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2023年2月号・古墳には不思議がたくさんつまっている!

202302-1甲府には、多くの古墳が身近に存在しています。湯村にある『万寿森古墳』と千塚にある『加牟那塚古墳』は、県内で2番目と3番目の規模を誇る「横穴式石室」が特徴とのこと。今回、特別に古墳の中(石室)を見せていただきました!
※石室…亡くなった権力者の棺を納める場所

※案内していただいた市歴史文化財課の方と『加牟那塚古墳』の前で。古墳を“昔のお墓”とひとくくりにしてしまうのは、少しもったいないかも!?

どうやって石を運んだ?『万寿森古墳』

202302-2万寿森古墳』は、6世紀中頃につくられた古墳時代後期の円墳。石室には裏手にある湯村山から運ばれてきたであろう黄色っぽい安山岩が使われています。比較的小さい石が積み重ねられていて、天井には私の身長以上の一枚岩が設置されていました。“どうやって石を運んできたのだろう?”と思われる大きさです。

※一時期ホテルの倉庫として使われていたため、入り口が鉄の扉で覆われている。その部分だけ近代的でアンバランス

入り口は南向き!『加牟那塚古墳』

202302-3住宅街を歩いていると突如現れる円墳、『加牟那塚古墳』。つくられた時代は万寿森古墳より後と見られますが、石室は県内第2位の規模を誇ります。登ってみると、南東に富士山がよく見えました。「これだけ富士山が立派に見えると富士山を目印に入り口をつくりそうですが、きちんと南を向いているんですよ」と興味深い事実を伺いました。当時から死者は北側に頭を向けて葬られている事例が多く、加牟那塚古墳の入り口も正確に南側を向いているそうです。古代の人たちが方角を正確に把握していたことに驚きました。入り口は鉄格子になっており、天気の良い日は外から石室の様子が確認できます。

※『加牟那塚古墳』の石室。奥壁に大きな一枚岩が使われている。

古墳は貴重な史跡

202302-4地域の発展や権力者の出現を調べるうえで、重要な資料になる古墳。現代まで残っている全ての古墳は、度重なる自然災害や戦争、開発などの人的災害をくぐり抜けてきた貴重な史跡です。石室に積み重ねられている石の中にはひびが入っているものもありました。“今まさに崩れるかもしれない”と考えると、石室内を歩くには勇気がいります。長い年月の中で補修が繰り返された形跡も見ることができました。
※『万寿森古墳』の石室の中。外気温に左右されず、温度が一定に保たれた場所のよう

今月の市民レポーター/野呂 貴美恵(のろ きみえ)

202302-5古墳は、古代の“ランドマーク”としての役割もあるそうです。目印であり、特徴的な建造物。権力者の力を示すものだと、改めて学びました。古墳の周りを見渡すと、古代の人たちが暮らす集落が見えてきそうです。太古の昔に、タイムトリップしてみませんか。

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