委員会の見解を求めます。

 さらにもう1点つけ加えて、今年の4月から県内初の私立男子校駿台中学校が甲府市上今井町に開校されます。これまで公立優位であった県内中学校教育に、新たな選抜の道が開かれ、有名校を目指した受験戦争が激化するのではないかと心配をする声が多いのであります。さらにこれも風聞ですが、某私立校でも一、二年を目途に中学校を開校するとの話を聞いております。これが事実だとすれば、その進捗状況についてもお聞かせを願いたいと思います。もし仮に、新設中学校が開校するとすれば、ベテラン、中堅といった現場教師へのアプローチもあろうかと思われ、教育現場に混乱を来さないよう最善の方策を求めるものであります。

 次に、学校5日制について質問をいたします。

 昨年9月第2土曜より実施をされたこの制度は、一部調査研究校が第4土曜日を休日として発足しましたが、教職員の努力と父母の理解を得て、おおむね良好なスタートが切られたと聞き及んでおります。特に甲府市の場合、全国的に見ても先進的な試みとして導入された地域の人たちによる学校開放のための学校巡視指導員制度は、地域の子供たちの休日の過ごし方、子供たちとともに遊び、ともに学ぶといった社会教育の面からも広く注目され、学校週5日制の本質である豊かな創造性を親と子がともにつくり出していくといった本来の目的を十分に果たしており、県下の教育関係者間でも、この甲府方式を高く評価をし、導入をしようとする機運が高まっていると聞いております。生涯教育を推進をする上からも、引き続き次年度も実施をされるよう強く要望をするものでありますが、教育委員会の決意のほどをお伺いしたいと思います。

 最後に農業問題について質問をいたします。

 米の生産調整、いわゆる減反政策が実施をされて20年余りが経過した今日、米の需給、食管制度の是非論、さらに加えてガットウルグアイ・ラウンドにおけるコメの輸入自由化問題など、日本農業の根幹をなしているコメを取り巻く農業、農村環境は大きな転機を迎えているといっても過言ではありません。しかし一方、食糧の自給率は、農業労働の高齢化や都市化の進展などによる耕作放棄の増加など、農業生産を支える基盤の弱体化が進行をし、年々生産力が低下をしており、平成3年度の概算見通しは穀物自給率はついに30%を割り29%になったとのことであります。特に近年は、社会経済構造の変化等から、積極的な生産活動の減少や、家畜産物価格の低迷、生産調整の拡大などから、農業生産が停滞をし、米を除くほとんどすべての農畜産物の自給率が低下をし、先進国の中でも最も低い水準にあるといわれているのであります。

 農業の担い手確保等の課題も多いわけでありますが、自然条件を生かしながら可能な限り国内の農業生産の維持拡大を図り、自給率の低下に歯どめをかけ、食糧自給率を確保していくことが絶対に必要だと思うのであります。また農業と環境問題は不離一体のものであり、農業農林は、食糧の生産という面だけではなく、耕地は洪水や土砂流出を防止をし、水源の酒養、自然環境や緑豊かな景観を保持、培養をするなど多くの公益的な機能を持っているのであります。将来にわたり、この機能をより発展をさせていくことが重要であり、今私たちの努めでもあろうかと思うのであります。

 このような諸情勢の中で、国は昭和46年以来米の生産調整を実施をし、本市においてもこの方針を受けて、次代に向けての甲府市農業の将来を考えるに際し、この事業は遂行しなければならない課題であるとして、農業の推進にあたって土地基盤整備事業をはじめとする農業施策のすべてに関連をする広範な、21世紀を展望をした甲府市農業の展開が望まれるところでありますが、何といっても生産の基盤であります土地改良事業の積極的な推進が不可欠であると思いますが、農地の有効利用、その基盤が、整備されなければ十分に活用をできないのであります。新たな事業への対応ともあわせて当局の御所見をお伺いをいたします。

 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○議長(依田敏夫君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 飯島議員の御質問にお答えいたします。

 現憲法の改正論議についての御質問でございますが、先般岡田議員にもお答えをいたしたところでありますが、憲法制定からおよそ半世紀が経ようとしておる現在、我が国の政治経済や社会生活の変遷を踏まえ、お説のような論議が出ているものと受けとめております。しかしながら現憲法では、憲法前文に掲げられている人類不偏の原理に基づくものであるということから、改憲論にもおのずと限界があるとの説もあります。私は、そうした原理はもちろんのこと、永久平和主義もまた人類の崇高な理想であると深く認識をし、市政において広島への市民代表団の派遣を継続するなど、非核宣言自治体連絡協議会等々の活動を通じて、他都市とも連携を図りながら平和運動を推進しておるところであります。

 次に、市民党宣言についての御質問でございますが、地方行政というものは、常に市民サイドに立って市民が何を求め、どうすればその求めにこたえていけるかに思いをめぐらせると同時に、不偏不党の立場から公平で公正な市政を運営していくことが基本だと認識いたしております。私は、市長就任以来、「市民による市民のためのひらかれた市政の実現」を市政運営の基本姿勢としておりますし、これからもその姿勢を堅持してまいりますことは、飯島議員の御提言の市民党的精神と合致しているものと考えております。

 次に、景気対策についての御質問でございますが、公共事業の前倒しについては、平成4年度国・県の緊急経済対策に呼応し、上半期77.3%の前倒し率を設定し、その実績を上げたところであります。また中小企業振興資金の貸出金利を0.2%引き下げ、事業促進を図り、景気浮揚のため行政としてでき得る限り支援してまいりました。平成5年度も引き続き景気対策として当市単独事業を通常の25%程度増額し、中小建設業者の受注拡大を図り、景気浮揚に積極的に取り組んでまいります。なお、新年度公共事業の前倒しにつきましても、積極的に対応してまいります。

 次に、職員定数不拡大方針についての御質問でございますが、少数精鋭主義の理念に基づく職員定数不拡大方針は、本市の自主的行政改革の道筋を示すものとして、年来の行財政運営の効率化に向けての姿勢を明らかにするものであり、行政組織及び職員定数は、施策実現のために決定される手段として、環境の変化や施策の実現に最も適合した形態や規模を備えてまいらなければなりません。本年度は、レインボープランを基調として改定した新しい総合計画の着実な推進に向けて、大幅な組織機構の見直しを行ったところでありまして、さらに職員定数につきましても昨年の9月議会において病院看護婦などの定数改正の御承認をいただいたところでございます。

 今後の定数管理につきましては、経営的視点から、財政構造上の人件費比率などの推移を見きわめながら事務事業の見直し、民間活力の導入、事務処理システムの改善などの効率化対策にも知恵を絞り、中・長期的な定数見直しの上に立って、適正な職員定数の設定に努めてまいる考えでありますので、御理解を賜りたいと存じます。

 なお、他の御質問につきましては関係部長等からお答え申し上げます。

○企画推進部長(中山 進君) 企画推進部関係2点についてお答え申し上げます。

 まず、第1点の景気低迷による本市の事業執行でございますけれども、国の公共事業等にかかわる国庫補助負担率見直しの恒久化、及び地方交付税等の減額、さらには地方税収入の伸び悩み等地方財政に及ぼす影響は大変厳しいものと予想をされます。こうした状況下ではありますが、本市の新基本計画の年次計画に位置づけました主要事業の着実な執行、さらには高齢化対策、地域情報化基本計画の策定、国際化対策、地球環境問題、エイズ対策の5大トレンドを積極的に推進するなど、時代に即応した行財政の運営を進めてまいります。

 2点目の公債費の構成比及び公債費比率でございますけれども、公債費の予算に占める構成比率は、その年度によりまして特殊要件等によりその比率は一定をいたしませんけれども、公債費比率が、財政構造上の指標として用いられております。平成5年度の当初予算での公債費比率は14.1%でございまして、御指摘の起債制限比率20%までには若干の余裕もありますけれども、起債借り入れにつきましては、本市標準財政規模等による適債事業の把握と後年度負担を考慮し、財政硬直化を招かない健全な財政運営を図る中で、単独事業の一層の推進等積極的な起債の活用を図ってまいりたいと、このように考えておりますので、ぜひ御理解と御協力を賜りたいと思います。

○総務部長(三浦恒則君) 総務部の関係2点のお尋ねにお答えをいたします。

 まず職員の採用における国籍条項についてのお尋ねでございますけれども、このことにつきましては地方公務員の職のうち、公権力の行使、または公の意志の形成等への参画に携わる公務員となるためには、日本国籍を必要といたしますけれども、それ以外の公務員になるためには、必ずしも日本国籍を必要としないという自治省の基本的な考え方がございます。

 本市の場合もこれに沿って昭和61年度の採用試験から、保健婦、助産婦、看護婦の職につきましては、日本での当該資格を有していることを前提といたしまして、国籍条項を廃止いたしてきてございます。これら以外の職種につきましては、採用後の職場配置や昇任等の人事管理上の問題点を十分に研究し、また国・県他都市の動向も勘案する中で、国籍条項の取り扱いを検討してまいりたいと考えております。

 第2点目の職位、職階制についてのお尋ねでございますけれども、本市の行政組織はお説のとおり動態化組織の考え方のもとに、主管者制度の運用による流動的活動体制を組織編成の基本原則といたしております。この基本原則の運用の中で、職位の階層を短縮するということは、意志伝達の迅速かつ確実性の確保、組織の機動性と効率性の効用による行動力の増進といった階層短縮化は、本市行政組織の編成原則の一つというふうになっているものでございます。したがいまして、次長、課長補佐制度の採用につきましては、現状のところでは考えてございません。

 なお、出先機関としての公の施設の管理責任者の職位につきましては、これはその機能の内容と規模、及び行政機構上の位置づけなどを総合的に勘案いたしまして、適正な職位を設定してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○地域振興部長(●刀 尊君) エコープランの市民への周知についてというお尋ねにお答えを申し上げます。

 エコープランにつきましては、市民の自主的、積極的な市民参加によりまして、市民みずからが住みよい地域社会づくりのために、新たな市民参加によりまして地域計画を策定しようとするものでありますので、全地区にわたる説明会を開催する一方、組回覧による地域エコープラン推進会議委員への市民からの公募や、市広報等を通じまして啓発に努めてまいりましたが、今後とも市広報やマスメディア等の活用、種々会議の機会をとらえまして、これらにかかわる十分な理解をなお一層得られますように周知を図ってまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 以上でございます。

○市民部長(平本 昇君) 外国人の指紋押捺制度及び個人の意思で国籍を選択できる権利を保障できないか、この問題の御質問にお答えを申し上げます。

 御承知のとおり、外国人登録事務は、本来国の事務で機関委任事務のため指紋押捺制度につきましては、市町村で判断できない取り扱いとなっております。しかし、御質問の外国人につきましては、日本に在留する永住者等々考えられますので、この方々につきましては本年1月8日、外国人登録法の一部改正により指紋押捺制度が廃止され、写真、署名及び家族事項の登録をもってこれにかえることとなりました。

 また個人の意思で国籍を選択できる権利を保障できないかの御質問でございますけれども、御承知のように国籍の取得につきましては、それぞれの国の国籍法に基づきまして定められております。したがいまして、外国人が日本国籍を取得するにつきましては、帰化の手続が必要であり、法務大臣の許可を得る取り扱いとなっておりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 以上でございます。

○農林振興部長(山本良雄君) 農業施策問題についての質問にお答えを申し上げます。

 飯島議員御指摘のとおり、最近の農業を取り巻く環境は、極めて厳しい状況にあることは御案内のとおりであります。先般、国が新農政ビジョンいわゆる農業政策でございますけれども、発表がなされまして、今後具体的な方策が示されるものと考えております。御指摘のあります農用地の効率的活用を重ねる、あるいは図ることのためには、基盤整備は極めて重要であり不可欠であります。農道、用排水路、ため池等の整備など、関係者の御協力をいただきまして今日まで対応してまいりました。今後もさらに積極的に意を注いでまいります。

 また、御質問にもありました農村環境整備につきましては、現在山城地区におきまして計画されております農村土地利用計画推進事業も、積極的に進めてまいる考えでありますので、御理解をいただきたいと思います。

 以上であります。

○教育長(浅川紫朗君) 教育委員会に関係いたします御質問にお答えいたします。

 はじめに、児童生徒のいじめの問題でございますけれども、児童生徒の指導にあたりましては、心のふれあいを大切にいたしまして、児童生徒一人一人の心の窓を開くような人間関係をつくりながら、愛と信頼に基づき思いやる心を育成していくことが大切であると考えております。

 また各学校におきましては、学校教育指導重点といたしまして、生徒指導の充実を取り上げ、全教職員がいじめや校内暴力の問題が起きないよう発達段階に応じまして、心の教育や教育相談活動の強化に努めているところでございます。

 また、いやがらせなどのいじめにかかわる児童生徒は、市内の学校にわずかであると受けとめておるところでございます。このような行為や行動の具体的事例につきましては、甲府市小中学校生徒指導研究会で毎年調査、研究を深め、各学校の生徒指導の充実のために生徒指導のマニュアルともいうべき事例集を作成して、配布しているところでございます。

 また、常に校長会、生徒指導主事会を通じまして、子供たちの無言に発するシグナルなども的確にとらえること、さらにまた保護者からの訴えの認識、またはそれに対する対応を的確にするようという指導もしているところでございます。

 教育委員会といたしましても、御指摘いただいた点を十分踏まえまして、心豊かでたくましい、心身ともに健全な児童生徒の育成を目指しまして、すべての子供たちが楽しい学校生活が送れるよう、さらに一層生徒指導の強化、充実に努めてまいりたいと考えております。

 次に、高校の入学者選抜に関する業者テストについてのお尋ねでございますけれども、既にさきの御質問にもお答えしたところでございますが、御指摘いただきましたとおり、去る2月22日付の文部省の通知、指導内容を十分今後踏まえまして、高校の入学者選抜にかかわる進路指導のあり方につきましては、さらに検討してまいる必要があると考えているところでございます。

 なお御指摘いただきましたように、高等学校入学者選抜にかかわります公平で適切な情報・資料を、生徒や保護者に提供することは、今後も必要であると考えますので、県教育委員会の指導のもとに校長会とも協議を重ねながら情報・資料の内容等につきまして調査、研究を深め、生徒や保護者の心配がないように対応してまいりたいと考えているところでございます。

 次に、私立中学校の新設に伴いまして、小学校の進学指導のあり方についてのお尋ねでございますけれども、御案内のように小学校教育は、人間の一生を通じましての基礎となる成長と発達の育成でございまして、国民として必要とされる基礎的、基本的内容を確実に身につけることが必要であると考えております。御指摘がありましたが、平成5年度から甲府市に私立中学校が新たに認可され、開校されますが、児童が国公立の中学校または私立中学校のいずれかに進学する場合にも、一人一人の児童の指導にあたりましては、新学習指導要領の目指します人間形成と教育内容が徹底されなければならないと考えておるところでございます。

 したがいまして、小学校の進学指導は、個々の児童の個性を大切にしながら、より健全で適切な教育的配慮が必要であると考えているところでございます。

 続きまして、学校週5日制と学校管理巡視員制度についてのお尋ねにお答えいたします。

 学校週5日制は、昨年9月の第2週の土曜日から月1回、研究指定校では第4週の土曜日を加えて月2回の実施に入ったところでございますが、甲府市におきましては家庭、地域や諸機関諸団体の大変な御協力をいただく中で、順調に実施されているところでございます。児童生徒も各学校の報告によりますと、学校週5日制の実施になってから、自由な時間を自主的、自発的に過ごし、幅広い生活体験や社会経験を積んでおるところでございます。御指摘いただきました学校管理巡視員制度につきましても、学校週5日制に伴って学校開放を行うために、昨年の10月から実施したところでございますが、来年度につきましても継続してまいりたいと考えておるところでございます。教育委員会といたしましても、学校週5日制が円滑に、かつ健全に実施されることを願いまして、昨年度設置しました甲府市学校週5日制研究会で、今後も諸問題を調査、研究してまいりますので、理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○議長(依田敏夫君) 飯島 勇君。

○飯島 勇君 市長の平和憲法を守る20万市民のいのちと暮らしを守る市民党宣言については、前向きで拡大解釈をしてありがとうございます。

 それから各部長の御答弁でございますけれども、微に入り細に至って御回答していただきましてありがとうございます。我が党、我が会派もエコープラン推進のために一生懸命に努力をするということをお誓いを申し上げ、細かい点等については委員会で解明をしていくことを申し述べまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○議長(依田敏夫君) 以上で、各会派による質疑及び質問を全部終了いたしました。

 これより割当て時間に余裕がありますので、会派別でなく関連質問を行います。

 関連質問については、15分をめどとして発言を許します。

 関連質問はありませんか。

 これをもって、質疑及び市政一般質問を終結いたします。

 ただいま議題となっております日程第11から日程第33までの23案については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

 次に、請願1件については、請願文書表記載のとおり所管の常任委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。

 日程第1から日程第10までの10案については、議員22名をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(依田敏夫君) 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決しました。

 重ねてお諮りいたします。

 ただいま設置されました予算特別委員会の委員選任については、委員会条例第8条第1項の規定により
 早川武男君  上田英文君
 内藤幸男君  福島 勇君
 村山二永君  剣持庸雄君
 森沢幸夫君  川名正剛君
 飯沼 忠君  小野雄造君
 海野平八郎君 狐塚公男君
 斉藤憲二君  細田 清君
 出井数馬君  雨宮年江君
 堀内光雄君  秋山雅司君
 宮川章司君  金丸三郎君
 岡田 修君  加藤 裕君
以上22名を予算特別委員に指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(依田敏夫君) 御異議なしと認めます。

 よって、ただいま指名いたしました以上の諸君を、予算特別委員に選任することに決しました。

 ただいま選任されました予算特別委員は、本会議終了後委員会を開き、正副委員長を互選して、速やかに委員会の構成を終わるようここに招集しておきます。

 お諮りいたします。

 3月10日は委員会審査のため、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(依田敏夫君) 御異議なしと認めます。

 よって、3月10日は休会することに決しました。

 休会明け本会議は、3月11日午後1時より開会いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。

                午後3時45分 散会