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2023年5月号・重要文化財 高室家住宅~文化財から伺える当時の暮らしぶり~

202305-1 高室町にある「高室家住宅」は、平成31年に復原修理が終わり、大切に保存・管理されている、全国でも例の少ない貴重な建造物。国の重要文化財にも指定されています。

※主屋を中心に、高室家が最も繁栄した明治41年当時の11棟が配されている

高室家住宅とは

202305-2 “高室家”は、武田信虎公から当地を与えられたと伝えられる家柄で、江戸時代初期から代々医薬業を営んでいました。日本各地に代官屋敷や豪商の邸宅などの文化財建造物は数多く残っていますが、「高室家住宅」のように、農家の住宅形式の中で医薬業も行っていた特徴を残している例は少なく、屋敷構えが全て残っている点では、後世に遺していく上で大変価値があるそうです。

 

202305-2-2 ※1 トタンだった屋根が、平成31年の修理で元の茅葺に復原された
 

※2 高室家で処方していた「高室五香湯」の薬袋。現物が残っている

当時の暮らしぶりが感じられる

202305-3 敷地のまわりには水路が巡らされ、野菜や薬草を育てたり、味噌や醤油などを“味噌蔵”に貯蔵していたりと、滞りのない自給の生活を送っていたことが見て取れます。生業である医薬業、文化人のおもてなし、屋敷神さまの祭祀、さらには約200年の間、医学の門人育成にも尽力されていたようで、当時の暮らし全般の充実ぶりが伺えます。

※主屋の一室を薬の調合所としており、箱階段や薬箪笥(くすりたんす)などがつくり付けられている

意外と知らない甲府の歴史

202305-4 甲府では、150年以上前の幕末期にはマグロやイカの刺身が食べられていた記録が残っており、高室家でも食されていたと推察されています。また、甲府中心部に電気が通じたのが明治33年であり、高室家住宅の建物の一つである“新蔵”には、明治41年の建築当初から電灯設備が備わっていたそうで、当家の財力の高さがわかります。そんなに昔から甲府のインフラ整備が進んでいたことにとても驚きました。

※敷地内には、戦国時代に豪族屋敷だった名残の盛り土が残っている

 

 

 

 

 見学を希望される方は、希望日の1週間前までに市歴史文化財課にご連絡ください。
 ☎ 055(223)7324【受付は平日 8:30~17:00 】

今月の市民レポーター/中込 恒子(なかごみ つねこ)

202305-5 発掘や保存・修理工事、記録をひもとく作業は、とても大変だったと思います。関わった方々の古きを温(たず)ね、建物や資料に対する慈しみの気持ちが伝わってきました。私もいにしえの甲府の勉強を続けていきます。

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