ホーム > 市政情報 > 広報 > 甲府の魅力、大集合!大好き!こうふ市 > GO!GO!市民レポーターが行く! > 2025年7月号・市民文芸の選者ってどんな人?
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市民がこうふの話題をお届け!
「短歌」「俳句」「川柳」は、短詩形文学というジャンルの文学で、感情表現の1つとして愛好家が多くいます。今回は『広報こうふ』の市民文芸コーナーで選者を担当している3人の先生を紹介。
これからチャレンジする皆さんに向けてアドバイスをいただきました。
中学3年生のときに父親の影響で短歌を始めた三枝さん、短歌歴は63年ほどになるそう。2018 年には歌集『時祷集(じとうしゅう)』で短歌界の最高賞である「迢空賞(ちょうくうしょう)」を受賞。現在は全国の会員約300 人の歌誌『沃野(よくや)』の代表を務めています。
「短歌は不易流行が大事であると共に一期一会 心の日記。格好付けずに、日々の暮らしの中でふと思ったことに思いを巡らせ、楽しみながら作って欲しい」
▲「“うまい”“かっこいい”でなく、素直な思いを表現できているかが大切」と話す三枝さん
20 代で俳句を始めた井上さんは、日本を代表する俳人、飯田龍太氏に師事。2013 年1月に創刊された俳誌『郭公(かっこう)』の主宰を務めています。また、全国紙や地方紙に加え、多くの俳句大会の選者も務めており、毎月2万を超える俳句をみているそうです。
「日記のように、そのときの気持ちや感じたことを、季語に託して残せることが俳句の魅力。日々の暮らしの中の一場面を切り取り、気軽に楽しんでもらいたい。他人の作品を読むこと、自分で作ること、それぞれが大切。続けていけば必ず上達する」
▲「日常のさまざまな体験の1つ1つを大切にしてほしい」と話す井上さん
知人に誘われ65 歳から川柳を始めた深澤さんは、2014 年に秋田県で開催された国民文化祭の川柳部門で山梨県人として初めて最高賞の特選を受賞。
これまで、県川柳協会会長を務め県内唯一の吟社『甲斐野(かいや)』の同人として選者を担当しています。
「作り方のコツは、五・七・五の定型を意識し、必ず指を折りながら作ること(中八や下六が時々あるがこれはよくない)。自分や社会、父母のことを詠むのが作りやすい。響きが悪くなるため『てにをは』を下五の締めに使わない」
▲「川柳は季語を使わなくてよいので、初心者も取り組みやすいと思う」と話す深澤さん
短歌・俳句・川柳とそれぞれの魅力を改めて知ることができた貴重な取材でした。3人の先生に共通していたのは、いずれも日々の暮らしの中に作品のヒントが隠されていること。そして、作品は日記のようなものと話されていたことでした。日々の暮らしの中で起きたこと感じたことを17 文字や31 文字に凝縮してまとめてみると、新たな世界が開けてくるかもしれませんね!