ホーム > 市政情報 > 広報 > いきいきライフ > 文化財めぐり甲府のお宝み~つけた! > 一蓮寺過去帳
更新日:2024年4月12日
ここから本文です。
芥川龍之介の晩年作に「僕の母は狂人だった」で始まる「点鬼簿」という小説があります。
点鬼簿とは、供養のため死者の法名(法号・戒名)や死亡年月日などを記した帳簿のことですが、一般的には過去帳といい、霊名簿、霊簿などともいわれます。過去帳は江戸時代以降に作成されたものが多く、それ以前のものは数が少なく極めて稀(まれ)です。一蓮寺に残る過去帳は、鎌倉時代から江戸時代まで書き継がれてきた稀有(けう)な記録といえます。
約600年間にわたって記録されている一蓮寺過去帳
一蓮寺は、正和元年(1312)に創建され、当時は一条小山にありましたが、甲府城築造に伴い、現在地(太田町)に移転されました。
現在、「僧帳」「尼帳」「新帳」と呼ばれる3冊の過去帳が残され、武田家歴代当主や一族・家臣をはじめ、塩買、鍛冶などの商職人、さらには芸能者や他宗派の人物なども記載されています。
過去帳の記述はいたって簡単で、いつ(年月日)・どこの(居住地)・誰が(俗名)死亡し、何という法名を付けたかを記載されている程度です。なかには合戦名とともに「打死」の記載がある者も記録され、甲斐国内における戦国動乱期の世情を今に伝えています。歴代住職により連綿と書き継がれてきたとても貴重な史料です。
一蓮寺過去帳の記述。中世の甲斐の歴史解明につながる手がかりを豊富に含んでいます。
お問い合わせ
生涯学習室歴史文化財課文化財係
〒400-8585 甲府市丸の内一丁目18番1号(本庁舎9階)
電話番号:055-223-7324
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください