ザ・住宅街にたたずむ、まさに町のパン屋さんが、個性的な店名は、先代店主の修業時代の愛称で、理由は「ずん胴だったから」だそう。現在は息子の秀明さんが切り盛りするお店は、昭和38年創業。お店のたたずまいにも、パンのラインナップにも、やさしくてあったかくて懐かしい昭和のムードがたっぷりです。必食は各種惣菜パン。すべてお店の奥で手作りしているポテトサラダやカツなどが、ふかふかのコッペパンにサンドされて、ひと口食べたら絶対ファンになるおいしさ。市内各地から車やバイクでやってくる常連客が朝からひっきりなしなのに納得です。
必食のたくあんパン¥165は、秀明さんの考案。千切りにしたたくあんに、白ゴマ、かつおぶしを加えてパン生地で包んだ、一見斬新な組み合わせ。が、食べてびっくり! トッピングのマヨネーズがキメ手! うま~~!とうなりながらペロリな逸品です。
多い日で800~900個売り上げるというパンたち。鶏ささみフライがサンドされたささみフライパン(中央)¥190、卵とハッシュブラウンポテトの組み合わせが新鮮なハッシュ卵サンド(右)¥190などなど。
とにかくほのぼの明るい雰囲気とパンの良い香りが立ち込める店内。パンはすべて対面販売です。なんと仕込みは毎日深夜0時頃からスタートするそう。
次々やってくる老若男女問わないお客のほとんどと、親戚同士のような会話が飛び交う店内。深澤ファミリーの愛情がこもっているからこそ、ここのパンはこんなにおいしいんだなとわかりました。ぜひこのずんちゃんパンワールドを体験してほしいです。ちなみにタクシーの運転手さんにも「ずんちゃんパンにお願いします」で通じたのには感動!
TEXT: YUMIKO FUKUI PHOTO: NAO SHIMIZU