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更新日:2023年4月10日

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【結果報告】第21回方代の里なかみち短歌大会

「方代の里なかみち短歌大会」は、甲府市出身の歌人「山崎方代(やまざきほうだい)<1914-1985>」を顕彰する短歌大会です。

この大会も本年度で第21回目を数え毎回多くの皆様から応募をいただいており、今大会は、ジュニアと一般の部を合わせ、3,872首(一般の部は840名1,619首、ジュニアの部は2,253首)の優れた作品をお寄せいただきました。たくさんのご投稿ありがとうございました。

これも方代さんの温かく味わいのある歌が、多くの方々に愛され親しまれているからではないかと思っております。

「一般の部」は文部科学大臣賞、山梨県知事賞、甲府市長賞のほか特選21首、入選49首、「ジュニアの部」は文部科学大臣賞、山梨県教育長賞、甲府市教育長賞のほか特選20首、入選76首が入賞されました。おめでとうございました。

 山崎方代写真【写真提供:湯川晃敏氏(日本写真家協会)】

選者

<一般の部>大下一真・今野寿美・三枝浩樹(五十音順)
<ジュニアの部>窪川美代子・河野小百合・土屋喜雄(五十音順)

大会大賞作品

文部科学大臣賞一般の部

兵庫県神戸市 米谷 茂さん

「エリートの道捨て農へ」の記事を見る俺は四代続く百姓だ

≪評≫「エリートの道捨て農へ」では、まるで農業が落ちこぼれの職業のようだ。職業に貴賎はないと言いつつ、新聞記者には農業を軽んじる心が潜んでいる。否、新聞記者ばかりではなく、実は世間一般にもこうした思いが潜在的にあり、作者はそれを折々に感じているのだろう。「エリートの道」云々に対して作者は力強く、「俺は四代続く百姓だ」と言う。力強さは、自負心の強さであり、誇りの高さである。事実であろうが「四代」も重い。山崎方代が「オレはどん百姓という言葉が好きだねえ」という趣旨の言葉を言っていたことも思い出された。端的に言い切って成功した作品。【評 大下一真】

文部科学大臣賞ジュニアの部

三沢市立木崎野小学校 馬場 大道さん

六時間め黒板消しをたたいたらいろんな色の反省がとぶ

≪評≫一日の最後の授業六時間め、学級当番でしょうか、黒板消しをたたいてたまったチョークの粉を落としています。授業に使った白や青や赤などいろいろな色のチョークの粉がとんでいきます。その粉を『反省』ととらえました。きょうもいろんなことを教わった、国語、理科、音楽……たくさん授業で勉強したけれど、理解できなかったことや、忘れてしまったことがいくつかあってきっと作者は悔しいなと思っているのです。その思いを『反省』と表現したところに特色があって魅かれました。飛び散ってゆくチョークの色は、あしたはこんな日でなければ良い。あしたこそもっとしっかり勉強しようという意志をあらわす色でもあるでしょう。上の句で動作を下の句で心のうちを表現した構成もたいへん良いと思います。【評 窪川美代子】

山梨県知事賞

三重県名張市 相川 高宏さん

原産は実はインドで仏像が持っていたりもしているレモン

《評》誰にとっても少なからず意外なレモンの原産地。加えてレモンを手にした仏像もあるという。この題材がまずおもしろい。レモンの鮮やかな黄色の純粋さは、鋭い刺激となる酸味をともなっていて、精神的な安らぎをもたらす仏像の姿とはただちに結びつけにくい。それをよく心得た導入、念入りな情報投入である。それでいて知識の披露のみに終わっていない、どこか作者自身が楽しんでいる語りの雰囲気がまつわり、好感をもった。ネット検索が手軽なことから雑学時代といわれるが、それで得た知識のみではないようで、その印象も作品の確かさにつながっている。興味、関心の対象に向かう熱意やその喜びが伝わる一首として忘れがたい。【評 今野寿美】

山梨県教育長賞

岩沼市立岩沼中学校 渡邊 輝喜

千の思いを一つにまとめた千羽鶴平和を祈れば青空に飛ぶ

《評》多感な作者は、学業に励みながらも世相に深い関心を寄せている。今のウクライナ戦争は二月から続き殺りく、破壊を繰り返し全土を焦土と化している。我が国の習慣は、戦争のとき、病気のときなど千羽鶴を折り無事を祈ってきた。この作品は、いきなり"千の思いを"と切り出し、三句目で休止し下の句から比喩をこめて青空へ飛べとひたすら平和を祈るのである。作者は岩沼海岸で先の東日本大震災を経験している。戦争も災害も過程は違うが悲惨である。この社会詠は、戦争への収束に参加することに値する。感動の佳い歌となった。【評 土屋喜雄】

甲府市長賞

神奈川県横浜市 山田 裕樹

現実とうまく波長が合わぬ日はアンパンマンを丁寧に塗る

《評》人間関係がうまくいかなくて悩むとき、人と人との波長が合わないためだと気付くことがある。置かれた現実、生きている現実との関係がどうにもうまくいかず悩むときも、波長が合わないことに起因することが多い。波長が会う、波長が合わないという問題は解決しようのない謎を秘めた困難を含んでいるようである。なすすべのない思いを抱えて、「アンパンマンを丁寧に塗る」のである。この下の句のささやかで単純な作業が救いとなる、そういうことが確かにある。息苦しい、途方にくれた思いを抱えて、私たちは大なり小なり生きている。出口なしの閉塞感を破るのは案外ささやかな、小さなことかもしれない、とこの歌は語っている。【評 三枝浩樹】

甲府市教育長賞 

岡山龍谷高等学校 政野 美空

国境のように引かれたグループの境界線は誰が為にある

《評》クラスにはいくつかのグループがあって、自分のグループ以外の人と友達になるのは非常に難しいのだろう。或いはスクールカーストが存在する学校なのかもしれない。誰の為にこのような制度を作るのか、という疑問が結句で端的に投げかけられた。作品の核は「国境のように引かれた」の境界線の比喩である。国境を越えるには様々な厳しい手続きが必要となる。同じクラスの中に、目には見えないこのような境界線があることへの強い憤りが感じられよう。楽しくあるべきはずの高校生活が、この境界線に阻まれてしまっているのだ。学校生活の闇を思い切って掬い取った作品である。【評 河野小百合】

 

そのほかの受賞作品は、次のとおりです

 

一般の部

特選(21作品)

作品 氏名(居住地)
「Dearせんせい」宿題忘れる君たちが我が誕生日を覚えて歌う 後藤 克博(東京都国分寺市)
信号の柱の影に頭だけ入れて背中は炎暑にさらす 河野 正(宮崎県延岡市)
久々に各駅停車に揺られ行く過疎化してゆく甲斐の山裾 鈴木 苑子(山梨県山梨市)
禅寺に僧俗二人ほうき手に黙したままに掃き目のそろう 相馬 芳子(栃木県那須塩原市)
ひと葉ひと葉そよぎて万の風となるひと葉のやうな孫の生れたり 畠山 みな子(宮城県仙台市)
日本海見下ろす朝市に並びたる西瓜みずみずしたたる地球 中里 茉莉子(青森県十和田市)
一筋の涙流して逝きし母その事今も我が胸に問う 中島 朱実(高知県高知市)
子が寝たらカーテンを開け星を見る忘れちゃいないあの頃の夢 金子 修(栃木県佐野市)
ろうそくと線香消ゆるを確かめて実家(さと)の玄関鍵かけ帰る 棚野 久子(徳島県阿南市)
35kg(キロ)の君にことばはないけれど静かに寄りそう人間って哀しいね 保知戸 かず子(栃木県栃木市)
ぐぐぐっと両手両足ふるわせて背伸びして子は全力で寝る 服部 あや(三重県伊賀市)
狩りをせず仔牛の肉を食べているヒマラヤ産の塩をきかせて 有友 紗哉香(岡山県玉野市)
「生きる」のと「生きのびる」とは違うのか芒かき分け歩き始める 船山 洋一(宮城県岩沼市)
カマキリの子はうつくしく汚れずに葉の表より裏に隠れぬ 高橋 こう(茨城県古河市)
このままでいけばいいのだみずからの命断たずに人をあやめず 久保田 京子(奈良県大和高田市)
「また君か」「いいえ先生違います」制服で見て顔見ぬ大人 大築 佑(東京都日野市)
タイヤからはがれた畑土落ちている野良着のまま来た里のコンビニ 鈴木 栄子(山梨県甲州市)
わたくしの内にだけある昭和史を草取りしつつ亡ぼしてゐる 後藤 進(岐阜県岐阜市)
オンライン会議の窓のひとつから鳩時計鳴くぼうぼうと鳴く 潮 なぎさ(東京都稲城市)
改札にわれを見送る子となりぬ「気ぃつけて」って大人の声で 野原 つむぎ(福井県福井市)
だれからも見えないけれどこころにも「こわれもの」ってシールを貼った 松本 尚樹(埼玉県富士見市)

 

入選(49作品)

作品 氏名(居住地)
生き物の体内なのだ我々が生きているこの世界はきっと 坂田 宗大(埼玉県久喜市)
こんな筈じゃあなかったと言いながら見果てぬ夢をまた見て生きる 堀   卓(千葉県松戸市)
はるばると甲斐の山見る丘の上あたたかさあり甲府の街は 小川 哲雄(神奈川県藤沢市)
終戦日黙祷をして炎天の棒になる人縮む人をり 北村 純一(神奈川県厚木市)
農を知り鍬をかついで土を打つ先祖と出逢う汗の匂いで 宇都宮 千瑞子(愛媛県松山市)
夜に見る真夏の月は涼しげな光の中で恋を育む 坂井 傑(埼玉県所沢市)
甲斐と云へば蛇笏のかの句そをば引き句作を遺しくれにし夫よ 亀山 昭子(青森県南津軽郡田舎館村)
宇宙まで行く人ゐても僕たちは墜ちた処で咲くだけの花 宮村 明宏(兵庫県加古川市)
湾岸の運河にならぶ工場のひかりのなかを夜の音する 齋藤 恭司(東京都品川区)
割れた田にボサボサ伸びる草だけど黄金になる二月後には 築森 知子(島根県出雲市)
母と子が汗をかきかき抱っこひもお日様にすらも割けぬこの仲 小野寺 鈴(福島県郡山市)
雪ちらちら傘を差そうか差すまいか夜の喧騒鎮もりにけり 中村 健治(滋賀県草津市)
昔はねホームの上の立ち飲み屋電車見送り飲んだものだよ 奥村 岸雄(愛知県愛西市)
パートなる吾より多く貰ひしは生活保護の方々と知る 飯塚 八起(群馬県甘楽郡甘楽町)
秋雨がグランドの熱さましゆく子らの足跡白線も消す 香田 明彦(岐阜県揖斐川町)
踏み込めば壊れるだけの関係をそうでなくなる夫婦と成れり 二宮 正博(福岡県筑紫野市)
かぶりつくビッグマックの歯ごたえを思い浮かべて春雨に病む 樋口 淳一郎(香川県高松市)
「来世には空を飛びたい」「虎がいい」野良猫たちの井戸端会議 柏屋 敏秋(山形県山形市)
小五から奉公先の坊ちゃんの本読む許し百歳文読む 石塚 洋子(東京都足立区)
広き田も狭き田もある里山の棚田に月のいくつも光る 小高 弘美(山梨県中央市)
山寺の歩幅に会わぬきざはしを登る足もと沢蟹早し 小川 治道(神奈川県茅ケ崎市)
登山道脇にひっそり久弥の碑小石ひとつを積んで過ぎゆく 野月 真人(静岡県駿東郡小山町)
見はるかす分水嶺の谷うめて真夏陽のもと熊笹光る 茂垣 末男(埼玉県上尾市)
野のものは下から見るとよく見える低い心が幸を得るコツ 夛田 智代(奈良県橿原市)
ぶら下がってゐよう時代の片隅に蛹になった気分で今日も 木立 徹(青森県八戸市)
わが同級生(とも)に戦死せる君一人在す鉛筆けずりいたく丁寧なりき 丹治 正雄(福島県福島市)
青がえる今年もピョンと飛び出したコロナや戦火の地球の片すみ 島津 幸子(神奈川県横浜市)
また痛い想いをするって予感して猫の額をぐりぐり撫でる 小山 肇美(三重県松阪市)
息子のやつ「ああ、そうですか」などと言いさっさと二階へ上がっていった 野原 つむぎ(福井県福井市)
掃除済み馬房に撒かれるおが屑は厩務員の背こして舞い上ぐ 井芹 純子(東京都杉並区)
午前二時そこだけ光るコンビニのおにぎり一つと帰るわたくし 後藤 和子(東京都港区)
ハイハイが上手にできてほめられた兵士の腕がミサイル撃ち込む 高橋 こう(茨城県古河市)
良きことの一つ位はありぬべし十年振りに素心蘭咲く 松田 容典(和歌山県和歌山市)
二人して寝転んで見る空の雲ゴメン、なんだか急ぎすぎてた 古畑 雄司(東京都国立市)
境内を見下ろし在ます大仏の笑む口元に秋の木洩れ日 小澤 千鶴子(山梨県北杜市)
骨壷を振るにガサゴソ我が母は漸く私の子供となりぬ 角田 好弘(山梨県笛吹市)
幼き子少くなりし集落の幟の鯉は元気に泳ぐ 諏訪 照子(山梨県南巨摩郡南部町)
歴史書に「革命」の二字なき国の淡くやさしき春の山河(やまかわ) 近藤 千壽(神奈川県藤沢市)
重き荷は心でありぬ風呂敷に包めば昔のわたしに戻る 坂田 順子(山梨県甲斐市)
子がくれし湯呑みの少し欠けたれど両手につつみ朝の一杯 代 靖子(埼玉県熊谷市)
いのち売る暮しはいやと継ぐ子なく牛飼いし牛舎(こや)にこおろぎの啼く 里見 絹枝(千葉県勝浦市)
「めちゃ うま!」とシャインマスカット頬張りし二歳の男の子の日本語危ふし 古屋 詔子(山梨県西八代郡市川三郷町)
マスターのバカラに注ぐジンの香はやわらかな森両手に包む 北川 久美子(山梨県西八代郡市川三郷町)
一鍬の侵攻ありて紛争に狭い日本の畑のはなし 望月 美代子(山梨県甲府市)
自分勝手に生きてきたとは思いつつ良く生きてきた小作農から 坂口 京子(山梨県北杜市)
湧水の流れに秋の陽が差して網目模様のひかりがゆれる 浅川 清(山梨県北杜市)
雑草との戦いのため吾の手には「軍手」というが嵌められている 窪田 喜久子(山梨県笛吹市)
蛙とは賢いものよ足音が迫るを感じピタリ鳴き止む 荻野 直樹(大阪府高槻市)
ひこうき雲を引き連れ空を飛ぶここち秋桜色のスカート揺れて 熊谷 わか(山形県山形市)

 

ジュニアの部(高校生)

特選(5作品)

作品 氏名(学校名)
春風と共に我が家にやってきたセキセイインコおしゃべり弾む 矢崎 里菜(山梨県立甲府第一高等学校)
友達と部活帰りに寄る屋台ヨーヨー片手に見上げる花火 津島 凜凪(甲府市立甲府商業高等学校)
真っ青な空を貫くひこうき雲このまま君の元まで届け 熊坂 明香(甲府市立甲府商業高等学校)
自らをすり減らし産む消しカスや右手に払われ何も残らず 間部 賢杜(大阪府立八尾高等学校)
部活後の君との距離は2メートルマスク着けたら縮まるだろうか 井上 涼人(京都府立峰山高等学校)

 

入選(19作品)

作品 氏名(学校名)
目覚ましがなってるなってる三度目だ土曜の今日も部活部活だ 中村 拓海(甲府市立甲府商業高等学校)
夏休み3年ぶりにプール行き日焼けがいたい体が重い 森本 菜々美(甲府市立甲府商業高等学校)
暑い日に坂道上る自転車で入道雲を追いかけながら 大原 美羽(甲府市立甲府商業高等学校)
空見たらエールをくれた夏の夜大きく広がるきれいな花が 佐野 花香(甲府市立甲府商業高等学校)
放課後に急いで食べたかき氷ぬるい風吹く十六の夏 伏見 柚希(甲府市立甲府商業高等学校)
せみの声聞くたび浮ぶあの記憶私の鼻に止まったあいつ 雨宮 未来(甲府市立甲府商業高等学校)
去り際の目じりが少し優しくて微熱のようなコロナ禍の恋 渡邉 美愛(愛知県立旭丘高等学校)
心臓に直接響く応援にこころが体追い越すリレー 久米 理紗子(秋田県立秋田西高等学校)
この夏の唯一のイベントバーベキュー何度も空を見上げる私 田家 愛子(京都府立峰山高等学校)
シャカシャカと削る氷にカラフルな蜜を重ねて虹色の味 水口 りな(京都府立峰山高等学校)
帰り道いつもはスマホに残す空今日は瞳で心に残す 山中 玉実(京都府立峰山高等学校)
友達と遊んですでに18時小さい背中に大きく手を振る 吉岡 結愛(京都府立峰山高等学校)
休みなく働き続ける冷蔵庫前で一礼お疲れさまです 安味 大輝(京都府立峰山高等学校)
夏休み皆が楽しむ大イベント嗚々許さない自宅待機よ 辻 来音(京都府立峰山高等学校)
夜八時背伸びしのぞく高い窓花火で忘れる足先の痛み 田村 奏(京都府立峰山高等学校)
スマホONイヤホンつけてポップコーン寝る前至福映画の時間 山口 優輝(京都府立峰山高等学校)
目を閉じて真っ青な海浮かぶとき素直な気持ち生まれてきます 守田 ナオミ(山梨県立中央高等学校)
白球を必死に追ったこの夏は慣れない歓声呑まれぬように 安藤 裕翔(山梨県立青洲高等学校)
ハエたたき片手に戦うおばあちゃんごめんねその虫私のつけマ 篠﨑 果李(山梨県立青洲高等学校)

 

ジュニアの部(中学生)

特選(12作品)

作品 氏名(学校名)
君と会うそのたび胸がキュッとなるこのモヤモヤが「好き」なのか 依田 茉優(甲府市立南西中学校)
登下校見守ってくれたランドセルあのフィット感がたまらないのだ 島袋 マリ(光市立光井中学校)
人生はページを作る物語きょうの思い出本となりゆく 後藤 凌玖士(甲府市立笛南中学校)
しののめに貴方に向けて書く手紙一途に思う気持ちを込めて 我妻 かがり(三沢市立堀口中学校)
友達に恋人できて良かったね二人一緒に爆破してくれ 太田 圭津希(静岡市立清水第六中学校)
箏を弾き手には血豆と水脹れけれど箏への愛は止まらぬ 藤原 くるみ(北杜市立甲陵中学校)
水流るる小川にできた謎の灯(ひ)は蛍のつくる小さき宇宙(そら)かな 山﨑 雪乃(北杜市立小淵沢中学校)
ゴールぎわ味方のパスをトラップだ鳴りひびく笛ひざがくずれる 宮下 蒼都(河口湖南中学校組合立河口湖南中学校)
西の刻カラス飛びかい空の中赤に染まった火照る(ほてる)入り陽だ 山本 紘大(駿台甲府中学校)
ふいにこの雲に隠れる太陽はだれとかくれんぼしているのかな 鈴木 菜央(岩沼市立岩沼中学校)
暁の富士の天辺光りたり陽が顔出してこちらを覗く 安藤 大輝(笛吹市立一宮中学校)
にこにこと手を降る笑顔かがやいてゆらゆらゆれる黄色いランドセル 萱沼 はつほ(山梨英和中学校)

 

入選(45作品)

作品 氏名(学校名)
ぼうはてい竿の先からたれる糸静かな波が糸を揺らす 鈴木 日陽(甲府市立南西中学校)
懐かしい歌が聞こえる庭の方叔父が歌い演歌聞こえる 保坂 先人(甲府市立南西中学校)
打ち合いの体育館でラリーする跳ね返る音以心伝心 田草川 萠音(甲府市立南中学校)
なりたいなかみみたいに万能に書いたり貼ったりできる紙に 三浦 大輝(甲府市立南中学校)
テレビ越し淡い桃色蓮の花夏の季節にふわりと咲いた 渡辺 紗衣(甲府市立南中学校)
あさがおの光に満ちたその顔と君のひとみがうりふたつだね 伊藤 琴美(甲府市立笛南中学校)
父の日にぬいぐるみをあげましたかわいいくまさん車内にかざる 樗澤 朱音(甲府市立笛南中学校)
夏の匂いたくさん並ぶとうもろこし気付けば身長こされている 橘田 響(甲府市立笛南中学校)
大切な一文字一文字に込めてゆく短歌は私の日々の足跡 堤 セナ(三沢市立堀口中学校)
君いない日々を過ごしているけれど日々日常のありがたみを知る 鈴木 恵惟(静岡市立清水第六中学校)
空見上げシャッターひと押し帰り道日々の生活収める一枚 渡部 咲空(静岡市立清水第六中学校)
スイミング帰ると母の荷物あり袋とび出す水菜が語る 沼尻 和真(静岡市立清水第六中学校)
夜もすがら二人一緒に見上げる月言葉なくとも想いは同じ 松井 幸花(静岡市立清水第六中学校)
畑道くぐり抜ければはなにつく桃とすももの果実のにおい 堀江 晃太郎(北杜市立甲陵中学校)
向日葵を抱えし少女空の下揺れるスカートシャッターを切る 藤井 釉菜(北杜市立甲陵中学校)
踏み出した焼けたピットと空の下とびこせ記録自分を越えて 小俣 拓也(北杜市立甲陵中学校)
夏課外三十四度かばんから弁当見えたHP(たいりょく)増(ふ)えた 晟   士(山梨県立ろう学校 中学部)
水の音人の足音笑い声楽しい日々がいつかなくなる 渡辺 真帆(河口湖南中学校組合立河口湖南中学校)
サーブミスネットにかかり入らずに君に叱られ我には一夜 田中 絆(河口湖南中学校組合立河口湖南中学校)
金色の鎧兜を身にまとい天を指差し「まだまだいける」 蓮見 恵麻(河口湖南中学校組合立河口湖南中学校)
タンポポの生命力に憧れる踏まれるたびに体を踏んばる 森山 陽斗(石巻市立石巻中学校)
意味調べでタブレットへと手を伸す国語辞典で広がる世界 齊藤 詩乃(岩沼市立岩沼中学校)
そこここに心のかけらがいっぱいだたくさん散っても拾うんだまた 成田 ゆづき(岩沼市立岩沼中学校)
父親は家族の中でも雨男それなのに今日は雨が降らない 小笠原 漣音(岩沼市立岩沼中学校)
水彩の絵の具を使い絵を描くよ筆をスイスイ泳がせながら 田中 心温(駿台甲府中学校)
夏夜空ペルセウス座の流れ星北方の少女の祈り届け 両角 穂楓(駿台甲府中学校)
目を閉じて浜辺に座りたたずむと寄せては返す波音に心がほっこり 吉岡 來星(甲府市立東中学校)
夏の夜星を見ている君を見て輝く顔にくすりと笑う 津久井 冴孔(駿台甲府中学校)
コロナ禍でどこへも行けずへこむ日々家族五人で寂しく花火 和田 恋羽(駿台甲府中学校)
涼やかな風鈴の音(ね)と風の音私に夏を運んでくれる 内藤 小絢(駿台甲府中学校)
母親と笑って過ごせる日常が奇跡なんだと気付かされた日 小澤 美緒(駿台甲府中学校)
おじいちゃんカメラ目線に笑みうかべじまん気に持つ大きなスイカ 高野 慶次朗(駿台甲府中学校)
秋風が頬を掠める涼しさは葉月の名残り消してゆくのか 長尾 海愛(松山市立三津浜中学校)
今はもうすっかり着なれた制服も昔はもっと大きかった 魚住 愛心(松山市立三津浜中学校)
見上げれば目に映る星は永遠(とわ)の数色や形のちがう輝き 中本 崇太(松山市立三津浜中学校)
ドンドンと夜空にのぼる光の結晶花ひらくとき目を輝かす 稲垣 星南(松山市立三津浜中学校)
病室のまどから見てた外の色空気に包まれやわらぐ痛み 大橋 彩萌(松山市立三津浜中学校)
三津浜の大きな空が広がって大きな街ものみこんでいく 大野 琉花(松山市立三津浜中学校)
どんどんと進化する世といつまでも愛ある祖父の町変わりなし 堀川 愛梨(松山市立三津浜中学校)
コロナ禍の時代が終わり見てみたいマスクが取れたみんなの笑顔 田川 秀憲(笛吹市立一宮中学校)
うきうきがずっと続いて止まらない新ラケットが届く時まで 石原 僚真(笛吹市立一宮中学校)
テスト中鉛筆ぎゅっと握りしめ手汗が伝わるあと五分 三品 佐歩(山梨英和中学校)
あの日からぽっかり空いた部屋の隅綿ぼこりだけが残されたまま 前田 遥香(山梨英和中学校)
グラデーション空にかがやくのぼりざかきょうもやるぞとつぶやく自分 池亀 ほのか(甲府市立上条中学校)
試合中ラケットにぎりボールをうつどんなボールも思いをこめて 橋爪 悠人(甲府市立上条中学校)

 

 

ジュニアの部(小学生)

特選(3作品)

作品 氏名(学校名)
明日は雨になるだろうって西からの小さなうずまきみたいな風吹く 横道 玄(光市立光井小学校)
ウクライナ死んだわが子を母がだく世界がさけぶ平和の声を 安田 岬生(甲府市立中道南小学校)
やみを裂きわたしに近づく大目玉ににらまれているねぶたの夜は 種市 美優(三沢市立木崎野小学校)

 

入選(12作品)

作品 氏名(学校名)
なつ休みピアノれんしゅうよくやったえんそうきょくは「千本ざくら」 斉藤 晴(笛吹市立御坂西小学校)
お母さんお腹にいる子大切にそして体も大切にしてね 前崎 永遠(光市立岩田小学校)
動物の出す二酸化炭素を吸い酸素へ変える葉っぱに感謝 河村 美空(光市立島田小学校)
ハナちゃんといのちいただくつかみどり自分でさばきいただきました 松井 晶(甲府市立中道南小学校)
どんどんとうまれるメダカすごい数小さないのち大きくそだて 樋口 愛依(甲府市立大国小学校)
夏の空ゴールへとばせゆめシュートがんばる兄のせなかにエール 根津 光莉(甲府市立湯田小学校)
じいちゃんの好物いっぱい準備して迎え火焚いた初めての盆 宮澤 源(甲府市立湯田小学校)
手動かし涼しい部屋で胸熱く絶対受かるぞ暗算検定 鳥谷 聡美(甲府市立中道北小学校)
ぎゅうぎゅうとぼうをにぎって足からめてっぺんせいはせかいがみえた 横谷 梨乃(甲府市立中道北小学校)
母さんのつくるすももはおいしいよあまいかおりにちょっとすっぱく 望月 花夏(甲府市立中道北小学校)
お習字で山の緑と書いてたらすずしい風がほっぺをなでたよ 新井 唯月(札幌市立新発寒小学校)
だいジャンプきもちがいいなあきのかぜりょうてでとめたサッカーボール 前島 里成(笛吹市立一宮西小学校)

 

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