更新日:2022年8月22日

ここから本文です。

甲府市民は映画好き!?

明治30(1897)年11月5日、桜町通りの芝居小屋「桜座」で、県内で初めての活動大写真(現在でいう映画)の上映興行が行われました。まだ市内に電灯が普及していないころで、全国的に見ても同じ規模の都市の中では早い時期の上映でした。

この時に用いられた映写機とフィルムは、アメリカから直接輸入されたもので、とても高価だったため、東京の商社から期限付きで借りてきたものだったといわれています。また、中央線も東京ー甲府間がまだ開通していなかった当時、重い映写機と燃えやすいフィルムを東京から運んでくるのも大変な作業でした。

活動写真の上映は、新聞広告でほぼ毎日大きく宣伝されたこともあり、上映期間中、連日超満員となる大盛況で、当初は1週間の予定だった上映期間が10日間に延長されたほどでした。

それまで市民の娯楽といえば、歌舞伎・壮士劇といった芝居見物や浪曲・落語といった寄席などが主流でしたが、この上映を皮切りに、「動く写真」に魅せられた市民の関心は活動写真へと移っていきました。その後、活動写真は黄金期を迎え、市内には5つの活動写真館(常設の映画館)が建ち並ぶほどになりました。

当時の新聞広告によると、桜座では、「ナイアガラの滝の光景」や「ニューヨークの消防士による消火活動」「アメリカ大統領選挙運動の様子」「パリの公園や街なみの風景」などが上映されていたそうです。

中央館
画像:大正14年に建てられた中央館(旧柳町)。
このほか明治末から昭和の初めにかけて、甲府館(旧春日町)、第二甲府館(旧錦町)、富士館(旧三日町)、キネマハウス(旧八日町新道)が開館しました。(写真集「甲府物語」より)

 

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?
このページの情報はわかりやすかったですか?

ページの先頭へ戻る