平成元年12月甲府市議会定例会会議録第2号

                午後1時03分 開議

○議長(原田正八郎君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 堀口菊雄君は、一身上の都合により、本日欠席する旨の届け出がありました。

 以上で報告は終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1から日程第19までの19案及び日程第20 市政一般についてを一括議題といたします。

 これより上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 この際、念のため申し上げます。

 質疑、質問については申し合わせ事項を遵守され、重複を避け、簡明に願います。

 なお、当局の答弁もその趣旨を十分に把握され、簡明率直にされまして、議事進行に御協力をお願いいたします。

 発言通告者は6名であります。

 各会派の発言順序は今期は市政クラブからであります。

 お手元に発言通告書が配付してありますので、これに基づいて進めてまいります。

 最初に市政クラブ 中西 久君。

 中西 久君。

                (中西 久君 登壇)

○中西 久君 平成元年12月甲府市議会定例会に、市政クラブを代表して、市政一般について、幾つかの問題について順を追って質問をいたします。

 まず、こうふ博’89についてお伺いいたします。

 本年、市制施行百周年を迎える市は、全国で38市、そのうち15の市で、記念事業の一環として博覧会を実施したとのことであります。成功の例もあれば失敗の例もあります。甲府博は全国最後の開催となり、その成否について心配したのは私ばかりではないと思います。それは、先催都市では、58年ごろから準備を行い、万全な体制下で開幕を迎えたとのことであるが、本市の場合、本会場の選定の問題、それに付随する駐車場確保も含め、会場地決定のおくれや基本構想等諸計画を行う事務局組織の設置など、約1年間の準備期間しかなく、果たして他都市と競合しない甲府らしさのある、後世に残る感動的な内容、それにこたえる観客動員、出展企業の決定等も含めまして大変危倶しておりました。1月28日、前売り券販売を皮切りに、市長三役を先頭に、市内自治会への協力要請、県内63市町村への訪問、隣県市町村訪問等多くの方々の理解を得て、33万枚余の前売り券販売達成や、出展企業勧誘、駐車場確保、諸計画の作成など、文字どおり寝食を忘れ、努力した関係職員一同に対しまして、心より感謝と敬意を表する次第であります。

 私は、今回の博覧会運営全般の成功は、59日間という今まで経験したことのない市制始まって以来の一大イベントにもかかわらず、無事終了できたことは、61年かいじ国体の成功、また、昨年の第1回スポレク祭の運営など、過去の貴重な体験と実績、市民と職員の一体間にあったと、私は高く評価をするものであります。「夢・心・きらめく未来」をテーマに、内容的にも地場産業館における地元企業の紹介、宝石の街のバザール館等会場全体がコンパクトであり、地方博らしいイベント内容であり、盛り上がりに努め、支えてくれた関係各位に、また、特に主催であるところの甲府商工会議所、創意工夫を凝らした出展等をされましたパビリオン、各社会場運営設備の協賛、各社等の協力及び県内各市町村による郷土芸能等、見る・知る・参加するイベントも多く取り入れまして、祭り気分を大いに高めた結果だと考えております。

 さて、手づくり博覧会を心がけ、その成果が目標入場者50万人を上回る55万5千人余となり、人々に大きな夢と希望を与えたことと理解をいたしておりますとき、この博覧会で得た活力等をどう将来に結びつけるかが今後の課題と思いますが、市長はどう考えているのか、また、市長自身、甲府博覧会をどう評価しておられるのか、お尋ねをいたします。

 次に、パンダ展についても伺っておきたいと思います。

 甲府パンダ展は、11月12日、無事成功裏に閉幕することができました。それもひとえに、市長をはじめ関係各位の努力に対し敬意を表するところであります。

 かえりみますれば五年前、甲府市と中国四川省成都市が、日中平和条約の原則と精神にのっとり、両市間の相互理解と両国間の友好関係を増進させるため、友好都市提携を締結されたのであります。その友好都市締結の使節団の一員として私も中国を訪問し、成都市と友好関係樹立のための一翼を担ったのも、ついきのうのように思われるのであります。その後、両市間の友好親善関係の促進を積極的に図ってきたことは周知のとおりであります。

 今回の甲府パンダ展も、昭和59年、ジャイアント・パンダの主食である竹が枯れて、飢餓の状態に陥り、絶滅に陥ることを成都市の関係者より聞き及び、友好親善関係の促進、さらには稀少動物の保護・繁殖を、地球的な規模での救済活動に参加いたしました。その甲府市の行動は、市内の幼稚園、保育、小中学校児童生徒へと展開し、さらには、全市民の支援、協力を得て、700万円を超える募金が集まり、成都市を経由して中国政府へ贈られたわけでありますが、大勢の方々が積極的に募金に参加してくれたことに対して、大きな意義と、日中友好のきずなが一段と強化されたことを確信し、喜ばしく感じたわけであります。

 このことを機に動物愛護、ひいては自然保護へのやさしい心を持つ児童生徒をはじめ、全市民がやさしい心を持つ、そして、子供までがジャイアント・パンダを一目見たいとの願いが年々高まる中で、原市長をはじめ歴代市議会議長が、何とか市民の夢をかなえてやりたいと、切なる気持ちの募りが、何回となく中国を訪れたのが、今回のパンダ展開催のきっかけとなったことは御承知のとおりであります。

 しかし、パンダ展開催までの道のりは決して楽なものではなかった。幾ら友好都市と言っても、稀少動物であるパンダ借り入れについては、世界的に注目するところであり、また、野生動物の保護・繁殖を目的とした数々の団体の反対運動等借り入れまでに幾多の困難があり、また、市長が福島議長ともどもに、あの中国の異常事態のさなか中国に赴き、借り入れの調印にこぎつけた熱意とその努力に対し、敬意を表するところであります。

 こうした経過の中で、今回のパンダ展は、稀少動物の保護・繁殖を基本に、教育的見地から開催をされたものであり、期間中、市民はもとより県内外から大勢観覧者が訪れ、さらに甲府少年議会をはじめとして、観覧者から稀少動物の保護・繁殖募金への募金が寄せられたことを見ても、パンダ展の所期の目的は十分達せられたものではないかと思うところであります。

 私もパンダ展を観覧いたしましたけれど、あの愛くるしい姿が今でも目に焼きつき、心和む思いでありました。特に会場内での子供たちのパンダを一目見ようというまなざしは真剣そのもので、動物愛護の精神を培われたものと信じて疑いありません。パンダ舎の前では、親子三代が楽しく、それぞれのポーズで記念撮影をしたりしているほほ笑ましい光景を見るにつけても、まさにパンダ展を通して、家族のきずなの確認、ひいては人間愛を確認する絶好の場所にもなっているのだと痛切に感じた次第であります。

 59日間という長い期間中、何一つ事故もなく、市民に喜ばれ、大成功裏のうちに終了したその裏には、中国政府及び成都市当局の絶大なる協力と、これを受けて、市当局のひたむきの努力が、予想以上の観覧者の動員に結びついたのではないかと思い、まことに同慶の至りであります。関係各位に敬意と感謝をするとともに、パンダ展開催中の職員のエネルギーと情熱を、今後の行政に発揮されるよう望むものであります。

 以上、パンダ展についての感想を率直に述べたわけでありますが、そこで、関連して当局の御見解を承りたいと存じます。

 第1点は、パンダ展開催を契機に、今後稀少動物の保護・繁殖活動を発意させようとするお考えがあるか。あるとすれば、どのように具体的にしていくおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 第2点は、成都市の動物園から、今回2名の飼育担当者がパンダ展に携わり、技術交流を行ったが、甲府市、成都市動物園の動物交換を含め、今後どのような対応を考えているのかお示しください。いずれにしても、甲府博覧会、パンダ展は大成功のうちに幕を閉じたことは、私ども市政与党の市政クラブからも讃辞を送りたいと存じます。

 次は、新清掃工場の建設についてお尋ねをいたします。

 日本経済は、個人消費の拡大と設備投資と、両輪に景気拡大に拍車がかかり、戦後最長の57ヵ月を記録したいざなぎ景気をしのぐ勢いであるとマスコミは伝えております。御案内のとおり、ごみは文化のバロメーターと言われ、個人消費の拡大等経済の伸展に比例して増加することは当然のことと推測されるわけであります。この増加するごみ処理の問題は、交通戦争からごみ戦争に象徴されるように、最近特に大きな社会問題としてクローズアップされ、さまざまな議論が行われていることは御承知のことと思います。

 我が国のごみ処理行政は、昭和38年以来、原則的には、焼却処理を行った後、衛生的に最終処理をする形で行われており、昭和63年での焼却率は、約96%に達している状況であると聞いております。この結果、焼却炉の技術は急速に進歩し、欧米諸国に比しても、何の遜色もない近代的な焼却プラントが建設されるようになり、現在では、アメニティー施設としても受け入れられるまでに至っておるところであります。

 しかし、一方においては、ごみ質の変化が主原因と考えられるごみ焼却に伴う大気汚染、水質汚濁等、いわゆる二次公害の制御に関する新しい問題も提起され、これらに対する研究も進んでいるようですし、さらに、昭和48年の石油危機以来、ごみの熱分解、コンポスト化等いわゆる資源化志向型の技術開発も進み、実用化が図られるようになりました。

 言うまでもなく、これらごみ処理の基本は、排出されたごみをできる限り資源化し、再利用を図った後、衛生的な状態で処理処分することが必要であると考えます。この処理処分にあたっては、我が国の土地資源の貧困さから見て、一般的に、最終処分地の確保が困難と考えられるわけであります。可能な限り減量化することが最も必要と思われます。ごみ処理は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第6条第1項の規定に基づき、市町村がその処理計画を策定し行われるわけであり、ほとんどの住民が清掃サービスの恩恵を受けているところであります。

 さて、本市も市制施行百周年を迎え、21世紀の大きなステップとしての目玉事業である甲府博覧会も、市長をはじめ市民各位の御努力と御協力により、さきに述べたとおり、大成功のうちに終了することはうれしい限りであります。

 本市の清掃工場は、昭和47年に、地元の御理解をいただき、上町に創業開始以来、本市ごみ処理の拠点としてその中心的な役割を果たしてきておりますが、16年を経過し、老朽化が進み、修理費は年々増加しております。一方、市民生活の向上とあわせ、産業活動の進展等により、御多分に漏れず、ごみ量は年々増加し、また、ごみ質も多様化している状況と聞き及んでおります。こうした状況の中で、第3次総合計画で位置づけられた住みよい安全都市を目指して、生活環境の保全と快適な市民生活を考えるとき、今こそ新清掃工場の一日も早い建設を望むものであり、また、行政の最重要課題であると考えます。

 そこで、新清掃工場建設について、幾つかの点についてお伺いをしたいと思います。

 まず、第1点は、基本的なお尋ねでありますが、市長はどのような規模の施設を、いつ着工し、また、建設費はどのくらい投入するのか、決意のほどをお示しいただきたいと存じます。

 次に、私は、あのような老朽化した施設を見るにつけ、膨大な補修費をはじめ地元住民に与える影響を考慮するとき、一日も早い建設を望む者の一人であります。過日、当局も大変御苦労され、また、地元住民の御理解をいただき、地元三町との共通要望事項について、覚書の調印をされたわけでありますが、その覚書の内容について積極的な対応を図るべきと思われますが、いかがでしょうか。

 次に、市長は、昨年12月、石和町からの要請がありました共同処理について、私は、国の通達等も踏まえて積極的に取り組む必要があると思われますが、いかがでしょうか。

 また、新清掃工場の建設計画を策定するにあたり、最終処分地の確保が必要なわけでありますが、本市処分場も平成4年で満杯であると聞き及んでいるが、今後の見通しはいかがでしょうか。あわせて地元に提示した新清掃工場の建設計画によると、西側に隣接した濁川の河川敷も建設区域となっておりますが、山梨県との協議がおくれているように思われますが、どのようになっているのか、御所見を賜りたいと存じます。

 次に、私は、市の庁舎の建設について、市長の考え方をお伺いいたします。

 市庁舎の建設は、市民をはじめ多くの関係者から強く望まれているものであり、かつ、数多くありました百周年記念事業の中でも、シティーホールの建設として、メーン事業に位置づけられているのであります。幸いシティーホール構想の一つであります仮称総合市民会館の建設は、市長の決断と深い理解のもとに、来年9月の竣工に向けて、今着々と建設が進められておりますが、肝心の市の庁舎建設については、その構想や計画が全くないまま平成元年を終わろうとしています。

 庁舎建設につきましては、建設位置の問題や膨大な財源を必要とする財政問題等多くの難題を抱えており、短期間に計画を決定することは、なかなか大変なことであることは十分理解をするところでありますが、市長は今後どのように対応し、対処していく考えなのか、次の3点について所見を伺います。

 細かいことはともかくといたしまして、第1点は、建設計画案を議会に提出するのは、いつごろを考えているのか。第2点として、建設着工の年度は、何年ごろを考えておられるのか。第3点目は、隣接するNTTの用地問題で、引き続き交渉を継続していく考えなのか。以上、市長の前向きの答弁を期待するものであります。

 次に、私は、建築基準法に関連して質問をします。

 ことし6月、山梨県大規模建築物等の取扱要領が施行されました。この要領は、地域の景観、史跡、文化財等の調和を図るために、大規模建築物等について、建築基準法に基づいて、確認申請前に必要な事務処理は、建築物で高さ13メートル、または建築物の建築面積が千平方メートルを超えるものについて、色彩あるいは色、周辺の自然あるいはまち並みと調和したもので、良好な生活環境と健全な近隣関係の保全を配慮したものであるとされています。そして、適性区域を県下全域としているものであります。これらのことは、無秩序な開発や自然との調和が図られにくい地域にあっては、大変結構な要領であると思うのでありますが、地域を活性化しようとしている本市にとっては、問題のある要領であります。

 その第1は、建築基準法の根拠法として、建築の用途指定がある中で、法に従った建築確認がなぜ指導を受けなければならないのかという点であります。この内容は、健全な近隣関係の保全という意味で、一人でも反対者があれば事前協議ができないということでありますが、善隣友好の地域社会を形成していくことの必要は十分にあるにしても、これは事業主と近隣との良識と誠意によって、民主的に友好的に解決すべき問題である。

 また、活性化については、土地利用の高度化や経済活動による民間の活力を導入することは、今の甲府市にとっては重要な課題となっております。これからの市街地の開発事業は、新都市拠点整備事業による甲府駅周辺の開発は、まさに民間活力によらなければできないプロジェクトであります。これを要領によって規制しているという発想は、私有財産権の侵害にもあたるわけで、場合によれば、自由な経済活動に対する制限でもあります。したがって、県下でただ一つの特定行政庁たる甲府市が、地域の実情を反映していないこの要領、法的に根拠のないものに縛られる必要があるかどうか疑問に思うのであります。このため、甲府市は甲府市として、人口増加対策や民間活用の施策に基づく建築行政を行うべきだと要望するものであります。くどくどしく述べましたが、基本的には、制限や規制がやむを得ないものとしたら、最小限度にとどめて、全県を一律としているこの要領の運用について、当局の見解と、これからの対応についての考え方というものを伺いたいと思います。

 次に、私は、先ほど12時のニュースでもやっておりましたが、人の不足という状況に対しまして、質問してみたいと思うのであります。岩戸景気だとかいざなぎ景気に次ぐ、ことしはそういう年だと言われておりますが、それらの影響があるのか、各企業とも人手が不足している状況は、これは全国的であります。特に山梨県は、全国でも人不足の深刻の度合いは高いようでありまして、特に建設関係の技術者不足は異常な状態のようであります。所管庁発注の工事等、また、甲府市の現在発注工事は支障がないように進んでおるのかどうか、現状を御説明いただければ幸いと存じます。

 以上で私の第一弾の質問を終わります。ありがとうございました。

○議長(原田正八郎君) 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 中西議員の質問にお答えをいたします。

 甲府博覧会についてのお尋ねでございまずけれども、甲府博覧会が所期の目的を達成いたしまして、高い評価をいただいた中で閉幕できましたことは、市民各位をはじめ市議会の絶大なる協力があったからだと、改めて衷心より感謝を申し上げます。

 私は、今、このビッグイベントを21世紀に向けての起爆剤として、先人たちが血と汗で培った歴史、地域文化、地場産業の発展、向上をさせ、次の百年へ引き続いて継承していかなければならないと決意を新たにしているところでございます。甲府博は全県的な御協力をいただき、大勢の人たちに我が郷土を知っていただき、大変喜んでいるところであります。そして、20万市民と企業等のエネルギーが結集した手づくり博覧会として、成功させようという使命感や、成功によって培われた自信と誇りは、それぞれに引き継がれ、甲府市のまちづくりに生かされていくものと確信をいたしておるところでございます。どうかひとつ、今後とも御理解と御協力を賜りたいと思います。

 次に、稀少動物の関係についてのお尋ねでございますが、ジャイアント・パンダをはじめ稀少動物を温かく保護いたしまして、繁殖をして、次の世代に引き継いでいくことは大変重要なことでございます。私たちの責務であるとも思っておるところでございます。御指摘をいただいたとおり、このたびのパンダ展を契機に、盛り上がりました市民の皆さんの稀少動物に寄せる愛護の気持ちをさらに高めまして、今後も募金活動などを通じて、稀少動物の保護・繁殖活動に努めてまいりますとともに、地球の自然保護への関心が市民の心に深く根づくよう対応していきたいと考えております。

 次に、新しい清掃工場の関係についてのお尋ねでございますが、快適な市民生活を保つ上からも、新ごみ処理施設の建設は、緊急かつ重要な行政の課題であると受けとめております。建設にあたりましては、清掃工場というイメージを与えないよう、緑の中にある安全でしかも公害のない施設づくりを基本に計画をしております。

 規模といたしましては、将来の人口予測をもとに、一人当たりの排出量から積算をいたしまして、日量約330トンから350トンと考えておりますけれども、開放施設等を含めまして推計をいたしますと、建設費はおおむね120億円前後が見込まれます。このための建設は、9月議会でも御答弁を申し上げたとおり、平成3年度のできるだけ早い時期に着工をしてまいりたいと考えておりますので、議会の御協力を賜りたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 次に、これに関連をしての三町共通要望事項の覚書に対する対応でございますけれども、議会をはじめ地元三町の皆様方の御理解によりまして、去る12月8日に、13項目にわたる三町共通要望事項の覚書締結をさせていただきました。この覚書につきましては、将来のまちづくりのため、特に重要な要望と受けとめております。

 この中で、市街化区域の編入共同処理、下水道の布設等につきましては、地元代表者も含めた別途委員会を構成をいたしまして、十分協議を行いながら、その方向づけをしてまいりたいと、このように考えております。

 また、その他の事項につきましても、覚書を踏まえまして、問題解決に向けまして最大限の努力をしてまいります。また、各町にかかわる要望事項の覚書につきましては、本日締結をさせていただきました。これらにつきましても、誠意を持って対応してまいりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 庁舎建設についてのお尋ねでございますが、百周年記念事業としての庁舎及び総合市民会館は、シティーホール構想として、第3次総合計画の前期及び中期計画に位置づけております。そして、総合市民会館を先行して着手いたしましたので、庁舎建設への取り組みにつきましては、前期計画区間の終了年度であります平成四年度までを見通す第3次実施計画を策定する中で対応してまいりたいと考えております。

 なお、この対応については、市議会の庁舎建設構想に関する調査特別委員会の御審議の推移を尊重してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解と御協力を賜りたいと思います。

 他の質問につきましては、担当の部長からお答えいたします。

○総務部長(鷹野四郎君) NTT用地問題についてお答え申し上げます。

 NTT錦分局の用地交渉につきましては、昭和61年から、既に10数回の交渉を重ねております。本市の実情を十分理解していただきまして、早期に解決できるよう、さらに継続して交渉を続けてまいります。

 以上でございます。

○環境部長(中山 進君) 環境部関係3点についてお答えを申し上げます。

 まず、第1点の、石和町との共同処理でございますけれども、昭和61年の3月の国の指導方針を踏まえまして、現在、庁内の検討委員会で調査研究を重ねておるところでございます。特に共同処理の基本原則でございます双方の優位性、さらには、より効率的なごみ処理の可能性等も踏まえまして、現在検討を加えておる段階でございます。今後は、議会並びに地元の意向を十分尊重する中で、できるだけ早い時期に結論を出していきたいと考えております。

 次に、最終処分場の確保の問題でございますけれども、本市の地理的な状況、あるいは住民の環境保全に関する関心の高まり等から、現在非常に困難をきわめておるところでございます。これは、全国の各自治体においても当然の同じ悩みであるわけでございます。しかしながら、いかなる高性能の設備を導入いたしましても、やはり残灰は排出されるわけでございますので、最終処分場の確保は、清掃行政推進の上からも、緊急かつ不可欠な問題であります。したがいまして、現在、市内、市外を問わず折衝中でありまして、一日も早く解決できるよう努力をしてまいりたいと思っております。

 次に、隣接する濁川の排河川敷でございますけれども、9月議会及び決算特別委員会でも御答弁を申し上げましたけれども、現在、山梨県と協議中でありますので、どうか御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○都市開発部長(風間嘉吉君) 成都市動物園との動物交換、今後の対応、そういったことにお答え申し上げます。

 本市の動物園と成都市動物園との動物交換や、飼育、管理等の技術交流につきましては、パンダ展開催中の訪日団からの強い要請もございましたが、今後、これら交流のあり方について協議を進めてまいり、市民の皆様方に楽しく学んでいただける動物の交換展示の実現に努めていきたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。

 それから、2点目の、大規模建築物等取扱要領に対する見解と対応についてでございますが、大規模建築物等取扱要領の趣旨には異論はございませんが、ただ、県下を画一的に運用することは、本市の場合多くの問題点がありますので、地域の実情を考慮したものであること、それから、法的な面で指導にも限界がある等々、そのことが本市の抱える基本的な問題にも大きくかかわってまいりますので、扱いには慎重を期している状態であります。要は、景観と調和のある都市発展をどう図っていくかということでございますので、甲府なりに検討をしてまいらなければならないとは考えております。

 それから、なお、県においてもこの点の御理解をいただき、本市の主体性が保たれるよう対応できる見通しでありますので、あわせて御理解をお願いいたしております。

○建設部長(末木隆義君) 建設関係に従事する技能者並びに労務者が不足をしているということについて、本市の状況はどうかと、こういうことでございますが、確かに現在、全国的に人手不足が叫ばれております。本市においても、技能者の絶対数が少ないということから、この問題については深刻に受けとめておるところでございます。本市におきましても、おくれが出ないように指導しておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

○議長(原田正八郎君) 中西 久君。

○中西 久君 それぞれ誠意ある御答弁をいただきましたので、新清掃工場の建設につきましては、るる市長や部長から御説明がありました。どうか、市民の一日も欠かせない直結する大事な仕事でありますから、積極的にこれを進められるように要望しておきます。

 次に、建築基準法についてお尋ねをいたしましたが、特に山梨県大規模建築物等の取扱要領が、どうも甲府市にはそぐわないような気がするんです。山中や河口の方で富士山が見えぬから、こうだとかああだとか、いろんなことがはじめでありまして、甲府市では、私の言わんとしているところは、決算委員会におきまして、我が会派の三井議員からもお尋ねいたしましたが、市民がふえるどころではなくて減る傾向にある。そういうことは、古い関係の法律、高さの基準やそういうものが市内にいろいろはめられておりまして、伸びようとしてもそれができない。

 実は、この間ある印刷屋が、もと二十人町で、そこの土地を譲ってもらいたいということで商談があったそうでありますが、そこは高さでは2階半しか建てられないということですから、買う人としてみれば、それはそろばんがあわないということもありました。ですから、表から16メートルだか20メートルは、5階まで建てられるけれども、それ以外はだめだと。それは、一つの例でありますけれど、市内の至るところにそういうことがあると思います。例えば、非常に繁華街でありましても、下がげたばきで商店街に発展するなら、それはそれでよし、上にはマンションが4階か5階あってもいい。それによって人口の増加も図られるし、商店への活性化ということにもつながるわけでありますから、この建築の基準あるいはその法規、そういうものをずっと昔建てたものがそのままやっているでなくて、甲府市の実情をよく考えて、それらを手を加えて、改善をしていく考えがないかどうかということであります。

 それから、最近における技術者不足が深刻だということを、私先ほど質問したんですが、建設部でもそれはお認めのようでありますし、そのとおりだと言っておるわけでありますから、さらにそれはあれする必要がないんですが、今、私は、その内容を申し上げますと、所管庁の積算、見積では、それへ全部上乗せしないと仕事ができないという状況であります。所管庁の仕事を取れば、みんな赤字ですっちゃうということがことしの実情であります。

 特に鉄筋屋さんとか型枠、それから、普通の大工さん、左官屋、タイル屋さんといったようなそういう職種は、特に不足を来しておるようであります。各会社が所管庁との契約をした中で、毎日いろいろ所管庁からおどかされ、追われるものですから、監督等は、その鉄筋屋さんを訪ねる、型枠屋さんを訪ねる。そうすると、ある会社の監督とある会社の監督が、3人も4人も同じ家にかち合うというようなことが実情であります。そうして、見積もそういうことでありますし、まず第一に、今、市役所の責任があるわけではありませんが、職人というものの処遇の改善が根本的に図られなければならない仕事でありまして、これは国の責任だと私どもは思うわけであります。

 ちなみに、所管庁にお勤めになっておる方が、60歳ぐらいでやめた人を、この間計算してみたんですが、その人たちは、やめると退職金、年金がついて、日曜、土曜日、祭日はお休み、年間の有給休暇もつくと、そういうものを職人に置きかえた場合に、大工さんを例にしますと、大工さんなら、1日4万円は取らないと、それらの人に追いつけないということがわかりました。

 ですから、甲府市の先般の採用試験におきましても、いつもならこれになだれを打って応募する人が、どうでしょうか、ことしは、建築が一人採るやつへ一人、電気が一人採るところへ一人という状態であります。これでは全くその二人は採用になるのは当然でありまして、そのくらい社会が人を求め、いろんな事業に携わっている人たちが、それらを嫌っておるということがはっきり見ることができるわけであります。そうして、それらの職人たちは、市役所で定年でやめる人が幾人やめる、県庁で幾人やめる、そうすると、ちゃんと新しい年度で採用してずっといきますから問題はないけれども、職人は、今やっている人だけでおしまいという状態でありまして、後に続くものがないんですね。だから、これはいろいろ処遇というものが、根本的に国が改めないとできるわざではないわけでありますが、どうかそういう関係機関に行った場合は、努めてそのような技術者の養成をやるようにひとつ督励してもらいたいと思うんです。

 この間、私は、テレビで建設大臣の答弁を聞いたんですが、それは、「8千億の仕事を発注をしたから、職人が忙しいんだろう」と、こう言っています。余りにも日本の建設大臣として、本当に、今私が申し上げているような実情というものを全く知らないということであります。旗振りの労働者さえ今ないという非常にせっぱ詰まったやり方であります。

 ですから、市役所におきましても、県や建設省におきましてもそのとおりだと思うので、ただ契約者と、またそれを契約した受注者と、受けた人との間に、呼びつけて注意をしたり、督促をしたりするということは当然でありますけれども、今幾ら怒られてもどうにもならないということが実情だろうと思うんです。そういう意味で、何か対策がないかどうか、そういうことにつきまして、御答弁をいただければ幸いだと思うわけであります。

○建設部長(末木隆義君) 建設関係の人手不足についてお答えをしたいと思うわけでございますけれども、この点につきましては、十分関係機関の指導等を仰ぐ中で、慎重に対処してまいりたいと、このように考えておりますので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。

○都市開発部長(風間嘉吉君) 建築物の高さは、建ぺい率と、それから、容積率で決まってまいります。そういったことで、その建ぺい率、容積率は、建築基準法に規定されております。

 それから、見直しというお話でございますが、見直しにつきましては、おおむね5年ごと行われまする都市計画の基礎調査によりまして、特別にそういった見直しが必要のある事態が生じますと、検討をされることになるわけでございますが、まだそういった建ぺい率、容積率を見直すというようなことになっていないというふうに私判断しておりますが、そんなような手順でやるということで、御了承をしていただきたいと思います。

○議長(原田正八郎君) 中西 久君。

○中西 久君 今の都市開発部長さんの、確かに建ぺい率と高さ、そういうものや土地の坪数等によって決められている問題はあろうかと思いますが、どうか私が申し上げているそれらの趣旨を御理解をいただきまして、やたらに郡部の方が人がふえて、甲府が人が減る傾向にあるということを考えましても、建築の基準、そういうものを、いま少し、前の道路から20メートルというのは見直していくという必要があると思うんですね。先ほど申し上げましたように、もとの二十人町のところに、先ほどのようなそういう例もあるわけで、確かに買う人は、これが5階まで建てられれば買ってもいいと、そうすれば、そこのところが5階までできるとすれば、そこにもまた、10人なり20人なり人がふえるわけです。それが今できないところに問題もございますので、人口増や市内の活性化を図るために、積極的にそれらの見直しをやる機会を早めるように望んでおきたいと思います。

 それから、建設部長の積算、見積の内容ですね、これらにつきまして、建設省や上層の庁とよく打ち合わせてやるというような話でしたが、建設省や国、どこのものを持ってきましても、今職人の見積なんか当然及ぶところではなくて、間に合わない。市役所の見積なんか見たら、そのとおりでやる大工さん、左官屋さんはだれもありはしない、一人も。みんなそれへ上乗せてやっているということが実情であります。

 ですから、この間も、一件、甲府市でも、し尿処理場の上屋が不成立に終わったと、入札が不成立に終わった。それらのことにつきましても、実際、現場で経験のある一級建築士やそういう人たちがそろばんを入れましても、2千万や3千万は足らなくなるということですから、不調に終わるのは当然であります。それらの見直し等につきましては、積極的に県や市の実情、あるいは県や市の関係や、あるいは建設省、そういうところともよく相談をして、早晩これは見直さなければいけないと思うんです。

 私は、おととい建設業者の代表者の人ともちょっと会ったんですが、事態は深刻であります。今、県の分譲住宅を発注しようとしておりますが、だれも希望する人がないと、取り手がないと、あるいは、お断りしなければならぬという、取れば淘るわけですから、これはやる人があるわけがない。そういうところまで来ておりますので、どうか一層建設部で知恵を絞り、努力をしていただくように要望して、終わりたいと思います。

○議長(原田正八郎君) 関連質問はありませんか。

 お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(原田正八郎君) 御異議なしと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 本日は、これをもって延会いたします。

                午後1時59分 延会