江戸時代、上原勇七(現在は14代目)が鹿革に漆付けする独自の技法を考案、甲州印伝が始まりました。こちらは、1582年創業という老舗、甲州印伝の総本家です。印伝は、粋を愛する江戸の人々に広く愛されたという歴史のあるもの。漆加工で摩耗しにくいので、最近は、カジュアルにデニムに合わせてという人も。店頭に並んでいない柄からも選べます。写真は左から、武具を入れていたものと同型、信玄袋(大)各26,400円(税込)、右の箱の中の合切袋(大)各20,900円(税込)。印伝の歴史と文化を伝える本店2階の博物館も興味深いので、ぜひ立ち寄って。
稀少な日本の革工芸の伝統品だけに、海外から訪れる人も。
印傳博物館。展示の内容は定期的に変わります。
甲冑に使われた印伝の模様に、トンボがよく用いられたのは、かつてトンボが「勝虫」と呼ばれたからだそう。興味深いお話でいっぱいでした。
TEXT:MARI KATSURA PHOTO:MIDORI YAMASHITA