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更新日:2020年8月24日

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甲府市出身の歌舞伎俳優「市川右若さん」インタビュー

市川右若さん1

甲府大使である市川喜昇さんは、平成29年1月に、師匠市川右近が三代目市川右團次を襲名した事に伴い、市川右若と改名することになりました。今回は、甲府市で歌舞伎についてワークショップを開催している右若さんに、歌舞伎の魅力や奥深さについてインタビューしました。

年々進化する「市川右若のワークショップ」

平成25年国民文化祭の右若さん地元でワークショップを始めたのは平成25年の国民文化祭のときが最初ですね。県立図書館のイベントスペースで行いました。その時は、「甲府城下で歌舞伎案内」と「市川喜昇の楽屋案内」の二部構成で、立ち回りをオムニバス形式やらせてもらったり、楽屋で実際に化粧するところなど歌舞伎の裏側を見てもらいました。大勢のお客さまに足を運んでいただきましたが、当時は大雨が降ったため、本来は野外で行う予定のものが屋内になり、入場自由のワークショップでしたので、お客さまの入りはどうかなと心配に思う部分もありました。

生涯学習文化課の職員の方にそういった点を改善していただきながら、私も内容について、どうしたら喜んでもらえるか、笑ってもらえるか、年々よくしていこうと考えて今のワークショップをつくっています。

楽しみは歌舞伎をとおしてお客さまと対話できること

ワークショップの様子甲府でワークショップをしているのは、地元の方に歌舞伎のことを知って欲しいという気持ちもありますし、お客さまと対話ができるという楽しみもあります。

私は、完璧な台本はあまり好きではなくて、こうしたワークショップのときは、そのときの雰囲気やニュアンスに合わせて、話すことを変えたりします。お客さまの反応を見ながら、ここで笑わせてみよう、とか、笑いすぎだなと思ったら、少しまじめに戻してみたりしますね。あと、お客さまをいじることがよくあるのですが、そのときは、皆が笑いながら「あのお客さん良い味出してたじゃんね」と思ってもらえるような状況をつくることができるように努めます。

こうやって、歌舞伎をとおして、お客さまと対話ができるところが面白いところだと思いますし、やりがいですかね。

 

 

歌舞伎の世界で20年間。きっかけは「スーパー歌舞伎」

市川右若さん2一番最初のきっかけというのは、師匠市川右近(現右團次)のそのまた師匠である三代目市川猿之助(現猿翁)さんの創設したスーパー歌舞伎を見て、「見たい」という気持ちから「出たい」という気持ちに変わったことから始まりました。師匠のもとに入門させていただくことが決まってからの20年間はあっという間で、「歌舞伎役者ではなかったらどうなっていたのか」を考える余裕もないくらいでした。

初舞台は16歳の頃だったのですが、そのときは何にも考えられなかったというのが本音ですね。初舞台で女方というのはやらないのが普通なんですけれども、急遽女方の役が決まりました。座っている役でしたが、歌舞伎座の中で自分自身夢見心地で進んでいきましたね。

 

「仲間とつくり上げる喜びと苦しみ」

●ワークショップにご協力いただいた市川新十郎さんと中村梅乃さん●

市川新十郎さん、中村梅乃さん

歌舞伎に於いては先輩や仲間と一緒に演じる事が楽しいという気持ちはもちろんあります。仲間と一緒につくりあげるというのは、楽しみでもありますが、同時に苦しさでもあります。両極端なことだと思うかもしれませんですが、紙一重なんですよ。実際、今日披露した演目も合わせるのが出来たのが本番の2~3日前からでした。普段から歌舞伎は稽古期間が短かったりしますけれども、ギリギリまでここはどうしようか、と悩みながらやることも多く、苦しいときもあります。でも、そんな中だからこそ、皆で一丸となって生み出せる喜びもあります。舞台の上で突然違うことをしたり、打ち合わせにないことをやったりとか…今日もしてましたね。周囲ではこの変化を察して、臨機応変に対応したり、こちらも対応したりして、一緒に演じていく。楽しいですね。

目指すは「個性派」難しい役への挑戦

市川右若さん3役者としては、お客さまの印象に残るような役者になりたいです。主役とかそういうことではなくて、歌舞伎を見たあとに、「あの人面白かったね」と帰り道で言ってもらえるような役者になりたいです。綺麗な役ももちろんやりたいですけれども、個性的な役ほど難しくて面白いですし、どんどん挑戦していきたいと思います。歌舞伎の世界では、私が入門したばかりの頃は、個性的な役は本当に大先輩の役者しかできないようなものでした。最近は私たち若い世代でもやらせていただく機会もありますので、チャンスだと思って勉強させていただいています。

地元での公演やワークショップは、どうしても年1回ペースになってしまいますが、忙しい中でも、スケジュールが合えばやりたいな。と思っています。

始めた当初から、「右若(喜昇)のワークショップと言えば…面白い!」と市民の方に言っていただけるようなものをつくりたいと思っていましたし、これからも続けていきたいですね。

 

現代で歌舞伎が演じられている理由

市川右若さん4伝統芸能と呼ばれるものの中で興行としてなりたっているものが歌舞伎です。歌舞伎はその都度、演出が変わることがありますし、どんな古典でも、いろいろな型があるので、型が違う人がやれば演じ方が違います。こうして様々な型で何度となくいろいろな演目がかかるというのは、「歌舞伎が現代に生きている」証だと思います。もちろん伝統として残していかなければならない部分もありますし、逆に変えていっていい部分もあると思います。長い間、大衆に愛されてきた歌舞伎だからこそ、こうしたバランスをとっていくことが大切であり、こうした変化があるからこそ面白いのではないでしょうか。

甲府でのルーティーンは「鳥もつ煮」

市川右若さん5時間があるときは甲府に帰ってきて、同級生がやっている店に地元の仲間と集まることが多いですね。行けるときは極力行きます。あと、鳥もつ煮は大好きですね。鳥もつ愛はすごいですよ私は。帰ってきたらお蕎麦屋さんに行って必ず食べますね。

公演中に必ずやることは特にはないのですが、病気や怪我には気を付けていますね。1か月興行だと、25日間出続けなければならないので、毎日同じルーティーンで過ごします。同じ時間に同じことをしないといけない状況なので、開演時間が1時間変わるだけで凄い違和感がありますね。

 

 

 

 

鳥もつ煮を愛し、甲府に帰ってきたときのルーティーンにしてくださっている市川右若さん。10月~11月に新橋演舞場で開催されるスーパー歌舞伎セカンド『ワンピース』にも出演されるそうです!

今後も甲府出身の歌舞伎俳優、市川右若を応援していきましょう!

甲府大使 市川右若さん最新情報

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