更新日:2022年8月22日
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山梨が生産量日本一を誇る果物「葡萄」ですが、特産品として全国的に珍重されるようになったのは江戸時代のことでした。
甲府における葡萄栽培が史料に登場するのは、天保7(1836)年の『山宮村葡萄故障有無御糺書付控(こしょうありなしおただしかきつけひかえ)』が最初です。
この中で、山宮村が葡萄を手広く売り出すことに対して、隣村である羽黒村・湯村が異議を挟まない旨を役所に届け出ていることが記されています。このことは、甲府盆地の農村に有力な商品生産として、葡萄の栽培が受け入れられていったことを物語っていますが、山宮村で葡萄の栽培が行われることになったきっかけは、意外なところにあったようです。
当時、水害などで農作物の収穫が減少し、村を離れる者もあった山宮村には、荒地となった手余りの山畑が多く存在しました。そこで、猪(いのしし)や鹿(しか)による被害を避け、少しでも多くの収穫が得られるようにと苦心の末に試されたのが、葡萄の植え付けでした。すると栽培に適した土地柄だったらしく、成育も良好で、やがてはかなりの収量が得られるようになりました。
明治を迎えるころには、甲府周辺のみならず、東京やほかの地域に向けても、まとまった量を出荷をするまでになっていたそうです。
画像:葡萄園。市内の葡萄園では、7月下旬から11月上旬にかけて、ぶどう狩りを楽しむことができます!
また、江戸時代、葡萄をはじめ、梨(なし)、桃、柿(かき)、栗(くり)、林檎(りんご)、石榴(ざくろ)、銀杏(ぎんなん)(一説には胡桃(くるみ))といった甲斐国の代表的な8種類の果物を総称して、「甲州八珍果(または峡中八珍果など)」と呼んでいたそうです。
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