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更新日:2026年2月3日

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【結果報告】第24回方代の里なかみち短歌大会

「方代の里なかみち短歌大会」は、甲府市出身の歌人「山崎方代(やまざきほうだい)<1914-1985>」を顕彰する短歌大会です。

この大会も本年度で第24回目を数え毎回多くの皆様から応募をいただいており、今大会は、ジュニアと一般の部を合わせ、4,320首(一般の部は780名1,494首、ジュニアの部は2,826首)の優れた作品をお寄せいただきました。たくさんのご投稿ありがとうございました。

これも方代さんの温かく味わいのある歌が、多くの方々に愛され親しまれているからではないかと思っております。

「一般の部」は文部科学大臣賞、山梨県知事賞、甲府市長賞のほか特選21首、入選50首、

「ジュニアの部」は文部科学大臣賞、山梨県教育長賞、甲府市教育長賞のほか特選20首、入選77首が入賞されました。

おめでとうございました。

山崎方代写真【写真提供:湯川晃敏氏(日本写真家協会)】

選者

<一般の部>大下一真・春日いづみ・三枝浩樹(五十音順)
<ジュニアの部>窪川美代子・河野小百合・白倉一民(五十音順)

大会大賞作品

文部科学大臣賞一般の部

山梨県笛吹市 前島 充

扶養「無し」配偶者「無し」に〇を付け職業欄に百姓と書く

《評》国勢調査、あるいは別の調査かも知れないが、該当事項に〇で答えよという。扶養も配偶者もない、つまりは一人暮らしの作者。寂しい暮らしかと読者は案じるが、当人は別に何ということはなく、職業欄に「百姓」と書くのだという。「農業」ではなく「百姓」である。「オレはどん百姓という言葉が好きだねえ」と山崎方代が言っていたことも想起されたが、ともあれ、家族には恵まれないが、大地に根をしっかりと下ろして、百姓であることを強い矜持として生活している作者の姿まぶしいほどだ。

【評 大下 一真】

文部科学大臣賞ジュニアの部

岩沼市立岩沼中学校 石澤 美尋

戦場へ送り出された人たちはどんな気持ちで旅立つのだろう

《評》とつとつとした方代のつぶやきを彷彿させるような一首である。「どんな気持ちで旅立つのだろう」、この下の句の、静かな押し殺した重い問いに、何と答えたらいいだろうか。戦後八十年、戦争を知らない世代が大半を占める中、世界各地での戦禍は、いまだ止まない。不自由なく平穏な毎日を送る中学生(作者)にも、ふとよぎる戦争への不安。もしも、戦場へ送り出されることになったら、それは、突然に「いのち」の終わることを覚悟しなければならないことである。「いのちをふたつもつものはなし」そのとおりである。戦争は、お互いの「いのち」を奪いあう卑劣なものだ。戦争は愚かだ。戦争はいらない。作者の、恒久平和への願いが、静かに強くつぶやかれている。

【評 白倉 一民】

山梨県知事賞

山梨県中央市 堀口 明枝

無人駅闇に顔浮く少年がこの世と繋ぐスマホに見入る

《評》夜だろうか、人影のない無人駅に佇む少年。「闇に顔浮く」のはスマホの光が顔を照らしているからだ。内に心を閉ざしながらも他者と繋がりたい現代の若者の姿をこの少年に重ねている。「無人駅」「闇」は現実でありながら、先行きの見えない世界の状況かもしれない。少年はその混沌を生きてゆく、背負っていく一人である。スマホは夥しい情報を提供し、どこにいても瞬時に他者と交流することができる一方で、容赦なく削がれるのはじっくり考え、判断するための時間、ではないか。「この世と繋ぐ」の一語によって作品は単なる描写から社会状況へと読む者の心を誘う力がある。

【評 春日 いづみ】

山梨県教育長賞

山梨県立中央高等学校 金古 恋治

蟬しぐれ耳にこぼれて午後三時麦茶の氷まだ溶けきらず

《評》地球温暖化の影響で、気候が二季化している。長い夏の間、水筒に麦茶を入れて携帯していたのだろう。ちょうど午後三時となり、麦茶を飲もうとした折のことである。「麦茶の氷まだ溶けきらず」のさり気ない気づかいが味わい深い。こうした所を掬い取れることにまず驚かされた。麦茶の具体もよく、水筒とは言っていないが、作品背後からその事は感じられよう。こんな暑い午後になっても溶けきらない氷は、作者にエールを送ってくれるようであり嬉しかったのである。冷たい麦茶を飲んでいると、窓の外では盛んに鳴き続けている蟬の声がする。その様を「耳にこぼれて」と感性で把握した措辞にも詩情がある。初句と、三句で切れていることがやや惜しいが、下の句の把握でそれもさほど気にならなかった。

【評 河野 小百合】

甲府市長賞

青森県東津軽郡蓬田村 猫田 馨

「ひまわり」を母と観し夏この世にはなんと悲しき黄の花が咲く

《評》ソフィア・ローレン主演の名作「ひまわり」を題材に、戦争の悲惨さ、戦争によって引き裂かれた夫婦の悲しみを、わが事として受けとめ感受した一首である。ウクライナの凄惨な現実に接して、多くの人々がこの映画を想い起こし、戦争は悪だという思いを歌にこめて詠んだが、この一首は傑出して印象深い。上の句、「『ひまわり』を母と観し夏」も揺るぎない表現で、これがもし「『ひまわり』を一人観し夏」だったなら、印象はずい分変わる。「一人」ではなく「母と」であるゆえに引き裂かれた夫婦、ひいては家族の崩壊の無念さが実感として迫ってきたと想像される。戦争は一個の人間の尊厳を踏みにじり、社会の最小単位である家族を引き裂く。「この世にはなんと悲しき黄の花が咲く」、この下の句から多くの人々がラストシーンのひまわり畑の情景を思い浮かべることだろう。なんと悲しく美しい、祈りの思いに充ちた感情につつまれることか。

【評 三枝 浩樹】

甲府市教育長賞 

防府市立右田小学校 平井 里奈

しょうらいはだれかのなやみたすけたいだれかのこころすくってあげたい

《評》作者は以前何かに悩んでいたことがあり、それを打ち明けただれかに相談にのってもらって救われた経験があるのかもしれません。そしていつかは自分もそうした悩みをもつ人のこころに寄り添って、その人の心を楽にしてあげたいと思うようになったのではないでしょうか。一首はすべてひらがなでよまれていて、何年生の作品かは分かりませんが、自分のことだけで精一杯に生きている人間が多いなかで、何と素晴らしい夢を語っていることかと心を打たれました。自分の身のまわりの人たちへの思いやりの気持を忘れず、将来への夢を持ち続け、実現させてほしいと願っています。

【評 窪川 美代子】

そのほかの受賞作品は、次のとおりです
一般の部◆    
特選(21作品)    
作品 氏名 居住地
室外機の音しかしない朝五時の世界にわたしの足音を足す 堀 将大 岡山県倉敷市
先ず墨で消して学びし教科書に戦後を生きて八十年過ぐ 内藤 博子 山梨県南アルプス市
悲しみに番号つけて私の引き出し深く閉じ込めている 安藤 初美 山梨県西八代郡市川三郷町
畦道を歩いていくよあみだくじどれも天へと繋がる棚田 小高 由紀 広島県広島市
遺言にそぐはざるとも思ひつつ「平和に尽せ」と子らに認む 阿部 昌彦 新潟県村上市
栄養も薬もチュウーブで摂るという夫の入れ歯と家に帰りぬ 小高 弘美 山梨県中央市
真珠湾にそって走る六車線もしもの時の滑走路とぞ 金子 百合子 山梨県甲州市
死んでしまえばそれっきりなりと方代さんそれからずっと生きております 坂口 京子 山梨県北杜市
寅さんの在りのままなる生き方が時に切なく食む草だんご 渡邊 忠子 山梨県南都留郡富士河口湖町
青空に一筆書きしてジェット機過ぐあのようにして僕も行けたら 宇多村 順一 山口県防府市
田の畦にドンと据えたるコンバイン麦藁帽子が座席に休む 笹本 耕治 神奈川県大和市
無言館のパレットに硬き絵具あり絵描きの父を捜す旅する 乾 百樹 長野県下伊那郡高森町
天空の深さを測り糸を引く凧上げる子の細き指先 堀口 明枝 山梨県中央市
きりぎしに折れたる水は真白なる瀑布となりて万緑に垂る 矢端 宗雄 群馬県前橋市
星ひとつ何万年を旅ゆけりこのまなざしの一瞬に触る 堀田 皐月 東京都新宿区
言いたくはないのに止まらないときがあって正義は麻薬みたいだ 大船 美穂 青森県八戸市
八ヶ岳を呑みこみながらゆうゆうと梅雨の晴れ間をくじら雲ゆく 浅川 清 山梨県北杜市
公園のパンダとうさぎ誰も来ず誰も乗らずに夕焼けのなか 渋谷 史恵 宮城県多賀城市
ただひとりひこうき雲よどこへ行くしっぽを空に置き去りにして 和井田 勢津 青森県八戸市
「もう一度雨に打たれてみたいよ」と病窓にゲリラ雷雨見るひと 松本 尚樹 埼玉県富士見市
数学ができず泣きたる頃の吾よだいじょうぶ、今もできないけれど 小池 弘実 京都府京都市
入選(50作品)    
作品 氏名 居住地
人の世の三叉路に立つ吾を照らす標なる星父さんだよね 東家 芳寛 佐賀県佐賀市
「せかいちずなんでいろわけするのかな」男孫の問いにわれ窮したり 東家 芳寛 佐賀県佐賀市
チリリンと江戸風鈴の鳴る軒端透ける硝子の向こう青葉して 大島 すみ子 埼玉県新座市
「力には力」は止せと方代さん手にのせ帰る豆腐が旨い 角田 好弘 山梨県笛吹市
妹の幸せ願う兄なれと夭折の子に今朝も香焚く 角田 好弘 山梨県笛吹市
鍬持って打てば土色変わりたり深くなるほどこの星の色 宇都宮 千瑞子 愛媛県松山市
偽善なるこころひとつを断ちてくれ錆びし斧なら納屋にあるから 眞庭 義夫 群馬県利根郡みなかみ町
熱おびて赤らむわれの頬にふれあんずのようと言いし母の掌 上村 信子 神奈川県横浜市
義歯なれば口笛さえも鳴らざりし妻なき老いの散歩の刻に 小畑 定弘 徳島県阿南市
わが部屋にひょいと入って来た妻が駄菓子を食べて出でてゆきたり 内藤 賢司 福岡県八女市
いつの日か言われるだろう人類は調教済とAIの声 久信田 史夫 茨城県水戸市
山あいの棚田に映る半月はかすかな風に千切れて光る 秋野 正彰 山梨県甲州市
いくつもの規則にしばられ生徒たち噴火のエネルギー裡に秘めもつ 中里 茉莉子 青森県十和田市
レポートが話の続きに溶ける夏まだ三千字あと三千字 市川 美月 山梨県都留市
薄れゆくわれの士業の看板を妻は小声で線刻なぞる 中村 公夫 奈良県橿原市
自己分析チャートの果ては「凡人」と書いてありそうでそっと閉じる 髙岡 大祐 東京都西東京市
若苗に青イトトンボすととまりかすかに沈む命の重さ 花澤 冨美雄 千葉県船橋市
「休むんじゃなくて気持を溜めるのが休符なんだ」と歌の先生 中尾 加代 和歌山県和歌山市
帰らざる軍馬の廐舎の片隅に軍服のごと鞍掛けてあり 小野 一男 青森県八戸市
ナンの生地のばすみたいにあなたへの想いが胸をはみ出していく 青木 武志 兵庫県西宮市
朝もやの中から突如現れて限界集落より新入生出づ 阿部 昌彦 新潟県村上市
調整し易く誰しも口にするカレーパウダーみたいな意見 秋本 哲 愛媛県松山市
「よぉいとせぇ」四十人の手ぢからに梵天竿の立つ小正月 小俣 喜治 山梨県大月市
女郎蜘蛛餌をとる構えで揺らす網真紅の腹を雄に見せつつ 上田 康彦 千葉県四街道市
起床してトイレを済ませ入れ歯して補聴器付けていざ出陣す 日向 敬子 山梨県笛吹市
山菜のぼんなこごみの天ぷらのほのかな苦みふるさとの味 村松 建彦 静岡県掛川市
寂しさと自由の同居する老いの独り暮らしの珈琲の味 今田 亘子 奈良県天理市
電線を見上げておれば降りてくるほのかに温き1枚の羽 清水 静子 群馬県藤岡市
人生の秋に目につくもの全てやがて亡びるものに見へ来る 二宮 正博 福岡県筑紫野市
五十年たてど恩愛ますばかり亡父よ今宵の月は赤いよ 望月 美代子 山梨県甲府市
ふらここを力一杯こぎ出す子ブラックホールを抜け出すごとく 新美 喜代男 東京都練馬区
濡れ縁でしばしの語り吾子達ととりとめのない話題を広げ 秋山 あい子 山梨県笛吹市
雪どけのリズム宜しくポタポタと軒下をうち春がはね出す 磯田 悦子 山梨県富士吉田市
駅名を「かふふ」と表記す幼き日の記憶を辿る遥かな昭和 斉藤 由美子 山梨県甲府市
源流を目指す孫との電車旅駅に着く度秋は濃くなる 田中 恭司 岐阜県岐阜市
無人駅に吊るされてゐる風鈴の一つが鳴りぬ三つのうちの 辻尾 修 長崎県東彼杵郡川棚町
コーヒーにサプリひと匙まぜ入れる膝よくなれとまじないまぜて 伊藤 千永子 山梨県甲府市
一年の行事のしゃしん皆えがお老人会は百歳時代 小倉 初江 山梨県都留市
ガザキエフ死に行く子らをただ見ている我ら何者なにもの我ら 海野 兼夫 埼玉県狭山市
よきこゑに僧の誦します施餓鬼会のむづかしき経にこころ鎮もる 海野 由美 静岡県三島市
オガラ焚き灰になりてもじっと見る去年は父もここに居たのに 樋田 和子 山梨県甲府市
たった二日でたった四人で二百年の寺の檜は伐られ静もる 仲田 末子 三重県松阪市
またひとつ学舎閉ぢて近隣の四校の灯はすべて消えたり 藤林 正則 北海道札幌市
猛暑日の多い年のみ咲くという里芋の花黄色く光る 早川 辰雄 山梨県笛吹市
記憶には距離感がなく八月の祖母の遠くて近い満州 小野 小乃々 和歌山県新宮市
諦めたり辞めたりそろそろ始めたり篩にかける老いの頃合い 山本 みさよ 兵庫県神戸市
ほんとうは空に穴が空いていて靴下みたいに浮かぶ満月 宮澤 ななせ 長野県茅野市
正絹のネクタイ百本捨て老いを磨くサックス一本を持つ 忽滑谷 三枝子 群馬県渋川市
解体をあらかた終えしショベルカー深呼吸をす残り香のなかに 成本 孝宏 埼玉県川越市
降る雪にワクワクよりも憂鬱を覚えてぼくは大人になった 熊谷 和佳 山形県山形市
     
ジュニアの部◆ 《高校生》    
特選(10作品)    
作品 氏名 学校名
人混みは二人の距離を近づける夏の夜空に花開く時 小林 瞳 甲府市立甲府商業高等学校
放課後のチャイムが余韻残すなか机に描いた夢がまだある。 窪田 稀々花 甲府市立甲府商業高等学校
夏の空オレンジ色に染められて悩みの影も光に変わる 保坂 柚帆 甲府市立甲府商業高等学校
放課後に自転車並べ甘いサイダー笑って飲めば夏の味する 今井 安珠 甲府市立甲府商業高等学校
自販機はわたしを許し冬の夜にりんご飴を吐き出してくれた 成澤 きらり 横浜市立みなと総合高等学校
帰り道いつも立ち寄るコンビニで笑顔でくれるからあげ一個 萩原 慶介 山梨県立甲府工業高等学校
その青を反射している海の月自分だけでは虚無だから月 宇山 龍 神奈川県立光陵高等学校
コスモスの生きる辛さを知りたくて光合成にチャレンジしてる 小林 央奈 神奈川県立光陵高等学校
いつもより七月七日はあついけどさらにあついよ君を思うと 大久保 直輝 山梨県立甲府東高等学校
炎天下部活終わりのかき氷前歯しみるが勝利の味だ 政所 心人 山梨県立巨摩高等学校
入選(39作品)    
作品 氏名 学校名
進路票白紙のままで見つめてるほんとうの夢まだぼんやりと 齊木 りこな 帝京第三高等学校
夏の匂い星降る夜の空の下選べる未来無限にひかる 田中 美桜 帝京第三高等学校
春風が川のほとりを吹き抜けて空に舞い散る桜の花びら 山本 忠寛 帝京第三高等学校
日焼けあと見せあいながら笑いあうアイスと記憶溶けていく午後 中嶌 沙愛 帝京第三高等学校
夏の夜芝生の上に寝ころがり友と四人で見た流れ星 小倉 瑞穂 帝京第三高等学校
混みあった席越しなのに目が合って疲れ吹き飛ぶ夜の食堂 石井 楓 帝京第三高等学校
キックオフ最後の笛が鳴るまではあきらめなんて言葉はいらぬ 坂元 怜羅 帝京第三高等学校
となりにはいつも笑顔の君がいたあたりまえっていちばんの奇跡 江良 さくら 宮城県古川黎明高等学校
自販機の「つめた~い」の文字滲んでる夏が少しずつ溶けていく午後 高岡 奈央 日本大学第二高等学校
白波に足跡消えて風涼し笑い声だけ浜にひびけり 本間 優麗 甲府市立甲府商業高等学校
鏡見て自分にそっと言い聞かす今日も笑ってがんばってこい 鈴木 愛理 甲府市立甲府商業高等学校
夕立にぬれた道には虹ひとつ胸の不安をそっと照らせり 栗原 光那 甲府市立甲府商業高等学校
ダイエット明日からって決めたのに屋台の香りに負けをみとめる 伊藤 七海 甲府市立甲府商業高等学校
日だまりでひげをくすぐる春の風丸くなりつつ夢をひとなめ 青山 伶美 甲府市立甲府商業高等学校
勝てなくて足に残った砂と傷だけどこの夏まちがいじゃない 天野 彩華 甲府市立甲府商業高等学校
浴衣着て普段話さぬこと話す心の穴がぽとりときえた 芹澤 明音 甲府市立甲府商業高等学校
頑張ろうそう思うのはいつだって頑張る人がそばにいるから 中嶌 倖史 甲府市立甲府商業高等学校
練習の日々を重ねて笑い合う勝っても負けてもともに進もう 望月 さやか 甲府市立甲府商業高等学校
夕暮れに部活終わりの自販機で一緒に飲んだ冷たいラムネ 三井 愛梨 甲府市立甲府商業高等学校
勝ちたいと言ったあの日の涙からひとつの声になれた俺たち 近藤 京介 山梨県立甲府工業高等学校
海の音耳に残って帰り道まだぬれた砂サンダルに絡む フィッツパトリック 斗夢 山梨県立甲府工業高等学校
泳ぎ終え肩で息して見上げれば青空高く夏まっさかり 川口 心優 山梨県立甲府工業高等学校
砂まみれ笑い転げた海の午後アイスが溶けても終わらぬ夏よ 佐川 健之介 山梨県立甲府工業高等学校
白球を追って砂舞う暑い夏勝利つかむと心で叫ぶ 鎌田 壮太 山梨県立甲府工業高等学校
触れたくてふれられぬまま見つめてる君ににている夜の海月に 金丸 喜羅 山梨県立甲府工業高等学校
耳の奥にボールの音が残ってるプレー思い出すバレーの試合 横澤 陽菜 松商学園高等学校
熱帯夜塾の机でペン握り目は現代文耳だけ花火 梶原 万知 山梨県立甲府東高等学校
鬱病の道化師みたく空回るこの世界でも僕は偽り 鮎川 海瑠 山梨県立甲府東高等学校
ホントウとウソの間で椋鳥に交じりて空を逝く夢を見る 古屋 和聖 山梨県立甲府東高等学校
「また明日」残すあなたに手が伸びずポケットの中「君が好きです」 小田切 遥士 山梨県立甲府東高等学校
あと少し教室に響くみなの声春になれば全て旅に出る 矢﨑 日葵 山梨県立甲府東高等学校
一ポンド一九九円エディンバラ閉じたままなる僕の財布よ 種池 陽太 京都府立峰山高等学校
羽音舞うシャトルは空を切り裂いて汗と風とが交差する夏 伴 蒼太 京都府立峰山高等学校
スコア表書き込みながら見上げれば泥にまみれし夢の背番号 吉岡 舞 京都府立峰山高等学校
歩くたび後ろを歩く子猫たちご飯はさっき食べたばかりでしょ 坂本 怜 甲府市立甲府商業高等学校
夜更けにはスマホの光ただひとつ眠れぬ胸を包むあかりよ 岩野 悠都 甲府市立甲府商業高等学校
風呂上がりエアコンいらず秋風が火照る体を冷ましてくれた 戸松 頼音 甲府市立甲府商業高等学校
受け取ったお釣りの小銭のピカピカはきっと誰かの自由研究 大石 琢人 渋谷教育学園渋谷高等学校
下校路の土木工事の現場から小突かれている兄の声する 関口 和奏 星野高等学校
ジュニアの部◆ 《中学生》    
特選(7作品)    
作品 氏名 学校名
髪を切り心も軽く駆け出せば初夏の風がそっと背中押す 小澤 理彩 駿台甲府中学校
家庭科のミシンの音が鳴り響くわたしの心チクチクと縫う 古屋 璃佳 駿台甲府中学校
空あおぐ空あおぐ声響く夏合唱リレー汗と歓声 エボラ アーロン 甲府市立上条中学校
つまずいてじっと手を見るそのしゅんかん、ありといっしょに空を見上げる 安室 瑠菜 甲府市立北中学校
日曜日すぎ去る雲を窓に追いこころふわりとどこかさみしい 西田 朋夏 三沢市立堀口中学校
悔しくて視界がにじむ帰り道小石がきらりわれを励ます 森 史菜 三沢市立堀口中学校
強い字で諦めないぞと文鎮に抱負を誓う文鎮作り 小林 菜海 昭和町立押原中学校
入選(25作品)    
作品 氏名 学校名
返されたテストの点数見せてみりゃ「微妙だねぇ」、やかましいわい 山本 稟 甲府市立富竹中学校
八丈の遠くの島の空の下シュラフの中で恋し故郷 志村 莉奈 駿台甲府中学校
麦わらの帽子飛ばして駆ける子ら白き雲に夢を描いて 住友 美月 駿台甲府中学校
乱れ咲く藤を見るたび溢れ出す言葉に出来ぬ君への想い 平井 孝音 駿台甲府中学校
放課後の窓から入るだいだいで君の背中が光り輝く 橘田 実怜 駿台甲府中学校
五月雨のピッチの中で駆け巡る歓喜で終わる最後の試合 秋山 孝太 甲府市立上条中学校
弟と父を後ろにぐんぐんと頂上目指す霧の伊吹山 岡本 悠生 名古屋市立千鳥丘中学校
キャパオーバー難問だらけを前にしておもちゃみたいに回答を書く 齊藤 暖乃 南アルプス市立櫛形中学校
木の声が光に溶けて透き通るいつもより少し明るき私 阪井 歩 関西大学第一中学校
あかくちるはにあしとめていきひとつすんだそらにはとりのかげゆく 名取 柚乃 甲府市立南西中学校
友達と自転車でゆく坂道の木々の間に空色の海 河野 まかな 三沢市立堀口中学校
けんかして母と無言のその夜は好きな曲聞き涙あふれる 織笠 有愛 三沢市立堀口中学校
太陽の下響く観声身に纏いソーラン節であたえる勇気 齊藤 陽菜 甲斐市立敷島中学校
ばあちゃんの特製からあげたべているじいちゃんの顔ふと思い出す 大杉 慎 甲府市立笛南中学校
勝ちたいとつよく願ってコートたつ手に汗にぎるラストステージ 石井 優和 甲府市立笛南中学校
踊りだすいろんな楽器の音色たち楽譜飛び出し目指すは客席 田淵 美月 昭和町立押原中学校
大丈夫苦しい中の友の声元気出てくる魔法の言葉 永井 颯 昭和町立押原中学校
朝の風続く湖髪ゆらす心静かに新たな一歩 古屋 咲和 昭和町立押原中学校
話しつつ友と笑ってのぼってくどこまでも続く長い階段 佐野 芽依 昭和町立押原中学校
落ちていく鳴いていたせみ落ちていく音が消えてく夏が消えてく 小林 茉依 北杜市立甲陵中学校
ランドセルのその傷一つ思い出に桜咲く門くぐり卒業 前橋 菜々乃 北杜市立甲陵中学校
大切なものがだんだん崩れてく大地の揺れが悲しみを呼ぶ 小松 琉輝空 岩沼市立岩沼中学校
流れ星と宇宙旅行に行きたいな星いっぱいの宇宙空間 松本 強王 岩沼市立岩沼中学校
リズムのりハイな気分で指鳴らす踊る心をむき出しにする 沼田 一絆 岩沼市立岩沼中学校
ストレート静かに待つピッチャーのクイックモーションわかっているぜ 小澤 快音 甲斐市立敷島中学校
     
ジュニアの部◆ 《小学生》    
特選(3作品)    
作品 氏名 学校名
タンポポが太陽うつしかがやいて今日のわたしを照らしているよ 髙村 愛星 六戸町立六戸学園
じゅぎょうまえわくわくしてたおべんきょうむずかしいけどたん歌ができた 角田 稜輔 甲府市立中道北小学校
守り神窓からそろり会いに来る今日もいるかな私のやもり 柳川 百音 甲府市立中道北小学校
入選(13作品)    
作品 氏名 学校名
バスケット応援されてがんばれるゆう勝できるみんなのおかげ 佐竹 未織 光市立三井小学校
夕やけの雲からひかりふりそそぎ目がはなせない時間よとまれ 田中 桜彩 坂戸市立勝呂小学校
学校のくりの木ゆさゆさ花さかせ縄文人も食べたくりだよ 久保 穂垂 十和田市立法奥小学校
わっすごい星が生きてるきれいだなプラネタリウムみたいな夜空 岩井 結真 六戸町立六戸学園
ランドセルしょって出発学校へ背中できんちょうしているカバン 加澤 心陽 六戸町立六戸学園
夜になりせみの鳴き声聞きながら森のいのちを考えている 金沢 愛美 六戸町立六戸学園
寺めぐり鳥居をくぐり本堂へ天にとどける私の願い 里吉 葵 甲府市立湯田小学校
雨の中きれいなねいろかくれてるくさの中からかえるのねいろ 山添 晄正 甲府市立里垣小学校
戦争はなにがあってもしてはだめ勝っても失うたくさんの命 渡邊 大 甲府市立貢川小学校
いつまでも感謝の気持ち忘れずに周りの人にあいさつしよう 渡辺 出海 甲府市立貢川小学校
金魚すくいうまくできない妹にうちわで風をそっと送った 秋田 絃太郎 甲府市立大国小学校
スズメバチどくばり見せて目がピカリ気づかれないよにゆっくり近づく 平林 陽地 甲府市立中道北小学校
母の日にぬいものをしてプレゼントかざってくれたくまぬいぐるみ 岩下 稀香 甲府市立中道北小学校

 

 

 

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