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更新日:2022年10月18日

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令和元年10月市長臨時記者会見

sichorinji

日時

令和元年10月21日(月曜日)午前9時30分~

場所

市長応接室

発表事項

  • 台風15号及び19号における本市の被災地支援の状況について
  • タイ バンコクでのトップセールス及び商談会の報告について
  • リニア中央新幹線山梨県駅位置の検証結果について

配布資料

発表内容

本日は、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

それでは、本日の発表項目、3項目につきまして、お話をさせていただきます。

台風15号及び19号における本市の被災地支援の状況について

1つ目は、台風15号及び19号における本市の被災地支援の状況についてであります。資料の1をご覧ください。

はじめに、日本各地に甚大な被害をもたらしました台風19号により、お亡くなりになられました方々に深い哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、被災地、並びに被災された皆様方が一日も早く平穏な日常を取り戻せますよう、お祈り申し上げます。

秋の行楽シーズンの真っ只中に、今回のような超大型台風に見舞われ、観光業をはじめとする市内各業界団体の皆様にとりましては、大変な痛手となったことと思います。しかしながら、市内の被害を最小限に抑えることができたのは、市民の皆様が、防災訓練や防災研修会など、日頃から防災意識の向上に努め、自助・共助の精神を養っていただいた賜物であると考えております。今後につきましても、11月の総合防災訓練をはじめ、防災に関する研修会などに積極的にご参加をいただく中で、更なる防災意識の向上に、努めていただきたいと思います。本市としましては、災害義援金の受付とともに、自治体からの要請に対しましては、職員の派遣や資材を提供しております。先月の台風15号では、千葉県館山市に災害ゴミの仮置き場の管理状況の確認や運搬業者との調整支援などを行うため、さらに、千葉県南房総市には、罹災証明書等発行に伴う家屋調査を行なうため、それぞれ職員を派遣をいたしました。

台風19号に関しましては、10月16日に茨城県水戸市に、スコップや土のう袋を職員が直接お届けをいたしました。また、長野県長野市に対しましては、避難所運営業務を行うため、各部局から選抜した総勢16名の職員を本日から約1ヶ月間、1週間単位のローテーションで派遣をいたします。併せて、栃木県鹿沼市に対しましても、本日から10月24日まで、災害廃棄物の収集運搬業務を行うため、職員2名を派遣いたします。上下水道局におきましては、日本水道協会から待機の連絡があり、いつでも給水車が出動できる体制を整えております。今後も、迅速に、被災された自治体を支援してまいりたいと考えております。

タイ バンコクでのトップセールス及び商談会の報告について

2つ目は、タイ バンコクでのトップセールス及び商談会の報告についてであります。

資料の2及びモニターをご覧ください。

10月8日の記者会見でお話をさせていただきましたとおり、9日より山梨県水晶宝飾協同組合の松本理事長とともに、タイバンコクへトップセールス及び商談会に行ってまいりました。しかし、台風19号の規模や進路などから、本市への影響を熟慮し、私は11日の予定を切り上げて、帰庁いたしましたことから、10日の日程につきまして、ご報告をさせていただきます。

(写真(1)(2))まず、「ジェトロバンコク事務所」を訪れ、タイにおける経済情勢をはじめ、消費動向や輸出入の動向など、トップセールスに必要な情報を提供していただきました。(写真(3))次に向かいましたのは「在タイ日本国大使館」であります。大使館では、本市が、ジュエリー産業の一大集積産地であり、「宝石の街」であることをPRするとともに、関口公使に大使館からの情報発信や本市へのインバウンドを促していただけるよう、協力依頼をしてきたところであります。(写真(4))続いて向かいましたのは、「タイ国政府商務省国際貿易振興局」であります。(写真(5))こちらでは、今回の「展示商談会」へのお礼をワンナポーン副局長に申し上げるとともに、これまでのジュエリー産業における、タイとの関係性を一層深めるため、「相互に中小企業間の連携体制構築に向け協力すること」「情報交換やビジネス交流事業、セミナーや展示会などの関係性の構築に向けた活動に取り組むこと」についてのパートナーシップに関する「覚え書き」を取り交わすことを約束してきたところであります。これにより、本市の企業がタイのジュエリーフェアに出展する際には、商務省からこれまで以上にご配慮をいただけることと考えております。

(写真(6))この「覚え書き」につきましては、商務省の関係者が、今年度中に来日する予定がありますことから、来日をされたタイミングで取り交わしてまいりたいと考えております。(写真(7))続いて、宝石鑑別機関であるAIGSと宝飾業者が入居するジュエリートレードセンターの視察や、タイ宝石・宝飾品貿易協会を訪問いたしました。(写真(8))こちらでは、本市が本年2月に行いました、タイからのバイヤー招聘事業への協力と今回の展示商談会に対するお礼を申し上げました。(写真(9))協会からは、行政のトップによる訪問は初めてとのことで、非常に歓迎をしていただいたところであります。(写真(10))意見交換では、「これまでも深い交流があるので、今後とも実績を伴う協力関係を築いていきたい」と、タイ宝石・宝飾品貴金属連盟のソムチャイ名誉会長より非常に前向きなお言葉をいただいたところであり、(写真(11))民間における関係性もさらに一歩進んだものとなりました。(写真(12))最後は商談会の様子であります。2日間で10社が来場し、4件で70万円弱の「成約」もしくは「成約見込み」があり、商談の中で、取引の前に条件を問い合わせる、いわゆる「引き合い」は、16件で500万円ほどあったとの報告を受けておりますことから、新たな販路が拓け、今後の取引につなげることができたと考えております。今回のトップセールスでは、タイバンコクにおきまして、本市及び本市ジュエリーを売り込むこと、強固な関係性を築くこと、新たな販路を開拓することなどの目的を達成し、「宝石のまち甲府」を印象付けられたと考えております。なお、このトップセールスを契機といたしまして、今月の31日には、ジェトロ山梨が開催する「インフルエンサー招聘事業」により、観光庁「ミス・ビジットジャパン観光大使」であります、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドのミス・インターナショナル代表5名が本市を訪問していただくことになっております。その際には、本市が誇るジュエリー産品を全世界に向けて、強力に発信していただけることを期待しております。

リニア中央新幹線山梨県駅位置の検証結果について

3つ目は、リニア中央新幹線山梨県駅位置の検証結果についてであります。

リニア中央新幹線の山梨県駅の位置に関しましては、本年6月の市議会定例会におきまして、私は「現在の大津町地内が最適である。」と答弁の中で申し上げ、併せて、これまでの議論の再確認と、大津町のリニア駅の環境条件などについて、多角的な視点からの検証と、その説明を行うことをお約束しておりましたが、この度、庁内で行っておりました検証結果をとりまとめましたので、ご報告させていただきます。はじめに、大津町地内に決定された経過の再確認の状況をご説明いたします。

資料3「リニア中央新幹線山梨県駅位置の検証結果について」の1、「大津町地内への駅位置決定に至る経過(再確認)」をご覧ください。こちらの表は、平成23年11月に、山梨県をはじめ、県下全市町村、各種経済団体などで構成する「リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会」を通じ、山梨県の総意として、「大津町地内」を山梨県駅の位置としてJR東海に要望することを決定した際に、候補地として検討されていた「大津町地内」と「小井川駅付近」の2地域を比較検討した資料から抽出したものであります。駅位置に関しましては、平成23年6月に、JR東海が甲府盆地南部のみが技術的に設置が可能としたことから、同年9月に、本市をはじめとする甲斐市、中央市、昭和町の3市1町で構成する「リニア中央新幹線甲府圏域建設促進協議会」は、この2地域から県が主導して選定するよう要望し、これを受けた県が、資料にお示しした5つの視点から評価を行いました。改めて資料を確認させていただいたところ、「小井川駅付近」については、200軒から300軒の人家移転の可能性があるなど、生活環境への影響が大きく、身延線駅との一体化は現実的に困難として、資料6にありますように、駅から東へ約500メートル離れた一帯を、比較の前提として評価を行っています。(1)から(5)の各評価のうち、(1)と(2)については、住民の生活環境への影響や、大規模施設等を回避する必要性などのほか、JR東海がリニア駅を設置する場合の、整備コストや容易性などについて、検討がなされたものであり、(3)と(4)については、交通アクセスという面から、高速道路や新山梨環状道路との接続などのほか、「小井川駅付近」については、身延線の活用による利便性についても検討されたものであります。(5)については、中央道や国道137号線等による富士山へのアクセスに配慮すべきとの記述があり、スマートインターチェンジが近い「大津町地内」の方が観光面や、各圏域へのアクセスの強化につながるといった意見や評価を踏まえたものであると考えています。期成同盟会では、これらの評価をもって、総合的に「大津町地内」の評価が高いとして、JR東海に要望を行っております。また、この結果を持って、平成23年以降、県そして、私ども甲府市は、地元の皆様と、この間何回も、何時間もの協議を重ね、コンセンサスを形成してきたところであります。

次に、今回、改めて本市で行った環境条件などからみた検証結果についてご報告させていただきます。同じ資料の2ページ、「環境条件などの検証結果」をご覧いただきたいと思います。本市では、リニア開業による効果を最大限に享受し、市域全体の発展に結び付けていくため、「甲府市リニア活用基本構想」を策定し、資料4にお示ししたように、5つの目標を掲げ、各種施策に取り組んでおります。目標の「国際交流都市への構築」など上から3つの目標では、9つの施策を位置づけておりますが、それぞれに共通する視点が「観光やアクセス性」であり、「産業振興の推進」では、施策の一つに「企業誘致」を位置付け、また、「移住・定住の促進」では、「移住」を目標に掲げておりますことから、この度の検証にあたりましては、この構想に基づきまして、「観光・アクセス性」と「企業誘致」「移住」の3つの視点から、「大津町地内」と「小井川駅付近」の2地域について比較・検討を行いました。

はじめに「観光・アクセス性」についてであります。山梨県は、東京都に隣接するとともに、「富士山」という世界的にも知名度の高い観光資源を有していることなどから、県においては「観光立県やまなし」を掲げ、更なる観光客の誘致に力を注いでいるところであります。これに加えて、2027年にリニア中央新幹線が開業され、甲府圏域にリニア駅が設置されると、飛躍的な時間短縮により、東京圏のみならず、関西や名古屋方面からの玄関口となり、また、羽田空港や中部国際空港などとも短時間で結ばれることとなり、国内外からの観光客の誘致環境が飛躍的に向上されます。こうしたことから、リニア駅から県内の主要な観光地までの移動時間や、県内居住者等のリニア駅へのアクセスは、利便性の面でもたいへん重要になってまいります。そこで、山梨県の「観光入り込み客統計調査」の対象となっている、県内の主要観光地が属する、5つの圏域ごとの主要な鉄道駅までの所要時間について比較を行いました。まず、本評価における前提条件といたしましては、2ページの表などにお示したとおりであります。「大津町地内」では、「甲府駅」までの移動は、バスの利用を想定した所要時間約20分、「小井川駅」までの移動はタクシーの利用を想定し約7分とし、「小井川駅付近」では、「甲府駅」までの所要時間は、身延線「小井川駅」までの徒歩での移動時間約7分と、そこから鉄道に乗り換え甲府駅まで向かう移動時間を合算した約20分から38分を、所要時間の前提としています。なお、「小井川駅」から「甲府駅」までの最短の所要時間は、将来的に身延線の特急列車が「小井川駅」に停車することを想定した時間設定としています。これをベースに、各圏域の5つの代表的な駅までのアクセスに要する時間を比較したものが3ページの表にお示ししたものとなります。また、それを図示したものが資料5になりますのでご確認いただければと思います。3ページの表では、上が「鉄道」を主たる移動手段とした場合、下が「バス」を主たる移動手段とした場合となります。鉄道の場合、大津・小井川両地点ともに、最短時間の比較では同じとなり、「バス」の場合では、多少の違いはみられるものの、数分程度に留まり、結果として、5圏域の代表駅までの移動では、「大津町地内」と「小井川駅付近」では大きな差はみられませんでした。しかしながら、鉄道移動の場合の最長時間や、バス移動の場合を考慮すると、若干、「大津町地内」の優位性が高いという結果となっています。

次に、4ページの(3)「県内居住者等の交通手段の検討」をご覧ください。山梨県は、全国の中でも自動車の依存度が高いと言われておりますが、本年9月に県で策定した「山梨県自転車活用推進計画」によると、通勤・通学時の交通手段で最も多いのが「自動車」で、全国の44%に対し、山梨県は約7割となる69%となっています。また、リニア山梨県駅の利用が見込まれる長野県の諏訪地域においては、国の調査によると、県外への移動に用いられる交通機関として、「乗用車」や「バス」が上位となっております。これらのことから、「観光・アクセス性」分野の評価といたしましては、県内観光地へのアクセスに関しては、おおむね同等という結果でありましたが、県内主要観光地は鉄道駅周辺に限らないため、将来の公共バス路線の整備状況によっては、観光地に直接アクセスできる可能性があります。また、県内居住者等のリニア山梨県駅へのアクセスは、移動手段の状況により、車による利用が多く見込まれることから、スマートインターチェンジに近い方がより優位性があり、利用者の利便性の向上につながると考えられます。したがいまして、この分野では「大津町地内」の優位性が高いという結果となりました。また、将来的に、「大津町地内」に、身延線「小井川駅」や「東花輪駅」へアクセスできるシャトルバス等の専用公共交通を整備することで、更に利便性が向上し、優位性が一層高まるのではないかと考えております。

次に、5ページをご覧ください。2つ目の視点「企業誘致」につきましては、東京圏や名古屋圏からの企業誘致の受け皿となりうる集団農地がそれぞれのエリアにどの程度存在しているのか、その規模や、それら集団農地の高速道路インターチェンジからの距離などの視点から比較検討を行いました。結果として、用地規模等に関しては、企業誘致に適した広大な集団農地が、「大津町地内」及び「小井川駅付近」ともに複数存在していることから、これに関しては、ほぼ同等であると考えています。また、企業の立地条件について考えますと、資料6にお示ししたように、「大津町地内」のリニア駅周辺には、「アイメッセ山梨」や「公益財団法人やまなし産業支援機構」、「山梨県産業技術センター」など、産業支援施設や研究機関のほか、「甲府南部工業団地」や「国母工業団地」などには、先端技術等を有する企業が集積しています。更に、アイメッセ山梨の中には、50カ国以上に事務所を有する日本貿易振興機構「ジェトロ」の山梨貿易情報センターがあります。民間団体の調査によると、製造機能を有する事業所は、おおむね主要幹線道路の充実と高速道路のインターチェンジへの近接性などを立地要因として重視するとしておりますが、「研究開発」と「企画設計」分野の企業では、それらに加え、「新幹線駅」を立地条件として重視するとしております。したがいまして、高速道路のインターチェンジに隣接する新幹線駅を有する全国にないエリアとなる「大津町地内」は、既存産業と最先端技術を備えた未来産業の、異業種間連携を視野に入れた拠点性においても、企業立地の可能性が高まるエリアであり、周辺には公的な支援機関や研究機関のほか、海外市場調査や貿易のあっせんに優れた機関があるなど、企業のバックアップ体制が整っていることは、企業誘致を進めていく上で、大きなメリットになると、私は考えております。これらのことから、「企業誘致」に関しましては、中央自動車道のスマートインターチェンジに隣接する「大津町地内」の方が物流機能等の面からも優位性が高いという結果となりました。

次に、3つ目の視点「移住」についてであります。6ページをご覧ください。山梨県は、移住ランキングで毎年、上位に位置付けられるほど人気の高い県であります。また、月刊誌「田舎暮らしの本」の編集社が毎年行っている「住みたい田舎ベストランキング2018年度版」では、本県の北杜市が初の全国1位となりましたが、北杜市で、平成28年9月から、翌年の平成29年11月までの移住者1,058人の前住所地を調べた結果、東京都内が3分の1を占めたとのことであり、働き方の多様化などにより、人々のライフスタイルが大きく変化する中で、リニア開業による東京圏からの移住者の増加もなお一層期待されており、本市においても移住施策に力を注いでいるところであります。この「移住」に関する比較・検討では、「リニア駅近郊への移住」と、いわゆる「田舎暮らし」を志向する方々とに分類し検証を行いました。

はじめに、「リニア駅近郊への移住」においては、「宅地開発可能地の規模・配置」の面では、リニア駅が「大津町地内」でも「小井川駅付近」の場合でも、ほぼ同条件であると考えられます。「大津町地内」の場合は、その周辺は高規格道路ネットワークの拠点であることから、東京圏などからの「二地域居住」に適しているだけでなく、本市への移住者をはじめ、県内、特に国中地域にお住まいの方々にとって、高速交通網と新幹線駅が隣接する「大津町地内」は利便性が高いエリアであります。一方、「小井川駅付近」の場合、その周辺には大規模店舗である「イオンモール」や「山梨大学附属病院」、「身延線駅」が立地し、生活環境が優れていることから「市街地居住」に適しています。移住先の選択は、移住者の志向によるところが大きく、地方への移住を希望される方々が、市街地居住を望むのか、自然環境を好まれるのか、あるいは、就労の場を望むのかなど、それぞれの価値観によって決められるため、結果としてこの「移住」分野においては、リニアの駅位置は大津・小井川、いずれの場合でも、優位性に大きな差はみられず、同等であると考えています。以上が今回の検証結果となります。

まとめますと、「観光・アクセス性、企業誘致、移住」の3分野において、「大津町地内」と「小井川駅付近」を比較したところ、「移住」分野では、両地区はそれぞれ同程度の優位性を備えていますが、「観光・アクセス性」及び「企業誘致」分野においては、「大津町地内」の優位性が高く、総合的に、「大津町地内が最適である。」という検証結果となりました。

続きまして、ここからは、今後のリニア活用方針について、私の所見を述べさせていただきたいと思います。国は、20年後の深刻なリスクとして、(1)急速な高齢化と医療、介護の危機、(2)深刻な若年労働力の不足、(3)空き家急増に伴う都市の空洞化などを「2040年問題」として掲げ、「その対策が急務である」と位置付けています。こうした中、私は、日進月歩で進化する先端技術であるAIやIoT、ロボットや自動運転などを積極的に取り入れていくことが今後ますます重要となり、また、リニア開業時を含め、10年後、20年後を見据えたまちづくりにおいては、観光はもとより、経済の好循環をもたらす企業誘致や移住政策に取り組むことが必要不可欠であると考えております。長崎知事が提案している「医療立県やまなし」を目指す「メディカル・デバイス・コリドー構想」や民間企業や研究機関の誘致を目指す「リニアやまなしビジョン」では、東京圏などからの先端技術や情報・通信分野の企業誘致、及び移住促進を目指しており、「2040年問題」の打開策のひとつになり得るものと、私は高く評価しているところであります。リニア中間駅の都市にとって「大都市圏の流れに埋没しないまち」となるためには、リニア駅近郊エリアとなる半径5km圏内にある鉄道駅やインターチェンジの周辺地区及び観光地点を交通ネットワークでしっかり結んだ乗降客の増加をはじめ、企業誘致、移住促進を総合的・戦略的に取り組むシステムを稼動させることが重要だと考えています。

つまり、リニア開業効果を最大限に享受するためには、リニア駅を有する甲府圏域の自治体間の連携強化が必要であり、この連携による取組を通じて、観光や産業などの様々な分野において、県下全域への大きな波及効果を生み出していきたいと考えております。リニア駅が「大津町地内」であれば、新設されるスマートインターチェンジに直結することから自動車交通、特に「観光バス交通」にとって、大きなメリットがあります。長崎知事は、従来から「新々御坂トンネルの整備促進」を提起され、「富士山」という貴重な自然資産に着目されております。このことは、リニア駅が「大津町地内」の場合、大型バスターミナルを併設することにより、中央自動車道のスマートインターチェンジの活用と併せ、「新々御坂トンネル」が完成すれば、リニア利用客の富士山方面への移動が飛躍的に短縮され、観光環境が大幅に改善されるだけでなく、国中地域との交流も一層活発になることが期待できます。一方、リニア中央新幹線の開業により、長野方面と首都圏とのつながりも新たな流れとして視野に入れる必要があります。この場合も、リニア駅が「大津町地内」の場合には、中央自動車道のスマートインターチェンジに隣接するリニア駅というメリットが十分に発揮されるものと考えています。

リニアの駅位置の決定は、「リニアやまなしビジョン」の策定を通じて行われることになりますが、この際には、県民の皆様にとって、「経済の発展と生活の質の向上」が図られますよう、我が国の2040年問題対応、及び本県の観光振興、企業誘致、移住促進の3点にご配慮いただきたいと思います。

本市において、本年3月に策定した「甲府市産業ビジョン」では、資料7にお示ししたように、リニア開業を見据え、「交通結節点の優位性を活かした企業誘致や、交流人口・物流の増加」などを、連携による取組みの方向性として位置付けています。2027年のリニア開業まで8年となりましたが、本市といたしましては、リニア開業による効果が、本市のみならず、県内全域に波及できるよう、本市産業ビジョンの目指す将来像である「スーパーメガリージョンの中で、存在感を放ち、自立的な地域経済構造を有する交流拠点都市・甲府」の実現を目指してまいります。

本日の発表は以上であります。

発表項目の質問について

(記者)

なぜこのタイミングで、わざわざ臨時記者会見を開き、大津町の優位性を強調される結果報告をされたのでしょうか。

(市長)

6月議会の本会議の答弁のなかで、検証した結果を皆様に公表させていただくことをお約束させていただきました。その後も、議会の中でも外でもそういった声が多くあり、検証結果もまとまりましたので、この時期に報告させていただきました。

(記者)

県も今、選定作業を進めていると思いますが、そういうところを見据えての発表だったのですか。

(市長)

もちろん、県は今までの経過や甲府の方向性についてはご承知だと思います。しかし、県は県で、新たな組織のなかで検証を進めていらっしゃると思いますし、ビジョンのなかで決定されるということでありますから、それはそれで進めていくと思いますけれども、私どもが市民・議会にお約束させていただいた内容についてまとまりましたので、報告させていただいたというところです。

(記者)

先ほどから聞いていると、長崎知事へのメッセージなのかな、という感じもしましたけれども、県に対して、甲府市の考え方を改めて伝える機会というのは今までなかったのかということと、県に対してのアプローチを今後どうされるのかということを教えてください。

(市長)

6月議会で表明していますので、そのことについて、県の担当部局にも、私は知事さんにも、市の考え方に沿って検証を進めていきたいという話はしておりますし、いろいろなところでそういう意見交換はさせていただいています。

(記者)

検証結果を、直接県にお伝えする機会というのはあるのですか。

(市長)

もちろん、どちらにもリニアに関わる部局がありますので、報告はさせていただこうと思っています。

(記者)

第三者機関ではなく、市が検証すればこういう結果になるのは目に見えているのかな、という気がするんですけれども、今回検証して、新たに気づいたところというか、“そういうところに優位性があるんだな”というのはございますか。

(市長)

前から申し上げていますけれども、改めてということであれば、やはり観光立県という面で、新幹線の駅と主要幹線道路、高速道路のインターチェンジがだるまのようにくっつくところは全国にも例がないと思います。加えて、先ほど申し上げましたように、世界遺産の富士山への西からの玄関口になり、そういった意味でも時間・距離が短縮され、富士山に行く方、来た方が、国中地方に来ていただける。そういった利便性が、大津駅が一番適しているのではないかということを改めて感じ、公表させていただきました。

あと、以前の検討組織のなかでは、リニア駅周辺には公共が関わる部分をいくつかつくっていこうと、公(おおやけ)が関わる部分ですね。私はその組織のメンバー、委員でありましたが、民間主導でやっていただいた方が良いのではないかということを、その中で時々申し上げておりました。先ほど観光に資することについて申し上げましたけれども、民間の活力を新たな産業をその周辺に呼び込むことが非常に良いのではないかということを申し上げておりましたので、そういう意味では、長崎知事がおっしゃっている構想はこれから進めていっていただきたいなと思っております。そういった思いを込めさせていただきました。

(記者)

先ほどの質問と重なる部分があるかもしれませんが、改めてこの結果を長崎知事に報告したり、会って直接意見を交わす場を設ける考えはありますか?

(市長)

知事さんとはいろいろなところでお会いしていますし、時間的な制約もあったりして詳しくお話ができない場合もあるんですけれども、そのなかで今までの方向性については意見交換をさせていただいておりますし、これからも担当部局のほうでしっかり報告したり、私は私の立場で報告をさせていただいたり、また意見交換をさせていただきたいと思っています。

(記者)

それは、長崎知事と市長が直接やりとりする場面も想定されるということですか。

(市長)

はい、そうですね。今までもありましたし、ただそれは、知事さんと県庁所在地の市長ですから、そのなかで皆さま方に報告をしたりというのはこちらで判断させていただくのですが、例えば今日の午後からは、中央東線の高速化について、知事さんと長野県のそれぞれの方々で要望・陳情活動に行きます。そういったさまざまなところでお会いすることがありますので、その機会を通じたり、直接二人でお会いしたりということがこれから想定されると思います。

(記者)

検証の3つの視点について、『甲府市リニア活用基本構想』からこの視点を設けていると思うんですけれども、『甲府市リニア活用基本構想』は、大津町に駅ができるという前提でやっていると思います。そこから視点をもってくるとすると、もともと前提条件になっている大津町の方が有利になる結果になるんじゃないか、と思うんですけれども、大津町をもとにしている活用基本構想からこの視点を選んだ理由を教えてください。

(市長)

先ほど申し上げましたように、もちろんリニア活用基本構想をつくっていますから、それに合わせる形で検証をしましたけれども、国の動向や、観光立県山梨として県が進めている施策、あるいは移動手段の動向などを加味して比較をしました。そして、長崎知事さんになられてから、「新々御坂トンネル」や富士山の新しい交通体系なども調べていますから、そういったことも考えた時に併せて移動距離の関係や移動時間の関係など、2つをできるだけ客観的にやったつもりでありますけれども、もちろん平成23年に大津町で決まったことからいろいろな検討が始まっておりますから、その検討状況も踏まえて、加えて新たな状況、あるいは国が2040年問題として捉えている状況、あるいはここ数年来、国会のなかでスーパー・メガリージョン構想、中央創生回廊として、あるいは中京圏だけでなく近畿圏までなるべく早くリニアを、という話。そういったものを加えて庁内で検討し、何度も検討を重ねてきたということであります。加えまして、知事さんがおっしゃられるように、明治期の中央線、昭和期の中央高速道路、そして令和の時代のリニア中央エクスプレスということでありまして、知事さんはたしか100年の体系だからじっくりもう一度検証したいとおっしゃいました。その通りだと思います。私どもも、第六次総合計画や、いろいろなところで、今申し上げたような中央線の敷設や、中央道の共用開始に匹敵する、あるいは、それ以上の未来に向けての大事業でありますから、きちんとこの間も議論してきましたし、このことについても、もう一度私どもの立場で検証をしっかりして、お示しをすることが大事だと思っているところであります。

(記者)

資料3の4ページの下、「観光・アクセス性」のところの評価なんですけれども、結果で、“「観光・アクセス性」の視点では、「大津町地内」の優位性が高いと判断できる。”とあり、それは分かるのですが、その下の、“大津町地内については~専用公共交通を整備することにより、さらに優位性も高まる。”とありますが、大津町の方にだけ特定な条件をつけることで優位性がより高まる、というのは、比較としてはこっちだけプラスアルファされている感じがするのですが、これを記してある理由を教えてください。

(市長)

鉄道という観点、高速道路という観点を重視しておりますけれども、身延線という県民の足、公共交通を利活用するということも必要だという想いで、大津駅でも、あるいは小井川駅付近ではありますけれども、小井川駅だとなかなか難しいという構造上の問題があると思いますので、そういった形で検証・項目出しをさせていただきました。

(記者)

今回、甲府市として検証結果をまとめて、市長も先ほどおっしゃっていたとおり、大津町のほうが最適であると考えていらっしゃると思うんですけれども、県のほうも今、検証をしていると思いますが、もし仮に、駅が大津ではない、甲府市ではないところになった場合、市長としてはどのような動きをされるお考えでしょうか。

(市長)

私どもの検証結果でありますから、これを公表させていただいて、決定される県あるいはJR東海さんにも、“甲府はこういう検証結果で、こういう想いである”ということはお伝えをさせていただこうということで、今回公表させていただきました。それはそれとして、決定されるのは県ですから、新しい体制で検証を重ねていると思いますので、その結果を今から出されるということでありますから、それはそれなんですけれども、ぜひ甲府の想いもご理解いただきたいと。もちろん、県とずっと一緒にやってきましたので、知事さんも県の皆さんも、十分承知していることでありますけれども、それに加えまして、今回改めて検証させていただきました。ここに込められている、リニアが開通することによって、甲府だけでなく山梨県全体が利益を享受するということを、あるいは観光立県や21世紀型の未来的な産業の誘致とか、そういったものについて考慮してご検討いただきたいという想いがあって、こういうものを出させていただきました。結果については、私どもがどうこう言う筋合いはありませんから、大津町が最適というのはそういった意味で申し上げているわけでありまして、そのことをぜひお訴えをさせていただければと思います。

(記者)

アクセス性のなかで、両方の駅から小井川駅までの所要時間が同じというのは、若干ちょっと一般の人に理解されにくいかなと思うのですが、どうしてタクシー利用も同じ7分にしたのでしょうか。

(市長)

大津地内からだと徒歩では厳しいのかなと。先ほども確か申し上げたと思いますけれども、そこからシャトルバスとか、そういった新たな交通体系とかということであれば別ですけれども、現在の検証ですから、徒歩ではちょっと無理ではないかなと。小井川駅付近の駅位置ですと、徒歩が最適ではないかということだと理解しています。

(記者)

小井川から甲府が特急想定で13分に計算されていると思うんですけれども、そうすると、バスで大津町の駅から甲府までが20分、小井川駅から特急が13分。だから、なんとか小井川までに7分間かかってほしいと、そうも読めるような気がします。小井川まで5分で歩ければ、全部小井川のほうが有利になってしまうじゃないですか。

(市長)

身延線を活用したいのは私たちも同じですから、そういった意味では、バスで20分かかるかどうか含めて、皆さんで検証していただければと思います。17分かもしれないし、25分かもしれませんから。私どもの検証結果では、「駅」というかたちと「主要観光地」「交通手段」というかたちで検証させていただきました。

(記者)

そもそもリニアの開業時期を巡って、静岡県とJR東海との話し合いが難航していますが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

(市長)

静岡県知事さんと山梨県知事さんがお会いしていろいろお話をされたり、JR東海さんと意見交換をされていると思いますけれども、あと8年ということで、想定のなかで予定を立ててやっていただいておりますから、住民あるいは住民の代表である行政の皆さんとの意思疎通をはかって、できる限り予定されたスケジュールで進めてほしいという想いであります。

(記者)

静岡県知事が言っていることは理解できますか?

(市長)

心配はよく分かりますけれども、それを払拭するように、JR東海の皆さんもさらに意見を聞く回数を重ねたり、資料を提供したりして欲しいと思います。

 

(以上)

言葉遣いや明らかな言い間違い、言い直しがあったものなどを整理した上で掲載しています。

(作成:甲府市シティプロモーション課)

よくある質問

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市長室情報発信課プロモーション推進係

〒400-8585 甲府市丸の内一丁目18番1号(本庁舎5階)

電話番号:055-237-5314

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