平成6年12甲府市議会定例会会議録第3号

                午後1時00分 開議

○議長(森沢幸夫君) これより本日の会議を開きます。

 直ちに日程に入ります。

 日程第1から日程第19までの19案及び日程第20市政一般についての質問を一括議題といたします。

 これより昨日に引き続き上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を行います。

 新政クラブの一般質問を行います。末木隆義君。

 末木隆義君。

                (末木隆義君 登壇)

○末木隆義君 平成6年12月甲府市議会の定例会にあたり、新政クラブより提出議案並びに市政一般について質問いたします。

 現在日常生活に伴うごみの量は年々増え続け、そのごみ処理費は市町村の財政を圧迫し、埋立地の確保についても大きな問題になっております。一方、資源の枯渇や地球の温暖化、オゾン層の破壊などの地球問題が心配されているところであります。東京都では東京湾の産業廃棄物処分場に一般廃棄物まで捨てられ、あと1年半でいっぱいになることから、各区に清掃工場を設置するよう指導しているようですが、反対等もあり、その対応に苦慮していることがテレビ報道されていました。

 私も、前回環境問題を中心として当局にお尋ねしましたが、この問題は私たちが生活をしていく上で避けて通れない問題であり、何とかして皆で知恵を絞って解決していかなければならない大きな課題でありますので、今回も引き続きこの問題を中心に質問をいたしますので、当局の明快なる御答弁をお願いいたします。

 甲府市環境部が膨大な建設費を投入してつくる新しい清掃工場は、できる限り負担を最小限にし、15年と言われる耐用年数を最大限有効稼働をさせるべく部内に3部会の対策委員会を設置したと聞いておりますが、その内容についてお伺いします。

 また、新清掃工場は来年の9月に竣工すると聞いておりますが、その工事の概要と現在までの進捗状況について、まずお尋ねをいたします。

 次に、産業廃棄物の処理についてお尋ねをいたします。本年3月議会でお聞きいたしましたところ、産業廃棄物の処理については、県から処分場建設の協力要請を受け、県下を5ブロックに分け、各ブロックごとに1ヵ所の処分場を建設するという県の計画に対し、各市町村との協力による相互利用方式については、県の一般廃棄物処理事業連絡協議会の意見集約に基づき、相互協力体制を確立していきたいとの答弁がされておりますが、本市はどのブロックに入り、どのように建設に向けての話し合いを進めているのか、お伺いをいたします。

 また、山梨県は本年度幸住県計画の一環として、環境首都づくり推進事業の補助制度を発足させたと聞き及んでおります。本市でもできる限りこの制度を利用していきたいとの方針が示されましたが、現在補助を受けているものがありましたら、お示し願いたいと思います。

 次に、大気汚染についてお伺いします。

 環境庁が全国28ヵ所の測定場で4年間にわたり調査した結果、日本列島にも米国や欧州並みの酸性雨が降り注いでいることが明らかになったと報道されましたが、県内においても県の生協連が実施した大気中の二酸化窒素、NO2の測定結果を県内59市町村の615地点でまとめたところ、北都留郡上野原町の国道20号線四方津駅前交差点で0.099ppm、大月市で0.081ppm、甲府市国母交差点で0.7Cppmが検出されたそうです。これらは国の環境基準の0.04から0.06ppmを超えるもので、特に幹線道路沿いで濃度が高いのは、車の排気ガスによる影響も大きいのではないかと言われております。また、甲府西高の化学部が3年前から酸性雨について調査したところ、市街地周辺や交通量の多い道路付近、市の南部一帯では樹木等にかなりひどい被害を受けたものが数多く見られたと言われております。このような状況を踏まえ、63%に及ぶ森林、山岳部を抱える本市においては、どのように考え、今後どう対処していくのか、お尋ねをいたします。

 次に、リサイクルプラザの建設についてお伺いをいたします。

 過日の新聞報道によりますと、市が環境センターの南側に建設を計画している環境教育施設、リサイクルプラザの着工が、財政難などの事情から、西油川町所有の公園を含む用地買収が遅れているとお聞きしましたが、今後の建設計画の見通しについてお伺いいたします。

 次に、分別収集について数点お伺いをいたします。

 甲府市は、過日社会教育センターにおいてリサイクル推進員の研修会を開いたそうですが、今、可燃ごみや不燃ごみの中に別のごみが混じっていて再資源利用ができないという話をお聞きしましたが、本市は全国的にもリサイクルの先進都市としても知られており、当局も日夜にわたる努力をしているにもかかわらず、このような状況があることは非常に残念に思うのであります。

 そこでお伺いいたしますが、本市の中でも有価物回収を行っていないところがあるのか、またある場合、現在どのくらいあるのか。これらの自治会対応はどのようにしているのか。また、集合住宅等では分別排出が適正でないところも多く見られるといわれていますが、どのような指導をしているのか、お伺いをいたします。

 また、車で来て、投げ捨て等も多く見られるようですが、これらの指導も徹底させる必要があると思いますが、リサイクル推進員等をふやす考えはないか、お尋ねをいたします。

 大月、都留広域事務組合で可燃物、不燃物の収集袋を指定し、収集テストを実施したところ、ごみの減量効果が大きかったために、来年1月1日から収集袋指定の完全実施を有料でスタートをさせるということが報道されていました。既に実施している自治体もあるそうですが、この方法は市民意識の向上が図られるばかりでなく、分別収集が徹底できるため、破砕機等での爆発トラブルがなくなったそうであります。甲府市でも昨年の暮れに大爆発があり、膨大な被害を受けていますが、こうした指定袋を導入し、分別収集の徹底を図ったらどうかと思いますが、当局にそのお考えがあるか、お尋ねをいたします。

 次に、ごみの減量化についてお尋ねします。

 厚生省は、ごみの減量化と再利用を推進するため、家庭ごみ処理の一部を有料化するとともに、缶やビンなど包装廃棄物の製造、販売業者に第三機関公益法人を設置してもらい、ごみの引き取りや再資源化に努めることを法案として、近く国会に提出すると報道されました。

 私は、前回の一般質問におきまして、「ごみの有料化を実施する考えがあるか」とただしたのに対して、市長からごみの減量化抑制策としては、有料化ではなく、捨てればごみ、生かせば資源を合い言葉とし、市民の意識改革に重点を置き、燃えるごみ、燃えないごみ、有価物資源ごみなどの分別排出の徹底と、生ごみ処理機等の普及やリサイクル運動の推進などについて、市民組織の協力をいただくことに力を入れていきたいとの答弁がありました。ごみの減量化は、ごみを出さないようにすることは当然のことですが、そのためには、各家庭、各企業から出るごみ、それぞれの責任において自分のところで処理してもらうことが必要です。

 そこで、各家庭から出される生ごみを有機質肥料にかえるEMぼかしについてであります。3月議会で当局は、総合的に判断し、今後のごみ減量化対策の新たな手段として十分調査、研究し、実行に移していくという考えのもとに、既に資源公社と話し合いを始めたと答弁がされました。その後どのように進められているのか、また使用するポリバケツ等の普及、奨励等についても検討し、実行に移していくとのことでしたが、この2点についても御答弁をいただきたいのであります。

 このぼかしですが、一石二鳥とも三鳥にも成り得るもので、甲府より1年も遅く始めた市町村の中には、地域と行政が一体となって実施し、大きな成果を上げているところもあるそうです。

 一例を申し上げますと、千葉県我孫子市は、独自のごみ処理場もなく、全国ワースト第1と言われる手賀沼という不名誉な汚染された沼があるためか、市民も行政もことのほか環境問題とリサイクルには敏感だったようです。主婦パワーの生ごみグループができたことから、市役所、市議会から教育委員会までが注目をし、このグループの運動を支援する体制がすぐ出来上がったそうです。また、一方では、いまだに豊かな田園地域の面影を残すこの地域で、農家の人たちがこの有機農法を取り入れたところ、すばらしい農産物が収穫されたと言われております。

 こうして我孫子市では新方針を打ち出し、生ごみ処理を全市に広げるため、補助金を出し、市民と生産者と行政が三身一体となった理想的な体制で生ごみリサイクル運動が展開されており、さらに現在では汚染された手賀沼の浄化に取り組んでいるそうですが、実施後3年を目標にワースト1の汚名を返上するということであります。現地へ調査に行っていただいた人たちからこうしたお話を聞いて大変感銘を受けたところであります。

 本市におきましても、環境部だけの問題にとどめずに、関係するすべての部局が協力して、自分たちのまちは自分たちがきれいにしていくんだという自治意識に目覚めたまちづくり、地域づくりをしていくための住民パワーを結集し、一体となって行動を起こすことが必要ではないでしょうか。

 そこでお尋ねいたしますが、EMぼかしを使ったこの方法は、あらゆる関係機関を通じて他の市町村に負けないよう、早急に全市に広めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。当局の積極的なお考えをお示しいただきたいのであります。

 また、化学肥料や農薬に頼る農業は環境を破壊するばかりでなく、収穫量の減少や連作障害も引き起こしております。これに対して、EM自然農法は、無農薬、無化学肥料で地球環境に優しく、収穫量も慣行農法以上に上がり、生産者と消費者双方の健康を守り、しかも経済性にもすぐれた農法だと言われております。昨年の冷夏による被害の中で、山形県の稲作専業農家を営む方が、周囲の農家では収穫量がゼロかよくても10アール当たり2、3俵であえいでいるときに、EM自然農法によって8俵から10俵の好成績を上げ、量ばかりでなく、品質もすべてが一等米だったそうでございます。

 このように最近EM自然農法は脚光を浴びてきていることが報道されておりまして、本市においても周辺部の稲作をはじめ、果樹、野菜等の栽培の農家がすばらしい無農薬の米や野菜、果物などが収穫できるので、中心部で空き地のない人たちと提携して、EMぼかしの生ごみ収集を行い、使用するような指導をしたらどうかと思いますが、いかがでしょう。また、大量に出る小学校給食の残飯等についても、同様な利用をすることにより、相当な経費の節減ができると思うのでありますが、この2点についてお考えをお聞かせ願いたいのであります。

 次に、河川浄化についてお尋ねをいたします。

 甲府市内には荒川をはじめ多くの河川水路があります。前回私の質問に対しまして、下水道の未整備地域や長期に遅れているところについては、重点地域を指定し、合併処理浄化槽の普及促進を図るとし、濁川流域が生活排水対策重点地域に指定されたのを受けて、関係行政機関をはじめ、市民各層の代表者で構成する生活排水対策推進計画策定委員会を設置し、審議をお願いして、最終的な計画決定をするとの答弁がありましたが、その後の経過とこれからどのように進めていくのか、今後の計画についてお伺いします。

 また、荒川上流の水源保護地域においても、水道局によって合併処理浄化槽の普及が進められていますが、補助金が市から出ているものの多額の費用がかかることから、なかなか進まないのが実態であります。

 そこで、お伺いいたしますが、市内の河川、水路、上流流域の住民にお願いをして、EMぼかし及び浸出液の活用により、浄化を積極的に進めたらどうかと思います。このことにより、現在設置されている合併処理槽から出る排水はもちろん、設置されていないところの家庭排水もきれいになり、下流においても魚が住み、ホタルが飛びかう河川水路がよみがえるものと思います。

 今までに汚染防止のために計上された多額の経費をこれに充てることによって大幅な経費削減にもなり、一挙両得になるものと考えられます。本市においても実施に向けて関係部局で積極的に検討してみたらどうかと思いますが、そのお考えがあるかお尋ねをいたします。

 次に、地下水汚染についてであります。

 発がん性が指摘されている有機塩素系化学物、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが42都道府県の井戸から基準値を超えて検出されたことが、環境庁がまとめた昨年度の地下水質測定で明らかになり、また本県においても昨年地下水の定期調査で有害物質のトリクロロエチレンが昭和町など8地点、テトラクロロエチレンは大月市など111地点で環境基準を超えていることが明らかになりました。県の環境保全課では、有機溶剤の使用事業所などを対象とした管理マニュアルを作成するなどして、その使用などの徹底を図っていると聞いていますが、本市においても市内の調査をいつ行い、どのような指導をしているのか、お尋ねをいたします。

 次に、地球環境など環境白書が取り上げられている問題を小中学生にも理解してもらおうと、1994年版白書の総論部分をラジオドラマ風にテープにおさめた「音で聞く環境白書」を環境庁が作成したと新聞報道されました。本市においても環境テキストが作成されているとお聞きしましたが、その内容はどのようなものか、また子供たちに対し手引書を使いどのように指導をしているのか、お聞かせをいただきたいのであります。

 さらに、最近小中学校においてもごみ問題を取り上げ、ごみの収集体験や施設見学をしている学校がふえているそうですが、子供のころからこうした体験をさせることは非常に大切なことだと思いますので、この点教育委員会はどのようにお考えか。本市においても体験学習をする考えがあるかどうか、お伺いをいたします。

 次に、人口増加対策についてお尋ねをいたします。

 この問題については、私も一昨年の3月議会で質問をし、その後先輩議員の何人かが質問しておりますが、甲府市では第三次総合計画に基づいて定住化を促進し、魅力ある都市形成を図るため、南部工業団地の建設や公営住宅の計画的建設、市街地の近代化、公園の整備、古府中、住吉をはじめとする区画整理事業、また道路整備など、住環境の整備充実や快適性確保のために積極的に取り組み、努力してきたことに対しましては、心から敬意を表する次第であります。しかし、昨今の状況を見ますと、平成12年の総合計画後期最終年次に人口22万8,000人を見込んでいるものの、平成4年20万199人、平成5年19万8,977人で、バブル経済崩壊後はあらゆる面で事業も伸びず、このような状況で推移すると総合計画の推定人口を大きく下回ることが想定をされます。

 そこで、今年度から人口増加対策の一つとして、流出するであろうと思われる若い世代の勤労者をターゲットにした新婚世帯を対象とした家賃補助制度が、市長の目玉施策として制度化されました。昨日共産党の石原議員さんがちょっと触れておりましたけれども、これは中核都市である本市での施行は画期的な制度であると高く評価をするものでありますが、より充実した内容とするために、所得制限枠の緩和並びに、現行助成金額を少なくとも2倍ぐらいに増額するなど見直しを行い、新婚世帯の市内定着の促進と活力あるまちづくりのための人口増加対策を積極的に進める必要があると思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。

 また、市街化区域、市街化調整区域の線引きの見直し案が県から示され、来年度には決定されると聞いております。そこで前回の見直し以後県から指摘されました市街化区域内の集団残存農地16ヵ所の取り扱いについてお伺いいたします。この残存農地16ヵ所が今回の線引き見直しまでに計画的に整備できない箇所については、市街化調整区域へ編入対象地区になるとのことで、当局においても日夜にわたり対象地関係者と協議を重ねてまいりましたことには、その努力を多とするものであります。しかし、現在区画整理事業として整備が行われる箇所は、4ヵ所であると伺っておりますが、残りの12ヵ所については、どのような状況になっているのか、また、今後都市的整備に向かって、どのように指導をしていくのか、お伺いをいたします。

 次に、市街化調整区域から市街化区域への編入についてお尋ねをします。

 今回の見直しで、直接編入箇所は、市街化区域に隣接した大規模開発、土地区画整理事業等の都市的整備が確実な区域、既存宅地で開発許可を受けた団地等が直接編入の対象箇所とのことですが、大里町の特定保留地の解除による編入箇所は、住宅供給の増加が見込める地域で、他は既に住宅地として利用されております。そこで、市街化調整区域内の農地を市街化区域に編入して、宅地供給を図るべきと考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。

 次に、市営住宅里吉団地についてお伺いをいたします。

 この団地は、本市におきまして、最大規模の団地であり、快適な住環境と利便性も高く、充実した施設が好評で、入居希望者も多いと伺っておりますが、その現状と今後の建設計画についてお伺いします。

 また、完成年度までには何世帯、何名ぐらいを見込んでいるのか、お尋ねをいたします。

 また、本市は人口増加対策の一環として、土地開発公社が独自事業として何ヵ所か宅地分譲をしてまいりましたが、今まで何区画を計画し、現在何区画分譲したのか、また今後残りをどのように処分するのか、お伺いをいたします。

 次に、合併問題についてお伺いをいたします。

 一昨年より甲府市青年会議所が1市5町広域合併を提唱し、アンケート調査を行いながら、この問題に取り組んでおりますが、それによりますと、76%の人が1市5町の協力により、まちづくりの必要性を感じ取り、合併賛成の人が反対を多く上回ったと聞いております。本市におきましても、今日まで広域行政事務組合による共同事務処理や地方拠点都市地域指定による都市づくり等広域的事務処理を推進してきたことは、承知いたしておりますが、最近国においても自治省が広域行政を進めているふるさと市町村圏の複合事務組合を地方分権の受け皿として、来年度から創設される新しい組織広域連合に移行するよう指導していくと言われておりますことから、これに伴い全国的にも合併の機運は高まると思います。しかし、現状は県内においても各市町村が地方分権の必要性を感じながらも、具体的な取り組みを検討しているところは極端に少なく、7割以上の自治体は分権に対応できる能力が備わっていないと考えているところが、県の地方分権推進研究会のアンケート調査で明らかになったと報道されております。その中で、権限移譲についても段階的に行うべきだと回答された自治体が7割など、人的、財政的な力不足をしており、権限移譲を進めるのは困難と回答されたところが2割あり、現在の自治体の能力では権限移譲にも限界があるとしています。

 さらに、市町村の広域合併についても、4割が必要性を認めているものの、半数の自治体が消極的であるが、県としては市町村の合併についても県の果たすべき役割について進めるのが望ましいと前向きな姿勢を示しているとのことです。本県においては特に島根県に次ぎ自治体が細分化されており、昨年5月、当時の自治大臣は地方分権を進める上で、市町村の数が現在の3,200から半分くらいになってもよいと強調されたそうです。本市におきましては、5町とも長い間広域組合等により連携を深めてきていることから、情勢的にはいろいろ問題はありますが、県等の協力をいただきながら段階別に合併していくことをお考えになったらどうかと思いますが、その点お伺いをいたします。

 次に、サッカー甲府クラブの愛称募集報道とスタジアム誘致に関しての活動状況についてお尋ねいたします。

 甲府市民や行政をはじめ、関係団体がJリーグ誘致と甲府クラブ支援に向けて運動を展開しているところでありますが、市長が今年の3月議会においてJリーグ誘致に関連してスタジアム誘致に前向きに取り組む姿勢を表明して以来、我々議会もその動向を注意深く見守ってきたところであります。過日、建設省からサッカー場の整備に伴い、来年度から1都市1施設に重点的に補助するという内容の施設基準が示されましたが、このような動きはまさにJリーグ規約に決められている、市町村をホームタウンとして定め地域社会と一体となったクラブづくりを行い、地域振興に努めなければならない、という趣旨に沿ったものであると言えます。長年親しまれた甲府クラブという名称から、甲府の名前が消えるようなことは、万が一にもあり得ないことであり、今まで市民に根づいた甲府の名前の入った愛称を募集することは、大変結構なことであると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

 また、庁内の職員で組織する調査研究委員会が、本年5月に設置されて以来、ワーキンググループを中心に積極的に活動を続けておられると聞いておりますが、現在の調査研究内容と今後の見通しをお聞かせください。

 また、Jリーグへの参加条件として、参加団体の法人化が規定されております。地域に密着した活動を行うことにより、スポーツ文化の振興と地域経済の活性化、また選手、指導者及び運営に携わる関係者のやりがいのある輪づくりを目指し、安定した経済的、組織的基盤を備えることができるように、独立した法人格を持ち、将来の法人化に向けて行政としても積極的に支援体制を整えていく必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。

 以上をもちまして、私の質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。

○議長(森沢幸夫君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 末木議員の御質問にお答えいたします。

 まずはじめに、大気汚染についての御質問でございますが、大気汚染をはじめとした環境問題は、今や地球規模の対応を必要としております。本市におきましても、平成4年に地球環境問題庁内連絡会議を設置いたしまして、地球にやさしい都市甲府を目指して、市民、事業所、行政が一体となって取り組む地球環境保全計画を策定いたしました。今後は、この計画を積極的に推進するとともに、市民一人ひとりが環境にやさしいライフスタイルの啓発、普及に努めながら、大気汚染防止を訴えていく必要があると考えております。

 次に、EM菌のぼかしについての御質問でございますが、EM菌のぼかしについては、既にその製造について下水道部に依頼し、現在実験的に製造を行っており、技術的に可能な段階になりました。普及については、ぼかしの正しい知識を持って実践することが前提条件となりますので、地域で活動できるリーダーの養成研修をはじめ、情報等の提供を行い、今後も引き続きその普及に努めてまいります。

 次に、河川浄化についての御質問でございますが、河川を汚す原因の80%は、生活雑排水にあることは、御指摘のとおりであります。御案内のとおり水質汚濁防止法の改正により、県の重点地域として濁川流域が指定され、濁川流域生活排水対策推進計画策定委員会を設置いたしました。委員会で慎重な御検討をいただいた結果、平成6年3月に計画書の策定が完了いたしました。これは平成6年から平成22年を目標年次といたしまして、里垣、玉諸、甲運、山城、相川の濁川流域の5地区につきまして、生活排水対策を実施いたし、濁川に清流を取り戻し、21世紀にきれいな水辺を引き継ぐことにあります。今後は濁川流域の住民の皆様の御協力をいただきながら、生活排水処理施設の整備を推進してまいります。

 次に、合併問題についての御質問でございますが、近年の本市を取り巻く都市環境は、モータリゼーションの発展及び道路整備などにより、人々の生活圏や経済圏も広がりを見せてきており、行政的にも周辺町村との連携を深めてきております。21世紀にはリニアエクスプレスをはじめ、中部横断自動車道等高速交通体系の結節点として、本市及びその周辺町村の一体的な都市整備が待たれております。本市は今日までテクノポリスの母都市として、また広域圏計画の中で関係市町村と広域的行政を推進してきたところでありますが、今回地方分権の流れの中で分権の受け皿としての地方の行財政基盤の強化策が国レベルで論議され、その方策の一つとして地方の再編により規模の適正化として合併の促進が提言されております。本市といたしましても、長い間の広域行政の推進や昨年指定を受けた地方拠点都市地域整備の都市づくりの中で、一層周辺町村と連携を深めるとともに、こうした国の動向、また県の意向等をも見極めながら対処してまいる考えであります。

 次に、サッカー甲府クラブの改名問題とスタジアム誘致に関しての活動状況についての御質問でございますが、Jリーグ誘致に関しましては、市民やサッカースポーツ関係者の盛り上がりに応え、スポーツ文化の振興と地域活性化を目指して、本市ではいち早くJリーグ誘致に関する庁内調査研究委員会を設置し、数回の委員会等を開催して、サッカー協会や支援団体等の意見を聞くなど、情報収集や関係団体との連携に努めてまいりました。具体的にはサッカーを拠点としたまちづくりを進めている清水市や磐田市の先進都市の現地視察を実施し、サッカーによるスポーツ振興や商工業地域活性化策、期待される経済波及効果の実情、さらにはホームスタジアム等の施設状況、交通アクセスや駐車場などの周辺整備状況等、財政問題を含め、あらゆる角度からワーキンググループを中心に調査、研究を行っている段階であります。来年6月をめどに一定の方向を示してまいります。

 また、今回の甲府クラブの改名問題につきましては聞き及んでおりますが、長年親しまれ、30年の伝統を持つ甲府クラブの名のもとに支援し、期待していた市民、甲府圏住民、県内のサッカーファンにとっては好ましいものとは思われません。名称についてはJリーグの提唱するホームタウン制が市町村名を冠しており、地域に密着したJリーグの趣旨に沿うものと思われます。したがって、甲府の名前は当然残るものと考えております。

 なお、法人化につきましては、運営主体である県サッカー協会、甲府クラブ、甲府サッカークラブを支援する会等が中心となって、進めていただかなければなりませんが、本市といたしましても、これら関係団体と連携を図り、支援体制をとってまいりたいと思います。

 スタジアムの整備につきましては、国がサッカー場の整備等について支援策を強化しておりますので、今後も県との連携を図る中で対応してまいります。御理解を賜りたいと存じます。

 なお、他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。

○企画推進部長(丸山正之君) 土地開発公社における宅地分譲の状況についての御質問でありますが、土地開発公社では、人口増加対策といたしまして、良好で低廉な宅地供給に努めているところであります。近年宅地分譲の状況についてでありますが、平成4年度大国エコー住宅団地を13区画、平成5年度に後屋エコー住宅団地40区画及び城東エコー住宅団地を39区画、それから平成6年度、本年度でありますが、和田エコー住宅団地17区画を完成、造成したところであります。あわせて109区画という造成の状況であります。

 しかし、バブルの経済の崩壊等によりまして、土地取引の低迷化が続いており、いまだ処分できない区画が12区画残っておりますが、これらについては、今後とも土地開発公社に対して早期に完売できるように働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

○環境部長(近藤 昭君) 環境部にかかわる御質問にお答えをいたします。

 まず、新清掃工場稼働に伴う3部会の内容と新清掃工場の進捗状況についてでございますけれども、平成7年9月から稼働いたします新清掃工場の適正な管理運営を行うために、平成6年9月1日に環境部内に甲府市新清掃工場稼働に伴う部内検討委員会を設置をいたしました。設置要綱を制定をいたしまして、新清掃工場運転維持管理にかかわります管理運営部会と、有価物資源ごみ回収方法の見直し及びリサイクル推進員の有効活動と分別収集の徹底方策等の廃棄物処理計画部会及び不法投棄防止策等の環境保全部会の3専門部会を設置をいたしまして、ごみの収集から焼却、処理までを有機的に一貫性を持たせ、新清掃工場稼働の効率性を求め、また負荷を最小限に抑えることにより、長期的使用に耐えることを目的としたものであります。12月末に3部会の検討結果が集約されますので、これをもとに新清掃工場への対応を図ってまいりたいと考えております。

 また、新清掃工場の施設概要といたしましては、日量360トンの処理能力を有し、緑豊かな森の中の清掃工場といたしまして、安全面に配慮をした衛生的で近代的な施設でございます。工事の進捗状況につきましては、12月1日現在90%の達成率となっております。今後は早期完成を目指し、平成7年度の早い段階に性能試験を実施をし、平成7年9月より本格稼働をしてまいる所存であります。

 次に、産業廃棄物の処分場についてでございますけれども、産業廃棄物の最終処分場建設につきましては、本市は1市9町2村で構成をする峡中地区ブロックに所属をしておりまして、峡中地区最終処分場整備検討委員会が設置をされ、候補地の絞り出し作業を進めているところであります。しかし、平成5年度において建設に向けての検討委員会を開催してまいりましたが、各市町村とも地元合意を得ての建設予定地の確保が極めて困難な状況にあります。したがいまして、ブロック会議の開催も現在のところ開催されていない状況であります。

 次に、県の環境推進補助制度についてでございますけれども、県の環境首都づくり推進事業の補助制度につきましては、本年度より実施されましたので、本市の事業といたしまして補助申請を行った結果、ごみ減量化事業、フロン回収対策事業、環境教育事業、生活排水対策事業が、その補助対象事業として認められたところでございます。

 次に、リサイクルプラザ建設計画の見通しについてでございますけれども、お尋ねのリサイクルプラザ建設事業の建設日程につきましては、平成7年度着工、平成9年度完成の3カ年継続事業として計画をいたしております。

 次に、有価物回収運動についてでございますけれども、本市の有価物回収運動は、自治会連合会の積極的な協力のもとに、現在市内491自治会の約80%の391自治会が実施をしております。未実施の自治会は、現在資源ごみ回収を回収日を利用しておりますが、自治会規模及び有価物回収運動への参加意欲等の問題がありますが、実施に向けて継続的に働きかけを行っていきたいと考えております。

 また、集合住宅等の分別排出の徹底につきましては、所属する自治会、所有者、管理人等を通じまして、分別啓発資料の配布や、集積所などについての具体的な指導を行っているところであります。さらに、地域で活動をしておりますリサイクル推進員につきましては、新清掃工場の適正な運用を、延命化にもかかわりますので、現在その制度につきまして、全面的な見直しを検討中であります。

 次に、分別収集の徹底についてでございますけれども、本市におきましては、昭和53年から市民の皆様からの御協力をいただきまして、有価物回収事業に取り組み、また平成2年には資源ごみ回収事業もあわせて実施をいたしております。ごみ収集は排出部分で十分に仕分けることが肝要であると認識をいたしております。

 次に、地下水の水質検査についてでございますけれども、本市では地下水の汚染状況の把握が重要と考えまして、平成元年度から市内17地域を指定をし、20ヵ所の井戸水の水質検査を継続して実施をいたしておりますが、幸いにして現状ではトリクロロエチレン等の有害物質は検出をされておりません。今後におきましても、県の指導を受けながら、地下水の汚染調査を継続的に実施をし、公害防止に万全を期してまいりたいと考えております。よろしく御理解を願いたいと思います。

 以上です。

○建設部長(野口一郎君) 建設部関係2点についての御質問にお答え申し上げます。

 はじめに、新婚世帯向け家賃助成制度の見直しについての御質問でございます。新婚世帯向け家賃助成制度は、市内の民間賃貸住宅に居住する低額所得新婚世帯に対して、家賃の一部を助成することにより、若年層の市内定着を促進し、また人口増加対策の一助とするものであります。御提言の趣旨を十分踏まえ、関係部局とも協議を重ね、新婚世帯にとって活用しやすく、また魅力を感ずるような制度の充実に向けた検討を加えてまいりたいと考えております。

 次に、里吉団地建設の現状と今後の建設計画及び定住人口予想についての御質問でございます。里吉団地の建設につきましては、第三次総合計画に基づき、昭和63年から建設が開始され、平成6年12月現在で11棟380戸が完成しております。今後は公営住宅法の趣旨に従い、低額所得者層向け住宅に加えて、平成5年7月、国において特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律が制定され、現行の公営住宅法では入居できない中堅所得者向け住宅の需要に応えるよう、国、県より強い指導要請がありまますので、これらにも応える中、残る3棟100戸の住宅建設を進めてまいりたいと存じます。なお、これによって、里吉団地建設完了時には480世帯、1,680人の人口を見込んでいるところであります。

 以上でございます。

○都市整備部長(飯島正巳君) 都市整備部関係2点についてお答えを申し上げます。

 市街化区域内の残存農地の取り扱い等でございますけれども、組合施行の土地区画整理事業で、古府中地区12.3ヘクタールは本年度中に、住吉地区31.1ヘクタールにつきましては、平成7年度事業が完成をいたします。特定保留地区に指定されました大里地区43ヘクタールのうち20.5ヘクタールにつきましては、準備組合の設立がなされ、事業に取り組んでいるところでございます。また、残存農地16ヵ所のうち準備組合が設立され、区画整理事業として進めている地区は、山宮、下飯田、水道局東の3地区であり、国母駅北地区は本組合が設立され、事業に着手しております。4地区の整備面積は23.5ヘクタールでございます。準備組合が設立された地区につきましては、本組合設立に向けて指導助言を行ってまいります。残りの12ヵ所につきましては、まちづくりの手法について地元の皆様と協議検討をしているところでございます。基本的には、土地区画整理事業による整備を図ってまいりたいと考えております。したがいまして、都市的整備ができないところは次回の線引き見直しで逆線引きの対象地域となります。

 次に、市街化調整区域の農地を市街化区域に編入して宅地供給を図ることについてでございますが、今回の線引き見直しは、県から示されました基本方針に基づいて行われております。市街化調整区域から市街化区域への編入につきましては、新たに人口を一般保留する考え方が示され、市街化区域に接し、かつ5ヘクタール以上の土地を区画整理事業等都市的整備が確実な時点で、一般保留した人口分の面積を随時市街化区域に編入できることになりました。したがって、線引き見直し決定後においてこれらの地域に出向き、市街化編入のため、都市的整備の方策を地域の皆様とともに検討してまいりたいと思います。

 また、民間開発等の場合、5ヘクタール以上の開発は困難と思われますので、宅地供給の面からも5ヘクタール以下でも編入できるように県に対し働きをかけてまいりたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○教育長(金丸 晃君) 教育委員会関係2点についてお答えいたします。

 まず、市教委作成の指導の手引書を使った環境教育についてでございますけれども、甲府市教育委員会といたしましては、小中学生を対象とした環境教育指導の手引を本年3月に刊行し、その活用を図っているところでございます。

 この指導手引書では、指導すべき内容を各教科、領域別に体系化し、身近な自然や環境に関心を持たせ、環境教育、資源やエネルギーの重要性の理解を深めさせることとして、進んでよりよい環境の保全に努める実践的な態度を育てることを目標とした内容になっております。各学校では、この手引書によって授業を実践しております。また、その他、環境部発行の副読本あるいはビデオテープ等をも活用して、指導の徹底、充実を図っているところでございます。

 次に、児童・生徒の体験学習についてでございますけれども、御指摘のごみの収集体験や施設見学等を通じての環境教育につきましては、現在市内の小学校4年生が社会科の校外授業、それから遠足等を兼ねて、市の環境センターを訪れ、膨大なごみの量や、その処理の実態について見聞を深め、多くの学習を積んでいるところでございます。また、身近な学校や地域の美化運動をスローガンにした地域の清掃活動、それから廃品回収、リサイクルボックスの利用等を通して、子供たちにできる環境問題として取り組んでおります。委員会といたしましては、環境教育の重要性にかんがみ、今後なお一層その充実に努めてまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。

 以上でございます。

○議長(森沢幸夫君) 末木隆義君。

○末木隆義君 どうもありがとうございました。

 大変それぞれ前向きの御答弁をいただいたわけでございますけれども。まず、環境問題でございますけれども、産業廃棄物の処理場におきましても、御承知のように、今明野村だとかあるいは敷島町においても問題提起されておりますし、また大気汚染等につきましても、今年の夏は上野原町において中学校の生徒がのどや目頭の痛みを訴えているというような被害が出ております。そういう意味から、こういうような問題につきましても、見過ごすわけにはまいらないわけでございます。

 また、分別収集やリサイクルにおきましても、住民の理解と協力がなければできないのでございますから、特に今回私はこの生ごみにおけるEMのぼかしについて、当局にお尋ねをいたしたわけでございますけれども、このことを、これを使用することによって家庭内から出るごみをはじめ、河川の浄化や地下水汚染の防止にもつながりますので、この問題を住民運動として行政が住民と一体となって実施していくならば、すばらしい成果が上がるのじゃないかなと、こんなふうに思うわけでございます。特に財政逼迫の折から最少の経費で最大の効果を上げるような努力をしていただいと思うわけでございます。

 また、人口増加と合併問題でございますけれども、この問題は御承知のように歴代の市長が30万都市構想を唱えてきたところでございますけれども、なかなかその域に達しておりません。ここ数年見ましても、周辺地域の都市化に伴いまして、20万都市に成り切れないような状況にあります。市税収入の半分を固める支出をいたしましても、これ以上の人口流出は財政にも直接影響を及ぼし、交付税算定や都市行政にも有利な国の制度導入条件は定住人口が基本となっていることから、人口を定住させる施策も手が抜けられないことは承知をしております。このたび地方制度調査会が答申しております地方分権の受け皿として、自治体の財政強化が求められておりますことを考慮し、国が市町村合併の動きを積極的に支援し、合併を推進していく必要があると、国の積極的な対応を要請し、住民の発議制度、導入や合併に伴う特別措置の拡充を求めていると言われております。本市におきましても、住民の意志をできるだけ反映させながら、住民主導で合併が進められるよう、行政が指導的立場に立って進めていかれたらどうかと思います。

 以上要望いたしまして、私の質問を終わります。

○議長(森沢幸夫君) 次に、福島 勇君。

 福島 勇君。

                (福島 勇君 登壇)

○福島 勇君 今12月議会冒頭、山本市長が来春4月の改選に向けて2期目の市長選に挑戦する決意を表明されました。この趣意書も今手元にあるわけでありますけれども、市長の決意は決意として了解し激励していくわけでありますけれども、今の甲府市を取り巻く環境というものは、これは甲府市だけでなしに、中央政府をはじめとする冬の時代に入っていると思います。それだけに市長職を続行するということには、まさにこの中に言われている命がけの努力が求められてくるであろうという心配もしている一人でありますが、過去の歴史を振り返って見た時に、政治情勢が苦しい時にこそ、名リーダー、名支配者が生まれている。これは歴史が証明しております。

 徳川中興の祖と言われた8代将軍吉宗、これは5代綱吉時代の元禄年間、戦国時代が終わって100年以上経過した。世の中平和になった。経済、文化が欄熟した。そこに浮かれ浮かれた文禄という時代があったわけでありますけれども、そのつけが次に回ったのが8代将軍の吉宗の時代であります。彼は緊縮財政を唱え、必死に幕政と同時に国民経済の再興を図りました。だからこそ、200年以上経過した今も、徳川幕府中興の祖として歴史に残ったわけであります。

 さらには、本市にとって顧みましても、戦災で甲府が焼け野原になったときの市長野口二郎、恐らく命がけの努力がされたと思います。さらにはまた、昭和30年代、職員の給料を払うのに、月に2回に分けて中銀にリヤカーでお札を借りに行った。この時代があります。それを乗り切ったのが、鷹野啓次郎市長であったわけでありまして、戦後の市長の中でやはりこの二人は特筆されるべき市長としての評価と実績を残されたであろうと、私は思っているものでありまして、これに引き続いてのこの困難な時代をぜひとも命がけの懸命の努力の中で、市民生活の向上に向かって御努力いただくと同時に、それがまた山本市長の在職中の評価として高く評価されるよう、心から期待をしているものであります。

 という観点から、これから私の質問を申し述べるわけでありまして、少々きつい表現がたくさんあろうかと思いますけれども、これは私がきついのじゃなくて今甲府市を取り巻く情勢が厳しいということで御了承いただくと同時に、私もなるべく簡潔に要点絞って御質問申し上げますから、市長はじめ当局も要領よく簡潔に御返答いただければありがたいと思って質問に入ります。

 12月議会というものは、この開催時期は、今年は12月1日からでありました。通常ならば、来年度予算編成に向けて、当局側は一生懸命そろばん片手に努力している時期である。今も議会のかたわら、恐らく夜を徹しての予算編成の作業を続けていられるであろう、という想像をしているわけであります。そこで、来年には先ほど申し述べましたように、統一地方選挙がございます。先の国会では、市町村長並びに議員の選挙は4月23日と決められました。甲府市といたしましても、このスケジュールによるわけでありますから、改選を前提としての来年度政策決定をしなければならないと思うのでありますが、次の観点から基本的な2点についてお伺いいたします。

 まず、市長は来年度に向かって骨格予算を編成するにとどめて、改選後の補正で肉付けをなさるおつもりか。または現職市長であるとしての権能に基づき、総合的な予算を編成するおつもりか、いずれでありましょうか、この機会において御説明いただきたい。

 国の中央におきましても、この予算大綱が不明確であります。過日の報道によれば、大蔵省は平成7年度予算の政策的経費である一般歳出の伸びを、平成6年度当初比2%台後半に抑える方針を固めた。伸び率では平成6年度を2.3%上回る。しかし、参議院選挙や国勢調査費などの特殊要因による歳出増が3,600億円ほどあり、これだけで0.9%増になることから、前年度をしのぐ緊縮予算になると予測されるのであります。各省庁からの概算要求は、前年度当初比4.8%増、42兆8,276億円、大蔵省はこれを8,000億円ないし1兆円を削る方針と言われております。その理由として、来年度も税収回復の見込みが立たないためとし、平成6年度税収が当初見込みより2兆円程度に下回っており、4年連続の税収減は確実と推測せざるを得ないとしているのであります。

 我が国の中央集権体制は、まことに見事に整っておりまして、政治行政のあり方として、この影響から地方自治体が脱出することは、まず大変な仕事であります。さらに、今回の税制の改革は、またまた地方自治体の税収面にとりまして大変な影響を及ぼしているのであります。前年度の特別減税に引き続き、来年度所得税減税が3兆5,000億円、地方税減税2兆円との決定は、地方自治体にいかような影響を及ぼすのか。本来、税三法のうちの32%は地方の持ち分として確定しているのでありますから、この本体が小さくなればなるほど、当然32%の枠内でこれが減少してくるのは避けられないのであります。本市に何億円の影響があるからとの数値の算出は、即座にはじき出すことは無理といたしましても、これは避けては通れません。政府の税制改革による本市にかかわる関係、影響について御説明をいただきたい。

 さらに加えて述べさせていただくとするならば、この税制改革のねらいが、減税により景気に刺激を与えて、経済行為の浮揚を促し、景気が回復し、国民所得が向上してくれば、自然増収が期待できるとの思惑がありありであります。改めてバブル経済の崩壊とは何であったのか、重大な反省をしなければならないと、私は考え込んでしまうのであります。バブルとはシャボン玉の例えでありますから、中身のないマネーゲームであり、産業産品の裏付けられていない架空の上に利益のみが追及された経済行為であり、さらに土地ブームという物差しのない、これまた架空の利益が踊り歩いた結果に対して送られた表現ではないでしょうか。

 そこで大きな危険を指摘しなければならないのであります。政府も自治体も民間も、景気回復の到来に期待をしすぎてはいないか。これはバブル景気の再来を望んでいるのにつながりはしないか。まことに憂うべきものではないのかと、私は心配しています。

 政治権力にも、社会体制にも、経済の伸長の形の上にも、欄熟期という言葉があります。成長の度合いが停滞するか、一時停止かの別はありますけれども、極限を示している熟語でありますだけに、来し方の道がさらに順調に続くとは言っていない表現ではないでしょうか。当局は本市財政の今日と明日を担う立場として、どのようにこの景気回復を認識されて期待をしているのか、あえてお聞きするところであります。

 最近3か年の予算の推移について述べながら、当局の方針をお尋ねいたします。

 本市の一般会計の年度当初予算額は、平成4年度700億2,143万円、5年度650億2,465万円、6年度610億8,305万円と推移してきております。これは景気低迷による税収減のしからしめるところてあり、やむを得ない結果ではありますけれども、市民サービスが3カ年に100億円近く低下しているとの指摘は、市民の間に根強いものがあると推測をしなければなりません。このような大きな課題を、市長当局は、市民に対してどのように御理解を求める努力をなさっているのか、いないか。これは前段も申し上げましたけれども、苦しいときには苦しいなりの内容を市民に訴え、市民の理解を求めながら手を携えてこそ、甲府市の健全な行政は伸びていくと思うからであります。

 さて、庁舎内の組織等々からの、いわゆる行政の効率化を求めることについてでありますけれども、経済動向の好況、不況にかかわらず、行政体は常に効率を求めて、職員の意識、組織の改善を心がけなければならない宿命を背負っていることは、自明の理であります。議会といたしましても10年ほど前よりこれを重要な案件として取り上げ、特別委員会を設置して、過去2か年にわたる集中審議を行ったことは、周知の事柄であります。行政の側にのみ簡素、効率化を求めるのみでなく、議会自らも同じ道を歩む責任があるとして、地方自治法並びに公職選挙法に定めてある議員定数44名とあるものを、あえて議員定数削減条例を可決し、ただいまの36名にして、その効率化を目指してきたのであります。

 当時、この定数削減条例の制定については、議員の間で激しい議論の応酬がありました。それを乗り越えての実現であったのでありますが、自来今日に至りますが、議会の機能に支障を来してはおりません。これは制度改正の決断が結果を生み出す最大不可欠な要素であったと評価しているものであります。ただいまも行政の効率化を求める調査特別委員会において、その方途をいかにあるべきか、鋭意論議を重ねているところであります。

 当局側におかれましても、3カ年ほどの計画で実行ある組織見直しの結論を見出す検討委員会を設け、努力していると承っております。意識の上では、当局も議会も共通の立場に立っているものでありますから、十分な精査の上、できるだけ早期に結論の出てくることに期待をしております。昭和42年、先ほど触れました鷹野啓次郎市長時代、現今の庁内組織の原則論が確立されたと聞いております。この職員、職場間の流動体制への移行は、当時、全国の注目を浴び、視察団が引きも切らずの状況であったと記録にはあります。さりながら30年近くの経過を見てまいりますと、発足当時の理想とは裏腹に、全く違った方向に向かってしまっているのではないのか。分権所管の権能と責任は残ってるのではありますけれども、組織が余りに細分化された結果、責任の所在が不明確になってはいませんか。分権所管の認識もあいまいになり、所管部はさらにその上部に判断を仰がなければならない、結論が出せなくなっているのではないでしょうか。このような私の指摘に対しまして、当局の所見があったならお示しいただきたいのであります。

 私の持論でありますが、組織は人によって機能する。人材を求めることと責任の所在を明確にすることが、最高、最大の要件であります。当局の組織見直しの検討結果は待ちますが、余りにも細分化されているただいまの職場機構にメスを入れなければ、求むべき結果は生まれがたい。現在までの検討結果の概要を説明していただければありがたいと思います。

 加えて一言、この種の改正については、最高責任者のリーダーシップが強く求められます。山本市長の決断にかかっている課題であろうと指摘をしておきます。

 先ほど末木議員が、広域行政の推進に関係して、地方分権に触れられました。市長がこれにお答えをいただいたのでありますけれども、少しく明確でないような感じがいたしますので、この分権論についていささかお伺いをいたしたいと思います。この地方分権論―――最近いろいろ期待と夢を持つ中に語り合われているように見るのでありますけれども、何を分権してもらうのか、どういうものでしょうかという疑問を、まず私は投げかけます。この分権論ということがいかにも地方自治体の自主性を助長し、自らの判断、決断によって、行政が執行できるような期待を持たせてはおりますけれども、なかなか日本の政治の仕組みはそうはなっていないのではなしいでしょうか。

 まず中央政府ががちっと幾つかの行政権を握っております。そのうちの幾つかを地方にくれるといたしましても、今の税制改革の流れもあるわけでありますけれども、財政の裏付けが果たしてあるのでしょうか。行政、権限だけは地方に与えてくれたけれども、財政の裏付けがない。一つの事例を申し上げますと、山梨県で建築確認指導を行っているのは、甲府市だけであります。あとは県の土木部が各地方土木事務所を通じて行っているわけでありますから、あれも地方分権の一つの、甲府市に力があったからもらえたということでありましょうが、やはりあれだけのポジションを置いて、あれだけの膨大な資料を検討し、ということになりますと、小さな自治体であれ受け入れられないとしますと、私はこれからの地方分権というものは、やはり与えられたものをもらうのみならず、これは要らないよ、これはいただくよという、自らの判断もこれからの進行の中で考えていかなけりゃならない課題だと思うのであります。

 次に、話題を少し変えます。

 行政には、ハードな政策とソフトな政策という二つの流れがあります。もちろん、この流れといいますか、スタイルの相違は混然一体として進められるべきものではありますが、時には出発点を異にして進められることもなしといたしません。ソフトな政策に求められるものは、主流としては、教育または福祉でありましょう。福祉政策の今後について私見を述べながらお考えをお聞きいたします。

 福祉政策とは何を指すのか。かつての社会的弱者に対する政策のみならず、今は表現言葉が豊富であります。生活福祉、教育福祉、住民福祉、はては道路福祉までも要望として出てくる時代であります。年金制度の確立、健康保険の安定、老人福祉、児童福祉政策等々、制度として整ってまいりまして、民主社会を保障するに至っておりますことは、戦後50年の歴史、政治の悩みを感ずるものでありますけれども、この制度施策を充実に向かって、我が国の政治が目指してきた一つの姿の成果として評価されるものでありますが、単独政権として長い間政局を担当してきた保守党だけの成果ではなく、野党にあって政権に強く迫ってきた社会党をはじめとする穏健の政党の存在もこの際高く評価しなければならないと思っております。福祉政策のみではないのでありますが、施策と負担をめぐって大きな政府は、小さな政府は何か、の論議も世界にある大きな流れのようであります。我が国の市民もまたこのいずれかの選択をしなければならないのではないでしょうか。福祉政策を論ずるにあたり、政策拡大を唱えることは、聞く側の耳には心地よい響きを持っております。負担増を説くことは、聞く側の理解を得るのはなかなか困難であります。福祉の充実、拡大を論ずることは容易でありますが、負担増を国民に向かって演説することは、政治の場にいる者のタブーのようであります。国会議員から町村議員に至るまで、さらにはいずれの首長もここには触れることを避けているように私は見ているのでありますが、いかがでしょうか。大きな政府に期待をするとするならば高い負担が伴うものであり、小さな政府とはその逆になるのではないでしょうか。甲府市にとりましても判断を迫られます。本来、民主社会の自治体の責任はどの辺にあるのだろうか。資本主義、自由社会の各々の市民は、個々の生活の責任は自助努力によるものであります。個々の能力では解決しがたい課題が、自治体の力と責任において処理されるべきものであり、それには市民個々の負担が常につきまとう。いわゆる痛みが伴う政策になっていくわけであります。高福祉社会に向かってさらに前進しなければならない世相の中で、本市はこの高福祉高負担か、低福祉低負担か、あるいはその中庸か、いずれの道を選ぶかは、政策方針として決めなければならないことだろうと思います。

 昨日も、我が会派の堀口議員が代表質問として、新病院について幾つかお聞きしておりますが、そのダブらない点について二、三点お聞きをいたします。

 この事業は大型プロジェクトの最たるものでありまして、総額260億円ぐらいの財源は必要とする構想のもとに進められているものでありますから、この機会に明確なお考えをお示しいただきたい。いわゆる昨日も触れましたけれども、当初の平成8年度開院が1年は遅れるだろう。そういうことをお聞きしておりますから、1年の延期でもって確実に事業が進むでしょうか。その辺は、私どもといたしますと、財源手当等々から非常に心配するところでございます。さらに、用地取得は当局の努力により92%の交渉が成立した。あとに残ったのは、その他の権利関係の整理を必要とするためと伺っているのでありますけれども、ここまでに至った当局の御苦労は高く評価いたします。では、ありますが、この92%の交渉契約済みの面積と、残りの8%の未契約面積はどうなっているのでしょうか。さらには、この未契約8%の対象がいかなる権利関係の整理によって未契約なのか。幾つかの事情があると思います。ただし、これがそれ個々人のプライバシーに影響するところまではお聞きするつもりはありません。当局のつかんでいる範囲内として御説明していただければありがたい、こう思っております。

 次に、下水道事業の進捗状態についてお聞きしておきたいと思います。現在市街化区域内公共下水道の供用率が70%になったとのこと、高く評価をいたします。下水道事業が、新設工事、既設の維持管理、そして起債償還のためのバランスをとるのに苦労していることは承知いたしておりますが、この事業は、2回、3回の見直しをしなければならない経過を経て、平成12年度までは市街化区域内100%供用開始をいたします。甲府市全域は平成22年度以内完成したいと、当局はたびたび表明しておりますが、このスケジュールに間違いはないでしょうか。

 この事業は、約40年を経過しているのでありまして、全国主要都市の中で普及率はかなり高い水準にあるのでありますから、全体像としては間違いなく本市の努力は評価されてしかるべきものであります。が、市民の間の負担と受益の公平公正という観点から述べさせていただけるとするならばぜひ、またはこれに伴う負担は公正になされているはずでありますが、供用区域と非供用区域に40年の格差が生じていることは、いかがなものでしょうか。

 ことに都市計画税は、固定資産税にスライドしてプラスされ、目的税でありますから、下水道、都市計画街路の都市公園事業等に配分されているものであります。同じ負担を負いながら、片や快適な生活環境に浴し、片方は依然くみ取りと同じような条件のもとで生活していなければなりません。この格差を市長はどのように眺めていられるのか。しかも、供用区域の代弁者は、この下水道使用料についても、公共料金値上げ抑制の持論に立ってクレームをつけているのが現状であります。未供用の地域の市民は、下水道使用料を払うのは当然であり、快適な生活環境を早く整えてくださいと、切なる願いが私どものところに来ているのであります。さりながら、水は低きに向かって流れるのであります。順序は待たなければならないことは十分承知をしております。確固たる事業計画をお示しください。

 最後に一点だけ。山梨県1時間ネットワーク道路構想というのがございます。甲府市関係といたしましても、南部工業団地と西下条工業団地の関連、あるいはまた今の山の手通りのもう一歩山の中へ山岳バイパス道路をつくろうという構想が県にあるようであります。甲府市の担当者は、この件について恐らくある程度の県との話し合いは持たれていると思いますので、この機会にその内容についてお示しいただければありがたい。

 以上で、私の第一弾の質問を終わります。

○議長(森沢幸夫君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 福島議員の御質問にお答えいたします。

 まずはじめに、平成7年度の予算編成についてでございますが、平成7年度の予算編成につきましては、第三次総合計画の新中期基本計画を基本とした市政執行方針に基づきまして、総合的な年間予算を編成してまいる考えでありますが、御承知のように新年度は統一地方選挙が行われるとともに、第三次総合計画の後期基本計画の見直し年度でありますので、新たな事業で、高度の政策判断を要する事業につきましては、選挙後の市長及び議会の意向により政策判断をしていただく考えであります。

 次に、厳しい地方財政の実態を、市民にどう理解を求めるかとの御質問でございますが、バブル崩壊によりかつて経験したことのない長期にわたる景気低迷が続き、国をはじめ地方自治体においても、その財政環境は大変厳しい状況であります。このため第三次総合計画の中後期基本計画に位置付けられたそれぞれの事業についても、年度間調整等を図る中で対応しているところであります。

 財政状況につきましては、広報誌等を通じて機会あるごとに市民の皆様にも御理解をいただけるよう努めてまいりました。特に市民や団体と直接関係する個々の事業につきましては、各部局の担当者が、市民の皆様や関係機関に対し十分御理解をいただけるよう努力してまいったところであります。今後におきましても、地方財政の厳しい状況につきまして、市民の皆様や関係者の御理解をいただけるよう、努力してまいりたいと考えております。

 次に、地方分権に対する考え方についての御質問でございますが、国の分権の基本的な方策が、現時点では必ずしも明確ではありません。国の規制が多くの分野にまたがっていることから生ずる縦割行政の弊害や、国の地方に対する過度な介入などにより、本来の機能が発揮できないという部分が数多く見られ、基本的には官から民へ、国から地方へという理念に沿って地方分権が進められると考えております。国の効率行政のみの見地からの分権ではなく、まさに地方が住民福祉のため、自主的、主体的な行財政運営を行うことのできる地方財源の確立の図られた行政のあり方についての見直しが望ましい地方分権であると考えております。本市といたしましては、これらの動きに呼応し現在自主的な行財政改革を進めており、事務事業の総点検の中でも地方分権について検討をしてまいります。そして、地方の自立のための受け皿として、行政執行能力を高める能力開発の研修や、人材確保の強化を図り、21世紀を展望する新しい地方自治のあり方等についても検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、福祉政策のゆくえについての御質問でございますが、我が国は戦後の混乱期から国民の血と汗のにじむ努力によって、社会経済情勢は、目覚ましい発展を遂げてまいりました。これに伴いまして、福祉制度も年々充実をされ、欧米諸国と比べても引けをとらない水準までに達したところであります。また、地方におきましても、弱者救済を中心とした独自の福祉政策がとられ、住民はきめの細かい福祉行政の成果を享受できるようになりました。しかし、厳しい財政状況の中、これからの高福祉社会の実現に向かっては、先ほど議員のお説のように、自ら助ける自助、地域社会が互いに助け合う互助、そして行政が力を沿える扶助、その考え方を基本とした地域福祉システムを構築し、エコープランの理念でもある地域住民がともに支えあえる福祉社会を形成していくことが大事であると考えております。

 そうした中で、行政でなければできない分野については、行政が積極的に取り組んでまいりますが、御指摘のとおり、市民と行政の役割分担についても、明確にする必要もあろうかと思います。これからの少子化、超高齢化社会の到来を踏まえまして、今後におきましても、雇用、住宅、まちづくり、教育政策を含めた総合的な福祉政策について、市民の皆様の御協力を得る中で、積極的に推進してまいりたいと考えております。

 次に、下水道事業の進捗状況と確たる事業計画についての御質問でございますが、本市の下水道事業は、昭和29年に事業の認可をいただき、当初は甲府駅南498ヘクタールを10カ年で整備を行うという計画でありましたが、時代の流れとともにその後数回の見直しを行い、現在全体計画4,030.8ヘクタールのうち3,216ヘクタールの事業認可をいただき、順次整備を行ってきたところであります。平成5年度末の整備率は63%、人口普及率71%となり、政令指定都市を除く県庁所在都市としては、全国で6番目にランクされるまでになりました。本年度も183ヘクタールの面整備を行うなど、積極的に事業推進を図っておるところであります。下水道事業につきましては、5カ年ごとに見直しを行うことになっておりまして、平成7年度が第8次5カ年計画を策定する年次となっております。厳しい財政状況下ではありますが、国、県の補助対象の拡大を求めるとともに、一般会計との整合性を図りながら、第8次5ヵ年計画の終了する平成12年には市街化区域の全域を、さらに平成22年には計画区域全域の整備を完了させてまいりたいと考えております。

 次に、新山梨環状道路構想についての御質問でございますが、新山梨環状道路は、山梨県が策定した県内1時間交通ネットワーク構想で示された、甲府都市圏を取り囲む全長44キロメートルの環状道路で、この都市圏域は21世紀初頭には、リニア中央エクスプレスや中部横断自動車道などの高速交通体系が確立され、本格的な広域高速交通時代を迎えるところで、新山梨環状道路は、地域道路整備として必要不可欠であります。

 この道路は、甲府盆地一帯の市町村の広域的連携と交流の促進が図られ、その波及効果が大きく期待できるもので、こうしたことから早期整備の実現を強力に支援するため関係市町村と各種団体等において、新山梨環状道路整備促進期成同盟会を本年7月設置し、県及び国の関係機関に対し、早期整備の実現を強く要請しておるところであります。本市では、北部、東部、南部の一部区間が行政区域を通過する構想であり、中でも北部区間につきましては、国道140号線バイパスを包含し、北部地域の振興にも連動し、また市内の恒常的な渋滞緩和策としても、早期整備が望まれているところで、ルート選定、整備手法等についても、今後十分協議してまいる考えであります。御理解を賜りたいと存じます。

 なお、他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。

○企画推進部長(丸山正之君) 企画関係2点の御質問にお答え申し上げます。

 まず、税制改正による本市財政の影響についてどうかという御質問でありますが、今回の税制改正に伴う、本市財政への影響につきましては、地方財政対策が現時点では不透明でありますが、市税関係で恒久減税額が約12億、それから特別減税額が約7億、合計で19億円の影響があるのではないかと試算しておるところであります。消費税の地方への配分率につきましては、今までは19.2%であったものが、29.5%に引き上げるということに予定されております。したがって、地方財源の不足額1兆5,200億円がそのまま地方へ補てんされるという見通しがついております。したがいまして、原理的には影響を受けない措置がとられていると言えますが、交付税関係については、御案内のように財政力によって調整されるという場合がありますので、引き続き地方税財源の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、今後の経済動向と本市財政運営についてのお尋ねでありますが、御指摘のようにバブル経済の経済原理やその後の景気浮揚策等についても所論が分かれております。いずれにいたしましても、国の経済動向は緩やかながら回復の兆しが見えてきたものの、長引く景気低迷を反映いたしまして、個人消費の落ち込みや民間設備投資の低調、さらには急激な円高等による影響も相まって、回復に向けた動きが自立的なものとは言えない状況にあり、今後におきましても厳しい財政状況が続くものと受けとめているところであります。したがいまして、本市の財政運営にあたりましては、常に経済動向を見定めながら、慎重かつ健全な財政運営に努めてまいる考えであります。御理解を賜りたいと思います。

 以上です。

○総務部長(都● 登君) 組織機構についての御質問にお答えいたします。

 行政需要や時代の動きに対応してきた現行組織が、職制比率の高い、細分化した硬直化傾向にあることは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、これらの点を含めまして、平成7年度中に行う抜本的な組織改革で明らかにしてまいる考えでございます。なお、現在主査を主体としたワーキンググループを発足させ、全庁的に事務事業の見直しを行うべく、総点検活動を行っているところでございます。御理解賜りたいと存じます。

○下水道部長(荻野紀次君) 下水道供用開始40年の格差についてお答えを申し上げます。

 本市の下水道事業につきましては、昭和29年に事業の認可をいただきまして、第1次の供用開始は昭和37年8月1日でございました。その後32年を経過した平成5年度末で、人口普及率は71%であります。目的税でありますところの都市計画税をいただきながら、まだ下水道が整備されていないという区域がありますことは、承知をいたしております。しかしながら、下水道の事業の特性としまして、終末処理場から順次幹線を引き、また面整備を行って供用開始という段取りになりますことから、上流地域の整備に期間がかりますことも、御理解を賜りたいと思います。

 また、使用料の問題についてでございますが、受益者負担の原則に立って負担をしていただかなければならないものと存じております。御理解を賜りたいと思います。

○病院建設室長(藤巻康夫君) 病院建設2点についてのお答えを申し上げます。

 新病院建設計画についてでございますが、新病院建設計画につきましては、甲府市第三次総合計画の中で中期に完成を目指すことが位置付けられておりましたが、用地取得の全般的な遅れから、当初予定の完成が難しい状況でございます。用地取得の状況により建設計画の調整を図りながら、早期完成に向けて努力していく考えであります。

 次に、新病院建設用地の契約状況についてでございますが、新病院建設用地の契約状況でありますが、契約済みと契約可能面積は、買収予定面積の92%、約5万6,094平方メートルであります。残り8%は相続、権利関係等によるものでありまして、約4,877平方メートルでございます。今後はこれらの整理に積極的に取り組みまして、早期解決に向けて努力してまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○議長(森沢幸夫君) 福島 勇君。

○福島 勇君 それぞれの私の質問につきまして、お答えをいただきました。幾つかまだまだ言いたいことはたくさんあるのですが、絞って申し上げますと、まず企画部長が財政の健全を図りたい、これはそのとおりだと思うのですが、今度の中央の税制改革で恒久減税3兆5,000億、地方税の2兆はたしか将来見直しになると思うのですが、これでその不足分は、消費税を3%を5%にアップして、そのうち2%は地方消費税、それから総合的なものを、また地方譲与税といっているのかな、それを配分するという構想ですが、まず時間的にいって2年のずれがございますよね。あれは平成8年からの予定のはずです。2年のずれがある。しかも、消費税が果たして国民合意のもとに予定どおり5%いくものなのか、いかないものなのか。まちの中へ歩いて5%消費税値上げということは、決して喜ばれている話題でないことは事実であります。その不確定要素があります。しかも、今年たしか12億前後の減収補てん債、これがあったと思うのですが、これは政府でいうところの赤字国債、私どもも起債、公債については、議会というところはうるさく発言をしているはずでありますが、将来にわたっての投資、先行投資をすることによって、起債が必要とされる。その後代の人がこれを払う。施設が残って、資産が残っていくわけですから、今の人が借金していたものを、後代がこれを返済していく。これは理屈に合っているのですが、丸っきり何もない赤字債権を、甲府市みたいな小さな自治体で、これ10億ずつやっていって、あと何か、消費税問題が片付けば、地方自治体へ利息と元金を地方税に上乗せして返すような美しい言葉も聞こえてくるのですが、これはその時になってみなけりゃ政府は信用できない。しかもあんなグラグラした政府が何ができますか。明日どうというか、さっぱりわからぬ。それだけに私はよけい心配する。

 いろいろありますが、資料もあるのですが、地方交付税の減収額2兆700億円を補てんするとともに云々と。そして税財源2兆5,400億確保するため、地方消費税の創設、増収額1兆200億円。これにあわせて、消費税の収入額の29.5%を地方に交付いたしますから、地方財源については、中央政府としては万全な措置がしてある。こう言われているんですが、過去この種のいわゆる7、8年前にもあったと思うんですよ。地方交付の頭切りをやりまして、後々これは政府が面倒みますといったものが、返ってきておりますか。過去の実績からいくと、これは補てんされていない。全国議長会でもかなりこれは3年、4年叫び続けたことですけれども、返っていないはずであります。ですから、やはりこの辺でしっかりとした、つらいときはつらい、その中でやらなければならぬでしょうと。言いにくんですけれども。支持する市長さんの執行ですから、言いにくいんですけれども、やはり言うときには言っておかぬと、皆さんも2、3年たてばやめちゃうんだよな。これ困るんです。やっぱし引き継ぎ、引き継ぎの中で厳しいことを引き継いでもらわなけりゃ困る。ということで、あえて言っているわけであります。

 地方分権は、市長の大体答弁で納得いたします。何をもらうか、何が要らないか、こちらで決めにゃならぬことだと思う。大体納得しますから、その辺はしっかりやっていただければありがたいと思います。

 それから下水道事業ですがね。ある程度は財政的にも苦しいが、面的整備をし伸ばさにゃならぬ、苦労しているのもわかります。ですが、これこそさっき言った、後代に残る資産ですから、無理な起債をしても結構だと。やはり時間的、可及的速やか。少なくとも都市計画税を賦課している市民生活には、最短時間の中で供用開始ができる努力をしてください。

 以上、答弁は結構です。以上要望として、私の質問終わります。

○議長(森沢幸夫君) 関連質問の通告がありますので、これを許します。

 早川武男君。

○早川武男君 我が会派の末木議員が教育問題について質問をいたしましたが、それに関連をいたしまして、ちょうど12月の本会議が開会されておりますので、質問を申し上げたいと思います。

 過日、愛知県の西尾市の公立中学校で発生した、いじめから端を発した小学生の自殺問題が、同年代の子供を持つ親または教育関係者に大きなショックを与えた事件は、昨日国会におきましても、緊急質問がなされました。村山総理は直ちに与謝野文部大臣に、調査の対応を指導をされました。また、法務局もこの問題を大変重視をいたしまして、人権擁護部に調査を命じたことが報道をされております。

 甲府市では現在、市立の中学校が10校、この中で男女の生徒が約6,200人勉強をしておるわけであります。幸い本市では、まだ大きな問題が表面化した事実はございません。しかし、今度の西尾中学校の問題は、対岸の火事としては見逃すわけにはまいりません。そこで、市教委はこの問題について深刻に受けとめられまして、今後の対応を当然指導、徹底を図っていくだろうと思いますけれども、この点につきまして、教育委員会の方針とお考えをお聞きできれば幸いだと思います。

○議長(森沢幸夫君) 金丸教育長。

○教育長(金丸 晃君) お答えいたします。

 今回の事件、本当にまことに残念なことでございます。残念というよりも事の重大性を深刻に厳しく受けとめまして、いじめと生徒指導のより一層の充実に今後取り組んでいかなければならないというように、肝に命じているところでございます。

 実は、本日午前中校長会が開かれました。その席上におきましても、事の重要性を再認識するよう、指導体制のさらなる充実について要請したところでございます。

 具体的に申しますと、今までも甲府市におきましては、他の町村に先駆けまして、あすなろ学級あるいは顧問カウンセラー制度というようなものを設定をいたしまして、できるだけきめ細かな指導の徹底を図るように努力してきたところでございますけれども、今回のこの事故を一つの契機といたしまして、具体的には校内暴力あるいはいじめ、あるいは登校拒否、そういうようなものに対する実態の把握により一層努めて、問題構造全体に対する指導の徹底を図ること。実態の把握ということに関係しますと、そのための児童・生徒と接する機会を、あるいは場を今までよりもより多く持つようにするよう心がけること。そしてまた、教職員全体によるいわゆる総カウンセラー運動と申しますか、指導体制のさらなる推進に努めること、そしてまた学校全体に正義をいきわたらせるような指導になお一層取り組むこと、さらには教育委員会も含め、学校、家庭、それから地域等の関係機関との開かれた協力体制をさらに推進すること、そういうことでございますけれども、要請したわけでございますけれども、いずれにいたしましても、甲府の教育の理念である思いやる心を中心にした教育実践の推進に努めて、このような事態が起こらないように、努力する覚悟でございます。そして、さらなる生徒指導の発展、充実のために努力をするつもりでございますので、どうか御理解の上御支援を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○議長(森沢幸夫君) 早川武男君。

○早川武男君 甲府市の教育委員会の速やかな対応につきまして、敬意を表する次第であります。

 この問題につきましては、私どもも民生文教委員会で、またクラブの選任の委員から質問が出されると思いますけれども、ひとつここで。先ほどクラブの中で、これは雑談の中で出たのですけども、入学の、特に中学の入学の時期になりますと、これは多分私は多くの議員さんが経験をしたり、聞いていることだと思いますけれども、通学区はどこどこだけれども、特に名前は申し上げませんが、こっちの中学に行きたいんだ、何とかなりませんかというふうな、私はこれは親としてはかなり深刻な考えのもとに表に出された言葉だろうと思いますけれども、これはこの場で答弁は要りませんけれども、こういう問題が先ほどクラブの中で幾人かからささやかれておりました。私もこの問題についてはそういう相談を事実受けております。しかし、きちんと決められた学区というものがあるわけでありますから、これを教育委員会では絶対崩さない。そんなふうなことで、またなるべくこっちに行きたいというふうな希望を述べる人に対しては、「いや、とんでもない。現在学区に決められている学校はすばらしい教育施設もできているのじゃないか」というふうなことも話した経過もあります。そんなことを思いまして、この問題については、私は多分教育委員会にも多くの問い合わせがあるだろうと思います。ぜひひとつこの問題につきましても、手落ちのないような対応をしながら、また指導を行っていただきたいことを特に要望して、あとは委員会に任したいと思います。ありがとうございました。

○議長(森沢幸夫君) 暫時休憩いたします。

                午後3時00分 休 憩

                午後3時37分 再開議

○副議長(石原貞夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。

 新社会クラブの代表質問を行います。斉藤憲二君。

 斉藤憲二君。

                (斉藤憲二君 登壇)

○斉藤憲二君 私は新社会クラブを代表して、本定例会に提出された案件並びに市政一般について質問します。同僚先輩議員から、質問が幾つか出ております。若干重複される点もあろうかと思いますけれども、私なりの視点から質問をいたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 山本市長は、感性豊かな活力に満ちた21世紀に向けてのまちづくりと、分権自治の確立を目指して再度立候補を決意し、表明されました。私たちはこれを全面的に支持していきたいと思います。党におきましても、推薦を明確にいたしたところでございます。

 さて、山本市政の1期目はまさに時代の大転換の中で、しかもバブル経済の崩壊以降、経済が回復軌道に乗らないまま、急速な円高が加わり、経済の失速状態さえ懸念される状況の中で展開されてまいりました。一方山本市長は、一党一派に偏ることなく、公正公平な市民党市政を理念として、行政は最大のサービス産業、呼べば応える、打てば響く、市民総参加市政を標榜し、21世紀に向け、ゆとりと豊かさの実感できるまちづくりの実現を目指し、レインボープラン7大プロジェクトを柱に据え、その具体化に向けて努力されてきましたことに対し、敬意を表したいと思います。

 しかし、市政を取り巻く行財政環境は厳しいものがあり、市税収入減の要因も予想され、財源確保は一層困難な状況となっています。このような状況の中で、市長の基本的な姿勢についてまず質問いたします。

 まず第1は、財政収支を安定させるための総合計画そのものを見直し、中期財政計画を策定すべきだと考えますが、いかがでしょう。また、財政収支の不安定さは、投資的経費の増減を国に、県に対する依存財源や許可を受けなければならないという不確定さはありますが、収入との関連付けを行う中で、今何が必要なのか、市民がひとしく求めているのは何かをきちっと把握し、優先順位を決めるなどして、事業の年度間調整を図るなどして、財政危機を乗り切っていくべきだと考えますが、いかがでしょう。

 行政は一口にいっても本来の福祉的公共行政だけでなく、採算の求められる企業的行政がある。後者の場合、それ相応の経営力を発揮するのは、市長に課せられた責務だ。もちろんもうけに過度に固執するのは行政の本分ではないけれども、それを承知で、またあえて誤解を恐れずにいけば、財政危機の今、自治体と言えども経営力をつけなければ、市民福祉の向上はおぼつかない。そしてこれから地方の時代を迎えるにあたって、地方の自立を何としても実現しなくてはと言った、かつての神戸市長の言葉を思い出してみたが、このことについて今の甲府市に置き換えて考えた場合、いささか考えさせられる言葉として受けとめましたが、市長は行政に経営力をつけるということに対し、どのようにお考えになるか。将来的な抱負を含め御所見を賜りたいと思います。

 次に、エコープランの策定であります。市民の手による市民のためのまちづくりとして、エコープランがこのほど策定を見たことは、まさに画期的なことであり、山本市長の掲げた政策がまさに花開いた感じで、心から敬意を表したいと思います。しかし、今後このエコープランと第三次総合計画とどう整合させていくか、そして市民自らのまちづくりに行政がどのように支援し、行政執行の上でどのように連動を図っていくかが大きな課題であると考えます。市民が期待しているだけに、また県下はもちろん全国的にも注視されているだけにすばらしい実をつけ、成果が上がることを願っています。市長の今後に向けた決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、遊休公有地の活用であります。甲府市の公有地が活用のめどが立たないまま放置されています。今日ほど有効的な活用を図ることが求められていると言っても過言ではありません。庁内に公有地活用のためのプロジェクトチームをつくるなどして、積極的に取り組むべきだと思うが、いかがでしょう。

 次に、地方分権の受け皿づくりであります。地方分権をめぐる論議が重要な段階に差しかかってきています。分権化によって行政の転換も図られようとしています。分権は中央から地方への移譲であることから、生活者の人々に最も身近なところに分権されなければなりません。このことに伴い処理する仕事も増加し、それによる人、財源をどうするのか、不可欠の課題となることは避けられません。これらの状況と並行して現状の県と市の行政の守備範囲、財政負担等について見直し、そして議論がされ、整理されていかなければなりません。その上で国と県に対して積極的に働きかけていくべきだと考えます。また、政策形成と行財政にかかる執行部の能力を高めるための研修制度の充実や、縦割行政の改革など、自己変革を進めることや地方分権特例制度を実効あるものとするため、各種許可権限の地方移管や機関委任事務の撤廃、補助金の一部財源化等、具体的な行政執行の検証を通じ、制度の充実強化を図ることなど、受け皿づくりを進めるべきだと思いますが、いかがでしょう。

 特に分権型システムの転換は急務となっています。地方分権を視野に入れての検討を進めるための地方自治委員会(仮称)の設置をしたらどうかと考えます。市長の御所見を賜りたいと思います。

 次に、30万都市の実現と人口増加対策であります。地方分権が推進されるにあたって、先ほども質問の中で出ていましたけれども、地方自治体の強化が急がれています。総理大臣の諮問機関である地方制度調査会は11月22日地方分権と自主的な合併について、村山首相に答申されました。30万都市を掲げる県都としての本市といたしましても、広域圏都市行政の発展が望まれています。またリニア中央エクスプレスを展望したリニア新駅、中部横断自動車道、新山梨環状線など、基盤整備を踏まえた一体的な発展方向が必要な今日、市長は近郊町に対して将来をにらんだ上での諸問題について話し合いのテーブルにつくよう、呼びかけていく用意があるのかどうか。9月議会で皆川議員は、全国的な盆地サミットを提唱しましたが、継続的な都市間の交流をつなげる大変すばらしいイベントだと思いますが、それと同時に近郊町村とのきずなを強くすることも求められています。この際、リニア新時代を迎え、行政間の対話が始まってしかるべきだと私は考えます。さらに、30万都市実現のための都市づくりを構築していくなど、その到達に向けてのプロセスを設定し、それに基づいて進めていくことが大切だと思います。以上、市長の御所見を賜りたいと思います。

 また、甲府市の人口が20万人前後で足踏みをしています。土地開発公社の分譲といい、新婚世帯向けの家賃助成制度の思惑は大きく外れ、分譲価格や所得制限の見直しを含め、思い切った修正が求められています。車社会の今日、近郊町村への人口の流出は確実に進んでいる中で、何が都市に魅力を失ったのか、的確に把握し、対応する行政の施策が必要です。もちろん、環境、福祉、医療、教育、文化など都市機能としての早期整備が重要でありますが、特に保育園や児童館をはじめ、公園や駐車場、上質な公共住宅の確保、土地利用計画の積極施策の展開、さらには若者の働く場の確保と、憩うことのできる商店街の形成など、若い世代者が住みつくまちづくりが急務だと考えます。御所見を賜りたいと思います。

 次に、良好な市街地環境の形成や、機能的な都市活動の確保を目的とした新用途地域制度についてであります。指定替え作業が進められ、移行案が県から示され、12月下旬公聴会を経て、来年5月以降実施されるそうでありますが、今回示された内容から、用途変更により規制緩和ないしは強化された特徴的なものは何か。住居系で本市の場合、今までの住居系の面積は幾らで、新しく示された面積はどのくらいか、そして新用途地域の指定によって人口増にどのような影響を及ぼすのか、今後のまちづくりの計画をつくる上で極めて重要な問題であるだけに、どうこれを認識され、分析されているのか、お示しをいただきたいと思います。

 次に、高度福祉社会の確立であります。核家族や共働き家族の増加など、家族構成も大きく変化している中で、本市は他都市に類を見ないスピードで高齢化、少子化が進んでいます。全国と本市を比較すると、昭和45年、全国7.1%、本市6.9%であったものが、平成4年には全国13.1%、本市15.0%と逆転し、さらに6年後の総合計画の最終年の平成12年には全国16.3%、本市18.4%と予測されています。

 このような状況の中で、以下数点にお伺いします。

 まず、その一つは、高齢者が住みなれた自宅や地域で自立した生活を送るため、高齢者の住環境の整備が必要です。そのための増改築等資金の助成について、平成5年度調査費が計上され検討されてきた事項でありますが、その後の経過と今どうなっておられるのか、在宅介護が重要視されている中で必要なことだと考えますが、いかがでしょう。お伺いします。

 さらに、住宅建設についても、今や社会的な生活基準の向上もあって、若者が上質な住宅を望み、しかも夫婦共稼ぎの世帯の増大もあって、今の所得制限に合わないとの声も聞かれ、国でも特別優良家賃制度の住宅も指導されています。一方、高齢者や障害者の住宅も建設してほしいとの声もあります。したがって、今後一般住宅と福祉住宅に分けるなど、その建設も二面性を持つ中で推進されるべきだと思います。一人暮らしの高齢者や障害者がふえている中で、ぜひ取り組んでほしいと思います。

 次に、福祉制度の市民のPRについてであります。高齢者の在宅介護を応援しようと、社会保険庁は昨年10月から特殊ベッドなど在宅介護機器レンタル料の7割助成を始めました。しかし、このような施策が講じられているにもかかわらず、制度を知らないばかりに利用が少なく、制度そのものが生かし切れない点を重視しなければなりません。市民に対し、甲府市の福祉関係の制度を含めて、スライドやビデオを使うなどして、高齢者障害者の中へ積極的に飛び込んでいって、PRにこれ努めるべきだと考えます。そのため公民館窓口に高齢者のための相談窓口の設置や、定期的な巡回指導を行うなど、まさに受動的でなく能動的な施策展開を検討してみたらどうかと思いますが、いかがでしょう。これこそまさに地域のボランティア活動と連動するものだと思います。

 また高齢者の生きがい対策としても、働く場の確保を支援していくべきだと思います。そのため近く計画されている環境センターの再生工場とシルバー人材センターとの連携を図ることを考えてみてはどうか。さらに、シルバー人材センターの事業内容も、介護事業を取り組むなど、その内容の充実と拡大を進め、高齢者の就労機会の確保を図ってほしいと思いますが、いかがでしょう。

 次に、痴呆症老人対策についてであります。新ゴールドプランで示されていますが、その中で痴呆症老人対策が盛り込まれていますが、その一つにグループホームの設置促進が掲げられています。新しいケア方式として、学校地区単位に開設されることを期待しますが、その導入について検討される用意があるかどうか、お伺いします。

 次に、高い専門性を持った職員の養成であります。市民と職員の意識が変わらないと、福祉のシステムは生かせないと言われています。このような時にボランティア活動の機運が高まっています。地域に助け合いの心、思いやる心の醸成は、市民意識を変える大きなインパクトとなるでありましょう。これからの高齢化時代を考える時に、この活動こそ求められていたのではないでしょうか。行政としてもこれを支え、そしてより活動できる環境づくりをしてほしいと思います。しかし、ボランティアがすべきこと、すべきじゃないことの区別もはっきり徹底していくことも大事であり、ネットワークの中心となる高い専門性を持った職員の養成も必要だと言われています。地域のボランティア活動と連携した行政のこのような施策の展開こそ考えるべきだと思いますが、御所見を賜りたいと思います。

 次に、高齢者福祉政策における新市立病院の位置付けと新病院における在宅ケアについてお伺いします。

 新市立病院建設基本構想の中で、新病院は今後予定される高齢化社会の進展に伴う適切な福祉・医療・保健の確保のための活動拠点の一つとして、さらに福祉・医療・保健のネットワークシステムの中で、その核として位置付けられています。しかし、そううたわれていながら、この3月に作成された高齢者保健福祉計画においても、新市立病院のあるべき姿が明確になっていません。

 そこでまず、高齢者福祉対策における新市立病院の位置付けはどうなっているのか、お伺いします。私どもの会派はこの秋、地域の中核病院として在宅ケアに積極的に取り組んでいる佐久総合病院と、病院から突き上げられたような形ではあっても、医療機関と一緒になって福祉対策事業を進めている佐久市を視察してきました。佐久総合病院は、退院した患者を主に対象として、1988年から医師による定期的な訪問医療、看護婦による定期的な訪問看護、理学療法士による在宅リハビリなど、24時間の往診体制をとっています。また、老人専門病棟に専用電話を設置し、24時間の電話相談にあたっています。さらに、暮らしに対する援助に対応するため、自治体との間で月1回ケア委員会を設置し、医療スタッフと自治体と福祉担当職員、保健婦、ホームヘルパーなどがそれぞれのケースを持ち寄り、サービスの調整を行っています。高齢化が進んでいる地域とはいえ、医療機関の積極的に老人問題を取り組むことで、医療・保健・福祉の一体化を具体的に実現している姿勢は、見習うべきものがあると思います。新病院でも、老人専用病床を設置するとしていますが、高齢者福祉の中でどのような役割を担うのか、また退院後のケアについて何が方針であるのかどうか、お聞かせください。

 さらに、訪問看護システムの導入を図りたいとしていますが、具体的にどの程度の規模を考えているのか。例えば看護婦数の問題、対象者の数なり、訪問回数など、どのように考え、進めようとしているのか、お示しください。

 甲府市高齢者保健福祉計画によると、平成11年には本市の高齢化率は山梨の平均よりも大きくなり、寝たきりの推計数も1.3倍ぐらいになります。老人の有病率は70〜80%とも言われていますから、経管栄養、気管切開、人工呼吸装置者、床ずれ処置を必要とする人などが、在宅でケアされることも多くなることが予想されます。在宅ケアと施設ケアを柔軟に使いこなして、共倒れを防ぎ、無理の少ない、長続きのできる在宅介護を可能にするために、病院は医療の領域を越えて、保健・福祉の領域に乗り出し、まさに医療・保健・福祉のネットワーク化を図ることが必要ではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。

 次に、ホスピスについてであります。ホスピスについては、社会的にも理解を深めようと山梨で発足して3年経過したホスピス研究会が、ホスピスケアにおけるボランティアの役割を自覚しつつ頑張っています。そのため県民、市民の間にも徐々に関心が深まり、患者さんと最期まで生き方をともにすることの大切さを、多くの方が感じ始めています。そして、この重く大きいテーマに社会全体が取り組む必要性も迫られていることも事実であります。このような状況の中で人間最期の時まで人間らしく生き抜くための支援を受ける場としての緩和ケア病棟が求められています。既に全国的にも厚生省の認可を受け、この病棟が設置されている地域が13都道府県にのぼっております。また、拡大する傾向にあると聞いております。本市におきましても、新病院を建設する際に、このような病棟を設置について前向きに検討すべきだと思いますが、いかがでしょう。御所見を賜りたいと思います。

 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意関連対策と、本市農政の対応についてであります。昨年12月ウルグアイ・ラウンドの合意を受け、国においては村山総理を本部長とする緊急農業農村対策本部を設置し、先般、今後2000年までの6年間に6兆100億円の国内対策が発表されました。ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉は、1986年から7ヵ年にわたって交渉が続けられて、ようやく合意に達したものであり、これからの農業経営や地域農業の姿をどう築いていくのか。また財政的にも国民の合意をどう得ていくかなど、かつてない試練と課題を抱えていると言えます。しかしながら、現実的には来年度から牛肉、オレンジ、乳製品をはじめ、多くの農産物の関税が引き下げられ、また品目によっては輸入制限が廃止され、さらに最大の関心でありましたコメは、関税下の特例となったものの、国内消費の4%、約39万トンを初年度として、年0.8%増、2000年には8.0%、約75万トンの輸入義務、いわゆるミニマムアクセスが設定されました。これは国内生産が過剰であっても実行されるものであり、まさに管理貿易体制の何ものもないと言わざるを得ません。

 さて、さきに申し述べました関連対策は、このような内容と今後の日本農業の影響を最小限に食いとめつつ、国際競争力や足腰の強い農業への脱皮を図ることを目的としたものでなければならないと判断しております。また、大きな影響を受ける中山間地域には、地方交付税による農村、漁村、ふるさと事業など、合計で1兆2,000億円が別枠で計上されると聞いております。医療や福祉水準の向上、社会教育、文化施設の充実など、中山間地域の生活基盤の確立も必要となります。農山村地域によって、その状況は大きく異なっています。国や県の画一的な政策には効率的とは思いません。住民の責任で取り組む住民参加の施策が必要とされております。エコープラン推進会議の策定したエコープランを具体化することも一つの方途と思いますが、これらの状況にどう対応し、本市農業の振興を図っていくのか、基本的な考えをお聞かせください。

 次に、市民の窓口センターについてであります。

 エコープランに見られるように、市民に積極的に将来に向けての個性ある地域づくりを新設するため動き出しました。このような時にあたり、行政は最大のサービス産業であるとの理念のもとに、行政課題に取り組んできていることも、言うまでもありません。市民に対する行政サービスとして窓口センターの充実もその一つであろうと思います。現在の庁舎環境を考えれば、なおさらの感さえいたします。平成9年には戸籍のオンライン化も予定されています。既に課税証明書等については、利用できるそうでありますが、転入、転出手続等もできる、幅広く住民ニーズに応えられるものとして、窓口センターが対応できるよう充実すべきだと考えます。また、福祉センターについても、窓口センターの設置を検討できないでしょうか。さらに南公民館については、総合市民会館の開館日に合わせて、窓口センターを開くなど、市民の利便を図られるようにすべきだと思います。市民センターの休館日である火曜日については、今の公民館の利用者も減っているものと思います。したがって、市民会館に合わせることはより効率が上がり、市民の利便を図ることにつながると思います。また、一方においてこのことは日曜日に開館することでありますので、日曜日に稼働する電算機のシステムの改善も図らなければならないという問題もあるわけでありますから、この点改善できるようぜひ検討していただきたいと思います。これが実現されることを市民は期待をしています。これからも住んでみたい甲府の施策としても、積極的に取り組んでほしいと思いますが、将来的な見通しを含めて御所見を賜りたいと思います。

 最後に、審議会をはじめとする附属機関の効率的な運用についてでありますが、現在市におきまして、審議会をはじめとする附属機関が70を数えていますが、果たしてすべて機能しているかどうか、検証してみる必要はあるのではないでしょうか。年に1回も会を開いていないという機関は、必要でしょうか。複数の委員を兼務して、果たして正しい姿と言えるでしょうか。時代は急激に変化している中で、今の時代にそぐわないものはないでしょうか。そのことによって、休眠状態になっていたり、形骸化していたりするとすれば、会そのものの存在価値が問われるのではないでしょうか。委員の委嘱でポスト配分はわかりますが、できるだけその団体にお願いして、幅広い人の中から選出してくれるよう依頼するのは、決して不可能ではないはずです。甲府市の附属機関委員の選考に関する取り扱い要領でも、重複選考の制限として「同一人を5つ以上の附属機関の委員に重複選考しないよう配慮する」と明記されています。どうか、この取り扱い要領が生かされ、本当に必要な委員会として多くの市民が参画するすばらしい知恵と知識が発揮される場として、その役割と任務が遂行されるよう願っています。改善に向けてのお考えをお伺いします。

 以上で、私の質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。

○副議長(石原貞夫君) 市長 山本栄彦君。

                (市長 山本栄彦君 登壇)

○市長(山本栄彦君) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 はじめに総合計画の見直しと財政危機を乗り切るための方策についての御質問でございますが、地方自治体を取り巻く財政環境は年々厳しさを増し、総合計画に位置付けられた事業を、年次計画に沿って確実に執行することは、御推察のとおり大変難しい時期に来ているものと考えております。したがいまして、事業化を図る上での優先順位はもちろんのこと、効率的執行方法等にも意を注ぎ、順次計画的実現を図ってまいります。また、御提言をいただきました趣旨につきましては、平成7年度に予定しております総合計画の後期基本計画の見直し作業の中において、十分反映させるとともに、事業計画策定にあたっては、自主的財源の確保はもとより、確実な事業財源の確保対策についても配慮しながら、財政計画主導の事業執行に努めてまいりたいと考えております。

 次に、経営的行政運営についての御質問でございますが、住民福祉の向上は行政の使命で、その具体的な施策の推進には、最少の経費で最大の効果を上げることが、行政の都市経営の大原則であります。社会的生活ニーズの充足を、政策目的としてどのように推進するか、公共サービスの供給にあたって、どのようなサービスをどのような費用負担で、どのような供給形態で行うかの選択こそが、都市経営であると思います。したがいまして、行政は守備範囲を明確にする中で、行政内部の効率性に徹し、福祉のさらなる充実をもたらすため、経営的視点に立った施策の見直しを図り、限られた財源の効率的配分に努めながら、市民、企業等の行政参加の図られた行政運営こそ、行政の経営性であると考えております。

 次に、エコープランの今後の方向に向けた決意についての御質問でございますが、エコープラン推進会議に参加された市民の皆様には、市民意向アンケート調査と集計、その分析作業を経て、先進都市の視察研修や実態調査も行いながら、自分たちの地域はこうあるべきだとする地域発展の将来像を自ら決定されたのであります。以降、去る11月27日のエコープラン発刊記念式まで2年間、およそ1,000人の市民がボランティアで参加し、各地域とも60数回という多くの会議を重ねて来られ、このように立派なエコープランが敢行されたものであります。これは市民の熱い情熱の集約であり、私はこうした市民のエネルギーに深い感動を覚えるとともに、心から敬意を表しております。今後は、この成果を広報誌やダイジェスト版をもって全市民に周知、新年度からの事業化への協力も求めてまいりたいと思っております。まちづくりは、目標を定め、地域住民の共同でその目標に向かっていくことが大切であります。もちろん行政の役割もきちっと位置付け、市民の皆様と文字通り一体となって、これの推進に全力を傾けてまいります。

 次に、近隣町村との連携強化についての御質問でございますが、本市を取り巻く都市環境は、都市化の進展や社会経済の発展、高速交通体系の整備などにより、経済圏、生活圏は行政区域を越え、急速に拡大するものと思われます。本市といたしましては、経済、文化、商工業の中心都市として、1市5町の甲府広域行政構想や、地方拠点法による1市20町村の甲府圏域基本計画の推進に努め、活力ある広域的行政圏の確立に向け関係町村と十分協議しながら進めてまいる考えであります。

 次に、若い世帯者の住みつくまちづくりについての御質問でございますが、都市の活力の源泉は、各年齢層の適度の混在が不可欠の要素であり、特に若者が定着できるような都市機能を持つことが重要であります。そのためには、御指摘のように、上質な公共住宅の確保など都市機能の整備に努めるとともに、企業立地の促進による雇用の創出や最先端のファッションの動きにも敏感に対応する魅力的な商店街の形成なども促進していかなければなりません。今後におきましても、ファッション都市構想や、市街地再開発事業などについて、積極的に促進をし、若い世代にも十分受け入れられるような、若々しいまちづくりを行っていきたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。

 なお、他の御質問につきましては、関係部長等からお答えいたします。

○企画推進部長(丸山正之君) 企画関係2点の御質問にお答え申し上げます。

 まず、公有地の利活用についての御質問でありますが、公有地の利活用につきましては、甲府市公有地有効利用検討庁内連絡会議を設置いたしまして、協議、検討を行い、有効利活用の一定の方向が出されました。それに基づきまして、関係部局におきまして、利活用の方針について現在取り組んでいる状況であります。今後はこの方針に基づきまして、積極的な利活用を図るよう推進してまいりたいと考えております。

 次に、地方分権を推進する組織についてのお尋ねでありますが、地方分権は社会経済の変化に伴い、多様化した住民ニーズにきめ細かく対応できる行政システムを確立し、自治体がその地域の特性や実情に応じて責任をもって地域社会づくりを行う、という基本的な考え方からなっております。近時、国の内外を問わず、政治、経済、行政面から地方分権の機運は高まっており、御提言の趣旨について、本年11月に第24次地方制度調査会の答申が出され、これを受けて、国は地方分権大綱の策定や地方分権推進に関する法律制定に向けて、具体的に動き出しております。県においても、先ごろ地方分権推進研究会中間報告書が出されまして、本市としては、これらの動きに呼応して現在自主的行政改革を進めており、事務事業の総点検の中の自主的行政改革推進委員会の中で、これらの分権、権限移譲等について検討してまいる、ということになっております。国、県、その他の地方公共団体との動向をも見極めながら検討してまいる考えであります。

 以上です。

○総務部長(都●登君) 総務部関係2点についての御質問にお答えいたします。

 まず、窓口サービスセンターの業務の休日実施による電算システム稼働につきましては、既に電算システムを活用した自動発行機により、各種証明書の交付を行っている都市もありますが、今後の検討課題とさせていただきます。

 次に、附属機関の委員の選考についてでありますが、本市におきましては、条例による附属機関23、その他これに準ずるもの47、合計70設置してあります。附属機関等は審議会や調査、審査、諮問等を担当するものであります。設置がされましても、その性格上必ずしも開催回数だけで必要性が論じられるものではありませんが、今後必要性の薄いものがあるかどうか、調査いたしてまいります。委員の選考につきましては、取り扱い要領に従い、同一人を5以上の附属機関等の委員に重複しないよう、また任期の限度につきましても考慮いたしますとともに、新しい人材の発掘、育成の促進にも配慮してまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 以上です。

○市民部長(岸本 力君) 窓口サービスセンターにおける住民登録の手続についての御質問でございますが、転入・転出届等の住民登録の事務につきましては、戸籍事務との間に必要な情報提供し、一体的に処理を図ることとされております。したがいまして、窓口サービスセンターにおいて住民登録を行うためには、現行の電算システムに戸籍事務を加え、処理システムの一元化を図る必要があると考えております。今般法の改正によりまして、戸籍事務のすべての処理に電算システムの導入が認められるところとなりましたので、本市におきましても、戸籍電算化に関するプロジェクトチームを編成し、住民登録事務との一元的処理、さらには窓口サービスセンターでの対応をも視野に入れる中で、平成9年度の稼働を目途にシステムの構築に向け調査、研究を進めているところでございます。

 なお、福祉センターにつきましては、老人、母子、身障者等の福祉施設としての使用が制限されていることから、住民票等の証明書交付窓口を設けることは困難であると思われますが、公共施設での窓口事務対応について、他都市等の状況を調査しながら研究課題とさせていただきます。

 以上です。

○福祉部長(●刀 尊君) それでは福祉部関係数点につきまして、お答えを申し上げます。

 まず、高齢者の住宅増改築資金の助成についてでございますが、住宅改造等資金につきましては、高齢者が利用できる融資制度として山梨県社会福祉協議会の資金貸付金融資制度の利用を勧めており、本市が窓口となって対応しております。今後これらの制度の充実を働きかけるとともに、本市といたしましても、さきに実施をいたしました各種の実態調査等を参考にしながら検討を続けているところであります。

 次に、高齢者、障害者向け住宅についてであります。本市公営住宅についても、高齢者また身体障害者向け居室を現在39戸整備し、利用していただいておりますが、今後は住宅建て替え計画に沿っての、住宅建て替えの際に必要量等勘案する中で対応してまいりたいと考えております。

 次に、福祉関係制度のPR等についてでございます。在宅介護サービスのメニューにつきましては、いつでも、どこでも、だれでも利用できる体制づくりとして、市内の身近な保健福祉エリアにおいて、御提言の公民館等既存の公的施設を利用しての在宅介護サービスのPRや広報誌などの活用を図り、高齢者に理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、痴呆性老人対策についてであります。御指摘の新ゴールドプランによるグループホームの導入につきましては、痴呆症状を和らげる効果として、家族的な環境での介護方法を取り入れた新しいケア方式として期待されるものであります。なお、新ゴールドプランにつきましては、本年8月に厚生省素案骨子として、政府与党に提示されたもので、計画の正式な決定はされていないため、今後の動向等見極める中で、対応を図ってまいりたいと考えております。

 最後にボランティアネットワークへの取り組みについてでございますが、今後の事業計画等につきましては、地域における福祉ニーズの把握、ボランティアの発掘を行うため、地域社協に地域福祉推進員の設置を図るなど、現在社会福祉協議会との協議を進めております。行政といたしましても、その支援につきましては、最大限の努力をいたしてまいりたいと考えており、今後も社会福祉協議会と連携を図り、より実効ある推進に努めてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。

 以上です。

○商工労政部長(佐藤 環君) シルバー人材センターの介護事業への取り組みの御質問にお答えします。

 御指摘の介護事業につきましては、既に理事会で検討され、今年度において家事サービスの事業化を図るべく、供給体制の確立に向けて準備を進めておりますので、御理解を賜りたいと思います。

○農林振興部長(塩野陽一君) ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意関連対策と本市農政の対応について、お答えをいたします。

 お説のようにガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意を受け、政府は国内対策としての大綱を発表しました。その内容は農地の規模拡大の促進、負債農家の救済、土地改良事業の繰り上げ実施、山間地農家等新規就農者への資金援助等であります。今後21世紀に向け、新たな国際環境にも対応し得る農業、農村の構築であります。また、そのことが単に生産者保護にとどまらず、消費者対策へ連動するものでなければならないと考えております。本市といたしましても、立地条件や営農体系に配慮した独自施策を検討し、本市の特性を生かした農業経営の推進が図られるよう、御提言の趣旨も踏まえ、関係団体とも十分連携しながら鋭意取り組んでまいりたいと思いますので、御理解と御協力をお願いいたします。

○都市整備部長(飯島正巳君) 都市整備部関係についての御質問にお答えいたします。

 用途地域の見直しについてでございますけれども、今回の用途地域の見直しは、適切な住環境の保護、市街化形態の多様化へ対応するため、住居系用途地域を細分化し、同時に各用途地域における建築できる建物の用途についても見直しが行われます。今回の見直しの特徴は、幹線道路等における沿道を、地域のために商店や沿道サービス施設が立地できる沿道型の用途指定でございます。基本的には、現行用途を尊重しての変更となっておりますので、住居系の面積は77%で、変更後も変わりがございません。したがって、人口への影響はないものと考えられます。なお、住居専用系の用途は、現行の38%から43%に拡大することにより、住環境を守るための配慮が図られております。また、商業地域周辺部では、業務系施設が立地、促進できるための用途指定を行いまして、地域の実情に合った見直しが行われます。

 以上でございます。

○市立甲府病院長(小田島弘明君) 新病院にかかわる4点の御質問にお答え申し上げます。

 まず、高齢者福祉政策における新市立病院の位置付けについてですが、新病院では保健・医療・福祉ネットワークシステムの中で、医療の分野を担う中核病院としての責務を果たすとともに、公的総合病院として、医師会との病診連携を尊重しながら、厚生省が提唱するかかりつけ医制度の推進に協力するという姿勢の中で、高齢者患者の受け入れ態勢を整備し、訪問看護ステーションとの連携を図って、退院後の訪問看護と在宅医療を進めていくことが、最も適切な位置付けではないかと考えております。

 次に、新病院における老人専用病床の役割についてですが、新病院では老人専用病床約38床を設置する予定ですが、これは高齢化社会の到来に伴い、今後増加が予測される高齢者患者の入院生活に適した構造及び設備を有する特殊な病床を設置し、高齢者にやさしい医療を提供することを目的とするものであります。

 次に、退院後のケア及び訪問看護システムの導入についてですが、新病院は保健・医療・福祉のネットワークシステムの中で、医療の分野を担う中核病院として位置付けられていますが、このシステムの中でさらに医療の分野を越えて、保健・福祉の分野との連携を図ってまいります。したがって、今後進展する高齢化社会の医療需要の増大に対応できるよう、老人専用病床の設置及び訪問看護ステーションとの協調体制を含め、検討してまいります。

 最後に、新病院へのホスピス病棟の設置についてですが、医療上末期の状態にある患者さんの治療にあたり、人間だれもが最期の時まで人間らしく生き抜くために必要な支援の場を提供することは、極めて大切なことであり、社会の要望も高まっているところであります。緩和ケアを行う施設を、その規模によって分類しますと、1に完全独立型、2に院内独立型、3に院内病棟型、4に病棟内病室型の4種類がありますが、現在の新病院建設構想にさらに緩和ケア病棟の設置を上乗せすることが、物理的、技術的に、そして財政的に可能かどうか。また、設置する場合にはどのタイプが適切であるか、十分に検討してまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○副議長(石原貞夫君) 斉藤憲二君。

○斉藤憲二君 前向きな答弁をいただいたもの、あるいは不十分なもの、ございますけれども、それら等についてはまた委員会等でお願いをするといたしまして、次の2点だけ要望含めて質問をしておきたいと思うのですが、このことにつきましては、非常に難しさというのはわかりますけれども、やはりこれからの高齢化社会を迎えるにあたって、政策的な課題としてぜひ取り組んでほしい、こう思うが余りもう一度質問をしておきたいと思うのです。

 その一つは、建設部長にお伺いをしたいのですけど、今公共住宅を建てる場合に、先ほども出ましたように、非常に今所得が上がりまして、そしてそれに対する対応としてもう少し市民が幅広く利用できる公共住宅を欲しいと、こういうものも一方はございます。しかし、一方においては、比較的に低家賃住宅を望む者もいるわけであります。したがって、今の家賃設定の中ではどうしても土地価格なり、あるいはまた建設費等々からの家賃設定で、価格がどんどんどんどん上がっていくという一面があります。そういう一つの極めて厳しい、また難しい面がありますけれども、これからのやっぱり政策課題といたしまして、低家賃住宅という問題についてぜひひとつ取り組んでほしいと思いますし、そういうことに対する住宅の確保もぜひ図ってもらいたい、こう思います。この点について、建設部長の方からの御所見があればお願いをしたいと、こう思います。

 それからもう一つは、先ほど市民部長の方からお答えいただきました福祉センターでの窓口事務でありますけれども、それはそれなりに今の規約規則の中で難しさもわかりますけれども、しかし今皆さんも御承知のとおり、出雲市ではスーパーなりあるいは百貨店等で窓口を開いています。私は今施設をつくれとか、あるいはそういうところへ持っていけということではなくして、今の市の既存施設の中でできることは何か。市民サービスをどう今の中でやっていくに効率いいやり方はないだろうか。こう考えたときに、やっぱりこれから高齢化、高齢化で進んできます。そうすると長い道中を車で行くというのは、今の交通事故、大変心配であります。したがって、そういう場合については、近場の中で印鑑証明とか、あるいはいろいろのそういう証明がとれるということが、一番市民にとっては求めているわけであります。また期待をしているわけであります。そういった意味で、今の市の公共施設で、福祉センターを含めてやれる方途というものもぜひ検討していただきたい。こういうふうに私は思います。これは政策的な課題として、ぜひ今、ただ単の市民部ということだけで物事を考えるだけでなくして、全庁的な中でひとつ考えていただきたい。このように思いますので、この点についてはぜひ企画部長に、この辺の御所見があればひとつお伺いをしたい、こう思います。

 以上です。

○副議長(石原貞夫君) 企画推進部長 丸山正之君。

○企画推進部長(丸山正之君) あとの問題を先に答弁させてもらって恐縮ですけれども。今の福祉センターへのいわゆる窓口サービス部門を設置したらどうか、という御提言を含めた御質問でありますけれども、確かに今情報化が進む中で、人々が簡便に自分の関係の諸証明をとりたい、近くで簡便にとりたいという状況が高まってくるというような状況は、十分理解をしているところであります。先ほど市民部長がお答えしましたように、第一義的には福祉センターはその目的からいって、果たしてそうした窓口的な機能を持たすことがいいのかどうかということには、一定の制約があると思います。ただ、今お話がありましたように、市民のそういう高まる需要に対して、やはり情報をきちっと提供していくシステム等は、今後は市民の情報管理システムの中でも検討していかなきゃならぬ問題だというふうに考えておりますので、ぜひ検討の材料という形で御理解を賜りたいと思います。

○建設部長(野口一郎君) 公営住宅の建設、今後の取り組みの御質間でございますが、公営住宅に対する市民のニーズ、多様化につきましては、御指摘のとおりだと思っていますが、そうした中で今年度中堅所得者向けの特定優良賃貸住宅というのを今年度建設するわけでございますが、それと同時にまたその他の障害者向け、また高齢者向け住宅につきましては、他部局とも十分協議をしながら、需要者等も考えながら、これから建設を進めてまいりたいと思います。そうした中でまた、低家賃の住宅の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。御理解賜りたいと思います。

○副議長(石原貞夫君) 斉藤憲二君。

○斉藤憲二君 以上ぜひ、今すぐということでなくしてで結構でありますけれども、将来的に向けて、ぜひひとつの大きな課題として取り組んでほしいと、こういうことを重ねてお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

○副議長(石原貞夫君) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これに御異議ありませんか。

                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○副議長(石原貞夫君) 御異議なしと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。

 本日は、これをもって延会いたします。

                午後4時33分 延会