ホーム > 市政情報 > 広報 > いきいきライフ > 文化財めぐり甲府のお宝み~つけた! > 銅造観世音菩薩立像
更新日:2024年4月12日
ここから本文です。
平成6年、山梨英和短期大学(現山梨英和大学)の横根キャンパス造成に先立ち、東畑遺跡・道々芽木(どどめき)遺跡・八木沢遺跡の発掘調査を行いました。
調査の結果、古墳時代から平安時代にかけての集落跡が見つかり、多くの土器等が出土しました。
観世音菩薩像は、平安時代(9世紀)の竪穴住居跡から少量の焼土とともに出土しました。出土した当初は全身厚い錆(さび)で被われ、詳細な形状についてはまったく不明でしたが、錆を除去すると、神々しい光を取り戻しました。
鋳銅一鋳(ちゅうどういっちゅう)で鍍金(ときん=金メッキ)が施され、与願施無畏印(よがんせむいいん)(右手は肘(ひじ)を鋭角に曲げ、左手を軽くたれ下げる)を結んでいます。
仏像の表面は大部分が銅色をしていますが、科学的分析調査の結果、メッキされた金が全身に残っていることがわかり、現在も瓔珞(ようらく=胸飾り)の周囲などには金色の部分があります。その様式から、白鳳時代(7世紀後半)に制作されたと考えられ、しかも渡来系の仏師が携わった可能性も指摘されています。
銅造観世音菩薩立像。総高11.1cm、像高9.5cm。現在、山梨県立博物館の常設展で展示されています。
お問い合わせ
生涯学習室歴史文化財課文化財係
〒400-8585 甲府市丸の内一丁目18番1号(本庁舎9階)
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください