更新日:2025年2月20日
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、肺の生活習慣病ともいわれ、国の統計では、2021年のCOPDによる死亡者数は約1万6千人(男性の死因第9位)、また、国内の潜在的な患者数は530万人以上いると推計されていますが、2020年の統計で診断されているのは36万人で、多くが適切な治療など、医療につながっていません。
また、国の調査や市の市民アンケートの結果によると約70%が「知らない」と回答し、知っている人も少ない病気です。
以前は「慢性気管支炎」「肺気腫」と別々に呼ばれていましたが、この2つを総称して「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」とよばれています。
COPDの主な原因はたばこなどの有害な毒素を吸い込むことです。COPD患者の90%が喫煙者といわれています。
現在だけでなく過去に喫煙していた方も同様です。
受動喫煙も発症の原因の一つです。
COPDが進行すると症状が出ますが、初期は無症状で、ゆっくりと進行し、しかも元どおりには治りません。
肺がん検診などで実施する胸部レントゲン検査でCOPDの特徴が確認される頃には、症状がすでに進行している場合が多く、検診で早期発見することは難しいです。
COPDは肺だけでなく全身に影響し、全身性炎症、心・血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病などを併発しやすくなることが知られています。COPDは全身に影響する病気です!
特に40歳以上の方で、喫煙歴のある方は要注意です。
「COPD集団スクリーニング質問表」(別サイトへリンク)(COPDのリスクがある患者さんを特定するスクリーニングツール)を使って自己チェックもできます。合計点が4点以上の場合は、記載したチェック表を持参し、呼吸器専門医に相談してください。
肺の中にある肺胞は酸素と二酸化炭素の交換をしています。
COPDの肺では、肺胞が壊れ、肺気腫になります。肺気腫の部分ではガス交換がうまくできません。
また、空気の通り道である気管支が狭くなり、吸った息をうまく吐き出せなくなります。
COPDが疑わしいかどうかは、内科の中でも呼吸器内科を専門にしている病院で、スパイロメーターという機械を用い、肺機能検査を受ければ、簡単にわかります。
スパイロメーターを用いて、どれだけ多くの空気(息)を吸い込むことができ、どれだけ大量にすばやく吐き出せるか調べることができます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は肺の炎症が起こる疾患ですが、炎症性サイトカイン※1の増加がみられ、全身性の炎症が起こります。息切れによって、運動量・活動量・食事量が低下することで生じる筋力や筋肉量の低下、低栄養、内臓脂肪型肥満に加えて、全身性炎症の影響を受けることで、貧血、骨粗鬆症、骨格筋機能障害、抑うつ、睡眠障害、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性など全身への影響がみられるようになります。インスリン抵抗性からはさらに、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害などの疾患を招くこととなります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、加齢と肺の機能障害による身体活動性の低下と全身性の炎症から骨格筋の機能障害(筋力低下、筋肉量低下)を起こし、全身に悪影響を与えて合併症や併存症※2をもたらします。全身の状態が悪くなることで、さらに筋力低下、筋肉量低下が進み、身体機能を悪化させるという悪循環を起こします。
公益財団法人長寿科学振興財団『健康長寿ネット』(別サイトへリンク)
独立行政法人環境再生保全機構『慢性閉塞性肺疾患(COPD)基礎知識』(別サイトへリンク)より
COPDの発症・重症化を予防するには、まずは禁煙です。
禁煙について相談できます(禁煙しませんか?)
喫煙の行動やニコチンの依存度の確認をしながら、禁煙の準備やひとりひとりに合った禁煙方法を提案します。
禁煙しようか、迷っている方でも、お気軽にご利用ください。
費用:無料(申込制)
申込先:地域保健課
電話055-237-2505
受付時間:平日8時30分から17時15分
COPDの危険性を知り、病気への関心を高めるため、毎年11月の第3水曜日が世界COPDデーと定められ、さまざまな普及啓発活動が行われています。。
令和6年度(2024年)は、11月20日(水曜日)が世界COPDデーです。
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保健衛生総室地域保健課保健予防係
〒400-0858 甲府市相生2丁目17番1号(健康支援センター2号館1階)
電話番号:055-237-2505
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