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更新日:2023年5月1日

地球温暖化への適応策

概要

温暖化対策には、大きく分けて「緩和策」と「適応策」の2種類があります。「緩和策」とは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を削減して地球温暖化の進行を食い止めるための取組であり、最優先で取り組んでいく必要があります。それに対して、緩和策に取り組んでも地球温暖化の影響が避けられない場合、その影響に対して自然や人間社会のあり方を調整していく取組が「適応策」です。

IPCC第6次評価報告書では、「少なくとも過去2000年間においては、前例のない速度で気温が上昇しているため、世界の平均気温は産業革命以前と比べて約1℃上昇しており、更に少なくとも今世紀半ばまでは気温上昇が続く」ことなどが指摘されています。

我が国においても、気温の上昇、降水量の変化などさまざまな気候の変化、海面の上昇、海洋の酸性化などが生じる可能性があり、災害、食料、健康などのさまざまな面で影響が生じることが予想されています。そのため、緩和策を着実に進めるとともに、既に現れている影響や今後中長期的に避けることのできない影響への適応策を計画的に進めることが必要となっています。

国の気候変動の影響への適応計画では、政府の気候変動適応に関する基本戦略や関係者の基本的役割を示しており、地方公共団体の基本的役割としては、地域の多様な主体の気候変動適応に対する理解の醸成や、それぞれの主体による気候変動適応の促進を図ること等を定めています。

甲府市における温暖化の影響

本市は全国一位を争う「暑いまち」で、年平均気温が100年間で約2.1℃上昇しています。これは日本全体の年平均気温の上昇(100年間で1.21℃)を上回っています。そのため、特に夏の暑さの厳しさによる市民の生活や農作物への影響が懸念されます。

なお、気象庁が発刊している「山梨県の気候変動」(「日本の気候変動2020」に基づく地域の観測・予測情報リーフレット)によると、パリ協定の2℃目標が達成された「2℃上昇シナリオ」においても、本市の年平均気温が約1.4℃上昇することが見込まれており、追加的な緩和策を取らなかった「4℃上昇シナリオ」では、約4.4℃上昇することが予測として挙げられています。

各分野における適応策の方向性

本市は、「暑いまち」であること、ブドウなど果樹の生産が盛んなことなどの地域特性や、既存の施策・事業、国や山梨県における検討状況を踏まえ、以下の5つの分野において、適応策の方向性を示します。

本市においては、気候変動による影響を、地域の特性に即して検証し、庁内関係部局と連携して取り組みます。また、気候変動による影響の緊急性を周知し、地球温暖化対策への必要性を認識してもらえるよう取組を進めます。

(1)健康被害の予防

影響

熱中症による救急搬送患者が増加し、特に高齢者や子どもは重症化のリスクが高くなることや、マラリアやデング熱などの感染症の増加等が懸念されます。

特に、熱中症のリスクは、暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなり、暑さに対する体の調節機能が低下する高齢者において高くなります。

適応

熱中症注意喚起(防災無線やラジオ局を通じた呼びかけ、広報誌等による周知・啓発等)

熱中症予防声かけプロジェクトの推進

子どもたちを暑さから守るための取組(教職員対象の熱中症等学習会の開催等)

汗をかく習慣づくり(暑熱順化)の推進

クールシェアスポットの設置

ミスト噴射装置の導入

緑のカーテンの設置等(ヒートアイランド対策)

水や食物、害虫等が感染源となる感染症の注意喚起

光化学スモッグ注意報等の情報提供 等

(2)自然(水)災害

影響

近年、気候変動の影響による局地的な集中豪雨により、甚大な豪雨・洪水の被害が発生しています。今後も、その頻度が増し、河川洪水の機会が増加することが予測されます。

適応

甲府市地域防災計画に基づく適切な対策の実施

浸水想定区域(洪水ハザードマップ)の周知

避難訓練の実施 等

(3)水環境・水資源

影響

気候変動による渇水や洪水などの水環境・水資源へのリスクが高まります。

適応

水源かん養のための森林整備の実施

節水や雨水利用の推進 等

(4)食料

影響

コメ、野菜、果樹等の品質低下(巨峰系品種の着色遅延、収穫期や収穫に近い品種の一部で果梗部の褐変、果粒の軟化など)及び作付品目の変更等の影響が懸念されます。

適応

市内農家への情報提供・技術対策の指導

環境変動に対応した生産技術の研究・開発 等

(5)自然生態系

影響

地球温暖化は生物多様性の危機の一つと考えられ、これまで生息していた生物の生息域が変化し、私たちの身近な生活にも影響を及ぼします。

適応

必要に応じたモニタリング等による生息域の把握

市民への正しい知識と防除方法の啓発活動

希少野生生物のモニタリング調査や保護増殖活動の推進 等

お問い合わせ

環境総室環境政策課温暖化対策係

〒400-0831 甲府市上町601番地4

電話番号:055-241-4363

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