平成2年9月甲府市議会定例会会議録第3号

                午後1時03分 開議

○議長(堀口菊雄君) これより本日の会議を開きます。

 報告事項を申し上げます。

 内藤幸男君は一身上の都合により本日、欠席する旨の届け出がありました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1から日程第17まで17案及び日程第18 市政一般についてを一括議題といたします。

 これより、昨日に引き続き上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 本日は、市政クラブ 清水節子君。

 清水節子君。

                (清水節子君 登壇)

○清水節子君 市政クラブを代表し、9月定例会の提出議案並びに市政一般について質問をいたします。

 私の質問の中には、昨年の9月定例会において質問をし、提言してまいりました案件で、当局からの答弁を確認するために、その後いかに対応し、検討研究されてきたか再度お伺いする点を含めておりますので、当局におかれましては、誠意ある御回答をいただけますよう申し添えておきます。

 まず市長の政治姿勢についてであります。

 原市長は、今会議冒頭の所信表明で、次期市長選への出馬を表明されました。私は、甲府市のさらなる発展のため、原市政の継続を歓迎するとともに強く要望をするものであります。

 原市長は、市政を執行するにあたり、常に甲府市は市民のためにあり、甲府市政は市民とともに歩むべきものである、との政治理念のもとに、1党1派に偏することなく20万市民の福祉の向上と、甲府市発展のために懸命に力を注いでこられました。その高い識見と実行力は、数々の業績を残し、中でもかいじ国体、身障者スポーツ大会、市制百周年記念事業の成功は、市民の協力はもちろんではありましたが、市長の指導力のたまものと、深く敬意をあらわすものであります。

 7年有余の政治生活の中で、ますます健康で活躍されておられる市長に、大いに期待をし、次期市長選の勝利を目指して頑張っていただきたく激励をいたします。

 続いて質問に入ります。

 まず健康都市・甲府のビジョンについてお伺いをいたします。

 揺りかごから墓場まで、すべての市民が健康で生活できる環境づくり、これが市長の提案である健康都市・甲府であると考えます。それを推進していくのには、家庭、社会、学校、行政が一体とならなければできません。その中で今一番欠如しているのが家庭教育であると思います。父親の威厳、母親の愛情、祖父母に対する敬愛の念等々の根本が失われております。家庭の中で何げなく話されている会話を、子供の感度のよいコンピューターがとらえます。そしていつの間にか親に対して暴言を吐くようになってしまう子供もいます。

 家族の健康を考え、愛情を持って台所に立つ母親の姿を見て、暗黙の中で感謝の目が注ぐものです。幾ら地位、名誉を持つ父親、母親であっても、家族に対するゆとりと愛情がないと、その子はかえって負担を感じ、「あの家の子が」というようなことをしてしまう例が幾つかあります。特に反抗期にある中学生には、その子供の体位にあった愛情弁当を持たせることによって、心が和むものです。

 中学生は、学校でも家庭科の授業を受けていますし、母親と一緒に会話をしながらつくるお弁当の味は格別だと思います。子供数も少ない時代ですし、手抜きを考えず、つくる楽しみを味わっていただきたい。一生に一度しかない中学生時代の思い出の1つとなるおふくろの味を与えてあげてほしいと思います。家族全体の健康と、思いやりのある家庭づくりを推進し、その上に立った教育施設の整備、拡充こそ健康都市・甲府の基盤となると考えます。市長の御所見をお伺いいたします。

 次に、甲府市総合市民会館の運営についてお伺いをいたします。

 国においては、国民の生涯学習の振興に寄与することを目的とした、生涯学習振興施策の推進体制等の整備にかかわる法律を公布し、施行をしております。これにより学校教育はもちろん、社会教育や体育文化活動が体系的、組織的に進行されていくことが保障をされました。本市ではこれに先駆けて、この4月に生涯教育の施策推進にかかわる組織改善を行い、教育委員会に生涯学習部を設けました。そしてその拠点となる総合市民会館が10月16日オープンする運びとなったわけですが、当面は施設管理を除いて直営だとお聞きをしております。生涯学習のセンターとしていくには、第3セクター方式による柔軟な運営が望まれると思います。生涯学習に対する振興の方策と総合市民会館の将来的管理運用の方式について御所見をお伺いいたします。

 次に、ごみ問題についてお尋ねをいたします。

 今地球規模での環境問題が、大きな関心を集めております。ごみや2酸化炭素、メタンガスなどの排出量の増加により、地球環境に深刻な影響を与えており、地球の温暖化現象を引き起こしております。最近の環境問題発生の背景には、先進国は豊かな生活の維持、発展のため資源エネルギーの浪費や環境破壊を行い、発展途上国は産業優先政策により、環境問題をなおざりにするといったそれぞれのレベルでの環境破壊が、同時進行の形で進んでいることが上げられます。ごみの問題もこれら環境問題の一部であり、状況は同じであります。朽ちないプラスチックや、処理できないものは埋め立てられ、地球上に蓄積される一方です。大量のごみを焼却処理することによって、発生する有害なガスや、2酸化炭素は、大気を汚染し、地球を温暖化に導いております。しかし、二酸化炭素などが見えないうちに増加していくのに対し、ごみの場合は排出量をある程度的確に把握することが可能であり、ごみが増加している状況を目で確認することができます。

 ということは、我々の日常的な努力によって、ごみの排出量や内容を変えていくことが比較的容易にできるということを示しています。例えばプラスチックの容器を、完全に瓶や缶に転換させリサイクルすることや、再製紙の普及を徹底させることなどは、すぐにでも可能なことであり、また取り組まなければならない急務だと考えます。紙の浪費は、大切な森林を減らし、森林の減少による二酸化炭素の増加と紙の焼却により発生する二酸化炭素は、地球の温暖化を加速をしております。それによって気象変化が引き起こされ、農業的な干ばつから人類の飢えにつながったり、土地の低い国を水没させてしまうかもしれないのです。

 生きる根源である空気の汚染を守り、きれいな地球に住むことは、我々人間の権利であり、義務であると考えます。環境部におきましても種々企画をし、市民教育はしておりますが、酷暑の中、汗びっしょりになって山積みされたごみの収集をしている職員の姿を見るとき、市民1人1人の一層の自覚と責任を痛感するものであります。そこでお伺いをいたします。

 資源ごみの回収を始めて以来、ごみの量は減ってきたでしょうか。有価物回収との関係はどうでしょうか。最終処分地の確保はできているのでしょうか。また清掃懇話会でも出されております自家処理燃焼ごみの焼却炉に対する補償金制度について、どのように検討されているかお聞かせください。

 また市清掃工場建設の余熱利用と、昨年9月議会に提案いたしました身障者の花の園構想について、どのように検討されているかお尋ねをいたします。なお、この問題につきましては先輩の三井議員さんより関連質問をすることになっております。

 次に、福祉の諸問題についてお尋ねをいたします。

 まず、社会福祉事業団の設立についてお伺いをいたします。

 高齢者にかかわる各種アンケートや調査でも、高齢者は、いつまでも住みなれた地域で、家族や隣人と一緒に暮らしたい、という希望を持っていることが明らかにされております。このことから、国をはじめ自治体では、地域福祉の推進を福祉の柱としていますが、この万全を期するためには、民間活力の導入が必要だと思います。そこで現在の地域福祉の推進主体としての社会福祉協議会が存在し、国でも充実を図ることとし、本市でも家庭奉仕員の年次的増員を図りながらその待遇改善を行っております。市として真の地域福祉推進を図るための社会福祉事業団設立構想について、いかなるお考えをお持ちになっておられるのかお伺いをいたします。

 次に、精神薄弱者の通所授産施設の設置についてお伺いをいたします。

 元日本短波放送のプロデューサーで20年間4万本ものラジオ番組制作を通して、障害者問題と深くかかわってきた方の著書『障害者は、いま』の中に次のような実話が紹介されていました。

 『地方取材から戻ると、私のデスクにみずみずしいサクランボの一箱が、そっと載っていた。山形から上京してきたある母親が名前もいわずに置いていったという。短い手紙が添えられていたが、それにも名前がなかった。』その手紙の内容は、
 『「おはずかしいことですが、子どもを育てるのに疲れ果てました。この子と死ぬことに決めました。そのとき、その日は『精簿相談室』の放送の日だったことに気がつきました。何となく、その放送を聞いてから死のうと考えていました。聞き終わったとき、何かで頭をガツンと叩かれた思いがしました。あんなに重い子を持ったお母さんが、あんなに強く生きているのに――。私は必死に子供を抱いたまま、どんなことがあっても、もう死ぬなんていわないからねと、わが子に誓っている自分を発見しました。昨日の放送は、本当に娘と私のいのちの恩人でした。心からのお礼のしるしにと、けさ庭で採ったものをお届けしました。」
 この手紙を読んで、私は頭の中から血が引く思いだった。山形県から東京まで、どんな思いを抱えて、このお母さんはやってきたのであろう。
 障害児を持った母親の多くは、一度は自殺を考えることがあるという。子どもと一緒に死のうと思うことがある。しかし同時に、この子と共に生きたいという強い願いを持っている。その生死を左右するのは、周囲の何気ないひとことであることが多い。』

 市長さん、どうか自分の子供だったらと、立場を置きかえて聞いてください。

 今世界じゅうで、障害者の生きがいを求める運動が、親を中心に盛り上がってきています。日本の中でも障害者の対応に理解を示し、生きがいをともに考える動きがそこここに見られるようになってきました。しかし山梨県においては、知恵おくれの子供の高等部進学は難しく、また高等部卒業後の受け入れの保障がないのが現状です。甲府市では障害者の通所の授産施設として市立、市営のものを求める親の願いが高まっています。

 その1つとして昨年9月定例議会でも述べましたが、緑が丘グラウンドの中に、小動物園を早期建設することを強く望んでおります。小動物園建設は、教育終了者で、一般就労の困難な障害者が、作業を通して基本的生活習慣や、社会性を身につけ社会参加することにより、喜びと生きがいを得られることを目的としております。また動物との触れ合いの中で、障害者も健常者も一体となって情操を深めることができます。また一方北部地域の活性化にもつながります。緑が丘グラウンドの計画を根本から考えるこの時期に計画されることが必要であります。

 1年余り前に発足した町田リス園では、年間1億円以上の収益を上げていると聞きます。このリス園は、市長の発想で建設されました。建設費用は市が全面的に出費してつくられました。この6月には、甲府市でも福祉部長、障害福祉課長らが、町田の福祉行政の視察に行ってくださり、感激して帰ってこられました。また7月末には養護学校の父母、生徒、教師らが、バス2台で町田市を訪れ、このような施設が県内にもあったらと、授産施設充実へ向けてさらに結束を固めたところであります。障害児の親は、子供の卒業後について毎日不安で過ごしております。何とか希望が持てるように1日も早い実現が待たれます。市長の早期決断こそ解決のかぎと考えます。

 各地の通所施設の運営は、その地域地域でさまざまですが、国立市では国立市社会福祉協議会、大田区では区立区営のものと、区立で東京都精神薄弱者育成会の運営のものとがあります。町田市では市立市営、市立民営、民立民営と21ヵ所、水戸市では水戸市社会福祉事業団で4施設、名古屋市では社会福祉法人、豊かな福祉会運営のもの等があります。北部地域の活性化、社会福祉協議会の活性化にもつながるこの事業の実現に向け、市長の決意をお伺いをいたします。

 次に、児童福祉についてお尋ねをいたします。

 今日の児童を取り巻く環境の変化は、出生率の低下に伴う児童の減少、婦人の就労の増大、就労形態の変化、養育機能の低下、社会における人間関係の希薄化となっております。そんな中で保育所の果たす役割がますます重要になってきております。国では乳児保育、延長保育、夜間保育、1時緊急保育、育児相談、地域交流事業等、補助金ではありますが、一定の前進が見られるようになりました。しかしこのような多様化したニーズにこたえるには、子供に対する家庭における考え方の再検討はもちろんですが、子供たちのよりよい触れ合いの場としての保育を大切にする行政の保育政策が望まれると同時に、地域の中の保育所として活用されるため、学童保育所としての機能を果たしていかなければならない時期に来ております。

 そこで、保育所の持っている子育ての機能を学童まで拡充する重要性と、地域福祉の持っている役割について提言をし、御所見をお伺いいたします。

1、保育所は、各地域に均等に配置され、児童が手軽に利用しやすい。
1、親の就労時間にあわせて利用可能時間帯、1日12時間、年間開所日290日以上と長く、親の就労保障を行っている。
1、.留守家庭、特に弟、妹が保育所に通っている場合、家族の分離が防止できる。
1、兄弟の少ない子供たちの異年齢児との交流が可能となる。

 このような視点から、保育所に放課後や長期休暇のとき、学童保育を期待する声が大きい。また提案を具体化するために、保育所の公園化構想とも言うべき以下のような施策を実現させていくことにより、一層充実した地域の子育てが可能になると信じます。

1、保育所に児童館を併設する。または学童クラブを設立させ、保育所の事業の1つとして位置づける。
1、都市開発部で行っている公園整備を、保育所整備と連携し、保育所の屋外整備と児童公園と同等のレベルに整備をする。
1、さらに可能なら、ポケットパーク、街角公園的な児童公園を隣接する。
1、上記の施設の利用目的と開所時間から考え、保育所に運営を委託する。

 そのことにより、保育所を卒園した子供たちが、学童保育の場として通うことができ、地域の子供たちとの触れ合いの場としてのコミュニケーションが果たせる利用価値は大きいと信じます。また、このことによって、親たちも安心して就労し、社会進出ができ、家庭内の話題が豊富になると信じます。

 子供がいても安心して就労ができ、企業の求人対策の一環にもつながるこの事業を前向きに進めていただけますよう、御所見をお伺いいたします。

 次に、保育所問題についてお伺いをいたします。

 子供が生まれても働き続けようとする母親たちは、妊娠に気づくと同時に保育所探しに奔走をする時期がありました。今では乳児保育所の数は、まだまだ足りないのは事実ですが、かつての深刻さは、3歳児以上になるとほとんどの保育園が、定員割れを起こしているのが実情です。保育所が定員割れをしている一方で、フランチャイズ化されたベビーホテルやベビーシッターは隆盛を誇り、厚生省もこうした実情を背景に、一時的保育事業実施要綱などを策定し、乳児保育、延長保育、夜間保育、一時保育を進めております。なぜ保育所では定員割れなのでしょうか。最初にはっきりさせなければならないのは、量的確保の課題は達成された、という厚生省の見方に反し、定員を割っているのは3歳児以上で、乳児施設はまだまだ足りないというのが実態です。

 現存の乳児認可保育所が市民に有効に利用されるためにも、次の事項についてお伺いをいたします。

 甲府市においては二子軽減のものも含めて、保育料の値下げをいたしましたが、初任給が上がってきた現在、今の認定基準ですと3歳未満児、最高額39,500円になり、生活費から見て保育料の占める割合は、大きいと考えられます。国の認定によるということはわかってはおりますが、甲府市として3歳未満児の保育料の軽減措置と、保育時間の延長についてのお考えをお示しください。

1、保育所入所手続の簡素化について、現在保育所関係の事務については、市町村にこれらの権限が移管されました。このことにより県外より甲府市へ転入した場合、すぐに入所できるための、入所手続の簡素化についてどのようになさっているか、お示しください。
1、保育所の入所措置の再調査についても、先進都市は年度当初に1回実施のみのところもありますが、甲府市でもそのような簡素化を進めたらと考えますが、いかがでしょうか。また民間保育所の職員の給与は、公立に比べると非常に安いのが実態です。格差是正についてのお考えをお示しください。

 次に、図書館建設についてお伺いをいたします。

 甲府市立図書館は、開館65年という長い歴史の流れの中で、幾多の遍歴を経て今日まで市民文化の向上に寄与してきていることは、言うまでもありません。最近県内では石和町立図書館、昭和町立図書館が、時代のニーズを取り入れ開館されました。甲府市におきましても、甲府市立図書館建設懇話会が設置され、第3次総合計画の中で検討されておりますが、中央館としての位置づけを考え、将来は分館とオンラインで結ぶネットワーク化の確立をし、図書館業務の効率化を図り、利用者のサービスに努め、幼児から高齢者まで多くの人たちに喜んで利用される図書館づくりを望むものであります。何といっても市民に直接サービスする図書館ですから、職員も新採用者については、司書の資格を持っている人を専門職として配置をし、士気を鼓舞することが、市民ニーズにこたえる第1条件と考えます。市民に愛される図書館構想についてのお考えをお聞かせください。

 また年に1回くらい、市主催の読者講演会を開いてはと考えますが、いかがでしょうか。不思議なもので、言葉もわからない赤ちゃんに、子守歌がわりに同じ本を読み聞かせていると、片言をしゃべるときには、その本を暗唱をしております。3歳くらい前の愛情教育が、その子供の人生の基盤となることは確かです。こんなころから良書に親しむことができるよう、幼児・児童の本を豊富に購入していただきたいと考えます。御所見をお伺いいたします。

 次に、緑が丘総合グラウンドについてお伺いをいたします。

 まず小瀬スポーツ公園との交換の経緯についてお聞かせください。また現状では、体育館や弓道場、合宿所を兼ねた室内プールが県の管理になっておりますが、市民のスポーツ活動を一体的に促進するためにも、市に移管されることが望まれております。県への働きかけについてお伺いをいたします。

 また、現在公園整備の進捗が滞っておりますが、公園の中に車道をつくることは大変危険です。車では回り道をしても1分くらいしかかかりません、何か感情問題でしこりが残っているような気がしてなりません。地元住民の多くが、あんな状態で2年間も放置しておかないでと、1日も早く立派な公園の完成を望んでおります。行政としてのお考えをお伺いいたします。あわせて北部地域の活性化を進めるための方策についてお考えをお示しください。

 最後に、地域の集会所施設についてお伺いをいたします。

 甲府市には北部市民センター、南西部市民センター、東部市民センター等があり、そのホールの利用状況は、曜日を決めて研修をしているサークルを、利用日を減らしてほかへ向けている盛況と聞いております。第3次総合計画では、南部市民センターが計画をされておりますが、伊勢地区では南公民館の講堂を文化協会、老人大学、老人クラブ、各種サークルの発表、研修の場として利用しておりますが、これが新保健センター建設の折りには、使用できなくなるのではないかと思います。甲府市で1番大きい自治会を持つ伊勢地区ですし、南部市民センターの誘致を望んでおられます。どのようなお考えをお持ちか、お伺いをいたします。

 以上で私の質問を終わります。

○議長(堀口菊雄君) 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 清水議員の御質問にお答えいたします。

 まず、私のこれまでの市政の執行に対しまして、高い御評価をいただきまして、また次期市長選への御激励をいただきまして、まことにありがとうございます。

 健康と思いやりのある家庭教育の推進についてのお尋ねでございますが、私は、すべての市民が健康であるとともに、都市そのものが健康で、活力に満ちていることを念願をしておりますけれども、その中で、義務教育は、人間性豊かな人格形成を図る上で、最も重要な基礎的な学習をする場でございますので、教育委員会と意思疎通を蜜にして、子供たちの生活実態を考慮しつつ御指摘のとおり地域、家庭、学校が一体となって健康で、思いやりを大切にする心を育むための教育を推進をしておるところでございます。

 さらに家庭教育につきましても、その重要性は十分認識しておりますので、社会教育における講座やPTAの研修などのあらゆる機会を通じまして、今後より一層その充実に努めてまいりたいと考えております。

 また学校教育と家庭教育の内容等、それにかかわる施設設備などにつきましても、今後一層整備充実を図ってまいる考え方でございますので、御理解を賜りたいと思います。

 次に、生涯学習の振興と総合市民会館についてのお尋ねでございますが、生涯学習社会を迎えまして、生涯学習の推進体制等とあわせて基盤整備が急がれておるところでございます。本市ではその対応策として、本年4月組織改革を行い、生涯学習部を発足をさせました。また施設面でも生涯学習の拠点として総合市民会館が近く完成をいたします。その運営、管理につきましては、教育委員会からお答えいたしますけれども、御案内のようにこの会館は、市民の多種多様な要求に、的確かつ柔軟に対応し、あわせて市民の芸術文化の育成、創造、スポーツの向上に寄与いたしまして、市民がだれでも気軽に利用でき、市民の交流と生涯学習を促進する施設でございます。これからの成果を期待をしておるところでございます。

 次に、社会福祉事業団の設立につきましてのお尋ねでございますが、高齢者は、住みなれたところの地域の中で暮らすことが最も好ましいわけでございます。これを実現するために、高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略が示されました。この推進のために、老人福祉法等関連8法が、さきの国会で成立をいたしました。その中で在宅介護を支援するために、家族や地域社会を挙げて地域福祉を推進する考えがございます。その推進母体として社会福祉協議会は、位置づけられておるところでございます。

 一方、社会福祉事業団は、地方公共団体が設置をした福祉施設を受託、経営するための社会福祉法人で、福祉事業の民活方式として注目をされておるわけでございます。本市におきましても、国の方針を踏まえまして、総合的な高齢化対策の推進にあたりまして、地域福祉の推進は社会福祉協議会を福祉施設の管理、運営は福祉事業団を基本にしてまいりたいと考えております。したがいまして、今後建設する福祉施設との関連の中で事業団を設立してまいりたい、このように考えておるところでございます。

 新図書館の建設等についてのお尋ねでございますが、第3次総合計画の主要事業として位置づけております。新図書館構想の具体化を図るため、教育委員会の主体的取り組みをお願いをいたしておりましたが、さきごろ甲府市図書館建設懇話会から、建設構想について御提言をいただきました。提言内容は、清水議員からも御提案がありましたように21世紀を展望した現代的な図書館といたしまして、ネットワーク化問題などを含め、幼児から高齢者までの人たちに喜んで利用できる図書館構想となっておるわけでございます。私といたしましても、真剣に対応したいと考えております。

 また専門職員の研修、育成、読者講演会、幼児児童向け図書購入等、今後十分に留意をしたいと存じております。御理解をいただきたいと思います。

 次に、緑が丘周辺地域の活性化の対応についてのお尋ねでございますが、緑が丘スポーツ公園の再整備計画につきましては、総合計画の中にも後期計画として計画をされておりますので、この整備計画策定の際には、地元の意向、各関係者の御意見を聞きながら地域の活性化を含めまして検討をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

 次に、南部市民センターの建設位置についてのお尋ねでございますが、第3次総合計画におけるところの南部市民センターにつきましては、南部地域の市民を利用エリアといたしまして、建設しようとするものでございますが、その建設位置につきましては、地域のコミュニティー施設や公共施設の配置状況等を考慮するとともに、地域の関係自治会等の御意見と、御協力をいただく中で、建設位置の選定を行う考え方でありますので、御理解を賜りたいと存じます。

 なお、既存の市民会館や公共集会施設の全市的配置状況を勘案しながら、コミュニティー活動の拠点としての地域集会施設の整備につきましても、弾力的な対応を図る必要があるとも存じております。御理解をいただきたいと思います。

 他の質問につきましては、それぞれ担当部長からお答え申し上げます。

○福祉部長(鈴木 勗君) 福祉部関係6点につきましてお答えをいたします。

 まず、通所授産施設の設置についてでございますが、障害者の自立と生きがいの促進のための授産施設の設置につきましては、昨日大村議員の質問にもお答えをいたしましたとおり、本市といたしましては、第3次総合計画の中期に、授産施設も含めた障害者福祉センターの建設を予定をいたしております。施設の建設規模、内容等につきましては、目下先進都市の施設を参考にしながら調査、研究を進め、建設場所につきましてもできるだけ早く選定をいたしたいと考えておるところでございます。

 なお御提言をいただきました具体的なものにつきましては、今後関係部局とも調整を図りながら検討を進めてまいりますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、3歳未満児の保育料軽減措置と保育時間の延長についてお答えをいたします。

 年々増額改定される、保育料の国の徴収基準に対し、本市では2子軽減のほか、母子、父子、身体障害者家族等の救済措置など、本市独自の制度を設け、保護者負担の軽減を図ってまいりました。この本市独自の保険料の軽減額は、総額にいたしますと63年度は1億1,600万円、平成元年度は1億3,700万円と、年々増加をしている状況でございます。また本年度の保育料につきましても、3歳未満児の保育料も含め、保護者負担を抑制する措置を講じましたので、軽減額は前年度を上回る1億3千8百万円が予想されております。この額は、措置児童1人につきまして平均5万5千円に相当をいたします。どうか御理解をいただきたいと思います。

 次に、保育時間の延長につきましては、公立保育所で昨年5園で施行、実施をいたしました。この結果を踏まえまして、今年度は午前7時30分から午後7時、土曜日につきましては午後3時までと、午前は1時間30分、午後は2時間の範囲内で各保育所の実態及び保護者の需要に応じた保育延長を実施いたしております。民間保育所につきましては、公立保育所の結果を踏まえまして、各保育園の実情に応じた延長保育への取り組みについて指導をしていく考えでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、県外から甲府市へ転入した場合の入所手続の簡素化ができないかと、こういうことでございますが、甲府市では、入所手続の簡素化に努力をいたしておりまして、特に御指摘の県外から転入した場合の入所手続につきましては、本来住民票の写しが必要でありますが、これには手続に1週間程度の日数が必要であるため、現在転出届けのみで入所できるように簡素化いたしておるところでございます。御理解をいただきたいと思います。

 次に、保育所の入所措置の再調査についてでございますが、保育所の入所措置基準により、年度当初の4月と10月の2回の調査を行うように、厚生省の指導を受けております。したがいまして、年2回の調査は欠かせないわけでございますが、本市では第2回目の調査における添付諸証明につきましては不要とするなど、簡素化に努力しておるところでございます。さらに一層の簡素化を検討してまいりますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、公立保育所と民間保育所の職員給与の格差についてお答えをいたします。

 民間保育所の職員給与につきましては、現在措置費の運営管理費の中で運用をされております。これに対し、本市は民間保育所に対し、独自の各種運営費補助金の中で民間保育所等職員手当費補助制度を設けまして、民間保育所の職員の労働条件の改善のための一助にしているところでございます。御理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○環境部長(中山 進君) 環境部関係4点についてお答えを申し上げます。

 まず第1点の資源ごみの回収によるごみの減量と有価物回収でございますけれども、資源ごみの回収につきましては、本年7月から全市的に実施を始めたところでございます。その結果、7月は108トン、8月は160トンの収集量があったわけでございます。しかし、瓦れきの中には相当量の資源ごみが混入している状況でございます。まだ市民に十分な理解が得られないと、私たちは判断しておるところでございます。今後PRや指導活動を行い、資源ごみ排出の促進を図ってまいる考えでございます。有価物の回収につきましては、自治会の大変な御努力をいただきまして、昨年実績を大幅に上回る量が回収をされておりまして、当初懸念をいたしました有価物回収への影響は出ておらない状況でございます。

 次に、第2点目の最終処分場の確保でございますけれども、近年住民の環境保全に対する関心の高まりから、年々非常に困難を極めておるところでございまして、これは各自治体とも共通の悩みであるわけでございます。しかし最終処分場の確保は、ごみの適正な処分の観点から不可欠の問題であるわけでございまして、今後は石和町との共同処理の前提でございました同町での確保を含めまして、広域的な対応を現在図っておるところでございます。

 次に、第3点目のごみ焼却炉に対する補助金制度でございますけれども、家庭の生ごみ処理器については、既に補助金制度を導入いたしまして、好評を得ているわけでございますけれども、家庭用ごみ焼却炉に対する補助金制度につきましては、他都市における実施状況等、総合的な角度から調査、研究を行い、検討をしている段階でございます。

 第4点目の新ごみ処理施設建設に伴う余熱利用施設の建設と身障者の花園構想でございますけれども、新しい工場建設に伴う開放施設につきましては、余熱利用施設とともに緑地公園等も含め、周辺整備構想の中で検討をしておりまして、なお今後は、地元代表である対策委員会あるいは議会の御意見を十分踏まえまして、早期に一定の方向づけをしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。御理解を賜りたいと思います。

○都市開発部長(風間嘉吉君) 小瀬スポーツ公園にかかわります、3点の御質問についてお答えをいたします。

 まず、小瀬スポーツ公園との交換の経緯でございますが、小瀬の整備済み面積約9万2千平方メートルとの比例交換面積として、テニスコート場を中心とした4万3千平方メートルを、緑が丘の県施設と交換をいたしました。

 さらに市道北新和戸線以南の陸上競技場、サッカー場、野球場、プール、ソフトボール場の用地を含む部分19万9千平方メートル余を、市有財産及び管理区域として引き継いだものでございます。

 次に、緑が丘スポーツ公園内県施設の市移管については、緑が丘スポーツ公園の管理を、一元的に甲府市の財産として管理するには、市民へのスポーツの振興の意味からも望ましいことでありますが、昭和57年度当初の県市の協議折衝の中で、屋内運動施設は、県の所管として管理することとなりました。今後この屋内運動施設を中心とした県の所有地につきましても、市に帰属するよう県に要請してまいりたいと考えております。

 次に、緑が丘スポーツ公園内の通行問題についてのお尋ねでございますが、野球場と旧サッカー場間の園路についての、市の整備計画に対し、関係地域のコンセンサスが得られていない状況から、船出広場の整備に支障を来している状況でございます。今後、地元と公園景観と安全性確保を基本に置きながら話し合いを進め、早期に方向づけをしてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○教育長(浅川紫朗君) 留守家庭児童の学童保育についてのお尋ねにお答え申し上げます。

 御指摘のように児童数の減少、女性の就労の増大等によりまして、留守家庭児童の保育所施設利用等についてのことが今懸案になっているところでございます。現在は既設の留守家庭児童会並びに児童館を利用していく中で対応しているところでございます。

 今後さらに充実するための努力をしているところでございますが、この問題につきましては国の動向を見ながら検討をしてまいりたいと考えております。

 さらに保育所の活用につきましては、施設の現況や児童館等の施設との関係もございますので、関係部局とも協議を行いまして、慎重に対応してまいりたいと存じております。

 なお、この点につきましては、幼稚園協会の御協力もいただく中での対応も検討したいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

○教育委員会生涯学習部長(種田源夫君) 私の所管にかかわる2点について、お答えを申し上げたいと思います。

 まず、総合市民会館の管理、運営方法等についてでございますが、総合市民会館の管理、運営につきましては、基幹的部分は直営でございますので、市民のいろんな分野から構成設置いたしました、会館の運営委員会の意見を十分反映させながら、自主事業の企画を含め万全を期していくつもりでございますので、御理解いただきたいと思います。

 次に、遊亀会館の講堂等の使用問題についてお答えを申し上げたいと思います。

 南公民館につきましては、総合市民会館の新設とともに移転し、さらに充実した公民館活動を、各種の団体の御理解を得る中で計画をしているところでございます。なお、御指摘のございました遊亀会館につきましては、保健センター施設等として運用してまいりますが、これらの事業の推進計画の中で、講堂につきましては従前と同様市民対応をしてまいりたいと考え、現在運営、管理方法等につきまして検討しているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○議長(堀口菊雄君) 清水節子君。

○清水節子君 各部にわたりまして、御丁寧な御回答をいただいたわけでございますけれども、今精神薄弱者の通所授産施設でございますけれども、甲府市におきましても箱物の中でもっての授産施設は、今年も2つくらいふえていると思います。ですけれども、私が薄弱者の親の会の皆さん方の声を聞く中で、やはり健常者との触れ合いの場を欲しい。そして健常者と身障者の触れ合いの中でもって情緒豊かな子供さんを育てていく役割についてもしていきたい。こんなことを親の会の皆さん方は真剣になって取り組み、夏休みも返上する中であちこちの施設を見学をなさっておりますし、福祉部長も行ってくださいました。

 特に町田リス園では、台湾リス、シマリスがその中に放たれまして、本当に網がかかっているだけなんです。ですから施設としては金がかかっておりません。ですけれども、そこへ行く親御さんたちが、時間を区切ってその園の中に入っていく、という状況で放されておりますから、それを踏みつけては困りますので、そんな状況で盛況です。それで去年1年を見ますと1億円の収入があったと聞いております。ですから、やはり甲府市といたしましても、受益者負担制度ではございませんけれども、そういうものを考える中での、こういう開かれた身障者の健康も考えて、そしてやっていただきたい。こんなことを考えて強く望んでいるわけでございますけれども、このことにつきまして市長さんの御見解を一言お聞きしとうございますけれども、お願いいたします。

○議長(堀口菊雄君) 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 町田市の施設につきましてのこれを例として、ただいまお尋ねでございますけれども、要は、その障害を持った子供たちが、学校を卒業して働く場所の問題だと思うわけでございます。したがいまして、必ずしも甲府市がそのようなリス園がいいのか、あるいは花壇の中で働くのがいいのか、あるいは通所授産施設というような形の中で生産に参加をしてもらうようなことがいいのか、これらにつきまして十分検討をしてまいりたいと思います。これはそのまま放置といいますか、無関心でいるわけにはまいりませんので、それらを十分検討をしてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

○議長(堀口菊雄君) 清水節子君。

○清水節子君 環境部長からも、花園構想につきましてもお話をいただいているわけでございますけれども、やはり開かれた授産所というものを、ぜひ御計画をいただきまして、すべての人が本当に健康でもって、何といいましょうかね、触れ合いの中でもってその温かさを感じるというようなことを、ぜひお考えをいただきたいと思います。よろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。

○議長(堀口菊雄君) 要望でいいですね。

                (清水節子君「はい」と呼ぶ)

○議長(堀口菊雄君) 暫時休憩をいたします。

                午後1時57分 休 憩

                午後2時33分 再開議

○副議長(宮島雅展君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 次は、市政クラブ 牛奥公貴君。

 牛奥公貴君。

                (牛奥公貴君 登壇)

○牛奥公貴君 市政クラブの代表といたしまして一般質問の機会を与えられましたことに感謝を申し上げ、市政が抱える重要な課題に絞って、当局の御見解及び施策の方向づけをお伺いいたしたいので、明確な御答弁を期待する次第であります。

 今議会の冒頭、原市長の3選に向けての所信表明を、私は非常に厳粛な気持ちでお聞きしたところであります。昨年の市制百周年という記念すべき節目を飾るにふさわしい数々の事業、イベントが、多くの市民の協力と賛同を得ながら、連帯と協調の和の中で大成功のうちに幕を閉じ、また新たな歴史をつくる第1歩を踏み出した今、さらにはにわかに現実味を帯びてきたリニアによる甲府市の限りない可能性に思いを馳せますとき、ぜひとも20万市民の限りない福祉の向上のために、またこの甲府市を地方有数の中核都市として飛躍的に発展させるために、この御決意を粛々と実行されることを切望いたすものであります。このことをお願い申し上げながら質問に入らせていただきます。

 流れといたしましては、人口問題対策、地場産業の振興、リニア中央エクスプレスへの対応、土地利用対策、財政運営、その他とさせていただきますが、まず人口問題対策についてであります。この件につきましては、過去も何度か各議員よりさまざまな視点から質疑がなされておりますが、私は少し角度を変えて数点の質問をいたしたいと思います。

 第1に人口増加対策についてでありますが、第3次総合計画では、目標年次平成12年の甲府市人口を22万8千人と予測しております。基本構想が討議されました議会等における当局の御説明は、公営住宅の建設、残存農地の開発、区画整理等の都市開発による増加を目指しておられるようでありますが、この考え方は近い将来確実に現実化するリニアのインパクト、また土地利用問題を考えますとき、現状にそぐわないものになっているのではないかと思うのであります。人口が多いことが必ずしも望ましいこととは思いませんが、都市の盛衰の大きな目安は、間違いなく人口の増減であり、地域が衰退するプロセスの第一段階は、人口の流出であるとすれば、逆に人が都市に向かう条件はと考えますと、雇用環境の充実、中枢管理機能の集積等に裏づけられる経済的魅力と、生活の利便性、医療環境、教育、文化環境の充実に裏づけられる社会的魅力が挙げられるのではないでしょうか。大変難しい問題ではありますが、この際抜本的に見直し、人口流入、定住化の促進に努めてはどうかと思うのでありますが、当局の御見解を求めるものであります。

 第2に高齢化の問題であります。この高齢化対策は、国レベルにおいてもまた地方都市にとっても避けられない重要課題であることは、当局も御認識でありましょう。数ヵ月前のある人口問題研究所の発表によりますと、高齢化の波は一段と加速し、数年後には老齢人口はついに年少人口を超えることになるということであります。甲府市におきましても、老齢人口の比率は10年前の昭和55年に比べ9.6%が約13%と35%伸び、また75歳以上に至っては3.2%が約5%と60%近い伸びを呈しております。

 これに対し当局が福祉部に専門主幹を配し、前向きに取り組んでいることは私も高く評価するところでありますが、寝たきり老人、痴呆症老人対策、社会福祉施設整備等の老人福祉施策やこれからの課題でありましょう生きがい対策、雇用対策、地域福祉対策等への対応もすべて老人を弱者として慈しむ観点での施策として執行されてきているように思われます。

 しかし、ここで視点を変え、若者から見た老人福祉でなく、老齢者側の立場に基づくより明るいイメージの生産的、能動的な提言を求めたらいかがでしょうか。このため常設的な機関として、例えば老齢者に参加を求めた高齢者活動懇話会といったものを設けるなど、長年培った経験、技能、知識などの貴重な財産を改めて社会に還元していただくことは、生きがい対策とも通ずることになるのではないでしょうか。

 最近よく叫ばれる「ヤングオールド」たる高齢者に期待しつつ、高齢者の雇用対策、生きがい対策、地域福祉のあり方、高齢者の学校教育への起用と、この4点に対する当局の御見解をお伺いしたいと思います。

 次に労働力の確保の問題であります。県下の最近の有効求人倍率は遂に3倍に達し、順調に推移している経済に大きな影を投げ落とす労働力不足の問題は、1自治体にとって全く手に余る問題であり、基本的には国レベルの課題として対応されねばならないのはもちろんでありますが、ただ手をこまねいているわけにはいかないのであります。過日、国は労働力確保対策推進要綱を策定し、通産省、労働省と共同して中小企業の人材、労働力不足の問題解決に取り組むものとしております。そこでまず、この間題への本市の基本的対応の考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次にUターン、Jターンの促進についてであります。

 ある学者によると、労働力不足問題の根本的解決策は、出生率を高める以外ないとまでいっておりますが、とりあえず地道な努力を1歩1歩積み重ねてまいることが肝要かと思われます。つい先日の新聞報道によりますと、県雇用開発協会甲府支部は、キャラバン隊を編成し、長野県へ若年労働者の確保に向け、キャンペーンを行うそうであります。そこで本市としてはUターン、Jターンを促すための具体的努力策として、郷土出身者をデータベース化し、ふるさと指向を助長するような試みを提案したいわけであります。甲府市の現状、将来的ポテンシャル、企業情報などを定期的に刊行物として送付したり、帰郷の時期を見計らってシンポジウムの開催、さらには住宅あっせん相談所の開設など、ともかく何らかの地道な施策を展開することが必要かと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 もう1つ、婦人の就労対策について触れておきます。高齢化の進展に伴う総体的労働人口の減衰と申しましても、婦人の潜在的労働力は確固として存在するものであります。これを引き出し活用することは、単に労働力確保のためだけでなく、婦人の社会参加を促し、経済的自立、地位向上を促すことにも通ずると思うのでありますが、それには就労環境の整備が重要な課題となってまいります。具体的には、保育、教育環境の整備、また職場にあっては、勤務時間の弾力的就労の運用促進、公的機関としては婦人の技能再教育のための婦人教育会館の設置などが考えられるところでありますが、この婦人就労対策に関して当局はどのようなお考えをお持ちであるか、御意見を賜りたいと思います。

 さて、第2の質問としては、地場産業の振興についてであります。本市地場産業はその歴史の古さ、また製造業としてあらゆる業種にまたがっていることで著名であります。これらは地域の特性や歴史的背景をもとに生まれ、発展しながら、本市の経済社会の確立に大きく貢献してきたところであります。しかし、近来の経済のマクロ化、為替相場の事情、消費者志向の変化、さらには労働力不足等により、その経営は必ずしも順風ではなく、難渋を極めている業種も見受けられるところであります。

 そこで、私はこの地場産業の将来を憂い、特に来るべきリニアを見据えた地場産業の振興策の展開のため、幾つかの質問をいたしたいと思います。

 まず、地場製造産業を支えてまいった商業、とりわけ中央市街地商店街の活性化についてお尋ねします。

 1点目は、大型店舗法運用の対策であります。日米構造調整会議の結果、大店法の運用是正が強いられ、その影響は中小零細商店にとってまさに死活の問題が投げかけられたのであります。恐らく大店法出店ないし拡充をコントロールする要綱の見直しは、既に始まっていると思いますが、当局はこの中小零細商業の保護に、いかに対処しようとしておられるのか、まずお伺いしたい思います。

 2点目は、都市再開発の問題であります。中央4E地区の再開発は既に着手されておりますが、その他の商店の集積した市街地の再開発はどのような計画をお持ちでしょうか。

 次に、公営駐車場の設置であります。駐車場案内システムを本年度から稼働し、駐車場の活用はまずまずの評価を受けておると聞いておりますが、まだ絶対量は不足しているのが実態であります。第3次総合計画におきましても、第3セクターによる公的大駐車場の設置は定められておりますことから、いかが対応しようと考えておるのか、お伺いいたします。

 用地の確保といったまことに困難な問題があることは承知しておりますが、商工会議所、地元商店街との合意を得ながら、積極的な対応をお願いするものであります。

 次に、新都市拠点整備事業における商店街再構築の問題であります。かつてない規模の超大型プロジェクトであります甲府駅前再開発は、中心市街地にふさわしい都市環境をつくり出すことでありましょうが、地価の問題、またテクノポリスの母都市としての高次都市機能、情報発進機能等の整備面にシフトしがちになることを危倶するものであり、この駅中心地域の整備が中心部全体の活力を呼び起こすよう配慮すべきであると考えますが、当局の御計画はどのようになっておりますでしょうか、お尋ねします。

 商業の振興につきましては、既に指針の見通しが始まったようでありますが、何とぞ十分な御討議を期待するものであります。

 次に、製造業の振興についてお伺いいたします。先ほど申しましたように、本市の地場産業のすそ野は大変広く、宝飾産業を筆頭にワイン、家具、織物、ニット、印傳、機械、金属、食料品等、非常にバラエティーに富んだものであります。これらの産業の製造品は、甲府の名産、特産品として国内はもとより広く海外にも名を馳せておるところであります。

 しかしながら、情報化が進み、個性や独自性を保持することが困難になりつつある社会環境、消費者ニーズの多様化、技術の飛躍的発展、さらに労働力の問題等、その経営基盤は揺らぎつつあります。甲府商工会議所がファッション都市構想を打ち上げ、新たな道を模索し始めたのは、ゆえあることなのであります。

 そこで1点目として、このファッション構想についてお伺いします。川田町においてファッション団地建設の動きがあるようですが、当局は具体的にどのような支援を行っていくのか、まず伺います。また、ファッション都市構想の実行計画において、甲府市が何を担っていこうとされているのか、あわせてお尋ねいたします。

 2点目は、地場産業振興公社の設立であります。何といいましても、地場産業の経営は中小企業であり、技術水準を高め、設備投資能力を高めるにもおのずと限度がございます。したがって、公共部門と産業部門が協力し、また地元金融機関の賛同を得て、第3セクター方式による公社を設立し、地場産業の経済活動を支援していくことが必要と考えるのでありますが、さらにこの公社が拠点となり、ファッション都市構想の推進母体とたっていくのも1つの考えではないでしょうか。御見解を求めたいと存じたいと思います。

 3点目は、甲府のブドウについてであります。地場産業の中で忘れがちなのが第1次産品としてのブドウでありますが、昨年のデータによりますと里垣・甲運地区を中心に栽培されているブドウは、日本の国中において冠たるブドウ産地として名高い勝沼町に比べ、作付面積が73%、収穫量、出荷量が60数パーセントとなっております。ぜひともこのブドウも甲府の名産品として広くアピールしていくべきであると思います。農政サイドの営農の観点から、また観光面、商業面からをもあわせた当局の御所見を伺いたいと思います。

 それにしましても、私は庁内組織体制の改革の必要性を痛感するものであります。商工労働部的機構の設置であります。この問題につきましては、過去も何度か先輩議員から意見が寄せられたところでありますが、まだ実現しておりません。原市長は所信表明の中で時代の推移に対応した市政のダイナミズムを強調しておられますが、ぜひとも商工業の振興、発展に向けての行政機能の充実策として経済部の再編成をお願いする次第であります。このことにより、1次産業対応セクションと2次、3次産業の行政組織が分離し、競い合い、人材が切瑳琢磨することになり、全体として行政執行能力を高めることになると思うのでありますが、この項の最後としてこの組織改革について御所見を賜りたいと存じます。

 第3といたしまして、リニア中央エクスプレスについてお尋ねいたします。

 いよいよリニアは甲府市にとって現実のものとなりつつあります。しかも時折報道され、伝えられます運輸省サイドのコメントは、実用化に向けてより、早期建設着工をうかがわせるものがあります。このリニアは4全総の多極分散型国土形成の切り札として登場したものであり、その中で地方中核都市として位置づけられている甲府市にとっては、まことにはかり知れない影響をもたらすものといえます。巷間さまざまな意見が出ておりますが、経済的地盤の沈下を促すストロー現象を心配している向きがあります。しかし、昭和57年中央道の全面開通時を境に、山梨県の工業製造品出荷数の伸びが全国1の水準を維持していることを考えますとき、首都圏へストローされると考えるのは、まず常識的でないと思うのであります。今はまさに21世紀の全面開通を見据えた都市基盤づくりを確実にしておくべき時であることを認識した上で、数点お伺い申し上げます。

 1点目は、甲府市南部への停車駅設置の見通しであります。恐らくそう決定した場合、甲府の都市計画は全面的な見直しを迫られるでありましょうし、第3次総合計画も甲府市の最上位計画として抜本的な改定を余儀なくされることでありましょう。その意味でも、1年でも早い設置の決定が望まれるわけでありまして、決定までのタイムスケジュール、また設置促進に向けての働きかけのお考えをお尋ねしたいと存じます。

 2点目は、周辺町村との協調体制の充実であります。甲府市と5町との広域行政事務組合も発足してはや18年を迎えたところであります。事務の共同処理方式としての組合は、日常生活圏の拡大に伴う広域的な市町村行政の展開の必要性から設置されたものであり、一定の役割を果たしてまいったところであります。しかしながら、発足当時の状況と、現代の環境を見比べてみますと、特に5町の豹変ぶりには目を見張るものがあり、甲府市との社会的、経済的結びつきはより一体的となり、1市5町の関係はとうに新しい段階に入っているのであります。現在も協議会が設置され、また組合事務局も独立し、それなりの協調体制も整ってきてはおりますが、私はさらに1歩進んだ対応、また常設的な仕組みを積極的に考えていくべきだと思うのであります。さらにごみ処理場建設における石和町との関係、また引き続く埋め立て処分場建設を考え合わせますと、中道町、境川村、豊富村との連携も欠かせない時期に来ており、リニアはまさに甲府市の広域的行政推進のイニシアチブをとろうとしているのであります。これに対し御所見を賜りたいと存じます。

 さて、次の問題は土地利用対策についてであります。先日発表された国土庁の地価調査報告によりますと、平成2年度山梨県全体の平均上昇率は何と30%を超えたということで、中でもリニア実験線の起点となる境川村周辺の加熱ぶりはすさまじく、甲府市においても45%に近い高騰であったとされています。あの第1次オイルショック時の日本列島改造論の風靡により引き起こされた地価高騰のころを除けば、過去に例を見ない地価の上昇であります。このような状況下における本市の土地政策は、まさにいばらの道を歩んでいかねばならないといえるのではないでしょうか。

 しかし、自治体が業務を行っていく上では、常に土地の問題にかかわらなければいけない宿命を負っております。土地に蓄積された矛盾は極めて大きく、国においても土地臨調により審議されておりますが、自治体としてもこの土地問題に真剣に取り組み、何とかそのあるべき役割を果たし、市民生活を守り、より豊かにして行かねばなりません。

 そこで、私は幾つかの点について御提案申し上げ、当局の見解をお伺いします。

 まず、第1点は、国土利用計画、甲府市計画の実際的運用の問題であります。甲府市計画では、昭和60年から平成12年までの工業用地を除く宅地の増加を約630ヘクタール、伸び率にしておよそ35%としております。一方人口は、総合計画の人口推計にのっとった22万8千人を平成12年の目標人口としております。その人口の5ブロックごとの伸び率は、中央部0%、東部16.1%、西部8.6%、南部はリニア絡みのポテンシャルを加味して22.2%、北部は11.3%となっております。

 まず、私はここに2つの矛盾を指摘しておきたいわけであります。1つは宅地化の伸びと人口の伸びが余りにもかけ離れていること。市街化区域の基準となる人口クレームからいって、計画期間中の人口の伸びは、市街化区域の拡大基調を助長するとはいえず、したがって宅地の増加分は大部分市街化区域内の残存農地開発によるものと推測されるとすると、残存農地の分布からいって5ブロックそれぞれの人口の伸びは、理に合わないことになる。これが2つ目の矛盾であります。殊さら、この点を指弾するというものではありませんし、土地利用計画策定の困難さはよく理解できるものであり、さまざまな現実の問題との妥協をも、計画の中に織り込んでまいらねばならないといった苦衷もあろうと思うのであります。しかしながらどうしてこういった矛盾が露呈されるかと申しますと、第1番目の質問でも申し述べたように、人口推計が現状にそぐわなくなっているからだと申し上げざるを得ません。

 そこで、この甲府市計画を構想ととらえ、この計画を実際的に運用していく上の指針とすべき具体計画ともいうべき実施計画、ないし要領といったものの樹立をお願いしたいわけであります。当局の御所見を賜りたいと思います。

 2点目は残存農地の開発であります。残存農地16ヵ所の面的開発を誘導すべく今年度当初予算に320万円が計上されました。この残存農地の開発につきましては、当局は、甲府市一地権者構想をお考えになられ、先ほどの土地利用甲府市計画の趣意に沿った積極的な対応を述べておられましたが、現在の取り組み状況について、まずお尋ねいたします。

 昭和62年の線引き見直し時のあの混乱はまだ記憶に新しいところでありますが、次の見直しは再来年に迫っております。逆線となった大里地区の事情を聞きますと、いまだ準備組合も設立できないまま、既に3年になろうとしているそうであります。駆け込み開発が最大のネックとなっている由でありますが、むろん区画整理への一般地権者の合意を得ることの困難さが、根底にはありましょう。現在点在する6百ヘクタールに及ぶ残存農地がこの前例の轍を踏むことになったら、まことに大変なことであります。そこで、私は現実的対応策として線的整備に開発の手法を変えたらどうかと、御提案申し上げたいのでありますが、いかがでしょうか。

 3点目に街路事業の促進であります。甲府市行政区域内の都市計画街路の未整備延長は4万5千メートル程度あります。第3次総合計画期間中の整備延長が約2万メートル程度でありますから、この未整備分の完遂にはおよそ30年以上の年月を要する勘定になります。まことに気の遠くなるお話である気がいたします。迫りくるリニアとのアクセス、またこの基幹道路が産業振興、流通、都市利便性などを向上させる極めて大きな貢献度を考えますとき、私は少なくとも20年程度には短縮するようであってほしいと思うのであります。このことにより、土地利用の高度化が図られ、単独費を投入いたしましても、十分財政的メリットは担保されるものと考えます。また、まちの活性化は産業を起こすことを第1義とするものであり、これを可能にする第1の手段は道路の整備であります。お考えをお聞きいたしたいと思います。

 4点目は土地開発公社の運営についてであります。一昨年の組織改革により、新たに用地室を誕生させた意図の1つに、土地開発公社の積極的運営の促進があったと思います。しかしながら、十分にこの意図が生かされていないと見受けられます。昨今の土地事情からして、困難なことは理解できますが、何か工夫を凝らした運営ができないでありましょうか。

 5点目は残存農地の開発に関連して、愛宕山東斜面の開発についてお尋ねします。

 民間デベロッパーによる11ヘクタールの開発事業協議書が市に提出されたようですが、60ヘクタールを超える次期線引き見通し予定地域であることを考えますと、トータルな開発ビジョンを描いた上での審査でなければならないと思いますが、いかがでしょうか。また、排水処理の問題があります。新聞でも報じられておりますが、富士川への流出能力を十分念頭に置いての対応が必要であると考えます。この点も基本的考えをお伺いします。

 6点目に、酒折駅周辺の開発についてお聞きいたします。この酒折駅周辺も南北を遮へいする型となっているJR中央線より、一体的なまちづくりがそごを来しております。東部里垣地区の発展のためには、ぜひとも旧国鉄清算事業団用地の活用を含んだ再開発が必要なのであります。この点についても当局の前向きな御答弁をお願いしたいと思います。

 さらに、もう1点。北部山岳地域の振興策と水道水源保護との関係についてお伺いいたします。本市北部山岳地域は、昭和29年に本市と合併した旧宮本・能泉・千代田の3カ村であり、合併時600世帯、3千人の人口が、現在は490世帯、1,360人に減少し、さらに宮本・能泉地区の減少が激しく、平均年齢は60歳を超えており、その将来を憂えるものであります。また、これらの地域の住民は、本市の水源地域の森林を維持管理しており、重要な役割を果たしている地域でもあります。このような点を考慮して、本市第3次総合計画の重要課題の1つに北部山岳地域の振興を挙げ、経済部に北部振興対策室を設置し、山梨ハーベストリゾート構想に乗って、各種のリゾート施設等の総合的な整備を行い、北部山岳地域の振興を積極的に推進しようとしていることに賛意を示すものであります。

 一方北部山岳地域は、本市の重要な水道水源地域でもあることから、水道局では水道水源保護問題懇話会を設置し、2カ年にわたる調査研究を重ね、去る2月、市長に水道水源保護問題についての提言書を提出したところであります。この提言書は、多くの市民と水道水源保護に関心を持っている市町村から高い評価を得ていると聞いております。

 そこで市長にお伺いいたしますが、北部山岳地域の振興のためのリゾート施設整備と水道水源保護との調和をどのように図っていくのか、基本的な考えと今後の対応策をお示しください。

 次に、財政運営についてであります。過日、国の来年度予算編成方針が示された中で、大蔵省の義務教育学校事務職員、栄養職員の人件費の全額自治体への肩がわりの考えが大きく報じられました。昭和60年度からの国庫補助率の削減といい、税制改革による地方への影響といい、地方財政は国の財政事情の厳しさを反映し、国の関与、規制と相まって依然としてゆゆしい環境の中にあります。こうした中で、本市がまずまず健全財政を維持しながら第3次総合計画の完遂に努めておることに敬意を表するものでございます。しかしながら、今年度は市税の伸びも多くは望めない状況下にあり、さらには戦後2番目の好景気にも影が差しつつある今日、メジロ押しの大型プロジェクトの推進のためには並み並みならぬ困難な財政運営を強いられると思われます。

 そこで私は私なりの考えを交えながら、当局の御所見を求めたいと思います。

 まず、地方交付金でありますが、本年は再び交付団体となるようでありますが、その見通しをお聞かせいただきたいと思います。

 2点目として、公債費比率の問題であります。最近の国の財政戦略は地方の財源調達が公債費へ総体的に依存する方向へ傾斜するように見受けられるわけです。一般的には公債費比率は10%未満が適当であるとされているようでありますが、この公債費が長期間にわたっての財源調整機能を持っていることを考えますと、この10%というガイドラインは一応の基準であり、都市の持つ成長力によって当然変わってくるものでありましょうが、私は15%程度が限度であろうと考えます。現在本市の数値は13.6%であるようですが、今後の推移の見通しについて、まずお聞かせ願いたいと存じます。

 さらに公債残高でありますが、この公債残高が大きいことは、一面的には財政運営としての積極性のあらわれでありましょうが、おのずと限度がありましょう。どの程度を危険ラインとお考えになっているのかもあわせてお聞かせ願いたいと思います。

 3点目は使用料・手数料であります。この費目は歳入全体に占める割合は低いわけですが、これを決定する意図の点において、非常に重要な行政の基本的考えが込められているものでありますから、あえてお聞きするものであります。昨年度は消費税絡みで論議されましたが、見直しの考えがあるかどうかをお尋ねしておきます。

 4点目は人件費であります。支出の中で財政構造上やはり重要なのが、人件費であります。人件費の総額に対しての比率は低い方がよいとされておりますが、民間委託でありますとか、年齢構成、地方の経済的特性などさまざまな要因が絡み合い、即断はできないと思います。しかし、投資的経費を圧迫する大きな要素となるこの人件費の動向には注意を払わなければなりません。今後の見通しをお伺いいたします。

 5点目は繰出金であります。例えば下水道会計への一般会計からの繰り出しは、雨水処理に要する経費、水洗便所にかかわる改造命令等に関する事務経費等の基準が設けられております。今年度5特別会計への繰出金総額は約47億円とかなりの額に上っておりますが、それぞれの会計においてこの基準は堅持されておりましょうか。また、来年度から予定されている下水道事業会計の公営企業化の実現により、繰出金の考え方に変化があるのかどうかもあわせてお尋ねしたいと思います。

 次に、日米構造調整会議の合意に基づく例の430兆円がもたらす本市公共事業への影響をお尋ねして、この財政運営問題の質問を閉じたいと思います。

 最後に、その他といたしまして商科専門学校についてお伺いいたします。現在我が国における高等教育の状況は、高校卒業者の増加と高学歴志向の高まりの中で、この春大学、短大の不合格者は、全国で43万8千人と史上最高でありました。また、新規高卒者176万7千人のうち専門学校への入学者は25万人で、昨年より2万2千人ふえて、その進学率は14.2%と過去最高であり、短大への進学率12.4%を大きく上回っております。このことは、大学や短大への入学が難しくなったこととともに、大衆化した大学教育とは別に、専門的知識や技能の習得を希望する学生がふえてきたこと、また急激に変化し、進展する社会経済情勢の中で、各企業がそうした人材、つまり少しでも早く職場の戦力となる実力を持った人材を求めようとしていることにもあると思うのであります。こうしたニーズにこたえられるのが、まさしく専門学校だと思います。

 このような背景の中、商業都市として発展してきた本市が、先端技術産業を中心とした工業団地の建設など新しい都市づくりを進める上で、国際化、情報化社会を設置することに関しては、関係の皆さんが大きな期待を寄せるものであり、市長の英断に対し深く敬意を表するものであります。平成元年度現在、全国2673校の専門学校があり、そのうち国公立は322校と少なく、さらに市立となると数校しかないと聞いております。こうしたことから、甲府市立の専門学校はこれらの地方における公立の高等教育機関のあり方を示唆するものとして、各方面から注目されるものと考えます。しかし、専門学校という全く新しい学校をつくるのでありますから、まず施設の建設、生徒募集、授業を受け持つ教師の確保をはじめ、教材等数多くの準備のための業務があろうかと思います。この6月議会でも専門学校の設置が議決され、来年4月の開校まで準備期間が非常に短い中で御努力されていると思いますが、現時点での事業の進行状況と平成3年4月の開校の見通しについてお尋ねいたします。

 以上をもちまして、私の一般質問を終了させていただきます。当局の明確1な御答弁をお願いいたします。

○副議長(宮島雅展君) 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 牛奥議員の御質問にお答えいたします。

 まず、ただいま私の次期市長選への出馬表明に対しまして、力強い御協賛を賜りまして深く感謝を申し上げますとともに、これからも温かい御協力をお願いする次第でございます。

 人口増加対策につきましてのお尋ねでございますが、第3次総合計画では、人口増加対策として定住化の促進を前提とした都市基盤の整備等によりまして、人口増を図ることを目指しておるわけでございますが、近時甲府市とその周辺におけるところの都市環境は、県外からの土地資金の流入、リニア中央新幹線実験線の路線決定に伴いまして、地価高騰が著しくなっております。公共用地の取得も困難となり、また求人難の加速化するなどの影響にさらされておるわけでございます。このために人口の流入、定住化のための施策をさらに充実することが必要と存じておるわけでございます。したがいまして、第3次総合計画を平成3年と平成7年にそれぞれ見直すことになっておりますので、経済社会環境の変化に対応した計画の改定と人口対策を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 次に、労働力の確保対策についてのお尋ねでございますが、我が国の経済動向は先行き不透明感はあるものの、現在好調な景気を持続する中で労働力不足は大きな社会問題となっているところでございます。労働力の需給状況を見ますと、7月末におけるところの有効求人倍率は全国で1.45倍に対しまして、我が甲府市におきましては2.99倍と、全国的にも高い現象にあるわけでございます。今後においてはさらに若年労働力が減少に転ずることが予測されております。中小企業には深刻な問題であると受けとめております。この対策といたしましては、企業みずからが経営基盤の強化と、労働条件及び福利厚生面での改善を図り、魅力ある企業づくりがまず必要であると考えておりますけれども、求人対策は、御指摘のとおり国レベルの問題でもございます。1自治体の対策では効果も少なく、国・県・市等関係団体が協調しての施策の推進が望まれます。本市といたしましても、労働力確保対策といたしまして、人材の養成、労働時間の短縮等、労働条件及び福利厚生面につきまして、県、職業安定所、甲府商工会議所等の関係機関との連携のもとに改善を促進をいたしまして、Uターン、Jターン等が実効が上げられるように対応をしておるところでございます。御指摘のような具体的施策を進めているところでございます。さらに本年度後期の事業として10月1日開所するパートバンクへの参画、事業主を含めたシンポジウムの開催を予定をしておるところでございます。

 なお、その他御提言をいただきましたことにつきましては、今後関係機関と十分協議連携をとりながら進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 婦人の就労対策についてのお尋ねでございますが、就労の場を通じまして、婦人の一層の地位向上を図っていくことは、本市の第3次総合計画の中でも明らかにされております。具体的には、市民意識の啓発、社会参加の促進、母性の尊重と生活安定等を柱にいたしまして、取り組んでいきたいと考えております。

 次に大店法の運用等にかかわるところの中小小売業の擁護等につきましてのお尋ねでございますが、日米構造協議の重要な柱でありますところの大規模小売店舗法の改正が、ことし5月30日から運用されましたが、この本市の小売業者に与えるところの影響は避け得ないものと深刻に憂慮いたしておるところでございます。また、大店法の運用改正に伴い、県内外の大型店の出店表明が相次いでおります。本市といたしましては、これまでも中心部商店街のアーケードつけかえ、モール化等商店街の近代化に努め、既にモール化は90%の完成を見ておるところでございます。そこで今後とも活力ある商店街づくりを進めるとともに、中小零細小売業者擁護のため金融対策面では大型店出店地域の商店及び大型店テナント入居者への設備資金等融資枠の拡大と融資対象の拡大を図ったところでございます。さらに今後商店街が大型店と共存し得る魅力ある商店街づくりのため再開発事業を行う場合等、現行の助成制度につきましても、実情に照らし充実するよう取り組むとともに、経営改善の指導等にも努力をしてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。

 次に、ファッション工業団地の建設計画等に対しましてのお尋ねでございますが、まず第1点目のファッション工業団地建設計画は、異業種15社が組合を設立をいたしまして、組合みずからが団地を建設しようとするものでございます。このような計画は、本市の地場産業の振興に大きく寄与するものであり、この建設が円滑に進行するための協力体制として庁内に調整会議を設置をいたしております。現在組合と連携を取りながら事前調整の指導を行っておりますが、今後は農地問題、道路問題や公害対策など開発にかかわる全般的な指導と支援を行ってまいる考え方でございます。

 次に、ファッション都市甲府構想に対する甲府市の役割についてでございますが、21世紀を展望した地方都市のあり方を求めて、ファッション都市・甲府構想が、甲府商工会議所基本計画策定委員会におきまして策定されたところでございます。この基本計画は、リニアエクスプレス、中部横断自動車道と本市を取り巻く環境変化に対応した、新しい都市のデザインを展望した内容になっておりまして、この計画への本市対応を求めておるわけでございます。

 そこで、本市といたしましては、今後予定をされておりますファッション都市・甲府構想推進委員会及び実施計画策定委員会での具体的な計画推進の中で、それぞれの機関が果たすべき役割分担が明確になってまいりました段階で、甲府市に課せられましたところの事業につきましては、第3次総合計画との整合性を図りながら積極的に対応してまいりたいと考えておるところでございます。御理解を賜りたいと思います。

 次に、リニア中央エクスプレスの停車駅の決定までのタイムスケジュール等につきましてのお尋ねでございますが、リニア中央新幹線は東海道新幹線の代替え輸送機関として建設されたものでございますが、お説のとおり多極分散型国土形成を促進をいたしますとともに、地方経済社会に及ぼすところの影響も大きなものがあると予測をされております。JR東海、鉄建公団、鉄道総建の事業主体は、営業線として活用を、21世紀初めごろにおきまして、平成2年から6年まで山梨実験線を建設をいたしまして、平成5年後半から9年の間に営業化への各種実験を行うことになっておるわけでございます。したがいまして、実験の推移によって営業線の建設や駅設置が日程に上るものと考えておりますので、1市5町によるところの広域的な取り組みといたしまして組織をしておりますところのリニア中央エクスプレス、甲府圏域建設促進協議会におきましては、去る7月25日、総会でも昨年に引き続きまして圏域内での停車駅設置を決議をいたしました。また、8月2日には県知事、県議会議長、県リニアモーターカー推進局へ陳情し、また同年の同月17日には県選出の国会議員にも要請を行ったところでございます。今後もあらゆる機会を通じまして設置運動を展開をしてまいるわけでございますが、ぜひ1つ積極的な御協力をお願いを申し上げるところでございます。

 次に、北部山岳地域の振興策と水道水源保護の関係につきましてのお尋ねでございますが、北部山岳地域の振興は市政の重要課題でございます。山梨ハーベストリゾート構想の中に位置づけまして、豊かた森林資源の中で家族連れあるいはグループで野外レクリエーション等保養のできる健康志向型のリゾート施設を、総合的に整備をいたしまして、地域住民の雇用等地域の活性化と振興を図ってまいる考えでございます。

 計画にあたりましては、自然環境の保全や防災対策には十分考慮しているところでございます。特に御指摘にありましたところの水道水源保護につきましては、水道水源保護問題懇話会の提言を尊重するとともに、水道水源保護指導要綱を守り、水道水源地域には水質汚染のない施設を整備することを基本といたしまして、森林の活用に関する調査や環境影響調査等を実施をいたします。その結果をもとに、さきに設置をいたしましたところの北部振興対策研究協議会において、整備地域、手法などについて調査研究をしていただき、その成果を参考とする中で、水源保護及び自然環境保全とが調和した施策の推進を図ってまいる考え方でございますので、御理解を賜りたいと思います。

 他の御質問につきましては、それぞれ担当部長からお答え申し上げます。

○企画部長(澤田良太郎君) 企画部関係の御質問についてお答えをいたします。

 第1点目は、本市の組織中経済部において所掌しておる第1次産業対応の組織と第2次、第3次産業の対応の組織を分離して、特に商工業の振興発展に向けて商工労働部的組織をつくったらどうかとのお尋ねでございますけれども、本市産業の活性化と振興策は行政施策の重要課題でございます。本市の調和ある発展を期するためには、商工業の発展とあわせまして、地域の63%を占めております北部山岳地域の振興、農業地域の活性化策も進めていかなければならないものでありまして、現況は商、工、観光事業、山梨ハーベストリゾート構想におけるところの本市の北部山岳地域の振興計画、及び農村振興総合土地利用計画等を柱に、組織は経済部所管となっております。これは産業発展の整合性を図る上から妥当な組織であると存じますが、各種事業の推移、さらには社会、経済環境の変容の状況、南部工業団地建設事業の終息後の企業立地、雇用対策、中小商工業の振興対策のあり方などを含め、その方向づけを引き続き検討していきたいと考えておるところでございます。

 次に、リニアを核とした東南部町村との広域的行政の推進についての御質問でございますけれども、広域的行政の推進は、新行革審で取り上げられるまでもなく、現実の問題といたしまして御指摘にもございましたような状況でございます。したがいまして、これまでのような法の規制を受ける広域行政、すなわち一部事務組合、協議会、事務委託などのほかに、さらに柔軟にダイナミックに対応できる組織の必要性を感じておるところでございまして、関係自治体の首長による定期の懇談会、職員による当面する課題や将来を先取りする課題等にかかわる事務研究会などについて、その設置を働きかけてまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、財政関係6点についてお答えを申し上げます。地方交付税の今後の見通しでございますけれども、御案内のとおり地方団体の一定の行政水準を確保するために、財源調整制度として交付されますのが地方交付税でございまして、平成元年度におきましては、国の税制改革による消費税の導入とあわせまして、その一部財源が交付税総額に算定される等、幾つかの算定基礎の改定が行われました。

 この結果、本市におきましても昭和63年度は不交付でありましたけれども、平成元年度におきましては最終的に1億3,713万余が交付されることになりました。また平成2年度におきましても、8月算定段階におきまして基準財政需要額は単位費用の改定、事業費補正、さらには財源対策費償還基金等の増額算定によりまして、対前年度比9.4%の増でございまして、これにかかわる基準財政収入額は、個人市民税所得割、法人市民税等の伸びの低下によりまして、対前年比4.6%の増を示しておりますから、この相関関係からいたしまして、4億5,600万余が交付される見通しでございます。今後の見通しにつきましても、現況の基準財政収入額の市税収入等の伸び率をもって推定をいたしますと、当分の間は交付団体となる見通しではなかろうかと、こんなふうに推測をしておる現況でございます。

 次に、公債費比率の考え方と市債残高についての御質問でございますけれども、地方公共団体がその創意と責任において、住民福祉の向上を図り、自主的に事業を推進するためには、十分な財源が必要であります。特に将来展望に立って公共性、公益性の見地から推進する大型事業につきましては、長期借入金としての市債を財源といたしまして、一定の展望を持った長期間の財源調整もあわせまして、財政運営を行っていかなければなりません。しかしながら公債費の増高は、将来の財政運営にとりまして硬直化を招く懸念がございます。したがいまして、毎年度発行する市債につきましては、長期財政計画に基づきまして、財政構造の健全性の面から一定期間を見通す中で年度間調整を行いながら、予算規模の10%前後を市債枠の目安としておるところでございます。今後の事業推進にあたりましては、将来にわたっての財源の確保に努め、適債事業の選択等節度ある財政運営に努めてまいる考えでございます。

 それから公債費比率のパーセントの御評価の点でございますけれども、一般的にいう行政指導の中におきましては、公債費比率が20%を超過した場合に単独事業等起債の制限がございますけれども、本市の場合13%から14%でございますから、市債残高とあわせましても現況の公債費の運用につきましては、適正な状況ではないだろうかと考えております。

 次に使用料・手数料の見直しについての御質問でございますけれども、御案内のとおり使用料・手数料につきましては、特定の受益を受けるものが、その事業に要する経費の全部または一部を応益的に負担をしていただくものでございますから、予算編成時におきましては、その算定の根拠の見直しを行っております。本市の使用料等の改定は、従来3年ごとに改定を目安としておりまして、昭和63年度に一部改定を行わさせていただきました。平成3年度は改定の時期にあたりますので、総合的な見直しを行いまして、市民負担の公平と受益者負担の見地から検討をしてまいりたいと考えております。

 次に、財政構造面から見た人件費の見通しでございますけれども、御案内のとおり人件費を含む義務的経費は極めて硬直性の強い経費でありまして、極力圧縮していかなければならないと考えております。平成2年度予算では、予算総額に占める人件費割合は19.2%でございまして、類似都市の状況を見ましても適正な構成比でありますけれども、今後2、3年間は職員の退職者数の増加、及び人事院勧告等による人件費増が想定されるところでございまして、現在進めております中期定数計画の策定による職員定数の適正化、事務事業の推進の中での効率的な体制の確立を図りまして、人件費の増高を来さないよう努めてまいる考えでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、特別会計への繰出金の問題についての御質問でございますけれども、特別会計はそれぞれの設置目的に従いまして、特定の収入を財源といたしまして、経理するのが原則でございます。その性質上、経営の収入をもって充てることが適当でない経費や、能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみでは賄うことが困難な経費等、いわば公的負担部分につきましては、一般会計から繰り出しを行っている現況でございます。特に地方公営企業法が適用される事業の特別会計に対する繰り出しにつきましては、独立採算の原則が基本でありますので、御質問にもございました下水道会計につきましては、企業会計への移行にあわせまして、長期財政計画の見直し、公費負担と受益者負担区分の明確化等について十分検討をいたしまして、その適正な運用に努めてま、いる考えでございます。

 最後に、日米構造協議による公共投資基本計画の本市への影響についての御質問でございますが、公共投資総額430兆円の10ヵ年計画が明らかにされました。この内容を点検をしてまいりますと、生活環境、文化機能関連投資への割合を60%に高めることとしております。御案内のとおり、その整備目標といたしましては、西暦2000年には下水道の普及率を70%程度、現行40%でございます。都市公園1人当たりの面積を10平米程度、現行5.4平米でありました。住宅1戸当たりの床面積百平米程度、現行89.3平米等に高めることとしております。これを実現するには、現行の投資水準を平均で毎年6.3%ずつ伸ばすことが必要になります。本市への影響につきましては、具体的な事業項目等の配分が現時点では明らかにされておりませんので、その予測は非常に困難でありますけれども、今後の課題といたしまして、社会資本整備を円滑に進めるための計画的な土地利用の促進、地価の安定、さらには財源等の問題があります。今後事業の推進にあたりましては、第3次総合計画との整合を含め、本市の地域事情に応じた必要な施策を総合的に推進する体制の確立を図ってまいる考えでございます。

 以上でございます。

○市民部長(小林正司君) 高齢者の雇用対策についての御質問にお答えいたします。

 高齢者の雇用対策につきましては、職業あっせんと職業相談の窓口といたしまして、高齢者職業相談室を設置いたしまして、一定の成果を上げているところでございます。高齢者の持つ経験と能力を有効的に発揮していただき、健康や生きがい、さらには生活の安定を図るためにシルバー人材センターを設置して、その活用を図ってきているところでございます。今後もこれらの事業を積極的に推進してまいる考えであります。

 以上でございます。

○福祉部長(鈴木 勗君) 高齢者の生きがい対策及び地域福祉のあり方についてお答えを申し上げます。

 人生80年の時代を迎え、長い老後をどのように過ごしていくかは、お説のとおり重要な課題として認識をいたしております。本市では、生きがい対策として高齢者の教養の向上、レクリエーションの場としての老人憩いの家、福祉センターの設備の充実、健全な余暇活動を助長するための老人農園の設置、老人クラブ活動助成、子供との文化交流など各種事業を推進しております。今後もこれらの事業を推進するとともに、老人の社会参加を促進し、住みなれた地域で安心して生活できる生きがい対策を進めてまいります。

 次に、地域福祉のあり方といたしましては、地域福祉は地域住民との触れ合いの中で、地域ぐるみの推進体制を構築する必要があると考えております。この推進母体といたしましては、さきの国会で改正されました社会福祉関係法の精神を尊重する中で、社会福祉協議会の組織の一層の充実強化を図ってまいりますので御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○経済部長(小池文男君) 経済部関係の3点につきまして、お答えを申し上げます。

 まず、公営駐車場の建設計画でございますけれども、現在本市におきましても人口のドーナツ化現象が進んでおりまして、中心商店街の地盤沈下が懸念をされております。また、モータリゼーションの進展とともに、自家用車抜きではいろいろのことが考えられない、というふうな時代となっております。このような状況になりまして、各種の調査でも大型駐車場の建設を要望するというふうな声が非常に高くなっております。本市といたしましても、中央商店街の活性化と駐車場案内システムを今後いかに円滑に運営するか、そういう受け皿といたしまして、大型駐車場を第3次総合計画の中で何とか建設をしようという構想を持っております。この構想は商店街を中心にいたしまして、本市も出資をいたしまして、駐車場組合の協力を得る中で、第3セクターというふうな方法で考えております。現在この構想を実現をさせるために関係者と協議を進めておりますけれども、これらの状況を見極めまして、今後中心商店街の活性化、また魅力ある商店街づくりを推進する上で、非常に重要な柱でございます公営駐車場の建設計画につきまして、関係者とも連携を取りながら推進をするよう努めてまいる所存でございます。

 次に、地場産業振興公社の設立についてでございますけれども、本市の工業は一部大型企業を除きまして、宝飾、ニット、家具等の地場産業中心でございまして、中小企業を主体とした企業形態でございます。したがいまして、経営基盤も業種によりまして格差があると考えております。御指摘のとおり企業基盤の改善強化策が求められているところでございますけれども、これら企業基盤の強化対策につきましては、既存機関でございます山梨県中小企業公社、及び財団法人でございます山梨21世紀産業開発機構の、積極的な支援と活用を行っているところでございまして、御指摘の第3セクター方式による公社設立につきましては、御提言を十分参考にさせていただきまして、今後検討をさせていただきたいと存じます。

 それから地場産品でございますブドウの販路拡大対策でございますけれども、果樹、野菜等、農産物の流通につきましては、交通輸送手段の発達によりまして、全国的に首都圏をはじめといたします大都市市場への集中傾向が一層高まっております。これらを踏まえる中で、本市におきましても農協1元化による集出荷体制を強化、促進をいたしました。産地としてこの銘柄や品質の保持に努めてまいったところでございます。今後におきましてもこの本市の主産物でございますブドウの販路拡大につきまして、消費者の嗜好をいち早く先取りするというふうな品種の選定と栽培指導を強力に進めるとともに、各農協を通じまして、全国市場の市況、情報や品質評価について迅速かつ的確な把握を行うとともに、これらの情報を基盤といたしまして、より産地化の定着に努め、厳しい産地間競争に打ち勝ち、販路拡大に努めてまいりたいと思います。

 なお、観光面及び商業面での施策につきましては、毎年実施をしております甲府市の観光と物産展のこの事業の中へブドウ部門も参加をいたしまして、甲府のブドウを積極的にPRするというふうな、こういう計画で関係団体等にもお話を持ち込みまして、今後連絡を密にいたしまして、協力を得られますよう努めてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。

 以上です。

○都市開発部長(風間嘉吉君) 都市開発部関係の7点についてお答えをいたします。

 まず、市街地の再開発についてどのような計画を持っているか、というお尋ねでございますけれども、土地の有効的高度利用と商業機能の近代化、都市の活性化を図る手段として、中心市街地について再開発事業の啓蒙と指導助成を進めてまいりました。現在基本計画が立案され、検討が進められている地区は、岡島デパート周辺の丸中地区、甲府駅周辺地区、寿宝区画整理地区でございます。平成2年に入りまして、日米構造協議による大規模小売店舗法の運用見直しと、法改正による規則緩和により、商店街を核とした総合的なまちづくりを進める必要が生じたとともに、これらの情勢変化を受けて、新しい再開発の動きも芽生えてきております。このことから、今後におきましては、市街地の再開発方針を見直して積極的な対応を図ってまいる所存でございます。

 次に、新都市拠点整備事業における商店街再構築の問題についてでございますが、甲府市商業振興計画では、中心商店街と甲府駅周辺に構築される商業核との関連、位置づけについて、それぞれ特色のある核づくりとその共存共栄についての施策を考えております。新都市拠点整備事業が遊休空閑地を活用して、高次都市機能の集積と商業核を形成する事業である以上、甲府市の商業活力が協調できる整備を関係部局とも協議を進めながら、新しいまちづくりのための事業推進を図ってまいりたいと考えております。

 次に、国土利用計画に対する実施計画の策定についてでございますが、国土利用計画甲府市計画は、将来的長期的な甲府市における、土地利用に関する行政の指針でございます。したがって、計画値との乖離はございますが、計画値に近づけるよう諸施策の中で努力をしているところでございます。具体的な土地利用計画は、第3次総合計画の展開の中で個別法の運用によってその実効性を図ってまいりますが、好ましい土地利用を進めていくためには、目標年次における想定土地利用計画も必要でございますので、このことにつきましては、別途関係部との調整を得て、その指針を明らかにしたいと考えております。

 また、残存農地開発促進費及び開発促進策につきましては、原則といたしまして、区画整理事業による秩序あるまちづくりを指導しておりますが、現状の社会情勢の中では大変難しい情況にあるため、ケース・バイ・ケースで柔軟に対応していくことが必要になってまいりました。このため残存農地開発推進費の活用を図りながら、地域住民に研究会等の機会を持っていただき、公共先行の道路整備、公共参加の区画整理事業、公共フォローの基盤づくりなどを検討し、合意形成を図ってまいりたいと考えております。このことにつきましては、他部局との事業調整や財源確保の問題がありますので、土地利用進行の実態、周辺の状況、住民意向等を調査しながら、住民の御理解、御協力をいただける事業手法を考えてまいりたいと思います。

 次に、都市計画街路の整備促進については、現在5路線、7区間、3,420メートルの都市計画街路の整備事業を実施中であり、さらに山梨県においても県事業として4路線を事業化して整備を促進しております。目下事業の計画年次内の完成を目指し、最善の努力をしているところであります。今後の整備促進につきましては、計画的かつ有効的に順次整備いたしますが、財政的負担等の相関を見ながら重要かつ効果性を基本とした選択を見極め、整備促進に努めてまいりたいと考えております。

 愛宕山東側斜面の民間開発につきましては、残存農地解消の一環として、民間による宅地開発として11.26ヘクタールの宅地造成計画の事前協議書が市に提出されました。これを受け、慎重な取り扱いが必要であることは十分理解しておりますので、これを機会に全庁的な協議を重ね、開発にかかわる指針としての要綱を定めてまいりたいと存じております。

 最後に酒折駅周辺の整備計画につきましては、酒折駅周辺の南北を1帯とした開発整備については、御指摘のようにJR中央線が大きな障害になっております。したがって、都市計画街路として計画決定をされております和戸町山宮島上条線と桜井町敷島線、通称北バイパスを結合する道路計画が必要であると考えておりますが、その方途につきましては、関係機関と検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○用地室長(古屋賀清君) 土地開発公社についての質問にお答えいたします。

 御指摘をいただきましたように、昨今の用地をめぐる状況は、先般発表されました都道府県地価調査を見ても、住宅地において本県では平成元年度に14.2%、平成2年度には44.3%と、リニア新実験線への期待感や、県外資本等による用地需要の増加などの要因により、急激に上昇しております。また、公共用地取得に際しましては、代替地希望者も増加し、用地買収をさらに困難なものとしております。このような状況下ではございますが、公社機能と行政機能をより一体化した中でなお一層努力いたしてまいりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。

○教育長(浅川紫朗君) 高齢者の学校教育への起用についてのお尋ねでございますが、学校におけます教育活動が円滑にまた効果的に実施されるためには、学校、家庭、地域社会との連携を密にしていくことが大切でございまして、その意味におきまして御協力をいただくことは、極めて大切だと考えております。お説のとおり高齢者の貴重な体験並びに技能を学校教育に生かしていただくことも、その意味で大変望ましいことだと考えております。御質問の趣旨を踏まえまして今後適切な対応を研究してまいりたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 なお、他の御質問につきましては、関係部長の方からお答え申し上げます。

○教育委員会管理部長(平嶋 泰君) 商科専門学校の進捗状況の御質問にお答え申し上げます。

 専門学校の設置事業につきましては、6月議会におきまして設置管理条例等の御議決をいただきまして以来、来年4月の開校に向けての諸準備に精力的に取り組んでまいっているところであります。

 主な事項について現状申し上げますと、学生募集につきましては、学校紹介、生徒募集要項、これらを作成しまして、県内の公立高校を中心に学校訪問を行い、専門学校の説明と生徒への応募の指導を依頼いたしました。現在推薦入学、一般入試のための具体的な準備を進めておるところでございます。

 教員につきましては、予定しております初年度の専任教員は確保できる見通しでありまして、引き続きまして採用のための手続と必要といたします非常勤講師との折衝を進めているところでございます。

 教育内容等につきましては、教育課程検討委員会を設置をいたしまして、より具体的な授業教科内容、教科書等教材について現在検討を進めておる段階でございます。

 校舎の建設につきましては、御承知のように7月に着工いたしまして、来年2月中の完成を目途に工事は予定どおり進行をしてまいっております。いずれにいたしましても、来年4月の開校まで御指摘のとおり時間的に非常に厳しい状況であります。また限られた職員体制下ではございますが、さらに一層開校に向けての努力を重ねてまいりますので、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。

                (牛奥公貴君「了解」と呼ぶ)

○副議長(宮島雅展君) 関連質問の通告がありますので、発言を許します。

 三井五郎君。

○三井五郎君 会派の持ち時間が大体4時20分ごろでございますから、簡略に2点に絞って質問をさせていただきたいと思います。

 2点の質問に入る前に、市長は本議会に次期市長選挙についての所信を表明されました。これについて、私の意見を述べておきたいと思います。

 この所信は、3選出馬を明確にしたものでございまして、この表明に対して賛意を表する同僚議員もございますが、私はこの所信には賛成することができません。なぜかといいますと、市長はその所信の中で、次のように言っております。「変容目まぐるしい社会経済情勢の中での高齢化・国際化・都市化の進展、成長著しい技術革新と情報化社会の到来とこれらに伴う行政需要の一層の複雑・多様化に備えるため、より豊かな政策ビジョンと実行力が要求されているのが今日であると痛感しております。」このように述べているわけでございまして、この部分については、全くそのとおりであると思います。だからこそ、私は21世紀を目指す甲府市の将来のためには、この辺で世代交代が必要ではないかと思っております。市長は来年度選挙をおやりになるときは多分75歳ぐらいにおなりになるでしょう。3期を終了する時点では79、約80に近い年齢でございます。

 今我が国のあらゆる分野において、急速に世代の交代が進行していることを考えた場合、市長がもし本当に甲府市を愛しているのであるならば、ここで市長が所信の中でも述べておりますように、「時代の推移に敏感に対応できるダイナミックな市政を樹立していくことが何よりも肝要であると存ずる次第です。」と述べておりますけれども、このために市長みずからが甲府市の将来を考えて積極的に世代交代を果たす役割を、私は果たすべきではなかったかと思っております。できるならば、昭和生まれの新進気鋭の市長が今求められているのではないかと、私は信じております。

 この問題はここで論議する性質のものではございません。ですから、論議するつもりはございませんけれども、市長の所信に賛成する議員もあり、市民の方々もあるでしょうけれども、今の時代の移り変わりを考えて、甲府市の将来のために世代交代を望む市民の数も決して少なくはなく、またそれを望んでいる議員もいるということを、市長はよく心にとめておいていただきたい。

 以上、市長の次期市長選挙についての所信について、私の意見を述べた上で時間の制約もございますので、2点ほど質問をいたしたいと思います。

 1つは、定数条例でございます。

 長期総合計画というのは、本市の頭脳と胴体にあたります。土地の利用計画と定数計画がその手足になるわけでありますから、今回の定数条例の改正案を上程することによって、一応形の上では5体満足という形にはなったわけであります。この条例案の内容については、それぞれの常任委員会が、それぞれの業務や施設の管理計画の論議を経た上で、最終的には総務委員会で結論をつけられることになることは、当然のことであります。

 そこで第1にお聞きをしたいのは、総合計画にしても、土地利用計画にしても膨大な情報と資料を整え、これを分析した上で一定の中期的な計画案を持ち、これを議会に提示をしたわけです。ところが、今回のこの条例を見ますと、全くその努力は皆無にひとしい。もちろん当局は持っていないわけではないと思います。今後5カ年間の少なくとも定数管理計画を持たないで条例を提出する、というようなことはあり得ないことでありますから、その素案はあるわけであります。もしこの素案なしにそういう現在の定数を決める、その基礎になる情報や数値がきちっとしていないで条例の改正案を検討することは、全く不可能なわけでありまして、当局がその点詳細に情報や資料を提供して、議会の審議の結果に任せるという姿勢がなければ、この条例案の審議は不可能であります。

 そこで、当局にお聞きいたしたいのは、もちろん先ほどもちょっと企画部長が触れました。定数管理計画があることに触れました。この定数管理計画、定数を決めるにあたっての情報と資料を議会に提示をする意思がおありになるかどうかということを、まず最初に聞いておきたいと思います。

 それと同時に、当然これは総務だけで論議することじゃなくて、それぞれの常任委員会が、それぞれ所管する部門の施策の執行、諸施設の管理、組織の管理についての裏づけがなければなりません。先ほど申し上げましたが、定数管理計画の資料を提出されると同時に、各常任委員会にそれぞれ所管をする部局の施策の執行、施設の管理計画をあわせて提示する用意があるかどうかをお聞きしておきたいと思います。

 第2の点は、現在の地方自治体の職員の雇用形態というものは、大変変わりました。かつての時代は市の仕事はすべて市の職員がやるという時代が続きましたけれども、今はそうではありません。雇用形態はいろいろ変化をいたしました。ですから、市の正規職員の定数を決める場合には、この雇用形態の変化にあわせて臨時職員の数と嘱託の数というものをはっきり押さえておいた上で、これだけの定数が実際に必要なのかどうかということを論議しなければ、尻抜けになるおそれがあります。

 そこで、現在この定数条例の職員定数の裏づけになっている臨時職員の数と嘱託職員の数を、ここで数値を明確にしていただくと同時に、先ほど要請いたしました管理計画の中にきちっと織り込んで議会に御報告をいただきたいと思いますけれども、お答えをいただきたい。

 さらに第3の点は、これは地方公務員だけではなくて、日本の労働条件は大きく変化をしつつあります。既に地方自治体は全国的に4週6休制に入り、今や週休2日制が日本の労働界の本流になる時期に来ているわけですが、この定数条例は週休2日制を織り込んだ検討済みの正規職員の数であるかどうかということを、お答えをいただきたい。

 それから第3点目は、定数条例の定数、数というものを考える場合、条例定数とみなし定数というものが役所内では通用しております。これは概念としてきちっと分けておかないと、問題の処理が正確に扱えませんので、一体条例定数に対してみなし定数というものはどういう性質のものか、ということをお聞かせをいただきたいと思います。

 実は、清掃工場の機種決定問題について触れたいと思ったわけですが、時間がございません。この問題については、会派内の持ち時間内の質問としては取り下げまして、すべての会派の質問が終了した後の余裕ある時間に行いたいと思いますので、定数条例に関する部分だけお答えをいただければ結構です。

○副議長(宮島雅展君) 市長 原 忠三君。

                (市長 原 忠三君 登壇)

○市長(原 忠三君) 去る21日に行いました私の所信表明につきまして、ただいま三井議員の御意見が述べられたわけでございますが、御意見として承っておきたいと思いますので、御理解願います。

 他の定数条例の問題につきましては、担当部長からお答えいたします。

○企画部長(澤田良太郎君) 職員定数の御質問についてお答え申し上げますけれども、まず第1点の中期定数管理計画という御質問をいただきましたが、私ども過去議会の中でもお示しを申し上げた中で、中期定数計画の見通しという表現を使わさせていただいております。特に今回の職員の定数条例の改正に関連いたしまして、若干御説明申し上げておかなきゃならない点は、三井議員さんからも御指摘がございましたように、第3次総合計画は、土地利用計画と職員の定数計画が、その裏腹にあってしかるべきだという御指摘は、今日までもいただいております。

 そういう経緯の中で、御案内のとおり第3次総合計画は、平成3年度、さらに平成7年度におきまして中期計画、さらに後期計画を見直すことになっております。そこで今議会へ御提案申し上げております定数条例の改正の内容は御案内のとおり一番大きな要件は、商科専門学校の開校、総合市民会館の開設に伴う所要の人員を、現行の教育委員会の定数では賄い切れませんから、これへの定数の増員を図りまして対応するのが、まず一番の根幹でございまして、市長部局の定数の削減につきましては、議会の行財政の調査特別委員会等でも御説明を申し上げてきた経緯がございますけれども、55年、57年当時からの国体関連が出発でございましたが、その当時、小瀬のスポーツ公園の用地取得業務もあわせまして、臨時的な大型プロジェクトへの対応、時限的な事業への対応として職員定数の増を条例改正をして、議会の議決をいただいた経緯がございます。そういうふうな経緯がございましたので、今回市長部局の29名の減員につきましては、さっきも申し上げましたけれども、過去定数条例の改正によって、増員をお認めいただいたその臨時的、時限的な大型プロジェクトが終息をいたしましたから、この分だけの市長部局の定数を削減をしようと、こういうことで条例改正案をお願いしている経緯でございます。水道局の定数条例の問題につきましては、5拡事業の終息等の問題でございます。

 そういうふうな1連の経緯の中で、御指摘をいただきました第1点の定数管理計画でございますけれども、前段も申し上げましたように、平成3年度の定数設定をしてまいりますのは、職員の採用試験の時期もかみ合わせまして、平成3年度へ向かっての職員定数は、さっき申し上げたような大型時限的な事業の終息に伴う職員数を削減したものだけでございまして、平成4年度以降中期計画の定数の見通しにつきましては、さっきも若干御説明いたしましたけれども、平成3年度はまさに第3次総合計画の中期計画を見直す年次でございますから、中期計画の見直しに合わせまして、それに必要とする職員定数の見通しを立てていきたい。これが第1点の基本でございます。

 そういうことでございますから、現時点におけるところの中期計画を現時点で見通したところの中期定数計画の見通しについての資料は、おのおのの常任委員会へ御提示を申し上げて、御説明を申し上げたいと考えております。

 それから第2点の御指摘をいただきました雇用形態の変化に伴いますところの嘱託制度等の導入の問題でございますけれども、これは御案内のとおり本市におきましても、特に高度な専門知識あるいは資格を要するという専門的な職位、さらには私ども分析の過程でございますけれども、単1の業務に対する豊富な経験あるいは熟達した技術を要するもの、こういうふうな分析を行いまして、嘱託職員数、全庁的には334人という大きなものがございますけれども、この中には保健婦等の数、これは訪問看護等の要件もございますし、あるいは国保のレセプト業務等、いろいろ今申し上げたような専門的、熟練的、効率的、こういうふうな業務を設定をしてまいりまして、嘱託員制度を導入しております。その点については、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 それから臨時職員への対応の問題でございますけれども、国体あるいは百周年記念事業等長期にわたる職員の流動措置を行ってまいりました。そういう点におきまして、どうしてもある一定の分野におきましては、臨時職員の雇用を行ってまいりましたけれども、現状は一定の時間帯あるいは病気休暇の職員代替、そういうふうなものへの対応といたしまして、臨時職員を雇用している現状は事実でございます。

 それから週休2日制への展望を持った今回の職員定数条例の改正かと、こういう御指摘でございますけれども、御案内のとおり本市の週5日制、あるいは週休2日制の問題につきましては、試行期間をおきまして実施へ移行してまいりました。そういう中で現在閉庁できない職場というのがございまして、それにつきましては、9月の第2週から試行期間に入っております。そういうふうなものを見通す中で、私どもが今閉庁できない職場の中で、週休2日制への移行、あるいは完全移行が難しいと想定しております職場は、病院あるいは光風寮だというふうに、現時点では想定しているわけでございまして、この週休2日制へ完全移行するための定数条例への考え方というのは、現時点ではこの1,219の市長部局職員数を、29名減員するものの中には加味しておりませんで、完全週休2日制への移行につきましては、当然試行期間等も合わせ、さらに先ほど申し上げた現実的に閉庁できない職場の勤務体制等も勘案する中で、視点を変えた職員定数を見直していかなきゃならぬだろうと、こういうふうに考えております。

 それから第4点目の定数条例でいうところの定数の数と、みなし定数との考え方というような御質問だろうと思いますけれども、私ども定数条例で設定をしていただく定数は、これは上限だというふうに解釈をしておりまして、定数条例の数をオーバーして職員を採用したり、職員配置を行うことはできないと、こういうふうな観点に立っておりますから、定数条例でいうところの定数の数は上限である。そういうことでございますから、そういう中におきましては、長期病欠者に対する対応、あるいは組合専従等に対する対応、こういうふうなものは当然定数条例の枠にはございますけれども、実際の職員を各部局へ配属するためのみなし定数とは差異があってしかるべきだと、こういうふうに考えておりまして、定数条例の定数の数とみなし定数のさやがどの程度がベターかということは、いろいろの考え方や解釈がございますけれども、私ども一般的には2%から3%ぐらいの差異であるならば、十分その事務事業が推進していくためのみなし定数が、条例定数の枠内で現有勢力を配置していくこともやむを得ないじゃないか、こんなふうに考えておりますが、幾つかの問題を御指摘をいただきまして、嘱託、臨時職員の数等の問題、それからさっき申し上げた中期的定数計画の見通しにかかわる資料等につきましては、さっきも御説明申し上げましたが、各委員会へ資料として御提示を申し上げ、いろいろの角度から御意見を賜りながらも、総務委員会での定数条例の御審議をお願いしたいと、こんなふうに考えております。

○副議長(宮島雅展君) 三井五郎君。

○三井五郎君 会派の残り時間がございません。ですから、引き続いて論議をしたいわけですが、1点だけただしておいた上で、会派終了後の時間の余裕を見て、再度質問いたしたいと思います。

 当局は、今回の条例改定は、定数の管理計画案なしの見通し案で出したのだ。だから、見通し案は出せるけれども、しっかりした定数計画案は出せないという結論になります。えらい回りくどい御説明は必要ありません。土地利用計画の際もあれだけ膨大な資料、情報を議会へ提出をして、それを分析して方向づけをしたわけでありまして、当然それと全く同じ重要な性格を持つ本市の職員定数条例案が、かかるずさんな計画で出されたのは、非常に残念です。で、先ほど言いましたけれども、今回の定数条例案は、定数管理計画案ではなくて、そういうものが今なくて、見通しだけの上に立って出したんだということを、一言結論づけていただければと思います。

○副議長(宮島雅展君) 企画部長 澤田良太郎君。

○企画部長(澤田良太郎君) お答えの中で説明不足の点もあろうかと思いますけれども、定数管理計画がない定数条例の改正かという御指摘でございますが、先ほども御説明申し上げましたけれども、今回の定数条例の改正は、教育委員会が必要とする新たな業務への対応の職員の増員をお願いすることが第1点。それから市長部局の定数減につきましては、さっきも申し上げましたけれども、過去の経緯の中での時限的な大型プロジェクトが終息をいたしましたから、この増員の分だけを削減するための改正、それから水道局におきましても、過去の事業の終息に伴うところの削減でございますから、今後の総合計画、中期計画以降をどういうふうに事業推進をしていくための定数を必要とするかという点につきましては、さっきも御説明申し上げましたが、中期計画を見直す中で必要とする人員はどうあるべきかということを、両方の整合性を図りながら、定数計画を策定をしていきたい。こういうふうに考えておりますから、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。

○副議長(宮島雅展君) 三井五郎君。

○三井五郎君 時間がございません。できるだけ議会のルールに従って時間を守りたいと思いますので、再質問はこの席上では保留いたしまして、最終日に行いたいと思います。

 質問終わります。

○副議長(宮島雅展君) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○副議長(宮島雅展君) 御異議なしと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 本日は、これをもって延会いたします。

                午後4時21分 延会